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阿部委員 大臣の御答弁は前向きであり、なおかつ、では何でそんな段階で大飯の原発を再稼働するんだろうかと。これは
大臣の担当ではありません。しかし、
大臣は、そこにいる
患者さんや要
介護の方たちの命の責任は持っておられるわけです。まだ政府の原子力災害対策本部でも、実は、なぜ五十四人も死んだのか、何の総括も出されておりません。私は、その段階でまた他の原発を動かし、事故はないこととした上で犠牲者を出すということは、政治としてやってはならないと思います。
今、
大臣は、例えば情報の共有のためのカルテの
お話などをなさいましたが、そもそも今回の事案では、三月十一日に原子力発電所の事故が起きて、三月十二日の朝まで、例えば大熊町の住民が、あるいは双葉の住民が朝方の避難を始めるまで、
病院には一切、何の情報も参りません。自治体からも来ません。県からも来ません。誰からも来ません。みんなが逃げているのを確認して、
院長が慌てて町に行き、どうなっているんだ、うちには運んでもらわなきゃいけない
患者さんがいる、バスを準備してくれと、そういう交渉から始まっているわけです。
三月の十二日の朝の段階で、第一陣が出発したまでは現実に避難がまだできましたが、十二日に爆発して以降は、来てくれる
自衛隊も警察署も、きょうは運べない、きょうは運べない、これで一日延ばしになりました。
自衛隊機に、先ほど、ヘリに例えば医者の
同乗はどうだと。これはとても重要です。できない場合でも、移動してもらわなければ助からないから。しかし、きょうはだめだと言われて、寝たきりでそこに置かれて、その一日がどんなに長かったか。
そして、翌日には確かに
自衛隊は運んでくださいました。そのとき、
院長は、誰かに助けを求めてあっちこっち走り回って、警察に行く、
自衛隊に行く、その奔走中で
同乗できませんでした。結果、移送の途中で二十数人を含めて、避難所に行くまでです、避難所でも亡くなりました。
私は、この事案はきちんと
厚生労働省として検証していただきたい。原発災害じゃなくても、津波でも地震でも同じです。ただ、何か今回のことが原発震災だったから、このことを検証せずに、全ての
厚生労働省の災害
医療の見直しが着々と進行しています。しかし、それは意味がない。真実を見ていない。
お伺いいたします。
EMISという、広範囲に避難のための
連携システムをつくるための情報システムがあります。これは医政局長に伺いますが、阪神・淡路の大震災の折に、このEMISとDMATは二つとも、我が国がこれから災害に対してやっていこう、取り組んでいこうとするものでありました。今回、果たしてEMISは機能しましたか。先ほど言うように、
病院には被災の情報も来ません。事故情報も来ません。何にも来ません。大体、通信網も使えません。日本の各地にある災害拠点
病院で、あるいは原発の近くの
病院で、情報伝達システムはどうなっているのか。原発は特にもう一つのリスクをかけていますから、伺います。医政局長、どうでしょう。