○坂口(力)
委員 そこが大事なところでありまして、何にも払わないという人には出さないということでありますが、わずかながらでも払っていた人には七万円上乗せをする、こういうことになりますと、わずかは払ったけれ
ども、しかし、それから先は、まあ、七万円もらえるんだからもう払わなくてもいいではないかというふうに思う人も出てくる可能性もある。そこは今の
制度も余り変わらないという気がいたします。
この
民主党案、いいところも悪いところも、私もあると思っています。岡田副総理がいつも御指摘になりますように、今の
年金制度のように
保険料の徴収をしなくてもやっていけるようになる。やっていけるようになるというのは、それは
消費税で払ってもらうということですから、別に
保険料として取り立てをしなくてもいい。上乗せをする
部分の話ですよ。下の
部分は払ってもらわなきゃならぬですけれ
ども、上乗せの
部分は払ってもらわなくてもいい、こういうお話でありまして、そこは確かに
保険料に匹敵する額を出してもらいやすいということはあると思うんですね。
しかし、一番大きな欠点は何かといいますと、高額
所得者の人は高額の
保険料を出してもらうということになりますね、
民主党の場合には。上限、どこまでも、高い人は高い
保険料を出してもらう。そうすると、高い
保険料を出しておるんだから当然だといえばそうですけれ
ども、若いときから高額の
所得のあります人は高額の
年金をもらうことができ得る。
しかし、中間層のところ、
最低保障年金の上乗せの仕方の問題ではありますけれ
ども、前回
民主党さんがお示しになりました四つの案の中で一番高い案を示しましても、大体四百三十万か五百万か、その辺のところから現在の
年金制度よりも下がってくる。いわゆる中堅サラリーマンの
年金額が下がるというところが私は最大の問題だというふうに思っております。だから、ここをこのままにするのは、私は少しぐあい悪いんじゃないかと思います。
ここでこんな話を申し上げるのはいかがかと思いますけれ
ども、ある連合の幹部の方が、我々は
民主党を支援しておるけれ
ども、
年金制度だけは自公路線の
制度の方がいいと。それなら少しこちらにも応援してくださいよと私は言ったところですけれ
ども。
連合の方がおっしゃるのは、連合の中に入っておみえになる方は中堅サラリーマンが多いですから、そこが下がるということがやはり一番大きな問題ではないかと。そこはまた一番人数も多いですから。下がるところが一番多いんですね。だから、今までと同じぐらいか、あるいは下がる、そこのところが非常に、人数も一番多いということでありまして、そこに一番大きな問題がある。
これから
消費税の問題が
議論されて、そして今回は一〇%になる。この前の予算
委員会でも申し上げたんですが、別枠で、この
年金制度を
実現されましたときに、七・一%の
消費税が二〇六五年か二〇七五年ぐらいになってくるとかかってくる。かなり先ではありますけれ
ども、七・一%になるのは先かもしれませんけれ
ども、徐々に徐々にこれは移ってくるわけですから、もう少し早目から
消費税を上げていかなきゃならないということになります。
これも午前中に
議論がありましたけれ
ども、地方にも
消費税の中で出さなきゃならない。現在、今回の場合に三〇%というふうにお聞きをしておりますが、これからふえることはあっても減ることはないと思います。そうすると、その分を出して、そして七・一%のこの
消費税を残すということになりますと、一〇%の
消費税にして、そしてこの七・一%を残すということになるんではないか。
そうすると、今回の税の
制度で今度一〇%にします、将来、
年金の
保険料でまた一〇%必要になります、そうすると、私たちの子供、孫の
時代にはそれだけで二〇%の
消費税が必要になる。そこには医療、
介護は入っておりませんので、医療、
介護の分がどうなるのか。額にして一番これから伸びの大きいのは医療だと思います。率にしますと、
介護の方が今伸び率は高いですけれ
ども、医療もそれなりの伸び率を示しています。額にいたしますと、医療の伸びが非常に大きい。
そうすると、それを一体どうするのか、それも含めて一体どうするのかということを考えておかなきゃならない。それをトータルで考えると、二〇%では済まないということになってきますから、
国民の
合意が得られるかどうかということも考えておかなければならない。
先ほど申しましたように、
議論をいたしますときに、少なくとも
年金、医療、
介護、子育ては、
消費税の問題とあわせて、
社会保障の今後のあり方、そしてどれだけの財源が必要かということは
議論をしなければならないということになりますが、そうなりますと、私は、
社会保障といえ
ども余り必要な額をふやしていくということは、これはなかなか大変なことである。
民主党の
年金制度が百歩譲って立派な案だったといたしましても、これは将来一〇%の
消費税が別枠で要るということでありましたら大変なことでありまして、本当にそれでやっていけるのかどうかという問題が残る。
だから、
年金であれ、医療であれ、
介護であれ、これはこれから要ることは間違いないわけでありますけれ
ども、その伸び方というものについては、いろいろの方法を考えなけりゃならないということになるんではないかというふうに思っています。
ちょっと手を挙げていただいていますから、どうぞ。