○猪口邦子君 ありがとうございます。おはようございます。自由民主党の猪口邦子でございます。
玄葉大臣は、さきの
外交防衛委員会におきまして、
日本・ペルー
経済連携協定と
日本・
メキシコ経済連携協定を改正する
議定書の
締結につきまして
承認を求めるための提案理由
説明を行いました。よりまして、本日は、両
協定の
条約審議を含め、
我が国の外交
防衛問題につきまして
質問をさせていただきます。
条約審議でありますので、これは日・ペルー
協定、そして日・
メキシコ改正
議定書、それぞれの特徴につきまして、やや地味なことではあるかもしれませんけれども、やはり
国民の皆様の理解を促進し、そして
質問と答弁、これを通じて記録を正確なものにして、そして残しておくという
意味からも
質問させていただきたいと思っております。
まず、
大臣御存じのとおり、
協定は、ペルーの方でございますけれども、総則、つまり第一章第一条において、両
締約国が自由貿易地域を設定するということを定めておりまして、その場合、投資の促進、これは非常に重要な部分でありますけれども、既にペルーと
日本におきましては二〇〇九年の
投資協定が発効しています。そういう場合に、新たなEPAとしてその後
交渉があるときにどう取り扱われるのかと思って見ておりましたところ、この第二条、その内容は本
協定に組み込まれ本
協定の一部を成すという事実上の形となっているということで、そこは非常に参考になる形かなというふうに
考えております。
それで、
事務方も精力的な
交渉をされたのでしょうけれども、このペルーのことにつきまして、まあ
メキシコは改正
議定書なのでそれと平仄を合わせる形なのでしょうが、非常に有意義な
交渉結果が反映されています。
私が見る有意義な点ということを幾つか申し述べますので、
大臣の方からお
考えをお伺いできればと思います。
まず、注目すべきは第三章でございます。これは、認定輸出者による原産地申告制度の導入ということでございまして、第三章の原産地規則、この(21)、つまりこの
協定の五十八条ですけれども、こう定めているんですね。原産地申告を作成することができる認定輸出者の認定基準等について定めると、こう決めているということは、まさに認定輸出者による原産地申告制度を導入しているということです。
この制度はヨーロッパではよく見られまして、
我が国はスイスとのEPAにおいてのみ大変な
努力の結果この導入に成功しておりまして、この度、ペルー、
メキシコですので三つ目の、二つ、三つとこの制度の導入が可能となるということでございますね。
どういういいことがあるかと。輸出業務の手続が大幅に簡素化。企業にとって、企業
自身が安定した輸出者であれば認定輸出者として登録される
可能性もありますので、非常に企業負担が大幅に軽減されるという、こういうメリットがあると
考えておりまして、スイス以外ではこの度のこのペルーと
メキシコ、
日本としては初めてですので、特別の
意味合いを感じます。恐らく政治的な外交的な
意味合いも込めての積極
交渉であったのではないかと思います。
ほかには、WTOというマルチのところがあるんですけれども、このバイのそれぞれの
協定、WTOプラスの内容、WTOを上回る内容となっている部分がかなりあります。ですから、WTOではいろいろな理由から
交渉がうまくいかずに成立していないような自由貿易の将来の姿というもの、こういうバイで示すということができるということは自由貿易の促進に非常に有意義なことと
考えます。
とりわけ、まず、第二章で物品貿易、これはもちろんのことなんですけれども、七章のサービス貿易、それから十章、これは
政府調達に関すること、十一章、知的財産権に関すること、いずれもWTOプラスの内容になっていると読み取りました。
例えば、十章の
政府調達については、WTOで
政府調達について高いレベルの
交渉をしようとして集まっている幾つかの国があるんですけれども、ペルーはそこには参加しないというふうに言っていたんですけれども、バイの
日本との協議においてはまさにその水準のことに今回合意したと思われるんですけれども、そのような理解でよろしいかも伺いたいと思っております。
ですから、EPAの経験の中で高い水準のそういう自由貿易の経験を積んでいくケース、こういうことが出てくることはWTOにとってもウエルカムではないかと、彼らもやっぱり勇気付けられることではないかと思っております。
それから、知財、知的財産権につきましては、御存じのとおり、模倣品の問題というのは自由貿易を阻害する重大な問題でございますけれども、この度、輸入の側でのみなく輸出の側でも取り締まる内容となっておりまして、両方の水際で対処するという、私はここには主権
国家同士の強い共通の思いというものが反映されているなというふうに思いました。
それから、小さなことかもしれないけれども、
国益事項として私は立派な
交渉だと思いましたのは九章ですね。これは商用目的の
国民、あるいはその目的で入国する一時滞在の人へのビザの発給のことで、百四十二条でございますけれども、これは通常四十五日をペルーは定めておりますが、
日本の場合、二十執務日を超えない合理的な期間内ということを定めてくれましたので、これは多くのビジネスマンが助かることと、これは純粋に
国益としていいことであるというふうに思います。
そして、あともう
一つは、最近
TPPとの
関係でも話題になりますいわゆるビジ環、ビジネス環境
規定でございますが、EPAにはあって、今のところ、漏れ聞くところ
TPPの方にはないという
議論もあるんですが、このペルーとのことでも、十三章におきましてビジネス環境
規定がございまして、更に小
委員会を設けて、ペルーのビジネス慣習などについて
日本として意見があったり、こういうふうに改善するのは当然でしょうというふうなことを後々伝える
仕組みというものがここに導入されている、このようなところは非常に評価すべきだと思います。
そこで、総括的にお伺いしたいんですけれども、このような特徴についての
大臣の御意見、それから、ここまでやってもまだ不足の点があるのかもしれずと思いまして、そういうことについての
説明があればお願いしたいと思います。
また、今後の自由貿易
交渉に参考になる部分というのは特にどういう部分なのか、そういうことについてお伺いします。