○富田
委員 簡素化、円滑化に向けていろいろな取り組みをされているのはわかるんですけれども、ちょっと私の
地元の千葉県の事情をお話ししますと、千葉県では、この春、新エネルギーの活用推進により、エネルギーの分散
確保、
環境負荷の低減及び
地域経済の活性化を図るため、新エネルギーの導入・既存エネルギーの高度利用に係る当面の推進方策というのを策定しました。民間
事業者や自治体から提案された三十二件のプロジェクトの中から、当面の重点支援プロジェクトを五件選定したというふうに千葉県の方から書類をもらいました。
その中に、既存施設、水力発電施設の跡地の二次利用を特色とする、房総にある大多喜町が
事業主体になるんですが、五十キロワットの小水力発電が選ばれました。その円滑な
事業化を庁内横断的に支援していくというふうに千葉県の方では決定されたんですが、先日、この大多喜町の小水力発電で利用される予定の発電機を製作しております千葉県市原市の新工法開発研究所が同市内の田淵川に設置している発電実験装置を見てきました。現場に行きまして、どんなふうにやるのかいろいろ
説明を聞いたんですが、その際、同研究所の川本正男さんという社長さんが次のようなお話をしてくれました。
ちょっと長くなるんですが、この社長のお話ですけれども、大多喜町においては、昭和三十五年まで〇・三四六立米・パー・セコンドという水利権を東京発電という
会社が持っていた。ただ、この昭和三十五年に発電所等の施設を町へ譲渡して、水利権を抹消してしまった。一回、水利権がなくなったんですね。
今回、大多喜町がもう一度この跡地を利用して水力発電をやりたいということで、この研究所の方で一緒に組みまして、今、県に申請をしています。〇・二一二立米・パー・セコンド、以前持っていた分の約七割ぐらいの水利権の許可申請をしているんですが、県がこれを認めてくれないと。
その認めてくれない
状況がどうかということを御
説明いただいたんですが、川本さんはこういうふうに言っていました。
五十年前と気象条件が違うのに、水量の証明をしろと言う。大多喜町の測候所の過去三十年の雨の平均データを
もとに、流域面積、降
雨量、流域計数〇・七として計算すると、〇・四立米・パー・セコンドの水をとっても何ら問題がないのに、川の水の量をきちんと計測しろということをしつこく言われる。三百六十五日のワンポイントでとるから、そのときの流量を計算したって当てにならないんだ。過去三十年のデータを
もとに予測する方が明らかに正しいのに、県は納得してくれない。
国の指針では自然エネルギーをふやせと言っているのに、過去に認めたものを認めないというのはいかがなものなんだ。この川に今どれだけの水が流れているか証明しろというのは、ちょっと幾ら何でもひどいだろう。国の方針にブレーキをかけないでほしい。過去に認めたものをなぜ認めないのか。温暖化で降
雨量は多くなっているんだ。十年間の分を計測するなんてことを言われたら、そんなことはできっこない、ナンセンスだというふうに、視察に行きました私たちに
説明をしてくれました。
この小水力発電は実験装置ですから、川の中に設置されていたんですね。落差八メートルを利用しまして、取水して、発電装置、タービンを回した後は、そのままその水がまた流れていっている。実際に発電所をつくろうというときには、取水口だけは、それは水を取りますから川の中に来るんですけれども、装置は全部陸地に上げて、もう一回川に水を戻しているということで、ほとんど川には影響がない。そういうことなのに何で水量をはかれと言うんだというふうに言われるんですね。
国交省の方から、許可手続、水利権の法的手続についてのペーパーをいただいたんですが、この中にも、河川の流量資料、どういうふうに流量を調べるかというのでいろいろ書かれていました、取水予定地点の流量とか推定方法とか。ただ、これはなかなか読んでもわかりづらい。ああ、こういうふうにやればいいんだというのがストレートに出てきません。川本所長が言われるように、推測できるデータがあるんだから、そこをきちんととってくれればいいんじゃないかというふうに言われるのはもっともだと思うんですね。
この河川の流量資料に関して国の方でもう少し明確な指針をきちんと出してあげないと、
地域によって、二級河川は県の
管理ですから、千葉はだめだけれども、実際、岐阜の方では全く同じようなことがきちんとされているんですね。
大臣のお隣ですから御存じだと思うんですが、こういう資料がありました。
岐阜県の郡上市の石徹白地区、人口三百人、ここでは、
地元のNPOが小水力発電
事業に取り組んでいる。人口減少に歯どめがかからない中で、
地域振興を目指していたが、昭和三十年代までは同地区に小水力発電所が存在していたことから、温故知新という形で小水力発電への取り組みが始まって、二〇〇七年から
事業をスタートさせた。この発電所を見に来て、この
地域はいいなといって住み込む人もふえてきた。
地域おこしにもなっている。
本当に大事なあれだと思うので、
地域によって流量の資料が違うとか県の許可基準が変わってきてしまうというのは、ちょっと幾ら何でもおかしいと思うんですが、
大臣、そこはどうですか。