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2011-10-27 第179回国会 参議院 環境委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十三年十月二十七日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         松村 祥史君     理 事                 小見山幸治君                 広田  一君                 川口 順子君                北川イッセイ君     委 員                 小西 洋之君                 輿石  東君             ツルネン マルテイ君                 徳永 久志君                 羽田雄一郎君                 平山  誠君                 舟山 康江君                 小坂 憲次君                 鈴木 政二君                 谷川 秀善君                 中川 雅治君                 加藤 修一君                 水野 賢一君                 市田 忠義君                 亀井亜紀子君    国務大臣        環境大臣     細野 豪志君    副大臣        農林水産大臣  筒井 信隆君        経済産業大臣  松下 忠洋君        環境大臣    横光 克彦君    大臣政務官        国土交通大臣政        務官       津島 恭一君        環境大臣政務官  高山 智司君    事務局側        常任委員会専門        員        山下 孝久君    政府参考人        内閣官房原子力        安全規制組織等        改革準備室長   森本 英香君        文部科学大臣官        房政策評価審議        官        田中  敏君        林野庁次長    沼田 正俊君        経済産業大臣官        房技術総括審議        官        西本 淳哉君        経済産業大臣官        房審議官     川上 景一君        資源エネルギー        庁省エネルギー        ・新エネルギー        部長       新原 浩朗君        国土交通省水管        理・国土保全局        次長       日原 洋文君        環境大臣官房長  谷津龍太郎君        環境大臣官房審        議官       小林 正明君        環境大臣官房廃        棄物・リサイク        ル対策部長    伊藤 哲夫君        環境省総合環境        政策局長     白石 順一君        環境省地球環境        局長       鈴木 正規君        環境省水大気        環境局長     鷺坂 長美君        環境省自然環境        局長       渡邉 綱男君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○環境及び公害問題に関する調査  (原子力発電所事故由来放射性物質除染及  び汚染廃棄物対策に関する件)  (温室効果ガス二十五パーセント削減目標に関  する件)  (TPP議論生物多様性条約等との整合性に  関する件)  (地球温暖化対策のための税に関する件)  (災害廃棄物処理業務委託契約の在り方に関  する件)  (地球温暖化科学的事実に関する件)  (放射性物質汚染された廃棄物土壌等の中  間貯蔵施設設置に関する件)     ─────────────
  2. 松村祥史

    委員長松村祥史君) ただいまから環境委員会を開会いたします。  政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  環境及び公害問題に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房原子力安全規制組織等改革準備室長森本英香君外十三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 松村祥史

    委員長松村祥史君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 松村祥史

    委員長松村祥史君) 環境及び公害問題に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  5. 北川イッセイ

    北川イッセイ君 前国会から我々が是非とも大臣に対する所信に対して質疑をしたいと、こういうことで思っておりましたが、なかなか実現しませんでした。ようやく今日こうして細野大臣に対して質問をする機会をつくっていただいたと、こういうことでございまして、私が一番最初のトップバッターということで、先般の大臣所信の御挨拶を中心に質疑を進めていきたいと、そういうふうに思います。  まず、環境大臣といいますと、今まで非常に兼務が多かったんですね、兼任が多かったんです。前の江田大臣については、法務大臣環境大臣兼務されていました。それから、松本龍大臣環境大臣防災担当大臣兼務されておったと。細野環境大臣は現在、内閣府の原子力行政担当大臣、それから内閣官房原子力事故収束担当特命大臣ということで兼務しておられます。  今までこの委員会川口委員の方からも、ちょっと兼務というのは、これは環境大臣として本当に専念してその仕事ができるのか、もっと環境仕事というものをしっかり重きに置いて、もう兼務はできるだけやめてほしいと、こういうことでお話も随分あったわけであります。要は、分かりやすく言うと、内閣の方では環境大臣あるいは環境省というものを軽く見とるんちゃうか、なめとるんちゃうかと、こういうことやろと、分かりやすく言うとそういうことだろうというふうに思うんですね。  来年度、原子力安全庁環境省設置されると、こういうことが決定しております。それで細野大臣の場合も兼務がある程度解消されるというように思うんですけれども、細野大臣の場合に、ほかの省との兼務をするというようなことについてどういうように考えておられるのか。我々は、もっと本当にこの環境省仕事に熱中してほしい、専念してほしい、そういう思い川口委員も何度も質問されておるわけですけれども、そこらの細野大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
  6. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 環境省役割というのは非常に広い範囲の、しかも重要なものがございます。温暖化の問題ももちろんございますし、生物多様性の問題もございます。また、様々な環境汚染にしっかりと対応していくという、これが元々環境省環境庁から環境省になった様々な経緯の原点でもありますので、これも非常に重要な役割だというふうに認識をしております。  そういった意味で、今、自分役割を見詰め直したときに、今の日本の置かれている非常に特殊な厳しい状況があるんではないかと思っております。つまり、放射性物質拡散汚染という非常に深刻な問題が出てきている、これは究極の環境汚染ともいうべき問題であります。ですから、この問題に対応するという今の厳しい状況を踏まえて、原発に関する様々な対応環境大臣としての対応というのがある種の重複性というか、重なり合う部分があってこういう役割を担っているものというふうに承知をしております。  環境省に新しく原子力安全庁設置をされた後のことについては、もちろんそれが更に一体になるわけですので、しっかりと対応するという体制になろうかというふうには思いますが、人事がどうなるかということについてはちょっと私、コメントする立場にはございませんので、今はこの最大の環境汚染にしっかりと対応していく、そして環境省が持っておった元々の重要な役割についても怠りなく取り組んでいく、そういう姿勢で臨んでまいりたいと考えております。
  7. 北川イッセイ

    北川イッセイ君 大臣の今のお話を聞きますと、環境省仕事で一生懸命熱中してやっていきたいということで、ただ、人事のことは自分には分からないと、こういうことでありますが、重ねてお願いをしておきたいのは、本当にもう兼務というようなことはできるだけやめていただいて、もしほかの省の大臣というような、兼務しろというようなことがあったら、細野大臣是非とも断っていただきたい。内閣総理大臣以外は皆断る、こういうことでひとつよろしくお願いしたいと、こういうふうに思います。  この原子力安全庁あるいは原発事故等については後ほど中川委員の方からまたいろいろ詳しく御質問があるというように思いますが、私からはちょっと気付いたことについて質問をしたいというように思います。  今、放射能の問題で除染ということがやかましく言われています。テレビなんかで見ましても、屋根に水をざあっと掛けて洗い落としたり、葉っぱに水掛けて洗い落としたりやっています。学校の運動場の土をそいで、そしてその除染をすると、こういうような場面もよく見ているわけですね。しかし、ちょっと私から見ておりまして、水で流すと、その落ちた水、どうなるんやと。土剥がすと、その取ってきた土、どうなるんやと。これは率直に国民皆さんが疑問に思っていることやろうというふうに思うんですね。まあ言えば、非常に方法としては幼稚過ぎるんじゃないかと。  そのほか、今までにチェルノブイリとかあるいはスリーマイル島でも事故があったわけです。これもいろいろ聞きますと、やっぱり同じような方法除染をしておるというようなことも聞きます。しかし、日本の場合にはまさしく技術立国であり、非常にそういう科学の進んだ国であるということで私も自負をしておるんですけれども、もっといい方法がないんかなと思うんですよね。  ですから、一般の民間人たち民間企業人たち、あるいは研究しておられる方々、もっといいものを持っておられるかも分からない。だから、そういうところをもっと幅広くそういうものを公募する、募集する、そういうようなことをされて、そしてそれが立ち上がれば、まさしく世界一の除染技能国になるわけですから、そういうことを考えられたらどうなのかなと思うんですが、細野大臣の御見解をお伺いします。
  8. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 北川先生指摘のとおり、様々な技術を積極的に取り入れていくということは極めて大切であると思っております。実は私のところにも、以前からなんですけれども、ほぼ連日様々な技術提案が寄せられておりまして、その中には、それこそ科学者としても大変実績のある方からの提案であるとか、これまである程度、例えば海外実績があるという、そういう御提案であるとか、そういったものも含まれております。  そして何より、中小企業皆さんからもいろんな御提案をいただいているんですけれども、そうした皆さん思いというのは、どちらかというと、そこで一もうけしようというよりは、日本のこの国難ともいうべき状況を乗り越えるのに何とかこの技術を生かしてもらいたい、そういう情熱をひしひしと感じるわけですね。ですから、それをしっかりと受け止めて実用化をしていくというのは極めて大事なことであると認識をしております。  当初から政府もいろんなやり方を検討しておりまして、例えば生物学的な方法と称していろんな植物をまいて、そしてそれを刈り取ることでどれぐらいセシウムを吸着できるかというような方法、さらには、科学的な方法でいろんな物質を使って除去できないかと、こういったことについてもチャレンジをしてまいりました。ただ、我々がやってきたこれまでの研究ということでいうならば、やはり物理的な方法が一番放射線量を短期間で下げることができる、そういう今は判断をしてその物理的な方法でやっておるわけであります。  ただ、物理的に大量に集まった土をそのままそれこそ放置をすることはできませんし、やがてどこかで何らかのそれこそ減容をするなりセシウムを取り除くなり、ほかの核種についてもしっかりと取り除くなりしてまた環境にお戻しをするということもやらなければならないわけですね。ですから、まずは物理的な方法でやりますが、その後の処理も含めて、様々な実証実験をやっていきたいというふうに思っております。  先般、予備費除染技術実証試験事業というのが、これは二次補正予備費でございますけれども、予算付けをされまして、技術についての公募をいたしました。恐らく千件を超えるいろんな御提案をいただいていると思うのですが、その中で具体的に手を挙げていただいたのが三百件ということでございます。その中で、余り細切れの予算にしても仕方がないものですから、一件二千万円ぐらいの規模ということですので、掛け算をしますと三億円の予算ですので、大体十五件ぐらいということになるんですが、まずはこの三百件の中から十五件ぐらいを選び出しまして、これはどういう効果があるのかというのをしっかりとやってみたいと思っております。  そして、二次補正のこの三億というのは、予算は極めて限定されておりますので、三次補正予算も含めて継続的に常に提案を受け止めて、これはいけそうだというものについては実証試験にしていく、そしてその中で実際に技術的に確立ができそうだというものに関してはそれこそ除染に生かしていくという、そういうしっかりとプロセスを踏んでいきたいというふうに思っております。
  9. 北川イッセイ

    北川イッセイ君 この放射能事故除染に関しては、日本はもう世界最高技術を持っておるという、そういうようなことをこの際ひとつ樹立していただきますように、そういう意気込みでやっていただきますようによろしくお願いします。  それと、もう一つ心配なのは、あの原発事故で、海洋汚染大気汚染などで言わば近隣諸国に対して非常に心配掛けているわけです。これに対して、技術的な問題は別にして、やはり近隣に対して、何というか、いろいろな説明をしたりあるいはおわびをしたりということも必要やと思うんですよね。自分の家が火事になって隣の家燃えたと。近所に非常に迷惑掛けた。必ず隣の家へ行き、近所皆さんに、迷惑掛けました、これからこういう対応をしますということをやっているわけですよね。  これは環境省だけの問題じゃなしに、外務省の問題かも分かりません。しかし細野大臣は、そういうような諸外国に対してどう対応をしたらいいのかというようなことについて、御見解あれば言っていただきたいと思います。
  10. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 海洋汚染の問題、特に放射性物質海洋への拡散の問題というのは、非常に諸外国に御心配をお掛けをして、国民からも非常に厳しい声をいただいてまいりましたので、その重要性については十分認識をしております。  四月の頭の段階で十分に、毎日のように海外在外公館皆さんには御説明をしておったので、我々としてはその場所説明をしていたつもりではあったんですけれども、個別にしっかりと、特に近隣諸国に対して海洋放出をしたときに伝達をできなかったというのは、非常にこれは反省をしなければならないと思っております。  その後、当時私は補佐官でございましたので、それぞれの大使館を回って、特に近隣諸国については実情を御報告をし、それをしっかりと止めて、そして止水をして、もうそういうことがないように努力をしているのだということも含めて、四月はかなり在外公館を回りまして説明をさせていただきました。そしてその後、この海洋の問題に限定せずに、重要な判断をする場合にはできる限り事前に正確な情報を諸外国お伝えをする、国民皆さんはもちろんですが、それと同等にやはりきちっと諸外国皆さんにもできれば事前お伝えをするということで、コミュニケーションに努めてきたところでございます。  御質問のちょっと趣旨とずれますが、あえてこの場所ですので申し上げますと、いよいよ明日、遮水壁については着工いたします。当面の止水はしてまいりましたけれども、根本的にはやはりあそこを囲まないと、じわじわと地下水を通じて出るという危険性を全く排除するということができませんでしたので、とにかく前倒しをしてやろうということで、かなり無理はいたしましたが、何とか明日着工ということになります。  ですから、二度とこの水の問題で海外皆さんに御迷惑をお掛けをしないように、そこは責任を持って政府として取り組んでまいりたいと思っております。
  11. 北川イッセイ

    北川イッセイ君 誠意を持って誠実に近隣諸国対応するということによって、今まで以上に近隣諸国との信頼感ができていくという場合もあるわけですから、是非ともそういう姿勢で臨んでいただきたい、そういうように思います。  次に、地球温暖化の問題についてでありますが、菅前総理が、今後のエネルギー政策について原発依存からの脱却ということを言われました。このスタンスについて、細野大臣もそういうスタンスを継続していかれるのかどうかということについて御答弁いただけますか。
  12. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 菅前総理が打ち出しました考え方というのは、私は基本的には野田政権においても引き継がれているというふうに考えております。つまり、原子力発電の割合を下げていくと。そして、その穴を埋めるというとちょっと言い方が適切でないかもしれませんけれども、そこで依存できない部分については再生可能エネルギーをしっかりと国として全面的に育てていく、しっかりとこれを大きくしていくという、こういう考え方野田政権においても私は変わっていないというふうに思っております。  私も事故に直面をして、この事態の深刻さというのを本当に一番近いところで見てきた人間の一人でございますので、そういった方向努力をしていきたいと考えております。
  13. 北川イッセイ

    北川イッセイ君 原発事故があって、原発エネルギー自然エネルギーにできるだけ切り替えていくと、こういうことだと思うんですね。  それから、所信にも書かれておりますけれども、地球温暖化のための税ということが書かれています。これは、税のそういういろんな内容については結構ですが、要するに環境税なんですか。
  14. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 環境税というのはかなり幅広い概念で使われておりますので、温暖化対策税と呼んでおることが環境省としては多うございます。これを是非、できるだけ早く国会の方で法案として通していただきたい。そのことによって、いわゆるエネルギーをみんなで大事に使っていくという、そういう考え方が浸透し、経済的にもそういう原理が働きますし、また、そこで上がってきた税収というものをまた新たな環境の分野にしっかりと充当していくということも可能になりますので、二重の面で効果があるものだというふうに思っております。
  15. 北川イッセイ

    北川イッセイ君 この所信の御挨拶には、環境経済、社会が相互に高め合う仕組みを構築するというように書かれています。要するに私は、環境政策といっても産業両立しない環境政策なんてあり得ないと思うんですよね。これはもう必ず両立させていかなければいけない、そういうように思います。  そんな中で、今現在、日本物づくり中小企業、本当に大変なんですよ。もう瀕死の重症というようなことになっています。産業空洞化がどんどん起こって、雇用問題が非常に深刻になっています。特に若年の失業者、これがすごい増えて、海外でもそうですけれども、日本の場合も非常に心配されるわけですね。  そんな中で、自然エネルギーへの転換、非常に結構なことです。しかし、確実に電気代上がるんですよ。産業用電気を比較しますと、韓国の場合と比較したら、今現在でも韓国の二・七倍の電気代という形に日本の場合はなっているわけですよね。私は、余りにそこの一面だけとらまえて、余り安易に環境税とかそういうようなことを言ってほしくないなというような実は思いがしています。  今度、消費税の問題も最近また、今日もニュースで出ておりましたですね。これを一〇%に引き上げるのを国際公約にというような形になって、私は、民主党さんのやり方というのは、あの二五%もそうですよね、ばんと発表して、それが国際公約になってしまった。温室効果ガス削減ですね。今度もこれ消費税の問題も、一〇%といってぽんと出して、これが国際公約になってしまうというような、果たしてそういうやり方でいいのかなと。国の中の、あるいはおたくの党内のそういうコンセンサスというのは本当にできておるのか。その上で国際公約というものがあるべきじゃないのかというような、そんな思いもしておるわけであります。  産業の面を考えますと、日本という国は、あの石油ショックで非常にガソリンが高くなった、なくなったというような事態の中で、電気自動車ですとかあるいはまたハイブリッド車とか、そういうものが開発されて技術革新が起こっていったという、言わばピンチをチャンスに変えていったというような実績もあるわけですね。  自然エネルギーについても、日本が先行して太陽光パネル、風車、そういうようなものも本当に先行しておったわけですよ。ところが、原子力エネルギーに切り替わっていったためにそういう技術が非常に途中で中断になってしまって、結果的にドイツに追い抜かれたと、そういうような形になってしまっておるというように思うんですね。  そういう中で、この環境産業というものの融合というのは非常に難しいと思うんですけれども、その点について、非常に大きな話ですけれども、細野大臣、どう考えておられるのか、ちょっと所見を聞かせていただけますか。
  16. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 環境というものが経済としっかりと両立をし得るものにならなければならないというふうに私も先生指摘のとおり考えております。  まず、再生可能エネルギーなんですけれども、これは、地域経済ということを考えても、私は、やはり基本的にはプラスの方向に持っていかなければならないと考えております。これまでの大規模な電源で大規模発電をし、そしてそれを産業で使うという、こういう考え方から、できる限り地産地消で小規模なものをしっかりと集めて、そして、それこそ不安定さを克服をすると、こういう考え方に立てば、私は、地域で例えば様々な再生可能エネルギーチャレンジをすることによって経済が動き出し、雇用が動き出す面が私はあるんだろうと思っております。  その一方で、そうした転換をする中で、電気のコストがより上がってきて中小企業皆さんにより御負担を掛ける、さらには、一時的に電気の供給というのが不安定になって節電を極端な形で強いるということになると、これはマイナスになりますので、これをいかに小さくしていくのかということについては最大限のやはり努力と、そして政策的な意味でいうならば配慮が求められるというふうに考えております。  最近は、企業皆さんとも話をしておりましても、先日、経団連にも伺いましたけれども、やはり生物多様性も含めて、単に目の前の経済ということではなくて、その経済成長というのをどう持続させていくのかということについて企業皆さんも非常に理解が広がってきたというふうに思っております。ですから、環境政策もそういう面で産業との両立というのをいかに図っていくのかということについて努力をしなければなりませんし、また、産業界中小企業皆さんも含めて、そういう持続可能性をどう担保していくのかということについて今いろんな動きをしていただいていますので、もう相当部分は重なり合ってきておりますので、その両立にしっかり私どもは取り組んでいかなければならないと考えております。
  17. 北川イッセイ

    北川イッセイ君 環境産業両立融合というのは非常に大きな課題であり、大変難しいと思うんですよ。これからこの環境委員会でもこの問題について今後しっかり議論していきたい、そういうように思っております。  菅前総理が二〇二〇年の早い時期までに自然エネルギーを二〇%増やすと、こういう表明をされましたですね、二〇%にするということでね。これが大変な言わば大きな数字なんですね、我々から見ると。  この大臣挨拶所信を見ましたら、どうもそこまでの意気込みが本当のところ感じられないと、こういうような思いがしています。この二〇%に増やすというのは、これはどうなんですか、継続されるんですか。
  18. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 先生のお言葉ですが、私は再生可能エネルギー自然エネルギーに関してはかなりの意気込みを持っておりまして、しっかりとやっていきたいというふうに思っております。  元々のこの自然エネルギーに関してのルールは、これはいわゆるRPS法と言われてまいりましたけれども、量で規定をしてまいりましたが、その量の目標自体も極めて限定的でございまして、むしろ自然エネルギーを私は制約する部分すらあったのではないかと思っております。今回、国会の中で御議論をいただいて、固定価格という形で導入することができるようになった、これは大きな前進だと思っています。  あとは価格ですね。原子力も当初そうであったように、新しくそういう電源を設ければ当然初めはコストは掛かるわけです。後は規模を拡大をし、技術革新をし、コストを下げていく、これに尽きるわけですから。まずはしっかりと、まあげたを履かせるという表現が適切かどうか分かりませんが、掛かるコストについてはまずは育てるという面で高めの設定をして、それぞれの電気の価格について、価格の設定をして育てていくというこの価格が重要でございまして、環境大臣もその価格設定には関与する形になっておりますので、しっかりとそれが広がっていくような価格に設定できるように努力をしたい、そして、できる限りこの再生可能エネルギーの割合を早い段階で上げていくということに力を尽くしてまいりたいと考えております。
  19. 北川イッセイ

    北川イッセイ君 大臣は大変意気込みを持っておられると自分でおっしゃっておられます。やっぱり閣内が挙げて閣内一致して、こういう大きな問題ですから、自然エネルギーについてはこうしようという、そういうものがなかったらいかぬと思うんですね。  例えば、風力の問題を見ましたら、環境省では二〇〇九年と比較して最大六十倍まで増やしていけると、こういう可能性を試算しておられるんですね。経済産業省の方はそれに対して四分の一の数字を出しておられると。こういうようなことで、私から見て、これは内閣で全然統一されてないやないかと、こういう思いがするわけですよね。  閣内で本当に統一して、細野大臣が言われるように大変な意気込み持ってやっておられるというんであれば、閣内をやっぱり統一して同じ目標に向かってやっていくということでなければ本当に意気込みが空回りになるんじゃないかという心配をするんですよ。そこらの点、閣内が本当に一致して国を挙げてやろうという体制だと思われるのかどうか、そこのところを御答弁いただけますか。
  20. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) これまでということに関して言いますと、省によって若干温度差があったり考え方にばらつきがあったのは事実だろうというふうに思います。  ただ、今回の未曽有の事態を受けまして、この再生可能エネルギーを国としてしっかりと本気でやっていかなければならないという意味では、不幸な事故ではありましたけれども、この事故を受けて私は足並みがそろったというふうに思っております。  今回の様々な予算の中でも、再生可能エネルギーについてはむしろ各省はこぞって予算要求をしております。私ども環境省もグリーンニューディール基金を始めとした予算を要求しております。経済産業省も要求しています。そして農林水産省、これもバイオマスを含めたそういういわゆる地産地消のエネルギーについては様々なチャレンジをしたいということで予算を要求しています。科学技術という意味では文部科学省も要求しています。ですから、むしろ今は各省がそれこそとにかくやろうということで一気に走り出したような状況でございまして、あとはどうこれを、何といいましょうか、優先順位を付けていくかと、そっちの方の調整がむしろ必要になっていると思うんですね。  ですから、これまではどっちかというとやる気のあるところないところ、どこの省というのはちょっと角が立ちますから申し上げませんが、そういう意味で意欲に差があったと。今は、やろうという意欲においてはみんな同じなんだけれども、あとはやり方とか優先順位というところでまだ十分な調整ができていない。ですから、これから各省が出した予算の中でどれが例えば今年から来年にかけてより重要性の高いものなのか、どこに投資をするのがもっとも効果があるのかということを見極める、そういう調整はしっかりやっていかなければならないというふうに思っているところでございます。
  21. 北川イッセイ

    北川イッセイ君 是非ともひとつ一致結束して、大事な問題ですから、日本の将来決めるような問題だと思いますので、よろしくお願いします。各省がそれぞれに予算を要求して意欲持っておると。まあそれは意欲といえば意欲でしょうけど、それがまた各省ばらばらという形にもなりかねないわけですから、そこらの点もひとつ環境大臣がリーダーシップを取ってやっていただくということでお願いしたいというふうに思います。  次に瓦れきの問題ですけれども、大臣の御挨拶の中にも出ておりました。生活区域のごみ、瓦れきについては八月末で完了したと、こういうことであります。それから、その後の解体とかそういうことによる災害廃棄物の仮置場への搬入については三月末までにやると。それから、仮置場に搬入された災害廃棄物処理、処分、これについては二十六年三月までにやると、そういう御挨拶をされているわけですね。  私は、私、大阪ですから阪神大震災のこともよく分かっているんですけれども、そのときと比べてどうのこうのというようなそんな生産性のないことは言いたくないんですけど、しかし、一般言われるように、やはりこれ非常に遅いんですよ。もっと早くできないのかということが、やはり被災地の皆さん方、またそこで、周りで心配しておられる皆さん方のやはり意見だと、こういうふうに思うんですね。  私たち環境委員会では、この瓦れきの処理状況調査ということで宮城県の仙台市、多賀城市、そのほかずっと回ってまいりました。これは環境委員会として視察をさせていただきました。  そのときに感じたことなんですが、まずその当時、国の初動体制が非常にやっぱり遅れたなと、こういうような思いが率直に言ってしました。それはどういうことかというと、瓦れきの処理の費用、これなんかは一体どこが持つんやと。仙台市なんかはどんどんどんどん先行してやっておられる、そうしたらそれ後で返してくれるのかとか、いろんな問題が提起されましたよ。ですから、そこらの点がその体制を、すぱっと早く体制を組むということがそのときできていなかったんじゃないかなと。  それから、仙台市のような大きなところとそのほかの小さい市町村の対応の差というものはもう歴然と出ておったと、こういうように思います。そういうようなこともやはり国の対応としてやっていかなければいけなかったんじゃないのかなというような思いがします。  もう一つ、広域連携体制、これが本当になかったなと。それぞれ自治体の皆さん方、必死になって一生懸命やっておられます。しかし、お互いの連携の体制というもの、ごみの処理ですとかごみの収集ですとか、それの処分とか、そういうようなものに対する広域連携体制というのがやはりできてなかったんじゃないかなと。  それから、多賀城市に行きましたときに多賀城の市長さんがおっしゃっていました。これはもうここの町、こういう大津波で流された、これは三回目なんですよと。貞観の津波があり、その前、紀元前にもあって、一千年に一遍の大津波が来ると。また再び同じところに町をつくって千年後にまた同じようなことになったら、これはつまらぬじゃないかと。だから、町の構造そのものを変えたい、そういうことに対する国の支援というものをもっといただきたいと、こういうような話がありました。そういうようなことをやはり国がしっかり聞いて、それをどうしたらいいのかということを本当に真剣に、また地道に考えたかというようなことを考えるわけですね。  私は、これをもってどうのこうの言うつもりはありません。私が言いたいことは、これから東海大地震あるいは東南海・南海大地震、広域の地震がやはり予想される、三十年以内にどうのこうのという話もありますけど、そういうことが予想されるわけです。そういうことを考えますと、やはり率直に反省すべきところは反省して、そしてしっかりとその体制を組んでいくということが非常に大事じゃないかというような思いがしてならないわけです。  特に、広域連携体制というのは非常に大事やと思いますよ。これは一点だけで災害が起こるわけじゃない、非常に広い範囲で起こるわけですから、そこの連携体制というのがね。関西では関西広域連携というのがあって、東日本大震災が起こったときに、どこの府はどこを支援する、どこの県はどういうことをやる、広域で全部相談して、それで支援体制を組んだということがいち早くやれた、こういうことがあるわけです。  ですから、そういう体制を、これはそういう災害だけの問題じゃない、環境だけの問題じゃないと思いますけれども、そういう体制をやはりしっかり組んでおく必要があるんじゃないかなというような思いがしてならないわけですけれども、細野大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
  22. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 御指摘のとおり、この災害廃棄物対応、特に初動の部分については様々な反省が必要であると私も思っております。  阪神・淡路大震災を受けて、平成十年に環境省では震災廃棄物対策指針というのを作っておりまして、それに基づいて自治体間もいろいろ協力を要請をするような形にはなっておるんです。ただ、実際には、それで機能したのは比較的本当にスムーズにやっていただいた仙台市が神戸市と連携をしていただいて、いち早くいろんな協力関係を結んでいただいたような一部の例を除いては、なかなかこれが機能しなかったという面で更にしっかりと体制をつくっていく必要があるというふうには思っております。  ただ、一点だけ是非皆さんに御理解をいただきたいと思うことがあるんですけれども、私、五月に一度被災地に入り、六月にも一度入りました。率直に言って、まだ五月、六月は災害廃棄物をざあっと処理をするという雰囲気では被災地はなかったと私は今でも思っているんです。今でも私、忘れることができないのは、被災地にそれこそ廃棄物の山が、災害廃棄物の山があって、そこに白い旗が立っていたんですね。覚えておられる方もいらっしゃるでしょうか。これ何かというと、災害廃棄物を集めて、そこに行方不明者がいないかどうかを自衛隊の皆さんが捜索をして、確認をできたところに白い旗を立てていたわけです。  私、行きましたときに、まだ大臣になっていませんで時間がありましたので、ボランティアでいろんな作業に何か参加できないかと探しまして、ある場所に連れていっていただきました。そこでは、そういう瓦れきの中から取り出した写真の修復をしていたんです、一枚一枚。私もやりました。幾つかのアルバムで、それこそ泥にまみれて、本当にこれ再生できるかなと思いながら土を取って、そしてそれを修復できたものについてはその場所に並べて、被災者の皆さんが来られて思い出として持ち帰られるということをやっていたんですね。これは極めて私は日本的だと思いました。  ですから、五月、六月の時点でもちろん体制が整わなかったこともあります。ただ、被災地の雰囲気からすると、瓦れきを一気に集めてこれを燃すんだという雰囲気ではなかったですよね。ですから、そういう事情もあって、なかなか自衛隊の皆さんも本当に丁寧に、自衛隊ってすばらしいなと思いました。そういう部分もあったということは、これは是非御理解をいただきたいなと、そんなふうにも思っております。  そこで、話を本題に戻しますけれども、こうした過去の体制の不備も含めて反省が非常に必要だと思っております。その意味で、幸い国が責任を持ってしっかりやれる体制を国会の中で整えていただきましたので、今は環境省にこの災害廃棄物処理についての最大の責任があり、しっかりやっていかなければならないというふうに思っております。  現在、二つの方法を取っておりまして、一つは仮設の焼却場を造ってそこで燃すと。これは仙台市が一番先行しましたけれども、ほかの多くの廃棄物が出ているところについて導入をしっかりとやっていこうということで進めております。  もう一点は広域処理です。東京都で幸い受け入れていただくという御英断をいただきました。もちろん、安全性については国が最大の責任を持っていかなければなりませんので、その確認は責任を持っていたしますけれども、安全なものについては被災地の思い是非全国で受け止めていただきたいという、こういうことで現在東京都の次にどこかお願いできないかということで働きかけを始めているところでございます。  ただ、やっておりまして感じますのは、いろんなところで私もいろんな方と話すんですけれども、災害が起こってから、それからこの町とこの町どうでしょうかとやってもうまくいかないんですよね。仙台市と神戸市が比較的うまくいったのは、元々関係をしていたのでいざというときはお互いに協力できるという体制になっていたわけです。ですから、これからは事前に自治体同士である程度連携できる体制をつくって、そういう災害対応というのは国がやるというだけではもう十分できませんから、地方同士でも協力できるような体制をつくっていくというのは非常に重要なことだなというふうに感じております。  したがいまして、今回の災害においては、これから是非廃棄物について広域処理を進めることができるように、私も直接これから様々な場面で働きかけをしようと思っております。あわせて、万が一また大きな災害が日本のどこかで起きるということが、これは万が一と申し上げましたが、本当は備えておかにゃいかぬと思います。そういう備えについてもしっかりと並行してやっていく必要があるというふうに考えておるところでございます。
  23. 北川イッセイ

    北川イッセイ君 大臣おっしゃるとおり、災害が起こってからその後、広域体制取るといったって、これなかなかできないですよね。ですから、事前にやはりそういう体制をしっかりつくっておくということが非常に大事なんです。そういう仕掛けをつくるということが国の仕事だと、私はそういうふうに思いますので、是非ともそういう広域体制の仕掛けを国の方でもしっかりつくっていただきたい、そういうふうに思います。  最後に、細野大臣、一番最後の御挨拶部分で、琵琶湖に対して非常に愛着を持っておられると、こういうことが書かれておりますが、私も琵琶湖は大好きで、非常にうれしいなという思いがいたしました。  私は以前、琵琶湖を自転車で一周した、それも五泊六日でゆっくりゆっくりやったと、こういうような経験もありまして、その間ずっと地域の漁師の方々や農村の方々や、そういう人たちといろいろコミュニケーションを図りながらやったというようなこともございました。そういうことで、非常に琵琶湖に対して愛着を持っておるんですけれども。  細野大臣、フナずしはお好きですか。
  24. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 大変好きでございますが、値段がだんだん高うなってございますので、なかなか巡り合う機会がございません。
  25. 北川イッセイ

    北川イッセイ君 今大臣おっしゃったように、フナずし大変高くなっているんです。卵の入った小さいこんなフナずしが一匹八千円するんですよね。昔は本当にもっと安かったんですね。何でそういうふうになるんやというたら、ここに出ていましたニゴロブナが捕れないと、こういうようなことがあって、できないんですよね。  私は、ブラックバスですとかブルーギルですとか、こういう外来種が入ってきて、琵琶湖のニゴロブナ、それから小魚、そういうものが非常に減ってしまったという、そういうことは私、三十年前から聞いているんです。  あの琵琶湖には、えりといいまして、えり漁法というのがあるんです。ずっと仕掛けを作るんですね。魚をその網の一番先端に、そこへ皆集めるわけです。そこへブラックバスや皆が入ってしまったら、これ全部食べられてしまうわけですよね。ですから、そういうえり漁ができなくなってしまったと、こういうような話。これも実は三十年前からの話なんです。向こうの琵琶湖の漁師さんなんかはもうずっとそれを言っておられたんですね。私は、このことが非常に大事だというように思うんですね。  これはやっぱり、こういう生物多様性の保全とかそういうようなことについて、環境の問題全般についてですけれども、やはりこれは地域主導でなかったらいかぬと、そういう地域人たちの声、困っていること、そういうものをいかに酌み取るかということが非常に大事だというように思ってならないですね。そういうことを考えますと、やはりこれも先ほどの話と同じで、そういうものをくみ上げていく仕掛けをやはり国の環境省辺りがしっかりとつくっていくということを考えられたらどうなのかなというように思ってならないですね。  これは、仕事は地方の仕事やと思います。地域地域仕事だと思います。しかし、地域仕事だといっても、今申し上げたように、地域の漁師の方々が本当に困ってやっているのに、それが政治に反映されていないという、地域地域で一生懸命やっておられますけれども、いろんなことでなかなか効果が上がらなかった。そういうものをやはり国がそういう仕掛けをしっかりつくって、そして地域の実際に仕事をやっておられる皆さん方の声が反映できるように、そういうことが非常に大事だと思うんですね。  一つの例として、私は、そういう環境Gメン制度というようなものをつくって、そして大変その環境Gメンの、例えばそういうものを渡してやったらやっぱり喜びますよ、ボランティアでやっておられる方、NPOでやっておられる方もね。自分環境Gメンなんだという誇りを持ってやられるというふうに思うんですね。これは一つの例ですけど。  やはり一つのそういう体制として、細野大臣、どういうふうにお考えか、聞かせてください。
  26. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 私が子供のときまでは琵琶湖には淡水の漁師さんというのが結構おられまして、私も琵琶湖のすぐ近くに住んでおりましたので、そういった方ともいろいろ話す機会がございました。  ですから、北川先生とそこはもう全く同じ思いを持ちます。仮にあのときに、そういう漁師の方や地域でそういう環境問題について活躍している方々が行政に関してもう少し意見を言う機会があれば、ああいう琵琶湖にはもしかしたらならなかったかもしれない、どこかで踏みとどまることができたかもしれないというふうに思います。ですから、いかに、自治体もそうですし地域住民の皆さん、さらにはNPOの皆さんからしっかりといろんな話を聞かせていただくかと、これはもう大変重要な問題提起をいただいたというふうに感じております。  生物多様性基本法の中でも、この多様性を保全をしていくために、地方公共団体や国民民間団体などの多様な主体と連携、協働することを努めるという規定がございますし、また、今年の十月一日に施行をされております生物多様性地域連携促進法、これもこのNPOとの連携について書いてございます。  形は実際どういった形が一番望ましいのかというのはもう一度私も考えてみたいというふうに思いますが、こういう法律の枠組みもございますので、しっかりとNPOや市民の皆さん国民皆さんから生物多様性についての是非思いを聞かせていただけるような、そういう枠組みはつくってまいりたいというふうには考えております。  ありがとうございました。
  27. 北川イッセイ

    北川イッセイ君 終わります。
  28. 中川雅治

    中川雅治君 本年八月に議員立法によりまして放射性物質汚染対処特措法が成立しまして、放射性物質により汚染された廃棄物処理除染などの所管がはっきりしないという法の不備が解消されました。  環境大臣は、事故由来放射性物質による環境汚染への対処に関する基本的な方針の案を作成し、閣議の決定を求めなければならないとされたわけでございます。環境省の当面の最大の任務は、この特措法の平成二十四年一月からの全面施行に向けて、関係各方面と協力しながら基本方針や技術基準等を整備するとともに、実施体制をいかにして確保するかということだと思います。  基本方針案は既に示され、今パブリックコメントを実施しているところだと聞いておりますが、閣議決定はいつごろになるのでしょうか。また、技術基準や実施体制の整備など、来年一月からの全面施行に向けての準備状況環境大臣にお聞きいたします。簡潔で結構ですので、よろしくお願いします。
  29. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) まず基本方針でございますけれども、昨日までパブリックコメントを行ってまいりまして、多くの御意見をいただきました。閣議決定は十一月の上旬ということを予定をしておりますので、できるだけ早急にこのパブリックコメントを取りまとめたいというふうに考えております。  汚染された土壌や廃棄物技術基準につきましては、そうした基本方針や技術的な検討を踏まえまして十二月上旬ごろには公布できるよう、現在準備を進めております。そして、そうしたことを実施をする体制というのが非常に重要でございまして、環境省は元々世帯が小そうございますので、しっかりと体制を拡充すべく今準備を進めております。  来年一月には福島に環境再生事務所をつくりたいと。そこは数十人規模、そして来年四月には二百人規模にして、できれば各省からもしっかり応援を得たいということで、今、日々調整を重ねているところでございます。
  30. 中川雅治

    中川雅治君 来年一月からの全面施行に向けて余り時間がありません。法第七条第三項において、環境大臣は、基本方針の案を作成しようとするときは、あらかじめ関係行政機関の長と協議しなければならないとあります。また、実施計画を定めようとするときもあらかじめ関係行政機関の長に協議するとあります。  これは、逆に言えば、関係各省庁は、環境省に協力してより良い基本方針なり、実施に当たって協力しながらより良い体制をつくっていきなさいと、こういうことを規定しているんだというふうに思うわけであります。  環境省の職員に除染の知識、ノウハウを持っている人はいないわけですね。今必死で勉強して、連日大変な苦労をして基本方針や実施計画、さらには技術基準作りなどに向けて頑張っているわけでありまして、ここは各省庁が積極的に協力しなければならない、そういうふうに私は思うのであります。  除染した後の農地の再生をどうするのか。山林の除染をするに当たって山林の機能を今後とも維持していくにはどうしたらよいのか。また、後ほどお聞きいたしますが、稲わらの問題もあります。漁港の除染の問題もあります。これらはまず農林水産省が真剣に考えなければならないことであります。農林水産省にはカドミウム汚染のときのノウハウもあるわけですね。また、河川の除染について、あるいは道路の除染にいたしましても、これは国土交通省が第一義的に考えなければならない、そういうふうに思うんです。下水汚泥の問題では国土交通省にいろいろな経験があるはずであります。  特措法ができて除染環境省の所管になったんだから、俺たちはもう知らないよという態度が他の省庁に見えるんではないかというふうに私自身感じているところであります。  十月七日付けの福島民報に、除染役割分担めぐり政府内の対立激化という見出しで、「環境省は道路、農地など所管省庁ごとの対応を主張しているのに対し、国土交通、農林水産両省などは環境省が一元的に行うべきだと猛反対。調整が長引けば処理の遅れにつながりかねず、住民の不安をよそにした押し付け合いに批判が出そうだ。」と報じられております。  もちろん、環境省は司令塔になって、また各省庁の対応を調整し一元的に行う役割を担うべきは当然だと思いますし、環境省もその覚悟を持ってやっていると私は認識しておりますが、むしろ問題は各省庁の方ではないかというふうに思うわけであります。各省庁は、それぞれの所管の除染については第一義的には自分たちが責任を負うんだという意識を持って環境省に全面的に協力しなければならないというように思います。  今日は津島国土交通大臣政務官と筒井農林水産大臣に来ていただいておりますが、まさに政治主導で、政治家の責任でそれぞれの省庁がきちんと自分たちの責任だという意識を持って環境省に協力するようしっかりと指示をし、監督してくださるようお願いいたします。  津島大臣政務官と筒井副大臣認識を伺います。
  31. 津島恭一

    大臣政務官(津島恭一君) お答えを申し上げます。  放射性物質による環境汚染への対応は、面的かつ一元的に対応することが必要であり、環境省が中心となって関係機関が十分に協力、調整していくことが重要と考えております。  現在、関係省庁間で具体的な連携の在り方について調整を行っているところでありますが、環境省を中心として一元的な対応ができるよう、しっかりと積極的に協力してまいりたいと考えております。
  32. 筒井信隆

    ○副大臣(筒井信隆君) 特措法でも一体的な取組が規定されておりますし、今度の、今パブリックコメントに付されているという大臣からの発言がありましたが、この基本方針でもその趣旨がより具体的に規定されているわけでございます。農水省としては、環境省に全面的に協力、連携をしてやってまいります。  その中で、今委員が言われました、農地、山林、漁場、漁港、セシウム稲わら、これらのことに関しましては、まさに農水省自身がそれらを責任を持ってやらなければいけないんだという意気込みで、これも含めて環境省と協力、連携をしながらやっていく、そういう体制を今取っているところでございます。
  33. 中川雅治

    中川雅治君 是非よろしくお願いいたしたいと思います。  津島大臣政務官委員長のお許しを得て退室していただいて結構であります。筒井副大臣はもう少しお願いいたします。  福島県内の農家はもちろん、周辺の県の農家が一番困っているのは、汚染稲わらをどうするのか、いまだに責任ある指示がないということであります。キログラム当たり八千ベクレル以上の稲わらは指定廃棄物として国が引き取り、国が処理するということになっていますが、それ未満の稲わらは農家にお任せという状況になっているんです。畑にすき込んでもよい、燃やしてもよい、好きなようにしなさいと言っているのと同じことだと思うんであります。  しかし、燃やすといっても具体的にどこの焼却場で燃やしたらよいのか分かりませんし、仮に焼却場に持ち込むとしても、住民の反対で焼却できる状況ではありません。農家の畜舎に、あるいは倉庫に汚染稲わらが山積みになっております。農水省は必要なお金は予備費で出すと言っていますが、くるまった稲わらのロールが宮城、福島など八道県で約七千二百トン保管されていて、もう七か月以上たってどうにもならない状況が続いております。  キログラム当たり八千ベクレル以上の稲わらは指定廃棄物として国が、つまり環境省が責任を持って処分するということになります。これは具体的にはどのように処理することになるのですか。そして、それはいつから始め、いつ全ての処理が終わるのでしょうか、環境省に伺います。
  34. 伊藤哲夫

    政府参考人(伊藤哲夫君) 放射性物質汚染された稲わらにつきましては、現在、農林水産省の方で汚染レベル、所在場所、量等を把握するための調査及び隔離一時保管等を進められていると、こういうふうに承知しております。  一方、環境省におきましては、放射性物質により汚染されたおそれのある廃棄物を安全に処分するため、災害廃棄物安全評価検討会を開催し、適切な処分方法の検討を進めてまいりました。その知見を踏まえますと、一キログラム当たり八千ベクレル以下の稲わらであれば、十分な能力を有する排ガス処理装置が設置されている焼却施設で安全に処理できると、こういうふうな結論を得ているところでございます。  一方、八千ベクレル以上のものにつきましては、これは一月から指定廃棄物になるということになるわけでございますけれども、これにつきましては、まずはその処理方法につきまして農林水産省とも連携の上、きちっと検討してできるだけ早くこれを示したいと。その上で、農林水産省と協働して、指定廃棄物に指定されることを待つことなく地元への説得等々に努めてまいりたいと、こういうふうに考えているところでございます。
  35. 中川雅治

    中川雅治君 もっと早く明確な方針を出していただきたいと思います。  今お話がありましたように、八千ベクレル以上の稲わらを焼却する場合、焼却場の周辺住民は不安になり反対するということもあると思います。環境省が責任を持って安心、安全な焼却方法を取って、これならもう大丈夫だということを住民の皆様を説得する、そういう努力をしていただきたいと思います。それができれば八千ベクレル未満の稲わらの焼却も順調に進むことにつながるというふうに思うわけであります。いまだ稲わらの焼却は試験的に実施したものがあるだけで、ほとんど進んでいないということであります。早く焼却できるように環境省の取組を強く要請いたします。  八千ベクレル未満の稲わらについてもお話がありましたが、農水省は早く方針を示して、この八千ベクレル未満の稲わらについても一刻も早く処理をするように動き出すべきだと思います。今まで国会汚染稲わらの問題は何度も取り上げられていますが、一向に明確な方針が示されておりません。もう大変農家の方が困っているわけでありまして、困っているどころか、もう本当に爆発寸前なんですね。是非農林水産省の明確な方針を伺いたいと思います。筒井副大臣、お願いいたします。
  36. 筒井信隆

    ○副大臣(筒井信隆君) 先ほど話がありましたし、今も話がありましたように、八千ベクレル以下のものについては一般廃棄物として焼却あるいは埋立てが可能であるという方針を出させていただいております。  ただし、焼却の場合にはセシウムが外に飛散しないような装置があるところが条件でございまして、その場合には、今度はその灰が八千ベクレルを超える高い濃度になるものですから、それは今度八千ベクレル以上の稲わらと同様の別の保管措置をとらなければいけないというふうに申し上げているところでございます。そして、八千ベクレル以上のものにつきましては、これは土のう等で遮蔽をした形での一時保管、こういう方針を提起をさせていただいているところでございます。
  37. 中川雅治

    中川雅治君 そういうことで農家は、そういう方針だと言われてもなかなか難しいわけなんですね。もう本当にいらいらしているというふうに思うわけですが。  十月二十三日の新聞報道でありますが、林野庁は汚染土壌や稲わらなどを一時的に保管する仮置場として国有林の敷地を自治体に無償貸与する方針を決めたと、こういうふうにあります。報道では、市街地に放射線の影響が及ばないように国有林の境界から数十ないし数百メートル程度離れた場所に確保する方針とありますが、国有林の中に保管場所を確保するには、林道がないところは道を付けなきゃならないですよね。そして、保管場所を確保するわけですから木を切らなきゃならない、その木も葉っぱも汚染されていると、こういうことであります。ですから、もう大変な作業だというふうに思います。  実際に、森林管理署の現場では、ほとんどの国有林は保安林や緑の回廊に指定されていて他の用途への利用は難しいと、こういうことを現場の方が自治体に言っているらしいんですね。そういう消極的なことを言っているという報告が私のところへも来ております。  実際に、国有林といっても集落や道路の近くは無理でしょうし、山奥ということになればそこに運ぶのに道を造ることも大変でしょうし、運ぶのも大変だということは事実だと思うんですね。また、水源地の近くは駄目だと、こういうこともあるでしょう。しかし、何だかんだ言って、ここは駄目だ、ここも駄目だと、こういうことになると、せっかく国有林を仮置場として提供すると、こういう方針は決めたといっても、この七千二百トンに上る稲わらの処理は進まない、汚染土壌の処理も進まないということになってしまうと思います。  ここは相当思い切っていろいろな壁を乗り越えて、林野庁の方で積極的に自治体に無償でお貸しするという姿勢で大きな決断をして臨まなくてはならないと思いますが、筒井農林水産大臣見解を伺います。
  38. 筒井信隆

    ○副大臣(筒井信隆君) 先生おっしゃるとおり、国有林を無償で貸与すると、こういう方針を表明をさせていただいております。一般の瓦れきの場合でも国有林を仮置場として無償貸与するという方針を出して、それは実際に既にやっております。広範囲な面積で行っております。  しかし、放射性物質の付いたものにつきましては、これは今度、地域の住民の皆さん、自治体の皆さんの意向を確認しなければいけないものですから、通る道を含めて意向確認をしなければならないものですから、環境省と連携することはもちろん、地方自治体とも連携しながらその具体化を今進めているところでございます。
  39. 中川雅治

    中川雅治君 おっしゃるとおり、住民の方の了解、同意を取り付けなければならない。また、今私が既に申し上げましたようないろいろな困難な問題はあると思いますが、是非、大きな決断で前向きに考えて進めていただきたいと思います。  筒井副大臣委員長のお許しを得て退室していただいて結構でございます。
  40. 松村祥史

    委員長松村祥史君) 筒井副大臣、御退席いただいて結構です。
  41. 中川雅治

    中川雅治君 除染汚染廃棄物処理に当たって重要なことは、ここまでやれば、あるいは、このようにすれば安全ですよ、子供も安心して生活できますよという明確な基準を示すことだというふうに思います。そして、その基準について住民の皆さんが安心だと納得してくれることが大切であります。そうでないと、いまだ除染が不十分だとして住民の皆さんの不安を除くことはできませんし、汚染廃棄物処理の受入れを結局住民の皆さんが反対して処理が進まない、こういうことになる。それがいつまでも続くということになります。ですから、基準を作って示すということは本当に重要なことなんですね。  原子力安全委員会の権威も失墜しているようでありますので、私は、この基準作りに当たって、我が国の学者、研究者の英知を結集するだけじゃなくて、諸外国の学者、研究者のお知恵も十分にお借りして、我が国の国民が、全世界の英知を結集して作った基準なんだからこれはもう本当に安心だ、安全だ、それを受け入れようと、こういうふうに思っていただけるように、ここは是非全世界の英知を集めていただきたいと、こういうふうに思うわけであります。  来年一月の全面施行までには全世界の英知を集めて基準を作ってくださいといってもなかなか間に合わないという事情があるとは思いますが、これはもうですから来年一月以降でもいいと思うんですね。政府外国の権威ある学者や研究者を招聘して日本の学者や研究者と一緒になってこの基準作りをしていただく、あるいは既に決まった基準を見直して新しい基準を作ってそれを示す。こういう基準だから、こういうやり方だから大丈夫ですよと。  やはり国民皆さんは、そういう権威ある人が作ったものだということでないと、作った人に対して不信感を抱いていたらいつまでたっても安心、安全は確保できないと思いますので、是非そういったやり方を取っていただけないかというふうに思いますが、環境大臣、どうでしょうか。
  42. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 貴重な御提案をいただいたというふうに思っております。  もちろん、これまで環境省が示してきた基準というのも相当程度安全側に立った判断をしておりますので、そういった意味では、皆さんに本当は安心をしていただくことができる基準だと考えておるんです。  ただ、一方で、確かに日本の原子力行政に関する信頼が失墜をしている中で、なかなか地域皆さんに安全だと我々が言っても安心をしていただくことができないという、そういう状況が続いております。したがって、国際的な様々な知見もいただく中で皆さんに御説明をしていくということは極めて重要なことだというふうに認識しております。  十月に、今月の初めにIAEAの国際除染ミッションが来ておりまして、その皆さんとも私もいろんな対話をいたしましたし、また関係者もいろいろ対話をいたしまして、こうした例えば除染であるとか廃棄物の基準についても既にやり取りをしております。おおむね日本考え方は、IAEAの皆さんに言わせると、除染ミッションに言わせると、ちょっと保守的過ぎるのではないかということを言われるぐらい基準の安全性については私は評価をいただいたと思っております。ただ、まだ暫定の助言しかもらっていませんので、これを実際にしっかりとした助言としてIAEAのミッションの方からいただけるように、最終的にはこの数字はどうだろうというようなやり取りも既に始めているところでございます。  もう一つ考えなきゃならぬと思っておりますのは、こういうミッションを通じて国際社会からいろいろアドバイスをいただけることも大事なんですけれども、政府全体でいろんなことを判断をする場合に、常にそういったアドバイスをもらえる体制というのも重要だと思っております。  現在、放射性物質汚染対策室というのをつくっておりまして、そこに顧問会議というのを設けております。ここは日本人の専門家で構成をしているんですけれども、メンバーとはならないまでも、そういったところに常に、例えばIAEAであるとかWHOであるとかICRPであるとか、そういった皆さんからのアドバイスをいただけるような、そういう体制をつくるべく今準備をしております。  ほぼいろんな皆さんから、いいよという、そういうお返事もいただいておりますので、近々そういった体制がつくれるのではないかと考えております。
  43. 中川雅治

    中川雅治君 是非前向きにお願いしたいと思います。  いよいよこれから汚染廃棄物処理除染が本格的に始まるわけでございますが、ここで注意しなければならないことは、何でも入札にすればよい、その結果、安かろう悪かろうということになっては大変なことになるということであります。  これは、今、除染とか汚染廃棄物処理と直接関係はなく、いろいろな方からもお話がもう本当にしょっちゅう聞くわけなんですけれども、政府や自治体とも、役所が発注する工事やサービスについて、役所はもう年々予算が削られて相当厳しいやりくりをしなきゃならないので、担当者としてはとにかく安ければよいということで価格のみの入札にしがちであります。また、世の中の風潮として、随意契約は駄目だ、入札にせよと、こういうことになっておりますので、価格のみの入札にして、安ければいいんだろうと、こういうような風潮といいますか、そういう考え方が役所の担当者の中にあるわけなんですね。これはもう独法を含めてそういう非常に雰囲気が強くなっているわけであります。  それともう一つは、役所というのは発注した仕事が終わった後の検査というか、検認というのか、本当にその業者が適正な仕事をしたかどうかというチェックが非常に民間に比べて緩いと言われているんですね。だから、劣悪な業者が不当に安い価格で落札していいかげんな仕事をしても通っちゃうと。ですから、きちんとした業者が仕事を取れない、レベルの高い技術者がだんだんいなくなっていくという悪循環が生じているわけであります。  汚染廃棄物処理とか除染に当たっては、これはもう本当に人の命、健康にかかわることですから、安ければよいという入札は絶対にしてはいけないと思います。そのためには、発注する際の仕事の内容についてきちんと細部まで指示して、手抜きする業者は排除できるシステムをつくる。それから、総合評価方式といいますか、技術の水準をちゃんと評価するということが重要ですし、仕事が終わった後の発注者による検査、検認をしっかりやることも大事だと思います。  この点についての環境大臣見解をお伺いしたいと思います。
  44. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 中川先生環境省の次官もされておられましたので、環境省のこともよく御存じだと思うんですけれども、環境省という役所はそういう事業の発注業務というのは余り経験がございませんので、今ほかの省庁のそれこそしっかりと協力も得ながらその検討を始めております。  ただ、現実問題として非常に悩ましいのは、除染技術というのは、もちろんこれはまだ確立をされておりません。しかも、その除染をする単価設定というのが、どういう単価があるべきなのかという、この基準はもちろんないわけですね。そういう中で、質を担保しつつ、大事な税金ですので、効果的にしっかりと発注をしていくという、そういう非常に難しい作業にチャレンジをしなければならないと思っておるんです。したがって、適切なやり方をもちろんしなければなりませんが、若干初期は、とにかくこれでやってみようという部分が出てくるかもしれませんので、そこは是非御理解をいただけますと幸いでございます。  具体的なやり方といたしましては、特別措置法を通していただきましたが、この特措法に処理計画を策定するということが記載をされております。この処理計画も、やはりそれこそそういったことについてしっかりと企画をしていただく、競争をして、企画をしていただいて、その処理計画自体を環境省と一緒に作る業者をまず選定をしなければなりません。ですから、そこはいわゆる価格入札というやり方ではなくて、企画競争方式というものを採用したいと考えております。  そして大事なのは、この処理計画の中に、具体的な処理方法廃棄物の種類や量であるとか、また仮置場の面積を調査した上で、運搬計画であるとか処理方法などを詳細に定める必要があります。ここがきちっと定められれば、あとは個別の除染の例えば事業などの発注においては、こういう処理計画に基づいてそれぞれやってもらいたいということが言えますので、ある程度の枠の中で様々な業者への発注というのができてくるのではないかと、そのように考えております。
  45. 中川雅治

    中川雅治君 まさにそういったことでやっていただきたいと思うんですが、北川理事からもお話がありましたが、新しい技術をどんどん開発していく方というのがたくさん現実にいるわけでありまして、そういった新しい技術を開発する方というのは、中小企業の方であったり、あるいは研究者、学者であったりするんですが、研究者、学者といっても、一流大学の教授とか大手の研究所に勤めている研究者ということではなくて、本当に自分のアイデア、ひらめいたアイデアを基にこつこつと研究して、こういう除染の仕方があるとかそういったアイデアを出していく、そういう方もたくさんいると思うんですね。  そういう技術開発の中には、もちろんインチキもあるでしょうし、予算的に到底取り得ないというものもあると思うわけですけれども、そういった町場の方の技術とか、あるいは無名の学者、研究者のすばらしいアイデアというものを採用するシステムというのが私は役所に弱いと思うんですね。場合によると大手が、そんなことをされたら困るということで潰しに掛かると、こういうこともあるわけでありまして、したがって、企画競争入札というお話がありましたが、大手に入札で丸投げして、大手に全て任せて、そこから大手がまた下請を使ってというようなことで流れていきますと、結局そういう町場の方のいろんな新しい技術とかアイデアというものが使えないことになってしまうと思うんです。  ですから、それはちゃんと自治体なり環境省の方でそういった技術をむしろ積極的に吸い上げて、こういういい技術があるのなら、それを使う人に、そういう技術を使うところに発注をする、それは企画競争ということであると思いますが、そういう姿勢是非臨んでいただきたいというふうに思います。  次に、福島県においては、事故由来放射性物質により高濃度に汚染された廃棄物や土壌が大量に発生しているわけで、これらの中間貯蔵施設、つまり、こうした土壌や廃棄物を一定期間、安定的に集中して貯蔵管理する施設に関するロードマップを今月中に作って公表すると細野大臣はおっしゃっているわけですが、今日は二十七日ですからもうそろそろでき上がっていなくてはならないと思います。  この点につきまして、除染で出る廃棄物について、地域ごとの仮置場で三年程度保管し、その間に中間貯蔵施設を建設することをロードマップに織り込む方針であるという報道がありますが、こういうことだと果たしてロードマップと言えるのかどうかなと、工程表と言えるのかどうかというような気もいたしますが、事実でしょうか。
  46. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 月末が迫ってきておりますので、今本当に詰めの作業をしているところでございます。月内にはロードマップをお示しをしたいと思っております。  このロードマップなんですけれども、できる限り具体的に皆さんにイメージを持っていただけるようなものにしたいと思っておるんです。したがって、仮置場というのはこういうものです、安全性がこういう形で確保できますという姿をお示しをしなければなりません。また、中間貯蔵施設についてもかなりイメージに開きがありますので、これぐらいの規模のこういう施設なんだと、単なる例えばごみ置場というものではなくて、そこは様々な研究開発もして、安全にしっかりと保管をしておく場所なんだというのを皆さんに分かっていただけるような中身にしたいと思っております。  確かに、具体的な場所であるとか、まあ場所ですね、特に、そういったことについてないと、なかなかそれで、ああ、これで行けるなと思っていただけない面があるかもしれませんけれども、まずは国が考え方を示すと。考え方を示した中で、あとは、どういった形で受け入れていただくのかということについてできる限り丁寧に対話をしていくということをまさにこのロードマップを出すプロセス、そしてその後の中でやってまいりたいというふうに思っておるところでございます。
  47. 中川雅治

    中川雅治君 誰だか分からないんですけれども、報道では、関係者が中間貯蔵施設での貯蔵は数十年に及ぶ可能性が高いと言っているということなんですね。政府は福島県を最終処分地にはしないと表明しているわけですが、中間貯蔵施設での貯蔵が数十年に及ぶとなれば最終処分場と何ら変わらなくなるわけで、この報道に福島県の方は大変怒っております。こんなことを政府内で言う人がいるとすればとんでもないことであります。どうなんでしょうか、細野大臣
  48. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 非常に申し訳ないことだと思っております、福島の皆さんには。私も相当の皆さんから御批判ももちろんいただいておりますし、お叱りもいただいております。それは、そういう思いを持たれるのは当然だと思います。  ある方がおっしゃっていたんですけれども、もうちょっと国民全体にこの問題を考えてもらえないだろうかという問題提起もございました。つまり、福島の皆さんは、自分たちの電気発電をするために原発を置いていたわけではなくて、東京を含めた関東エリアに電気を供給をするためにあそこに原発が供給されたわけですね。そして、その発電が行われていた中でこういう大きな事故があって、放射性物質拡散をしています。したがって、これは福島だけの問題ではなくて、今この汚染された状況を乗り越える上で、中間貯蔵施設を造らなければならないというのは全国の問題なんだということを、これは福島の皆さんの声というよりは私の思いとしても是非お伝えをしたいというふうに思います。  ですから、中間貯蔵施設が、率直に申し上げまして、ある程度まとまった期間にならざるを得ないことも本当に申し訳ないというふうに思います。ただ、その間にできるだけ、例えば減容技術であるとかセシウムを取り除く技術であるとか、そういったことを確立をすることで、できる限り安全に処理をでき、研究開発を進めることで、最終処分の在り方についても早い段階でお示しをしたいというふうに思っております。  したがって、長い期間掛かることについては本当に申し訳ないという思いは持っておりますけれども、まずは中間貯蔵施設を造らせていただいて、そこでそういった開発を進めて、最終処分については福島県外でという方針は貫いてまいりたいと考えております。
  49. 中川雅治

    中川雅治君 今パブコメに出しておられる基本方針案でも、被曝線量が年間二十ミリシーベルト以上の地域は迅速に縮小する、二十ミリシーベルト未満は平成二十五年八月までにウェザリング効果と併せて五〇%減少した状態を実現するとしておりますが、大部分をこのウェザリング効果に依存しているようでは住民の不安は解消されないという問題があると思います。そして、長期的な目標として追加被曝線量が年間一ミリシーベルト以下となることを目指すとしておりますが、いつまでにとか具体的にどうするのかということは現段階では何ら示されておりません。  一方で、先ほど細野大臣も答弁の中でおっしゃいましたが、今月七日から十五日に来日したIAEAの除染専門家チームは、過剰に慎重な対応は回避すべきである、森林や比較的線量の低い地域などあらゆる場所除染は大量の残余物を不必要に発生させると指摘しているわけであります。  要は、優先順位をきちんと付けて、関係者の意見を十分に聞いて、どこをいつまでにどのように除染し、それを仮置場、中間貯蔵施設での貯蔵はいつまでで最終処分はいつまでにどこで行うんだという全体像を早く示して、それを住民の皆さん国民皆さんに丁寧に説明することが必要だと思います。なかなかもう本当に大変な作業であると思います。環境省皆さんも日夜大変な苦労をされておられることは十分分かっておりますが、是非そういった全体像を早く示して、しかも安心、安全な基準を一緒に併せて示しながら、住民の皆さんが安心できるように努力をいただきたいと思います。  それで、最後に一言、原子力安全庁設立の問題について伺いたいと思います。  細野大臣は、来年四月を目標にと、こうおっしゃっているようでありますが、環境省の外局に原子力安全庁設置するということで、現在内閣府に準備室を置いて作業を進めているということであります。国会議員の中には、四月では遅い、もっと早く設置すべきだと、復興庁もできるんだからもっと原子力安全庁も早く設置すべきだと、この臨時国会にも設置法を出すべきだと、こういうような意見の方もおられるようですが、私は、現実問題として本当に四月に設置できるのかどうか、それは危ういんじゃないかなというふうに思っているわけです。  事故調査・検証委員会の最終報告は来年の夏以降になると聞いておりますし、その結果を入れてしっかりと安全規制の在り方を考え、それにふさわしいしっかりとした組織をつくるということでもよいのではないかと思います。原子力安全規制を担当する役所は独立した委員会組織にした方がよいと、こういう意見もございます。私は、今回の事故で原子力安全委員会が迅速に機能したとは言えなかったことを考えましても、やはり閣僚の下でしっかりとした行政庁の組織にすべきだと思いますので、環境省の外局にするという今の方向を支持したいと思います。  ただ、いろいろ議論がありますよね、独立した委員会方式という意見もかなり強くあるわけであります。自民党の中では意見をまだ集約しておりませんので、党としての対応は未定であるということを取りあえずここでは申し上げておきます。  そこで、四月あるいは四月一日からということで原子力安全庁を発足させようということになりますと、そのためには来年度予算が成立した後、これはいつ成立するのか分かりませんけれども、その後、通常であれば衆参の委員会で、この委員会環境委員会になるのか、ちょっとどこの委員会になるのか分かりませんが、関係法案を審議するということになります。そこでも今申し上げたようないろんな議論があるわけなので、そう簡単に短時間でこれは日切れ法案だからすぐ通してくれと、こういうことにはならないんだろうと思うんですね。果たして三月末までに通るのかどうか、私は分からないと思います。  そうなると、四月一日の、あるいは四月中の発足というのがどうなのかなと。法案が通らないと準備できない、そういういろいろな問題もあるわけなので、四月発足ということで走り出しているとかなり無理が生じるんではないかと、私自身そう思うわけなんですが、大臣の心積もりを率直にお伺いしたいと思います。
  50. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 先生は行政のプロでおられるので、率直に本当になかなか厳しいんじゃないかという御意見をいただいたものと承知をしております。  私も無理を言っていることはよく承知をしております。ですから、審議のもちろん時間もしっかり取っていただかなければなりませんので、時間的にも非常に厳しいし、何より四つの役所の機能を統合するわけですから、これは法律の改正も非常に大きなものになりますので、それも非常に大作業になっております。さらには、新しい役所をつくるとなると物理的にそれをどこに置くのかというその移動の問題もありますので、その全てをじゃ四月にできるのかということになると、若干そこにやはりいろんな意味での時間差が生ずる可能性も否定はできないと思っています。  ただ、その一方で、昨日も衆議院の方で御議論をいただいたんですけれども、もっと早くできないのかという声が国会の中でもあるし、国民の中にもあるわけですね。もう一つ私が感じておりますのは、世界も日本が原子力規制をこれからどうしていくのかということについて注目しています。事故から一年たってまだ法律が提出をできていないとか考え方が整理できていないというのは、これは国際社会からはちょっと私は受け入れられないのではないかという感覚をこれまでの経緯の中で感じてまいりました。  したがいまして、かなり確かに無理なスケジュールの形にはなっておりますけれども、我々は法律を年内に作りますので、できれば環境委員会先生方にも御協力をいただいて、早い段階で御審議をいただいて様々な御議論をいただければと、そのように考えております。よろしくお願いいたします。
  51. 中川雅治

    中川雅治君 是非一生懸命頑張っていただきたいと思いますが、どうせつくるわけですから、そういうことであれば、定員も組織もしっかりと取っていただいて、環境省はただでさえも霞が関で一番超勤の多い役所なんで、私が環境省におりましたとき、組合調べで環境省が霞が関で一番一人当たりの超勤時間が多かったんですね。ですから、もう本当に大変な役所なんで、人手をしっかりと取って立派な役所にしていただきたいと思います。  以上で終わります。
  52. 川口順子

    川口順子君 細野大臣を始め環境省政務三役の皆様には、今超弩級の課題をたくさん抱えて大変に御苦労さまに存じます。  質問を前に提示させていただきましたけど、ちょっと時間の観点で順序を変えさせていただきます。  私、温暖化について伺わせていただきますが、二五%の削減問題についてまず伺います。  鳩山元総理国際公約として日本は二五%、一九九〇年をベースに二〇二〇年には減らすということを、条件付ではありますけれども、お約束をなさいました。本当に突然にといいますか、関係者に十分な相談もなくと思います。これは麻生内閣の当時、福井元日銀総裁をヘッドに十分に議論をして、関係者の了解を取ってシナリオを作ったという手法を民主党には参考にしていただきたいというふうに思いますけれども、そういう形で発表された二五%削減ということなんですけれども、細野大臣はこれは達成可能だと思いますか。条件の方はちょっと別にして、二五%日本削減をするということは可能かどうか、まず伺います。
  53. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) この二五%ということに関しましては、前提条件付ということではありますけれども、COP16の中でもカンクン合意として日本としては登録をしております。さらには、この国会にもそうしたことについて明記をした法案を提出をさせていただいております。  したがいまして、今の時点で環境省としてこの二五%、前提条件付の二五%ということについては変えておらないと、そういう状況でございます。
  54. 川口順子

    川口順子君 質問に答えていただいていないと思いますが、達成可能と思われるか、二五%の削減というのは可能と思われるかという質問でございます。
  55. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 国会にも法律を提出をしている以上、これは前提条件付ではありますけれども、それに努力をするということでございます。
  56. 川口順子

    川口順子君 自民党もそれから公明党も同じような、その数字は違いますが、法律は出させていただいております。温暖化に対して取り組んでいくことが重要だという基本的な問題意識は全く同じであるというふうに思っておりますけれども、当時、議論の際の前提は、これは三月十一日以前でございましたので、原発の推進ということが前提になっております。二〇一〇年に改定されましたエネルギー基本計画では、二〇三〇年、これは三〇年で二〇年ではありませんが、に向けた目標として十四基の新増設計画というのを含んでおりました。  先ほどの細野大臣お話では、野田内閣も、菅内閣原発は徐々に減らしていって再生エネルギーでそれをやっていくんだということの方針は変わらないということをおっしゃられましたので、元々その二五%削減したときに持っていた前提条件ですね、国際的な前提条件はありますけれども、それとは別途、国内としての原発についての前提条件、これはもうなくなってしまった、野田内閣の下でもこれはないということであるというふうに考えますが、それでも二五%は追求可能な目標だというふうにお考えですか。
  57. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 川口先生はまさにこの分野をずっと背負ってやってきていただいた方ですので、本当に御専門、十分全て踏まえた上で御質問されているというふうには承知しますが、今の状況をどう認識しているかということについて、私の思いを申し述べたいと思います。  もちろん、この原発事故を受けまして、原子力発電をどれぐらいに見るかということについては前提が変わっております。その一方で、この間の国民の様々な恐らくこの問題に対する思いというのも変わってきただろうと、エネルギー問題に対する、さらには環境問題に対する思いも変わってきただろうというふうに思います。その表れが、例えば再生可能エネルギーをしっかりと国民として支えていこう、育てていこうという、そういう思いが強くなってきた。さらには、不幸な形ではありましたけれども、今年の夏は国民皆さん産業界皆さんには大変な節電努力をいただきました。これだけの節電ができたということに関しては、これは国際社会から大変驚きをもって見られているというのも、これも事実だというふうに思っております。  ですから、そういった様々な要因をしっかりと見極めた上で、これからこのエネルギー問題と温暖化の問題をしっかりと検討し、国民にも選択肢を示し、来年の夏、その時点でどういう判断をするのかということについては改めてお示しをしなければならないというふうに考えております。
  58. 川口順子

    川口順子君 大臣思いは私も共有しますし、よく分かりますけれども、今問題になっているのは、国際的にコミットしているという数字の問題なんですね。それが二〇二〇年にできるかどうか、もちろん前提条件はありますが、よもや、前提条件は多分実らないから二五%とこの際言ってしまえということでお出しになったのではないと思います。そういうことでよろしいですか。
  59. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 二五%という数字自身はお示しをしていることは間違いございません。ただ、そういったことも含めて、国際的にしっかりと温室効果ガス削減をして気候変動を最小限に食い止めるためには前提条件が必要であると、そういうことであります。
  60. 川口順子

    川口順子君 二五%の国際約束、今とても私はできないというお答えをなさるのが非常に素直な率直なお答えだと思うんですね。  なぜかといえば、先ほど申し上げた原発の前提はない。それから、今この時点で四十四基止まっているわけです。それから、来春までにもし再点検したものが稼働しなければ来春ゼロになってしまうということであるわけですね。他方で、再生エネルギーと先ほどおっしゃいましたけれども、水力を除けば電力の一%ぐらい、大きい水力を入れても一〇%にならない、これは二〇二〇年の目標を話をしているわけですね。ですから、現実的に考えれば、国際社会で今日本は前提条件の部分は除いてはとてもできそうにないということを約束しているんだろうと私は思っております。  それではお伺いをいたしますけれども、今四十四基止まっている、この原発を稼働させるという前提が崩れているというのは現実なわけですから、その結果として二〇一〇年、二〇一〇年じゃないですね、ごめんなさい、二〇一〇年は終わっています、二〇一一年以降、温暖化ガスの伸びというのはどれぐらいになるとお考えですか。
  61. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 試算をいたしました。かなり仮定が入った試算ですので、そこは是非お含みおきをいただきたいと思います。  四十四基の原発が大体平均的に稼働していたという状況を想定をすると、六六%ぐらいの稼働率だったというふうに仮定をいたしました。それが四十四基止まっているわけですからゼロ%になっておりますので、その差をどう埋めるかということになるわけですね。最も大きな差が出てくるのは、これは火力発電で代替をしたというケースです。節電もなされずにそのままなされたということが前提ですね。  ですから、仮に四十四基の原発を、六六%がゼロ%になって全てを火力発電で代替をして、そこの部分についてはそのまま代替をしたという仮定をいたしますと、代替をしたと試算して機械的な数字を出しますと、年間で約一・五から一・七億トンというものが排出をされるという計算になります。
  62. 川口順子

    川口順子君 それは、九〇年の基準が十二億トン以上あったわけですが、それの何%ぐらいになりますか。
  63. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) あくまで仮定の数字です。あくまで仮定の数字でございますけれども、それをそのまま九〇年比と比較をして当てはめますと、約一二%から一四%と、そういう数字でございます。
  64. 川口順子

    川口順子君 日本はシンクですとかそれから京都メカニズムですとか、余裕はありますけれども、それを除いても九〇年比マイナス六%のところでとどめないといけない、それも五年間平均の数字なんですね。ですから、とてもその終わりの方で、二〇〇九年、ほぼ満たすような数字に近くなっているとは思いますけれども、一一年、一二年、まだあるわけですから、とても京都議定書の数字すら満たせない、それで、その上、二〇年二五%削減というのは非常に難しい。  やはり国際社会でこれを率直に今認められるべきではないでしょうか。そして二五%の目標を撤回をなさるべきではないでしょうか。お考えをお伺いします。
  65. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 今、四十四基の数字について年間換算でいたしましたけれども、例えば今年ということを考えれば、徐々に原発が止まってきていますので、この数字がそのまま当てはまるわけではありません。さらには、現実問題は、この夏極めて大きな節電を実行しておりますし、今年の冬どれぐらいこれが節電できるかということについても、大きく数字は今年ということでも変わってくるわけですね。  ですから、今数字が出ておるのは二〇〇九年まででございますが、二〇一〇年、二〇一一年、さらには二〇一二年というのもありますので、それはそれぞれの状況はどうなるのかという見極めはまだできておらないという状況でございます。  ですので、今の川口先生の御質問に答えるとするならば、こういった状況を様々踏まえて、総合的に考えて、そして将来のエネルギーの姿も見極めた上で、来年の夏にはどういった状況になっているのか、どういう目標を掲げるのかということについて、しっかりと国民皆さんにお示しをしなければならないと考えております。
  66. 川口順子

    川口順子君 COP17が間もなく始まることになります。そこで、国際社会は既に日本の二五%削減というのは織り込み済み、前提条件は飛んでしまって織り込み済みであるというのが、私が昨年メキシコでいろいろな方とお会いしてお話をカンクンでしたときの印象でございました。しかも、二五%削減日本がしたとしても、ほかの国の削減のコミット量、国連に出していますけれども、それを合わせても二〇五〇年に二度Cというのはとても収まらない数字になっています。日本は更にこれを削減を要求される可能性が非常に大きい。  来年の夏にはもうほぼCOPは終わっているわけですから、その点についての勝負はかなり議論が進んだ形になっているわけでございまして、日本の国益を考えたら、やっぱりこれはこの際理由があるわけですから、そこを話をして、これを撤回をさせていただくということを今取るのが国益だというふうに思いますが、いかがでしょうか。
  67. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) カンクン合意というのが昨年なされて、そこで日本はこういう数字を出しておるわけですね。もちろん前提条件付きです。ですから、そのことは現段階では変えておらないわけですので、これは変えておらないという状況を維持をしつつ、私はCOP17についてはむしろ様々な面での合意を目指していくと。京都議定書の中でも様々、CDMを始めとした機能がございますし、カンクン合意の中には、途上国の支援についても様々な積極的な提案をこれまでも日本は行ってきたし、これからも行っていく、そういう用意がございます。  そういったことも含めて、日本の立場をしっかりと国際社会に理解をしてもらえるような努力をしてまいりたいと考えております。
  68. 川口順子

    川口順子君 私も日本政府にはリーダーシップを取って建設的に、積極的に議論を前に進めていただきたいというふうに思っております。  それと同時に、できないものはできない。国際的な信用というのは、私は、日本が正直であるということで今までずっと来たと思います。日本の言うことには間違いがない、信頼が置ける、これを日本が崩すようなことを、二五%をやりますと言うことによって、それをやって国際的な今まで築いてきた信用を落とすというのは、私は広い意味で国益に反するというふうに思います。  それでは、ちょっと質問を変えますけれども、二〇一一年、先ほど総合的に考えて来年の夏というふうにおっしゃいましたけれども、二〇一一年の見通しは今どれぐらいだと思っていらっしゃいますか。
  69. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 二〇一一年というのはまさに今進行中でございますので、どれぐらいかという、そういうもう本当にまさに途上にあるわけですから、余りいいかげんなというとちょっと言い過ぎかもしれませんが、余り、全くそういう意味では試算の準備が整っていない段階で数字を出すのは適切でないと考えております。
  70. 川口順子

    川口順子君 今の御答弁、大臣、おかしいと思いますね。なぜおかしいかということは、多分大臣は事務方から聞いていると思いますけれども、我が国は今、地球温暖化対策推進法という法律がありまして、それに基づいて京都議定書についての目標達成、目達計画というのを決めております。これは閣議決定をしたものでございます。  その閣議決定の中に、政府は、平成二十一年度ですね、ですから二〇〇九年、これは民主党が政権を取った後の話ですけれども、その年に我が国における温室効果ガスの排出及び吸収の量の状況その他の事情を勘案して、目標及び施策について検討するということを目達計画でちゃんとこれに書いてあるわけです。これ自体は閣議決定をされております。それで、二〇〇九年度には第一約束期間全体、すなわち五年間ですが、における我が国の温室効果ガス排出量見通しを示し、本計画に定める対策、施策の進捗状況、排出状況等を総合的に評価し、必要な措置を講ずるものとする、閣議決定した文書に、ちゃんと先の五年間の見通しをつくるんだと書いてあるんですね。民主党はそれをなさらなかったということでしょうか。
  71. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) その問題については、これまでも川口委員と私の前の、民主党が政権に就いてからの環境大臣の間で累次の議論があったというふうに承知をしております。  政権が替わりましてから地球温暖化対策基本法案というのを提出をしておりますので、そうした法案の枠組みの中でそうしたことについても方針を出していくということでやってまいりました。そして、現実問題として、この法案がなかなか通らないという状態でございましたので、今おっしゃった点検というのが行われてこなかったという経緯がございます。  そこで、私も、やはり進捗状況についてはしっかりと点検を定期的にするのが望ましいだろうと、法案は法案で是非御議論をいただきたいと思っておりますが、そう考えておりますので、これまでの対策、施策の進捗の状況については点検をいたしまして、十二月の末をめどにその結果を取りまとめてまいりたいと考えております。
  72. 川口順子

    川口順子君 確認をさせていただきますけれども、今年の十二月の末までに、この目達計画に書いてある、二〇一〇年、一一年、一二年、五年間の長さのその期間における見通しを作ってお出しになるということでよろしいわけですね。
  73. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 先ほど申し上げたように、二〇一一年というのは余りに不確定要因が多うございます。ですから、この極めて高い不確定要因の中で一一年の数字を出し、一二年の数字まで出すというのは、これは本当にむしろ、不確実なことについて余りに断定的に言い過ぎるという可能性がありますので、どういった形でこの進捗状況について御報告をするのか、結果を示すのかということについては、そこまで確たることは申し上げることはできません。  したがって、この時点で検証できる範囲をもう少し絞り込んで、若しくはある程度幅を持って、やはり中間段階できちっと国民に対しても御報告する必要があるだろうということでございますので、どういった結果をお示しをするのかということについては、まだ確たる方針ができているというわけではございません。
  74. 川口順子

    川口順子君 とおっしゃいましても、十二月末というのはもう二か月先のことなんですね。これは大臣も御存じのように、関係省庁が非常に多うございますので、この検討を、日本の非常に悪い習慣がありまして、セットをするだけでも大変。しかも、不確定要素があるということは元々分かっている話でございまして、例えば幅を持った数字を出すとか、そういうことも可能であるわけです。  いずれにしても、これは閣議決定をした文書、閣議決定の内容に逆らう、要するにそれを守らないということを閣議決定もなしにやっているということでして、私は、民主党政権の一つの問題点として、法律を、決まったことをきちんとフォローしないで、思い付き、あるいは関係者の了解を得ないでものをやるという癖があると思っているんですが、これは日本のガバナンスのために是非直していただきたいというふうに私は思っております。  ですから、細野大臣も民主党を背負って将来立たれる方のお一人だと私は思いますので、是非そういうことをきちんと頭に置いて環境大臣の職務を務めていただきたいと思います。  それから、更に申し上げれば、さっき閣議決定に反するということを言いましたけれども、法律自体において、これは温対法の九条ですけれども、政府は、平成二十一年において、我が国における温室効果ガスの排出及び吸収の量の状況その他の事情を勘案して、京都議定書目達計画に定められた目標及び施策について検討を加えるものとすると法律に書いてあるんですね。それで、もちろんその変更をした場合には閣議決定をしなければいけませんけれども、私が見ている京都議定書目達計画の変更についての最後の閣議決定は二十年三月二十八日付けのものでございまして、二十一年度にやるという法律自体の定めに法律違反をしている、これが民主党政権がやっていることなんです。  ですから、先ほど申し上げたような広い観点でガバナンスをきちんと守っていただきたいというふうに私は思いますけれども、コメントをいただきたいと思います。  これは局長の答弁じゃないです。
  75. 鈴木正規

    政府参考人鈴木正規君) まず、事務的にちょっとお答え申し上げますが……
  76. 川口順子

    川口順子君 時間がないから短くしてください。
  77. 鈴木正規

    政府参考人鈴木正規君) はい。  そういう意味で、閣議決定等の趣旨に照らしまして、目達計画の進捗を今検討しているということでございます。
  78. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 目達計画に関する進捗状況については点検すると。その中には、できるだけそれは具体的に検証できるものについては検証したいと思います。ただ、数字を出せということに関して川口委員がおっしゃられるということであるとすれば、それは今の状況を考えれば一定のやはり制約があり、それが極めて大きな制約であるというのも事実でございますので、そうした温暖化のトータルな例えば現状であるとか将来についての数字などについては、来年の夏までしっかり議論した上でお出しをするというのが私どもの考え方でございます。
  79. 川口順子

    川口順子君 これも済みませんが、お答えになっていないんですが、私は、法律違反をした、九条に違反をしているということについてどう思われますかということを伺っております。  これは大臣答弁ですよ。
  80. 松村祥史

    委員長松村祥史君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  81. 松村祥史

    委員長松村祥史君) 速記を起こしてください。
  82. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 大変失礼いたしました。  九条には、「京都議定書目標達成計画に定められた目標及び施策について検討を加えるものとする。」と書いてありますので、それを年内にやるということであります。二項のところで、「政府は、前項の規定による検討の結果に基づき、必要があると認めるときは、速やかに、京都議定書目標達成計画を変更しなければならない。」ということになっております。この必要があるときはということについて、まだ十分な条件が整っているというふうには判断をしておりませんので、数字をここで例えば全く新しくするとか、そういったことについて目標を年内に改めるとか、そういうことができる状況ではないということを先ほど御答弁を申し上げました。
  83. 川口順子

    川口順子君 まだ、申し訳ありませんが、答弁になっていないと思いますけれども。  二十一年において、今平成二十三年なんですよ、平成二十一年においてやるということになっていた、これをやっていないではないかということを申し上げて、それに対して環境大臣、まあそのときは環境大臣でおありにならなかったのですが、その政権の今環境大臣の座にある人間としてそれをどう考えるかということで、これは法律を守らなかった、法律違反であるということでありますから、それについての御答弁をお願いをしたい。  これは局長答弁じゃありません、大臣答弁です。
  84. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) そのことは過去の大臣答弁でもさせていただいておりますけれども、改正案を提示をさせていただいておりましたので、その改正案の中でしっかりと議論していくというのがこれまでの政府の方針でございました。
  85. 川口順子

    川口順子君 その答弁自体が法律違反であるということを申し上げているわけです。二十一年に検討をするというふうに書いてあるわけです、ここに、「検討を加える」と。基本法を出した、まあこれは自民党も出しましたし、ほかの党も、公明党も出していますが、それ自体がこれを代替するものにならないというのは自明のことだと思います。  この問題については、もう時間になってしまいましたので引き続き他の場で、予算委員会等で取り上げたいと私は思っておりますけれども、なぜこれを言っているかというと、温暖化を、これに取り組んでいくためには更なる政策が必要なんです。更なる政策が必要であるということを言うためには、やっぱりきちんとレビューをして、国民の皆様に納得をいかなければ次の政策はできない。それが分からないで単に環境税とかいろいろおっしゃっても、納得が得られない。  そういうふうに仕事というのは、民主党政権には、特に細野大臣にはきちんとやっていただきたいということを申し上げたいので、今の一連の質問をさせていただいております。引き続き別の場でやりたいと思います。
  86. 松村祥史

    委員長松村祥史君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    正午休憩      ─────・─────    午後一時開会
  87. 松村祥史

    委員長松村祥史君) ただいまから環境委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、環境及び公害問題に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  88. 加藤修一

    ○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。  今、国内におきましてはTPP、この関係については随分と議論がなされるようになってきております。熟議の国会と言われたこともありますが、まだまだ熟議に至っていないし、これは熟議をやるという意味では、前提条件になるのはやはり情報の開示、様々な素材が提供される、そういうことが前提になって初めてオープンな議論も当然できるわけでありますが、口の悪い人に言わせますと、どうもこのTPPというのは秘密主義に陥っているのではないかなと、そういう指摘もあるくらいなんですね。言うまでもなく、国民は知る権利を持っているわけでありますので、そういう十分な情報と議論がない中で政府がもし決めることがあったとしたら、非常に遺憾なことだと私は実は思っております。  それで、生物多様性条約、こういう条約があります。これは世界でほとんどの国が入っております。しかし、五か国、そのうちアメリカがこれは批准しておりません。それから、カルタヘナ、いわゆるバイオセーフティに関するカルタヘナ議定書がありますが、これもTPPの関係で考えてまいりますと、アメリカも批准していない、オーストラリア、シンガポール、ブルネイ、チリ、九か国中五か国が批准していないという話になっております。これは多国間条約ということでありますので、そういうことをむげにしてTPPの中身が決められるというふうに私は考えておりませんが、懸念はしているわけであります。  そういうTPPの関係とこの生物多様性、また議定書、それから補足議定書もございますが、そういう関係の中で生態系の保全とか環境の保全、そういった面についてどのように環境省は考えているか、改めてこれはちょっと確認をしておきたいと思います。
  89. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) TPPと環境の課題についての関係については、私も今省内で整理をして、しっかりとこれは分析をしていかにゃいかぬというふうに思っておりまして、おおよその今整理を終えたような状況でございます。  今、加藤先生から御質問の、TPPにおける環境分野の中でも生物多様性条約であるとかカルタヘナ議定書の関係でございますが、今のところ得ている情報では、基本的には、例えば日本がTPPに参加をすることによりまして、こういう条約に入ったこういう取組がそれこそできなくなるとか制約をされるということはないものというふうに承知をしております。すなわち、例えばTPPにおける環境分野の交渉において、多国間協定の義務を遵守をすること、こういうことが議論されているようであります。さらには、貿易投資促進のために環境基準を緩和しないこと、こういった議論もされているところでございます。  一方で、環境規制を貿易障壁として利用しないことという、こういうことも言われておるようでございますが、これはカルタヘナ議定書にしても生物多様性条約についても、それこそ百五十か国をはるかに超える国々が締結をしているわけですから、これが貿易障壁とみなされるということは、これはこういった経緯を考えれば考えにくいというふうに承知をしているところでございます。
  90. 加藤修一

    ○加藤修一君 確実にないという、そういう答弁でありましたので、改めて確認した次第でありますけれども、生物多様性の関係については世界中に様々なホットスポットがあるわけでありまして、やはり生物多様性についての関係の条約、議定書、これはもう批准していることが望ましいわけで、我が国としては当然批准しているわけでありますから、補足議定書についてはまだこれからの段階で検討中と伺っておりますけれども、世界で相当数まだ残っている、批准をしていないと。そういう国々に対しても、日本はやはりそういった面について批准ができるような環境醸成、あるいは様々な手だてを尽くして批准がより一層進むように努力をすべきではないかと、このように考えておりますけれども、環境省はどういう姿勢でありますか。
  91. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) まずカルタヘナ議定書でございますけれども、この議定書の中でも、締約国に対して、非締約国が議定書に参加することを奨励することを求めております。  また、我が国で開催をされました昨年のCOP10でございますが、その中では国連生物多様性の十年という提案がなされておりまして、その中で、そうした生物多様性条約であるとかカルタヘナ議定書に対してできるだけ多くの国々に参加を求めていくという、そういう方向性については示されているものというふうに承知をしております。  したがって、米国は当然国連の大変大きな役割を担っている国でもありますから、こういった枠組みの中で米国に対してもそういった方向を当然促していくということになろうかと思います。
  92. 加藤修一

    ○加藤修一君 より一層積極的にお願いしたいと思います。  三・一一の問題、大事故等を含めて、大変な事故が起こり、そしてまた地震、津波等、日本国民にとりましてこれほどの痛手を負ったという意味では有史以来なかったぐらいのことだと私は思いますけれども、午前中も同僚の委員がこの点について質問されておりました。我が党もいろんなPTを立ち上げて、やはり様々な法律についても議員立法ということで推進をしていかなければいけないということを考えておりまして、政府も既に様々な法律を成立をしていただいておりますけれども、福島県を中心にして健康調査等が今行われている段階であります。  私は、この予算措置の関係含めて、これは二十年、三十年掛かる話なんですよね。放射線による被曝に関連して、やはり周辺地域住民の不安の解消とかあるいは継続的な健康管理、そういったものを図っていかなければいけないと。放射線が人の健康に与える影響に関するいわゆる科学的な知見、そういった充実を図らなければいけないわけでありますし、その事業の実施あるいは結果の関係についても十分使えるような形にしていかなければいけない。長期にわたって続くものでありますから、財源の関係についてもやはりしっかりと法的な担保をすべきであると、そういう意味では、法律をこの関係についても作っていかなければいけないというふうになってくるわけであります。  そういう意味で、地域との調整をしながら我々もこの法案の骨子についても作ってまいりました。そういうことについて、細野大臣是非、今各党についても協議を進めていこうということで様々なところで説明をさせていただいている最中であります。  それからもう一方は線量管理の関係でありますけれども、従来から核燃料サイクルの関係についてはいわゆる線量の管理手帳、こういったものがあります。もちろんこれは法的な根拠がないわけでありますけれども、ただ、核燃料サイクルの関係に従事している皆さんについては線量管理をしなければいけない、あるいは記録も取らなければいけない等となっているわけであります。  ただ、放射線を扱うのは何も核燃料サイクルだけじゃないと思います。これは医療の分野もそうですね。そこに従事しているレントゲン技師、医師等々含めて、やはり放射線に被曝する可能性が十分考えられる。あるいは、高高度で飛んでいる飛行機、乗務員の関係でありますけれども、頻繁に行ったり来たりしている、宇宙線を浴びる、これも放射線の一つでありますけれども、そういう関係については、先進国はほとんどこういった面についての一元化というのはなされているわけなんですね。韓国も一元化をしているということであります。日本はここはまだそういう形にはなっていないと。  私は、そういうことをするための法律ということについて、骨子案を作り、要綱を作りという形に公明党としてまいりました。この件についても、また他党の皆さんの協力を仰ぎ、調整をしながら今国会に成立できればいいなという思いで来ているわけでありますけれども、細野大臣の協力もいただきたいと、このように、日本の法律について若干説明を申し上げましたけれども、これについてお考えを聞かせていただきたいと思います。
  93. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 御検討いただいている法律については私も非常に注目をしておりますし、そうした福島でそれぞれ御苦労をされている皆さんをしっかり政府として支えていくという体制はつくらなければならないというふうに考えております。  まず、職業被曝の方なんですけれども、今パイロットなどについても言及をされましたけれども、確かにそういう包括的な検討は必要だというふうに思います。一方で、一番やはり職業被曝で今我々がしっかりと見ていかなければならないのは、東京電力の福島第一原発の中で働いておられる、そういう皆さんです。この間、私も現地に診療の場所を確保したり、お医者さんを確保したり、さらには、放射線管理については国がやるようにということで体制を変えたりしてまいりまして、現場はそういった中で本当に皆さん頑張っていただいて、やっていただいています。  ですから、そこはまずしっかりした体制を改めてつくっていくということだと思います。それを法律というものでできるのか、若しくはこの体制の強化ということでやり得るのか、そこは少しいろんな御議論をいただいたその結果も踏まえて私どもとしても考えたいと思っております。  一方で、県民の一般の皆さんの方でございますが、これはまた違った意味での様々な検討が必要なのではないかと思っております。  これまでは財政面での支援については七百八十二億円の原子力被災者・子ども健康基金というものを、これは福島県の方と協議をしてつくらせていただきました。その中で、かなりの財政的な規模ではありますので、今やっております様々な健康調査などは当面は財政的に枯渇をすることはなかろうと思っております。国も全面的に様々なことについてサポートをしております。これを県が実施をし、国がしっかりサポートをするという形でやっていくべきなのか、若しくは国の役割をもう少しきちっと位置付けるべきなのか、そこも長い目で見たときにはしっかり考えていかなければならないところであると思っております。  したがいまして、いろいろと御提案を今いただいておりますので、それをしっかりと見させていただきながら、政府としてどういった対応ができるのか、そこを見極めてまいりたいと考えております。
  94. 加藤修一

    ○加藤修一君 是非、積極的な検討を含めて、成立に向けて御協力をいただきたいと思います。  それと、被曝管理、健康手帳ということじゃないんですけれども、いわゆる放射線管理の関係ですけれども、これは今回の事故の関係でも従事者、警察もいれば自衛隊もいれば消防署員もいればということでありますので、そういった関係性についても、どう記録を取って集約して一元化という意味の新しいシステムをつくることができるかということが非常に私は重要だと思っておりますので、そういったことも含めてしっかりと把握をしていただきたいなと、そう思います。  それで、所信表明、大臣挨拶の中で、放射性物質による汚染は究極の環境問題の一つであると、私もそのようにとらえております。  福島原発事故によって大気中に放出された放射性物質、発表されているところによりますと、沃素の131にプラスして、沃素131に還元したセシウム137の合計の値としては、新しいデータもあるかもしれませんが、原子力安全・保安院は三十七京ベクレル、それから原子力安全委員会がそれと違った数字を出して六十三京ベクレル。新しい数字があるかもしれませんが、相当の量が出ているということになるわけですね。  それで、私が何を言いたいかというと、通常の原子力の運転の最中でありますけれども、このときも放射性物質は放出されていると。年間、これは管理目標数値でありますけれども、百万キロワット級の原子力発電所で、ある人は九百兆ベクレルぐらいという言い方もしている。それはあくまでも管理目標数値でありますから、そこまでぐらいは許される、出していいという話である。  あるいは、再処理工場はたしか三十三京ベクレルという数字もありますね、管理目標数値としては。それは一年間に三十三京ベクレル、その数字だけを考えると、今回の福島の数字に近い部分もあるわけですね。あるいはその半分かもしれません。相当の量が、再処理工場がフル稼働したときには日常的に一年間それだけの量が出される、出していいと。これは大気中に出す量でありますから、海水に出される排水なんかは今私は言っておりませんが、そういうことだと思うんですね。ですから、これは大変な話なんで、私は、基本的には早期に最小化すべきではないかなと、そんなふうに思っております。  半減期があるといっても、これは十年、五十年、百年すれば蓄積性の問題が出てくる。これはCO2が蓄積して最終的に地球温暖化ということにもつながっているという話が我々が認識しているところでありますけれども、それと同じようなというのは、蓄積性の負の効果ですよね。そういうことも十分考えなければいけない。そういうことについては、予防的に対応するという意味では、先ほど申し上げましたように早期に最小化すべきであると、このように考えている次第でありますけれども、その辺、どう大臣はお考えですか。
  95. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 現在、発電所において敷地境界周辺で公衆の受ける線量についての上限というのは、法律では年間一ミリシーベルトとなっております。これが原子力委員会の指針で更に五十マイクロシーベルト・パー・年となっておりまして、事業者は保安規定で更にこれを下回る目標値を設定をしております。  ただ、これはいずれもミリシーベルト、マイクロシーベルトということでありますから、そこにいたときに受ける放射線量で、今加藤先生がおっしゃったのは放射性物質の量ですね、それで規制をするという形にはなっておりません。そういう御議論があるのは承知をしておるんですけれども、基本的には被曝線量で上限を設けるという、こういう考え方を我が国も取ってまいりましたし、諸外国もそういう状況にあるというふうに考えております。  あとは、今回の事故を受けて様々な放射性物質の飛散の問題が出てきているわけですので、そういう御議論をどのように受け止めるのかということについて、今御提案もいただきましたので、検討は必要かというふうに思いますが、基本的には被曝線量で測っておりまして、それについて確実に守っていくというのが我々の当面の姿勢ということでございます。これは東京電力福島第一原発についてもできるだけ下げてこの限度内に収まるようにしていくというのが当面の目標でもあるということも併せて申し述べます。  御指摘の六ケ所であるとか、ほかの再処理の工場などの上限もそれぞれ一定の枠内でということで設けておりますので、今御提案も含めて、今後どのように対応するのかということについては検討していきたいと考えております。
  96. 加藤修一

    ○加藤修一君 空間といいますか、地球環境はキャリングキャパシティーを含めて、環境容量というのは一定ですよね。要するに、それ以下でなければいけないということになるわけでありまして、あるいは空間資源、空間の資源が汚染されることは最大限避けなければいけない。でありますので、国際化学物質戦略アプローチにおいても二〇二〇年目指して最小化をしよう、有害な化学物質については最小化しようと。それと、放射性物質もこれは化学物質でありますので、それはその中に入ってきている、アプローチの中に入っている話ではありませんが、やはり最小化をするということについては関心を持たなければいけない。  要するに、空間資源がどんどん汚染されているということは言うまでもない話でありますから、それは原爆の実験によって大気が相当汚染されたというのはこれは周知の事実でありますから、それと同じように、後で、この平時において、いわゆる原発等々含めて核施設から出ていることについて最小化を考えないというのは、やはり私はあってはいけないんではないかなと。できるだけ最小化することであって、そのための技術だって開発されているわけですから。それと、私は、放出して拡散、希釈ができるという考え方もやはり改めるべきじゃないかなと思いますけれども、その点を含めてどうですか。
  97. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) できるだけ全体としての量を減らしていくべきだという加藤先生の御指摘は大変ごもっともだというふうに思います。  あとは、これはちょっと考え方として私も一度頭を整理してみたいなと思うんですけれども、例えば自動車なんかでも排出ガスの規制というのは濃度でなされているわけですね。自動車にもそれなりに有害な物質は出ますが、一台一台がそれこそガソリンを燃やして走るのに、レベルがどんどん上がるようでは話になりませんので、できるだけ低減をしていくということで規制をクリアしております。じゃ、自動車の台数を制限しているかというと、そんなことはなくて、大変な数の自動車が走っているわけですが、それは全体として個々の規制の中で考えられているということでございます。  そういう自動車と同様に考えてあくまで濃度の規制ということでやっていくべきなのか、若しくは全体として、原子力の場合には放射性物質という確かに特殊な物質ですから、そういった意味で総量規制で考えるのか、そこはいろんな議論があり得るだろうというふうに思います。  ただ、今先生が御指摘をされたように、全体としてできるだけ少なくしていくべきであるという議論は必要だというふうに思いますし、日本のこの分野における議論ではそういった議論というのは余り行われてこなかったというふうにも思いますので、そこはしっかり頭に置いて今後の対応をしてまいりたいというふうに考えます。
  98. 加藤修一

    ○加藤修一君 今、濃度規制の話がありましたけど、再処理工場は、いわゆる原発と比較して、原発の場合は排水関係を含めて濃度規制はあるわけですよ。ところが、再処理工場については濃度規制ないんですよ。それはおかしな話ですよね。だから、そこはそれでしっかりと私は検討を加えていただきたいということと、総量規制ということについてはアメリカもやっている話なんですよ。全体として総量規制をやる、放射性物質の排出の関係については総量規制をやるということで、実際基準を設けてやっているわけなんですね。  全体として一般環境への放射性物質を基準を下回るレベルで考えなければいけないということで、これはウラン燃料サイクルという中で、通常運転中における発電百万キロワットの一年間当たりの基準を設けてやっていると。ウラン燃料サイクルはどういう意味かというと、核エネルギーを利用した一般利用のための発電を直接支える範囲のウラン鉱石の製粉、ウランの化学変換、ウランの同位体濃縮、ウラン燃料の製造、ウラン燃料を用いて軽水冷却原子力発電所で行う発電及び使用済ウラン燃料の再処理意味するというふうに、これはアメリカのケースでありますけれども、日本はウラン鉱石は採掘しているわけじゃありませんから若干違った話になるかもしれませんが、こういう意味での総量規制ということも既に考えている話なんですね。  だから、もっともっと我々日本はこういう関係も含めてしっかりと対応を考えなければいけない、このように私は考えております。所感があるならば、ちょっとお願いいたします。
  99. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 米国の件は確認をしてみたいと思います。今、加藤先生指摘なのは、ウラン鉱山などの割と川上の方の話をされたと思うんですが、米国が原発も含めてどういう形で規制をしているのか、そこは確認をしてみたいというふうに思います。  ですから、考え方としてそういう考え方が世界で取られているのであれば、当然日本もそれについては検討が必要だというふうに思います。
  100. 加藤修一

    ○加藤修一君 あっという間に時間がたってしまいましたけれども、除染の関係で、求償と資金の捻出等の関係になってまいります。  除染の対象で五ミリシーベルトから一ミリシーベルトに転換した、環境省転換したとは言っておりませんが。  原子力損害の賠償に関する法律がありますが、その第三条には、無過失責任に関する規定のただし書に、その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によって生じたものであるときはこの限りではないというふうに書いてあるんですね。免責条項です。それで、原子力損害賠償法の免責規定をめぐりまして裁判が東京地裁に提訴をされたと、こういう報道がありました。それで、国側によってこの地裁に提出した書類には、免責は、人類がいまだかつて経験したことのない、全く想像を絶するような事態に限られるべきだと、このように反論していると。  これはなかなか分かりづらいんですよ。どういうときに免責になるかどうかという内容が分かりづらい。この辺はやはり私は明確に、より具体的にすべきであると思いますけれども、これはどうお考えですか。
  101. 田中敏

    政府参考人(田中敏君) 先生指摘の原子力損害賠償法における免責条項でございます。  通常、損害賠償というのは過失責任ということでございますが、原子力損害賠償につきましては無過失責任ということでございます。この流れもあって免責条項ということが規定されているわけでございますけれども、これにつきましては昭和三十六年の国会審議において、今先生がおっしゃったような、人類の予想されていないような大きなもの、全く想像を絶するような事態と、こういうような説明がなされたという経緯がございます。  この趣旨は、原子力事業者に責任を負わせるということが余りにも過酷な場合にのみ原子力事業者を免責するというような趣旨であると理解をしてございまして、異常に巨大な天災地変であるかどうかということの判断につきましては、最新の知識に基づいて到底想定し得ないような天災地変であったかどうかということが基準になるというふうに考えてございます。  今回の事象につきましては、既にそれを超えるような地震あるいは津波ということも過去に起きているというようなことも踏まえまして、この免責条項には当たらないという判断をしているところでございます。
  102. 加藤修一

    ○加藤修一君 ではどういう場合に免責条項に当てはまるのかということを聞いているんですよ。だから、余りに過酷なというのはどういう状況ですか。  私は、関東大震災の三倍以上ならばという話もあるけれども、三倍ならそんな過酷にはならないかもしれない、分かりません。分からないから私は質問しているんですよ。お願いします。
  103. 田中敏

    政府参考人(田中敏君) これは若干定性的で申し訳ございませんけれども、過去に世界で発生したいろいろな地震あるいは津波ということと比較をいたしまして、あるいは記録をきちんとたどってみて、人類が想定し得ないような想像を絶するようなものということについては免責の対象というような定性的な説明でございます。  これはなかなか分かりにくいじゃないかというようなことでございまして、当時の説明の例として、関東大震災の三倍程度というような事例をもって御説明を申し上げたという経緯がございますが、それはそのときの科学的知見に基づきますと関東大震災の三倍ぐらいはもう想定できないんじゃないかというようなことであったと思いますけれども、現時点におきましては三倍を超えるような地震も既に起こってございますし、その具体的な例ということは当てはまらないというふうに考えてございます。
  104. 加藤修一

    ○加藤修一君 私は昔の知見の話なんて聞いてませんからね。今の話を聞いているんですよ。  マグニチュード一〇、これはTNT火薬に換算すると百五十億トン。このマグニチュード一〇というのは、学者の間では、地球上で起こり得る最大の地震だというふうにある資料には書いてあります。あるいはマグニチュード一一、これはTNT火薬四千八百億トンに相当すると。これは恐竜絶滅の原因と見られる小惑星が地球に衝突したときの地震というか震動だという話なんですね。  だから、もっと具体的な、マグニチュードで表すとか、そういうやり方はないんですか。
  105. 田中敏

    政府参考人(田中敏君) ちなみにマグニチュードでございますと、チリ地震、これは一九六〇年でございますが、マグニチュード九・五、アラスカ地震、六四年に起こってございますが、九・二と。今回の地震は九・〇でございますけれども、九・〇を超えるような地震というのは既に実際に人類が経験をしてございます。これを超えるような地震というようなことが起こり得るならばそういうことだろうというふうに思います。
  106. 加藤修一

    ○加藤修一君 誤解のないように話をしておきますけれども、私は免責をさせろという話じゃないんですね、これ一般論として話をしているんですよ。それから、求償して、それに対して努力規定になっているということもおかしい。じゃ、極小化するというんですね。国民の負担を極小化するというふうに言っているけれども、その辺の数字的な関係が全く分からない。何をもって極小化として判断するのかということも分からないし、努力規定ですから、努力したけれども駄目だったという話もあるんですよ。そうするとお金が入ってこない。すなわち、それが国民負担に跳ね返るということも想定しなければいけないということになるんですね。  だから、私は、もう少しここは分かりやすい対応を考えていただきたいということなんですね。よろしくお願いします、最後に一言。
  107. 田中敏

    政府参考人(田中敏君) この法律に書かれた趣旨について、本当に分かりやすいように、多くの方々にそれが御理解いただけるような努力をこれからも進めていきたいというふうに思います。
  108. 加藤修一

    ○加藤修一君 また同じ質問をしますから。
  109. 水野賢一

    ○水野賢一君 みんなの党の水野賢一です。  まずは地球温暖化問題について取り上げたいというふうに思います。  温暖化については、懐疑論、つまり地球温暖化を疑う、そういうような論議というのが一部にはありますよね。これは、地球は温暖化していないというようなことを言う人もいれば、人によっては、温暖化の事実自体は認めても、その原因は二酸化炭素じゃないとか人為的な原因じゃないとかというような、そういうようなことを言う人もいるんですが、こういう問題を余り取り上げると、そもそも温暖化対策が必要なのかというようなことになって、対策の足を引っ張るようなことにもなりかねませんから、余り私、深入りしたくはないんだけれども、今日は最初の質疑ですから、大臣の決意を伺っておきたいと思ってあえて提起したんですけれども。  大臣大臣としては、こうした一部に流布されているような懐疑論に関係なく、しっかりと温室効果ガスの排出削減に取り組んでいくという、その決意でよろしいですね。
  110. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 今、水野委員が御指摘をされたとおりでございます。  このIPCCの第四次評価報告書というのは、これは世界中の研究者が参加をし、そして国もしっかりと関与する形で策定をされたものであると承知をしております。その中で様々な議論が行われて、気候システムの温暖化には疑う余地がない、さらには、人為起源の温室効果ガス濃度の観測された増加によってもたらされた可能性が非常に高いということでございますので、こういう前提に立って温暖化にしっかりと対応をしていく、そういう方針でございます。  済みません、時間入ってしまって恐縮です、さっきのちょっと訂正だけ。  先ほど自動車が濃度だということで申し上げましたけれども、一台一台のキロ当たりの量で規制をされておりますので、総量ではないという趣旨で申し上げました。済みません、時間割り込みまして。
  111. 水野賢一

    ○水野賢一君 この温暖化とかも、因果関係を一〇〇%の証明というのは実はなかなか難しいわけなんですよね。  例えば水俣病の例なんかを見ても、水俣病というのは早い段階からチッソ、当時の新日本窒素肥料ですよね、そこの排水に含まれる水銀が原因じゃないかという指摘は早くからあったんだけれども、一方で、同時に、例えば風土病じゃないかとか、若しくは旧海軍が投棄した爆薬が原因じゃないかとかいろんな説があって、結局国がチッソの排出が原因だというのを認めたのは、もう公式発見から、病気が公式に発見されてから十二年もたってからであって、その間、チッソは排水を流し続けて結局被害が広がってしまったわけですから。  ですから、こういう問題というのは、これ一〇〇%の因果関係が証明されてから対応を取るというのでは手遅れになってしまうわけだから、だからこそ、予防原則というか早め早めの対応というのが、ある程度の可能性がある以上、しっかりと取っていくことが必要だというふうに思いますが。  さて、続けてお聞きしますけれども、政府として、エネルギー起源CO2が地球温暖化の大きい原因だと考える根拠を伺いたいんですが、今IPCCの報告書の話もありましたけれども、当然、このIPCCの報告書は大きい根拠だというふうに思いますが、ほかにも例えば国立環境研究所などの研究で、環境省独自でもそうした知見は得ていらっしゃるんでしょうか。
  112. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 我が国政府といたしましては、独自に科学的な研究を進めておりまして、今御指摘の国立環境研究所、そして東京大学、さらには文部科学省が所管をしております海洋研究開発機構によりまして研究がなされ、その中で温暖化が人間活動に伴うものであることを強く示唆する研究成果が得られております。  したがいまして、そこはIPCCの第四次評価報告書とともに、我が国も検証した上でそうした考え方に立っているということでございます。
  113. 水野賢一

    ○水野賢一君 その温暖化対策に対する国内対策の柱の一つが環境税が挙げられますよね。政府の用語を使えば地球温暖化対策のための税ですけれども、さきの大臣挨拶でもその導入に意欲を示されたわけですが、これは法案としては既にこの通常国会に提出をした国税関連法案の中に盛り込まれていますが、まだその法案は成立していないわけですけれども、ちょっとこれ事務方で、参考人で結構ですが、法案では元々いつから課税が始まる予定だったんでしょうか。
  114. 白石順一

    政府参考人(白石順一君) 御指摘の平成二十三年の税制改正法案におきましては、本年十月一日からの導入ということで御提案申し上げておりました。
  115. 水野賢一

    ○水野賢一君 十月一日からといっても、もう今既に十月二十七日なわけですから、そうすると、この法案も何らかの修正が当然必要になるわけであって、少なくとも施行期日の修正はどう考えても必要になるわけですね。そのときに、施行期日だけを修正するのか、それとも中身の修正も考えているのか、いかがでしょうか。
  116. 白石順一

    政府参考人(白石順一君) 去る十月十一日に政府税調に示されました東日本大震災からの復興のための事業及びB型肝炎対策の財源等に関する税制大綱、これに基づきまして、御指摘の施行時期は本年十月一日から平成二十四年四月一日に変更するとともに、それに合わせて平年度化する時期も後ろにずらすというふうな変更ということを検討しておりますけれども、その内容についての検討ということはございません。
  117. 水野賢一

    ○水野賢一君 中身は変えないということですけれども、その中身についてちょっと議論したいと思うんですけれども、地球温暖化対策のための税、以下、環境税というふうに言わせてもらいますけれども、これ大臣、特定財源なわけですよね。この税収はエネルギー対策特別会計の中のエネルギー需給勘定に入って、基本的に温暖化対策のために使うという特定財源なんですが、大臣、何でこれ環境税、特定財源である必要があるんですか。
  118. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 今や特定財源ということに関しても、若干その定義が曖昧になってきておりまして、元々、石石税も確かに特別会計に直接入っておりましたが、あるときから一般会計に入ってそこから歳出をされるという形になっております。  したがって、大事なことは、きちっと温暖化対策に幅広くしっかりと予算を配置をできるということでありますから、私は、歳出さえきちっと確保できれば、きちっと財源ということが、いろんな意味での財源が確保できて、きちっと温暖化対策に予算が付けられるという状況が確保できるようであれば、特定財源という形にこだわる必要はないというふうに考えております。
  119. 水野賢一

    ○水野賢一君 特定財源とは何ぞやという定義をいろいろとここで議論するつもりはありませんが、過去の答弁でも、過去の大臣などの答弁でも、この新しい環境税は特定財源だということは認めていますので、それを前提に話を進めますが、まず私自身の環境税に対する考え方をちょっと申し上げれば、実は環境省が具体的な環境税の案というのを提案してきたというのは、二〇〇四年の末に、当時の環境省が二〇〇四年末の税制改正の議論のときに具体案というのを提示してきたんですね。それまでには審議会レベルでは、例えば中央環境審議会なんかでも議論されていることはあったけれども、二〇〇四年末に初めて具体案を出してきたと。  そのとき私は自民党の環境部会長だったのでそのときの議論をよく覚えていますけれども、自民党の中でも、賛成、反対、いろいろ議論ありましたよ、入り乱れていましたが。業界団体という業界団体はもう絶対反対。経団連は言うに及ばず、石油連盟からガス協会から電気事業連合会、さらには鉄鋼連盟、トラック協会、日本自動車工業会、セメント協会、もう絶対反対という、白石さんなんかそのとき官房総務課長だったからいろいろとやり取りしたのは私も覚えていますけれども。  そのとき私は推進の方の急先鋒でありましたし、今もこの環境税で、環境に負荷を与えるものに対しては課税をしていくんだというその発想自体は大賛成ですけれども、何で特定財源なのかということなんですよ。これ、細野大臣も野党時代、道路特定財源の無駄遣いについて予算委員会なんかで非常に鋭く追及していらっしゃったのを私もよく記憶しているし、それはそれで全くもってそのとおりだと思って、当時違う党であって、まあ今も違う党ですけれども、聞いていましたけれどもね。  しかし、特定財源ってやっぱり無駄遣いの温床になりがちだと思うんですよね。特定財源は結局、必要だから予算を付けるというんじゃなくて税収があるから、税収があるからそれを使い切るまで使うということにどうしてもなりがちなんであって、だからこそこの部分は、このせっかく新しくできる環境税は特定財源である必要はないというふうに思っていますし、先ほどちょっとそういうほのめかしもありましたが、改めていかがですか。
  120. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) ポイントは私、二つあると思っていまして、一つは、環境に負荷のあるエネルギー源にきちっと課税をすることで無駄なエネルギーの消費を抑えるという、そういう効果が税にはありますので、それがしっかり確保されることですね。もう一つは、やはり集まった税金の使い方ということも含めて、幅広い意味で、この税金がここに行かなければならないという狭い意味ではなくて、やはりそういう、環境に負荷のない社会を目指すという大きな方向性において確実にそういう財源が確保できて環境対策が進むという、この二つだというふうに思っております。  したがって、旧来から言われているような特定財源という名の下に、ここに入ったからここに使わなければならないというような画一的な運用はする必要がないと考えております。
  121. 水野賢一

    ○水野賢一君 参考人で結構なんですが、今までこれ、ちょっと今の細野大臣の答弁だと、必ずここに使わなきゃいけない、ここに行かなきゃいけないというのとは違うんだという話ですが、基本的に今まで政府説明というのは、環境税エネルギー対策特別会計のエネルギー需給勘定に入るんだという、そういう説明があったと思うんですが、このエネルギー需給勘定、剰余金、今どのぐらいあるんでしょうか。
  122. 白石順一

    政府参考人(白石順一君) ただいま私の手元にありますものでは、直近で三百六十八億円が一般会計に留保されているというふうに承知しております。  年次は……じゃ、済みません。
  123. 鈴木正規

    政府参考人鈴木正規君) 直近の平成二十二年度決算を踏まえました特会の剰余金でございますけれども、環境省関係で三十七億円でございます。
  124. 水野賢一

    ○水野賢一君 いや、別に環境省関係に限らなくていいんですよ。ちっちゃく言わないでください。
  125. 鈴木正規

    政府参考人鈴木正規君) 全体では七百五十五億円でございます。
  126. 水野賢一

    ○水野賢一君 それだけ剰余金、それでも減っているんですよ、前は千億以上あったんですからね。  要は、特別会計というのは、よく母屋でおかゆなのに離れですき焼きというふうに言われるわけですよね。そういうような例えがよく使われますけれども、これだけ剰余金があると。そこに新たに二千億以上の新税が入ってくるわけであって、これはだから、すき焼きでおなかいっぱいで食べ残しがあるところに更にごちそうを持ってくるのと同じような話になるわけですから、私はこの在り方はおかしいというふうに思っていますけれども。  これも参考人で結構ですが、エネルギー需給勘定に入ったこのお金というのは、温暖化対策といっても、森林吸収源対策とかフロン対策には使えますか。
  127. 鈴木正規

    政府参考人鈴木正規君) 先生御承知のとおり、温室効果ガスのうち約九割がエネルギー起源のCO2の排出で成っておりまして、そういう意味で、まさに温暖化対策として化石燃料に課税をした上でエネルギー関係のCO2を削減しようというものでございます。御指摘のフロンと吸収源等についてはこの特会からは支出しないという仕組みになっております。
  128. 水野賢一

    ○水野賢一君 だから、細野大臣がそうやって狭く使わないというふうに言ったって、結局これは使えないんですよ。  例えば、温暖化対策といっても温暖化対策の一部に使えるだけで、例えばこれ森林吸収源対策にも使えなければ、フロンというのは、種類によるけれども、CO2よりも一万倍以上も極めて強力な温室効果ガスのものもありますからね。そうしたものの回収、破壊に使おうと思っても、結局どんなに効果があっても使えない。なぜならば、特定財源で使途が限定されているからですよ。確かに、環境税なんだから環境に使うのが当たり前だという考え方もそれは一部にはあり得るんだけれども、さはさりながら、僕は、それは環境税に対する思想が間違っているというふうに思います。  だから、環境税というのは、単に環境の財源を確保するんじゃなくて、大臣もさっきおっしゃられましたけれども、環境に負荷を与えるようなものを、これを例えばこの場合でいったら化石燃料を使うなとは禁止はできないけれども、それに課税することによって、人為的に高くすることで、高くすることでそれを使わない方が得だよねという社会に切り替えてシフトさせていくという、これを価格効果といえばこういう価格効果環境税の命なわけですから。  だから、そういう意味では、低い税率で特定財源的に温暖化対策だけに使うというようにするよりも、一定の高い税率にして、そうすることに意味があると思うんですよね。ただ、使途はこだわらないと。高い税率にしたら大増税になっちゃうから、そのままでは大増税ですから、むしろほかの部分では減税をしたりして税収中立にしたっていいというふうに思うんですが。  大臣、こういう、単なる財源確保じゃなくて価格効果のところにもっと力点を置いて着目するような、そういう制度設計にすべきじゃないですか。
  129. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 水野委員が一番御苦労されたところでもあると思うんですけれども、これを導入するときには相当様々な業界から厳しい声もあって、やはりこれまで石油石炭という比較的エネルギーでいうと一番川上のところで取ってきた税金で、そこで安定的に取ることが一番受け入れていただきやすいだろうということでそこの導入にしたわけです。それにしっかり上に乗せる形で導入したわけです。これからの考え方としては、やはりそういう税をしっかりと取ることによって、できるだけエネルギーをたくさん使わない、多消費型ではない社会をつくるという方向での税の掛け方を検討すべきだというふうに思います。  先ほど私が使途を限定しないと申し上げたのは、私はこれは、例えばエネルギー特会は経済産業省のものだとか、若しくは環境省がここは予算を持っているんだとかいう、そういう狭い考え方に立つ必要はないということで申し上げました。  更に先に行くならば、エネルギー特会自体が本当に必要なのかという議論も必要だというふうに思っております。当面、この石油石炭税及び温対税というのは一般会計に入ってそこから特別会計に入る形になっていますから、そこも、それこそ役所の中では、そこは北方領土で、残っているやつは返せとかいう非常に省益にこだわった言い方をする言い方もありますが、そういうことは論外だと。一般会計に入っている以上はそこから幅広く、森林吸収源だろうがフロンだろうが使えるようにしたらいいと思うんですよ。トータルに環境負荷のない社会をつくるという使い方は現状においてもあるし、制度自体もどんどん変えていかなければならないと、そう考えております。
  130. 水野賢一

    ○水野賢一君 さて、その環境税ですけれども、炭素含有量に比例をして課税していくわけですから、当然、化石燃料の価格は高くなるわけですよね、まあそれが狙いなわけですから。そうすると、発電に関していえば、これ相対的に原発がコスト面では有利になるわけですね、化石燃料の方が高くなるわけですから。原発のみならず再生可能エネルギーも有利になりますけれども。原発が有利になって果たして良いのかどうかということも議論しなきゃいけないんですけど、そのときにはどれだけ影響があるのかのデータがないと当然議論できませんよね。  で、伺いますけれども、よく一キロワットアワーの発電コストだと原発五・三円とか石炭火力六・二円とか、政府は試算があるわけだけれども、まあそれ自体が正しいのかどうか今議論されているんでしょうけれども、政府が導入を目指している環境税は炭素トン当たりでいうと一千六十円ですね。これで導入すると、石炭や石油や天然ガス火力の発電コスト、それぞれどのぐらい引き上がることになるんでしょうか。
  131. 白石順一

    政府参考人(白石順一君) 御指摘の炭素トン当たり千六十円で計算をしてみますと、火力発電の燃料費に転嫁されるなど一定の前提ではございますけれども、発電実績あるいは燃料消費量から試算を行いますと、石炭火力では〇・二円から〇・三円ぐらいの間、それから石油火力では〇・一円から〇・二円程度の間、それからLNG火力では〇・一円程度のキロワットアワー当たりの追加負担が生じるというふうな計算をしてみました。
  132. 水野賢一

    ○水野賢一君 さて、温暖化対策のもう一つの柱として再生可能エネルギーの普及促進というのがありますよね。通常国会でも最終盤で固定価格買取り法案が成立したんですが、この法案、国会での修正によって、平均よりもたくさん電気を使う会社、八倍以上電気を使う会社は、そういう会社は電気料金が上がって大変だからということで大幅な軽減措置を受けられることになりましたね。ここで当然出てくる心配というのは、じゃ、平均の七倍とか使っている会社は八倍まで電気を浪費をすればその方が電気の軽減措置を受けられるわけだから、節電どころか電力の浪費につながる可能性があるんじゃないかということが、私もそういう心配をしているんですけれども。  ここで聞きたいのは、今七倍とか八倍、七倍ぐらい使っている企業はかなりあるのか、その実態が分からないと十分議論ができないということで、どの企業がどれだけ電気を使っているかのデータが必要だと私も委員会で主張をして、当時の海江田経済産業大臣は、議論を深めるために資するものであれば、それはできるだけ出すようにするということを役所に対して申し上げましたと八月二十五日の連合審査会で述べているんですね。経済産業省はそのデータ持っているんですよ。なぜならば、省エネ法という法律に基づいて、一定以上の電気を使っている企業自分たちがどれだけ電気使ったということの報告を定期報告で経済産業省に上げていますから。  で、質問しますけれども、この海江田さんの答弁の後、新たに開示されたデータはあるんでしょうか。
  133. 新原浩朗

    政府参考人(新原浩朗君) お答え申し上げます。  その後開示したデータというのはございません。ただ、先日、去る十月十四日に最高裁の本件についての判決が出ましたので、その判決に沿った形で委員御主張の公開というのでどういうやり方があるのかということを前向きに考えてみたいと思っております。
  134. 水野賢一

    ○水野賢一君 大臣が公開するというように答弁して、その後新たに開示を何もしてこないというのはおかしいでしょう。  じゃ、ちょっと聞きますけれども、今現在、幾つの事業所分のデータが公開されていないんですか。
  135. 新原浩朗

    政府参考人(新原浩朗君) お答え申し上げます。  省エネ法に基づき提出された定期報告書のうち、直近の平成二十年度の場合、エネルギー種類別の使用量等の報告の全部又は一部、一部だけでも不開示にしたものという事業者数というのは五百一か所でございます。  ちなみに、第一種エネルギー管理指定工場が平成二十年度の場合七千八百四か所でございますから、七千八百四のうち五百一か所が一部なりとも不開示になっているということでございます。
  136. 水野賢一

    ○水野賢一君 これ、何か電気の使用量を新たに調査しろと言っているわけじゃないんですよ。つまり、持っているんですよ、経済産業省は。その持っているものを公開しますというふうに大臣も言っていながら、その五百一、公開していないのが現状なわけですね。  この法案、さっき言った固定価格買取り制度の法案、修正案の提出者の公明党の佐藤茂樹議員も答弁の中で、水野委員の最初からの議論を聞いておりまして、私も共有するところ全く同じでございまして、この法案の議論の中でやっぱりできるだけこれは公表してもらうことが望ましいと、私はそのように思っておりますと述べているんですね。これは要するに、修正案の提出者の、立法者の意思でもあるわけですね。これは副大臣、すぐ公開してください。
  137. 松下忠洋

    ○副大臣(松下忠洋君) 海江田前経済産業大臣との間でやり取りがあったことは承知しておりまして、水野委員の質問の趣旨もよく分かります。  その後、今事務方から答弁させましたけれども、最高裁判所の一つの判断が出てきておりますので、それによりまして、各工場における各種エネルギーの種別ごとの使用量を示す情報は、情報公開法第五条の不開示情報に当たると判断しており、各工場における電気の使用量自体はこれに該当しているため、そのデータ自体を公開することは最高裁の判決と矛盾することになるということで今答弁したことになると、そういうふうに言っているわけですね。
  138. 水野賢一

    ○水野賢一君 最高裁の判決も私も全部読んでいるから知っていますけれども、これちょっと、最高裁の判決があるから公開できないというのは、これは間違いなんですよ。なぜならば、最高裁の判決はこう言っているんですよ。不開示情報に確かに当たりますねと言っているんです、最高裁は。情報公開法五条二号における不開示情報に当たると言っているんです。  ただ、情報公開法は第七条でこう書いてありますよ。行政機関の長は、不開示情報が記録されている場合であっても、公益上特に必要があると認めるときは開示することができると書いてあるんですよ。不開示情報だって、これ大臣の裁量で公益上必要だと認めれば開示したっていいんですよ。  これ、これだけ電気の使用量が問題になっている中で、公益上必要あるじゃないですか。どうですか。
  139. 新原浩朗

    政府参考人(新原浩朗君) 委員御指摘のとおりで、七条という条文がございます。  ただ、最高裁はこう言っておりまして、別の条文の解釈でございますけれども、公益性について次のように述べております。各工場において使用された各種のエネルギー種別ごとの使用量を示す情報は、その内容、性質に鑑み、人の生命、健康、生活又は財産を保護するために公にすることが必要であるとは認められないというふうに判示をいたしております。  もちろん、委員が御指摘のとおりで、この最高裁の判断をオーバーライドして、公益上の必要性が特段に高いということで公開することは条文上はできるわけでございますが、このように明確に規定されていると、なかなかこの最高裁判所……
  140. 水野賢一

    ○水野賢一君 ちょっといいですか。  あなたが今読んだのは、最高裁が言ったのは、情報公開法五条二号のただし書のことを言っているんでしょう。それと、私は七条の話をしているんだから、全然違う答弁しないでください。七条で公開していいと言っているんだから、じゃ、最高裁判決がある中で七条を使った公開できないんですか。あなた、違うところを読んだら駄目だよ。
  141. 新原浩朗

    政府参考人(新原浩朗君) おっしゃるとおりでございまして、今違う条文の解釈としてと申し上げましたが、公益上特に必要を認めるときというふうに七条は書いてあるわけでございます。そして、公益の一つとして、今申し上げたところについてはそういう公益には少なくとも当たらないと最高裁は言っているわけです。もちろん、これ以外の公益があるということで七条を運用することは、委員言われたように可能でございますけれども、そういうものがここまで挙げられていると、概念的にあるのかという議論がございます。  一方で、さっき副大臣から申し上げましたように、よくよくこの最高裁の判決を読んでいくと、別に全部、理屈としてはどんな場合でも公開ができないという議論ではないと我々は理解しておりまして、この最高裁判所の判断に沿った形で我々の方針を転換して、委員御指摘のとおり、この情報について開示していく方法が我々としてはあると思っておりますので、それについて検討させていただきたいと思っております。
  142. 水野賢一

    ○水野賢一君 じゃ、いつまでに公開するわけですか。
  143. 新原浩朗

    政府参考人(新原浩朗君) 大臣、副大臣とも相談をしておりますが、何らかの形で早期に方向性を出させていただきたいと思っております。  ただ、これ大変申し訳ありませんが、十月十四日に判決が出たばかりでございますので、もうちょっと時間をいただきたいと思います。
  144. 水野賢一

    ○水野賢一君 大臣の答弁は八月なんですからね。八月からもう二か月たっていて、何も新しく調査するんじゃなくて、持っている情報を開示してくださいというんですから、すぐできるということをまず申し上げさせていただきますけれども。  最後に伺いますけれども、温暖化対策について。  温暖化対策推進法は二〇〇八年に改正をされたところで、その改正された温対法で、国は排出抑制指針というのを作ることになったんですね、いわゆるベンチマークの話ですけれども。この策定、特に産業部門、どうなっているんでしょうか。
  145. 鈴木正規

    政府参考人鈴木正規君) 排出抑制指針については、排出量の増加している分野を優先して取り組んでおりまして、業務部門に取り組んでおりますけれども、今御指摘産業部門はまだ手が付いていないということでございますので、今後よく検討してまいりたいと思っております。
  146. 水野賢一

    ○水野賢一君 増えている部分ということでごまかしちゃ駄目なんであって、産業部門の方が圧倒的にCO2を出しているんですよ。それは、運輸や民生は確かに伸びてはいるかもしれませんよ。だけど、圧倒的に量が多いのは産業部門なんですから、ここで作らないというのはおかしいというふうに思いますし、この法律は三年前にもう成立しているんですよ。三年前に成立、改正がですよ、それでいまだにこの指針作っていないというのは怠慢じゃないですか。どうですか。
  147. 鈴木正規

    政府参考人鈴木正規君) 順次取り組んでおりまして、現在取り組んでおりますのは廃棄物部門のところを取り組んでいるということでございますが、今後につきましても、今申し上げましたとおり、他の部門についても順次できるだけ早く取り組んでいきたいというふうに思っております。
  148. 水野賢一

    ○水野賢一君 時間ですので最後にしますけれども、これは結局、産業部門にこのベンチマーク作るのは、要するに業界団体が嫌がるんですよ。これは言わばキャップ・アンド・トレードとかそういうことにつながりかねないということで。  ただ、大臣、最後にちょっと伺いますけど、これは法律でこれを作ることになっているんですから、当然、早期の策定を求めたいというふうに思いますけれども、大臣、最後にどうぞ。
  149. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 確かに時間がかなりたっておりますので、順次という答弁が先ほどありましたけれども、しっかりと全体が進むように取り組む必要があると考えております。
  150. 水野賢一

    ○水野賢一君 終わります。
  151. 市田忠義

    ○市田忠義君 今日は災害廃棄物処理問題について絞ってお聞きします。  八月の末に災害廃棄物処理特別措置法が成立をいたしました。この法律は、市町村が行う災害廃棄物処理や一般廃棄物処理施設の復旧事業に対して国が財政的な支援を行うこと、同時に国による処理の代行を行うことになっています。その際、財政支援では、グリーンニューディール基金を活用して平均九〇%の国庫補助を平均九五%に引き上げると。特に、大量に災害廃棄物が発生して、財政力も弱い、例えば石巻市などは傾斜配分で九九%まで国庫補助を行って実質自治体負担が生じないようにさせると。この認識大臣、間違いはありませんか。
  152. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 御指摘のとおりでございます。
  153. 市田忠義

    ○市田忠義君 さらに確認をしておきたいんですが、災害廃棄物処理に係る契約の内容に関する統一的指針というのがあります。契約においては総合評価方式に基づいて競争性のある契約方式で契約を行うこと、契約の公平性、透明性を確保すること、そして可能な限り地元雇用を考慮することなどが求められていると。これも間違いありませんか。
  154. 伊藤哲夫

    政府参考人(伊藤哲夫君) 御指摘の指針につきましては、現在、衆議院東日本大震災復興特別委員会における決議を踏まえまして環境省内で内容を検討しているところでございます。  その内容につきましては、総合評価方式による場合においては手続の期間の短縮や必要書類の縮減を図るなど、入札及び契約手続を迅速化、簡素化するように努めること、契約の公平性、透明性の確保に努めること、可能な限り地元雇用を考慮すること、これは例示ですけれども、こういったことを盛り込むことを検討しておりまして、取りまとまり次第、速やかに関係自治体に周知することとしたいというふうに考えております。
  155. 市田忠義

    ○市田忠義君 間違いないということじゃないですか。今私が聞いたことと同じことなんでしょう。何か違うことがあるんですか。
  156. 伊藤哲夫

    政府参考人(伊藤哲夫君) 先生おっしゃられた趣旨を私どもが考えている言葉で正確に言い直したつもりでございます。
  157. 市田忠義

    ○市田忠義君 何か僕の言い方が不正確みたいな、全く同じことをあなたはおっしゃっているじゃないですか。  じゃ、これまで国による処理の代行を要請した自治体は、岩手県、宮城県、福島県でどれぐらいありますか。
  158. 伊藤哲夫

    政府参考人(伊藤哲夫君) 環境省では、この特措法について公布後速やかに関係自治体へ文書で周知を図ったり、あるいは八月中に岩手県、宮城県、福島県等に対して直接説明をし、意見交換を行ってきております。  また、環境省では代行の要請を内々に検討している市町村に対しまして巡回訪問等で個別に説明を行い、今、正式にまだ要請をしてきたという地方公共団体はございませんが、幾つかの市町村から相談を受けていると、こういう状況にございます。  今後、自治体から正式な要請があり次第、速やかに代行処理ができるように努めてまいりたいというふうに考えております。
  159. 市田忠義

    ○市田忠義君 簡潔に答えてください。要請幾つ上がっていますかと聞いたんだから、なかったらないということでいいんです。  総合評価方式ということですが、災害廃棄物処理の場合、当然、収集、運搬、破砕や焼却などの中間処理、そして最終処分、これらが適正かつ安全にできるかどうかが審査基準の最大ポイントであります。価格評価点が六十ポイントで、技術評価点が四十ポイントであります。  そこで聞きますが、技術評価の四十ポイントの中で、業務の基本的事項、処理業務計画、環境への配慮事項、地域経済への配慮事項、それぞれ何ポイント与えられていますか。
  160. 伊藤哲夫

    政府参考人(伊藤哲夫君) 総合評価方式を取る場合、取らない場合、これはもちろん発注者の方の最終的な判断によるわけでございます。総合評価方式による場合においても、どこにどういった点数を与えるかというのは、最終的にはその発注者の方で判断される事項だというふうに考えております。
  161. 市田忠義

    ○市田忠義君 そういうことを言っちゃ駄目ですよ。例えば、石巻ブロックの災害廃棄物処理業務技術提案審査集計表、これによりますとどうなっているかというと、処理業務が二十ポイントで、地域経済十二ポイントなんですよ。技術評価四十ポイントの中でも処理業務二十ポイント、非常に高いんです。それから、地域経済への貢献十二ポイント、すなわち、こういう分野を重視しなければならないという方向を出しているんです。  そこで聞きます。宮城県の石巻ブロックの廃棄物処理について、九月十六日、宮城県が鹿島建設など九社のジョイントベンチャーと業務委託契約を締結しました。これら九社には処理業務の中核になり放射性物質汚染された災害廃棄物を適正かつ安全に焼却する焼却施設のプラントメーカーは参加していますか。
  162. 伊藤哲夫

    政府参考人(伊藤哲夫君) 申し訳ございません、質問通告にもございませんでしたので、今確認はしてございません。
  163. 市田忠義

    ○市田忠義君 ちゃんと質問通告していますよ。宮城県の石巻や仙台などの廃棄物処理について聞くからということを昨日言っていますよ、あなた。そういうことを言っちゃ駄目です。ちゃんと内容まで聞いているわけですから。  じゃ、こちらから言いましょう。九社参加している中で廃棄物処理、処分ができるプラントメーカーは一つも参加をしていないと。こんな事態で適正かつ安全に焼却処理ができるはずがありません。  じゃ、聞きます。放射性物質を含んだ焼却灰や飛灰などを適正に扱う、安全に扱う最終処分ができるいわゆる管理型の最終処分場を保有している会社は、この九社、鹿島などのJVの中で参加している企業はありますか。
  164. 伊藤哲夫

    政府参考人(伊藤哲夫君) 確認はしておりませんが、仮にない場合であっても、今回災害廃棄物処理につきましては、非常に特例でございますけれども、再委託という制度も認めておりまして、そういったところに再委託することによって処理することが可能となっているという状況でございます。
  165. 市田忠義

    ○市田忠義君 肝心なのは、最終処分場を保有している会社がこのJVに参加しているかどうかということなんですよ。再委託を予定している石巻ブロックの業者には最終処分ができるところがあるんですか、あれば挙げてください。
  166. 伊藤哲夫

    政府参考人(伊藤哲夫君) 申し訳ございません、県がこれは発注をして、県が総合評価方式でこのJVに決定したというふうに承知しております。その過程でしっかりそういったことも県において評価されているものというふうに考えております。
  167. 市田忠義

    ○市田忠義君 県が県がと言っていたら駄目だから、国が責任を持とうということでこの法律、議員立法でできたんでしょう。だから、県がきちんとやるものと思いますと言うけど、私がちゃんと調べたら、再委託を予定している石巻ブロック内の業者には最終処分ができるところがないんですよ。石巻地区の業務委託費千九百二十四億円の中で、中間処理や最終処理などの処分費は一千百二億円を占めます。そのうち県外処理は五百九十八億円で二百九十三・八万トンの災害廃棄物が県外で処理されることになっています。これら県外で処理されることになっている災害廃棄物は、受入先は明確になっているんでしょうか。
  168. 伊藤哲夫

    政府参考人(伊藤哲夫君) 現段階で明確になっているというふうには承知しておりません。
  169. 市田忠義

    ○市田忠義君 これは受入先が決まらないために、当面、雲雀野埠頭というところのコンテナパックに詰め込んで保管をすると。放射性物質廃棄物汚染をされて受入先が困難になっているというのが業務契約の締結以前から十分に想定できたにもかかわらず、県外処理を前提にした計画自体に私は大きな問題があったと思うんです。  環境省に聞きます。放射性物質汚染で受入先が決まらなかった場合、鹿島JVの中で最終処分をすることができる体制はあるんでしょうか。
  170. 伊藤哲夫

    政府参考人(伊藤哲夫君) 申し訳ございません、その点については承知をしておりません。それは、まずもって県と請負先であるJVの間できちっと整理がされるものだというふうに考えております。
  171. 市田忠義

    ○市田忠義君 大事なことをほとんど把握していないんですね。  鹿島JVが自前で最終処分できる体制がないんですよ。それがないようでは、適正かつ安全な廃棄物処理を任せることはできないというのはこれ明らかだというふうに思うんです。  処理業務計画では、焼却施設整備に二百九十五億円を計上して、一日当たり一千五百トンを処理することになっています。三交代制で二十四時間連続稼働を三年間続けることになっていて、石巻市でも最大手の日本製紙工場、これを上回る規模の焼却施設ができ上がるということになっています。これは廃棄物処理法上、当然、生活環境影響調査を実施することになりますが、この鹿島JVの中にプラントメーカーが参加していない場合、環境コンサルタントを活用することになるのか、これはいかがですか。
  172. 伊藤哲夫

    政府参考人(伊藤哲夫君) 申し訳ございません、その詳細については環境省では現時点で承知しておりません。
  173. 市田忠義

    ○市田忠義君 詳細どころか何も承知していないじゃないですか。一般的にはつかんでいるけれども細かなことは分からないというのを詳細なことは分からないと言うのであって、基礎的なこういうことを聞くと昨日言っていたわけですから。細かい事項まではもちろん言っていませんよ。石巻とわざわざ地域も指定して、石巻や仙台の廃棄物処理やり方について実態がどうなっていると聞くからちゃんと準備するようにと丁寧に昨日言ってあるんですよ。詳細承知していないなんて、それは怠慢ですよ。  プラントメーカーも参加していないで、整備する焼却炉の焼却性能や排ガス対応などの正確なデータもないと。そのまま調査しても生活環境影響の適切な評価は私は得られないと思うんです。  これは大臣に、大事なことなので聞きたいと思うんですけれども、幾ら大震災時の災害廃棄物処理であっても、やっぱり大気とか水質とか土壌などの環境基準、これは適正に遵守しなければならないのは当然だと、私、そう思うんですが、大臣も当然同じ認識だと思いますが、いかがですか。
  174. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) それはもう御指摘のとおりだというふうに思います。
  175. 市田忠義

    ○市田忠義君 当然遵守しなければならないと、そう大臣が言われました。  実は、この処理地の背後、後ろには石巻市民が暮らしているんですよ。大気汚染や水質汚染などを引き起こしてはならないのは当然ですけれども、一日一千五百トンを処理するという規模は、これ事前に想定できない様々な支障が出てくるわけです。環境影響調査、厳正に実施させる必要があるのは当然だと思います。  このように、災害廃棄物処理の中核業務ともいうべき焼却施設、最終処分場のノウハウもないJVがこの仕事を受注をして、本当に適正かつ安全に処理できるのか、私は疑わしい限りだというふうに思います。さらに、県外処理の受入先があるとされていた廃棄物も雲雀野埠頭に保管せざるを得ないと、今県外で受け入れるところは承知しておりませんというような答弁でした。  宮城県は明確な裏付けの下で中間最終処分計画を策定しているなどと評価しているが、とても処理計画が明確に裏付けているとは私は言えないと思うんです。  改めて大臣認識を伺いますが、こういう業務体制で適正かつ安全な処理ができますか、いかがですか。
  176. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 確認は是非してみたいというふうに思います。  宮城県というのは約二十年分の廃棄物があり、石巻はその中でも最大の廃棄物を今回大きな災害によって今処理をしなければならないという状況です。ですから、あとは、できるだけ復旧を果たすためにはスピードも大事だし、安全性は犠牲にできないし、不正があってはならない、この要因をどれぐらいしっかりやるかということだと思うんですね。その中でも、今御指摘のとおり、特に安全の問題というのは極めて重要だというふうに私は考えますので、どういった状況なのか、しっかり確認をしたいというふうに思います。
  177. 市田忠義

    ○市田忠義君 是非直接調べていただきたいと思うんです。急ぐことは必要ですけれども、やはりそのことによって環境とかそういう問題を軽視しては絶対にならないということを申し上げておきたいと思うんです。  やっぱり廃棄物処理のノウハウも知らないような建設業者に処理を任せておれば、迅速かつ適正に処理ができるのかどうか大変重大な疑いが持たれるので、改めてそこは細野大臣の指導の下にきちんとした対応をしていただきたいと。  次に、評価ポイントの高い地域経済への配慮の問題であります。  先ほど、四十ポイントのうち地域経済への配慮というのは非常にポイントが高いということを私、紹介をいたしました。鹿島JVの計画では、地元企業の活用が収集、運搬、中間処理、建設関連で六十九社、地元雇用の目標人数が千二百五十人となっていて、十二ポイント中で九ポイントを獲得しています。  そこでお聞きしますが、これは分かっていればでいいです、分からなかったら分からないでいいんですけれども、契約できなかった大成JVはこの問題で何ポイントで、何名の雇用を創出することになっていたか、環境省、分かっていたらお答えください。
  178. 伊藤哲夫

    政府参考人(伊藤哲夫君) 今手元にはございません。そういう意味では、今承知しておりません。
  179. 市田忠義

    ○市田忠義君 これ、十・二ポイントで、約二千四百五十人なんです、大成JVは。ということは、別に私、大成JVの肩を持つつもりは全くないんですが、地域経済への配慮という点では大成JVの方が評価は高いんです。しかも、鹿島JVの計画では、地元企業の活用として挙げているブロック内の六十九社の業者は建設協会や産業協会に登録している業者ということだけであって、これらの業者を下請として参加させることは決まっているわけではないんです。しかも、評価点の高いところが仕事から外されていると。  それでお聞きしたいんですが、これは事前に明確に通告しておきましたからお答えいただきたいんですけれども、今年度の石巻市の災害廃棄物処理事業費、そして宮城県への委託分は金額がどれだけで、主にどんな作業費になるのかをお答えください。
  180. 伊藤哲夫

    政府参考人(伊藤哲夫君) 石巻市で平成二十三年度に実施する災害廃棄物処理事業に係る経費は、石巻市から提出された災害報告書によりますと、石巻市実施分が約六百億円であり、また、石巻市が県に対し事務委託した分が約五百五十一億円でございます。  主な事業内容でございますが、石巻市実施分が、倒壊した一般家屋及び規模の小さな事業所の解体撤去、災害廃棄物の収集、運搬、一次仮置場の設置、運営であり、一方、県への事務委託分は、倒壊した大規模な建築物の解体撤去、公共施設等からの災害廃棄物の撤去及びこれらの災害廃棄物の一次仮置場から二次仮置場への運搬、破砕、焼却等となってございます。
  181. 市田忠義

    ○市田忠義君 分かりやすく言うと、さっき私の質問が分かりにくいとおっしゃいましたが、大きく分けますと、石巻市は一次仮置場まで、県は二次仮置場からとなって、石巻市の六百億円の大部分は地元業者への処理委託費となっている。県委託分の五百五十一億円の大部分は鹿島JVの業務計画に基づいた再委託業者への処理委託費となっていると。しかも重大なのは、この鹿島の東北支店の責任者が県の災害廃棄物処理対策協議会のメンバーなんです。これは私は重大だと思うんですけれども。  さらに、これは大臣にお聞きしたいのでよく聞いておいていただきたいんですけれども、石巻市の場合、来年度以降は、鹿島JVの業務計画に基づいた二次仮置場での中間処分、最終処分の処理費用が県委託分として千九百二十四億円が計上されることになります。  同じ宮城県内の仙台市の場合はどうか。仙台市は県に委託しないで今年度六百億円の事業費で、全体の事業費は九百億円となっているんですが、全部仙台市内の建設業協会、産廃協会に運搬、破砕などの処理を委託していると。大手に委託しているのは仙台の場合は三か所の搬入場での焼却施設だけで、これはJFEと川崎重工と日立造船のプラントメーカー、これらと約八十億円の業務契約となっています。  私が言いたかったこと、聞きたかったことは、このように同じ宮城県内でも大手ゼネコン中心の廃棄物処理と地元業者中心の廃棄物処理とがあると。地元企業の活用、地元雇用を考慮するという統一指針、この考えと照らし合わせて考えた場合、こういう状況大臣はどういうふうにお考えになるか。事実自身を調べるとおっしゃってまだよく御存じないかもしれないけれども、こういうことが事実だとすれば、統一指針の立場から考えてこれを是とするか非とするか、これは問題があると、よく検討してみる必要があるというのが細野大臣の立場かどうか、お聞きしたいと思います。
  182. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 宮城県の場合は、仙台市が政令指定都市でありますし、仙台市が廃棄物処理について一番先鞭を着けて取り組んだということの結果として、仙台市の考え方と宮城県のいろんなやり方とが若干違う形になっているのかもしれないというふうに思います。  ですから、そこは発注者が違いますので、それぞれそういう考え方の若干の違いが結果として現れているのかもしれませんけれども、いずれにしても、地域への雇用というのがやはり最大限配慮がなされるべきだというふうに思いますので、先ほど御指摘部分も含めて、石巻の問題がどこにあるのかということは再度確認をしてみたいというふうに思います。
  183. 市田忠義

    ○市田忠義君 一般論としてということでお認めになりましたけれども、やっぱり石巻市から直接に地元業者が仕事を受注するのと鹿島JVから地元業者が下請として仕事をもらうのとでは、これ大きく違いが出てくるのは明らかだと思うんです。  さらに、石巻ブロックでの災害廃棄物処理では、一次仮置場までの処理は地元業者に処理費が回るけれども、二次仮置場以降は鹿島JVに大部分処理費が回ります。  こうした大手ゼネコン中心の構図は、実は石巻ブロックだけではないんです。皆さんにお配りしました資料を御覧になっていただきたいんですけれども、提出しました資料のとおり、亘理名取ブロックの四地域でも、名取市は西松など五社で百六十二億円です。岩沼市は間組など五社で二百三十八億円、亘理町では大林など七社で五百四十三億円、山元町はフジタなど七社で三百三十一億円、合計で一千二百七十四億円も大手ゼネコンにもうけさせることになっていると。さらに、宮城県は気仙沼ブロックや宮城東部ブロックでも同様の大手ゼネコン中心の災害廃棄物処理を計画していると。  このように、災害廃棄物処理を通して被災地域復興の財政的支援が期待されているにもかかわらず、実態は鹿島などの一部の大手ゼネコンを財政的に支援するという構図になっていると。私、これは重大だと思うんです。  別にゼネコン一般が悪いと言っているわけではありません。災害廃棄物処理特別措置法というのは、何も大手ゼネコンをもうけさせるために成立した法律ではありません。災害廃棄物を適正かつ安全に処理することで地元企業雇用などで被災地復興の財政的な支援となるように、大手ゼネコン中心の業務一括発注をこの際抜本的に見直す、これは大臣の政治決断だと思うんですけれども、こういう一括発注を抜本的に見直すべきときに来ているんではないかと思いますが、いかがでしょう。
  184. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) ここはちょっとなかなか難しい判断だと思います。といいますのは、除染もそうなんですけれども、ある程度まとめて発注をしてそこで進むようにしないと、どうしてもスピードが落ちるという面があるわけですね。ですから、ゼネコンに一括発注すること自体が即駄目だということになってくると、どうしてもスピードが落ちるという問題もやはりどうしても懸念されます。  ですから、まずは、石巻がどういう状況になっているのか、これは宮城県の方から発注しているということですので、事実をしっかりと確認をするところから始めたいというふうに思います。
  185. 市田忠義

    ○市田忠義君 私、先ほど私自身も何もゼネコンに発注すること一般を否定しているわけではないと。ただ、例えば焼却施設のプラントメーカーがそのジョイントベンチャーに参加しているかどうかというのがやっぱり一つの鍵だと思うんですね。あるいは、最終処分場を保有している会社がジョイントベンチャーに参加しているかどうか、これもやっぱりポイント中のポイントだと思うんです。そういうところが抜け落ちて、特定の、しかも復興計画の委員を出している会社に仕事が行くというのは、これはやっぱり私、重大だというふうに思うんです。  再度お聞きしますけれども、この巨額なゼネコン中心の処理費用というのは、調べてみましたら、第三次補正予算災害廃棄物処理事業費に匹敵する巨額なものなんです。第三次補正予算がゼネコンのための予算と言われても、私はこれ仕方がない。こういうゼネコンへの一括丸投げ発注、これについて、環境省も絡んだ談合情報を七月三十日夜に匿名の電子メールで寄せられたはずですが、こういう事実は御存じですか。
  186. 伊藤哲夫

    政府参考人(伊藤哲夫君) 談合情報につきましては、一部報道もなされたということは承知しております。これにつきましては宮城県に当然確認しておるわけでございますけれども、宮城県の方で調査した結果、いろんな宮城県の内部規定に基づきます方式に従って調査を行い、その結果、そういったことはないというふうな結論が得られたというふうに我々宮城県から聞いております。
  187. 市田忠義

    ○市田忠義君 一部報道で知っただけですか。
  188. 伊藤哲夫

    政府参考人(伊藤哲夫君) 報道があったのは事実でございますし、それで私ども承知いたしました。
  189. 市田忠義

    ○市田忠義君 そういうでたらめを言ったらあなた駄目ですよ。環境省が文書を出しているんですよ。災害廃棄物処理業務に係る談合情報の経緯についてという文書をあなた方は出しているんですよ。知りませんか。  知らぬだったら言いましょう。  新聞情報で知っただけだなんて、そんなでたらめ言ったら駄目ですよ。仙南の建設業者と名のる者より廃棄物対策課へメールありと。主な内容、環境省とスーパーゼネコンが話し合い、宮城県の瓦れきの二次処理について割り振りを決めたと、環境省本省の指示を受けて宮城県廃棄物対策課に出向している課長補佐が入札の条件を根回ししたと、石巻ブロックは鹿島と、こういう匿名のメールが寄せられたと。環境省は、そういう事実は調べたけどなかったということはおっしゃっています。宮城県議会でもそう答弁されていますが、新聞情報だけで知ったというそんないいかげんなことを言ったら、宮城県議会でも質疑があって、そういう情報は寄せられたけど談合の事実はなかったと答えているでしょう。知らぬはずないですよ。
  190. 伊藤哲夫

    政府参考人(伊藤哲夫君) 大変申し訳ございませんでした。そういう情報が当方にも寄せられていたということは事実でございまして、それに基づきましてきちっと県にも確認し、そういう事実はないというふうな報告を受けているところでございます。
  191. 市田忠義

    ○市田忠義君 最初からそう言えばいいんですよ。こんな大事なことを、九州電力やその他のやらせメールも問題になっているときなんだから、新聞情報で初めて知ったなんて言うべきじゃありません。  やっぱり公平性、透明性に欠けていると県民や多くの国民が思うのは当たり前で、こういうゼネコン中心の一括丸投げ発注から分離分割発注に転換をして、県民、住民が主役となった復興となるように強く求めて、もう時間が来ましたから答弁要りません。  以上です。
  192. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 国民新党の亀井亜紀子でございます。  今日は、地球温暖化というのはどんな科学的根拠を基に語られているのかという、かなりそもそも論について初めに質問いたします。  皆様に参考資料をお配りしております。一つが日経新聞、二〇〇九年十二月のもの、「温暖化データ改ざん疑惑」、もう一つが二〇一〇年八月の記事ですね、朝日新聞の「私の視点」という論説をお配りいたしました。  まず初めに細野大臣にお伺いしたいんですけれども、クライメートゲート事件について御存じでしたか。もし耳にしたことがあったとしたら、それはいつごろ最初にお知りになったでしょうか。    〔委員長退席、理事北川イッセイ君着席〕
  193. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) はい、存じ上げております。ちょっと時期は覚えていませんけれども、この澤さんの話も私、直接聞いたことがありますし、多分この事件が出てきたときにかなりネット上でその映像が出回りましたですよね。それもある人から指摘されて見ましたので、かなり話題になった事件ですので、よく記憶はしております。
  194. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 日本のメディアでは余り取り上げられなかったという記憶がございます。このように今回記事を集めてみまして、大手の新聞には載っておりましたけれども、テレビ報道などは余りなくて知らない人も多いと思いますが、事の内容というのは結構大きかったと思います。つまり、温暖化の事実が疑われるような内容でしたので、このことについて今世界がどのように評価をしているのかということを確認をさせてください。  それで、この内容について一応御説明いたしますと、この「温暖化データ改ざん疑惑」をお読みいただければ詳しく書いてございます。  一段目の後ろの方に、発端は二〇〇九年の十一月の中旬にイギリスのイーストアングリア大のコンピューターから電子メールが大量に盗まれて、その中に温暖化研究の中心人物であるフィル・ジョーンズ教授がアメリカの研究者にあてたメールで、気温低下を隠すトリック(策略)を終えたとあったと。これが話題になりまして、このメールを受け取った相手が、この記事、下から三段目のところからありますけれども、アメリカ・ペンシルベニア州立大教授のマイケル・マン氏ですね、この教授が二十世紀に人間の活動によって気温が急上昇するホッケースティック曲線というのを九八年に発表し、これをIPCCが取り上げて、温暖化は人間活動の結果であるという議論になっていったので、ここが疑われてしまうと大変なことですので、結局、COPというかIPCCはこれをどのように整理をしたのか。調査委員会などもございましたけれども、その結論について教えていただけますか。
  195. 鈴木正規

    政府参考人鈴木正規君) 今お話がありましたクライメートゲートの方は、イギリスの大学だったものですから、英国の下院委員会、それからまた、イーストアングリア大学が設置しました独立委員会でそれぞれ調査が行われておりますけれども、それぞれ不正なデータ操作等の事実は見られないという結論で、そういうふうなものとして今受け止められているというふうに思っております。
  196. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 では、今の国際会議には全く影響は与えていないんでしょうか。当時のCOP15、16、そして今度17がありますけれども、影響は全くないと考えてよろしいですか。
  197. 鈴木正規

    政府参考人鈴木正規君) COP16では具体的にそういうお話は余り出ていなかったというふうに承知しておりますし、今回のCOP17に向けてもいろいろな会議が行われておりますが、特に話題になったというふうには承知しておりません。
  198. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 では日本政府見解をお伺いしますけれども、このような科学的な論争が海外でございましたけれども、それを受けて日本政府というのは今どのように解釈をしていらっしゃるんでしょうか。つまり、地球温暖化科学的事実なのか、そして、温暖化をしているのであれば、その原因というのは二酸化炭素の排出量の増加によるものなのか、それともほかの温室効果ガスなのか、いろいろな複合的な要因なのか、どのように科学を分析していらっしゃいますか。
  199. 鈴木正規

    政府参考人鈴木正規君) これまでも大臣から答弁させていただいておりますけれども、IPCCの報告作成過程に日本政府も他の百九十か国と同様に最終段階で参画しておりまして、まず温暖化については、そういう温暖化が進んでいるということは疑いのない事実であると。それからまた、その要因についても、人為的要因にもたらされた可能性が非常に高いということで、日本政府としてもそういう報告を受け入れているというところでございます。
  200. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 私がなぜこのクライメートゲート事件に興味を持ったかといいますと、地球温暖化による海面上昇が事実であるのかどうか、そのことを調べに三年前にODA特別委員会の視察でツバルまで行きました。フィジーを経由してツバルまで行きました。その前に、私たち視察団、かなり勉強して行ったんですけれども、結論から言いますと、海面上昇しておりません。その証拠は見られなかったんですね。  今日、私、皆様にお配りしたくてちょっと間に合わなかったんですが、そのときに私たちが読んだ資料が「水没国家 ツバルの真実」、これ大阪学院大学の小林教授が書かれたもので、国際開発ジャーナルに短期連載をされたものです。ツバルが沈む沈むということは、もう最近は言われなくなりましたけれども、いっときとても大きなキャンペーンを張っておりました。  この背景ですが、二〇〇二年のヨハネスブルグ地球サミットのときに、当時のコロア・タラケ首相が、ある目的があって、それは地球温暖化による環境難民を国連に認定をさせたかった、それから、二酸化炭素の排出の抑制に消極的なアメリカとオーストラリアを国際司法裁判所に訴えるぞと、それも発言をしてかなり注目をされたんですけれども、その論理構成としてツバルが沈むということを訴えたわけです。    〔理事北川イッセイ君退席、委員長着席〕  もう一つ、なぜこの年にそういう発表をしたかというと、近くの、ツバルの北西にあるナウルという国がありますけれども、ここは燐鉱石が取れます。ところが、資源が枯渇をしていて、ツバルからの出稼ぎ労働者千人が解雇されて帰国をすると。その千人って人口の一割なんですね。二〇〇二年というのがその帰国勧告の最後の年で、そんな人口の一割、一斉に帰国されたら困るので、オーストラリア、ニュージーランドに対して移住を受け入れろということも言いたかった、そういう環境の中でツバルがつくった理論なんですね。  実際に私たち行ってみましたらば、まず、ツバルという国は昔からマングローブに覆われた湿地帯です。そのくぼみから年に一度の大潮のときには水が噴き上げていた、大昔からです。それから、米軍が滑走路を造ったときに、その土を取ってきた穴、ボローピットというのがあるんですが、そこからも元々水が噴き上げていて、今、人口増加で、湿地帯で人が住むに適さないところに家を建てて住んでいて、そこが大潮のときに水に浸りますという話でした。  無人島の方まで見に行きましたけれども、手前は確かに水が浸食してヤシが倒れているんですけど、どうも潮流の流れが変わっているようで、島の裏側というのは土地が増えているんですね。ところが、日本のメディアというのは全部見てこないで、水が湧いている映像だけ撮ってきて事実を伝えていなかったということが私たちの視察団の結論なんですね。そんなこともございましたので、何か科学的な事実が出てきたときには私はもう中立的な立場で聞くようにしているんです。  それで、海面上昇についてはどのような理解をされているんでしょうか。例えば、今ここに氷水がありますよね。これ氷が全部解けても水はコップからあふれません。つまり、これ科学ですから、氷が全部解けても水位は変わらないわけで、南極、北極の氷が全部解けても海面は上がらないですよね。そうすると、何を根拠に温暖化したら海面が上がると言われているんでしょうか。
  201. 鈴木正規

    政府参考人鈴木正規君) 一般的には、温暖化によりまして、熱によります膨脹の要因、それから南極とかグリーンランドの場合には陸の上に雪や氷が積もっておりますので、そこが解けると海面が上昇する、あるいは氷河が解けると海面が上昇すると。陸の上に残っている氷や雪が解ける要因と熱による膨脹というのが一般的に言われているというふうに聞いております。
  202. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 氷河の氷が解けていった場合には確かに海面は上昇するかなとは考えられます。氷河が後退した跡というのも見たことありますけれども、陸地にあった氷が解け込んだときには確かに海面は上昇しますけど、ただ、氷河というのは何百年も掛かって後退しているものなので、ここ百年ぐらいの急激な気温、温暖化とかそれによる海面上昇と関係があるかというと、それはまた違う話かなと思っております。  この話はこのぐらいにしたいんですけれども、なぜこういうことをいろいろ申し上げたかといいますと、日本は二酸化炭素の排出削減でかなり挑戦的な目標を国内的にも立てておりますし、国際的にも鳩山元総理が国連総会で発表いたしました。その後、原発事故が起き、そして代替エネルギーとして、今止めていた火力発電所をまた立ち上げたりいろいろしております。  ですので、状況が変わったわけなので、福島の事故のことは世界中が知っているわけですから、環境が変わりましたと、将来的には再生可能エネルギーにシフトするけれども、今は火力などの力も借りざるを得ない、また、クライメートゲート事件のような、本当にCO2だけが原因なのかどうか、そこも科学的な論争になっているので、日本削減目標を少し後退させますというような論理をつくって発表することも私は可能だろうと思うんですね。  もうツバルも窮鼠猫をかむという感じでその論理構成をして世界に挑んだわけで、やはり外交の場というのは武力を使わない戦争だと思いますから、各国、うそだろうと何だろうと、論理的にきれいに組み立てて戦ってくると思うんです。ですので、私は、日本がこの削減目標を少し下げるチャンスではないかと思っているんですけど、いかがでしょうか。
  203. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) ツバルの例をお引きになりましたけれども、私が記憶しているのは、たしか、あれはホッケースティック曲線だったかどうかは分かりませんけど、とにかく、幅を変えると実は余り温暖化しないとか、そういうデータが出たりとか、氷河の写真が実は違うんだとかいう映像が出ていたりとか、すごくセンセーショナルな情報が出ていたのは今も私もよく覚えております。  したがって、このIPCCの第四次評価報告書のサマリーも私、一応あのときに全部読んだんですけど、いろんな要素があるよというようなことはこの中にも書いてありますね。常にそういったことについていろいろ検証していくことが必要だというふうに思います。  ただ、大事なことは、この第四次報告書というのは、相当の研究者と各国がコミットして我が国もかかわる中でそのときのコンセンサスを図ったと。それは、気候システムの温暖化には疑う余地がないことと、気温の上昇のほとんどが人為起源のものであるという可能性が非常に高いという、ここが一つのコンセンサスだったというのは、私はやはり重い事実だというふうに思うんです。  ですから、いろんな見解があるということをもって我が国が例えばそれを主張し、そもそもこの議論はおかしいんではないかという、そういう議論をやり出すと、これはもう非常に混乱もしますし、これまで我が国が取り組んできたことともやはり矛盾をしますので、そこは余り国際舞台でやらない方がいいのではないかなというふうに思っております。ただ、果たしてどういう原因があるのかとか、どれぐらいの上昇があり得るのかということについて、いろんな形で、最近は衛星なんかも使っていろいろ情報を取れるようになっていますから、そういったことも含めて検証していくことは大事だろうというふうに思っております。  一方で、今、前段の方で御指摘をされた、こういう東京電力の福島原発事故もあったので二五%について変えた方がいいのではないかという、そういう御見解については、現段階においては私どもは前提条件付きの二五%ということで、そのほかの様々な努力もトータルにする中で日本の主張を国際社会にしっかりと理解をしてもらえるように努力をしていきたいと考えております。
  204. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 それでは、時間がないので先に行きたいと思いますが、今度は温暖化対策税について伺います。  今、オーストラリアは国を二分する議論になっておりまして、先日、十月の十二日に下院を炭素税の法案が通過しました。賛成七十四票、反対七十二票です。  それで、オーストラリアの状況は、労働党のラッド首相がこの環境税の問題等々で失脚し、ギラードさんが首相になり、けれども過半数は持っていません。そして、選挙のときの公約では炭素税を入れないと言ったのに、緑の党と連立を組んで過半数となった、それで炭素税を可決したということで、今支持率もかなり落ちておりますけれども、上院でも可決される見込みですね、来月。この炭素税法案を可決させた状況でCOP17に臨もうというのが今のオーストラリアです。ただし、この次の選挙でまたこれ政権交代の可能性が高くなってきましたけれども、そのときにはこの炭素税の法案、これはもう撤回するというふうに野党の党首が言っているというのが今の状況です。  日本温暖化対策税ですけれども、今、復興財源ですとか、あと経済状況、円高、デフレ、いろいろございますけれども、去年と状況は変わっているわけで、その中で急いでこの税を導入する必要があるとお考えでしょうか。
  205. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 税金を上げるというのは、いずれの時代も皆さんに御負担をお願いすることでございますので、なかなか苦しい経済状況にあるというのは私も分かっております。片や、やはり事態がより再生可能エネルギーをしっかり育てていかなければならない状況に向かっているというのも事実だと思うんですね。そのための財源もやはり積極的に確保して幅広く投資をしていかなければならないというのも事実だというふうに思うんです。  したがって、我々としては、できればこの地球温暖化対策税については御理解をいただいて、大変恐縮ですが早めに何とか実現をさせていただけないかなと、そんな思いでおります。
  206. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 環境税への対応について、国民新党、まだきっちりと意見をまとめたわけじゃありませんけれども、ただ、今の経済状況もありますし、再生可能エネルギーを進めていくということはもちろん賛成しておりますので、その財源をどこから持ってくるか、原発交付金等々ございますので、いろいろな方法が考えられるかと考えております。  次の質問に移ります。  除染についてです。除染で発生する土壌や廃棄物の仮置場、中間貯蔵施設の確保についてですけれども、基本的に県内で発生した土壌、廃棄物は県内で仮置くという方針でしょうか。  また、先日新聞に載っておりましたけれども、農水省が国有林を仮置場に提供しますという報道がありましたが、事実でしょうか。そして、民有地ももし適切な場所であれば利用するお考えでしょうか。
  207. 高山智司

    大臣政務官(高山智司君) ありがとうございます。  まず、除染に伴い発生した土壌や廃棄物、これを発生した都道府県内で仮置場を確保していただきたいということを環境省としても今考えております。そしてまた、仮置場のやっぱりこれ確保に関しては本当に地域の方の理解が不可欠でございますので、そこに関しては丁寧に説明はしていきたいというふうに考えております。
  208. 沼田正俊

    政府参考人(沼田正俊君) 国有林の件について御質問がございました。  私ども、現在福島県内の複数の市町村から、こういった仮置場を国有林野内に設置したいという要請を受けているところでございます。私ども農林水産省といたしましては、これまでも瓦れきの一次置場として国有林野を提供してきたところでございます。地方公共団体からこういった仮置場として国有林野を使用したいという要請があった場合には、国有林野の無償による提供について協力をしていく考えでございます。  なお、こういった仮置場を設置する場合、実施主体におきまして、仮置場のいわゆる二次汚染の防止措置でありますとか、地域住民の同意を得ると、こういった対応も必要になってくるかと思っているところでございます。
  209. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 それでは最後に、湖沼、湖や沼について、その生態系についてお伺いしたいと思います。  これを質問しようと思ったのは、細野大臣が琵琶湖についてその思いを入れられたからなんですけれども、私も琵琶湖については問題意識を持っております。  議員になる前なんですけれども、青年の国際交流にかかわっておりまして、外国から来た青年を地方旅行で琵琶湖に連れていきまして、国連の環境技術センターですとか、あと琵琶湖博物館などを訪問しました。そこにイギリス人の研究者がおりまして、彼が一生懸命琵琶湖の日本古来の魚を守ろうとしていたんですね。日本人はばかなことをしてくれたと、護岸はコンクリートで固めるから稚魚が生息する場所はなくなってしまうし、ブルーギルはいるしブラックバスはいるし、ブラックバスは全てを飲み込んでしまう。琵琶湖というのは世界でも十の指に入る一番古い淡水湖なのに何てことをしてくれたんだということを懇々と説明されまして、日本人の私としては非常に恥ずかしかったと。そのときから、琵琶湖というとどうしてもブラックバスとブルーギルというのを思い出すんですね。  名古屋でCOP10があったときに環境省さんがやったイベントで「食べて考える、外来種ワークショップ」、これについて以前質問をいたしました。このイベントでバスバーガーですね、ブラックバスバーガーが振る舞われたということでして、ただ、これが現在駆除が大分進んでいるので、実はブラックバスが足りなくて夏季限定メニューになっているというふうにあのとき報道にあったんですね。県立琵琶湖博物館の館内レストラン「にほのうみ」で夏限定のメニューらしいんですけど、本当にそんなにブラックバスは駆除によって少なくなったのでしょうか。
  210. 小林正明

    政府参考人(小林正明君) お答えを申し上げます。  琵琶湖、日本を代表する湖でございますし、自然環境上も大変重要な湖でございまして、環境省も駆除事業をやっておりますし、県も大変力を入れてやっております。  県の推定によりますと、それなりに効果が上がりまして、一時期に比べると、推定的な生息量でございますが、多少、まだまだ多いんでございますが、減になってきているかというような説もございます。  ただ、対策については引き続きしっかりやっていく必要があるということで、湖、大変広うございますので、どのぐらいの生息量があるというのは実は大変難しい部分がございます。どちらかといいますと捕獲量で推定している部分がございますが、近年、熱意を入れてやっておりますので、捕獲量、大分増加した後、この二、三年やや減少しているところがありまして、そういうところから推定をいたしますと、推定の生息量というのは若干減少に向いているのではないかという説がございます。県のデータによりますと、ピークのときには二千トンの推定生息量があるかという評価でございますが、最近は千数百を超える程度まで減少しているのではないかと。  ただ、これ自体も大変大きな数字でございますので、引き続き防除事業が必要であるという認識でございます。
  211. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 環境省はもう少し正確なデータの把握に努めていただきたいと思います。もし、まだある程度の数が生息しているのであれば、夏季限定メニューではなくて一年中メニューとして出してどんどん食べるということも考えたらいいと思いますし、ブルーギルの方はどうも食用には適していないようですので、ペットフードにするなりお考えいただきたいと思います。  私の地元の方には中海がございますので、関連で中海についてもお伺いしたいと思います。  中海と宍道湖をつなぐ川、大橋川というのがありまして、この拡幅工事が始まりそうなんですけれども、様々な理由で反対をしている人たちがいます。中海の漁業者で懸念する人、それは、より多くの水が流れ込みますから、中海というのは汽水湖で海水と淡水が混ざり合っている、その割合が変わるのではないか、そうすると漁業にも影響があるのではないかという懸念があり、もう一方でまた島根大学の研究者がおりまして、その大橋川の河口のところに絶滅危惧種のオオクグという植物があるらしいんですね。それの生態系に影響を与えてしまうので懸念しているということなんですが、このオオクグに影響を与えるということはないのでしょうか。環境省、担当の方にお伺いいたします。
  212. 日原洋文

    政府参考人(日原洋文君) お答えいたします。  ただいま御質問のありました大橋川の改修工事につきましては、平成十七年から環境調査を行いまして、平成二十一年の二月に最終取りまとめを公表させていただいたところでございます。  その中では、今御指摘のございましたオオクグなど幾つかの水生植物に関しますもの、それから、そこに生息しております昆虫ないしは魚介類につきまして若干の影響が出るという報告が出されております。  ただ、それにつきましても、致命的なものというよりは、適切な環境保全工事措置を実施することによって対応可能であるというふうに認識しておりまして、国土交通省におきましては、そうした水生植物群落につきましては一旦土壌ごと仮移植をして、工事終了後にまた復元するというようなことを行い、また、あるいは昆虫類等につきましては他に近くのところに生息地ございますので、そちらの方に移す等の措置を講ずることといたしております。  なお、実際上その工事による影響がどのように生ずるかということにつきましては、学識経験者によります大橋川改修に係る環境モニタリング協議会というものを設立いたしまして、その中で今年の二月にモニタリング計画書を作成しております。それに従いまして、今後モニタリングをどのようにやっていくか、あるいはそのモニタリングの結果、どういう結果が出たか、またその結果、必要な対策を講ずる必要があるかどうかというようなことを協議会の中でも御議論いただくこととしております。今年も再度モニタリング協議会を実施したところでございます。  今後とも、これまでに実施しました水質及び生物調査環境予測の結果等を踏まえまして環境保全措置を着実に実施していくことといたしまして、今申しましたモニタリング計画書に基づきましてモニタリングを行い、適切な対処をしていきたいというふうに考えております。
  213. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 いろいろな環境モニタリング調査、私、公共事業チェック議連というのにも入っているんですけれども、それぞれの役所の公共事業、干拓事業で農水省であったり国交省のダムであったり、沖縄、泡瀬干潟であったら内閣府ですけれども、いろいろな役所が公共事業を行っていて、その環境影響調査というのがそれぞれの省の下にあったりするもので、環境省に聞くと、環境省、いつも一歩引いているというか余りデータを持っておられない、意見がないということが多いので、私としては環境省にもうちょっと前に出ていっていただきたいと、そういう思いもあって質問をいたしましたので、環境省はやはり環境保全を第一にする役所ですので、よろしくお願いいたします。  以上で質問を終わりたいと思います。
  214. 広田一

    ○広田一君 民主党・新緑風会の広田一でございます。  私は、今回初めて環境委員会の方に所属をさせていただき、初めての質問でございますので、どうかよろしくお願いを申し上げたいというふうに思います。  また、各会派の先生方におかれましては、本当に午前中から精力的な質疑をちょうだいをしましたし、今はもう大臣もいなくなってしまいましたので早めに終わりたいというふうに思いますが、しばらくの間お付き合いのほどをよろしくお願いを申し上げたいというふうに思います。  さて、午前中の質疑の中で細野大臣の方から、自衛隊の被災地における思い出の品の捜索等々についてのお話があったところでございます。  私事で恐縮でございますけれども、自分自身も以前に福島県の五キロ圏内にある浪江という町に入らさせてもらいました。その目的は、そこで任務をしております自衛隊員の激励と視察でございます。この当該地域といいますのは、福島県の第四四普通科連隊と山口県の第一七普通科連隊が任務をしておりました。つまり、会津と長州が歴史的な連携をして捜索活動を行っていたところであるところでございます。隊員たちは、タイベックスという着ただけで汗が噴き出る防護服を着まして、非常に丁寧な作業をしておりました。  その中で、ある隊員が私に言ってくれたんですけれども、この地においては被災者であるとかまた御遺族が自分たちの作業を見守ることはできませんと、だからこそ自分たちはほかの災害地域で行う作業より丁寧にしなければならないという言葉が大変印象的だったわけでございます。  そういった中で、先ほど午前中大臣が言ったような思い出の品ももちろん捜しておりましたし、ある家に入って、いつ被災者が帰ってきてもいいように家財道具を出したりピアノを拭いたりして丁寧に対応をしておりました。  そういう中で、私自身も非常に気が付いたのが、やはり瓦れきの山でございます。大臣がおっしゃっていたように、白い旗もございましたけれども、水色のテープなんかも張りまして、ここについては作業が終了したということを示したわけでございます。隊員たちの本当に丁寧な作業には本当に頭が下がる思いでございましたけれども、同時に、今後こういった瓦れきをどのように処分をしていくのか、また除染をどう進めていくのかということがあの場に立ったときにも頭によぎりました。先般、環境省の方に、その地域での瓦れき等々についてはどうなっているのかというふうにお聞きしましたら、恐らくそのままの状態が続いているということでございます。  このように、今回の福島県における原発事故、これは長い戦いになるわけでございまして、まさしく誰もが経験をしていない事柄について、今環境省皆さん細野大臣を先頭に政務三役、また事務方の皆さんが心を合わせ、力を合わせ取り組んでいるところでございますので、私たちも与党の一員として支えていきたいと、このように思っているところでございます。  そういうことを踏まえながら質問をさせてもらいたいというふうに思いますが、少し順序が変わってしまうわけでございますけれども、まず、中間貯蔵施設に関連して御質問をしたいというふうに思います。  先ほど亀井先生の方から仮置場等々についての御指摘があったところでございます。この中間貯蔵施設につきまして、これも段々の議論がございましたが、今月末にはロードマップというものが公表される予定でございます。環境部門会議といたしましては、公表前にこの内容等々について説明を求めることはいたしません。是非、公表する際には、地元福島県始め関係自治体の皆さんと十分なすり合わせをしていただいて、対応をまず大事にしてもらいたいと、そういう思いからでもあります。公表した後は速やかな説明を求めていきたいというふうに思っておりますが、こういう中ではございますが、ちょっと二点ぐらい、そもそものところでお伺いをしたいと思います。  まず、報道によりますと、環境省の事務次官が汚染土壌などの中間処理施設につきまして、八都県に設置を求めるということの方針を明らかにしたというふうにございます。そもそも中間貯蔵施設が必要な相当量、これは一体どれぐらいになるのか明らかにならない中で、果たして決め打ちができるのかどうか、この点について疑問があるわけでございます。  先ほど言いましたように、今月末にロードマップが示される中ではございますけれども、この中間貯蔵施設につきまして、複数の自治体に設置が必要なのかどうか、これについての現時点での御見解をお伺いしたいと思います。
  215. 高山智司

    大臣政務官(高山智司君) 今、広田理事から、防衛政務官としてのいろいろな御経験も交えてお話もいただきました。本当にどうもありがとうございます。避難をされている方の区域、こういった区域に一日も早く帰れるようにするためにも、徹底した除染が何よりも環境省の役目というふうに心得ております。  さて、当省の次官の発言が報道されたことは私も承知をしておりますが、現時点で、今、環境省で、中間貯蔵施設を複数造るであるとか、何か所、どこにということは決定しておりません。
  216. 広田一

    ○広田一君 了解しました。  いずれにいたしましても、どういった中間貯蔵施設が必要なのかということが明らかになるということでございますので、それをまずは待ちたいというふうに思っております。  そういうところの中で、やはり関係自治体の皆さんからは、例えば中間貯蔵施設がいつどこにできるのか分からないと住民に仮置きの期限を説明ができないという声もあるわけでございますし、去る十八日から福島市でも除染が本格的に始まったところは御承知のとおりでございます。そういう中で、場所等々については、これを示すことは本当に誠に困難なことだということは理解をするところでございますが、一方で、この中間貯蔵施設について、どこが責任を持ち、どのような手法、手続で進めて決定するのか、これは私は極めて重要なことだというふうに思っております。  四年前に、東洋町という小さな町で高レベル放射性廃棄物の最終処分場の、これ文献調査ということなんですけれども、その是非で大変町が混乱をしたところでございます。これは様々な要因、様々な理由があろうかというふうに思いますけれども、私は、この高レベル放射性廃棄物処分場の施設を決めるスキームの在り方に大変問題があるというふうに考えております。  といいますのは、あれは文献調査をする、しないということを実は関係自治体の公募で決めているわけでございます。自治体の自主的な判断で手を挙げてください、こういう仕組みでございます。それに基づいて、NUMOという電力会社が出資をした組織においてこの申請を受けて、その申請に対して国に対して認可を求めるという仕組みになっております。つまり、国の責任というものが非常に巧妙に回避をされ、むしろ国の方は、こういうことを進めることに対してゴーサインを出す、お許しを出すという、そういうふうな立場になるわけでございます。  そういうふうなことについて、私は、やはりこの高レベル放射性廃棄物の最終処分場のみならず、今後、環境省が進める中間貯蔵施設であるとか最終処分場についても、国の責任といったものは一体何なのか、国の責任というのは、やはり国自身が様々な科学調査をし、そして総合的に考え、国から要請をしていく、そしてそれに基づいてこの中間貯蔵施設であるとか最終処分場の設置を決めていかなければならない。そうでなければ、私はこの困難な事業というものは前に進まないのではないかなというふうな問題意識を持っているからでございます。  その意味で、先ほど申し上げたように、どこが責任を持ち、どのような手法、手続で進めていくのか、この点についての御見解をお伺いしたいというふうに思います。
  217. 高山智司

    大臣政務官(高山智司君) 広田理事、ありがとうございます。  今まで放射性廃棄物についての広域的な取扱いについてはこの日本では法律がございませんでした。おかげさまで八月末に特措法を成立させていただきましたけれども、その中で、国はこれまでの原子力政策を推進してきた社会的責任があるということも明記させていただきました。  そして、今回進めさせていただこうと思っております除染、そしてその除染から生ずる土壌、また、放射性を帯びた大量の廃棄物、こういったものの処分に関しては、もうこれは国の責任で行っていくということもきちんと法律上明記をさせていただきました。  具体的に申し上げますと、例えば、福島の線量の高い地域におきましては、除染もそうですし、仮置場の設置あるいはその処分に関して、これはもう国の責任で行っていくということですし、また、多少広範囲になってしまいますけれども、少し線量の低い地域に関しても、市町村の御協力はいただきますけれども、もちろんこれは国の責任で財政的、技術的にきちんと行っていくということは、環境省としても、また国として考えているというところでございます。中間貯蔵施設に対しても全く同じ立場でございます。
  218. 広田一

    ○広田一君 今、高山政務官の方から適切な御答弁をちょうだいしたというふうに思っております。  是非、この施設、処分場等々につきましては、国の責任、国の要請に基づいて設置ができるように、まさしくこの意味で政治主導というものを遺憾なく発揮をしてもらいますように、強く御要請をしていきたいというふうに思っております。  続きまして、原子力安全庁についてお伺いをしたいというふうに思います。  これにつきましては、午前中、中川先生の方から詳しい御質問等もあったわけでございますけれども、私の問題意識も、本当に四月に間に合うのかどうか、これについて若干心配をしているところでございます。  確かに、細野大臣挨拶の中で、今回の原発事故に伴う重要な課題は原子力安全規制に関する組織等の改革、よって、この原子力安全庁設置に対する決意を述べているわけでございます。  こういったことを受けて、去る十月四日になるんですけれども、原子力安全庁の在り方を検討する顧問会議が開催されたというふうに承知をいたしております。その際の論点として五つが示されたというふうにお伺いしておりますけれども、その内容についての御説明を賜りたいと思います。
  219. 森本英香

    政府参考人(森本英香君) お答え申し上げます。  八月十五日の閣議決定におきまして、五つの点が一つの柱となってございます。一つは規制と推進の分離、それから一元化、いろんな、例えば経済産業省あるいは文部科学省等に分かれて存在しますので、安全組織を一元化するという話、それから人材の育成、それから危機管理、そして今、炉規制法あるいは原災法という法律がございますけれども、それの安全規制の強化、その五点でございます。
  220. 広田一

    ○広田一君 具体的な御説明というか、項目についてお話があったところでございます。  それで、今回は危機管理体制の整備の進捗状況についてお伺いをしたいというふうに思います。  原子力安全規制に関する組織の見直しによりますと、この危機管理を新組織の重要な役割というふうに位置付けた上で、新組織において、平時から事故の発生を想定した指揮命令系統の明確化であるとか訓練を担う体制を整備して、緊急事態専門官を新設するというふうにあるわけでございますが、まずこれらについての関係省庁との協議の進捗状況についてお伺いしますとともに、協議に当たっての具体的な論点また課題を現時点でどう整理をされているのか、あわせて、先ほど御紹介した緊急事態専門官の権限や役割、これをどう整理されているのか、お伺いをしたいと思います。
  221. 森本英香

    政府参考人(森本英香君) いわゆる危機管理につきましては原災法がございまして、いわゆるこのような原子力の事故があった場合には、原子力災害対策本部という総理が本部長となる本部が設置されます。現在の保安院もその原子力危機管理本部の事務局として機能するわけでございますけれども、原子力安全庁、これも危機管理を重要な役割というふうに位置付けてございまして、緊急時にはそういう形で本部の事務局を果たすわけでございますが、平時において、事故発生時を想定した指揮命令系統の明確化、あるいは緊張感のある訓練を実践するということで危機管理体制の整備、強化をするというのを検討しています。  先生指摘のように、この危機管理を進めるに当たりましては、自衛隊、警察といった関係省庁との連携強化は極めて重要ということで認識しておりまして、現在、それらの関係省庁と精力的に意見交換をさせていただいております。その中では特に、緊急事態における関係機関との役割分担、それから連携の在り方、対応手順等の論点や課題について今現在、関係省庁間で連携して検討しているという状態でございます。まだちょっと検討が十分ではございませんが、急ぎたいと考えてございます。  それから、先生から御指摘のありました緊急事態専門官でございますけれども、これは平時においては基本的に、原子力事業者の緊急時への備えが十分であるか、あるいは有効に機能するかなど、原子炉等規制法に基づく検査、あるいは防災訓練の評価を通じてチェックするということが主な仕事でございます。  また、緊急時におきましては、適切なプラント対策を講じられますように、今回東京電力の本社に事務局がつくられましたけれども、例えばほかの電力会社であれば電力会社の本店等に詰めて、原子力事業者の応急措置の監督、助言、あるいは原子力災害対策本部との情報伝達を行うという役割でございます。したがって、緊急事態専門官というのがいわゆる緊急事態の指揮をするわけではなくて、そうした情報を収集しまして、必要がありましたらば原子力対策本部に情報を提供し、あるいは連絡をしてその指示を仰ぐと、そういう形でございます。
  222. 広田一

    ○広田一君 御説明をちょうだいしたところでございますが、まずは是非、より一層精力的に関係省庁との協議を進めていただきたいというふうに思います。  といいますのも、段々のお話がございましたけれども、この原子力災害対処における例えば警察とか自衛隊の指揮命令系統というのはもう既に明確化されておりますし、その区分もできているわけでございます。そして、御紹介のあった訓練等についても、原子力災害対策特別措置法に基づきまして、平成十二年から原子力総合防災訓練といったものを実施をしているわけでございます。  そういうふうな積み重ねがある一方で、今回の福島第一原発への対処への教訓といったものがあって、今のこの体制や役割分担では十分な対応ができないのではないか、そういった問題意識の下に、組織改革なり様々な役割分担の仕切りの見直しというものを行っていかなければいけないというふうに思っております。  そういう意味で、やはりこの原発事故初動における例えば状況の把握であるとか情報共有、こういったところにもいろいろな課題があったわけでございますよね。初動において、例えばオフサイトセンターがほとんど機能しなくなって事故状況の情報等が全然入手が困難になった、こういうふうなこともあります。それを今後どのように克服をしていくのかとか、あと、福島第一原発の第三号機の給水作業、これに例えば自衛隊の隊員も従事をしていたわけですけれども、適切な情報が入らなかったために水素爆発に巻き込まれました。幸い一命は取り留めたわけでございますけれども、そういった関係省庁との間での情報共有がやっぱり十分なされていない、そういう問題があったわけでございます。  これまでやってこなかったヘリからの放水とか、こういった任務を行う中で、今の指揮命令系統とか仕切り、役割でどのような点が課題だというふうに認識をされ、だからこそ今関係省庁で論点整理をしているというふうに思いますけれども、現状についていま一度御説明をいただければと思います。
  223. 森本英香

    政府参考人(森本英香君) 先生指摘のように、福島原発におきまして、初動におけるいわゆる自衛隊、警察、海保等と、それと本部との連携、あるいはその活動の仕方について迅速に取り組むという課題があったという認識の下に、今それらの省庁と言わば連携して検討しているわけでございますけれども、大変恐縮でございますが、今の時点でこういう方向というのがちょっとまだ出ておりませんので、引き続き検討を進めさせていただきたいというふうに考えてございます。
  224. 広田一

    ○広田一君 是非、緊急事態専門官の先ほど質問した権限や役割、今の御答弁を聞いていますと、まだ十分に整理されていないのかなという感じがいたしましたので、何をどう変えるのか明確にしていただいて、原子力安全庁におけます危機管理体制について国民皆さんがイメージできるような、そういったようなことを早く形作っていただくように要請をいたしまして、この点についての質問を終わりたいというふうに思います。  それでは、ちょっと順序が逆になってしまいましたけれども、細野大臣、今日は内閣委員会の方に行かれて今いらっしゃらないわけでございますけれども、本日は横光副大臣、そして先ほど来から高山政務官にもお越しをいただいているところでございます。お二人につきましては、もう既に環境部門会議等でいつも会っている仲間でございますし、今更言ってもあれなんですけれども、本当に御就任おめでとうございます。  その上で、この二か月なんですけれども、非常にお二人ともまさしく東奔西走、世界中を駆け巡っているわけでございます。大変な二か月だったというふうに思いますけれども、その間の感想と今後の決意についてお聞きをいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
  225. 横光克彦

    ○副大臣(横光克彦君) どうもありがとうございます。  環境大臣を拝命いたしまして二か月になろうとしているのですが、御案内のように、環境省、これまでの業務にかてて加えて、先ほどから言われておりますような大変大きな重要な業務が加わるという、まさに画期的な大転換期を今環境省は迎えようとしているわけでございます。  そういった中で、一昨日、細野大臣所信を表明されましたが、あの所信に向けて、我々、高山政務官とともに、懸命に様々な課題に取り組んでまいりたいと思っております。  喫緊の課題は、何といいましても、先ほどからずっと御議論されております東日本大震災による国難ともいうべきこの事態の打開でございますね。これがやはり復旧復興に向けての、廃棄物そしてまた放射能除染、さらには原子力安全庁設置、これら全ては復旧復興の大前提だと思っておりますので、これらの問題に全力で取り組んでまいりたいと思っております。  また、細野大臣が超多忙でございまして、実は、これも今日ずっと御議論されました地球温暖化の問題、本年末にはダーバンでCOP17が開催されるわけでございますが、その前段のプレ会議、閣僚級会議に二回、私、アフリカに行ってまいりました。その中での議論は非常にそれぞれの国々によってまだまだ錯綜しておりますし、溝は深いなという感じがいたしましたが、それだけに、やはりこれからの将来の全人類、全地球のことを考えますと、私たちの国が一貫して主張いたしております、主要な国が全て参加した中で公平で実効性のある、そういった新たな枠組みの構築が絶対に必要なんだなという思いを改めてしたわけでございます。この新たな構築に向けてこれまた全力で頑張っていかなければならない、そういった思いでいっぱいでございます。  また、私の希望で水俣市を訪問させていただきました。水俣病患者や被害者団体の皆様方とお話しする機会をいただきました。そういった中で、水俣病問題の解決という言葉を安易に使わないでくれという御意見もございまして、非常に率直というより非常に重い発言を受けたなという気がいたしております。  いずれにいたしましても、私といたしましても、こういった水俣病問題の更なる解決に向けて、そしてまた胎児性患者、この胎児性患者の方たちももう五十歳、六十歳なんですね。こういった人たち、そしてまた、そういった地域人たちが今後安心して暮らしていけるような、そういった社会の取組に向けても頑張っていかなきゃならないと思っております。  私事で大変恐縮でございますが、実は私、昔俳優をやっておりまして、俳優を目指して東京に上京してある劇団に所属したとき、その劇団で最初に私が見た芝居が実は「神通川」、イタイイタイ病という公害問題を取り上げた芝居だったんですね。そして、あれから数十年たって、現在、環境大臣としてそういった水俣病を始め公害問題に取り組む、立ち向かう立場になったということで、大変感慨深い思いと身の引き締まるような思いを今感じております。  非常に大きくなった環境行政、しっかり取り組んでまいりたいと思っておりますので、どうぞ皆様方の御協力もよろしくお願いを申し上げます。  ありがとうございました。
  226. 高山智司

    大臣政務官(高山智司君) 広田理事、ありがとうございます。  環境省は、温暖化の問題、生物多様性の問題、環境教育、またリサイクル、3R、こういったいろんな問題を抱えておりますけれども、私は今回、自分の使命は総理からもまた大臣からも福島の除染であるということを言われております。やはり除染はやれば必ず放射線量が下がるということで、本当にこの除染をすればどんどん良くなるということを信じてやっていきたいと思っておりますし、また、環境省は、大気汚染、水質汚濁、今までどこから手を付けていいか分からないといった公害問題に取り組んで、そしてそれを克服してきたという歴史がございます。  是非、この参議院環境委員会、とりわけ松村委員長ほか理事の皆様、また委員の先生方の御指導をいただきながら、日本のいい環境を取り戻していきたいと思っておりますので、今後とも御指導、御鞭撻、どうぞよろしくお願いいたします。
  227. 松村祥史

    委員長松村祥史君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後三時三十分散会