○中西健治君 マクロの方の
質問に移りたいと思います。
資料をやはり御用意させていただきました。
欧州経済金融危機といいますと、どうしても欧州大陸に目が行くわけですけれども、そして
財政再建をしなければならないという論旨で強調されがちですけれども、
海外の事例を参考にするのであれば、キャメロン政権下、緊縮
財政に先行して乗り出したイギリスの
現状をしっかりと認識しておくべきなんではないかというふうに思っています。
財政再建を目指した緊縮
財政ですけれども、生産性の低下、成長の鈍化によって、
財政バランスの
回復には当初より大きく時間が掛かる見込みとなっています。公的部門の純借入れは二〇一五年から一六年期で、今年の三月時点の予想では二百九十億ポンドとなっていたのが、直近、十一月の予想では倍近く、五百三十億ポンドの予想に上方修正されています。また、そのため
政府支出の凍結を、二〇一五年から一六年期までの予定から、二〇一六年から一七年まで延長するということになりました。
このイギリスの例は、緊縮
財政によって
財政健全化を目指しても、外的要因やまた
財政の緊縮性そのものによって成長が妨げられてしまうと、更なる緊縮を進めるしかなくなるという危険性を示しているとも考えられます。負のスパイラルと言わないまでも、縮小が更なる縮小を呼んでしまっているということなんではないかと思います。
用意しました資料では、イギリスの戦後公的債務の対
GDP比、戦後すぐは二〇〇%を超えていたものが着実に減少されていった様子がグラフを通して見て取れるわけですが、その際、注意していただきたいのが、高インフレによって実質債務削減が助けられたのはほんの二年か三年でして、あとの時期、大
部分は、高い名目成長率と実質成長率を保つことによって、結局、
税収増加で債務を減らしていったということになります。
我々はこれまで無駄を省くことを訴えていますが、歳出削減を求めているわけではありません。無駄な歳出を減らせば、それも財源でありますから、減税しながらでも、それ以上に無駄を省けば他の場所で歳出が拡大ができるということになってまいります。
成長がいかに大事かということについて
財務大臣の
見解をお聞きしたいんですが、来
年度予算編成において重点的に拡大する場所、縮小する場所について、現在のお考えを伺いたいと思います。特に成長という観点でどのようにお考えになっているのか、お聞きしたいと思います。