○三ッ矢
委員 いずれにしましても、私は、我が国も戦後六十数年間を経て、アメリカあるいは
中国、ロシア、アジア全体もそうでしょうし、
世界的にもそうかもしれませんが、いろいろパワーバランスが変化してきている中で、
日本もそろそろ自前の
安全保障を真剣に
考えるべき時期に来ているんだと思うんですね。
これは、別に政権がどうのこうの
関係なく我々は
考えていかないといけない話であって、短期的に自衛隊の配備の問題とかいろいろおっしゃいましたけれども、例えば南西諸島とか、もう少し自衛隊のプレゼンスを高めるようなこともやっていく必要があるでしょうし、アメリカとの共同のいろいろな訓練、まあ、作戦までできるかどうか私もわかりませんが、できる範囲でやっていく、あるいはそれを検討していく時期に来ているんじゃないかと思います。軍事面の話はこの程度にします。
質問の通告とちょっと順番を変えまして、TPPの話が出ましたので、TPPのことを
伺いたいと思います。
最近、ちょっと影が薄くなっているんですね、TPP。野田総理も多分、TPPどころじゃなくて、税と
社会保障一本やりなんだと思うんですけれども。いつも
外務省の方から、現在の進捗
状況といいますか、事前交渉といいますかのことを聞いても、なかなかはっきりした答えが返ってこない、情報も出てこない。我々も何か実態がよくわからないんですが、今どうなっているのか聞こうと思ったんですけれども、大体わかっていますので結構です。
ただ、
大臣は、アメリカとの
関係は軍事面だけじゃなくて
経済面、特にTPPに言及されましたので、そういう重層的な
関係を築いていく、私もそれは必要だと思いますが、TPPそのものに私は余り賛成じゃないんです。
このコンテクストの中でいいますと、実は、自動車に関してアメリカがどうも余り前向きじゃないといいますか、要するに、基準・認証の問題だとか、あるいは販売系列の問題だとか。実を言いますと、私は二十年前にワシントンにいまして、ちょうど二十年前、自動車も燃え盛っていたころなんですね、協議が。全く同じことを言っていたんですよ。これをまた蒸し返して言ってきたのは一体何なんだろうかと。
恐らくビッグスリーも、今さら
日本でまたアメリカ車がどんどん売れるようになるとは思っていないと思いますよ、正直言いまして。あれだけのことをやったんですよ、二十年前に。例えば、基準・認証の問題にしましても、何をやったかといいますと、デトロイトに総領事館をつくって、あそこに自動車
関係の技術屋さんを送り込んで、一台一台の検査じゃなくて型式承認といいまして、それを、アメリカの会社に行って型式承認を上げようということまでやったんです。系列の問題もいろいろあって、メーカーも販売店もいろいろ苦労して精いっぱいのことをやったんですね。だけれども、結局売れなかった。
うがった見方をすれば、アメリカの自動車業界が、
日本は今、輸入車について関税ゼロですね。ところが、アメリカは、乗用車については二・五%、ピックアップトラック等については二五%かかっていますから、TPPに
日本が入ってくるとこれがゼロになっちゃうから、ますます
日本車に有利になっちゃうんじゃないかというので、業界、組合もそうかもしれませんが、挙げて、このTPPについては、正面から反対とは言わないまでも、事実上
日本が参入できないように逆に邪魔しているんじゃないか。大統領選挙を十一月に控えて、オバマさんも業界の言うことを聞かざるを得ないでしょうから、私は、
日本側が今まで
考えていたように、簡単にTPPの参加表明ができるとは思っていないんです。
まさか、今度のG20の場で、総理は正式な交渉参加を表明されることはないと思いますけれども、全体、TPPの今までの交渉の
状況も含めて、
大臣の御所見を
伺いたいと思います。