○三ッ矢
委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、
提出者を代表いたしまして、案文を朗読し、趣旨の説明といたします。
在外公館の
名称及び
位置並びに
在外公館に勤務する
外務公務員の
給与に関する
法律の一部を改正する
法律案に対する附帯決議(案)
我が国に未曾有の被害をもたらした東
日本大震災から既に一年四箇月余りが経過した。この間、国際社会から
我が国に対して多くの
支援が寄せられた。これらの
支援をこれまでの
我が国の
外交活動に対する評価の表れと捉え、
我が国は引き続き積極的な
外交活動を行う必要がある。また、
我が国を取り巻く国際情勢は不確実性を増しており、とりわけ、本年四月十三日に北朝鮮が弾道ミサイルを発射したことで、北東アジアの
安全保障環境は以前よりも緊張の度合いを高めている。さらに、本年は、
ロシア及びフランスで五月に新大統領が就任したほか、中国、米国、
韓国などでも大統領選挙や指導者の交代が予定されており、核軍縮・不拡散問題や
気候変動問題、貧困削減、平和構築といった国際社会が一致結束して取り組むべき地球規模問題の解決を左右する転機の年となる。そのような中、
我が国に求められているものは、
国益を踏まえつつ、国際社会との
協力・連携の下、諸課題に毅然と対応する
外交力である。そのためには、
外務省の
外交体制の強化や危機管理体制の改革が不可欠である。
他方、国内においては、厳しい
財政事情及び東
日本大震災に対処する必要性に鑑み、一層の歳出削減が求められており、在外職員に支給される在勤手当など、
在外公館に係る様々な経費についても、
国民から厳しい視線が注がれている。
外交体制強化等への取組に際しては、こうした国内事情を重く受け止め、
国民の声に真摯に応えていく必要がある。
これらを踏まえ、
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について
検討の上、適切な措置を講ずるべきである。
一
我が国の
外交力強化の観点から、
外交の
最前線基地である
在外公館の重要性に鑑み、
我が国の
国益、
相手国との相互主義等を踏まえつつ、戦略的に
大使館の
実館化を進めること。特に、国連
南スーダン共和国ミッションが展開され、
我が国も
自衛隊を派遣している
南スーダンについては、国造りを継続的に
支援し、緊密な二国間
関係を構築するため、一刻も早く
実館を設置すること。なお、
実館開設までは、在スーダン
大使館が在
南スーダン大使館を兼轄するが、
南スーダンにおける
外交活動に遺漏なきよう万全を期すること。
一
在外公館においては、大規模
自然災害、治安情勢の悪化、犯罪・テロ等の緊急
事態の際、在外邦人に対して迅速かつきめ細やかな
支援を行えるよう、情報の日常的な提供・共有体制等も含めて危機管理体制の機能拡充に努めること。
一
我が国の厳しい
財政事情を厳粛に受け止め、
在外公館に関わる予算の効率性・透明性を高めるとともに、その執行に当たっては、適切な支出が図られるよう具体的な措置を講ずること。
一 在勤手当については、各任地の事情を勘案するとともに、民間企業や諸外国
外交官の
給与・手当の水準、為替・物価の変動など客観的な基準を踏まえ、必要に応じて全般にわたる見直しを行うこと。見直しに際しては、国内の
財政事情及び
外交活動を推進する上での必要性の双方を考慮し、適切な額を算出すること。
一 国際社会のグローバル化による
海外渡航者や在外邦人の増加に伴って領
事業務の重要性が高まっていることに鑑み、邦人の活動
環境を向上させるため、
国民の視点に立った領事サービスの不断の向上に努めること。
一
外務省においては、より一層の情報公開と
外交機能強化のための組織・制度の改革に全力で取り組み、その成果を
国民に対して分かりやすく説明すること。
一
在外公館における監査・査察体制の一層の強化を図ること。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ
委員各位の御賛同をよろしく
お願い申し上げます。