○
高木(美)
委員 どうぞよろしくお願いいたします。
続きまして、
資料をごらんいただきたいと
思います。
幼児教育の無償化につきまして
質問させていただきます。
これは、自公
政権時代、
幼児教育の重要性に関する認識が高まりまして、
平成十八年、
教育基本法、学校
教育法の改正の折にも
幼児教育が盛り込まれました。
子育て家庭に対するアンケート調査におきましては、具体的な経済的支援措置につきまして、
幼稚園等の軽減が約七割、この左下の
資料にあるとおりでございます。これを受けまして、
文科省、
厚労省では、研究会等で議論されまして、中間報告等が出されたわけでございます。
それを踏まえて、実は
平成二十年、経済
財政改革の基本方針二〇〇八、その中におきましては、「
幼児教育の将来の無償化について、歳入
改革にあわせて
財源、
制度等の問題を総合的に検討しつつ、当面、就学前
教育についての
保護者負担の軽減策を
充実するなど、
幼児教育の振興を図る。」ということから、こうした無償化に対する道筋が少しずつ示されてきたわけでございます。
児童手当につきましても、年少扶養控除、所得税、住民税分が廃止をされまして、結果としては、ほとんど、受け取る側から見れば、受取額は増額になっていない。いわば、
財源確保なく、よく
考えずに
税制改正を先にしてしまうとこうした結果になってしまうと思っております。
いずれにいたしましても、こうした左下にありますアンケート調査結果、やはり、
幼稚園に通う世帯においては六割以上が
保育所や
幼稚園にかかる経費、そして左側は、
幼稚園費等の軽減、このような結果につきましては、負担感に何ら応えられていないという状況にあります。
私は、そういう中で、
子ども手当、やはり期待感をあおって、政治不信を招いてしまったという、この罪は大きいと思っております。したがいまして、
幼児教育の無償化に対しまして、私は、政府についても、本格的にどのようにしていくのか、再度検討をすべきと
考えております。
ここで申し上げたいのは、右側の上のところに「ペリー就学前計画における四十歳での主な結果」というデータでございまして、例えば、十四歳での基本的な到達、どこまで成長しているかということから、質の高い
幼児教育が介入したのがオレンジ、そして未実施のグループがブルーという
内容でございますが、ここでは四九%対一五%、また、高校卒業時の成果におきましては六五%対四五%、また、四十歳で年収二万ドル以上、ここにつきましては六〇%対四〇%、また、四十歳までに逮捕歴五回以上、これはアメリカのデータでございますので、三六%対五五%、こういうデータになっているわけでございます。
したがって、
幼児教育に早期に投資をした方が、むしろその後の健全な成長、そしてまた、たくましい生命力、こうしたことにつながっていくという経済効果もございます。
そこで、右下にありますように、もう皆様何度もごらんになられたこの表でございますが、無償化につきまして、イギリスでは、二〇〇四年までに全ての三、四歳児に対する無償化が
実現をされました。五歳からは義務
教育になっております。私も、義務
教育にした方がいいのではないかと
考える一人です。また、フランスでも、三歳—五歳児対象の
幼稚園は九九%が公立、無償。アメリカもほとんど同様でございます。等々、ごらんいただきたいと
思います。
しかしながら、先ほど議論の中でありましたとおり、我が国におきましては、無償化とはほど遠い状況でございます。
左上のところに、今後どのような経費が必要になるかということで、
幼稚園、
保育所、この両方合わせまして、これは三年分で約七千九百億円。したがって、単年度では二千六百億という数字になります。
これを、どこで、どの
段階で引っ張ってくるかということでございますけれども、いずれにしても、こうした将来の
日本の発展、成長ということを
考えましたときに、なかなか
子供に光が当たらない、また声がないということから予算が回らないわけでございますけれども、この
幼児教育のところはむしろきちっと投資をした方が我が国のためになるということを私は重ねて申し上げるものでございます。
この
幼児教育無償化に対しまして、どのようにお
考えか。
段階的に、まず一学年、就学前一年、所得制限を設けるとか設けないとか、いろいろな議論はあるかと
思いますけれども、私は、安心して
子供を産み育てるという観点から進めてはいかがかと
思いますが、これは、まず
小宮山大臣、そして文科
大臣、また重ねて
財務大臣、それぞれの簡潔な
答弁を求めるものでございます。