○阿部
委員 そうした数値であることは理解しているんですけれ
ども、その数値には実績が組み込まれていないということを
指摘させていただくために冒頭の一枚を載せました。
二〇一〇年までの年次年次の省エネがそのように続くと考えると、二〇三〇年で、さっきの一・一から一・〇兆キロワットアワーになるというだけであります。三・一一が出来事として起きて、その後、実績としてかなり
国民の中に省エネが根づいてきている。それを組み入れて
国民に投げ返さないと、私は本当の論議にはならないと
思います。
あけて二枚目、めくっていただきますと、今回の
エネルギー選択肢の中でも際立った特徴は、実は、温暖化
対策についてと、それから省エネについてということで、かなりここに、温暖化
対策は費用負担が生じます。省エネをどう進めるかということをあわせ行うことによって、実は家計の
エネルギー消費が減りますから、家計の側から見て、省エネをやることがポジティブな
意味を持つということの読み込みがすごく少ない提示だと私は
思います。
例えば、二〇三〇年で
原発ゼロにするには温暖化
対策に大変なお金がかかるんだと、これは簡単に言いますが、書きぶりが目立つわけです。しかし、家計にとって、あわせて省エネ政策を進めれば、実は家計にもゆとりができるんだと提示した場合は、
国民の選択もまた違ってまいります。
ここに、家庭での省エネの三つの例ですが、
一つは次世代型省エネ住宅、
一つは次世代型自動車、そして、家電、自動車等のトップランナー制度。トップランナー制度というのは、一番
性能のいいものを次の年度には平均値に持ってくる、イノベーションをしていくということであります。
この三つを兼ね備えると、次のページ、めくっていただきますと、ゼロシナリオの場合でも、下に温暖化
対策にかかるコスト、そして上は省エネを進めたことによる家庭の電力消費の減を見込んだ家庭へのプラス効果というものがあって、電力の使用料、代金も
政府の見通しとは大幅に違ってまいります。
私は、こういういろいろな試算がある中で、
国民に今与えられた提示は、ゼロシナリオが一番電力料金が高くなる。それは再エネを導入するときにかかるコストでありますが、その結果、もう一回開いていただいて、
資料四ですね。
例えば、二〇三〇年
段階で、今使っている
エネルギーコスト、使用量の四分の一、二五%までに削減できるとすると、家計の電力の代金は大幅に下がってまいります。この差は何かというと、ここに見ていただくように、さっきの自動車、住宅、家電製品を積極的に省エネしていった結果、家計負担が減ってくる。もちろん、さっき
大臣がおっしゃったように、ここには投資が必要です。
このような選択肢もあるという形で、これから温暖化
対策やあわせて省エネ
対策をやることが、何も負担ばかりではなく、家庭から見てプラスなんだということも、私は試算の
一つとして考えてみるべきだと
思います。今回の
エネルギー選択肢の一番の問題は、具体性がないということだと
思います。二〇三〇年の時代、どんな生活をしているのかということであります。
時間の
関係でもう
一つあわせて伺いますが、私は、具体性がないという
意味で、二〇三〇年一五%シナリオは、
一体、
原発の新規増設はどうなっておるのかということも
国民には伝えられていないと
思います。
これは、最後は経産省からいただいたものですが、二〇三〇年
段階で稼働率を七〇%と見越せば、実は新増設が二基ないとできません。稼働率八〇%とみなすから、新規増設が要らない。
国民が知りたいのは、どの
原発が動いているか、どれを増設するか、どんな生活が来るかです。
古川大臣にここで最後にまとめてお願いがありますが、一段落、
国民的議論が一めぐりしたところで、より具体的に
国民が選べる形に
エネルギーの選択肢をバージョンアップ、今私が提案しましたようなことも勘案して提案していただきたいが、いかがでしょう。