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古川国務大臣 おはようございます。
休眠口座についてはさまざまな
議論が惹起されておりますけれ
ども、まず、そもそも、この
休眠口座、
休眠預金の
活用について
検討するというもともとの原点のところからぜひちょっと御
説明させていただきたいと思っております。
日本経済は、
大変長期の
低迷に陥っているわけでございます。特に、ここのところを見ておりますと、廃業する
人たちはどんどんふえる、一方で、創業する、起業する、そういう数は非常に少ないという
状況にあるわけです。今の
日本の
経済で非常に大事なことは、やはり新しい
雇用を生んでいく、また新しい
産業をつくっていく、また新しい
社会をつくっていくということが必要ではないかというふうに考えています。
議員も御承知のように、何かやるにはやはり先立つものが必要で、
お金が必要である。しかし、例えば創業する、あるいは
NPOを起こしていく、こういう
最初の
立ち上げのところというのは、なかなか
お金が、
お金がある人ならいいんですけれ
ども、
アイデアや知恵があっても、あるいは技術があっても、
お金がないという
状況の人が非常に多いわけであります。では、そういうところへ
銀行が
お金を貸してくれるかといったら、
議員も
銀行の出身でありますから一番わかると
思いますけれ
ども、まず、なかなかそういうところには
銀行は
お金を貸してくれない。
そういう
状況の中で、では、
日本は、そもそも
お金がないからそういうところへ
お金が回っていないのかといいますと、今、
日本は家計の
金融資産だけでも千四百兆円と言われるような規模があるわけであります。
お金がないわけじゃなくて、
お金はある。見てみますと、
お金をそんなに今すぐ必要としていないようなところの
企業とか何かは売れ行きや就労とかかなりあったりして、
お金が、たまるところにはたまっているんですが、実際に本当に必要なところには回っていない。
例えば、
世代間で見ても、
日本のそうした
金融資産の三分の二以上は六十五歳以上の
高齢者のところにあって、
お金が必要な若い
世代とか何かにはなかなか
お金が回っていない、そういうこともあるわけであります。
ですから、私
どもとしては、
成長マネーという言葉なので非常にちょっと狭く捉えられている
部分もありますが、私
どもが考えている
成長マネーというのは、新しい
雇用や新しい
産業や新しい
社会をつくっていく、今、時代の大きな
転換点にあって、そういうところに
お金を流していこう。今の
日本は、
お金がない
状況じゃなくて、
お金があるけれ
ども回っていない、特に
お金が必要なところに回っていないんじゃないか、そういう
視点から、この動いていない
お金を動かしていこうと。
その中の
一つとして、
遊休資産と言われる、しかも
休眠口座、先ほど
委員からも御
指摘ありましたけれ
ども、これは単に、動かしていないという
お金だけじゃなくて、実際にもうその持ち主が誰かわからない、
金融機関の側から相手に連絡がとれないような
状況になっている、そういう
口座なんですね。しかも、これは、最終的には、今、
金融機関の収益になっているわけであります。
今
議員から御
指摘がありましたけれ
ども、では、例えば、そういう
預金を使って、その
休眠口座にある
お金を使って、そういう
中小零細企業に対して
コンサルティング業務とかを特別に
金融機関の負担でやりますよとか、さまざまなことを考えていただくというなら、これも
一つの
アイデアだと
思います。
私
どもとしては、別に、
政府でやる場合には、
休眠預金を
活用する場合には、これはきちんと
法律上の整備もしていかなければいけないと
思います。
そういう
意味では、これからいろいろ整理していってやるにしてもある程度の時間がかかってくるというふうに考えておりますけれ
ども、
金融機関が
金融機関の責任において、例えば、その
部分の
お金を
活用して、今
議員がおっしゃったようなことに使っていくということでもいいと
思いますし、あるいは、その
部分を
活用して、
金融機関のCSR的に
ベンチャー企業だとかを
立ち上げるとか、あるいは
NPOとかそういう
人たちに対して、その
部分の範囲でマイクロファイナンス的に
資金を供給していく、そういうこともやっていただいてもいいんだと思うんです。
必ずしも、私
ども、
政府としてやりたいからというよりも、動いていない
お金を動かしていきたい、そういうきっかけをつくっていきたいということで考えているわけであります。
ですから、そういった
意味では、私
どもも
検討いたしておりますけれ
ども、そこは
金融機関が、今御
指摘のあったような
中小零細企業、そういうところのためにそうした
コストを使ってやっていくということであれば、これは私は歓迎することだと
思います。
いずれにいたしましても、とにかく動いていない
お金を動かしていく、そして本当に必要なところ、必要としている
人たちにちゃんとその
お金が回っていく、やはりそういう
状況をつくっていくことによって新しい
雇用や新しい
産業、新しい
社会を生み出していくことが、
日本の今、この二十年にわたる
低迷から脱却する大きな鍵になってくる、そうした大きな
視点の中の
一つとして
休眠預金の
活用ということも
検討させていただいているということをぜひ御理解いただければというふうに思っております。