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2012-08-02 第180回国会 衆議院 憲法審査会 第8号
公式Web版
会議録情報
0
平成
二十四年八月二日(木曜日) 午前九時
開議
出席委員
会長
大畠
章宏君
幹事
小沢 鋭仁君
幹事
大谷
信盛
君
幹事
逢坂 誠二君
幹事
宮島 大典君
幹事
鷲尾英一郎
君
幹事
中谷 元君
幹事
保利
耕輔君
幹事
木村たけつか君
幹事
赤松
正雄
君
幹事
大口
善徳
君
阿知波吉信
君 網屋 信介君
石井登志郎
君
磯谷香代子
君
緒方林太郎
君
大泉ひろこ
君
岡本
充功
君 川越 孝洋君
川村秀三郎
君
近藤
昭一君 篠原 孝君 中野 寛成君
中屋
大介
君
長尾
敬君
仁木
博文
君
鳩山由紀夫
君 浜本 宏君
皆吉
稲生
君
本村賢太郎
君
森本
和義
君
山尾志桜里
君 山崎 摩耶君 笠
浩史
君 井上 信治君 石破 茂君 木村 太郎君
近藤三津枝
君 柴山 昌彦君 田村
憲久
君
中川
秀直君 平沢 勝栄君 古屋
圭司
君
大山
昌宏
君
菅川
洋君 畑
浩治
君
渡辺浩一郎
君
笠井
亮君
照屋
寛徳
君
柿澤
未途君
平山
泰朗
君 …………………………………
衆議院法制局法制企画調整部長
橘
幸信
君
衆議院憲法審査会事務局長
窪田 勝弘君
—————————————
委員
の
異動
七月四日
辞任
補欠選任
緒方林太郎
君
相原
史乃君
鈴木
克昌
君
三日月大造
君
山尾志桜里
君
石原洋三郎
君 同日
辞任
補欠選任
三日月大造
君
鈴木
克昌
君 同月六日
辞任
補欠選任
稲見 哲男君
緒方林太郎
君 辻 惠君
山尾志桜里
君
相原
史乃君
畑
浩治
君
石原洋三郎
君
大山
昌宏
君
鈴木
克昌
君
菅川
洋君 八月二日
辞任
補欠選任
今井
雅人
君
仁木
博文
君
岡本
充功
君
森本
和義
君
楠田
大蔵
君
皆吉
稲生
君
辻元
清美
君
中屋
大介
君
中川
治君
石井登志郎
君 笠
浩史
君
本村賢太郎
君
中島
正純
君
平山
泰朗
君 同日
辞任
補欠選任
石井登志郎
君
中川
治君
中屋
大介
君
辻元
清美
君
仁木
博文
君
長尾
敬君
皆吉
稲生
君
楠田
大蔵
君
本村賢太郎
君 笠
浩史
君
森本
和義
君
岡本
充功
君
平山
泰朗
君
中島
正純
君 同日
辞任
補欠選任
長尾
敬君
今井
雅人
君 同日 木村たけつか君が
幹事
に当選した。 同日
幹事赤松正雄
君同日
幹事辞任
につき、その
補欠
として
大口善徳
君が
幹事
に当選した。
—————————————
六月十二日
日本国憲法
第九条を守ることに関する
請願
(
阿部知子
君
紹介
)(第一五九六号)
憲法
九条を改正しないことに関する
請願
(
赤松正雄
君
紹介
)(第一六四七号) 同月十四日
憲法
九条を改正しないことに関する
請願
(
照屋寛徳
君
紹介
)(第一八六七号)
憲法改悪反対
に関する
請願
(
赤嶺政賢君紹介
)(第二〇五〇号) 同(
笠井亮
君
紹介
)(第二〇五一号) 同(
穀田恵二
君
紹介
)(第二〇五二号) 同(
佐々木憲昭
君
紹介
)(第二〇五三号) 同(
志位和夫
君
紹介
)(第二〇五四号) 同(
塩川鉄也
君
紹介
)(第二〇五五号) 同(
高橋千鶴子
君
紹介
)(第二〇五六号) 同(
宮本岳志
君
紹介
)(第二〇五七号) 同(
吉井英勝
君
紹介
)(第二〇五八号)
憲法
の
改悪反対
、九条を守ることに関する
請願
(
笠井亮
君
紹介
)(第二〇五九号) 同月十五日
憲法
九条を守ることに関する
請願
(
佐々木憲昭
君
紹介
)(第二二二七号)
憲法
の
改悪反対
、九条を守ることに関する
請願
(
志位和夫
君
紹介
)(第二二二八号) 同(
塩川鉄也
君
紹介
)(第二三五六号) 同(
佐々木憲昭
君
紹介
)(第二四二九号)
日本国憲法
第九条を守ることに関する
請願
(
志位和夫
君
紹介
)(第二二二九号)
憲法
九条を改正しないことに関する
請願
(
志位和夫
君
紹介
)(第二二三〇号) 同(
笠井亮
君
紹介
)(第二三五八号)
憲法
第九条第二項を改正し、
自衛権
及び自衛隊の
存在
を明記することに関する
請願
(
渡辺義彦
君
紹介
)(第二三五七号)
憲法改悪反対
に関する
請願
(
塩川鉄也
君
紹介
)(第二三五九号)
憲法
九条
改悪反対
に関する
請願
(
穀田恵二
君
紹介
)(第二四二六号) 同(
照屋寛徳
君
紹介
)(第二四二七号) 同(
服部良一
君
紹介
)(第二四二八号) は本
憲法審査会
に付託された。
—————————————
本日の
会議
に付した案件
幹事
の
辞任
及び
補欠選任
日本国憲法
及び
日本国憲法
に密接に関連する
基本法制
に関する件(
日本国憲法
の各
条章
のうち、第四章の
論点
) ————◇—————
大畠章宏
1
○
大畠会長
これより
会議
を開きます。
幹事辞任
についてお諮りいたします。
幹事赤松正雄
君から、
幹事辞任
の申し出があります。これを許可するに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
大畠章宏
2
○
大畠会長
御
異議
なしと認めます。よって、そのように決しました。 引き続き、
幹事
の
補欠選任
についてお諮りいたします。 ただいまの
幹事辞任
及び
委員
の
異動
に伴い、現在
幹事
が二名欠員となっております。その
補欠選任
につきましては、去る七月六日の
議院運営委員会
における
幹事
の各
会派割当基準
の変更に基づいて選任することとし、
先例
により、
会長
において指名するに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
大畠章宏
3
○
大畠会長
御
異議
なしと認めます。 それでは、
幹事
に 木村たけつか君
大口
善徳
君 を指名いたします。 ————◇—————
大畠章宏
4
○
大畠会長
日本国憲法
及び
日本国憲法
に密接に関連する
基本法制
に関する件、特に
日本国憲法
の各
条章
のうち、第四章の
論点
について
調査
を進めます。 本日の
議事
について申し上げます。 まず、
衆議院法制局当局
から
説明
を聴取し、その後、各
委員
からの
意見表明等
を含む
自由討議
を行うことといたします。 それでは、
衆議院法制局当局
から
説明
を聴取いたします。
衆議院法制局法制企画調整部長橘幸信
君。
橘幸信
5
○
橘法制局参事
衆議院法制局
の橘でございます。 本日は、第四章
国会
の章につきまして、お
手元配付
の
資料
に基づき、その
主要論点
について御報告させていただきます。何とぞよろしくお願い申し上げます。 申し上げるまでもなく、
日本国憲法
は、その
政治システム
として、いわゆる
議院内閣制
を採用しております。この
議院内閣制
という
政治システム
の
核心
につきましては、
学説
上
議論
があるところですが、
一般
的には次のように
説明
されるのが通例でございます。 すなわち、
立法府
と
行政府
が
権力分立
の要請に基づいて一応分離されていること、そしてその上で、
行政府
が
立法府
、特に
両院制
の場合には下院に対して
政治責任
を負い、その民主的な
コントロール
に服する
関係
にあること、このように理解されているところでございます。さらに、
一般
的には、この場合、
立法府
は
行政府
の長たる
首相
を選任し、かつその不信任を決議する
権限
を有するとともに、
首相側
は
立法府
の
解散権
という武器を持ち、相互にチェック・アンド・バランスを図るような
制度設計
がなされる例が多いとも言われております。 このように、
立法府
と
行政府
のいわば分離と融合のもとにおける
責任政治
の
システム
こそが
議院内閣制
の
核心
ということになるわけでございます。 そういたしますと、このような
政治システム
を
議論
する際には、
国会
と
内閣
を関連させて一緒に
議論
することが必要となってまいります。
衆議院
の
憲法調査会報告書
におきまして、両者をあわせて
政治部門
という形で整理しているのも、このような理由からであると拝察いたします。 以上のようなことを念頭に置いた上で、かつ、各
章ごと
の検証を行うという本
審査会
の
趣旨
を踏まえまして、本日
先生方
のお
手元
に配付いたしました
資料
に掲げました
論点
は、
基本
的に
国会
に特化した
論点
に限定してございます。 今申し上げました
議院内閣制
という
システム
に直結するような
論点
、例えば
国会
の
行政監視機能
や
首相公選制
などに関する
論点
につきましては、次回の第五章
内閣
の章において取り上げることといたしておりますので、何とぞ、この点、御了承、御容赦のほどお願い申し上げる次第でございます。 さて、以上を踏まえつつ、前回までと同様に、
国会
の章に
規定
されております各
条項
に関しまして、お
手元配付
のA3縦長の
論点表
に基づきまして、その
主要論点
について御報告させていただきます。 ここでは、
幹事会
での御指示を踏まえまして、大きく
二つ
の
分野
に大別した上で、それぞれ幾つかの
論点
を抽出してございます。 まず第一の
分野
は、第四章冒頭の
国会
の
地位
、
立法権
に関する第四十一条に関する
論点
、そして、本日最大の
論点
と言っても
過言
ではないと存じますが、第四十二条及びこれに続く一連の
条文
において定められております
二院制
に関する
論点
であります。 第二の
分野
は、
通年国会
など
国会
における
議事手続等
に関する
論点
、及び、
現行憲法
には
規定
はございませんが、
現代民主政治
を論ずる上で避けては通れない
政党
と
憲法
に関する
論点
、そして、それ以外の
条文
に関する
論点
でございます。 さて、まず
最初
は、第四十一条の
国会
の
地位
、
立法権
についてでございます。 本
条項
は、「
国会
は、
国権
の
最高機関
であつて、国の
唯一
の
立法機関
である。」という簡潔かつ格調高い
条文
であり、
先生方
の日々の
立法活動
の根幹に位置する
条文
でもございますが、この簡潔な
条文
をめぐっては、例えば
国権
の
最高機関
の法的あるいは
政治的意味
など、
学説
上も実に多くの
議論
がなされているところであります。
衆議院憲法調査会等
におきまして特に
議論
されてきた実務的な
論点
は、後段の
唯一
の
立法機関
という文言に関する、
先生方
の
法律案提出権
の
制限
に関する
論点
であるかと存じます。 すなわち、
国会
の
構成メンバー
である
国会議員
の
先生方
が
法律案提出権
を有することは当然でありますが、
現行法令
上は、
国会
とは別の
権力機関
である
内閣
にも
法律案提出権
が認められております。 その一方で、本来的な
権限者
である
国会議員
の
先生方
の
法律案提出権
につきましては、逆に、
国会法
などによりまして、
所定
の
賛成者
を要する旨の
制限
が課されております。 さらに、
衆議院
におきましては、
会派所属議員
が
法律案
その他の
議案
の
提出者
、
賛成者
になろうとするときは、その
所属会派
の党議を経た旨の
国対委員長
などの
所定
の役員の
承認印
、いわゆる
機関承認
が必要との確立した
先例
もあるところでございます。 このような現状に対しまして、Aの欄に掲げた
明文改憲
の御
主張
は、
国会
を真に
唯一
の
立法機関
とするためには、
法律案提出権
を
国会議員
に限定する
明文
の
規定
を置くべきであるとする御
意見
です。 これに対して、現在のままの
運用
で何ら問題はないとするのがC1の御
意見
です。
他方
、Bは、
議員立法
の
賛成者
の
員数要件
、現在は、例えば
衆議院
であれば、
予算
を伴う
法律案
は五十人以上、
予算
を伴わない
法律案
は二十人以上の
賛成者
が必要とされておりますが、これを、
国会法
を改正して撤廃あるいは緩和すべきであるという御
意見
です。 また、C2は、先ほどの
機関承認
の
先例
は廃止するべきであるとする御
意見
でございます。 次に、
二院制
に関する
論点
について御報告いたします。 まず第一の
論点
は、
二院制
、
一院制
の是非それ
自体
に関する御
議論
です。
憲法改正
をして
一院制
を導入すべきであるとするのがAの欄の御
意見
であり、現在の
二院制
を維持すべきとするのがCの欄の御
意見
です。 次に、
二院制
を維持するとしても、現在のままの
二院制
で全く問題はないとする御
意見
は、これまでの御
議論
におきましてはほとんどございませんでした。
二院制
を維持するべきとする
見解
の多くは、同時に、
両院
の
役割分担
やその
選挙制度
について、
二院制
の
趣旨
がより生かされるようにするべくさまざまな
改善策
を唱えております。 これを大きく
二つ
に分類して整理したのが、
論点表
の、
両院
の
役割分担等
という
両院
の
権限関係
に着目した
論点
と、
国会議員
の
選出方法
という
両院
の
組織原理
に着目した
論点
のそれぞれの欄でございます。 まず、
両院
の
役割分担
、
権限関係
に関する
論点
でありますが、ここでは、
明文改憲
を
主張
する御
意見
として、
両院
の
性格
の違いをより一層明らかにするため
憲法改正
をするべきであるとするAの欄の御
意見
がございます。 具体的には、
一つ
、現在、五十九条二項によって、
衆参
の
議決
が異なった場合に
衆議院
が再
議決
するには三分の二以上の
特別多数決
が必要とされておりますが、これを過半数に引き下げるなどして、より
衆議院
の
優越
を強化するべきであるとする御
意見
。
二つ
、
予算
については、
現行憲法
六十条二項の
規定
によって、
衆参
の
議決
が一致しないときや三十日経過による
自然成立
など
衆議院
の
強度
の
優越規定
が定められておりますが、しかし、この
予算
を担保するための
歳入法案
、例えば
特例公債発行法案
などは、
一般
の
法律
と同じように三分の二以上の
特別多数決
による再
議決
が必要となっているのは
整合性
を欠くのではないかとして、このような
歳入法案
についても、
予算
と同様に
衆議院
の
強度
の
優越
が働くようにするべきとする御
意見
などがございます。
他方
、
三つ目
として、
衆議院
は
予算審査中心
、
参議院
は
決算審査中心
との
役割分担
を明確にする
観点
から、これを
憲法
に明記するべきであるとか、会計検査院を
参議院
の
附置機関
にするべき等といった御
主張
もございます。 これらの
明文改憲
の御
主張
に対して、
憲法
の
規定
はそのままにして、
立法措置
でできる範囲内の
改善策
、例えば、
国会同意人事
に関する
議決
について
衆議院
の
優越規定
を定めることとしたり、また、
両院協議会
における
協議手続
について、
国会法
あるいは
両院協議会規程
などを改正して、より
両院
間の実質的な
協議
ができるようにするべきとの御
意見
もございます。これがB1やB2の御
意見
でございます。 これらの御
意見
に対して、
現行法令
の枠内の
運用改善
で対処すれば足りるとするのがCの欄の御
主張
です。例えば、
参議院
の
決算審査重視
の
運営
などは現に行われているものであるとか、あるいは、
参議院
の
問責決議
などはより慎重で抑制的な
運用
をすればよいとの提言などがその
具体例
でございます。 もう
一つ
は、
国会議員
の
選出方法
、すなわち
組織原理
に着目した
論点
であります。 まず、いわゆる一票の格差に関して
明文改憲
を行うべきとする御
意見
がございますが、これに関しては、
方向性
が異なる
二つ
の
見解
が唱えられているように存じます。
一つ
は、あくまでも厳格な
人口比例
に基づく平等を求めるA1の
見解
であり、これに対して、
人口
を
基本
としつつも、それ以外の
要素
をも勘案するべきであり、最近の
最高裁判決
や
学説
の多数に見られるように、
人口比例原則
に過度に拘泥するのは適切ではない、このことを
憲法
に明記すべきであるとするA2の
見解
でございます。 以上の
二つ
の
見解
は、
衆参
を特に区別した
議論
ではございませんが、A3の
明文改憲
の御
主張
は、
両院
の
選出方法
に違いを持たせ、
二院制
の
機能
をより明確にしようというものです。例えば、第一院たる
衆議院
について全
国民代表
や直接
選挙
の
原則
を維持するのは、これは当然の
前提
とした上で、第
二院
たる
参議院
の
選挙制度
については、
地域代表制
や
職能代表制
、さらには
間接選挙制
や
推薦制
などの導入も検討すべきとする御
見解
です。 これに対して、Bの欄の御
主張
は、あくまでも
現行憲法
の枠内で
両院
の
選挙制度
に違いを持たせ、異なる
代表機能
を発揮させることを目指すべきであるとする御
見解
です。 次は、
二つ目
の
分野
に関する諸
論点
でございます。 まず
最初
は、
国会
の
議事手続等
に関する
論点
であります。 この中には、まず、いわゆる
通年国会
に関する御
議論
がございます。
現行憲法
は、第五十二条におきまして、「
国会
の常会は、毎年一回これを召集する。」と定めるとともに、五十三条においては
臨時会
の
規定
を設けるなど、
一般
に
会期制
を
前提
としているものと理解されております。 これに関して、
憲法改正
をして
通年国会
、例えば
衆議院議員
の総
選挙
から次の総
選挙
まで、これは
一般
に
立法期
とか
議会期
と言われるようなものでありますけれども、これを広い
意味
での
一つ
の
会期
として、必要に応じて休会をすればいいとするのがAの欄の御
意見
です。 これに対して、
国会審議
が
スケジュール闘争
になっているのは、
会期制
それ
自体
に問題があるのではなくて、
国会法
に定める
会期
不継続の
原則
にこそあるのであり、
国会法
を改正してこれを廃止すれば足りるとするのがBの欄の御
意見
です。 もちろん、
国会会期
の
長期化
については、
現行憲法
、
国会法
の枠内でも十分に対処可能であり、
長期
の延長や
臨時会
の適宜の召集で対処すれば足りるとするCの欄の御
意見
もございます。
議事手続
に関する特徴的な
見解
の
一つ
に、二番目の
論点
として、
憲法
五十六条一項に定める
定足数
に関する御
議論
がございます。
現行憲法
では、本
会議
を開会しその
議事
を進める際にも、そしてもちろん、最終的な採決、
議決
をする際にも、総
議員
の三分の一以上の
出席
がなければならないとする
定足数
を定めております。 しかし、
議決
の際の
定足数
は必要だとしても、開会をして
議事
を進める
段階
での
定足数
は必ずしも必要ないのではないかとして、
議事
を開くことに関する定
足規定
は削除すべきであるとする御
主張
がございます。これがAの欄に掲げた
見解
です。 次に、
国政調査権
に関する
議論
がございます。
現行憲法
六十二条に
規定
されております
国政調査権
の
主体
は、あくまでも
議院
、ハウスでございます。
衆参両院
の本
会議
において行使するものと定められているわけでございます。 この本
会議
の有する
権限
を、
現行
の
国会法
、
衆参両院
の
議院規則
におきましては、
常任委員会
や
特別委員会
に授権して行使することができるものとしているわけでありますが、しかし、これよりもより小さな
単位
、例えば
議員
、
メンバー
の
先生方個々人
が
国政調査権
を行使できるようなものとはされておりません。本
会議
や
委員会
が
国政調査
の
行使主体
であるということは、その
発動
の可否の判断は
多数決
、要するに、
衆議院
でいえば
与党会派
の意向に委ねられるということになります。 そこで、
政府
の行動を機動的、適切に監視するためには、
少数会派
による
行政監視機能
を充実させる必要があり、そのためには、まず
憲法改正
をして、より小さな
単位
の一定数以上の
議員
、あるいは、究極的には個々の
議員
にも
国政調査権
を付与するべきではないかとするのがAの欄の
見解
です。同じ
趣旨
のことを、
現行憲法
の枠内で、
国会法規
の
改正等
の
立法措置
でもって実現できることをまず行うべきであるとするのがBの欄の御
見解
です。 なお、御参考までに付言いたしますならば、
平成
九年の
国会法改正
によって、
衆議院
についてだけではありますけれども、いわゆる
予備的調査
の
制度
が導入されております。これは、多数派が
拒否権
を
発動
しない限りという
条件つき
ではございますが、四十人以上の
先生方
が連名で、
調査局長
あるいは
法制局長
に対して
予備的調査
の
発動
を命ずることができるとするもので、広い
意味
で、
少数会派
の
国政調査権
を保障する
制度
として評価されているものと承っております。
議事手続
に関する四番目の
論点
として、
国務大臣
の
議院出席義務
に関する御
議論
がございます。
国会
のような
合議体
におきましては、その
会議体
で発言できるのは、
基本
的には
合議体
の
構成メンバー
である
先生方自身
でございます。これが大
原則
であります。これに対して
憲法
は、六十三条におきまして、
内閣総理大臣
その他の
国務大臣
は、両
議院
の一に議席を有すると有しないとにかかわらず、いつでも
議案
について発言するために
議院
の
会議
に
出席
することができるとした上で、逆に、
国会サイド
から答弁、
説明
のために
出席
を求められたときは、
出席
しなければならないと定めているわけでございます。 しかし、この
国会出席
の
権利
及び
義務
のうち、
出席義務
については、この
規定
のために、
国会会期
中における
国務大臣
の
外交等
のための
海外出張
が必要以上に制約されているとして、これを緩和するべきであるとする御
主張
がございます。 例えば、職務の遂行上特に必要がある場合にはこの限りでないとして、
出席義務
が免除される場合を
憲法
上明記すべきではないかとする御
主張
が、Aの欄の
明文改憲
の御
主張
でございます。 これに対して、そのようなことは、
国権
の
最高機関
である
国会
の
役割
、権威を低めるものであり、また、そもそも
議院内閣制
のもとでは、閣僚の
国会出席義務
こそが
行政監視機能
の重要な
要素
であって、
出席義務
の緩和などは認めるべきではないとするC1のような御
見解
もございます。
他方
、真に必要な
海外出張
についてはこれを認めるべきであるが、それは
運用
で対処すれば足りるのであって、
憲法改正
までするような話ではないとするC2のような
見解
もございます。 最後に、
政党
に関する
条項
を
憲法
に設けるべきかどうかという御
議論
について御
紹介
申し上げます。
現代国家
においては、
外交
や防衛、
治安維持
などにとどまらず、
社会保障
の
分野
など
行政活動
の
役割
が飛躍的に増大した、いわゆる
行政国家
の現象が顕著になってきております。 そのような中において、
国民
と
議会
を媒介する
組織
として、かつ
複数政党
の
存在
を
前提
とした、
政府
・与党対野党という
意味
での実質的な
権力分立
の
観点
からも、
政党
の
存在
はますます重要になってきていると言われております。まさしく、
政党
なしには
現代民主政治
は
機能
し得ないと言っても
過言
ではないわけでございます。 このような
政党
と
憲法
を初めとする
法令
の
関係
を歴史的に見れば、
先生方
には釈迦に説法かとは存じますが、例えば
トリーペル
の四
段階説
などによる
説明
では、まず
最初
は、
政党
というものに対して
国家
は敵視する態度をとる。その後、これを無視するという第二期の時代を経て、第三期に入ると、
参政権
の拡大や
代議制
の発達、それに続く
議院内閣制
の確立などに伴って
政党
の
重要性
が増し、その
存在
を法的に承認する
段階
に入る。例えば、
政治資金規正法
や
政党法人格付与法
、
政党助成法
や
公職選挙法
など、個別の
法律
を持つ
我が国
の現在の
制度
はこの
段階
にあるというふうに言われるところです。 そして、その次の第四
段階
として、ドイツの
基本法
のように、
政党
を
公的存在
として
憲法制度
の中に編入する国もあらわれてくるようになるということでございます。 このような理解を背景にしつつ、
我が国
でも、
政党
の
公的性格
に鑑みて、
憲法
に位置づけて、その
政治活動
の自由とともに、
政党内部
の必要な規律についても定めるべきではないかとするのがAの欄の
見解
です。 これに対して、先ほど申し上げた
政党助成法等
の
法律
とともに、
現行憲法下
において、必要とあらば
政党法
を制定すれば足りるとするのがBの欄の御
見解
です。 これらに対して、そのような
主張
は、公権力による
政党
の
内部秩序
に対する介入をもたらす
危険性
があるとして、あくまでも
政党
は、自由な
私的結社
として位置づけておくことこそが望ましいとするCの欄の御
見解
もございます。 その他、第四章には、
国会議員
の三大
特権
と言われます歳費を受ける
権利
、不
逮捕特権
、
免責特権
などに関する
規定
や、
一般
に独立を保障されている
司法権
に対する重大な
コントロール権能
としての
弾劾裁判所
の設置など重要な
条文
もありますが、ここでは詳細な
論点紹介
は省略させていただきます。 以上、本日は、第四章
国会
に関する
主要論点
につきまして御報告させていただきました。 雑駁で疎密のある御報告であったとは存じますが、以上でございます。ありがとうございました。
大畠章宏
6
○
大畠会長
以上で
衆議院法制局当局
からの
説明
聴取は終わりました。
—————————————
大畠章宏
7
○
大畠会長
これより各
委員
からの
意見表明等
を含む
自由討議
に入ります。 この
自由討議
につきましては、
幹事会
の
協議
に基づき、まず、各会派を代表する
委員
が順次発言を行い、その後、各
委員
が自由に発言を行うことといたします。 それでは、まず、各会派を代表する
委員
の発言に入ります。 発言時間は七分以内とし、その経過につきましては、終了時間一分前にブザーを、また終了時にもブザーを鳴らしてお知らせいたします。御協力をよろしくお願いいたします。 発言は自席から着席のままで結構でございます。 発言の申し出がありますので、順次これを許します。
鷲尾英一郎
君。
鷲尾英一郎
8
○鷲尾
委員
民主党の鷲尾でございます。 本日の
論点
である
国会
に関しまして、我が党で
議論
されている
基本
的な考え方を御
紹介
するとともに、
我が国
の
議会
政治について、現在指摘されている問題点も踏まえ発言させていただきます。 まず、今回は、統治機構を取り上げる初回でございますので、我が党の
憲法
提言における統治機構全般の中での
国会
の位置づけについて
紹介
いたします。
憲法
提言においては、統治機構全般についての考え方として、
首相
主導の
政府
運営
の確立と、
国民
の負託を受けた
国会
の
行政監視機能
の拡充強化を
基本
的な
方向性
として掲げております。
国会
については特に、
首相
主導で
運営
される
政府
を監視する機関としての
役割
を強調いたしております。 これを受けまして、提言の中で、
国会
の
政府
、
行政監視機能
を大幅に拡充する必要があるといたしておりますが、
国会
の
行政監視機能
の充実につきましては、
内閣
の章と密接に
関係
するものでありますので、その際に詳しく述べることとなろうかと思います。
国会
の
行政監視機能
強化が二〇〇五年当時における我が党の問題意識の中心を占めていたということは、当時の状況に照らせばもっともなことと考えております。我が党の
憲法
提言は、今のところ最新の取りまとめが二〇〇五年であります。その後、政権交代などの状況の変化を受けまして、
国会
に関する
憲法
論議として、重点的に取り上げるべき点も変わってきていると思っております。 周知のとおり、
我が国
の
議会
政治は、ねじれ
国会
という状況を克服できず、物事が決まりにくい状況が常態化いたしております。震災復興、原発事故対応、景気回復、財政再建その他、内外の諸課題が山積している中で、
国会
が
機能
不全に陥りがちなのは
国民
にとっても不幸なことであります。
衆参
ねじれのゆえに物事が決まりにくい状況、さらには、国のリーダーである総理が一年ごとに交代してしまう状況が
憲法
上どのような問題に起因しているのか、当
審査会
で検証を進めるべきだと考えております。 以上のような問題意識からすれば、
一院制
の是非を踏まえた
二院制
のあり方こそが中心的な課題になると思われますが、我が党では、この点、
二院制
を維持しつつ、
両院
の
役割分担
を明確にするという
基本
的立場に立っております。 すなわち、
二院制
を維持しつつ、その
役割
を明確にし、
議会
の活性化につなげる。例えば、
予算
は
衆議院
、決算と行政監視は
参議院
といった
役割分担
を明確にするとともに、各院の
選挙制度
についても再検討するとし、さらには、特に
参議院
について、決算、行政監視の充実など、専門的、総合的な
機能
を兼ね備えた
参議院
制度
の確立を目指すなどの見直しが必要である。 ただし、この
二院制
の見直しに際しては、分権改革との関連や二大
政党
システム
の確立とあわせて検討されるべきであるとして、特に決算審議や行政監視における
参議院
の
重要性
に触れております。 ただし、最近の状況の中で、我が党内でも
一院制
の
議論
が活発化しております。
機関承認
はないものの、超党派議連による
一院制
実現のための
憲法改正
案に賛成をする
議員
も多くおります。 次に、
国会議員
の
選出方法
、すなわち
選挙制度
についてですが、政治家や
政党
の利害
関係
に左右されないよう、その
基本
的枠組みについて
憲法
上に
規定
を設けるといたしております。
選挙制度
は、
憲法
の根本規範を構成する
国民
主権の根幹であることに鑑みて、その時々の状況に左右されやすい立法政策に委ねるのではなく、
憲法
上
方向性
を明らかにすべきものと位置づけているところであります。このような
憲法
の
規定
を踏まえた上で、迅速に決断する政治状況をつくり出しやすい
選挙制度
という
国民
からの要請、ニーズも踏まえて検討すべきです。 また、
国会
による
行政監視機能
の強化の具体策として、
国政調査権
の活用に触れる。
国政調査権
を少数でも行使可能なものにし、
議会
政治によるチェック
機能
を強化するとしております。 最後に、
政党
についてでありますが、
議会
制民主主義を支える重要な
役割
に鑑み、
憲法
上に位置づけるということを踏まえながら、必要な法整備を図るとしております。 特に、
政党
のあり方に関しては、政権交代後の我が党の
与党
としての経験から、
政府
と
与党
の
関係
をどのように考えるべきか、政権
与党
としての意思決定の仕組みはどのようにあるべきかという点を中心的な課題として意識しております。 特に、
政党
については、
憲法
二十一条による結社の自由との
関係
、並びに自主性、自律性を強調する考え方もあり、もちろんそれは重要な
観点
とは思いますが、
政党
の意思決定が政権
与党
の意思決定として将来にわたる日本のあり方を左右することを考えますと、
政党
、特に
与党
の意思決定のあり方について、
憲法
論の
観点
からも重要な課題として検討されるべきと思います。 以上、二〇〇五年の民主党の
憲法
提言の内容に加え、その後の状況の変化をも踏まえて、現時点での我が党の動き、考え方を表明させていただきました。 以上とさせていただきます。
大畠章宏
9
○
大畠会長
次に、柴山昌彦君。
柴山昌彦
10
○柴山
委員
自由民主党の柴山昌彦です。
日本国憲法
第四章
国会
について、自由民主党を代表して
見解
を述べさせていただきます。
国会
機能
の充実については、中身もそうですけれども、
憲法
事項かどうかという
議論
も非常に大切だと思っております。私たちも、今お話があった
国会
の
行政監視機能
の充実に思いをいたしておりますけれども、例えば、福島原発の事故調の設置、あるいは行政仕分けについても、しっかりと
国会
で行うべきという提言をさせていただいております。 さて、現在、
国会
のあり方に関して最も根本的でかつ活発な
議論
が行われている問題として、
一院制
、
二院制
についての
議論
があります。 自民党の
憲法改正
草案の作成過程でも、
一院制
を採用すべきか否かは、
憲法
全体を通じて最も大きな
議論
のあったテーマでした。党内の
議論
では、ねじれ
国会
の状況に対する決められない政治などの批判を背景として、
一院制
を採用すべきとの
意見
も多く出されました。 しかしながら、
一院制
の導入の具体化には、
選挙制度
を含めた詳細な
制度設計
を踏まえた
議論
が必要なんですけれども、今回の草案全体の位置づけや時間的制約により、そこまでの
議論
を行うことは困難でしたし、また、諸外国に見られる
二院制
の持つ慎重審議の効用を重く見るべきとの
意見
も、やはり強く
主張
されました。 そこで、あくまでも、今回の草案では
二院制
を維持することとしており、
論点表
ではCになります。今後、
二院制
のあり方についてのさまざまな課題を検討する中で、
一院制
についても検討することとしております。 続きまして、
両院
の
役割分担
についても、
一院制
に関する検討と絡めて
議論
があり、また、
法律案
の再
議決
要件の引き下げについても
議論
がありました。 ねじれ
国会
のもとで法案審議が停滞しているとの認識を背景に、国政の停滞を避けるため、三分の二の再可決要件を過半数に引き下げるべきという
意見
も多くありましたが、一方で、それは
参議院
の
存在
を否定するものだという
意見
も強く出されました。 結局、今回の草案では、
一院制
導入について現状を変更しなかったのと同様の理由から、再
議決
要件についても現状を維持することとし、
論点表
のCの立場をとりましたけれども、今後、
二院制
についての検討を進めていく上では、
一院制
についての
議論
と並んで、この再
議決
要件のあり方も重要なテーマであると考えます。 次に、
国会議員
の
選出方法
、特に一票の格差についてです。 一票の格差の是正を含めた
選挙制度
の改正については、最高裁判所の判決等を受けて
議論
が現に行われておりますけれども、そもそも、
日本国憲法
四十七条では、
選挙
区その他両
議院
の
議員
の
選挙
に関する事項は
法律
で定めるとされ、
基本
的に
立法府
の裁量に委ねられております。 一票の格差は、投票価値の平等という民主政治の根幹にかかわる問題であり、その是正は喫緊の課題ではありますが、
選挙制度
は、
人口
をまず
基本
としつつも、行政区画、地勢など、その他の
要素
も総合的に勘案して定められるものであります。 自民党の改正草案では、この点を明らかにする
規定
を、
現行
法制の
規定
を参考にしつつ四十七条後段として加えております。
論点表
ではAの2になります。 次に、
議事手続等
についてです。 自民党の草案では、通常
国会
の
会期
を
法律
で定めると
規定
し、また、いずれかの
議院
の四分の一以上から臨時
国会
の開会要求があった場合の召集期日を、要求から二十日以内と明確に定めました。
会期制
については、先ほど御
紹介
があったようにさまざまな
意見
がありますけれども、まず、これらの
規定
の
運用
により、
国会
の活動期間の確保のため一定の対応がとれるようになります。 その他、自民党の草案では、両
議院
の本
会議
の
定足数
について、
議事
の
定足数
を削除し、
議決
だけの要件としています。
論点表
ではAになります。 また、
国務大臣
の
国会出席義務
について、重要な
外交
日程があるにもかかわらず
国会
に拘束され、その結果国益が損なわれてしまうようなことがないようにするため、「職務の遂行上特に必要がある場合は、この限りでない。」として、
出席義務
を緩和し、
論点表
のAとしております。 最後に、
政党
についてです。 現代政治において、民意を媒介する機関としての
政党
のウエートは確実に大きくなってきており、
議会
制民主主義にとって不可欠な
存在
となっております。いろいろ
議論
はありますけれども、このような
政党
の
重要性
に鑑み、自民党の草案では、
政党
について新たに
憲法
上
規定
を置いております。これとあわせて、結社の自由との
関係
をも踏まえ、「
政党
の
政治活動
の自由は、保障する。」との
規定
も置いております。
論点表
ではAになります。
憲法
に
政党
についてこのような
規定
を置くことにより、
政党法
を制定し、
政治活動
の自由の保障と同時に、党内民主主義の確立などの内部規律を定めていくための根拠になると考えております。 以上、自由民主党代表としての
意見
表明とさせていただきます。
大畠章宏
11
○
大畠会長
次に、木村たけつか君。
木村たけつか
12
○木村(た)
委員
国民
の生活が第一・きづなの木村たけつかでございます。
大畠会長
、そしてまた
幹事
の
先生方
の御配慮に心から感謝を申し上げます。
日本国憲法
第四章
国会
について
意見
表明をさせていただきます。配付された
論点表
に従い、まず
国会
の
地位
や
立法権
について
意見
を申し上げます。
立法機関
である
国会
の
役割
として、
議員立法
の活性化はもちろん重要でありますが、同時に、
議院内閣制
をとる
我が国
におきましては、
内閣
提出法案をいかに実質的に審議し、修正していくかが、
国会
に課せられた本質的な課題だと考えております。 したがって、法案提出を
国会議員
に限定するより、
内閣
提出法案を含めた法案について、
国会
で審議を尽くすための仕組みを構築する必要があると認識をいたしております。 また、
議員
間の闊達な
議論
により審議を活性化するため、党議拘束のあり方も見直すべきであると思っております。
国民
の生活が第一の規約におきましては、「党員たる
国会議員
の
国会
における各種採決においては「自立と共生」の
基本
理念にもとづく各自の信義にその判断を委ねるものであり、党議拘束はこれをかけない。」としております。
国民代表
たる
国会議員
の
立法活動
を過度に制約するものではないという
観点
からであります。 以上の
観点
から、この
論点
については、
論点表
のC1及びC2の
見解
に立っております。 次に、
一院制
、
二院制
の
論点
についてであります。
国民
の生活が第一では、
二院制
を
前提
として、
論点表
のCの立場で
議論
しており、その
基本
的な立場は、
衆参
ともに
国民代表
であるという
現行憲法
の
基本
は維持するべきだと考えております。しかしながら、
衆参
それぞれについて、
国民代表
ということの具体的
意味
や解釈は異なると考えており、これを踏まえて、
衆参
の
機能
分担を明確化するべきであると考えております。 例えば、
参議院
は、法案等について
衆議院
の
議決
を否決せずに修正する、再考を求める等の
議決
を行い、
衆議院
の判断に慎重さを求めるという慣行の形成、あわせて、決算
行政監視機能
、中
長期
課題に対する提言等、
参議院
に求められる重要な
機能
の強化を図るべきだと考えております。
問責決議
につきましては、閣僚の
辞任
等の効果に結びつけるべきではなく、職務行為の適正化に向けた再考を促すといった象徴的
意味
合いを持つという
運用
を慣行化するべきであると考えております。
両院協議会
については、成案を得やすい仕組みとするべきであると考えております。例えば、
委員
構成を各会派の
議員
数に応じた比例配分とし、現状の
衆参
各十名を二十名とすることや、成案決定に三分の二以上を要するものを見直し、過半数とすることが考えられます。 以上の改革については、
立法措置
が必要なものと
運用
の改善によるものがあるため、
論点表
ではB1、B2またはCの立場になります。 そして、
国会議員
の
選出方法
については、
国民代表
ということの解釈が
衆参
それぞれで異なることを踏まえると、特に
参議院
について、
衆議院
と異なる方法を検討するべきであると考えております。例えば、都道府県代表など地方代表としての
選挙
方法を
基本
としつつ、全国比例など職能代表
要素
を加味した
選挙
方法や間接
選挙
などが考えられます。
憲法改正
を行ってこれを実現するA3の立場が理想でありますが、現実的な
観点
からは、
立法措置
により実現することもあり得ると考えており、
論点表
におけるBの立場をとっております。 次に、
議事手続
に関する
論点
のうち、
通年国会
については、これを採用するべきだと考えております。 本来は、
憲法改正
を行って、
議員
の任期を通じて
一つ
の
議会期
とするのが最善であり、その
意味
では
論点表
のAの立場でありますが、
現行憲法
の枠内でも、
会期
を
長期化
することで実質的に
通年国会
を実現できると考えており、その
意味
ではBまたはCの立場であります。
定足数
については、採決時以外の
定足数
要件について、本
会議
、
委員会
ともに緩和し、定例日にとどまらず開催の多頻度化を図るべきであります。本
会議
の
定足数
については
憲法改正
が必要であるため、
論点表
のAの立場であります。
国政調査権
につきましては、
国会
の行政監視に果たす野党の
役割
の
重要性
を踏まえますと、
少数会派
にも行使しやすくする措置が必要であると考えております。
現行
の
予備的調査
の
制度
のように多数派による
拒否権
がないことを
前提
条件とするべきであり、
論点表
でいえば
条件つき
のBの立場をとっております。 そして、閣僚の
議院
出席
の
義務
については
論点表
のAの立場をとっており、重要な
外交
日程がある閣僚が
国会
に拘束されて国益が損なわれないよう、
憲法改正
によりこれを緩和するべきであると考えております。
政党
につきましては、政権交代により、多様な
政党
が
内閣
を形成し国政を担う時代となっているため、党の
運営
に対する有権者の信頼を高め、公党にふさわしい
運営
を行うことが必要であります。 具体的には、党首を含む党内の機関について、その
役割
と
権限
の所在を明確にし、その選定方法についてルールを明確にするべきであります。とりわけ、党内の意思決定手続については、曖昧なルールがいたずらな混乱を招くことを踏まえますと、これを明確にすることは、公党として有権者の信頼を得ていくための最低条件と考えております。 これらの点を確実にするためには
政党法
の制定が必要であり、
論点表
におけるBの立場をとっております。 以上、
国民
の生活が第一・きづなを代表しまして、
国会
についての
意見
陳述とさせていただきます。
大畠章宏
13
○
大畠会長
次に、
大口善徳
君。
大口善徳
14
○
大口
委員
大口
です。
国会
に関する
論点
について、公明党を代表して
意見
を申し上げます。
最初
に、
二院制
のあり方やこれと関連する
両院
の
選挙制度
、
役割分担
について、次に、
国会
の
議事手続等
について述べたいと思います。
最初
に、
二院制
について申し上げます。 昨今、
一院制
、
二院制
に関する
議論
が盛んですが、公明党は、
現行憲法
で
二院制
を採用している
趣旨
、すなわち、
議会
行動を慎重にして抑制と均衡の
機能
を果たす、二、先
議院
の審議を補完し再考を促すという
観点
は依然重要であり、その
意味
で
二院制
を堅持すべきと考えております。 次に、そのような
二院制
のもとで、両
議院
の
組織
、構成、
選挙制度
のあり方をどのように考えるかについてですが、今述べた
二院制
の
趣旨
を踏まえると、
衆参
で任期、定数、
選出方法
、
選挙制度
を異ならせて、なるべく類似性を排除した形にすべきであるというのが
基本
的立場です。 その中でも、特に
衆議院
の
選挙制度
については、
国民
の代表機関としての
地位
をより重く受けとめ、民意の集約のみならず、多様な民意を国政に反映していくことが重要です。 また、最高裁は、昨年三月、一票の格差が最大二・三倍となった場合、二〇〇九年の
衆議院
選挙
につき、
衆議院
の一人別枠方式は違憲状態との判断を下しました。一票の格差については、民主政治の根幹部分ともいうべき投票価値の平等にかかわるものであり、早急に是正を図るべきです。 このような
観点
から、
現行
の
衆議院
の
選挙制度
について申し上げれば、半分に満たない得票率で四分の三の議席を占めてしまい、
政党
の得票率と議席率との差は開きやすく、民意の反映が不十分という指摘があります。 これを踏まえて、比例代表制については、小
選挙
区制による民意の過度の集約を是正するという当初の
機能
をより発揮させるため、一定の定数を配分するとともに、比例代表制と小
選挙
区制の
二つ
の
制度
につながりを持たせ、
一つ
の
制度
とするようその仕組みを工夫することが必要であり、そのことによって定数も削減し、同時に、一票の格差の是正を図ることが重要であると考えます。 次に、
両院
の
役割分担
のあり方については、
衆議院
は
予算
審査、
参議院
は決算審査に重点を置くなどの考え方があります。このような考え方のもとで、現状でも、
参議院
を中心とする決算審査充実のための取り組みや、
衆議院
決算行政監視
委員会
による
国会
版事業仕分けなどの試みが行われています。 また、
法律案
の、三分の二以上という再
議決
要件が厳し過ぎるので、まず、再
議決
権の一定期間の行使を
制限
するという措置を講じて、その乱発に一定の歯どめをかけながらも、国政の過度の渋滞を防止するため、
衆議院
の再
議決
は過半数で足りることとするという
意見
もございます。
二院制
における
参議院
の
役割
を念頭に置きながら、慎重に検討すべきと考えます。 このほか、
予算
が成立しても、公債特例法案など
歳入法案
が成立しない状況を踏まえて、
一般
の
法律案
とは別に、
歳入法案
に限って
予算
と同じような
衆議院
の
優越規定
を設けるべきとする
主張
もございますが、これも
明文改憲
を要する事項であり、審議のあり方の改善の対処でできないかを含めて幅広く
議論
すべきと考えております。 以上のような
両院
の
役割分担
に関する考えの背景には、昨今のねじれ
国会
をどう見るかという問題がありますので、この点について
意見
を申し上げます。 ねじれ
国会
については、
国会
の審議の渋滞、決められない政治といった問題が指摘されているのは確かですが、しかしながら、それは民意のあらわれであり、時の政権は、きちんと誠実に
参議院
との対話に努め、円滑な政権
運営
を行う責任があります。 昨今の東日本大震災以降の法案審議状況を見ると、
内閣
提出法案がそのまま通過することは著しく少なくなり、多くの重要法案について与野党
協議
が行われ、その合意を踏まえた形で、大幅な法案修正がなされた上で成立する例が非常に多くなってまいりました。また、多くの
議員立法
が成立しました。 我々は、このような
国会審議
の実質化、活性化を通して、多様な民意を踏まえてしっかりと
議論
し、
国民
のための合意形成を優先させていくという
国会
本来の
機能
を発揮させ、決める政治を実現していくことが重要であると痛感しております。 次に、
議事手続
に関する
論点
としては、まず
通年国会
について述べたいと思います。
通年国会
を採用すべきという
意見
は、地方
議会
でも通年化に向けた動きがありますし、今回の地方自治法改正
法律案
では、条例により通年の
会期
とすることができる、こういう
条項
も盛り込まれているわけです。
国会
でも真摯に受けとめていくべきと考えます。 もっとも、
明文改憲
の措置を講ずるまでもなく、必要な
会期
設定や
会期
延長、適宜の臨時
国会
の開会の措置を講ずれば、
運用
は
立法措置
により実質的に対処可能と考えています。 次に、閣僚の
国会
への
出席義務
について、閣僚が
国会
に拘束されて、国際
会議
への
出席
が妨げられるという指摘もあります。 与野党の良識のもとで、重要な国際
会議
への
出席
を認めることなど、必要に応じて
運用
の改善を図ればよく、
憲法改正
までは必要ないと考えます。 最後に、
政党
に関する
論点
について申し上げます。
政党
は、
公的存在
であると同時に、
憲法
二十一条に定める結社の自由に基づく任意結社であるという性質を持ち、その結成の自由、内部規律の自由等が保障されています。加えて、
政党助成法
や
政党法人格付与法
などにおいて、現在でも、必要な規律を行う政令を整備されているところであります。 このような現状を踏まえると、
明文改憲
をしてまで、
政党
をあえて
憲法
に明記するまでの必要は感じられないというのが、現時点での考えでございます。 以上、
国会
の章に関する公明党の
見解
を、若干の私見を交えつつ申し上げました。冒頭の
意見
表明とさせていただきます。 以上です。
大畠章宏
15
○
大畠会長
次に、
笠井亮
君。
笠井亮
16
○
笠井
委員
日本共産党の
笠井亮
です。
日本国憲法
第四章
国会
は、
国民
主権原理のもとで代表民主制を採用し、
議会
制民主主義を実現するために、
国会
の
地位
と
組織
、権能を明らかにした極めて重要な
条章
であります。これは、明治
憲法
下で、天皇が統治権を総攬する体制のもとで
国民
を侵略戦争に駆り立てていったという歴史への反省と、近代立憲主義の
原則
を取り込んだものにほかなりません。 この第四章の
規定
に照らして、現実の
国会
がどうなっているのか、その検証こそ必要なのであります。 まず、
国会
の権能にかかわって、立法
機能
、
政府
行政監視機能
、
国政調査権
、
国民
の
請願
審査などという
国会
が果たすべき
役割
、任務があると考えます。それらが実際に発揮されているのかどうかという問題です。 第一に、立法
機能
で重要なことは、閣法、
議員立法
にかかわらず、徹底審議が尽くされなければならないということです。徹底審議とは、必要な質疑が行われ、その内容が
国民
に知らされ、
国民
の声をフィードバックさせながら審議を深め、合意を形成していくことです。 ところが、昨今の消費税増税と
社会保障
一体改革なる法案は、
国民
の五割、六割が反対しているのに、徹底審議が尽くされないまま
衆議院
での採決が強行されました。しかも、そのやり方は、三党が密室で
協議
し合意したことを
国会
に押しつけるというものでした。 それまで重ねてきた審議や中央、地方公聴会での
意見
も無視した消費税増税法案の修正だけでなく、全くの新法を含む
二つ
の法案も突如提出され、三党が合意したからと、内容が
国会
と
国民
に十分に知らされないまま、わずかな審議で
衆議院
を通過させ、
参議院
で強行されようとしているのであります。これは、
国会
の立法
機能
を否定するものと言わなければなりません。 第二に、今こそ、
政府
行政監視機能
を十分に発揮しなければならないということです。 このことは、今大きな焦点である原子力をめぐる問題に端的にあらわれています。今回の東京電力福島第一原発事故を踏まえて、
国会
のもとに、憲政史上初めて、
政府
からも事業者からも独立した
調査
委員会
が、
衆参両院
において全会一致で
議決
され、設置されました。 この
国会
事故調が提出した
調査
報告書は、規制する立場とされる立場が逆転
関係
となることによる原子力安全についての監視、監督
機能
の崩壊が起きていたと指摘し、七つの提言の冒頭に、規制当局に対する
国会
の監視を挙げています。その中で、
国民
の健康と安全を守るために、規制当局を監視する目的で、
国会
に原子力に係る問題に関する常設の
委員会
を設置することも提言しています。これらも正面から受けとめ、検討すべきです。 第三に、
国政調査権
でいうと、ことし発効六十年を迎えた日米安保条約にかかわる問題にこそ行使される必要があります。 三年前の政権交代後、日米核密約の一端が明らかになりました。しかし、日米安保条約のもとでの全ての密約、取り決めを明らかにすることにはいまだに至っていません。 今日、オスプレー配備が問題になり、その低空飛行訓練ルートが公式に明らかになりました。しかし、日米
地位
協定に基づく区域でもない軍事訓練ルートをなぜ米軍が勝手に設定できるのか、日米間の航空取り決めを含めて、その全容を解明する必要があります。そうしたところに、今こそ
国会
の
国政調査権
が発揮されるべきだと考えます。
国会
権能の発揮という点から見て、
国会
改革や審議活性化の名のもとに何をやったのかも問われます。党首討論の導入と引きかえに総理大臣の法案審議
出席
を限定したり、官僚や
内閣
法制局長
官の
国会
答弁を禁止しようとしましたが、いずれも、今日、破綻は明瞭ではないでしょうか。 次に、
国会
の権能と
選挙制度
について述べます。
国会
の権能が十分に発揮されるためには、
国会
が民意を正確、公正に反映した
議員
で構成されることが不可欠であります。決められない政治などといいますが、それは、
衆参
がねじれているからでも
参議院
が強過ぎるからでもありません。決めるのは主権者
国民
であり、その意思、民意に背く政治を進めようとするから決められないのであります。 民意に背く政治がなぜまかり通るのか。それは、民意をゆがめる小
選挙
区制によって、
国会
と
内閣
が虚構の多数で形成されているからにほかなりません。小
選挙
区制の生みの親とされる政治家からも、
政党
の堕落、政治の劣化が
制度
によって起きたと指摘されるほどです。
憲法
十五条三項で成年者による普通
選挙
、四十四条で
選挙
権の平等を、四十三条で、
選挙
された
議員
は全
国民
の代表と明記しています。これらの
規定
を踏まえ、多様な民意が正確、公正に議席に反映し得る
選挙制度
を組み立てることこそ必要です。 最後に、
政党
の堕落、政治の劣化をめぐってもう
一つ
指摘しなければならないのは、
政党
助成金
制度
です。
政党
の活動資金は
政党
の自助努力で賄うのが
基本
であり、過度に
国家
に依存することのないようにするといいながら、資金の八割を
政党
助成金で賄う
政党
があるなど、この
制度
が税金に過度に依存した国営
政党
を生み出しているのであります。党財政づくりにみずから汗を流してこそ庶民の痛みがわかると確信いたします。
政党
助成金はきっぱり廃止へと踏み切るべきことを問題提起して、
意見
表明を終わります。
大畠章宏
17
○
大畠会長
次に、
照屋寛徳
君。
照屋寛徳
18
○
照屋
委員
社会民主党の
照屋寛徳
です。 きょうから席順が変わり、
与党
席に寄った感がして座り心地がしっくりしませんが、私や社民党の改憲反対の姿勢は変わりません。 本日のテーマである
憲法
第四章の
明文改憲
の要否等について
意見
を申し上げます。
最初
に、
明文改憲
の上、
二院制
を廃止し
一院制
を採用すべきとの
主張
がありますが、社民党は
二院制
廃止には明確に反対です。そのための
明文改憲
も認めません。
現行憲法
のもとでの
二院制
は堅持すべきであります。したがって、去る四月二十七日、
衆議院
に提出された
議員立法
、
日本国憲法
改正原案の
趣旨
にも反対であります。 昨今、
国会
の意思決定の迅速化、効率化、
議員
定数削減等を理由に、
参議院
不要論、
二院制
の見直しなどが叫ばれておりますが、賛成できません。それらは
二院制
廃止の理由にはならないと考えるからであります。 社民党は、
参議院
は、
議院内閣制
の弱点を補完して
衆議院
及び
内閣
に対するチェック・アンド・バランスを発揮するとともに、異なる
制度
、異なる時期による
選挙
によって、
国民
の多元的な意思をよりよく
国会
に反映することから、
議会
の任務である行政への抑止の
役割
をより重く担っている
存在
であると考えます。 その
意味
で、日本の
参議院
は、連邦
国家
における
二院制
や貴族院型の
二院制
とは異なり、民主主義を強化する
二院制
の先駆的
制度
であり、良識の府にふさわしい
参議院
の
機能
の発揮こそが必要であるとの立場です。 むしろ、政権
政党
が法的拘束力を理由に
参議院
における
問責決議
を無視、軽視するのは
参議院
の意思を否定するものであり、
国民
の民意を無視し、
憲法
理念と民主主義に反するものであります。
衆参
ねじれ
国会
の現象をもってそれらを正当化することは間違いです。 次に、
明文改憲
の二に、
憲法
に
政党
条項
を設けるべし、あるいは、
政党法
などの
立法措置
によって
政党
要件やその
義務
を明定すべしとの
意見
がありますが、社民党はそのいずれにも反対であります。
明文改憲
や個別法制定による
政党
規制の導入は、
憲法
二十一条に保障された結社の自由を侵害するものです。 社民党は、
日本国憲法
が、結社の自由をうたうのみで
政党
それ自身を
規定
しないのは、戦前の無産
政党
への弾圧や翼賛
政党
化が戦争遂行を食いとめられなかったことへの反省を踏まえてのことであると考えます。
憲法
の理念に立脚するならば、結社の自由によって日本の民主主義を豊富化させ、戦争に道を開く体制づくりに歯どめをかけることが求められているのです。 最後に、
会期
不継続の
原則
の廃止、
通年国会
の採用、
国務大臣
の
国会
への
出席義務
の緩和のための
明文改憲
にも反対であることを申し上げます。 特に、
憲法
第六十三条に定める
国務大臣
の
国会
への
出席義務
は
議院内閣制
のもとでは当然のことであり、
国民
主権の原理、
議会
制民主主義の精神とも合致するものであります。
国務大臣
の
出席義務
の緩和は、
国権
の
最高機関
としての
国会
を無視し、
内閣
の賛同機関、追認機関に変えようとするものであります。 同様の
趣旨
で、
憲法
第六十三条にただし書きを挿入し、
国務大臣
の
国会
への
出席義務
に関し、職務の遂行上特に必要がある場合はその限りでないとの
明文改憲
をすることは、
国務大臣
の
国会出席義務
を実質的に免除するものであり、反対であります。 以上で私の
意見
表明を終わります。
大畠章宏
19
○
大畠会長
次に、
柿澤
未途君。
柿澤未途
20
○
柿澤
委員
みんなの党の
柿澤
未途でございます。 みんなの党は、三年前の
衆議院
選挙
における公約において、将来的に
憲法
を改正し、
衆参
統合による定数三百の
一院制
国会
を実現する、こういう
方向性
を既に打ち出しております。
予算
や条約を除き、ほぼ対等の
権限
を持つ
衆参両院
が並立し、
衆参
の多数派が違ういわゆるねじれ
国会
が常態化する中で、日銀総裁の人事が決まらない、
予算
関連法案の取り扱いをめぐり野党多数の参院が
内閣
の生殺与奪の権を事実上握る、自民党政権であるか民主党政権であるかを問わず、こうした事態が続いてきました。 本通常
国会
の当初の閉会予定日であった六月二十二日時点における
内閣
提出法案の成立率は過去最低の二四・六%と、
国会
の著しい
機能
不全が続いております。また、結果的に、
衆参
どちらかの国政
選挙
が毎年のように行われる結果、安定的な政権
運営
が難しい、こういう点も指摘をされております。 時代の変化に即応し、民意に基づいて法
制度
の改正を速やかに行っていくことを困難にしている、このような状況を打開し、
選挙
で示される民意に基づく国政の前進を図るには、
衆参
対等統合による
一院制
国会
の実現を目指すべきというのが私たちの考え方であります。 また、みんなの党は、
一院制
国会
と同時に、
首相公選制
の導入を
憲法改正
の考え方の中で掲げております。これは、
行政府
の長を
国民
が直接選び、正統性を付与する
制度
とすることで、七百二十二人しかいない
国会議員
の都合で総理大臣の首が一年でころころかえられる現状を改めるとともに、
立法府
と
行政府
が、ともに
国民
の直接の民意に立脚した機関として相互にチェック・アンド・バランスを働かせながら国政を担っていくという新たな
国家
の統治機構の姿を目指してのものであります。 また、
国会
の
会期
は通年であるべきと考えております。
会期
末までの法案審議の
スケジュール闘争
に明け暮れて、法案を審議未了のまま
会期
末を迎えれば野党の勝ち。そして、審議拒否が野党の最後の抵抗手段として用いられることともなっています。一方、いかに拙速な審議日程であっても、
会期
までに法案を上げれば
与党
の勝ち。したがって、
会期
末には多くの法案が短時間審議で次々と上げられることともなっています。 このような、法案内容の吟味よりも、ややもすると審議スケジュールを重視した
国会
運営
になっている印象があるのは、
国会
を
会期
によって区切り、しかも、
会期
不継続の
原則
があるからであります。
憲法
及び
国会法
を含めた総合的な見直しの検討が必要であると考えます。
国務大臣
の
国会出席
の
権利
と
義務
を定めた
憲法
六十三条の
規定
についても、よく言われることですが、総理大臣や外務大臣は
国家
の対外的な
代表機能
を果たしていることから鑑みても、首脳同士の国際
会議
等の場には積極的に参加をして日本の
存在
感を高められるよう、
国会
で「答弁又は
説明
のため
出席
を求められたときは、
出席
しなければならない。」との
規定
を、
国会
の
機能
を損なわない限りにおいて見直していく必要があると考えます。
選挙
については、第四章では、四十七条において、「
法律
でこれを定める。」とあるのみですが、ここで一点申し上げたいのは、
憲法
十四条の法のもとの平等に照らしても、
選挙
の際に有権者が投じる一票は可能な限り厳密に等価であるべきという、いわば一人一票の
原則
であります。 これについて、他党からは、
人口
だけでなく地域間格差も法のもとの平等に含まれるとして、一人一票に基づかない
国会議員
の定数配分も認められる、こういう
見解
を披瀝される方もいらっしゃる。また、
憲法改正
草案にそのような
趣旨
を
条文
として盛り込んでいる
政党
もあるようでございます。 しかしながら、このような住所地による一票の価値の差別が技術的理由以外の理由で認められてよいはずがありません。男女でこのような差別を行った場合、人種でこのような差別を行った場合、
憲法
上どのような解釈をされるか考えていただければ自明のことであります。 このような住所地による一票の価値の不平等を是とする
議論
が
存在
してきたことが、
衆議院
で一票対〇・五票、
参議院
で一票対〇・二票というような驚くべき
参政権
の不平等を
国会
が放置して違憲判決を受けるに至った最大の要因であります。この状況が変わらないのであれば、
憲法
四十七条の
条文
上、一人一票の
原則
を明記することも必要になるかと考えます。
政党
について、何をもって
政党
となすかの
議論
がないまま、
政党
交付金の交付要件である所属
国会議員
五人以上というような技術的条件をもって
政党
の成立要件となっている
我が国
の現状は極めて異様であると考えます。 このような状況が、現職
国会議員
の離合集散による年末の駆け込み新党の結成につながっており、理念や政策を一致させないままの数合わせで
政党
がつくられ、何を目指す
政党
なのか
国民
には甚だわかりにくい。
選挙
において政策の選択肢を
国民
に提示するという民主主義の
観点
からも不健全な状況が生まれております。
憲法
上、
政党
の
存在
を明記すべきかどうかは
議論
が分かれますけれども、少なくとも、
政党法
の制定により、
政党
の要件及び
権限
、権能を定めることは必要と考えます。 最後に、
衆参
統合
一院制
国会
への
憲法
四十二条の改正に向けては、衛藤
衆議院
副議長を
会長
とする超党派の
議員
連盟による改正案が、ことしの
憲法
記念日を前に既に
国会
に提出をされています。
衆議院議員
百人以上という
憲法改正
の発議要件を満たし、審議の場であるこの
憲法審査会
もできているのに、現実に提出された
憲法改正
案が、
国対委員長
の判こがないという
国会
慣例上の理由でたなざらしになっている。これは信じられない不作為であると考えます。 この点、
論点表
の四十一条C2にも掲げられている
論点
にもかかわりますけれども、いずれにせよ、現実に提出された
憲法
四十二条改正案の審議に向けたプロセスを一刻も早く進めていただくよう改めてお願いを申し上げまして、
意見
表明を終わります。 ありがとうございました。
大畠章宏
21
○
大畠会長
次に、
平山
泰朗
君。
平山泰朗
22
○
平山
委員
国民
新党・無所属会の
平山
泰朗
です。
日本国憲法
、
国会
に関して、会派を代表して
意見
陳述をさせていただきます。 まず、
一院制
に関して申し上げます。 総理大臣が近年、短期間で辞職を繰り返してしまうのは、時代の変遷もありましょうが、やはり
憲法
上の
国会
規定
が構造的な問題となっているのではないでしょうか。政策の継続性や国際的な
関係
性を築いていくためには、ある一定期間、
内閣
がかわらないことが望ましいと思われます。そのためには、事実上の法的
義務
がないとされる
問責決議
の
制限
、もしくは
一院制
を取り入れることが、安定政権をつくることができる方法だと思われます。 その
意味
において、
衆参
のねじれ現象をそもそも
憲法
は想定していなかったのではないか。
二院制
の意義を再度見直し、
一院制
を
前提
に
憲法改正
を目指していく立場を我々はとっております。 また、
国会議員
の
選出方法
に関しまして、
原則
、
人口比例
に基づく平等
原則
を
前提
としながらも、地理的な状況などを加味した
選出方法
を検討すべきであると考えます。具体的には、最高裁が示している一票の格差を上限に、
国会議員
の恣意の入らない定数の是正や、
選挙
区割りの見直しを図るべきだと考えます。 我が会派は
一院制
を目指しておりますが、
現行
の
二院制
である以上、それぞれの
選出方法
は権能の分岐を
前提
とすべきであると考え、
選挙制度
において明確な区分けを考えるべきであるという立場をとっております。 また、
通年国会
に関しまして、これは採用すべきだと考えます。
現行
制度
を維持し、
運用
にて改善を図るべきだと考えております。
議事手続
において、
議院
の
国政調査権
に関しましては、より
議員
の
権限
を拡充するためにも、
少数会派
による
国政調査権
の
発動
を可能にし、
行政監視機能
を充実すべきだと考えます。今後、
国会議員
の定数が削減されていく中で、より一人一人の
国会議員
の権能は拡充されていくべきだという立場をとっております。
国務大臣
の
出席義務
は、
二院制
度上の二重
出席
などを考えれば、行政業務に対してより充実した作業をなしてもらうためには緩和すべきだと考えます。
政党
に関しましては、
政党法
などの
法律
に委ねるべきであるという立場です。
憲法
に対して明記する必要はないと考えます。あくまでも
政党
は、
憲法
上の
存在
ではなく、結社の自由その他各法の
規定
により
存在
を認められるべきものであると考えます。 以上、
国民
新党・無所属会を代表して、
意見
を述べさせていただきました。
大畠章宏
23
○
大畠会長
これにて各会派を代表する
委員
の発言は終了いたしました。
—————————————
大畠章宏
24
○
大畠会長
次に、
委員
各位による
自由討議
に入ります。 この際、
委員
各位に申し上げます。 本日の
審査会
におきましては、
論点
を、第一に、
国会
の
地位
、
立法権
及び
二院制
等に関する
論点
、第二に、第一で
議論
の対象としていない
論点
の
二つ
に分類いたします。 各
委員
におかれましては、おおむねこの
二つ
の
論点
の分類ごとに
意見
表明をしていただきますよう、御協力をお願いいたします。 なお、この
二つ
の
論点
の分類はあくまで目安ですので、各
委員
の発言がその他の
論点
等に及ぶことは結構でございます。 発言を希望される
委員
は、お
手元
にあるネームプレートをお立ていただき、
会長
の指名を受けた後に発言をお願いします。発言が終わりましたら、ネームプレートは戻していただくようにお願いいたします。 発言は自席から着席のままで結構でございます。また、発言の際には、
所属会派
及び氏名をお述べいただきますようお願いいたします。 なお、
幹事会
の
協議
によりまして、一回当たりの発言時間は五分以内といたしたく存じます。
委員
各位の御協力をお願いいたします。 発言時間の経過につきましては、終了時間一分前にブザーを、また終了時にもブザーを鳴らしてお知らせをいたしますので、御協力をよろしくお願いいたします。 それでは、まず
最初
に、
国会
の
地位
、
立法権
及び
二院制
等に関する
論点
について発言を希望される
委員
は、ネームプレートをお立ていただきますようお願いいたします。
逢坂誠二
25
○逢坂
委員
民主党の逢坂誠二でございます。
会長
、指名をいただきましてありがとうございます。 私からは、
二院制
について発言をさせていただきます。 昨年の四月二十八日だったと記憶しておりますけれども、国と地方の
協議
の場に関する
法律
が成立をいたしました。それ以降、国と地方のこの
協議
の場が、法制定後十三回にわたって、分科会も含め開催をされているところでございます。 昨年の十二月の二十九日には、仮に消費税率が五%ふえた場合に国と地方の配分割合をどの程度にするか、これを地方の配分割合を一・五四%にするということが、この国と地方の
協議
の場において決められております。 従前でいきますと、こうしたことというのはなかなか決めがたいことでありまして、こうしたことが国と地方の真正面からの
議論
によって決められたというのは、この国と地方の
協議
の場が法制化されたことによる、その成果が非常に大きいものだと理解をいたしております。 なぜ国と地方がこのように公式の場で
意見
交換をして物を決めていく必要があるのかといえば、それは、国から繰り出す政策であっても、自治体の現場でいろいろなかかわりを持って政策全体が完結をしていくわけであります。そうしたことを考えてみると、政策立案の当初から地方の側がかかわっていく、国と地方が協力し合ってある種の政策をつくり上げていくことが、最終的に
国民
にとってプラスになる、地域の実態に合った政策の実現に資することになる、そういう思いからだと私は理解をいたしております。 その
意味
で、この国と地方の
協議
の場の法定化は、日本の国と地方の
関係
に新たなステージを開くものとして、私は非常に大きな一歩であったと理解をいたしているところであります。
他方
、諸外国の例を見てみますと、実は、この国と地方の
協議
の場のような
役割
、これを常設的に
国会
に設けているという例が見られるわけであります。例えば、ドイツの連邦
参議院
あるいはフランスの元老院、いずれもこれは上院に当たるものでございますけれども、こちらの院におかれましては、自治体の
関係
者がいわゆる
国会議員
になっている。そうして、自治の問題にある種の優先権を持って、この院の中において話し合いをしているという例があるわけでございます。 したがいまして、日本においても、この国、地方の
協議
の場、これはまだ第一歩、スタートしたばかりではありますけれども、いずれは、
国会
の場において常設的に地方との
関係
を話し合う、そういう
役割
をどちらかの院に持たせるということを検討してもよいのではないかというふうに私は思っております。 当然、今、
衆議院
と
参議院
、どちらも似たような
機能
があって、一院でよいのではないかという
議論
があるわけでありますけれども、私自身は、そうではなく、
衆議院
と
参議院
の位置づけをよりクリアにし、場合によっては、多分私は
参議院
の方だというふうには思いますが、
参議院
の方に自治に対するある種の優先権を持たせる、その構成員についても自治体の代表がなるというようなことを検討することによって、国政の場においていろいろと
議論
される政策が、
国民
の立場に立った、地域の実態を反映した、そういう政策になっていく可能性が高まるのではないか、そんな思いを持っているところでございます。 以上、
二院制
について思うところを申し上げさせていただきました。ありがとうございます。
石井登志郎
26
○石井(登)
委員
民主党の
石井登志郎
です。 私は、一票の格差と
衆議院
、
参議院
のあり方について
意見
を申し述べさせていただいて、そして、可能であれば
衆議院法制局
からちょっと御
意見
をいただければと思っております。
憲法
四十七条において、
選挙
のあり方については
国会
で決めると。同時に、一方で、
憲法
十四条に基づいて、一票の格差が今日まで、
衆議院
であれば二対一を目安、
参議院
であれば五対一を目安に違憲のラインが引かれてきたといいますか、そういう認識であるわけですが、ただ一方で、この二対一と五対一、これも今、みんなの党の
委員
の方からもおっしゃられましたけれども、本来は一対一であるというのが筋であろうと思います。 一方で、
憲法
の制定の経緯の中で、私はぜひ、ここがわかれば御質問なんですけれども、
参議院
の一票の格差というところまで、この
憲法
制定の経緯においては想定はしていなかったんではないかと思います。 といいますのは、これがどういう経緯でつくられたのかということに関してしっかりと見ていかなきゃいけないわけですが、アメリカの場合は、連邦下院の場合は、まさに一対一、一票の格差というのがほぼないようにということになっておりますが、一方で、連邦の上院
議員
に関しては、連邦
国家
でありますから、各州の選出ということになっているわけであります。 それをそのまま日本に持ってこられて、鳥取県と東京都、各県一人ずつ出すというようなことを、そのまま当てはめたというようなことを私は想像してしまうわけですが、しかし、
我が国
は連邦
国家
ではございませんので、そうした中で、今回、この一票の格差というようなことが
参議院
において著しくあらわれているんではないかと思います。 そうした中で、そういうことであればやはり、最終的には、
憲法
の中で、
衆議院
の位置づけと
参議院
の位置づけを明示して、
衆議院
は一人一票をしっかりとかがみのようにあらわす
制度
にする、
参議院
は、そういう考えに基づくのであれば、各都道府県の
意見
をしっかりと明示するというような形にする方が、本来、筋的にはすっきりするのかなと思うわけであります。 以上、
意見
でありますが、もう一度、質問に関しては、
参議院
の一対五というようなことが、これは今日までの判決で一応こうしたラインが引かれているんですけれども、それはやはりいびつであろう、そもそもは
憲法
でこうしたことの想定を全くしていなかったからこうなったのではないかと思いますが、わかる限りで、
参議院
の格差の問題について、制定の経緯においてそうしたことがどれだけ考えられていたんだろうかということについて教えていただければと思います。
橘幸信
27
○
橘法制局参事
石井先生、御質問ありがとうございます。 必ずしも詳細な
資料
が
手元
にはございませんけれども、帝国
議会
におきます
両院制
の問題、
二院制
の問題に関して、一票の格差についてまでの御
議論
は
手元
の
資料
では見当たりません。 若干、それに関連する御
議論
を御
紹介
させていただきますと、帝国
議会
におきまして、
二院制
の問題については、貴族院ではなくて新しい
両院制
に対する構想や、
一院制
を排して
二院制
を採用した理由などが御
議論
になられました。 金森徳次郎
国務大臣
は、次のような理由から
二院制
が妥当というふうに述べられたところでございます。すなわち、
参議院
設置の理念は、
衆議院
に対する抑制的
機能
を
前提
として、知識経験のある慎重熟練の士を求めることにあるとしたと。その際、
参議院
に
職能代表制
、そういう
制度
を採用すべきではないかということについては、徹底した職能代表主義で各職域の対立
意見
を何らかの力でまとめるのは日本の実情には不適当だという形で、
職能代表制
は否定したということでございました。 なお、ただ、
衆議院
の附帯決議におきまして、
参議院
の構成については、社会の各部門、各職域の知識経験者が
議員
となり得るような、そういう考慮をすべきであるという附帯決議が付されたということでございます。 先生直接のお尋ねの一票の格差については、
手元
に
資料
がございませんでした。 失礼いたします。
畑浩治
28
○畑
委員
国民
の生活が第一の畑
浩治
でございます。ありがとうございます。
国会
というのは、私は、熟議の
国会
で、徹底
議論
をして、そうやって決めるということが当たり前のことだと思いますが、そういうことが今しにくい体制になっていると思っております。 それで、
二院制
あるいは
両院
の
役割分担
というのはあります。これは
憲法
の改正、できれば大
前提
であると思います。
基本
的には、
二院制
を維持しながらその
役割分担
だと思いますし、再
議決
要件の緩和ということは大変いいことだと思いますが、今までの
議論
で欠けているのは、いきなり再
議決
に行くのではなくて、
両院
の間の
意見
調整、そういうことについてしっかりやるという
観点
がちょっと欠けているのではないかと思っております。 すなわち
両院協議会
でありまして、
現行
、
両院協議会
というのは、これは
衆参
、院議を構成した党派から出る。それで、形式的になって結局決まらないわけです。そこで、
両院協議会
の動かし方で、まず民主的に
両院
の意思を合致させるような方法を模索することが適当であると思っております。 例えば、考え方としては、
国会法
ないしは
議院規則
を改正すれば足りるわけですが、
両院協議会
について、
構成メンバー
を会派構成に比例してやる、そういう中で、この
議決
も今は三分の二になっておりますが、過半数でやる。これをいろいろシミュレーションしますと、十人を二十人にして会派構成をする形にして過半数にすれば、
両院協議会
で成案が出ることは可能でありますし、大体できます。 問題は、
両院協議会
で成案を得た場合に、
憲法
上はそれぞれの院に持っていって、また審議、
議決
が必要なわけですけれども、そこは、これは慣行になるのか、あるいは
憲法
に書くのかちょっとまた結論は悩ましいところがありますが、いずれにしましても、
両院協議会
の
議決
を尊重して各
議院
は
議決
をするような慣行なりやり方が必要であると思っております。 そういうことによって、いきなり再
議決
をやるというよりも、そういうことをしっかりやって、プロセスの中で、
両院
協の中で決定していく
システム
をつくるべきであると思っております。これが一点であります。 それから二点目は、
選挙制度
が絡みますが、
両院
の
役割分担
というところで、先ほど話がございましたが、今の
憲法
の問題は、
国民代表
ということで
衆参両院
ができている。これは、
機能
や
役割
が
憲法
上違わないわけで、だから、決め方とか、あるいはいろいろな
運営
の困難になっている部分がございます。 端的には、
衆議院
、下院が
国民代表
であると思いまして、そういうことをする。もう
一つ
の
憲法改正
で、
参議院
、上院は、これは諸外国の例に倣って地域主権ということをやっていくとすれば、地方代表、地域の声を反映させる
議会
だとすべきだと思います。 そうすれば、おのずから
選挙制度
も違わなければいけない。つまり、
衆議院
は一票の価値を重視する
選挙
方法でありますが、
参議院
は、恐らくは、ドイツなんかもそうですが、州代表にするとか、州から選ばれる複選制、または間接
選挙
にするか、あるいは道州代表にするか、これは道州制を
議論
した場合のセットでありますけれども、そういうことも必要になってくると思います。 そういうことをしながら、しっかりと
機能
分担を
選挙
の
制度
からもやっていくということが必要だと思います。 それから、ちょっと三点目で問責のことについて申し上げたいと思います。 問責は、
憲法
上は、
衆議院
がチェック・アンド・バランスで
解散権
があって不信任を出せる、
参議院
は解散
制度
もありませんので、民主的なチェック・アンド・バランスからは、
参議院
は問責はできますが、問責の効果というものは閣僚辞職に値するものではないという抑制的な
運用
、そういうことが必要だと思っております。そういうことが
参議院
の権威を高めることにもなり、チェック・アンド・バランスの枠外の
参議院
の権威を高めることになると考えております。 以上です。
大泉ひろこ
29
○大泉
委員
民主党、
大泉ひろこ
でございます。 私は、
二院制
について発言をさせていただきたいと思います。
最初
に、恐縮でございますけれども、橘部長にちょっと御質問をさせていただきたいんですが、もしおわかりになればということでございます。 終戦後、GHQが
日本国憲法
の草案をつくったときに
一院制
を提言したというふうに聞いているわけでございますが、素人的に考えると、華族
制度
はやめるし、それに伴って貴族院は要らないだろうということで
一院制
を提言したのかなと思いますが、これに対して日本側が反対をして、
二院制
を維持したいということで
参議院
ができたというふうに物の本で読みました。この経緯を少し教えていただきたいなと。それにプラス、
二院制
にした理由、日本側の
主張
でございますが、これもわかれば教えていただきたいというふうに思います。 当初の、終戦直後の
最初
の
参議院
選では、聞くところによれば、これも本からの情報でございますけれども、最高裁の判事とか非常に学識のある方がたくさんお出になって、その結果を見て良識の府という名前がついたというふうに私は理解いたしました。だから、
憲法
上、良識の府として
参議院
を想定したのではなくて、結果的に良識の府になったということであろうということでございます。 現時点で見ますと、もちろん
参議院
の先生、立派な方がたくさんいらっしゃいますけれども、総体的に、
衆議院
と比較した場合に、人材にそれほどの差はないかなというふうに思っているんですね。やはり
二院制
をとる以上、その違いというのを明らかにした方が、いろいろな
国民
的
議論
というのでも熟したものができていくんじゃないかというふうに私は思います。 例えばでございますけれども、
衆議院
は、明らかに
選挙
区から勝ち上がっていきますから地域代表でございます。
参議院
の方は、職域代表、職務代表、先ほど否定されたというお話もございましたけれども、そういう分け方もあるんじゃないか。現在の
参議院
の
選挙
でも、例えば医療
関係
とか労組では
参議院
の全国区で出てこられる方が結構おられるかな。こういうのを徹底していくと、片や地域代表、片や職域代表というような違いが出てくるんじゃないかというふうに思います。 かてて加えて、その仕事の内容も違いを出した方がよろしいんじゃないか。 先ほど、鷲尾
議員
の、民主党の二〇〇五年の提言によれば、片や
衆議院
の方が
予算
、
参議院
の方が決算というような分け方も私はいいと思うんですけれども、もし
参議院
の方を私が
主張
しているような職域代表ということにいたしますと、例えば、今、大津市で起こったいじめ事件というのがあるんですけれども、一九九〇年代にもいじめ事件とか子供が起こした猟奇事件というのはたくさんあったんですけれども、当時かんかんがくがくの
議論
が行われましたが、でも、その
議論
はどこへ行っちゃったのか。また同じことを繰り返しているわけでございます。 六年という
長期
間でこういう
議論
に取り組める、あるいは法案づくりに取り組めるという
参議院
では、こうした青少年の育成とか教育とか、
長期
にわたっての話題というか法案づくりにいそしんでいただければ、そのときそのときのアップデートな話題を扱う
衆議院
との違いも出てくるんじゃないかなというふうに私は思います。 したがって、今の
議論
は、私は、
論点
整理表でいえばBか、あるいはCでも可能かなと思っているんですけれども、その立場をとって
主張
させていただきました。 ありがとうございます。
橘幸信
30
○
橘法制局参事
大泉先生、御質問ありがとうございました。
手元
の
資料
で、わかる範囲内でお答えさせていただきますと、先生御指摘のとおり、当初、GHQ民政局側が提示した案では
一院制
になっていたということでございます。GHQ側の
憲法改正
案の御
説明
ですと、三つの点を特に挙げていたというふうに物の本には書いてございます。 それは、第一に、貴族
制度
は廃止されること、もう貴族院はないはずだ。
二つ目
は、日本は連邦
国家
ではないはずだ。貴族院型の
二院制
も連邦型の
二院制
も日本には要らないはずだ。そうすると、第一院と第
二院
の間で争いが生ずるおそれがあることを考えれば、
一院制
でいいのではないのか、こういうふうに言われたそうでございます。 それに対して、松本大臣初め当時の日本国側は
二院制
を強力に
主張
された。その理由を例えば三つにまとめますと、多くの国が
議会
の
運営
に安定性をもたらすために
二院制
を採用している。
二つ目
、
一院制
の場合は、政権交代により
政府
の政策が一方の極から
他方
の極に移るおそれがある。
三つ目
として、第
二院
があれば、
政府
の政策に安定性と継続性がもたらされる。このような
二院制
の長所について
説明
したというふうに物の本には書いてございます。 その上で、GHQ側、ホイットニー民政局長は、そうであれば、
両院
とも公選だ、直接公選だということを
前提
に
二院制
でもいいというふうにGHQ側は言われたというふうに書いてございます。 あと、現在の
選挙制度
、特に上院、
参議院
の
選挙制度
についての解釈では、
職能代表制
については先ほど帝国
議会
での
議論
を御
紹介
申し上げましたが、京都大学の大石真先生の教科書などによりますと、
両院
の
組織
法、
組織原理
というものは、
両院制
をとる国では違えてしかるべきだ、
憲法
に
明文
の
規定
があろうとなかろうと、下院は直接
選挙
制と全部入れかえ制、これは必須である、これは世界各国からいっても当然だ。しかし、
憲法
に明確な
規定
がない限り、上院の
組織
法については、直接
選挙
制を
憲法
上の固定的な要求と解さなくてもいいのではないのか。そうすると、現在の
我が国
の
選挙
された
参議院
という
条文
の枠内でも、例えば、
間接選挙制
といった事柄も、
現行憲法下
で、先生おっしゃるように、Aの立場ではなくてBの立場であったとしても、認められる余地は十分にあるのではないのか。そのような
学説
上の
見解
はあるようです。 以上です。
小沢鋭仁
31
○小沢(鋭)
委員
私は、
二院制
の是非と、あと、
議員立法
について各会派の機関決定を発議の必要条件にするかしないか、この二点、関連するものですから、発言をしたいと思います。 まず、この話はこの場でも申し上げたというふうに思っておりますが、現在において、
憲法改正
原案が
国会
に提出をされております。意外とこれは、
一般
の皆さん方、マスコミの皆さん方、気がついていらっしゃらないと思いますので、改めて申し上げるわけでありますが、超党派
衆参
対等統合
一院制
国会
実現
議員
連盟という
議員
連盟がありまして、四月の二十七日に、
提出者
十名、賛同者百二十名、これは
国会法
の発議要件を満たしているわけでありますけれども、こういう形で既に
衆議院
議長のもとに
憲法改正
原案を提出しているわけであります。それを、現時点においては、いわゆる各会派の機関決定の判こがない、こういう話の中で、今たなざらしになっています。宙ぶらりんになっているわけであります。 私は、個人的には、議運の
委員
長初め議運の理事の皆さん方に、この
憲法改正
原案というのは極めて重たいものでありますし、また、超党派の皆さん方が、しっかりと
議論
をして、そして発議要件を満たして出しているわけでありますので、ぜひ
議論
を行ってもらいたい、こういう話をしているわけでございますが、四月二十七日以降、現時点においても全くそれは行われていないというのが現状でございます。 まずこのことを皆さん方に申し上げて、あと、法制局の橘さんに質問をさせていただきたい、こう思っております。
一つ
は、いわゆる各会派の機関決定の必要性というのは、これは
国会
関係
の
法律
、どこを見ても何も法文にはありません。どういう、ある
意味
ではきっかけといいますか、何を根拠にこれが行われているのかということが一点。それから、発議要件を満たしているこういった法案、特に
憲法改正
原案という国の大もとに
関係
するものが既に出ていることが、こういった各会派の判こがない、こういう話だけでたなざらしになっているということ
自体
、法制局としてそういったものをどういうふうに考えるのかといった
見解
をお示しいただきたい、こう思うところでございます。
一院制
の是非については、先ほど来
議論
が出ておりますので詳しくは申し上げませんけれども、端的に二点だけ申し上げると、現在の日本のように同じことを同じようにやっているという話であれば
意味
がないのではないか、さらにはまた、ねじれということであれば、決められない
国会
という話を
国民
からも批判を受けているわけで、それを脱却しなければいけないではないかというのが一点。 それから、
一院制
にすれば、当然のことながら、
議員
の定数は減ります。我々の案は、二百五十名減らす。
衆議院
〇増五減なんという
意見
がありますが、〇増五減などという話ではなくて、二百名以上ばしっと減らす、そのくらいの話をしなければだめだということ、私からはこの二点をその理由として申し上げておきたいと思います。 以上でございます。よろしくお願いします。
大畠章宏
32
○
大畠会長
非常に難しい課題でありますが、お話をされる範囲内で結構ですから、よろしくお願いします。
橘幸信
33
○
橘法制局参事
小沢先生、御質問ありがとうございました。 二問頂戴したかと存じます。
一つ
は、
衆議院
の
先例
であります
機関承認
の
先例
がどのようなきっかけで生成し確立したかということでございます。これについては、まさしく
憲法改正
原案御提出後、
衆議院
の
議院運営委員会
理事会において詳細な御検討がなされた際に私御報告させていただきましたが、ただいま
手元
に
資料
がないので、記憶でだけ御報告させていただきます。 昭和三十年前後に、当時の自由党であったかと思いますけれども、
政党
政治が進展する中で、今後、我が党所属の
議員
から
議案
を提出する際には我が党の
機関承認
がないものは受け取らないでほしいという申し入れがあり、そのような
政党
内の慣行が他の会派にまでどんどん広がっていった、
政党
政治の中で広がっていったというのが、
衆議院
において
機関承認
の
先例
が確立したきっかけであったというふうに言われております。 先生御承知のとおり、
国会法
にも衆
議院規則
にも、あるいは、
手元
に持ってきておりますが、
衆議院
の
先例
集にも
規定
はございません。いわゆる不文の
先例
だということでございます。仄聞するところによりますと、
参議院
にはそのような
先例
はないというふうに承っております。 この根拠は何かということになりますが、二番目の御質問と関連いたしますが、
衆議院法制局
としての
見解
を述べよという御下問でしたが、そのような恐れ多いことは私どもには当然できません。
憲法
五十八条に、両
議院
の、
議院
の自律権、すなわち、
先生方
はおのおのその
会議
その他の手続や内部の規則、規律に関する規則制定権があると。そうすると、
衆議院
の
議事手続
は
衆議院
の
先生方
が自律的に決める。それは、
基本
的には
議院運営委員会
であり、
議院運営委員会
の理事会において決める。そのような事柄が、果たして
憲法
や
国会法
、衆
議院規則
に照らして合法なのかということが次に問題になります。 これも私自身が
衆議院
側の指定代理人となって裁判所に呼ばれたのでいまだに記憶している事件でありますけれども、
平成
五年、宮沢
内閣
が解散された直前に、当時日本社会党所属の上田哲先生が国政問題
国民
投票法案なる法案を日本社会党の
先生方
九十数名と一緒に出した。五十名は超えているので当然に受理してもらえると思っていたわけでありますけれども、日本社会党の
機関承認
が得られていないということでもって受理されなかった、これが最高裁まで上がりました。
国会
内の
議事手続
で最高裁まで上がるという大変珍しい訴訟がございました。最高裁は、そのような
議院
内部の自律的な手続については、それは
衆議院
が決めたとおりであるとして、その
国家
賠償訴訟を棄却したということがございます。 そういう
意味
では、この
機関承認
は、
先例
として合憲、合法であるという司法府の判断は出ております。 ただ、この
機関承認
が適切であるかどうかは、まさしく
先生方
が
議院運営委員会
でお決めになることというふうに存じます。 ちょっと生意気なことまで申し上げましたが、以上です。
緒方林太郎
34
○緒方
委員
民主党、
緒方林太郎
でございます。 この
論点表
を見ながら
一つ
思ったことがありまして、それぞれの
規定
と
政党
文化、
政党
を規律する文化との
関係
がその裏にあるんじゃないかなという気がいたしまして。何のことが言いたいかというと、党議拘束との
関係
が、恐らく幾つかのテーマとの
関係
で出てくるような気がいたしております。
議員立法
についてでありますが、これの自由度をより高めるかどうかという話と、今度、閣法に対するそれぞれの
議員
の投票行動である党議拘束というのを並べて考えるときに、日本というのは、
政党
における党議拘束が非常に強い、閣法に対する党議拘束が非常に強い、そして
議員立法
を出すことの自由度が低いということがございます。逆に、アメリカに行ってみると、党議拘束は物すごく緩い、しかも
議員立法
は出したい放題ということで、これは両極端だと思うんです。 私は、党議拘束が仮に強いということであれば、党議拘束が強いゆえに
議員立法
の自由度が低いということになると、
議員
の活動の自由度というのが著しく極限まで下がってしまう、そういう状況がこの日本の
議会
政治の中にあるのではないかというふうに思います。 そう考えるときに、
議員立法
の自由度を高めるのか、場合によっては党議拘束というものを物すごく緩くするのか、どちらかの選択肢というのを日本の
議会
政治というのは選択するということであっていいのではないかなという気がいたします。 その
一つ
として、
議員立法
については、例えば、本当に二十人そろえば機関決定がなくて出してもいいというのは、
一つ
の選択肢であろうというふうに私は思います。 もう
一つ
、これは実は区分でいうと二なので、余りここで言うのは適当でないと思いますが、実は、
定足数
の話も、この党議拘束との
関係
で考えることができるのかなと思います。 現在においては、当然、
与党
側がというか政権が出してきている
法律
であるから、
定足数
を満たすのは
与党
の
義務
であるということで、
与党
が一生懸命
定足数
を満たす努力をするわけでありますけれども、逆に、党議拘束が物すごく弱くなってくれば、
与党
議員
であっても、必ずしも
定足数
を満たそうという、その心理的なモチベーションがなかなか働かなくなるということもあって、そういうことであれば、逆に、
定足数
を満たすために、
議員
に追加的に
出席
のための
義務
を課すということも考える必要があるのかなと。これも、
政党
文化たる党議拘束との
関係
で見る必要があるだろうというふうに思います。
問責決議
と特例公債法案の話がそれぞれ
両院
の
役割
の中で出てきているわけでありますが、私も、
憲法
の本義に鑑みれば、
予算
における
衆議院
の
優越
、さらには、
政府
というのは、
衆議院
の信任を得た上で政権が成立しているということに鑑みれば、現在、
問責決議
案によって政権が揺さぶられるとか、特例公債法案によって
予算
が執行できないという状況というのは、本来の
憲法
の起草者の想定するところではないというふうに私は思います。 しかしながら、これは、
国会
の、立法の自由の、立法する
権利
との
関係
で、そもそもそういった
法律
をつくることを禁ずるということは、恐らく
憲法
理論上難しいであろうというふうに思います。これも、最終的には、
政党
間の文化というか
政党
間のコンセンサスというもので解消していくことが適当である。 例えば、次の総
選挙
というのは、総
選挙
が終わった後、どこの
政党
が政権を握っているかわからないという状況の中において、
選挙
が始まる前に、
選挙
の前に、どこの
政党
が政権につこうが、こういったことはやらない、
問責決議
を打つことはしないとか、特例公債法案を
予算
と一緒に通すとか、そういった知恵というのを
政党
は示すべきであろうというふうに思います。 そして最後に、
二院制
の
関係
で、先ほどから、ドイツのブンデスラート、そしてフランスの上院等々の例を出しながら、地方の代表であるというようなお話がございました。 私も、
憲法
四十三条におけるところの「全
国民
を代表する
選挙
された
議員
で」というその定義について、
衆議院
と
参議院
で分けて、都道府県の代表であるとか、そういった
役割
を
参議院
に与え、つまり、何を代表しているのかということをしっかりと
衆議院
と
参議院
で分けた上で、それに伴い、場合によっては
権限
も
衆議院
と
参議院
で分けるということも必要だと思いますけれども、
衆議院
と
参議院
両方において二倍とか五倍とか、ああいった
議論
をしていく、一票の格差の
議論
をするということは私は不毛だと思いますし、
役割分担
をすべきであろうというふうに思います。 以上であります。
中谷元
35
○中谷
委員
国会議員
の定数の削減の話がありましたが、これは、
人口
のみならず、やはり地方自治体としての独立性や地方自治、地方分権を考慮して、それに配慮をして国政を考えなくてもいいのかという話であります。 今回の〇増五減にしても、今後削減すればするほど、都市の
議員
はふえて、そして地方の
議員
が少なくなる。例えば、東京都においては、二十三区において都会
議員
や区会
議員
よりも狭い
選挙
区から選抜された
国会議員
が多数
存在
をしておりますが、一方、地方においては、都道府県から一名、二名という少ない人数しか選出されずに、それで国政を
議論
すれば、当然地方の声が薄くなってしまって、国としてのバランス、都市と地方の格差、これがますます広がっていくのではないかという懸念をするわけでございます。 その点におきまして、やはり国政においても行政区画、地勢、交通などを反映して、
国会
で
議論
をして、そして
議員
定数を配分すべきでありますが、今回は、
憲法
において違反であるというような最高裁の判決が出たわけであります。 橘さんに伺いたいことは、行政、立法、これの責任で決定したことを、司法が
憲法
違反である、そして無効であるということを決める
権限
が許されるのかということ。そしてもう一点は、先ほども話になりましたが、
衆議院
は一対二、
参議院
は五対一という目安などというようなことが言われるように、こういった数字で
衆参
区別して容認される。本来でしたら、こういった差が出るということを一体
憲法
のどこで
規定
をしているのか、そんな数字的なことを司法が勝手に判断をしていいのかどうか、この点において橘さんの事務的な御
意見
を伺いたいと思います。
橘幸信
36
○
橘法制局参事
中谷先生、御質問ありがとうございました。 大変難しい問題で、ちょっと
手元
の
資料
では十分にお答えすることはできませんけれども、まず、
衆議院
、
参議院
、
国会議員
の
先生方
の
選挙制度
につきましては、
日本国憲法
、先ほど来言及されております四十三条、あるいは具体的には四十七条でもって、例えば四十七条ですと、「
選挙
区、投票の方法その他両
議院
の
議員
の
選挙
に関する事項は、
法律
でこれを定める。」という形で、幅広い
立法府
、
法律
に対する裁量が認められているところでございます。合理的な
選挙制度
を
先生方
が
国会
で御
議論
されて、そして構築することは
憲法
上認められているわけです。 しかし、同時に、四十四条におきまして、
選挙
権の平等、
選挙
人資格の平等が言われ、もともと十四条で法のもとの平等という
規定
がございます。このような
憲法
上の
規定
にのっとった形で
国会
が裁量を行使しているのかということを司法府が判断する際には、八十一条、最高裁判所は、一切の
法律
が
憲法
に適合するかしないかを決定する
権限
を有する終審裁判所である、このいわゆる違憲立法審査権に基づいて、最高裁判所は、例えば一人別枠方式が合憲である、違憲であるという、
先生方
がお決めになられた
法律
に対する判断をすることができるというのが現在の
憲法
の
システム
になっているわけであります。
二つ目
。では、そのような最高裁の判断が、
衆議院
においては一対二、
参議院
においては一対五とか一対六というような数字まで決めて判断しているのかということでございます。 これは判例評釈、判例解釈の問題になりますけれども、少なくとも多くの評釈を
前提
としますと、最高裁は、違憲、合憲の基準について数値的な基準を述べたことは一度もないというふうに言われるのが通例であると思います。ただ、
衆議院
ですと、これまで一対三以上は、三・何倍のときには違憲判決あるいは違憲状態判決が出たとか、
参議院
では六倍以上のときに違憲状態判決が出たとかいうことから逆算して、最高裁はこれあたりを考えているのではないのかということを
一般
的に言われているだけであって、判決で数字まで述べているわけではないというふうに言われます。 ただ、
唯一
合理的な基準があるとすれば、一対二、これには合理的な基準があるのだというふうに
学説
はいいます。というのは、一・九九九まではまだ二人にならないからいいけれども、一対二になると一人が二人分だ、これは許されないのだ、平等のもとにおいて許されないのだというふうな解釈を、
説明
を
学説
上はされているようです。 以上です。
篠原孝
37
○篠原
委員
民主党の篠原です。 きょうは非常にたくさんの
論点
があると思います。
二院制
とか今の一票の格差とかありますが、私は、党議拘束あるいは採決の問題に限って発言させていただきたいと思います。
国会
の審議を、一員として、
国民
の代表としていろいろ決めていく場合に、今一番問題なことの
一つ
が、
議論
の形骸化というか、なかなか
国民
の声がきちんと反映されていないというところに問題があります。その
一つ
が採決の方法だと思います。そして、緒方
委員
が触れましたように、党議拘束です。 今問題になっている部分もあるので、それを特に申し上げますと、党議拘束などというのは、緒方
委員
も触れましたように、アメリカにはありません。二大
政党
制が確立していくと、A党とB党、X、Yでもいいんですが、政策が大きく違うということはなくなっていくんですね。ですから、アメリカの場合でいいますと、オバマ大統領は民主党政権です。しかし、民主党の大半の
議員
が反対し、共和党の
議員
が賛成して法案が成立することもあるわけです。 ヨーロッパはどうかといいますと、フランスなどは非常に、フランスもアメリカと同じですが、
議員
個人の
意見
というか考え方を尊重する国です。ですから、上院のA党が賛成し、下院のA党が反対するというのはしょっちゅう起こっているんです。ねじれ
国会
なんて当然のことです。 ですが、問題は起きないんです。なぜかというと、個々の
議員
が、賛成か反対か、全てを決定しているんです。そして、アメリカの場合ですと、新聞が皆全てローカル紙ですから、それぞれの州の選出の上院
議員
、下院
議員
がどの法案に賛成し反対したかということをきちんと公表しているわけです。それをもって次の
選挙
で有権者が判断するんです。ですから、党議拘束に違反したから党員資格停止だとか除籍などというのをやっている国は日本だけなんです。 たった
一つ
違うのはイギリスです。イギリスは
議院内閣制
で、日本は
制度
として非常にまねしているわけですけれども、イギリスにはあります。さっき
定足数
の
関係
でありましたけれども、イギリスの場合は、党議拘束は一応あります。ありますけれども、順番を分けて、四種類ぐらいに分けています。分けていますけれども、いずれにしろ、処分というのは、きついのはほとんどないわけですね。これを考えていかないといけないんじゃないかと思います。 皮肉なことなんですが、二大
政党
制が成立してきているこの
段階
において、今、一番か二番かわかりませんけれども、こんなに
政党
が多い状況になってきているわけです。どうしてかというと、重要な法案の採決になると党議拘束をかけるということをするわけです。それで、前の郵政民営化のときに
国民
新党ができました。今回は、ほかにきづなというのも先に、あれはTPPの
関係
なんですが、それから、
国民
の生活が第一というのもできまして、二大
政党
制の確立とともに
政党
がふえているという皮肉になっているんです。 どうしてかというと、この党議拘束というへんちくりんなのがあって、今、
中川
委員
おられますけれども、個人的なことでちょっと恐縮でございますけれども、郵政改革法案に反対されました。今度、
社会保障
と税の一体改革も棄権されています。私は、こういう
議員
が、いっぱいいていいとかいうわけじゃないですけれども、
議員
個人の判断でもって採決をしていくというのは、
議員
の一番要求されていることではないかと思います。そういう点がちょっと日本はずれている、これが一番問題ではないかと思います。この点を直していくことが今一番大切なことではないかと思っております。 あと一分間は、それでは、ほかの問題、いろいろありましていっぱい触れたいんですけれども、今、中谷
委員
の言われましたことに
関係
するんですけれども、このまま
参議院
も
衆議院
も
人口
比にやっていったら、日本じゅうが、都会の人たちの、
人口
の多い地域の人たちの言いなりの国につくりかえられてしまうんです。そんなことがあっていいんでしょうか。都会の人たちだって、それは望まないはずです。ですから、大泉
委員
が言われましたけれども、緒方
委員
も同じですけれども、
参議院
はもっと違うやり方というのを絶対考えていかないと、バランスを失した国になってしまうんじゃないかと思います。 以上で終わります。
柿澤未途
38
○
柿澤
委員
きょうは
二院制
のことが中心になるのかなとも思ったんですが、期せずして、どちらかというと、住所地による一票の格差を認められるのか認められないのかという
議論
がこの間展開をされているように思います。 冒頭の
意見
表明で、私は、住所地による一票の価値の不平等、差別というものは、男女差別や人種差別と同様に認められない、こういうふうに申し上げたところです。裁判所の判例としても、
基本
的に、最大限一票の平等を目指しながら、しかしながら技術的な理由によって完全な一対一が実現できない、こういうことは正当化されても、そもそも平等でなくていいんだという
議論
は、なかなか現状においてはそれでいいという判断はされていないところだというふうに思います。 先ほど来、男女差別、人種差別のアナロジーを提起させていただいていますけれども、例えば、
国会議員
における男女比率は、女性の
議員
が著しく低いわけです。こうした状況に鑑みて、女性の声が十分に国政に反映をされていないとするならば、女性の一票を男性の一票の二倍の価値とみなす、こういうことを仮に
制度
としてやって、これが合憲として認められる余地があるのかどうか。 そして、例えば、これはもうどんな合理的な理由もないけれども、自民党さんの
国会
における投票は二票で、民主党さんの
国会議員
の投票は一票である、こういうことをやった場合に、これがもし合理的な理由がつくとすれば、
憲法
上認められる、こういうことがあり得るのかどうか。 こうしたことについて、ぜひ、橘さんに答えろというのもちょっと、非常に酷なんですが、この際、お答えをいただきたいと思います。
大畠章宏
39
○
大畠会長
それでは、突然でありますが、なかなか難しいところだと思いますが、答えられる範囲で結構でございますので、お願いします。
橘幸信
40
○
橘法制局参事
柿澤
先生、いつも難しい問題、ありがとうございます。 答えは、私ごときが答えられるような問題ではないということでありますけれども、
憲法
十四条の法のもとの平等におきましては、全て
国民
は、法のもとに平等であって、人種、信条、性別、社会的身分または門地により、政治的、経済的、社会的
関係
において差別されない。この場合には、合理的区別はいいけれども、合理的な理由がつかない差別はだめだというふうに言われている事柄はそのとおりでありますし、実質的な法のもとの平等を担保するために、社会的な弱者、例えば女性であるとか
一般
的にマイノリティーと言われる人たちに逆にかさ上げをする、そういうアファーマティブアクション、積極的是正措置は、まさしく女性の二票というのは多分そういうことだと思いますけれども、そのようなことの合理性はあるのかという事柄は、前回、第三章
権利
義務
のところにおいて
先生方
御
議論
になられたとおりであります。 いずれにしても、そのような別異的な取り扱いをするときに、その取り扱いについて合理的な理由があるかどうか。それは、第一義的には、
国会
において
先生方
が
法律
をつくる際に考えられることでありますし、最終的には、
現行
日本国憲法
のもとにおいては、最高裁判所が
憲法
に照らして判断する。もちろん、司法の章の御
議論
になると思いますが、最高裁判所においてそのような判断をさせるのに適切ではないという御
議論
があるとすれば、それは
憲法
裁判所の設置という
議論
になっていくのだと思われます。 以上です。
大畠章宏
41
○
大畠会長
それでは、この項については最後の発言になるようでございますが、保利耕輔
幹事
からお願いいたします。
保利耕輔
42
○保利
委員
自民党の保利耕輔でございます。 きょうは
国会
の問題についていろいろ御
議論
をいただいたわけですが、我が党が
憲法改正
草案をつくりますときに一番大きな問題になったものの
一つ
が、この
一院制
か
二院制
かという問題でありました。それで、党内で激しい
議論
もありましたが、最終的には、
平成
十七年の
憲法
草案が
二院制
を採用しておりますし、それから党の幹部との相談、そしてまた、最終的には総務会の議を経て、
二院制
ということで決めさせていただきました。 この理由はいろいろありますけれども、私が懸念をいたしましたのは、
国会
において強行採決というのがしばしば行われる。余りしばしばでもないかもしれませんが、好ましいことではないと思いますが、やむを得ず強行採決をやるという場合があります。強行採決によって、
国民
が守るべき
法律
が一発の採決で決まってしまうという事態については、私は
国対委員長
をやった経験から、これはできるだけ避けるべきであるというのが私の
見解
でございます。 これは、
一院制
にした場合には、強行採決がもし行われれば、多数党による専制政治が行われる可能性がある。そしてさらに、これが独裁政治につながっていく可能性がある。したがって、そういう
意味
で
参議院
の
存在
意味
というのは大きいなという判断をいたしたところでございます。 党幹部の判断をいただいて、総務会で決定をさせていただいて、
二院制
にしたということがございました。 もっとも、
参議院
のあり方については、
衆議院
で余り
議論
するのもいかがかなと思いますが、
参議院
は、ハウス・オブ・カウンシラーズという言葉が使われておりまして、これは、ハウス・オブ・カウンシラーズというのは、ハウス・オブ・リプレゼンタティブスという
衆議院
の言葉とちょっと
意味
が違うと思います。 そういうようなことを、
二院制
が妥当であると述べたのが、この
憲法
をつくりますときに
最初
にお話しになったのが金森徳次郎
国務大臣
でありまして、
衆議院
に対する抑制的
機能
を
前提
として、知識経験のある慎重熟練の士を求める、こういうことが
参議院
に求められているわけでございます。ここに
参議院
の良識の府ということが言われるわけでありまして、非常に大事な概念だと思いますので、今後、この会合におきましてもよく勉強をしていく必要があるなということを感じております。 以上でございます。
大畠章宏
43
○
大畠会長
それでは、第一区分についての討議はこれで終わらせていただきまして、次に、第二区分に入ります。 第二区分は、
議事手続等
、
政党
あるいは
議員
特権
等々でございますが、この第二区分について発言を希望される
委員
は、ネームプレートをお立ていただきたいと存じます。
緒方林太郎
44
○緒方
委員
国務大臣
の
議院
への
出席
の
権利
義務
ということでございます。 これはもう既にいろいろなところで
議論
をされているところでありますけれども、やはり私は、諸外国の
議会
の
運用
とかを見ていても、これほどまでに
国務大臣
が
議会
に拘束をされる国というのは、恐らく日本だけであろうというふうに思います。どの大臣でも、拘束される
委員会
、
衆参
合わせると、大臣によっては二桁の
委員会
に拘束されるという大臣がいるだろうというふうに思うとき、本当にこれで、
議会
での答弁を行った後、実際の仕事ができるようになるというのは、
議会
が終わった後の夜からだというような
国務大臣
も相当程度おられるでしょうし、ましてや、外国との
関係
で、外国に行くことを職務上求められる大臣に至っては本当に、
議会
との
関係
があるがゆえに外国に出ていけず国益を損なうということもある。もっと言うと、非常に過酷な職務になっているポスト、例えば外相というのは、あれは一年もやると相当に命をすり減らすんじゃないかと思うぐらいの状況にございます。本当に今のこの状況がいいのかと。 そういう状況を解消するために本来設けられたのが、副大臣を天皇陛下の認証官とするというところであったのではないかというふうに思うわけでありまして、これは、実務上であってもいいと思いますし、
憲法改正
で対応すべきものであれば
憲法
を改正してということでありますけれども、この
憲法
六十三条の
規定
を余りに厳格に解するがゆえに日本の国の利益を損なうということがあってはならないのではないかというふうに私は思います。 あともう
一つ
、
議院
の
国政調査権
。 まさにここ、
議院
という言葉が、一人一人のリプレゼンタティブ、カウンシラーではなくて、ハウスで書かれていることというのは、非常に重いものがあると思います。それを受けての
国会法
第百四条の
国政調査権
というのも、まさにハウスとしての
議院
、そして
委員会
での決議がない限り
国政調査権
の
発動
に至らないということでありますが、もう少しこれは緩くてもいいのかなというふうに思います。 個人的な経験を
一つ
言わせていただきますと、私、
議員
になりましたとき、直後に、質問主意書を出そうと思って、質問主意書を出したんですけれども、判こを押してもらえなくて、撤回させられたということがございます。実は、今でも、そのとき抱いた疑問というか質問というのはいまだ、三年たっても、一
議員
として解消されていないわけですけれども、
議院
の
国政調査権
というのは、リプレゼンタティブ、カウンシラーとしての、
議員
の
国政調査権
というふうにあってほしいな、私はそう思います。 以上であります。
川越孝洋
45
○川越
委員
私は、今の
緒方林太郎
委員
のことと全く一緒なんですけれども、これだけ国際社会と言われる中で、国際化と言われる中で、本当に、閣僚が外に出ていくということに対して、
国会
に縛り過ぎる。これは、やはり国益を大事にするのであれば、もう少し外に出ていって発言すべきだろうと思います。 私がこのことを一番
最初
に感じたのは、たしかリオデジャネイロの国連の、何ですかね、開発
会議
だったと思うんですが、時の宮沢総理大臣だったと思います。それで、今回も、リオ20とかオリンピックの開会式とか、行けなかったわけですけれども、やはり私は、日本人は内向きだと言われる、一番そこに集約されているんじゃないかと。 もう少し、閣僚たるものは日本国を代表して世界を飛び回り、国益を大いに発揮してもらう、
国民
の代表として国益を守っていただく、そのことが大切ではないかということを申し上げたいと思います。 以上です。ありがとうございました。
畑浩治
46
○畑
委員
国民
の生活が第一の畑
浩治
です。ありがとうございます。 私は、
政党
のあり方、それに関して党議拘束のあり方をこの場で申し上げたいと思います。
政党
というのは民主主義あるいは
立法府
における一番重要な
役割
を果たしているということは、言うまでもないと思います。であれば、やはりこれは、自律性は重要になりますが、
政党
のあり方をしっかりと
法律
で
規定
する、少なくとも
法律
上で
規定
することが重要だと思います。 というのは、今、どの
政党
もというか、このような政権交代の時代で、
政党
は政権を担うわけです。もちろん、各
政党
はそれを目標にしていると思いますが、そういう中で、党の意思決定のあり方というのは非常に重要になると思います。党の決定が、場合によっては
政府
の、あるいは国の決定につながるわけですので、そこの手続がしっかりしているかどうかというのが問題だと思います。 今回、消費税法案、いろいろ問題があったわけですが、この党内の、旧民主党の手続で、その手続、意思決定が曖昧であったと。一任というのは、一任で決定できるかどうかというのもあったし、一任の
意味
というのも曖昧でしたが、あるいは、紛糾した場合に党内でどうやって決定すべきか、
両院
議員
総会なのか、あるいは政調で
多数決
をとるのか、その辺があったような、ないような、曖昧だったわけです。それがかなり、ひいて言えば、
政党
運営
あるいは国政
運営
に対する不信を招くところもあります。 そういうことを防ぐためにも、最低、党内の意思決定のあり方、そして党内の役員の選定のあり方、さらに言えば、代表なり党首の決定のあり方、この三つぐらい、少なくとも手続的に、こういう理念でやるべきだという
規定
は必要だと思います。それがやはり、民主主義の信頼性、
政党
の負っている
役割
において重要、当然課されるべき責務だと思っております。 そういうことを考えた上で、もう
一つ
、党議拘束について申し上げたいと思います。 我が党は党議拘束はかけておりません。そういうことで出発しております。私の問題意識は、事前に事前審査をがちがちやって党議拘束をやるということは、実は、熟議の
国会
というか、
国会
における実質的審議を阻害するものであると思います。
国会議員
それぞれが
説明
責任を持って、
国会
において
議論
することが重要でありますので、そういう
意味
から、事前審査制とセットになった党議拘束というのはいかぬと思います。 党議拘束がなければいいのか、あるいは、どこかで必要なのかという
議論
は当然あると思います。党議拘束がないのが理想ですが、最低限、いろいろな
議論
を
国会
で、平場でしっかり
議論
した上で、最終の採決直前に党議拘束があるということは許容できると思います。いずれにしても、党議拘束、がちがち事前審査という、
国会審議
に入る前に党内で党議拘束をかけるというのは、私は、これは
国会
の
議論
の自殺行為だと思っております。 そして、諸外国の例、いろいろ話がありました。アメリカとかフランスも党議拘束は弱いということがあって、イギリスは党議拘束は強いんですけれども、実は、日本みたいに強くないことも確かです。つまり、二
段階
、三
段階
で、
議案
の性質によって党議拘束をかける。かける時期も、法案提出前にがちがちかけるばかりではなくて、むしろ後の
段階
で、採決直前にかける場合も多いと思われます。 そういうことから含めて、しっかり民主主義の
議論
が担保されるような党議拘束のあり方、これは
憲法
事項でもないし、また
法律
事項ではないかもしれませんが、各党各会派のそのような共通の慣行が形成されることを私は切に望みます。 以上です。
照屋寛徳
47
○
照屋
委員
先ほど、
制限
時間との
関係
で、
政党
についての
意見
を手短に述べましたけれども、関連して、いつも私が言うように、沖縄においては、敗戦後二十七年間、アメリカの軍事支配下で
憲法
が全く適用されないという状況が強いられておりました。その中にあって、結社の自由の保障は全くありませんでした。労働組合の結成も自由にできませんでしたし、
政党
や
政党
活動に対しても、アメリカ軍から大変な規制や弾圧がございました。 具体的には、後に日本共産党の
衆議院議員
になりました瀬長亀次郎氏は、人民党を代表する政治家でありましたが、人民党事件で弾圧、投獄をされ、そして、那覇市長に当選をしましたが、アメリカ軍の布令、布告でもって追放をされる、こういう事態もありました。 したがって、私は、
憲法
上に
政党
規定
を設けるにせよ、
政党法
を制定するにせよ、
国会
で
政党
に関する
法律
をつくるとなると、どうしても多数派の肯定あるいは許容する内容になってしまう一方、人数や綱領、規約、
運営
方法などについて、少数党に不利な
規定
が行われかねない。旧西ドイツで行われてきたように、現体制に反対する
政党
が、
国家
権力によって禁止され、解散させられ、その財産が没収されたりする
危険性
もあるということを申し上げて、改憲の上
政党
規制をする、あるいは個別法で
政党
規制をすることには、私や社民党は反対であることを重ねて申し上げます。
笠井亮
48
○
笠井
委員
今、
照屋
委員
から大事な点が指摘されたと私は思っておりまして、瀬長さんのことにも言及いただきましたけれども、先ほど来、やはり
憲法
や
法律
という問題と
政党
という問題がごちゃごちゃになっているんじゃないかという感じがします。判こを押すかどうかという話もありましたけれども、それは、それぞれ属する
政党
の中できちっとどうするかという話になってくるんだと思うので、それを
憲法
とのかかわりでやるという話はちょっと、非常に違和感を感じたところであります。 もともと
政党
というのは、言うまでもありませんが、
憲法
二十一条で、結社の自由に基づいて、つまり
国家
から監督や規制を受けずに活動するという自主的な
組織
であって、その活動は全面的に保障されなきゃいけない。その活動をやっていく上で、つまり、どういう活動をするかで
政党
がそれぞれ自主的に内部規律や活動のあり方を決めていくということになると思うので、それを何か、
憲法
や
法律
によりどころを求めて、
政党
がそれぞれやっていく上で
憲法
に何かそういうのがないとできないという話じゃ全然ないなということがあると思うんです。 例えば党議拘束という話もありましたが、我が党の場合を申し上げますと、拘束とかというのがまず先にあるというよりも、我々は本当、それぞれ起こってくる問題に対して、
国民
に対して責任を持った対応をするという点で、党内でも徹底して
議論
を行います。共産党だからみんな同じ
意見
かというと、起こる事象については、さまざま、いろいろな
意見
、賛成、反対やいろいろな側面からの
議論
がある。それを尽くした上で、きちっと、では決めたことについてはみんなでその態度をとろうね、それでないと
国民
に対して責任がとれない、
政党
がばらばらであると
国民
から見られるということで、そこを大事にしながらやっているということであります。 そういうことはそれぞれ
政党
が努力してやることであって、それを内部規律や活動のあり方まで
法律
で決めたり
憲法
で
規定
するということになりますと、やはりそこにはどうしても、そこで言う自由という問題が、
照屋
さんからもありましたが、時の多数党の考えを基準とする、つまり、そこで
法律
や
憲法
で決めるとなればそういうことになっていくということにならざるを得ないので、そこはまた別の次元の話だろうということを思っております。 以上です。
大畠章宏
49
○
大畠会長
他に発言の希望者はおられるでしょうか。 それでは、発言も尽きたようでございますので、これにて各
委員
からの
意見表明等
を含む
自由討議
は終了いたします。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時二十一分散会