○工藤
委員 ありがとうございました。
私も、
大臣とともに、被災地におきましてもディーセントワークの実現のためにともに頑張りたいという決意を述べさせていただきます。
では、きょうの議題であります
法案の質問に入りたいと思います。
雇用保険法改正案及び
特別会計に関する
法律の一部を
改正する
法律案ですけれ
ども、この
内容を見ますと、いずれも、現在の
経済状況そして
雇用失業情勢に照らして、
改正の必要性は相当高いと考えますので、ぜひともこれは成立をさせていかなければいけないというふうに思います。
その上で、
雇用保険制度における有期
契約労働者の雇いどめの扱いなど、今後検討を要するべきと私が考えております点について意見を述べさせていただき、質問をさせていただきたいというふうに思います。
お手元に資料をお配りいたしましたので、ごらんいただければ幸いでございます。
まず第一点目ですけれ
ども、現在の
雇用保険制度は大変複雑になっております。特に、有期
契約労働者の雇いどめの扱いがこのままでいいのかという点について述べたいと思います。
A3判の大きな方の資料をごらんいただきたいんですけれ
ども、左側に被保険者の種類、1の一般求職者
給付から4の日雇労働求職者
給付まで、これが被保険者の種類なんですけれ
ども、その中で、私がきょう取り上げたい有期
契約労働者というのは、1の一般求職者
給付の(イ)の自己都合
離職者の表の下の米印のところに「有期労働
契約が更新されなかったこと等による
離職者(特定理由
離職者)」とありますけれ
ども、有期
契約労働者が雇いどめによる離職をした場合は、この1の(イ)の自己都合
離職者のカテゴリーに入るんです。しかし、これが前回の二十一年の
雇用保険法改正で、三年間の
暫定措置として、(ア)の特定受給資格者と同様の取り扱いをされることになっており、今回の
改正案は、これをさらに二年間
延長しようとするものでございます。
それで、一方、二枚つづりのホチキスどめの方の資料をごらんいただきたいんですけれ
ども、これは特定受給資格者及び特定理由
離職者の範囲の概要の説明なんですが、これは
厚生労働省のホームページを印刷したものでございます。
これの一枚目の特定受給資格者の範囲、この下の方に(7)と(8)がありまして、これが有期
契約労働者が雇いどめされた場合の二つのケースでございます。そして、(7)と(8)の場合は特定受給資格者、すなわち倒産、解雇による
離職者に分類をされます。
同じように有期
契約で働いていて、同じように雇いどめによって失業しても、それぞれの
状況によって、特定受給資格者になる場合と特定理由
離職者になる場合がありまして、しかし、この二つの受給資格の範囲というものは
給付日数において大きく差があります。それは、お配りしたA3判の大きな方の資料の左側の一覧表を見ていただければわかると思うんですけれ
ども、受給日数において非常に大きく差があります。
それで、特定受給資格者といいますのは、前回の
雇用保険法の
改正、それから今回の
改正にかかわらず、いわゆる解雇をされた
労働者と同じ取り扱いをされ、
給付日数が
もともと手厚くなっております。
しかし、特定理由
離職者に分類された有期
労働者は、仮に今回の
改正案が成立したとしても、二年後に
延長など何らかの
措置がなければ、
もとに戻って、また(イ)の自己都合
離職者として扱われ、
給付日数は大幅に短い期間しか受けることができないということになってしまいます。ただし、離職、失職してから
給付まで、支給が三カ月待機をさせられるという
給付制限はないにしても、受給日数は大幅に短くなってしまうということでございます。
そこで、私がぜひとも述べたいのは、有期
契約労働者が雇いどめで失業した場合に、これほど
給付に差をつけることが妥当なほどに、この二つの分類に置かれる有期
契約労働者が、その
状況が、例えば
契約がどうであったのか、また雇いどめの
状況がどうであったのかということが、それほどに違うかということをぜひ述べたいと思います。
特定受給資格者とされる雇いどめというのは、先ほどのホチキスどめの方の資料の一ページの(8)なんですけれ
ども、更新することが明示されていながら更新されなかった場合、これは一般の解雇に当たるというふうな解釈なんだろうと思います。
それから、特定理由
離職者とされる雇いどめというのは、先ほど申しましたように、ホチキスどめの資料の二枚目の1と、それから下の方に補足1とありますけれ
ども、これを二つあわせて読みますと、
契約書にはっきりと更新するという明示がなく、更新する場合もありますよというような程度の記載であって、そして、
労働者に働く意思があるんだけれ
ども更新をされなかった場合というふうに読めるのではないかと思います。
ですから、このような根拠で二つの分類の資格者の人たちが
給付においても差をつけられているということなんでしょうけれ
ども、しかし、実際の職場で
労働者を有期
契約で採用する場合、または雇いどめする場合の
状況というのは、本当に、ここに書いてあるように、はっきりと明確に分けられるような
状況でそれが行われてはいないというのが実態であると思います。
雇う側の、事業主さん側の更新の
可能性についても、その更新の
可能性の意思表示というのは、
契約書に明示していないけれ
ども口頭で通知する場合もありますし、また、
契約書に明示されたことと口頭の、そのときに担当者が話したことと
内容が違うというような場合もあります。また一方で、
労働者側にしても、それは雇われる側で非常に弱い立場にあるわけですから、特に、
生活のためにすぐ働きたい、働かなければならないという人ほどはっきり口にできないということになってしまいます。
そういった労使それぞれの思いから、文字による明示がないまま働き始める場合が多く、だからこそ有期
契約労働者の雇いどめの相談というものは非常に多いという状態になっております。
そういったことから、私は、この
雇用保険法の今の制度の中で、本人に働く意思があって雇いどめされた場合は、全て特定受給資格者として扱うのが妥当ではないかというふうに思います。
それで、今後、この制度の検討をされるときに、そのこともぜひ検討していただきたいというふうに思いますが、この点についてはいかがでしょうか。