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坂本委員 いつも同じことを繰り返しているわけでありますので、私たち、地元に、
九州地方に住んでいる者としては、そろそろ
大雨が降るころだなというような
警戒はするわけですけれども、それに対してさらなる工夫をぜひお願いしたいと思っております。
そして、次の
質問に移りますけれども、気象庁の予報の方法あるいは雨量の伝達の表現方法についてでございます。
昨年の紀伊半島の大水害で、五十ミリの雨が降っている、あるいは六十ミリの雨が降っているということが非常に、
実感としてわからない、わかりにくいということで、表現方法が変えられました。かつて経験したことのない
大雨が降っているというような、より一般の
方々に、市民にわかるような形での表現方法となりました。
しかし、問題は、その表現がどれだけ、どういう意味を持っていたか、何の目的でその表現方法が変えられ、その目的を達していたかどうかというのが一番のポイントであるというふうに思います。
かつて経験したことのない雨ということであるならば、それを自治体が受けとめて、かなりの
警戒をしなければならない。そして、自治体がそれを受けて各
住民の
方々に、危険な
地域の
方々に
避難勧告を出す、あるいは
避難指示に引き上げる、そういうことをしなければいけない。そして、それを受けとめた
住民の
方々がいち早く
避難をする、あるいは
警戒態勢に入る。また、消防団が
警戒する。こういう、気象庁の発表、予報と、自治体の受けとめと、そして
現場の
住民の
方々の行動移行、これが結びついていなければ、どんなに表現方法を変えても、これは気象庁だけの自己満足になってしまうというふうに思うわけです。
そこで、私の方でつくりました資料を用意してみました。気象予報それから
避難勧告、指示、さらに、
土砂崩れが起きた
地域、さらには死者、行方不明、これを時系列的に並べてみました。
雨は七月の十一日から降り始めましたので、十一日の十六時五分に
大雨洪水・
浸水注意報というのが出ております。そして、非常に雨が強くなった七月の十二日午前零時三十分に
大雨洪水・
浸水警報というのが出されております。この警報は二時間置きにそれぞれ出されております。零時三十分には、同時に、
土砂警報というのもそのときに出されております。そして、これまでに経験したことのない
大雨になっているという
警戒を呼びかけたのが十二日の六時四十一分、明け方でございます。
一番雨が降っていた時期はどの時間か、どの時刻かといいますと、この右下を見ていただきたいと思いますが、
阿蘇の乙姫地区というのがあります、ここにアメダスの降雨計がございますので、そこではかられた雨量でございますが、七月の十二日の三時の時点で、時間百六・〇ミリの雨が降っております。四時の時点で八十七ミリが降っております。さらに、五時の時点で九十五・五ミリ、六時の時点で九十六・〇ミリ。この四時間の間で四百ミリあるいは五百ミリ近い雨が一気に降っているわけですね。
そして、かつて、これまで経験したことのない
大雨になっていると
警戒を呼びかけたのは、この雨がやや小雨、やや小さくなった六時四十一分ということになっております。
では、それに対して、あらゆる警報やこういった表現方法に対して自治体がどういう措置をとったかといいますと、
阿蘇市の場合には、七月の十二日午前四時、市内全域に
避難勧告あるいは
避難指示というのを出しております。それから、
阿蘇市に隣接いたします
南阿蘇村、これは立野地区というのが
被害を受けたわけですけれども、ここには、十二日の七時十一分、
避難指示が出されました。多分これは、かつて経験したことのない
大雨になっているという六時四十一分の気象庁の予報を受けてのことであろうというふうに思います。
そして、
土砂崩れはいつ、何時に起きているかといいますと、
阿蘇市の
坂梨地区が六時三十分と七時、両方に起きております。これは
住民からの連絡でありますので、起き始めた時間はこれよりも早いということになります。
三野地区で四時五十五分、そして六時、あるいは六時五十二分と、相次いで
土砂崩れ、土石流が
発生をいたしております。三久保地区では六時、そして
南阿蘇では五時に
土砂崩れの連絡があっております。
そして、それぞれに、一番右の方に書いてありますように、七人の死者、四人の死者に一人行方不明、五人の死者、三人の死亡、二人の死亡というふうになっております。
つまり、警報を出すというのは、気象庁の警報でしょうけれども、それを自治体がどう受けとめるかということが一番大事であります。かつて経験したことのない
大雨になっているというこの表現方法で予報を出していたときは、既に全てのところで
土砂崩れが起きていた。また、地元の自治体については、
避難勧告をしていた、あるいは指示をしていた、しかしそれが十分ではなかったということであります。
予報、あるいは表現方法、そしてそれをいかに自治体にしっかりと根づかせるか、あるいは自治体との間でそこの相互理解をどういうふうにやっているかというのは一番大事なことでありますし、そして自治体から
避難指示あるいは
避難勧告をどういうふうなタイミングで出すかというのも大事なことである。
本当を言うならば、七月十二日になる前に、これは明け方でありますので、熟睡期の一番深夜でございますので、かつて経験したことのないような
大雨になる可能性があるということで、十二日の前の十一日の日に
避難を呼びかけている、そういう連携が気象庁と自治体と
住民の間でとれていたならば、この二十三人の中の何人かの命は救えたのではないかというふうに私は思います。
その発表方法、表現、そして自治体との相互理解、さらに、それをどこまで
住民の
方々に理解していただけるか。そのことについて、今回の反省があるならばどういう反省をされるのか、そして、これから改善するということであればどういう改善をされるのか、お伺いをいたしたいと思います。