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近藤(三)
委員 班目委員長の
答弁は、米軍機が実測した
データを見たのは三月二十四日か二十五日ごろであるというふうにおっしゃいました。
一方で、三月十一日の大震災から十二日後の三月二十三日に、
政府がSPEEDIの解析結果を
公表します。
こちらがSPEEDIの解析結果です。
私は、事故直後の四月十三日、昨年、二〇一一年の四月十三日の
経済産業委員会などでたびたびこのパネルを使って
班目委員長に
質問してきました。このSPEEDIの解析結果は、先ほどお示ししました、この米軍から提供された
データ、こちらの
データと同じように、福島第一
原子力発電所から北西方向に向けて強い放射線量を見せています。これは、SPEEDIと米軍の実際の測定値と同じ方向です。
私は
経済産業委員会で、この
データから、北西方向に高い放射線量が示されているので、住民避難などに対処のしようがあったのではないかと
班目委員長に再三
質問しました。これに対する
班目原子力安全
委員長の昨年四月十三日の
答弁の議事録をそのまま読み上げます。
「モニタリングの結果を、わずか三点しかないんですが、それとそれまでの気象条件を入れて逆に放出源
情報を求めたものでございますので、基本的にはこういうふうな特性があるのかもしれませんけれども、私どもとしては、このようになるに違いないので、このような形で避難をしてくださいと申し上げるのは、やはりちょっと危ないのではないかと思っております。そういう意味では、住民の方の安全を考えて、同心円状に避難を呼びかけたということ自体は間違っていないというふうに
認識してございます。」と
答弁しました。
すなわち、SPEEDIは予測
データでありとおっしゃった、実測値ではないので、SPEEDIが示しているように北西方向に避難してはだめだと言うのは危険なので同心円状に避難を呼びかけたとも
班目委員長は
答弁されたのです。
さらに、昨年五月二十五日、
経済産業委員会で私は再びSPEEDIについて
質問をいたしました。それに対して、
班目委員長は次のように発言されます。
「SPEEDIというものが、これは単位放出源での、ですから単なる気象予測にすぎないんです」、このように
答弁されました。議事録にもしっかりと載っています。
私は、このSPEEDIを単なる気象予測にすぎないんですと原子力安全
委員会の
委員長である
班目さんが言い放ったときに、驚きと、その驚きを通り越して憤りを覚えました。SPEEDIは北西方向が危険であるということを示していたにもかかわらず、そのSPEEDIを避難方向に全く役立てず、さらに、SPEEDIを気象予測のようなもので信頼できないと言い放った
班目委員長です。この米軍が測定した実測
データをきちんと迅速に公開してくれていれば北西方向に避難しなかったと思う被災者の気持ちを考えると、本当にいたたまれない思いです。
原子力発電所事故が自分
自身や
家族にどのような影響を及ぼす可能性があるのか、そのことを知りたいと必死に思っていた被災者
たちからは、当時、SPEEDIを避難に役立ててほしかったという切実な声があるにもかかわらず、
班目委員長はそのSPEEDIを気象予測にすぎない、つまり、確率予測的なもので正確性に乏しいと発言したわけです。緊急事態には、確定した
データでなくても積極的に
データを
公表し、避難などに役立てる姿勢が大切なのに、
班目委員長はその姿勢がなかった、その姿勢が大きな問題を生じさせてしまった、私はそのように実感しました。
この点につきましては、この報告書、
政府事故
調査委員会の報告書は、
班目委員長のこれまでの
答弁とは正反対のことが記されています。緊急時対策支援システムから放出源
情報が得られない場合でも、SPEEDIを避難指示に
活用する余地はあった、このように明確に
政府の事故調には示されています。
そこで、
班目委員長にお聞きします。
こちらのパネルの
データ、米軍が実際に測定した方の
データです。米軍が実測した
データですから、逆算でもありません。解析結果でもありません。実測値です。SPEEDIは実測値ではなく気象予測のものだから、同心円状に避難を呼びかけたと明確に
答弁されました。こちらはSPEEDIです。
質問します。
政府がこの図を米国から受け取ったのは三月十八日、三月二十三日のSPEEDIの
公表の五日も前だったのです。もし
班目委員長が三月十八日の時点で米軍が実測していたこの
データを見ていたら、同心円状に避難を呼びかけたでしょうか。また、福島第一
原子力発電所から北西方向へは避難しないように呼びかけたでしょうか。明確にお答えください。