○
遠藤(乙)
委員 枝野
大臣の御所見、私も基本的には同じでありまして、大変心強く感じた次第であります。
特に、人材の活用、これは本当に大事でありまして、女性とか高齢者も含めて、持てる能力を最大限に活用するような
社会システムにするということがまず大事だと思います。
それからさらに、このIMDの報告書を見ると、強み、弱みということが非常に明確に浮かび上がってまいります。
日本の持つ強みは、特に研究開発能力、科学技術、これはもう圧倒的に強くて、非常にすばらしいというふうな
評価がIMDからなされておりまして、これはまさに我々の実感とも共通する。ノーベル賞学者も出ている。また、特に特許件数なんかは、年間三十万件ぐらいありまして、いまだに世界でトップランクにあって、科学技術能力が極めて高いということがありまして、これは
日本の非常にすばらしい強みです。
逆に、弱みということになりますと、特に起業家精神、これは、全世界、五十九カ国、対象をとった国の五十九位です。最下位ということでありまして、要するに、非常に
国民が職人かたぎというか、あるいは安定志向といいますか、技術には非常にこだわるけれ
ども、安定を志向していて、リスクテーキングとか、新しいものを立ち上げていく、そういった経営感覚あるいは起業家精神には乏しい。五十九カ国中五十九位という、名誉あるというか、名誉ある地位になっておりますけれ
ども、これが非常に問題。
それからまた、企業から見て、大学の魅力がない。これは、大学それ自体のやり方はあるんでしょうけれ
ども、企業から見て、企業のニーズに合った人材育成がない。即戦力として、そういった育成がされていない。今までは、ブランドで学生をとって、企業に入ってからオン・ザ・ジョブ・トレーニングでしっかりと訓練をして使っていたわけですが、今はもうその余力がありません。したがって、企業としては即戦力で使える人材を欲しがっているわけであって、そういった人材育成には、
日本の大学は教育力が非常に欠如しているということを言っているわけです。
また、語学力、これが五十八位。五十九カ国中五十八位でありまして、アジアでも最下位。多分、北朝鮮の次ぐらいに、下から、ブービーだと思いますけれ
ども、大変に語学力が悪い。
また、経営者の国際感覚が非常に欠けておりまして、こういったことが相まって、今、
日本のガラパゴス化をもたらしていて、世界全体が非常に、七十億の市場が大きく発展し、特に新興国が物すごい勢いで発展しているにもかかわらず、
日本がどんどんガラパゴス化をしており、企業
関係者も外に目が向かない、学生も留学を全然しなくなった、温泉とかそういったものが好きで、また、いろいろな国内的なことにばかり志向しておりまして、全然世界に行かなくなったということで、このガラパゴス化こそが
日本の今の衰退の
一つの大きな理由だと言われております。
そこで、成長戦略ということを考えると、先ほど枝野
大臣も言われたように、人材をどう活用するか。女性とか高齢者をどう活用していくか。もう
一つは、グローバルな
視点から、これにどうもっと力をつけていくかということで、特に国際感覚、それからもう
一つは経営感覚、この二つをしっかりともう一度、再教育、再訓練していけば、
日本人は非常に優秀ですから、必ず世界でも活躍できると私は思っておりまして、ある
意味で成長戦略の最も重要な部分が、これは
政府でも取り上げておりますが、グローバル人材の育成、あるいはグローバルリーダーの育成、これこそ最重要の国家戦略だという認識をぜひ持っていただきたいと思っているわけであります。
そこで、文科
大臣に御
出席いただいておりますので、なぜ
消費税のところに文科
大臣かということを御疑問に思うかもしれませんが、今言ったコンテクストで、
消費税の問題を
議論していくにも、持続可能な
社会保障、経済をつくるためにも、成長戦略が大事だ、その成長戦略の最も大事な部分が人材であり、特にグローバル人材の育成ということが鍵だということで、文科
大臣にお越しいただいているわけであります。
さっきの中にもありましたように、特に国際感覚、これは、
一つは実践的な語学能力と、もう
一つは異文化に対する理解、コミュニケーション能力、この二つだと思っておりますが、これが著しく
日本人に欠けているということであります。
特に語学面では、
日本は中学、高校でかなり時間をとって英語教育をやっているにもかかわらず、全然使えない。アジアで国際
会議をやっても、ほかのアジア人はみんな英語でしゃべるのに、
日本人だけは通訳をつけて浮いてしまっている。これでは、とてもじゃないけれ
どもグローバルに活躍できるわけがない。ますますガラパゴス化が進行するわけであって、この語学問題、特に英語の実践的能力というのが実は極めて重大なテーマであると思っております。
そういった
意味で、文部
大臣には、
日本の英語教育の問題点をどのように認識しておられるか、どうやって今後これを
改革していくか、この点につきまして、まずお話を
伺いたいと思います。