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江田(憲)
委員 その辺の経緯はともあれ、結果的に我々の目に見える範囲内で起こったことは、あの年末に小沢
一郎幹事長が官邸に乗り込んで、これが
国民の意思だとおっしゃられて、ガソリンの暫定税率は維持するんだ、道路公団、道路会社に休日割引用にためていたお金を使って新しく道路をつくるんだと、それまで鳩山
内閣が
検討していた真逆のことを申し入れた。これははっきりした事実としてあるわけですね。
それから、幹事長室への陳情一元化というものが出てきて、まさに私の元ふるさとであります岡山県知事あたりが、どうして知事でありながら直接
国土交通省や農水省に陳情ができないのか、要望ができないのか、何で
民主党県連会長、幹事長室を通さないとできないのかという事件もございました。当時副幹事長を務めておられた
民主党の議員の方にも直接私はお聞きしましたけれ
ども、それはそれは、とにかく副幹事長以下が幹事長の指令のもと陳情を選別し、そして選挙の協力をしないと陳情はつながないみたいなことが行われたというお話もしておりました。
ですから、いずれにせよ、どうあれ、私は、非常に残念だったのは、やはり
政権発足当初に、せっかく準備された
政権移行チーム、国家戦略局という非常にいいアイデアが船出できなかった、スタートダッシュにつまずいたということだと思うんです。
その小沢元代表が、今、本当に大変私
どもが困惑しているのは、みんなの党と同じようなことをおっしゃっているんですね、この
消費税増税については。
増税の前にやるべきことがあるだろう、これは、申しわけないですけれ
ども、私
どもが
最初、結党したときの原点でありますよ、私がいろいろ書いたんですけれ
ども。
増税の前に、まず、景気が悪いんですから、その後起こった事象では大震災と原発事故が襲って国難の中にあるんですから、まずこれを最優先課題として、大震災からの復旧復興、それから景気をしっかり、十数年デフレなんですから、デフレから脱却して経済を成長させていく、これを最優先課題として取り組むべきだと。
いろいろありますけれ
ども、もう
一つが、確かに額的には幾ら踏ん張っても些少かもしれませんけれ
ども、やはり、隗より始めよ、国
会議員や役人が身を切ってみせなければ、
国民の皆様も
負担を納得されない。そういう
意味で、国
会議員や役人が身を切る、特別会計のいわゆる埋蔵金と称されるものや、
政府資産の売却や、いろいろなことをしっかりやっていく。
ですから、私が申し上げたいことは、本当は、もう三年近く
民主党への
政権交代から時間がたつわけですから、この間にこれをやっていただいておれば、今、我々もこういった議論をする必要はないんですよ。それが、残念ながら、景気がよくなったなんて、デフレから脱却した、みじんもないような
状況であり、かつ、全く何もやっていないとは私も申し上げませんが、やはり、当初約束したような無駄遣いの解消や
予算の組み替えが大変不十分ながら終わっているということも事実でありますね。
国
会議員や公務員も、私も全くやっていないとは言いませんが、この前申し上げたとおり、国
会議員の歳費だって、国家公務員の人件費だって、やはり非常に額的には些少で、しかも二年限りという現状ですから。
私は、そういう
意味では、やはりここをしっかりとやらないと、この
社会保障と税の
一体改革、それから
消費税の
増税、待ったなしだというふうに
野田総理は言われるわけですけれ
ども、私は待ったありだと言っているわけですよ。
無責任に待ったをするつもりはありません。しかし、待ったをしている間に、大きく言ってこの二つのことをやり遂げる。やり遂げた後、いろいろしっかりと計算をして、
社会保障のために幾ら
財源がさらに必要なんだ、だから、
消費税かどうかは別にして、これだけの
負担を
国民の皆さんにお願いせにゃいかぬのだといって時の
総理が頭を下げれば、私は、
国民の皆さんも理解していただけるんだろうと。
まさに、それは、手前みそですけれ
ども、
橋本政権のときに実際に三から五に上げたときに、私は官邸にいたわけです。そういうプロセスをつぶさに見てきただけに、経験をさせていただいただけに、私は、
民主党政権さんにもぜひそういうところをしっかり参考にしていただいて、やはり
増税プロセスというのは、
財務官僚がペーパーに書いてできるものじゃないんですね、御承知のように。政治評論家や何やがわあわあ言ってできるものじゃなくて、まさに政治プロセス中の政治プロセスですから、やはり
国民の皆さんに理解を得るということが一番大切、そのプロセスをしっかり踏んでいかなければならないというふうに私は申し上げているわけです。
小沢
一郎元代表の話に戻せば、そういう
意味で、今みたいなことをおっしゃられるんですね、小沢元代表は。しかし、私もこの世界に役人として、政治家としてもう三十年以上いるものですから、
国民福祉税構想の舞台裏もよく知っております。あのときは、いきなり深夜の記者会見で細川当時の
総理が、腰だめと称して七%の
国民福祉税構想をぶち上げられた。その背後にいたのは、小沢
一郎さんと、大蔵省と、私がいた通産省ですね。よく齋藤次郎さん、今日本郵政の社長の名前が挙がりますけれ
ども、当時タッグを組んでいたのが通産省なんですよ。当時産業政策局長熊野英昭さん、もう亡くなられましたけれ
ども、そのもとに私は産業政策局の
総務課長補佐としておりまして、実はいろいろなことをやっておりました、当時は。
ですから、舞台裏はよく知っている当事者の一人なんですけれ
ども、あのときも、小沢
一郎さんという政治家は、とにかく七%の福祉税をやらにゃいかぬということで、大蔵省と通産省、特に大蔵省とタッグを組んでやられたわけですよ。よく言われるように、「日本改造計画」という御著書でも、
消費税は一〇%に上げにゃいかぬとおっしゃられている。それから、これは真偽のほどは定かではありませんが、福田康夫
政権のときに大連立を持ち込んだときに、当時仲介をした方のお話によると、消費
増税を一緒にやろうじゃないかといって大連立を持ちかけられた。
ですから、私は、今まで、小沢
一郎さんという政治家は
増税論者だと思っていたわけですね。それが、なぜかみんなの党と同じようなことをおっしゃられているというのは非常に私には不可解だし、ある
意味、非常に迷惑なことでもあるんです、みんなの党として。
これについて、
岡田克也さんという政治家は、九〇年代初頭、船田元さんたちと一緒になって、特に安全保障の問題について、小沢
一郎元代表のもとで非常に御活躍されていたというイメージもありますし、ある時点まで政治行動もともにされていたということはございますので、先ほどの冒頭の、民主政治の冒涜だ、政党政治の破壊だとおっしゃって
増税に
反対をしている小沢
一郎元代表、その発言自体というよりも、小沢
一郎さんという政治家に対して、今、
岡田副
総理はどういう思いをお持ちなんでしょうか。