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2011-11-22 第179回国会 参議院 外交防衛委員会 第3号
公式Web版
会議録情報
0
平成二十三年十一月二十二日(火曜日) 午前十時開会 ─────────────
出席者
は左のとおり。
委員長
福山
哲郎
君 理 事
風間
直樹
君 谷岡 郁子君 猪口 邦子君
佐藤
正久君
山本
香苗君 委 員
一川
保夫
君
加藤
敏幸
君 北澤 俊美君
佐藤
公治
君
榛葉賀津也君
山根
隆治
君 宇都 隆史君 岸 信夫君
山本
一太君
山本
順三君
山口那津男
君 小熊
慎司
君 舛添 要一君 山内
徳信
君
国務大臣
外務大臣
玄葉光一郎
君
防衛大臣
一川
保夫
君 副
大臣
外務
副
大臣
山根
隆治
君
環境
副
大臣
横光 克彦君
防衛
副
大臣
渡辺 周君
大臣政務官
外務大臣政務官
加藤
敏幸
君
防衛大臣政務官
下条
みつ
君
事務局側
常任委員会専門
員 矢嶋 定則君
政府参考人
内閣法制局
第一 部長
横畠
裕介
君
法務大臣官房審
議官
團藤
丈士
君
外務大臣官房参
事官
宮島 昭夫君 ───────────── 本日の
会議
に付した案件 ○
理事
の
辞任
及び
補欠選任
の件 ○
政府参考人
の
出席要求
に関する件 ○
外交
、
防衛等
に関する
調査
(
米海兵隊
の
豪州駐留
に関する件) (
防衛大臣
の
宮中晩餐欠席
に関する件) (
在日米軍
再編問題に関する件) (
自衛隊
による
放射性物質汚染地域
の
除染
に関 する件) (
自衛隊
の
東日本大震災
への対応に関する
教訓
事項に関する件) (国際的な
腐敗防止
とODAに関する件) ○
経済
上の
連携
に関する
日本国
と
ペルー共和国
と の間の
協定
の
締結
について
承認
を求めるの件(
内閣提出
) ○
経済
上の
連携
の
強化
に関する
日本国
とメキシコ 合衆国との間の
協定
を改正する
議定書
の
締結
に ついて
承認
を求めるの件(
内閣提出
) ─────────────
福山哲郎
1
○
委員長
(
福山哲郎
君) ただいまから
外交防衛委員会
を開会いたします。 議事に先立ち、一言申し上げます。 本
院議長西岡武夫
君は、去る五日、逝去されました。誠に
哀悼痛惜
に堪えません。 ここに、皆様とともに謹んで
黙祷
をささげ、
哀悼
の意を表しまして、御冥福をお祈り申し上げたいと存じます。 どうぞ御
起立
を願います。
黙祷
を願います。 〔
総員起立
、
黙祷
〕
福山哲郎
2
○
委員長
(
福山哲郎
君)
黙祷
を終わります。御着席願います。 ─────────────
福山哲郎
3
○
委員長
(
福山哲郎
君) まず、
理事
の
辞任
についてお諮りいたします。
榛葉賀津也君
から、文書をもって、都合により
理事
を
辞任
したい旨の申出がございました。これを許可することに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
福山哲郎
4
○
委員長
(
福山哲郎
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 この際、
理事
の
補欠選任
を行いたいと存じます。
理事
の
選任
につきましては、先例により、
委員長
の指名に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
福山哲郎
5
○
委員長
(
福山哲郎
君) 御
異議
ないと認めます。 それでは、
理事
に
風間直樹
君を指名いたします。 ─────────────
福山哲郎
6
○
委員長
(
福山哲郎
君)
政府参考人
の
出席要求
に関する件についてお諮りいたします。
外交
、
防衛等
に関する
調査
のため、本日の
委員会
に、
理事会協議
のとおり、
政府参考人
として
内閣法制局
第一部
長横畠裕介
君外二名の
出席
を求め、その
説明
を聴取することに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
福山哲郎
7
○
委員長
(
福山哲郎
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
福山哲郎
8
○
委員長
(
福山哲郎
君)
外交
、
防衛等
に関する
調査
を
議題
といたします。
質疑
のある方は順次御発言願います。
風間直樹
9
○
風間直樹
君 よろしくお願いします。 今日は、時間の
関係
で、
最初
に、先日十一月十六日に
発表
されました
アメリカ
と
オーストラリア
の
記者会見
の
内容
について
質疑
で取り上げたいと思います。 今回の
米豪首脳
のこの
会見内容
、非常に注目すべきものだと思っておりますが、
幾つ
かその
会見
で示された
ポイント
があるだろうと思います。
外務省
か
防衛省
の方で恐らくこの
ポイント
を整理されていると思うんですけれども、ちょっとその
会見
の
内容
について
ポイント
を踏まえて御
説明
をいただければ有り難いと思うんですが、どなたか
説明
できる方いらっしゃいますでしょうか。──はい、お願いします。
玄葉光一郎
10
○
国務大臣
(
玄葉光一郎
君) それでは、私の方から、今回の
米豪
の
戦力体勢イニシアティブ
の
概要
について申し上げたいというふうに思います。 この
イニシアティブ
は、
アジア太平洋地域
の平和と安定に貢献してきた強固な
米豪関係
を更に
強化
するものであり、
地域
の
安全保障
の
強化
及び
両国
の
相互運用性
の向上という
両国
のコミットメントに基づくものである。特にこれは
共同発表
を基に申し上げますので、引用をお許しをいただきたいというふうに思います。 二〇一二年中ごろから、
豪州北部
及び
ダーウィン
において
米海兵隊
が毎年六か月
程度
ローテーション
展開
し、
豪州軍
との
演習訓練
を実施。
展開規模
は二百五十人
程度
から開始をし、最終的には、航空機、
陸上車両
、
砲兵等
を含む二千五百人
規模
の
海兵空地任務部隊
、MAGTFの構築を目指すと。
報道
によれば、五年
程度
の間に
実現
をされるということでございます。
豪州北部
における
豪州軍
の施設・区域への
米空軍機
のアクセスを
拡大
をし、
米豪
両
空軍共同
の
演習訓練
の
機会
を
拡大
をする。 本
イニシアティブ
は、
アジア太平洋
において、地理的に分散し、
運用面
での高
靱性
、レジリエンスの訳だと思いますけれども、高
靱性
があり、あるいは
強靱性
と訳してもいいのかもしれませんが、政治的に持続可能な
米軍
の
プレゼンス
を
実現
をするための一環、また、
地域
の
関係国
との
軍事演習等
の
協力拡大
を可能とする。
合同訓練機会
の増加、
相互運用性
の
深化等
を通じて、
米豪両国
が
人道支援
や
災害救援
を含む
アジア太平洋
における幅広い危機に対して迅速かつ効果的に対応することを可能とすると、こういう
概要
だというふうに思います。
風間直樹
11
○
風間直樹
君 ありがとうございます。 いろいろと
分析
やら
報道
やらを見てみますと、今後の
展開
の
可能性
にも触れられている
部分
があるようであります。 二点申し上げますと、まず、
豪州北部
及び西部の
空軍基地
に
米軍
の
戦闘機
、
爆撃機
、
空中給油機
、
輸送機等
が今後
駐留
していくだろうと。それからもう一点は、
ダーウィン
及び
パース付近
の
オーストラリア
の
海軍基地
では、ここは既に
米戦艦
の
寄港地
だそうでありますが、さらに
米艦船
、
潜水艦
の
寄港地
として
設備
が拡充される予定だということであります。 このように、今回の
発表内容
を見ますと、
東南アジア
のみならず
東アジア一帯
に与える
影響
が非常に大きい新たな
米軍
の
プレゼンス展開
への一歩だというふうにも受け取れるわけですが、
外務大臣
、
防衛大臣
はそれぞれのお
立場
で、今回の
発表
の意義について、あるいは
東アジア
そして
日本
への
影響
について、どんなふうにお
考え
でしょうか。
玄葉光一郎
12
○
国務大臣
(
玄葉光一郎
君)
先ほど
も
概要
の中でも、
発表
の中でもまたございましたけれども、基本的に
アジア太平洋地域
において
米国
がよりコミットを
強化
をすると、こういう趣旨であり、同時にその
政策
を
具体化
をするというものだというふうに
考え
ておりまして、基本的にはこの
地域
における
米軍
の能力を向上させるものであるというふうに
考え
ております。 同時に、
米豪
間がこういう形で
同盟関係
をある
意味深化
をさせているわけでありますので、同時に、
日豪
の間で今2
プラス
2という枠組みがございますから、やはりこの2
プラス
2をできるだけ早期に
開催
をして、しっかりと調整をしたいというふうに思っております。 同時に、これは
在日米軍
の再編に
影響
するものではないという
説明
を
米側
から受けているということも併せてこの場をお借りして申し上げたいというふうに思います。ただ、私の方からは
外務省
の
担当者
には、
米国
と
豪州
と今回の問題あるいは今後の
展開
等々について、より緊密に
協議
をして
意思疎通
を図るようにという指示をこれまでしているところでございます。
一川保夫
13
○
国務大臣
(
一川保夫
君) 私も今
外務大臣
が述べられた
考え
方と基本的には同じなんですけれども、私
自身
も十月二十五日、
パネッタ国防長官
との
話合い
の中でも、
アジア太平洋地域
におけるこういった
米軍
の
プレゼンス
を維持
強化
したいという
アメリカ側
の
意思表示
も当時からございました。そういう中にあって今回具体的にそういう
発表
がなされたという面では、
アジア太平洋地域
における平和と安定という観点からすれば、
我が国
の
防衛
上からしても歓迎すべきことではないかなというふうに思っております。 ただ、
在日米軍
の再編問題との絡みは、今の
お話
のように、直接関連するという
説明
は我々も聞いておりませんけれども、こういう問題にしっかりとまたこれから関心を持っていろんな
情報
をキャッチする必要があるであろうというふうに思っております。
風間直樹
14
○
風間直樹
君 今回の
発表
の
意味
につきまして、私なりに
考え
るところが
幾つ
かございます。 一点は、
発表
の
タイミング
なんですが、今回はちょうど、ハワイでの
APEC首脳会談
とそれから
インドネシア
での
東アジア
・
サミット
、このはざまに
オバマ大統領
が
オーストラリア
を訪問して
発表
が行われました。この
発表
が非常に絶妙な
タイミング
だったんだろうと思います。 ニュースで
東アジア
・
サミット
の
様子
を、
首脳会議
の
様子
を見ておりまして非常に印象深い場面があったんですが、ちょうど
オバマ大統領
と
中国
の
首脳
が隣り合わせの席に座っていまして、
中国首脳
の側から
オバマ大統領
に対して頻繁に接触あるいは会話を求めているシーンが放映されていました。そこでの両者の、お二人の
様子
がまさに今の
両国
の
力関係
というものを象徴しているような、そういう雰囲気を私は感じたわけであります。まあ一言で言うと、
中国首脳
に非常に動揺の気配が見られたというふうに思っています。 それから、二点目ですが、
オーストラリア
という、非常に地理的、距離的になかなか絶妙な、微妙なロケーションにあるこの国に関する
米軍
の配備の
発表
ということでありますが、いろんな
分析
を読んでおりますと、今
中国
が
開発
中の
長距離打撃力
、
ミサイル
ですとかあるいは
戦闘機
ですとか、いろんなものが含まれるんでしょうけれども、そこを考慮した上で今回
アメリカ
と
オーストラリア
のこういった
合意
に結び付いたという
分析
がなされております。 この
中国
が
開発
中の
長距離打撃力
、これは恐らく
東アジア
に
展開
する
米軍基地
、各地の
米軍基地
にやはり同様の
影響
を与えるものでしょうし、
日本
の
基地
、
日本国内
の
米軍基地
も例外ではないと思います。 そこで
防衛省
にお尋ねをしますが、
中国
が
開発
中のこの
長距離打撃力
というのは具体的にどのようなものなのか、お示しをいただけますでしょうか。
下条みつ
15
○
大臣政務官
(
下条みつ
君) 御質問にお答えさせていただきたいと思います。
中国
というのは、
命中精度
の高い
通常弾頭
の
弾道ミサイル
を保有しているほか、
空母等
の洋上の艦艇を攻撃するための
通常弾頭
の対
艦弾道ミサイル
を
開発
中であります。また、先生おっしゃっている足の長いという
意味
では、射程千五百キロ以上の
巡航ミサイル
のほか、
中距離爆撃機
など多数保有しております。
空母保有
に向けた必要な技術の
研究開発
に向け、国産の
次世代戦闘機
の
開発
も推進中というふうに聞いております。 以上でございます。
風間直樹
16
○
風間直樹
君 去年ぐらいでしょうか、その
中国海軍
の
南シナ海
あるいは
東シナ海
への
展開
が
関係国
の
懸念
になってきたころから
中国海軍
が、いわゆる
米艦船
、特に
空母
のこの海域への接近を拒否すると、こういう
戦略
を
展開
しつつあるということが言われているわけであります。同時にこの
長距離打撃力
の
開発
が進んでいるということでありまして、これは
我が国
にとってもやはり見過ごせない状況なんだろうというふうに思います。そういう中で今回の
発表
ですから、これは
我が国
の
安全保障
に与える
影響
も非常に大きいと、
プラス
の面での
影響
が大きいというふうに評価をしているところであります。 更にもう一点ですが、今御答弁にもありましたように、今回の
発表
は、特に
南シナ海
における
中国
の
海洋進出
に対する抑止、抑制という側面が強いと私は感じていますけれども、同時に、この
オーストラリア
という国は
マラッカ海峡
に非常に近い国でありまして、恐らく距離にして五百キロメートルぐらいかと思います。この
マラッカ海峡
に今後
米軍
が
展開
していく
オーストラリア
の
基地
が非常に至近だということと、それらの
基地
で
米軍
に対して様々な補給あるいは
設備
の
更新等
ができるということが
一つ
の大きな
意味
ではないかと思っています。
マラッカ海峡
は、御承知のように、
シンガポール
とマレーシアという国、それから
インドネシア
、これらに挟まれた
海峡
でありますけれども、そもそも、かつて
イギリス
の
イニシアチブ
によりましてマレー半島の先端に築かれた国であります。
イギリス
がなぜここに
シンガポール
を
イニシアチブ
を取って築いたかというと、これは
マラッカ海峡
の
航行
の
安全性
、
航行
の自由を確保すると、こういう国益が
イギリス
にとって当時あったからでありまして、現在でもこの要衝としての
重要性
は当然失われていないわけであります。 私は、今回のこの
発表
を
日本
の
立場
から
分析
するときに、恐らく二つの
意味
があるだろうと思っています。
一つ
は、この
マラッカ海峡
の
安全性
が
日本
にとってもより一層担保される結果となったということだと思います。これまで
米国
は、対
テロ戦争
ということでイラク、それからアフガニスタンで
戦闘
を続けてまいりましたが、それもほぼ終了のめどが付いた。そして今、いよいよ
アジア
への
プレゼンス
の
展開
を本腰を入れて始めようとしていると。この対
テロ戦争
を継続中は、やはり
シーレーン
の
安全性
の確保という
意味
で私はいささか不安なものを感じていた
部分
がございます。
テロ行為
による
シーレーン
が脅かされると、こういう
可能性
もあっただろうと思いますが、これがほぼ
懸念
が払拭されつつあると。同時に、
オーストラリア
の
駐留
によってその
安全性
が担保されるということが言えると思います。 もう一点は、今回のこの十六日の
両国
の
発表
は、これまでここ一年ないし二年の間に続いてきた
米中間
の様々な駆け引きの
一つ
の帰結として生じたという感じを私は強く受けているわけでございます。これは、ちょっと今日時間があれば
外務大臣
、
防衛大臣
ともお
考え
を交わさせていただきたいと思うんですが、恐らく今回の
発表
は
中国
にとってはある
意味ショック
だったんだろうと思います。非常に大きな
影響
を受けた
発表
だったんだろうと思います。 そのそもそもの転機がどこから来ているのかなというと、私は、恐らく今年の
最初
、一月に行われました
ワシントン
で
開催
された
米中首脳会談
だったんだろうというふうに感じています、一月の十九日でありますが。
胡錦濤国家主席
が一月十九日、
ワシントン
を訪問いたしました。十九日当日は少し大
人数
の
会議
を、
ワシントン
で
首脳会議
を持ったわけでありますが、同時に、到着した前日の晩、十八日の夜に少
人数
の
ワーキングディナー
を
開催
しています。これは
アメリカ側
からの要望に応じて
開催
しています、六人で
開催
をしています。この両方の
会合
における米中のやり取りが、恐らくその後の
両国
の
関係
をかなり規定する契機となったのではないかなというふうに私は感じています。 今日、
配付資料
でお配りしていますが、その辺の事情を簡潔に伝えている
記事
でございます。今年二月三日の日経新聞の二面に掲載された「風見鶏」というコーナーで、「ヤルタの
教訓
が問うもの」という
記事
です。ここの前半三段目までがそこの辺の要旨を伝えております。 ちょっとこの
記事
の
内容
を踏まえて、この一月の
会談
で何が起きたのかを御
説明
したいと思いますが、まず、この一月十九日の
米中首脳会談
ですけれども、この
首脳会談
に至るまで
相当両国
では
交渉
が難儀したというふうに聞いております。具体的には、
中国政府
の方は既に一九八五年に
海洋強国戦略
というものを
劉華清提督
の
イニシアチブ
の下に策定をしまして、以来、
南シナ海
、
東シナ海
で
中国海軍
が
プレゼンス
を拡充する、そうした計画、行動を着々と進めているところであります。この十九日の
会議
というのは、恐らくこの八五年以来の
中国
の
戦略
を
中国政府
が初めて
アメリカ
に対して是認を求めた場だろうと、私
自身
はそういうふうに
総括
をしております。 この
共同声明
を作るに際して、特に
アメリカ側
から要人が
北京
に何度も足を運んだわけでありますが、まず、
ヒラリー長官
が事前に
北京
に行ったものの
話合い
が付かなかったと。キャンベル氏がもう一度行ったけれども、それでも
話合い
が付かなかったと。ここまでで合計何十時間も掛けているわけであります。この
首脳会談
の当日、一月十九日の朝四時ごろまで掛けて
交渉
して、ようやく何とか
共同声明
をまとめたというふうに言われております。
中国側
がこの場で要請したことは、
中国
の
核心的利益
を
米国
が尊重するという
文言
をこの
首脳会談
の
共同声明
に是非入れたいと、こういうことでありました。この
中国
の
核心的利益
なんですが、この
共同声明
に入れることを
米国側
は拒否をしております。その前後で実は
中国側
の姿勢がこの
核心的利益
について大きく変わってきています。つまり、この
首脳会談
の前には
中国
の
核心的利益
の中には
南シナ海
が含まれると
中国側
は様々な場で言っておりました。ところが、この
首脳会談
の後はそれは明言しないようになりました。現在では
中国
の
核心的利益
は
台湾
だと、こういう言説が広く
中国側
によって使われているというふうに私は
認識
をしております。 この十九日の
首脳会談
に先立つ十八日の夜の
会食
ですが、ここではホワイトハウスで六人だけの
ワーキングディナー
になったと。
アメリカ側
は
オバマ大統領
、
クリントン長官
、それから
ドニロン補佐官
、
中国側
は
胡錦濤氏
、
楊潔チ
氏、戴秉国氏、この六人だったということであります。 ここで
アメリカ
は、こういった少
人数
の
会食
をすること自体が異例なんですが、
中国
の本音の話を聞こうとしてこの
会食
を設定したということでありまして、
議題
は三つでありました。
一つ
は北朝鮮問題、それから人民元の切上げ問題、三番目に
中国
の
人民解放軍
のシビリアンコントロール問題、この三点でありました。
内容
がどうだったかというと、
米国側
の期待に反して
中国側
からこれらの論点に対して返ってくる答えは
公式声明
の繰り返しに似たものだったということであります。 この二日間にわたる
会議
とその前後の
交渉
、折衝を含めて、
中国側
は、
先ほど
も申しましたように、
南シナ海
を含めて
台湾
、そして朝鮮半島を
核心的利益
として認めてほしいと、その代わりそこから出ていくことはしないという言わば取引をしたかったのではないかと私は推測をしております。一方、
アメリカ
は、そこまで撤収するつもりはないということでこれをけったわけでありますが、
アメリカ側
が内部で
総括
している話を聞きますと、
中国
は米中が
アジア
を仕切る
G2体制
を望んでいるが、それは無理だと明確に伝えたと、こういう
総括
を
アメリカ側
ではしております。 この後、
米中関係
が、それ以前
G2
という言葉が喧伝されていたものが大きく
内容
が変わりまして、明確に
アメリカ
が
中国
の
アジア
、特に
南シナ海
、
東シナ海
における
海洋進出
を抑制するという方針に踏み込んできたのではないかと私は
考え
ているところであります。 こういった流れを踏まえて
我が国
の
防衛政策
を取っていくこと、あるいは
外交政策
を取っていくことが当然ながら必要になってくると思いますけれども、この点、
外務大臣
、
防衛大臣
、何か御感想あるいはお
考え
があればお聞かせいただきたいと思います。
玄葉光一郎
17
○
国務大臣
(
玄葉光一郎
君)
風間委員
がおっしゃった二〇一一年の一月十九日の
ワシントン
での
米中首脳会談
、そしてその前の二〇〇九年十一月十七日の
北京
での
首脳会談
、確かに変わったところがございました。今おっしゃったように、双方は互いの
核心的利益
を尊重することが
米中関係
の
安定的発展
を確保する上で極めて重要であるとの
認識
で一致したというのが二〇〇九年でございますが、二〇一一年は、今おっしゃったように、
核心的利益
との
文言
は盛り込まれなかったというのが、おっしゃるとおり九年と一一年の大きな違いだというふうに
考え
ております。 その上で申し上げますと、やはり特に
海洋
というのは
公共財
でございます。この
海洋
という
公共財
を、私は、幅広く多数国間で
議論
をしていくということは非常に大切なことであるということをASEANの各国の外相にも
説明
をしてきたという経緯があります。 ただ、私の
立場
として申し上げられるのは、特定の国を念頭に置いているわけではないということでございますけれども、やはりこの
海洋
という
公共財
について、例えば海賊の問題も
捜索救難
の問題も
海洋環境
の
汚染
の問題も含めて、幅広いテーマで、何回も言いますが、多数国間で
議論
をしていく、そういう場を設けていくということが大事だということでございます。 今回のEASでは、御存じのように、
米ロ
が初参加をしたという中で、いわゆる
海洋
、
公共財
である
海洋
ということについても
国際法
の尊重といういわゆる大原則を盛り込んだという
意味
は、私はその
重要性
を確認をした
意味
というのは非常に大きいのではないかというふうに
考え
ているところでございます。
一川保夫
18
○
国務大臣
(
一川保夫
君)
中国
が近年大変な
経済成長
を遂げてきたことは事実でございますし、そういう中にあって、
先ほど
先生の方から話が出ましたような、
東シナ海
なり
南シナ海等
に向けて大変いろんな活動が活発化してきたというのは事実でございます。 そういう中で、
沿岸
の
諸国
といろいろとトラブルが生じてきているというような
情報
も我々も接しておりますけれども、そういう中にあって、今回の、特に
東アジア
・
サミット
と称していいような
会合
が今回持たれたと思いますけれども、そういう中で
野田総理大臣
も、そういう
海洋法等
の国際的なルールをしっかりとやはり遵守すべきだということとか、あるいはまた紛争が生じた場合の平和的な処理をしっかりと対応すべきだというような
お話
とか、あるいは
航行
の自由をもっとしっかりと確立すべきだというようなことを問題提起されたというふうに聞いておりますけれども、そういうことも含めて私たちは、今回の、今、
米中韓
における、まあ
日本
も含めて、この
東南アジア
の
地域
のいろんな
情報
をしっかりとキャッチする中で間違いのない判断をしていかなければならない
時代
に来ているなという
認識
を持っておりますし、
先ほど
の
お話
に出ましたように、やはりその各
沿岸
というか、この
東シナ海
、
南シナ海
に接する、そういった
諸国
の
皆さん方
が多国間でいろんな
合意形成
を求めていくということが非常に重要な
時代
ではないかなというふうに私
自身
は
考え
ておりますし、また
中国
と
日本
との
関係
もしっかりと、
防衛
上の問題、
安全保障
上の問題についてもしっかりと
話合い
ができる、そういうような
交流関係
をしっかりと築いていくということも一方では大事だなというふうに
考え
ております。
風間直樹
19
○
風間直樹
君 両
大臣
おっしゃるように、
中国
を包摂すると、こういう仕組みをつくるということも非常に大事な取組だと思います。 同時に、
我が国
の
安全保障
上の様々な努力としては、昨年末の新
防衛
大綱、それから今年ですか、五月に日米の2
プラス
2で動的抑止という概念が盛り込まれているというふうに聞いております。こういう取組をなされているわけであります。この取組が何を
意味
するのかについては、また今後の
委員会
で
議論
をさせていただきたいと思います。 これで終わらせていただきます。ありがとうございました。
佐藤正久
20
○
佐藤
正久君 自由民主党の
佐藤
正久です。 まず、閣僚の心、これについて
議論
をさせていただきたいと思います。
大臣
、信なくば立たずという言葉がございます。普天間問題が進展しない理由の
一つ
に、民主党政権の閣僚の中で、沖縄県民、とりわけ沖縄県知事とうまく
関係
がいっていない、特に知事が胸襟を開いて話すことができる閣僚がいないということが
一つ
の問題だと思います。政治は心と言われています。震災対応もそうです。被災者に寄り添うと口では言っても、心がないと、それは言葉とかあるいは立ち居振る舞い、
政策
へみんな跳ね返ってきます。 菅前首相、玄葉
大臣
の地元の田村市の体育館の方に避難者の慰問に行かれました。ところが、全国に
報道
されたように、二家族ぐらいしか挨拶をせずに帰ろうとした。残りの方々がいっぱいいた。葛尾村から避難されていたお父さんがもう帰るんですかと言ったら、慌てて帰ってきて、済みません、気が付きませんでしたと。うそですよ、体育館の中ですから。そうしたら、奥様から、もうあなたの言葉は信用できませんと言われたら、菅首相は、済みません、反省させてくださいと。ああいう映像は見たくありませんでした。 また、お盆までに仮設住宅を造り切るという約束をしていました。ところが、それはできなかった。八月二日はもう辞意を表明された。東北の方に行って、そしてできなかった理由を
説明
し、今後の対応を
説明
するのかなと思ったら、その日の夜からほぼ毎晩飲み歩き。新聞に全部出ていますから。被災地の方々は、見てがっかりしていましたよ。さらに、今度、お辞めになってから東北に足を運んでいろいろ被災地対応をやると思ったら、行っているのは今度は四国の方にお遍路、しかも警察のSP付きですから。マスコミの前でおいしそうにアイスクリームを食べている写真が雑誌に載ってしまう。 やっぱり、こういうのを見てしまったら、被災者に寄り添うと言った首相の言葉はどうなんだと。これでは国民との信頼、信なんかつくれっこないと思いますけれども、玄葉
大臣
、福島の議員です、どう思われますか。
玄葉光一郎
21
○
国務大臣
(
玄葉光一郎
君) 個人のことを申し上げるのは避けたいというふうに思いますが、私も当時、国家
戦略
と政調会長という
立場
で三・一一を迎えたわけであります。そのときの
記者会見
などでも何度かにわたって、被災者の
立場
に立つ、心に寄り添うという話は何度かさせていただいて、当時かなり厳しいことも私
自身
が公の場で申し上げた経緯も率直に言うとございます。 いずれにしても、できる限り相手の
立場
に立つ努力というのをそれぞれ精いっぱいやっていかなきゃいけないというふうに
考え
ます。
佐藤正久
22
○
佐藤
正久君 精いっぱいではなくて、やらないといけないんですよ。だから結果が出ないんですよ。実際、このお遍路に行っているときのSPのお遍路の服装は自腹だそうですよ。そこまでやっている。心がないと思いますよ。 実際、
防衛大臣
、今、原発対応でもうずっと泊まり込みで缶詰、レトルトですよ。コンビニのああいう弁当も食べれない状態でやっている隊員がいるんですよ。そういうことも
考え
ながらしっかり心を持って本当に被災地対応ってやらないと、結果なんか出ません。 私、菅前首相、やっぱり心がないと思いますよ。でも、
一川
大臣
もやっぱりそういう面では、心がないんじゃないか、自覚が足りないんじゃないかというふうに思わざるを得ない、残念ながら。特に、この前のブータン国王を招いての宮中晩さん会、これを欠席して民主党議員の政治資金パーティーに参加していたことが判明し、そしてそのパーティーの中で民主党参議院議員の政治資金パーティーが宮中晩さん会よりも大事だと発言した。ブータン国王を招いての宮中晩さん会より民主党参議院議員の政治資金パーティーが大事、だからこっちに来たんだと発言した。これは、
防衛大臣
として素人とか玄人、そういう以前の問題ですよ、これは。これは余りにも自覚がなさ過ぎる。これは、皇室そしてブータン国王に極めて非礼だと思いませんか、
防衛大臣
。
一川保夫
23
○
国務大臣
(
一川保夫
君) 今ほどの先生が御指摘になった、ブータン国王の宮中晩さん会の折の私の言動については深く反省いたしております。 今からそういった言い訳めいたことを一切言うつもりもございませんけれども、私
自身
も、そういう面では、ブータン国王の宮中晩さん会に欠席をするという届けを出すときが若干早過ぎたというようなことも含めて反省すべき点があったと思いますし、またその会場での発言についても深く反省いたしております。
佐藤正久
24
○
佐藤
正久君 これも心なんですよ。心があればこんな発言しませんよ。欠席なんかもしない。
防衛大臣
、仮に
米国
の大統領を招いての宮中晩さん会あったら欠席していますか。
一川保夫
25
○
国務大臣
(
一川保夫
君) それは、何というんですか、そういうことに対する回答は即ちょっと難しい判断ですけれども、私は、非常に国会の日程等が流動的であったというようなことも含めて、突然にこういう行事に欠席するということが逆に失礼に当たるということで欠席の届けを出させていただいたというのが今回の対応でございます。
佐藤正久
26
○
佐藤
正久君
大臣
、それは違いますよ。やっぱり心の中で皇室行事とかブータン国を軽視していたんですよ。そんなの後からだって参加届ができますし、幾らでも。ましてやこの発言、これは心がないからこんな発言になったんですよ、言葉というのは心と直結していますから。ブータン国王の宮中晩さん会よりもこっちのパーティーの方が大事だ、これは大きな私は責任問題だし、心があればこんな発言絶対しませんよ、みんな政治家ですから、大人としても。そこが問題なんですよ。 そして、今回の、反省していると言われました。これについて、準備した宮内庁や
外務省
、これに謝罪しましたか。
一川保夫
27
○
国務大臣
(
一川保夫
君) 直接宮内庁の方にはそういう謝罪ということは行っておりません。官房長官の方からも厳重な注意を受けておりますし、その場では深く反省の意を表してございます。
佐藤正久
28
○
佐藤
正久君 やっぱり心があったら、反省したら謝罪するのが普通ですよ。学校でも教えています、こんなことは。 ブータン国王には謝罪されましたか。
一川保夫
29
○
国務大臣
(
一川保夫
君) 国王には直接そういった謝罪は行っておりませんが、近いうちに、こちらにあるブータンの領事館ですか、に訪問はしたいという気持ちは持っております。
佐藤正久
30
○
佐藤
正久君 遅いですよ。この問題が発覚した後、ブータン国王はまだおられたんですよ。おられたんですよ。この日曜日にもう帰国された。時間はあったんですよ。本当に反省しているんだったら、その間に幾らでもやり方はありますよ。これが心なんですよ。心があれば、全部それが言葉や立ち居振る舞い、
政策
にみんな行くんですよ。そこが軸がないから、閣僚という心がないからこういうふうになってしまう。 私は、大使館に行って謝るというよりも、少なくとも国王に手紙を書けばいいと思いますよ、
自衛隊
だって悪いことをしたら反省文ってあるんですから。当たり前ですよ、これは。謝罪文、手紙を書く、そのぐらいしっかりやると約束してもらえませんか。
一川保夫
31
○
国務大臣
(
一川保夫
君) 今先生が御指摘になったことをしっかりとまた受け止めさせていただいて、そういうことを
考え
ていきたいというふうに思っております。 また、衆議院本
会議
場でのブータン国王の演説はしっかりと私も聞かせていただいておりますので、そういうことも含めて、またお手紙を出させていただきたいというふうに思います。
佐藤正久
32
○
佐藤
正久君
大臣
、そういう問題ではなくて、一番大きな問題は、宮中行事というものをないがしろにして、そして、なおかつ参議院の同僚のパーティーで、それでこっちの方が大事だと。これは余りにも心がなさ過ぎる、自覚がなさ過ぎるということなんですよ。 本当に反省をしているなら、注意を受けただけではなく、人間というのは行動を起こすんですよ、本当に悪いと思ったら。ブータン国王はいたわけですから幾らでもできた。そういう時点で、まだ反省がやっぱり足らないと普通の人は思いますよ。できたわけですから、やろうと思えば。宮内庁、
外務省
の方に迷惑掛けたと。今回のあの事件があって、
報道
されて、いろんな人が心を痛めましたよ。こんなにブータン国王は
日本
に対して心を尽くしてくれているのに、それに非礼を働いた閣僚の方がいる、みんなそう思っていますよ。それなりにやっぱり行動を起こす、心があれば立ち居振る舞い、言葉、みんな変わってくるんですから。そもそも、これだけ非礼を働いたブータン国王のお名前、
大臣
、御存じですか。
一川保夫
33
○
国務大臣
(
一川保夫
君) 済みません。ワンチュク国王と思います。
佐藤正久
34
○
佐藤
正久君 今、後ろの秘書官から出されて答えるようではやっぱり心がないんですよ。本当に反省しているんだったら、国王の名前、みんな分かりますよ。本当に向こうに謝りに行こうと思ったら、国王の名前を、閣下の名前を言いますよ。手紙書くんだって何にしたって、基本じゃないですか。いっぱいテレビや
報道
でも新聞でもワンチュク国王と出ていますよ。そういうものをいまだに分からない、全然、反省している、それは上っ面なんですよ。だからみんなおかしいと言っているんですよ。心があれば、軸があれば、それはちゃんと言葉とか
政策
、思いがみんな出るんですよ。これは、名前もまだ覚えていない、もう自覚が全くない、反省がないと言われても仕方ないですよ。 これからどういう対応を取られますか。もう一度お伺いします。
一川保夫
35
○
国務大臣
(
一川保夫
君) 先生の御指摘のあったことも含めて、
先ほど
このブータンの、こちらの領事館というふうにちょっと聞きましたけれども、そちらの方に御挨拶に伺っておわびをしたいと思っておりますし、また、宮中行事を扱っている方にもその旨をお伝え申し上げていきたいと。そしてまた、先生御指摘のように手紙を出すということも含めて、しっかりとした対応をしていきたいと、そのように思っております。
佐藤正久
36
○
佐藤
正久君 玄葉
大臣
、宮中の午さん、宮中の晩さん、何か違いがございますか。
玄葉光一郎
37
○
国務大臣
(
玄葉光一郎
君) ちょっと手元に資料がございませんけれども、私の
認識
でいうと、国賓のときが晩さんではないかと、宮中の、そういうふうに私
自身
は今
認識
をしていますが、ちょっと確認して、間違えたら後で訂正いたします。
佐藤正久
38
○
佐藤
正久君 そういうことではなくて、宮中午さんであれ宮中晩さんであれ、これは大事な宮中行事なんですよ。(発言する者あり)そうでしょう。そこが基本なんで、まず宮中行事という、これは大事なわけで。 ところが、野田政権が誕生後、二回実は宮中午さんがありました。玄葉
大臣
は二回とも欠席しているんですよ、二回とも。しかも、十月二十四日、これはドイツの大統領が来られた際、
大臣
の予定表をいただきましたけれども、
外務省
から。どう
考え
ても宮中午さんを欠席する理由には当たらない。
アジア太平洋地域
ハイレベル
会合
、あるいは昼から第五回アフリカ
開発
会議
横浜誘致議連及び横浜市長との面会、これは
外務
副
大臣
で対応できるじゃないですか。宮中行事に対する
認識
が
防衛大臣
も
外務大臣
もおかしいと、そういうふうに断じざるを得ないですよ。二回とも欠席ですよ。大体十一時の四十五分、五十分ぐらいから一時五十分ぐらいまでですよ、午さんというのは。そこに対する軸、心が間違っているんじゃないかと思いますよ。いかがですか。
玄葉光一郎
39
○
国務大臣
(
玄葉光一郎
君) そこは調べましたけれども、アキノ・フィリピン大統領を招いての宮中午さん、まさに、
先ほど
申し上げたように、これは国賓ではなく公式実務訪問の賓客ということでございますけれども、そのときは私は参議院の予算員会に
出席
をしておりました。で、十月の二十四日のヴルフ・ドイツ大統領のときは、率直に申し上げると、これは十日前までに返事を出してほしいというふうに言われております。それで、そのときの時点でどういうことが起きていたかというと、衆議院の沖北、そして参議院の拉致特の
開催
を追求する動きが続いておりました。そのために、いわゆる
出席
を確約できる状況になかったというのが率直な実情でございます。
佐藤正久
40
○
佐藤
正久君 でも、実際、拉致特は三時からでしょう、起きたのが、実際は。だから、そういう、本当に宮中行事が大事だと思えば幾らでもやりくりはできるわけなんですよ。 だから、こういう
部分
について両
大臣
とも、
国務大臣
というのは総理
大臣
から任命をされて天皇陛下から認証されるんですよ。
大臣
とは、古来から、大君に対して補佐する
大臣
なんですよ。だから、臣たる自覚を持って行動しないと、やっぱり宮中行事に対するその
考え
方、もう少し改めないとやっぱりおかしくなると思いますよ。 さらに、
防衛大臣
は、その心について伺いますけれども、
防衛
の素人だと着任時に言われた。加えて、民主党の石川県連パーティーでは、
防衛
については自分より前原
大臣
の方が詳しいと、本当のことを受けを狙って言われた。受けを狙ったって仕方ないんですよ。
大臣
はもう受けよりも国防とか隊員のことを
考え
ないといけないんです、そもそも。
大臣
はこういう発言をして、部下隊員の士気や諸外国に与える
影響
、これを
考え
なかったんでしょうか。
一川保夫
41
○
国務大臣
(
一川保夫
君) 今御指摘になったようなことを、私
自身
も
大臣
に就任して以来いろんな御指導をいただいておりますんで、しっかりとまた反省をしながら職務を全うしたいと、そのように思っております。
佐藤正久
42
○
佐藤
正久君 これも全部心とか自覚の問題なんですよ。心があればこんなことを受けを狙って言わないですよ、もう
防衛大臣
なんですから。一国
会議
員ではなくて
防衛大臣
。本当に自覚があれば、こんなことを言ったら部下隊員はどう思うだろうかと。やっぱり、まずそこが軸なんですよ、もう指揮官なんですから。
防衛大臣
、
自衛隊
の指揮官なんですよ。だから、そこが軸がないと、やっぱりどうしても失言を繰り返してしまう。一生懸命やっていることと
防衛大臣
として結果を出すこと、これはやっぱり違うんですよ、政治の世界ですから。これで、こんなことで、これから大事な普天間に関する沖縄との
交渉
、うまくいくわけないですよ、しっかり軸がなければ、心がなければ。 実際に沖縄へ訪問して、仲井眞知事にこう言われましたよね。私は
自衛隊
の小松
基地
を抱える石川県に生まれ育ったので、悩み、苦しみなり自治体の御苦労は十分分かっていると。これは仲井眞知事怒りましたね。当然ですよ。なぜ
一川
大臣
、航空
自衛隊
の小松
基地
を抱える石川県民だと
米軍基地
を抱える沖縄県民の気持ちが分かるんですか。全然理解できないんですけれども。
一川保夫
43
○
国務大臣
(
一川保夫
君) 先生今御指摘のその
文言
というのは私は正確には記憶しておりませんけれども、いろんな
会談
のやり取りの中で、私は小松
基地
の周辺で生活をしている一人ですから、航空機のいろんな騒音とかそういうことで悩み、苦しんでいる方々の気持ちはそれなりに理解できますというような趣旨のことはやり取りしたというふうに思っております。
佐藤正久
44
○
佐藤
正久君 だから、そこが間違っているんですよ。今回、
米軍基地
問題、今日、島尻先生、山内先生おられませんけれども、それが軸じゃないんですよ。沖縄の
米軍基地
と航空
自衛隊
、一緒にしちゃ駄目ですよ。全然そこは、枝葉末節の話と本質は違うんですから。 実際、沖縄というのは、沖縄戦を経験し、
米軍
の施政下に置かれて、それは復帰以降も
米軍
の地位
協定
の
関係
でいろんなこと、
米軍
がいろんな面で法的に守られてきたと。犯罪も起きているんですよ。そこが基本なんですよ。そういうことが分からずにやる普天間
交渉
、絶対無理ですよ。
大臣
、こんな発言をする、航空
自衛隊
の小松
基地
を分かっているから
米軍基地
がある沖縄の苦しみ分かります、これは余りにもだと思いませんか。
一川保夫
45
○
国務大臣
(
一川保夫
君) ちょっと先生の私のその発言というのは、私は知事さんから、その後何回か
話合い
をしておりますけれども、そういうことで知事さんから直接私
自身
に何か
お話
がされたことは一回もございませんというふうに私は思っております。割と有意義な
会談
をさせていただいているというふうに思っております。 ただ、先生がおっしゃられたように、小松
基地
と
米軍基地
と違うというのはそれはもう当然のことでございますから、ただ、私はその騒音の問題について、その
お話
を例示的に挙げたというふうに思っております。
佐藤正久
46
○
佐藤
正久君 じゃ、そこはまだ分かっていない。
外務大臣
、今の
一川
大臣
の発言について、知事から十月の十九日に言われましたよね。何て言われました。
玄葉光一郎
47
○
国務大臣
(
玄葉光一郎
君) 覚えている範囲で申し上げますと、表の
会談
の場で、いや、小松
基地
を抱えているけれども、
米軍
海兵隊とは
自衛隊
は違うんだということを冒頭私に知事が言われたというのは記憶をしているところでございます。それ以上のことは特におっしゃらなかったと思います。
佐藤正久
48
○
佐藤
正久君 実際、
大臣
、
一川
大臣
、
大臣
がこの発言をされて二日後なんですよ、
外務大臣
が行かれたの。十月十七日に発言をされて、十九日に
最初
に苦情を言われているんですよ。これは地元の新聞にもみんな載っていますよ。 そういう問題じゃなくて、そういうことを言ったら相手がどう思うか。一番
最初
に、だから心と言ったんですよ。玄葉
大臣
も
最初
に相手の
立場
に立って
考え
ないといけないと言われたように、そこなんですよ、沖縄との
交渉
。だから、向こうの沖縄知事が今の民主党政権の閣僚の中に胸襟を開いて話できるような方がいないと。一番肝心の
防衛大臣
がこんなことを言ったら無理に決まっていますよ。 そもそも、じゃ、
大臣
、普天間
基地
、この辺りの
地域
、どういう戦いが起きたか、沖縄戦でどういう戦いが起きたかって知っていますか。ここから始まっているんですよ。分かります、沖縄戦でこの普天間
基地
の辺り、どういう戦いが起きたか。
一川保夫
49
○
国務大臣
(
一川保夫
君) 私もそんなに詳しいことは今ここで述べるまだあれは持っておりませんけれども、普天間
基地
の周辺は、終戦当時、大変な、いろんな
地域
の住民も含めて苦しまれた
地域
だというふうに記憶しておりますし、また、その普天間
基地
を当時、
米軍
が造成する段階では相当地元の
皆さん方
といろんなトラブルがあったというふうには聞いております。
佐藤正久
50
○
佐藤
正久君 この普天間の辺りというのは、山内先生来られましたけど、本当の激戦地なんですよ。嘉数高地、嘉数谷があって、まさに反斜面陣地で本当に
日本
軍が死守をしたすごいところなんですよ。元々ここの普天間という辺りは交通の要衝なんですよ、北部の国頭と那覇の方を結ぶ非常に大事なところ。そこから始まっているんですよ。そこに何で
米軍
が飛行場を造ったかと、分かっていますか、
大臣
。
一川保夫
51
○
国務大臣
(
一川保夫
君) 当時の状況からすると、
米軍
の
一つ
の
戦略
的な拠点としての位置付けだったというふうに私は思います。
佐藤正久
52
○
佐藤
正久君 この辺が分かっていなくて、普天間
交渉
なんかできませんよ。これは本土決戦のために飛行場を造ったんですよ。小松
基地
と違うんですよ。だから、知事も怒っているんですよ。小松
基地
というのは元々舞鶴の、海軍の舞鶴の航空
基地
だったんですよ。そこを今度、
自衛隊
が使ったのと、何もないところに
米軍
が本土決戦のために、銃剣とブルドーザーと言われるように、わあっとみんな土地を接収をして造った飛行場と、しかも激戦地、そこから始まっているんですよ、苦しみは。そこを
大臣
が分からなくて
交渉
なんかできるわけないじゃないですか。心が本当にあれば、そこから入るんですよ。それは
交渉
の基本中の基本ですよ、そこは。 だからこそ、今、普天間
基地
というのは、国有地が一に対して民有地が十なんですよ。だからみんな苦しんでいるんですよ。そういう歴史を踏まえて
交渉
しなかったら、そんなふうに、普天間
基地
のことを話しに行って小松
基地
と一緒ですと言われたら知事なんかたまったものじゃないし、しかもいろいろ犯罪、いろいろある。首相の指揮下にある
自衛隊
と
米軍
は全然違う。
外務大臣
が言われたのもそこなんですよ。そういうことを分からなくて、私はとても普天間
交渉
なんかできないと思いますよ。本当に心、軸がないと
交渉
なんかできません。 私は、ブータンの国王のこともある、自ら身を処するべきだと思いますけれども、
大臣
、いかがでしょうか。
一川保夫
53
○
国務大臣
(
一川保夫
君)
先ほど
来いろんなことについて、私の反省すべきところはしっかりと反省しながら自分の職責をしっかりと務め上げたいと、そのように思っております。
佐藤正久
54
○
佐藤
正久君 それが、いろんなところに
大臣
の意識というのが表れてくるんですよ。 例えば、三次補正予算もそうです。昨日成立しました。うちの国防部会でも
議論
しましたけれども、驚いたことに、国土交通省は被災地以外の空港とか港湾の津波対策も三次補正に盛り込んでいるんですよ、次に備えて、東海、東南海、南海ありますから。ところが、肝心の
防衛省
は、被災地の方の津波対策は松島
基地
はやっている。和歌山の和歌山駐屯地、由良
基地
分遣隊、串本と、みんなあそこは南海、東南海の一番危ないところですよ。そこに対する津波対策の予算を組んでいないんですよ。何で国土交通省が組んでいて
防衛省
が組まないんですか。肝心の
防衛省
が東海、東南海のときに自分の拠点がやられてしまったら対応できないじゃないですか。 なぜ
大臣
、この津波対策、被災地以外、
防衛省
は国土交通省と違って組まなかったんですか。
一川保夫
55
○
国務大臣
(
一川保夫
君) 今
お話
しのように、今回の津波で直接の被害を受けた松島
基地
等については、今、災害復旧工事としての所要な経費、約五十億ぐらいの経費を計上いたしております。それ以外の問題については、震災が発生する直前から
防衛省
の中で津波対策に対する一種のガイドライン的なものの検討を始めていた時期だったというふうに聞いております。そういうことで、今、今回の震災を受けて、しっかりとしたこれからの対応についてその指針を作り上げたいということでの
調査
費的なものは今回要求をさせていただいておるということで、これ、二十四年度予算に計上させていただいておるということでございます。
佐藤正久
56
○
佐藤
正久君
大臣
、確認してください。二年前から通達で、ハザードマップ含めて調べているんですよ、今。国土交通省ができて、肝心要の危機管理官庁の
防衛省
ができないわけないですよ。そうでしょう。
防衛省
の役人はみんな優秀ですよ。 何で、国土交通省がその予算を組んでいるのに
防衛省
が組まないんだ。それはみんなやっぱり
大臣
の自覚なんです。普通
考え
れば、危機管理というのは備えあれば憂いなしと言うでしょう。
大臣
の自覚がなければ、憂いなければ備えないんですか。そこはみんな自覚なんですよ。次の福島の警戒区域の
除染
に
自衛隊
を使う、これも
防衛大臣
はどれだけ自覚を持って決めたのか、正直、疑問です。
大臣
、
自衛隊
による、いいですか、
自衛隊
による建物や土地の放射性物質の
除染
要領、これ実際に確認したことありますか。
自衛隊
のそういう能力を把握した上で今回の
除染
、これを決めたんでしょうか。見たことありますか。
一川保夫
57
○
国務大臣
(
一川保夫
君) 今先生がおっしゃっているものを直接私はまだ見てはおりませんけれども、今回のこの
除染
に対する対応というのは、野田内閣の中でも、この今回の国会のやり取りの中でも、
除染
事業を急いでほしいという、急ぐべきだという
議論
が大変多うございました。そういう中にあって、この一月から
環境
省が直轄事業なりいろんな補助事業も含めたそういう対応がスタートするわけでございますけれども、
防衛省
・
自衛隊
の方でその前段の緊急的な拠点的なスペースを
除染
するという
意味
合いで協力してほしいというようなことがいろいろと話題になっておりました。そういう中で、我々もしっかりと、場所を限定する中で、しかも公共性のある、緊急性のある、そういったところについて
自衛隊
で協力できるところは協力したらどうかということで方針を決めさせていただきました。
佐藤正久
58
○
佐藤
正久君 今
大臣
の答弁で、実際能力を確認して決めたわけではないという大事な答弁がありました。私は元化学科隊員です。放射線取扱いに関する国家資格も取らせていただきました。
自衛隊
の放射性物質の土地とか建物に対する
除染
能力、極めて限定的ですよ、実際問題として。化学物質に対する
除染
とか車の
除染
、そういうのはありますよ。土地とか建物、放射性物質に対する
除染
能力、極めて限定されていますから。実際はそういう要領も確認をしていない。 じゃ、
大臣
、今回
大臣
も、いろいろ答弁の中で、警戒区域の放射線量が高いところに
自衛隊
が入っていく
可能性
もあると言われています。
自衛隊
の累積被曝線量、これ御存じですか、
大臣
。
一川保夫
59
○
国務大臣
(
一川保夫
君) 今先生御指摘になっている、具体的にどういう場所で、それでどういった作業をどれだけの期間を掛けてやるかということについてはこれから最終的に詰めるということになろうかと思いますけれども、近いうちに、ここの隣にいる渡辺副
大臣
に現地を見ていただいて、最終的にそういった確認をしてまいりたいというふうに
考え
ております。
佐藤正久
60
○
佐藤
正久君
大臣
、
大臣
は
防衛大臣
なんですよ。
防衛大臣
って部隊を運用するんですよ。その
大臣
が、その部隊がどういう能力をあるかも見ていない、しかもその隊員の累積被曝線量についてもまだ把握もしていない、そして派遣を決める。それは順番が逆じゃないですか。ほかの省庁と違って、
防衛省
は運用するんですよ、
自衛隊
を。行政官庁でなくて運用官庁という側面があるんですよ。その基本は、やっぱり自分の部隊の能力を把握をして運用する、当たり前ですよ。まず指揮下部隊を確実に掌握する、当たり前ですよ。 じゃ、そもそも
大臣
、災害派遣には、公共性、緊急性、非代替性の三要件が必要ですよ。今回のその警戒区域の
除染
、この緊急性の観点のどこに合致するのか、
説明
を願います。どこが緊急性なのか。
一川保夫
61
○
国務大臣
(
一川保夫
君) この原子力発電所の災害への派遣については、もう既にそういう派遣命令というのが以前に出されておるわけでございますけれども、我々は、今回のこの
除染
活動に
防衛省
・
自衛隊
を出してほしいという
一つ
の閣議としての基本的な方向が決められました。それを受けて我々は今
内容
を詰めさせていただいているというようなことでございまして、具体的な、今先生がおっしゃった隊員のいろんな能力なり、そういう問題についてはこれから最終的に詰めさせていただくということでございます。
佐藤正久
62
○
佐藤
正久君
大臣
、それは順番が逆ですよ、全く。上から言われてやるんじゃなくて、それはできないことはできないし、こういう方法がある。 実際に、今月十八日から警戒区域のモデル事業、九十二億円使って始まっているんですよ。民間がもうやっているんですよ、十八日から。大熊町の役場、もう二か所で、役場の周辺で一か所、ほかで一か所。約九十億円の予算を使って、ここがモデル事業、年内にやるんですよ、もう。一月からはそれを、モデル事業の成果を受けて、今度は本格的にやるんですよ。
自衛隊
は年内に使う。だけど、民間がもうやっているんですよ、原子力
開発
研究機構が。民間がやっている。どこが緊急性か分かりません。 しかも、その
除染
作業、どこの
部分
が非代替性なのか、全く理由が見当付きません。側溝をこうさらう、これが
自衛隊
しかできない非代替性なんでしょうか。アスファルトをあの
除染
車で洗う、ホースで洗う、これが
自衛隊
しかできない非代替性なんでしょうか。あの
除染
車のあのホースよりも、民間が持っている、今やっている高圧洗浄機の方が何ぼかすごいですよ。大体、八か月過ぎた後でアスファルトを洗ったってそんなに下がりませんよ、もう実験データ出ていますから。
自衛隊
のこの
除染
作業、どこの
部分
が非代替性なのか
説明
しないと、これ
大臣
の
説明
責任ですよ。どういう
部分
が、拠点をつくるのはいい、だったらそこで、何でそこが非代替性なのか、
説明
願います。
一川保夫
63
○
国務大臣
(
一川保夫
君) これは、原子力災害に対する
自衛隊
の派遣命令というのは、
先ほど
言いましたように、三月の段階でもう派遣命令が出ているわけでございますけれども、現在も現地に一部百名を超える方々が待機しているということも先生御案内のとおりだと思います。 そういう中で、今回、一月から
環境
省が具体的な直轄事業なりそういった補助事業で
除染
事業に入るという方向を決めているわけでございますが、その前に、
先ほど
言いましたように、そういった具体的な民間レベルでの本格的な
除染
事業が始まる場合の拠点的なスペースとして、旧役場の、旧役場といいますか、今は元役場ですか、役場の敷地なり建物について、そこのところを拠点的に
除染
してはどうかという話が今上がっているということでございます。
佐藤正久
64
○
佐藤
正久君 だから、そこが何で、緊急性と非代替性の
説明
になっていないんです、全然。今、災害派遣で行っているのは、何かあったときに作業員の人を救出する、あと、そこから出てきた車とかを洗っているんですよ。車とか人、モニタリングとか。
自衛隊
は、そういうモニタリングとかそれはいいですよ。だけれども、土地とか建物の
除染
、この能力はそんなにないですよというんです。そこを分からずに、その役場のやつをやる、こう拭くんですか、手で。実際に民間はもうやっているんですよ。何で
自衛隊
じゃないといけないのか。
環境
副
大臣
、お伺いします。役場、役場敷地内、
除染
しただけで空間線量率下がりますか。
横光克彦
65
○副
大臣
(横光克彦君) お答えいたします。
自衛隊
の今回の
除染
活動ということでございますが、
自衛隊
におかれましては、三月十一日の発災直後より本当に迅速かつ……(発言する者あり)ええ、そういったことで、
自衛隊
の力というもののおかげでいろいろなことが進んだことは事実でございまして、それには大変感謝いたしております。 今回、こういった
自衛隊
の
皆さん方
を
除染
でお願いしたいということは、
防衛大臣
の
会見
でもやはり……(発言する者あり)ああ、そうですか。 それは、一番これから本格的な
除染
に行く前の最前線の
基地
、そしてまた、行政能力を持っている役場の機能を回復するためにまず役場を最優先に
除染
しようというのが我々の思いであり、そのために
自衛隊
のお力をお借りしたいということでございます。
佐藤正久
66
○
佐藤
正久君 副
大臣
、何か政務官の方が専門らしいんですけどね、この
除染
については。だけど、分かっていないですよ。 いいですか、役場だけ
除染
したって空間線量率下がりませんよ、周りが汚れているんですから。空間線量率を下げないと拠点にならないんですよ。だから、今回もモデル事業で、四百・四百メートルやっているんですよ。面でやらなかったら
意味
ないんですよ。じゃ、役場とかその周りに何があるか分かりますか。家、建物ですよ。
自衛隊
が役場だけやったって、それは空間線量率下がらないから拠点にならないんですよ。だから、それは実態を見てやらなければ全く
意味
がないんですよ。
大臣
は、実際、現場を確認もしていないという状況で、上から言われればやる、これじゃたまらないですよ。だから、そこがやっぱり
大臣
と、部隊運用する軸がないとできないと。 ここは、後ほど多分同僚議員からもこの件について質問あると思いますけれども、やっぱりここはもう一回、緊急性、非代替性ということをしっかり踏まえて、
自衛隊
の能力を踏まえた上で一番いいやり方、これをやってもらいたい。モニタリングとか、何かあった場合の人とか車の
除染
、これはいいと思いますよ。でも、本当に土地とか建物をやる、これがいいか、これは疑問だと思います。 最後の質問。これはちょっと違う観点なんですけれども、この前、二十四年度予算編成の際、重点化枠、特別枠、この配分を決めるための公開ヒアリングがありました。その模様、インターネット中継されました。ところが、その中で、安住財務
大臣
が人件費抑制の
関係
で、陸曹を減らせと、曹を減らせと、これはちょっと余りにも現場を踏んでいないような発言だと思います。 まさに曹というのは、幹部を補佐して士を育む、部隊の本当に根幹ですよ。それを公開の場で、ただ人件費を減らすためにいきなり陸曹を減らせ、これは余りにもですよ。今回、震災の現場でどれだけ曹の方が中心になって汗を流したか。実際、安住
大臣
も、あの石巻の方で本当お願いして部隊を出してもらって、増派してもらって助けてもらったわけでしょう。そういうことに対して、やっぱり
防衛省
はおかしいと反論すべきだと思いますけれども、最後に
大臣
の御見解をお伺いします。
一川保夫
67
○
国務大臣
(
一川保夫
君) 先生から今励ましをいただきましたので、その予算につきましては我々も、
自衛隊
の今果たしている役割なり、そういうこともしっかりとまた
認識
をしていただく中で、必要な予算がしっかりと確保できるように努力をしてまいりたいと、そのように思っております。
佐藤正久
68
○
佐藤
正久君 終わります。
山本一太
69
○
山本
一太君 今日は、民主党の
風間委員
の方からも
米豪
の
関係
について非常に興味深いいろんな
分析
もありまして、本来であればTPPと日中
関係
について、そこから質問をスタートをさせていただきたかったんですけれども、今の
佐藤
議員に対する
防衛大臣
の御答弁を聞いていると、やはり
防衛大臣
に対する質問から始めざるを得ないなと、そういうふうに思いますので、ちょっと順番を変更させていただきたいと思います。 まず
最初
に、単刀直入にお聞きしますけれども、今の
議論
ありました警戒区域の
除染
について、
自衛隊
の力を活用するこの理由、いわゆる非代替性とそれから緊急性はどこにあるのか、これについて
防衛大臣
、シンプルにお答えいただけますか。
一川保夫
70
○
国務大臣
(
一川保夫
君) 今、
防衛省
・
自衛隊
が災害に派遣するという基本的な
考え
方、これは
自衛隊
法の中にその条文はありますけれども、その中で特段何とか要件というのは決めてはおりませんけれども、従来からは、その緊急性なり公共性なり非代替性というものがしっかりと確認された方がいいだろうというようなことが言われてきたというのは私も聞いております。 そういう面で、今回のその緊急性ということからすると、
先ほど
ちょっと話題に出ているんですけれども、この一月から
環境
省が具体的な
除染
事業を始めるということで、それまでに
先ほど
の
お話
をしましたような拠点になりそうなそのスペースをしっかりと
除染
できないかというようなことで、役場の今の建物なり敷地なりを中心に、
自衛隊
でそこの
部分
をしっかりと
除染
を受け持ってほしいというような話が今煮詰まってきているということでの緊急性が
一つ
あると思います。一月までにやらないと駄目だということ。 それからまた、公共性ということからすると、どこでもやるということではいけませんので、やはりそういう拠点になりそうなところで、しかもその役場というところを
考え
れば公共性があるんではないかというふうに思っておりますし、また非代替性ということの解釈は非常に難しいところがあるかもしれませんけれども、ある
程度
緊急的に短期間で対応するということであれば、やはり
自衛隊
という組織が短期間で対応しやすいということが言えるんではないかなというふうに我々は判断いたしております。
山本一太
71
○
山本
一太君 いや、今の御答弁だと、なぜ緊急性があって非代替性があるのかよく分かりません。 だって、もう既に民間のモデル事業が始まっているということもありますし、さっき
佐藤
議員が
大臣
に質問をしたその答弁には全くなっていないと思います。
防衛大臣
、こういうことをちっとも分かっていないというふうに申し上げるしかないと思うんですね。 さっきのブータン国王のための宮中晩さん会の話ですが、
防衛大臣
、ブータン国王の国会演説はお聞きになったとおっしゃいましたけれども、あの演説をお聞きになってどんな感想を持たれましたですか。
一川保夫
72
○
国務大臣
(
一川保夫
君) 大変親日的な
考え
方を持っておられる国王であるなという印象を率直に受けました。
山本一太
73
○
山本
一太君 それだけですか。
一川保夫
74
○
国務大臣
(
一川保夫
君) まあ全部覚えてはおりませんけれども、全体の印象として
日本国
民、
日本
の民族というものに対する非常に評価を高く持っておられるなというふうに思いましたし、またいろんな面で自然
環境
的なものとかそういうものを大変大事にされる、そういう
考え
方をお持ちだなという印象は受けました。
山本一太
75
○
山本
一太君 何か余り心のない答弁ですけれども、
外務大臣
はあのブータン国王の国会演説をお聞きになってどういう感想を持たれましたか。
玄葉光一郎
76
○
国務大臣
(
玄葉光一郎
君) まず、非常に親愛の情にあふれるスピーチ、演説であったということがまず全体を通してのトーンだったし、私
自身
もそのことについて感動したというか、そういう思いを持ちました。同時に、
日本
人に対する敬意、
日本国
に対する敬意というものをちりばめていただいて、やはり
日本
人として私たちが誇りに思えるような、そういう演説をしていただいたというふうに思います。 そして、改めて私
自身
も三・一一で本当に平穏こそが一番幸せだなということを感じた一人なんですけれども、いわゆる国民総福祉とか国民総幸福量という問題について、つまりは国会の中で
日本国
民を代表する国
会議
員の皆さんの前でそのことについておっしゃりたかったんだろうと思いますし、改めて私たちの価値観に一石を投じたというふうに私
自身
は感じています。
山本一太
77
○
山本
一太君 いや、私も今の玄葉
大臣
のお
考え
と全く同じで、あの本
会議
場でブータン国王の演説を聞いて、本当に涙が出そうになりました。 いろんな英語の訳はあると思うんですけれども、私たちの支援というものは決して大げさではないと、でも、友情、連帯、思いやりというのはもう真実をもって心からささげたいという
意味
のこともおっしゃっていましたし、あるいは、これだけの大変な大災害、不幸から立ち上がる国民がいるとしたら、それは
日本国
民しかいないということもおっしゃってくださいましたし、
大臣
、
外交
の責任者ですが、国連改革についても
日本
が主導的な役割を果たすべきだと、これは従来からの主張だと思いますが、それも改めて表明をしていただいたということで、本当に国賓としてお迎えをしてよかったなと。 さらには、我々のその支援はつつましいというふうにおっしゃっていますけれども、ブータンの国の
経済
規模
から
考え
たら、百万ドルの義援金というのはやはり大変なことだと思うんですね。やはりさっきの
防衛大臣
の
最初
の答弁で、いやいや、ちょっと親日的な国王だと思いましたと、そういう言葉しか出てこないというのは、ちょっと私は信じ難い気がしました。 さっき、
防衛大臣
、この宮中晩さん会の話、今日やる予定なかったんですけど、余りにもちょっと御答弁を聞いていて思うところがあったんでお聞きしますが、早く欠席届を出し過ぎたというのはどういうことなんでしょうか。ちょっと御
説明
ください。
一川保夫
78
○
国務大臣
(
一川保夫
君) 私は当時、十一月の四日ごろだったと思いますが、欠席の返事を出したと思います。それは、この十一月のいろんな国会の動きが割と流動的であるという
お話
等がございましたので、そういうこともあって、突然に欠席するというのは失礼に当たるだろうということで、そのころが大体出欠の返事を出す時期だったんだろうと思いますが、四日の日に出ささしていただいたということでございます。
山本一太
79
○
山本
一太君 国会が流動的というのは、ほかの閣僚の方々も同じじゃないですか。ほかの閣僚の方々も国会は流動的かもしれないけれどもこの日程のために時間を割いたわけなんですけれども、そこはどういうふうに御
説明
されます。
一川保夫
80
○
国務大臣
(
一川保夫
君) そのところがちょっと私の判断が、何というんですか、甘かったといいますか、私
自身
は、こういう大事な国王夫妻が見えるという中では、むしろ突然に何かあって欠席するというのは失礼だなという感覚がございました。それで、国会等の日程がなかなかどうなるか分からないというようなことがあったりしておりましたので、そういう格好で返事を出さしていただいたということでございます。
山本一太
81
○
山本
一太君 そうすると、その日に、いやいや、国会が流動的だからどうなるか分からないということで、何の日程も入っていないのに欠席届を出されたということなんですね。
一川保夫
82
○
国務大臣
(
一川保夫
君) そうです。別に同僚議員のパーティーの案内は来ていましたけれども、別にそれに
出席
するという返事も出しておりませんでした。
山本一太
83
○
山本
一太君 そうしたら、この宮中行事、あれだけ苦しいときに百万ドルも義援金を送ってくださった国王が夫妻で、しかも国賓でお招きしたんですよ。来られている宮中晩さん会をあなたは閣僚として軽んじたということじゃないですか。どうですか。
一川保夫
84
○
国務大臣
(
一川保夫
君) そういう面では大変反省いたしております。
山本一太
85
○
山本
一太君 同僚議員のパーティーに
出席
をされて
お話
をされたということなんですけれども、その中で、こっちの方が大事だと、今日は宮中晩さん会があるけどこっちの方が大事だと、こういう
お話
をされたちょっと私は心情が理解できないんですが、どういうお気持ちでそういうことをおっしゃったんですか。
一川保夫
86
○
国務大臣
(
一川保夫
君) 私のその場における発言というのは深く反省いたしておりますし、私がそういう発言をしたこと自体は大変もういけないことでございますけれども、ただ、実はその同僚議員がブータンの議員連盟の副会長をされておるという
お話
は聞いておりましたので、そういう思いもあったということは、その場に
出席
させていただいた、何というんですか、宮中の
会合
にはだからもう欠席の届けを出しておりましたので、その当日
出席
するというのはなかなかそれは難しいだろうということで、そちらの方へ顔出ししたということでございます。
山本一太
87
○
山本
一太君 風が吹けばおけ屋がもうかるじゃないんですから、出られた同僚議員のパーティー、その議員の方がブータン議連の副会長だったかどうかなんて
関係
ありませんよ。宮中晩さん会があるのにそれをほうってこられて、しかも宮中晩さん会よりも大事だというふうに
お話
をされたわけですから、私はその感覚、本当に疑います。 ちょっともう一度おっしゃってください。
意味
がよく分からないんですけど。
一川保夫
88
○
国務大臣
(
一川保夫
君) いや、ですから私は、そういうふうな発言をしたことはもう全く不適切であるというふうに思っておりますので、しっかりと反省をしたいというふうに思っております。
山本一太
89
○
山本
一太君 その日に国会が何か流動化すると思われて早く断られた
大臣
でしたけれども、その日に特に国会が流動化しなかったのかどうか分かりませんが、同僚議員のパーティーがあったと。もし日程が空いているのであれば、少なくとももう一度、一回欠席届を出しても
出席
できるかどうかぐらいはやはり打診されたらよかったんじゃないですか。
一川保夫
90
○
国務大臣
(
一川保夫
君) はい、その辺りの私の判断が適切でなかったというふうに思っております。
山本一太
91
○
山本
一太君
防衛大臣
が、
一川
大臣
が
防衛大臣
になられて、
記者会見
で、いや、私は
防衛
問題の素人で、これがシビリアンコントロールだというような
意味
の発言をされました。
大臣
は民主党の政審会長もやっておられて、まあ余り個人的によく存じ上げているわけじゃないですが、人柄のいい方だと聞いてきました。主に農政をやってこられたということも伺っておりました。私は、大変申し訳なかったんですが、
大臣
が
防衛大臣
就任
記者会見
で、私は
防衛
問題の素人だからそれがシビリアンコントロールだみたいなことをおっしゃったことを聞いて、すぐに
辞任
していただきたいというふうに申し上げたんですね。
大臣
は、私は、閣僚としての、政治家としての感性が申し訳ないんですけど欠けていると思いますよ。もし野田内閣の
防衛大臣
が就任直後に、いや私は
防衛
問題で素人だと言えば、国内的なもちろんその反発はともかく、間違ったメッセージが北朝鮮にも
中国
にも行くんですよ。そういうあなたには感性がないですよ。しかも、今回は国会が流動化するかもしれないということで早めに欠席届を出して、しかもその日に同僚議員のパーティーに行って、いや宮中晩さん会よりもこっちの方が大事だと。そんなのみんなびっくりするに決まっているじゃないですか。批判されるに決まっているじゃないですか。 そういう政治家としての感性、閣僚としてのその不注意さ、そういうことについて反省ありませんか、
大臣
。
一川保夫
92
○
国務大臣
(
一川保夫
君) 先生が今御指摘になったことは深く反省いたしております。 ただ、先生のおっしゃる中で、私が
大臣
に就任した
記者会見
でああいう発言をしたというのは、それは事実と違います。私が
大臣
に就任する直前に、地元の記者が近くにいて、いろんな雑談をしていたときのやり取りの中の一部を取り上げたんだろうというふうに私は理解しております。
山本一太
93
○
山本
一太君
記者会見
であろうと何しようと、とにかくメディアの前でそういう御発言をされたということは事実であって、これは適材適所と言われている内閣における
大臣
の発言としては、私は全く不適切ですし、信じられませんでした。 私は、大変申し訳ないんですけれども、もう一度申し上げますが、こういう形で宮中晩さん会にも行かないと、しかも、その宮中晩さん会に行かなかったのに、欠席して
出席
した同僚議員のパーティーでこっちの方が大事ですと言うと。私、これだけでもう、
大臣
、
辞任
された方がいいと思いますよ。恐らく同じようなことずっと続くと思いますよ、この
大臣
の感性からいったら。お辞めになる気はありませんか、このことについて責任を取って。
一川保夫
94
○
国務大臣
(
一川保夫
君) 反省するところはしっかりと反省させていただいた上で、これから自分の
防衛大臣
としての職責をしっかりと務め上げていきたいと、そのように思っております。
山本一太
95
○
山本
一太君 私は、是非辞めていただきたいというふうに思っていますし、この問題、引き続き同僚の方からもいろいろあると思うんで、今日はこのくらいにしたいと思います。 予定外の問題でこんなに時間を使ってしまいましたが、日中
関係
について少し
外務大臣
にお聞きをしたいと思うんですが、
大臣
、間もなく訪中をされるというふうに
報道
されていますけれども、訪中の目的は何なんでしょうか。
玄葉光一郎
96
○
国務大臣
(
玄葉光一郎
君) 総理が来月訪中する予定で調整をしているところでございますけれども、地ならしをしてきたいというふうに思っています。
中国
との
関係
につきましては、言うまでもなく、二〇〇六年だったと思いますけれども、
最初
に
戦略
的互恵という言葉を使ってウイン・ウインの
関係
を築くということになったわけでありますけれども、その具体的なやはり深化ということについて進展をもたらさないといけないのではないかというのが私のまず
認識
でございます。
一つ
は、やはり海をめぐる協力ということがあるだろうと思います。そして、人的、文化的な交流というのもございます。また、予算
委員会
等でも盛んに
議論
された風評被害の問題について
中国
の対応が率直に申し上げて鈍いということがございまして、そういったことに対してしっかりと対応を促していくということも大切でございます。 また同時に、
幾つ
かの
戦略
的互恵の海をめぐる協力以外の、例えばどこまで、今まだ詰めてないんですけれども、社会保障
協定
とか、
幾つ
かそういった分野の問題についてどこまで進めることができるかということがございますが、そういった問題もやはり私としては提起をしたいという思いがございます。それぞれそのほかにも
幾つ
かございます。
山本一太
97
○
山本
一太君 今、玄葉
大臣
、海の問題ということをおっしゃいましたが、そうすると、
東アジア
サミット
で野田総理が言及された
東アジア
海洋
フォーラムですかね、たしか
中国政府
はかなり反対をして
実現
しなかったんですが、こういうこともフォローされてくると、こういうことでしょうか。
玄葉光一郎
98
○
国務大臣
(
玄葉光一郎
君) この
海洋
は
公共財
であるということについては、私も一貫して、就任してですね、ASEAN各国にも
説明
をしてきたところでございます。同時に、これは実は日中の外相
会談
でも取り上げられ、また今回も当然海をめぐる協力全般の中で、やはり共に
議論
をしていくということが誤解を招かないためにも私は大事だというふうに
考え
ております。
山本一太
99
○
山本
一太君 中身についてはいろいろお聞きしたいことがあるんですが、何日の何時ごろに行って、何日の何時ごろに帰ってこられる予定ですか。
玄葉光一郎
100
○
国務大臣
(
玄葉光一郎
君) たしか、ちょっと今手元にありませんけれども、二十三日の休日、祝日の朝一番に出て二十四日の未明に帰るという予定になっていたかと思います。
山本一太
101
○
山本
一太君 これ、玄葉
大臣
の訪中、わざわざチャーター機を仕立てて行く計画があるというふうにお聞きしましたけれども、本当でしょうか。
玄葉光一郎
102
○
国務大臣
(
玄葉光一郎
君) はい、そのとおりでございまして、
中国側
の都合もあり、つまりは土日をオファーしていたということもあるんですが、十分な時間を確保して外相
会談
あるいは要人などとの
会談
を実施することができるのは二十三日だけだったということがございます。 それで私も、もう率直に申し上げて、この間、商用機でということを何度も実は事務方にも言った経緯がございます。ただ、二十二日、二十四日、重要な審議を控えているということもあり、やはり何とか
外交
と国会の日程を両立させると、いや、二十四日は決まっていないと思うんですけれども、そういうこともあるかもしれないということもこれあり、その両立を図りたいということで今回はこのようなことにさせていただいたということでございます。
山本一太
103
○
山本
一太君 もちろん
外交
ですから、お互いの国の
外務大臣
が会う、
首脳
同士が会う、政府の高官同士が
協議
をするということには
意味
があると思いますが、
報道
によると、
東シナ海
のガス田の問題、これ条約の
締結
交渉
の早期再開とか、さっき
大臣
ちょっと言及していましたが農産物の輸入制限の緩和の話ですね、原発事故の後の、それから総理の訪中の地ならしみたいなことがあるんですけれども、本当に、今おっしゃったように、この時期にチャーター機を仕立ててまで行くほどのことなのかなと、私、申し訳ないけれども思ってしまうんですね。 チャーター機仕立てたら千三百万円掛かりますよね。これは、この二日間を目いっぱい使いたいからこの千三百万円を掛けて
外務大臣
のためにチャーター機を仕立てて行くということなんでしょうか。
玄葉光一郎
104
○
国務大臣
(
玄葉光一郎
君) 私の手元の資料では一千二百万
程度
ということのようでございますけれども、チャーター機とする場合に商用便より経費が掛かるというのは確かだということで、本当に何回か私の方からも何とかならないのかということはぎりぎりまで本当に言ったんですね。ただ、どうしてもその両立という観点からは他に方法がないということだったので。 私も、もちろん日中外相
会談
で様々なことが何か具体的に成果となって表に表れるかどうかといえばそうじゃないかもしれません、つまりは総理訪中のための地ならしというのが非常に大事な役割でございますので。ただ、今回の訪中、どうしても双方の都合上、この時期しか取れなかったということでこのような形になったものですから、私としてもやや心苦しいところがございますけれども、御理解をいただければというふうに
考え
ているところでございます。
山本一太
105
○
山本
一太君 商用便を使うよりも高いというか、商用便で
中国
に行って千二百万円も掛かりませんから、それもう全く違うと思うんですね。私は、いろんな知恵を使ってやはり商用便で行くのが本当だと思いますよ。
大臣
もいろいろと方法を模索したとおっしゃったんですけれども、是非再検討していただけないでしょうか。やっぱり、千二百万円掛けて行くということについて、どうも私この中身について納得ができないところがあります。 それと、TPPに関しての話なんですが、もう時間が随分たっちゃって、ここから始めようと思ったんですけれども、今日随分、
防衛大臣
の問題で取っちゃったんですけれども、ここまで、ここからのはずだったんですが。 TPPについては、さっきも申し上げたとおり、
風間委員
の方からも米中のせめぎ合いとか
米豪
の
関係
なんかありましたけれども、これ、
中国
のいろんな一連の動きありますね。環球時報、これ人民日報の海外版ですが、環球時報、新聞か何かでも、TPPを
アメリカ
に主導権を握らせたらいけないとか、かなり本音で環球時報の中では社説を掲げて、言わばある
程度
政府の
立場
を代弁しているんだと思いますが。 こういう中で、
日本
がどういうスタンスを取っていくのかということがこれから非常に求められていくと思うんですね。いろいろメディアの
報道
等なんかを見ていると、この
地域
における
アメリカ
と
中国
の
経済
連携
体制をつくるための主導権争いみたいなところがあって、
日本
は
アメリカ
に付いていくべきだというのと、やはり
中国
にも気を遣うべきだと、
アメリカ
に軸足を置いて
中国
に気を遣うべきだとか、いろんな
考え
があると思うんですけれども、
大臣
の率直な感覚、これは日米が協力をして
中国
を牽制していく、そういう感覚があるのかどうか、ちょっと簡単に御答弁いただきたいと思います。
玄葉光一郎
106
○
国務大臣
(
玄葉光一郎
君) あと、さっきのちょっとチャーターで
一つ
だけ、再検討をということで、私も本当にぎりぎりまで探ったんですね。それで今、結局契約したものですから、今度キャンセル料が五〇パー掛かるということなので、今聞いたら。なかなかそこは本当に心苦しいんですけど、御理解いただければと思います。 今の御質問でございますけれども、ある
意味
三つに分類されたんですよね、今、質問は。三つに分類されたというふうに私今理解をしましたけれども。 ただ、私は、あえて通商
政策
上の意義ではなく
外交
安全保障
上の意義を申し上げれば、
アジア太平洋地域
の中の通商
政策
上のルールメーキングにとどまらず、やはり
アジア太平洋
の中で
アメリカ
が関与をするという問題が
一つ
。それと、ASEAN、インド、この
関係
を重層化する。そして、
中国
との
関係
については、残念ながら短期で物事が高い
経済
連携
レベルに私は成就するとは思いにくいので、やはり中長期的にこの
中国
を高いレベルの
経済
連携
にある
意味
関与させていく、そういう意義が私はあると思っていますし、あえて感覚的にとおっしゃいましたんで、そういう感覚だというふうに申し上げたいと思います。
山本一太
107
○
山本
一太君 このことについては、いろいろとまだ
議論
を深めていきたいところだったんですが、あと三、四分しかないんで、
一つ
、朝鮮王朝儀軌の話なんですけれども、先般の参議院の予算
委員会
の
総括
質疑
で、玄葉
大臣
に、あなたは領土問題について真剣に取り組んでおられるのかという
お話
をさせていただきました。 特に、竹島の問題、日韓
関係
、儀軌の問題について総理に見解をただしたときに、玄葉
大臣
の方から完全に事実
認識
を誤った答弁が出てきたと。まるで対馬宗家文書が盗難史料だったかのような話で、これはすぐ、実は自民党の領土特命
委員会
の新藤
委員長
代理からメモが入ってきたんですけど、私の持ち時間があと一分ちょっとしかなかったんで、本来であればそこでかなり厳しく対応させていただくところだったんですが、一々これ答弁求めませんけれども、本当に領土問題に真剣であるんであれば、
大臣
、こんなこともやっぱり把握していないということではとっても説得力ありませんから、こういう間違い二度とないようにしてください。いや、もう時間がないんで、もう一点言います。 それからもう
一つ
、フォローアップで言いますが、これは
大臣
にとっては非常に不愉快なことだったかもしれませんけれども、あの週刊誌の
報道
。つまり、尖閣を差し上げると言ったことについては、これは天地神明に誓って事実ではないとおっしゃったんですから、相手方から、週刊新潮側からきちっとした訂正がなければ法的措置に訴えるとおっしゃっていたんで、訂正どころかまた新しい、
内容
は申し上げませんが、また新しい
記事
等々も出ているようなんで、そこは、
中国
もこの
展開
ずっと見ていますから、しっかりと断固たる措置をとっていただくようにお願いをして、最後にちょっと答弁を求めたいと思います。
玄葉光一郎
108
○
国務大臣
(
玄葉光一郎
君) 今の
お話
は、法的措置をとることにしたいというふうに
考え
ております。もう天地に誓ってそういうことは言っておりませんので、そういうふうにいたします。 それと、対馬宗家文書は本当に勘違いで、あのとき私もすぐ気付いて、
山本
委員のところに行って、申し訳ないと、どこかで
機会
を与えていただきたいということを申し上げました。 御存じのように、高麗大般若経とかいろいろ盗難文書と思われる、推定されるものが
幾つ
かずっと並んでいるものですから、ついそちらの方の名前と勘違いをしてしまったということで、それはそういうことが今後ないように気を付けたいというふうに
考え
ております。
山本一太
109
○
山本
一太君 終わります。
宇都隆史
110
○宇都隆史君 自由民主党の宇都隆史です。 先日、予算
委員会
の一般
質疑
の中で、
防衛省
が出しておりますこの
東日本大震災
への対応に関する
教訓
、この中身について
質疑
を行わせていただきました。しかしながら、冒頭に非常にくだらない
質疑
で時間を食ってしまいまして、残り積み残しがあったものですから、今日はこの
外交防衛委員会
で残りの積み残しをやらせていただきたいと思います。
大臣
がお分かりにならない
部分
等については、副
大臣
以下等、是非積極的な答弁で深い
議論
をさせていただきたいと思います。 早速始めさせていただきますけれども、予備自衛官の制度ということについて
質疑
をさせていただきます。 今回のこの
教訓
の中でも、予備自衛官の招集に当たって会社側とのどういう折り合いを付けるのかという話等々の、実際どういう状況であったか、実際には非常に予備自衛官、活躍してくれたという実績も出ておりますし、今後
考え
なきゃいけない問題点等々も出てきているのも事実です。 しかしながら、若干その予備自衛官というのも階級が下の、いわゆる一番下のところで小間働きをするような隊員クラスの
教訓
等々しか出てきていないような気がいたします。常日ごろから、いわゆる高級幹部と言われる一佐以上のクラスの予備兵力というのをやはり
考え
るべきでないかという
議論
が至る所でこれまでも交わされてきたと思うんですが、これに関して、
防衛省
、どのようにお
考え
ですか。
一川保夫
111
○
国務大臣
(
一川保夫
君) 今回の
東日本大震災
の折に、
自衛隊
はああいう十万人体制という中で大変活躍をしていただいたという何か評価をいただいておりますし、そういう中で我々も一方ではいろんな
教訓
はあるというふうにも思っております。 今先生御指摘の即応予備自衛官とかそういう制度の中で、今回、予備自衛官も含めて対応していただいたのも事実でございます。今私が聞いている中では、予備自衛官全体が約三万三千ぐらいいらっしゃるという中で、今回の、ある
程度
クラスが上位の方々という者が現地での指揮を執られるという面では、ある面では非常に大切であると、評価が高いというふうに我々は理解いたしております。
宇都隆史
112
○宇都隆史君
大臣
、御答弁されるんであれば、質問をよく聞いてから御答弁されてください。 現在の予備自衛官というのは、一番最高クラスで階級が二佐までしかいないんです。その上の一佐あるいは将補、将官クラスの予備自衛官、予備兵力というのはいないんです。これを
考え
ていくべきではないですかという質問を私はしたんです。 もう一度、
防衛省
の方から御答弁お願いします。
福山哲郎
113
○
委員長
(
福山哲郎
君)
防衛大臣
、よろしいですか。
一川
防衛大臣
、お答えください。
一川保夫
114
○
国務大臣
(
一川保夫
君) 先生、今の答弁、もうちょっと後で答弁させていただけませんか、申し訳ないけど。
宇都隆史
115
○宇都隆史君 はい、分かりました。 ここですぐに何かの答えを求めているというわけではないので、私がこの件でちょっとお伝えしたかったのは、今回のこの
東日本大震災
の
教訓
等々で出てきているところは、あくまで災害派遣をやる上でこういう問題点があったよねというところで終わっているわけなんです。 私が一番
最初
、この
教訓
事項、中間報告が出てくる前に
防衛省
にお願いしていたのは、この
教訓
を災害派遣だけに終わらさずに、
自衛隊
の本質的な任務は国防なんですから、そこまで
考え
た上で何を導き出せるかというところを
考え
てくださいねということをお願いしていたはずです。中間報告ですから今後それは出てくるんでしょうけど、是非そういうことも
考え
ていただきたいと思います。 この即応予備自衛官あるいは予備自衛官、予備自衛官補、これは災害派遣のために、いざというときに必要になったときに招集するための戦力ではないんですね。これはあくまで
防衛
上必要な予備戦力として、ふだんからキープしておく戦力として
考え
ているわけです。つまり、いざ何かがあったときの戦力損耗分というのを考慮してやっているわけなんです。そういう観点からいけば、必ず一佐クラス以上のいわゆる指揮官クラス、その辺の戦力損耗というのも
考え
なきゃいけませんし、実際に、じゃ平時にそういう予備戦力を持つことが、お金も払わなきゃいけないわけですから財政に見合った効果があるかというと、いや、実際あるんです。 何かといいますと、実際のふだんの部隊の運用、訓練等をする中で一番部隊にとって負荷が掛かってくるところは、現場の隊員が動くような実任務の
部分
のところよりも、実際にどういう訓練をした方がいいのか、あるいは訓練をするときのいわゆる統裁行為、実際にやらせる側の行為、そして終わった後の評価、これに物すごく時間を費やすんです。しかも、これは極めて豊富な知識と経験を持った幕僚でなければなかなかできない
部分
なんです。そこをリタイアされた高級幹部等々に肩代わりしていただく、手伝っていただくというのは十分検討に値するんではないかと私は
考え
ますので、是非これも深い検討を
防衛省
の中でやっていただきたいと思います。 二点目に関して、後方任用制度の話でちょっと
お話
をさせていただきます。 今回の
東日本大震災
でも後方部隊というのが一生懸命頑張りました。今回の
東日本大震災
等々がある前に、
自衛隊
構造改革に関してはこのような意見が一般的な大半を占めたんです。これは読売の朝刊
記事
なんですけど、
自衛隊
では最近、隊員の高齢化が進んでいる。幹部が増加する一方で低階級の若い隊員が減少し、階級構成がいびつになった、これが人件費の増加と事態対処能力の低下の要因でもあると。全くもってこれは間違った
認識
なんです。 実際には、
防衛省
が出されている構造改革推進に向けたロードマップの中で、この後方任用制度のところを
東日本大震災
を受けてどのように記述されたかというと、第一線部隊とその他の職務とで異なる処遇を適用する
考え
方となっているが、新大綱・中期防の中ではですね、今回の
東日本大震災
への対応においては、第一線、後方などの部隊、職務の別なく
自衛隊
として一体となった活動が
展開
されており、また、それぞれの部隊、機関等においては、自衛官、事務官の別を問わず二十四時間勤務で対応を行ったところであると。だから、これに関しては細心の注意をもってやらなきゃいけないということが書かれているわけですね。 今回、そもそもこの後方任用制度というのは非常に財務的な目的、要は予算の目的だけしか私はないんではないのかなと思うんですけれども、改めて
防衛省
として、一線部隊とそれからこの後方部隊の処遇に関して区別を付けるべきだという
考え
はやはり適さないんではないかという結論に至ったということはないんですか。
一川保夫
116
○
国務大臣
(
一川保夫
君) 結論から申し上げますと、まだ結論というものは全然出しておりません。先生御指摘のようないろんな課題なりその問題点の指摘ということは我々も
認識
しておりますし、そういう中で、
自衛隊
のその精強性なりそういう任務をしっかりと働いていただくという中でどういう後方任用制度といったものを検討した方がいいのかということについては引き続き検討させていただきたいというふうに思っておりますので、今の現時点では方向が決まっているということではございません。
宇都隆史
117
○宇都隆史君 今回、
東日本大震災
で
自衛隊
がやはりここまで活躍をすることができた
一つ
、何が一番かともし言われると、これは全て一から十まで全部自分でできる自己完結性を持っているということなんですね。だから、
自衛隊
に関しては、それを壊していくような民間委託であったりあるいは処遇の変更であったりというのはよくよく注意を持ってやられた方がいいと思います。 今、各部隊を回ると、部隊の入口の警備も民間に委託しているところがあります。あるいは、陸上
自衛隊
の部隊等で
お話
を聞くと、陸の部隊というのは、基本的に料理を作る専門職というのはないんですね。隊員が交代交代で今まではやっていたんです。でも、それも民間に委託すればいいんではないかということで、民間の業者が入ることによって隊員の自給能力が非常に落ちてきていると。これまでであれば、野営をするのも、米のとぎ方がちゃんと分かっている隊員が、若い隊員で米のとぎ方を知らない隊員も増えてきたという問題点も指摘されています。これはですから、
自衛隊
の任務、能力に大きくかかわってくるところですから、是非慎重に。 事財政の問題がこれ大変だということは、これは財務省が
考え
ればいい話なんです。
防衛省
としては、
我が国
を守るための国防上の論点というのでやはり財務省としっかり闘った上で、先に、
防衛省
は真面目ですからすぐ、
我が国
の国家財政を
考え
たら余り無理は言えないなという論点で入っちゃうんですけど、そうではなくて、
防衛
上の
重要性
を言えるのは
防衛省
しかいませんから、そこのところをしっかりやっていっていただきたいと思います。 三点目に、ちょっと輸送力の
お話
をさせていただきますけれども、今回もこの
東日本大震災
において、国内の陸上の上のインフラがずたずたになった中で東北にどうやって部隊を運ぶかというのが非常に問題になりました。海上戦力といっても、実際に海上
自衛隊
がたくさんの船を持っているかというと、持っている船の一〇〇%が常に運用できているわけではなくて、一部はドックで修理していたり、あるいは海上
自衛隊
独自の任務のために使わなきゃいけない等々の船もあります。 そういう中で、
防衛省
は今回、いろんな財源的なこともありますから、新しい船も欲しいところでしょうけどそれはできないということで、米艦艇の活用あるいは民間フェリーの活用というのも今後視野に入れなければならないんではないかというふうなことを
考え
ていらっしゃると思うんです。ただ、それをもし
考え
るとしたら、また新たな問題が出てくると思うんです。
一つ
具体的なことでお伺いしたいんですけれども、平時において、平時というよりはまだ
防衛
出動が下令されていない以前のグレーゾーンにおいて、南西方面に陸上戦力を輸送しなければならない、そのときに民間のフェリーを使ったとします。このフェリーに対して何らかの攻撃が加えられたときに、今の現法体系上でこの攻撃を排除する手段というのはありますか。
渡辺周
118
○副
大臣
(渡辺周君)
防衛
出動下令前に、例えば
自衛隊
の武器を民間フェリーが輸送して、どこかから奇襲を受けた、攻撃を受けたという場合になりますと、これは
自衛隊
法上の、いわゆる法的にはこれは武器等防護の観点から、最小限の防護のためのこれはやむを得ず攻撃をすることができるということでございます。
宇都隆史
119
○宇都隆史君 私は今、法的にというふうに質問しました。では、次はちょっと変えて、実効的に、実際にこの武器等防護でそれを実施することができるとお
考え
ですか。
渡辺周
120
○副
大臣
(渡辺周君) これは過去も何度も
議論
をされたことだと思うんですね、この
自衛隊
法の適用をめぐっては。それでは何でもできてしまうのではないかというように、いろいろ抑制的な、かつて国会で
議論
もあったと記憶しております。 ただ、法律上は、これは武器等防護という視点からできるわけですけれども、ただ、もしそれを行った場合に、これは更なる大きな有事につながる、国家間の紛争につながるということについては、最終的なケース・バイ・ケースの判断もあろうかと思いますけれども、現実的にやるとなれば、相手の攻撃力の、打撃力の大きさにもよりますけれども、まず最低限の武器等防護の対応はすることができる。ただし、その先にあるのは大きなこれは政治性を帯びていることになるのではないのかなと、私はそのように思っております。
宇都隆史
121
○宇都隆史君 私が申し上げたかったのは、法理論上可能であるということと実際にできるのかというのには、これは大きな隔たりがあると思うんです。確かに法解釈上は、武器等防護でいえば、警護任務が与えられていて、そこに緊急性、非代替性があって、そして事態に応じ合理的に必要と認められる範囲でって書いてあるわけですよ。そんなの現場が、じゃ一々判断するんですか。それはできないと思います。有事にもしなれば、交戦規定等を設けて、交戦規定でどこまでできるのかをすればいいと思うんですけれども、一番難しいのはこのグレーゾーンにおいてですよ。
一つ
一つ
のケーススタディーで全部じゃ答えを出していけるかというと、そうはならないですよね。 この武器使用というのは、武力の行使というのと今若干混同されているような答弁があったように私はちょっと感じたものですから明確にしておきたいと思うんですけれども、武器の使用という言葉で使うと、これ、別に弾を込めていなくても銃口を向けるだけで武器の使用に当たるんですね。ですから、今、
東シナ海
で
防衛省
設置法の
調査
研究という法的な裏付けをもって警戒監視に当たっている海上
自衛隊
の船に
中国
のヘリコプターが危険な距離で近づいてくる、これに対して銃口を向けることもできないんです、あるいは威嚇射撃をすることもできない。これは武器の使用になるわけですね。同じようなことは、やはり
先ほど
言ったようなフェリーのときでも起こるわけなんです。 ですから、これは法解釈上可能であるというところで終わらせずに、その実効性をやっぱり担保するのが
防衛省
の私は仕事だと思うので、ケーススタディーで
一つ
一つ
、ROE、グレーゾーンのROEみたいなのを作っていくのか、あるいは今の自民党、我が同僚の
佐藤
正久議員等が中心になってやっていますけれども、
自衛隊
法等の改正をして、やはり武器の使用をある限定された中ではできるようにするという法体系、
自衛隊
法の改正等にするのか、その辺は明確にしてあげないと、
大臣
、私、前回の予算
委員会
でもありましたけれども、そういうことをしっかりすることが隊員目線の政治だと思います。このこともあえて指摘をさせていただきます。 残り五分になりましたので、積み残したこの
教訓
事項に関しては……(発言する者あり)分かりました。どうぞ。
下条みつ
122
○
大臣政務官
(
下条みつ
君) 済みません。先生、
先ほど
の御質問にちょっと鑑みて、ちょっと五分のところでお答えさせていただきたい。
先ほど
予備自衛官と即応自衛官の士官についてのお
考え
ということでお聞きしました。
宇都隆史
123
○宇都隆史君 短めにお願いします。時間がないので。
下条みつ
124
○
大臣政務官
(
下条みつ
君) はい、分かりました。 そもそも予備自衛官については、後方警備、後方支援ということを前提にやっております。現状は将官による、もし有事の場合の指揮については、常備自衛官の中で対応可能という前提の下に現在
考え
ております。 ただ、先生のおっしゃった意見を前提に、この間も招集させていただいたのは二佐以上は予備では一人でございまして、そういう
意味
ではこれからは検討しなくちゃいけないと思いますが、現状はそういう
考え
になっておりますとお答えさせていただきます。
宇都隆史
125
○宇都隆史君 ありがとうございました。 残りの時間は、この
教訓
事項から若干離れて、馬毛島の問題をやらせていただきたいと思います。特に
大臣
からの積極的な答弁をお願いしたいと思うんですが。 昨日、
防衛大臣
、鹿児島県知事とお会いなさっていますよね。県知事の方から直接
防衛省
の方に行かれて、現在
防衛省
が計画している馬毛島には明確に反対だという意思を示されたように
報道
では聞いています。 〔
委員長
退席、
理事
谷岡郁子君着席〕 この中で、鹿児島県知事は何の理由をもって反対であるということを
お話
しになっていますか。
一川保夫
126
○
国務大臣
(
一川保夫
君) 昨日、鹿児島県の知事さんが来られたときには、地元の自治体等でいろんな反対決議等がなされて、自治体では馬毛島に
防衛
施設を受け入れることはできないという、そういう趣旨のいろんな
意思表示
がされていますから、このままでは非常に困難であるという状況の中で、知事さんの方から県としてもなかなか対応は難しいと判断するというような
お話
を承りました。
宇都隆史
127
○宇都隆史君 もう
一つ
ありませんでしたか、その理由が。
一川保夫
128
○
国務大臣
(
一川保夫
君) それは特に
幾つ
かに整理された
お話
ではなかったと思いますけれども、FCLPにかかわるような話題は一緒にやりましたけれども、そのことについて特段の反対だというようなあれでもなかったと思いますけれども。
宇都隆史
129
○宇都隆史君
大臣
、それはちょっと
認識
が甘いですよ。私、鹿児島県出身ですから、地元の状況をよく分かっているんですけど。 〔
理事
谷岡郁子君退席、
委員長
着席〕 一点目は確かにそうなんです。地元の市町村の反対票が過半数をもう超えてしまったと、この状況下では知事としてオーケーは出せませんというのが
一つ
。 もう
一つ
は、これ
記事
のまさにそのとおり、地元でもこの意見がもう過半数なんですけれども、北澤前
防衛大臣
が沖縄に行ったときに、沖縄の県連幹部と話をしたときに、沖縄の
米軍
訓練の馬毛島への一部移転、これを
考え
ているという話をしたんです。これ実際に十月十四日にしているんですけれども、これ北澤
大臣
が直接したんではなくて、北澤
大臣
と話をした地元の県連幹部がメディアに対してそう話したんですね。翌日は、十五日に
一川
防衛大臣
はこのことに対して明確に否定はしているんですけれども、このことは実は態度を物すごく硬化させた大きな原因になったんです。 今これがあるんで、どうせ、FCLPだ、あるいは
自衛隊
の
基地
だと言いながらこれを許容すると、ずるずるずるずるといって最終的には海兵隊まで来るんじゃないかというようなもう大きな話に今現在なっちゃっているんですね。 この公式な
委員会
の場で改めて、
防衛大臣
、沖縄の訓練の一部
展開
を馬毛島に
考え
ていることは一切ないということを発言していただけませんか。
一川保夫
130
○
国務大臣
(
一川保夫
君) 馬毛島にそういうことで訓練を移転するということは、私
自身
は一切
考え
ておりません。
宇都隆史
131
○宇都隆史君 念を押しますけれども、それは
一川
大臣
個人のお
考え
ではなくて、
防衛省
としてそういうことはしないと
考え
てよろしいんですね。
一川保夫
132
○
国務大臣
(
一川保夫
君) 今、
防衛省
でそういうことの
議論
というのは検討がなされておりません。
宇都隆史
133
○宇都隆史君 その辺りを地元にしっかりと
説明
をなさった方がいいですよ。 それと、
一川
大臣
、実際に鹿児島県選出の民主党の先生方が馬毛島のこの誘致に対して反対をしているというのは御存じですか。
一川保夫
134
○
国務大臣
(
一川保夫
君) はい、そういういろんな動きがあるというのは承知いたしております。
宇都隆史
135
○宇都隆史君 地元の議会も知事も、
防衛
上の拠点をつくるということに対する
重要性
というのは非常によく理解していただいているんです。ただ、手法が余りにも稚拙だったので今回の過半数の反対票が増えた、この今の現況の中ではできないという話になっているんですね。 ですから、
防衛省
ももちろんそうですけど、民主党の先生方も、これ大事だと思うんだったら地元選出の先生方を何とか説得してください。じゃないと、一歩もこれは前に進みません。進まないと私も思います。そういうところをきっちりしっかりやっていただきたいなと思います。 時間も来たんで終わらせていただきますけど、
防衛大臣
、是非、見識と覚悟を持って最後の最後まで自分が最前線に立ってやっていくんだということを最後までやってください。この地元の
説明
についてもそうです。もしそれができないのであれば、ブータン国王の件でも一緒ですけれども、もう問責にも値しないです。御自分から勇気を持って辞める覚悟を持つことが私は国益につながると思います。 以上を申し述べて、質問を終わらせていただきます。
山本香苗
136
○
山本
香苗君 公明党の
山本
香苗です。 まず
最初
に、
一川
防衛大臣
の発言について我が党からも申し上げさせていただきたいと思いますが、
一川
防衛大臣
は、国賓として来日されたブータン国王を歓迎する宮中晩さん会を欠席し、同僚議員のパーティーで、宮中で催物があるが、こちらの方が大事だと挨拶をされたと。この発言の真意は何ですか。
一川保夫
137
○
国務大臣
(
一川保夫
君) もう私のその発言は全く適切でないというふうに思っておりますので、深く反省いたしております。
山本香苗
138
○
山本
香苗君 反省しているかどうかではなくて、この発言の真意を伺っているんです。
一川保夫
139
○
国務大臣
(
一川保夫
君) 発言そのものが私は適切でないというふうに反省いたしておりますので、真意ということを言われてもなかなかちょっと
説明
し難いところがあると思いますけれども。
山本香苗
140
○
山本
香苗君 余りお
考え
にならないで発言されたように感じられて仕方がないんですが、官房長官からも厳重注意を受けたと。で、陳謝をしたと。
先ほど
の御答弁の中でも反省をしているという御答弁がございましたが、陳謝して済む問題なんでしょうか。
一川保夫
141
○
国務大臣
(
一川保夫
君) 大変重大な問題であるというふうには私は
認識
いたしておりますし、そういう面では、今回の一連のこの私の言動について自分
自身
は深く反省しておりますし、また官房長官からもそういう軽率な発言があったということに対して厳重な注意を受けたということでございますので、そのことについてはしっかりと自分
自身
も反省をし、そして
防衛大臣
としての任務をしっかりと務めてまいりたいと、そのように
考え
ております。
山本香苗
142
○
山本
香苗君 本当に
大臣
の発言は、皇室を軽視する発言で断じて許し難いだけではなくて、やはり
外交
上も極めて非礼な発言だと思います。謝って済む問題じゃないと思います。反省を形にして示していただきたいと思います。
大臣
としての資質が欠けている、自覚がなさ過ぎる。これはもう
先ほど
来より話が出ておりますが、猛省を促したいと思います。
大臣
に引き続きお伺いしてまいりたいと思いますが、十八日の午前中に
大臣
は、
除染
及び特定廃棄物処理に関する
関係
閣僚
会議
において
除染
に陸上
自衛隊
を派遣する意向を
大臣
が表明されました。どこで、いつから、誰が、どのような検討をした結果、十八日の午前中のその
会合
で
自衛隊
を
除染
のために派遣するという
大臣
の意向表明に至ったのか、その経緯を詳細に教えてください。
一川保夫
143
○
国務大臣
(
一川保夫
君)
先ほど
の質問にお答えしましたように、今回の原子力発電所の事故に対しての災害の派遣命令というような指示はもう既に三月の段階で
自衛隊
に出されております。それはそれとして、一方で、
除染
的な業務について百人を超える隊員が引き続き現地で今残っていろんな対応をしているというのが現実でございますけれども、今回のこの
除染
事業に対する対応は、今月の十一日の閣僚懇談会において総理
大臣
の方から、この
除染
事業というのは大変喫緊の課題であるので各
大臣
協力してほしいというような趣旨の
お話
がございまして、そういったものを受けて事務的に
環境
省が中心となっていろいろと打合せをさせていただきました。 そういう流れを受けまして、今月の十八日の
除染
及び特定廃棄物処理に関する
関係
閣僚
会合
というものが
開催
されました。そういう席で官房長官の方から基本的な
お話
があった中で、
防衛省
も協力をしてほしいというような趣旨の
お話
がその中に含まれていたというふうに思います。 私は、それを受けて、
防衛省
と
自衛隊
としましては、その
除染
事業の対応を
自衛隊
として受け持つ場合には、しっかりと場所を特定した中で具体的な
内容
等をこれから詰めさせていただきたいというような趣旨を含めて、
除染
事業に
自衛隊
が参加する
意思表示
をさせていただいたというふうに思っております。
山本香苗
144
○
山本
香苗君 十一月十一日の日に閣僚
会議
が立ち上がったと、そこから
議論
をスタートしたというふうに事前に伺っております。今の御答弁の中では、そこからの流れで十八日にぽんと飛んでしまうんですが、具体的にどのような検討をその間なされたのか、
大臣
、お答えいただけますか。
一川保夫
145
○
国務大臣
(
一川保夫
君)
先ほど
ちょっと触れましたように、この原発事故発生以来、
自衛隊
はそれなりに原発事故発生
地域
の被災
地域
でのいろんな活動はしてまいったわけでございますけれども、この具体的に十一日の閣僚懇談会まで何もしていなかったかといったら、そうではないというふうに思います。
自衛隊
は
自衛隊
なりに、またこういう原子力発電の事故に、被災地の対応のことについていろいろとそれなりに勉強をし、また検討も継続していたというふうに
考え
ております。
山本香苗
146
○
山本
香苗君 被災地で
自衛隊
が活動していたのは我々よく知っています。
除染
のことについて、
除染
で派遣をすることについて、いつから検討し始めて、具体的にどういう検討をして、それで十八日、
大臣
の意向表明に至ったんですかということを聞いているんで、
先ほど
来、きちんと真っ正面からお答えになっていないんです。
一川保夫
147
○
国務大臣
(
一川保夫
君) 十一日以降、
環境
省を中心として事務的ないろんな実施
内容
等についての詰めのいろんな打合せをさせていただいたということでございまして、十五日ごろには一応事務的にはこういう方向でどうかというところまで詰めたという、中間的なことは私も当時聞かせていただきました。そういう中で十八日の
会合
に臨ませていただいたということでございます。
山本香苗
148
○
山本
香苗君 じゃ、活動
内容
だとか期間、
規模
、そういったものについてはその十五日に中間的に大体
お話
が出たという中で、大体のめどとして
大臣
はどれぐらい把握されているんですか。いつから派遣されるんですか。
一川保夫
149
○
国務大臣
(
一川保夫
君) そのときの
お話
では、
先ほど
も言いましたように、新年からスタートする
環境
省の
除染
事業の前に、十二月のうちに
自衛隊
でそういう対応ができないかということを検討しているということでございました。 私は、この事務的な検討が始まる前には、
自衛隊
がやっぱりそういった現地に入っていろんな作業をするに当たっても、当然そういう危険性を伴う作業でございますから、そういう危険性に対する対応なり、また現地をしっかりと特定しておかないと、
自衛隊
が活動しているというものが
報道
された途端にやはり方々からいろんな要請が来る
可能性
があるという中で、
先ほど
もちょっと触れたようないろんな公共性なり、そういうものをしっかりと踏まえながら、場所を限定した方がよろしいだろうというふうな指示はしておりました。
山本香苗
150
○
山本
香苗君
大臣
、今公共性ということを、三原則のうちの
一つ
をおっしゃいましたけれども、
先ほど
のやり取りを伺っていても、公共性、緊急性、そして非代替性、この三原則ですね、これを今回の派遣がきちんと満たしているかどうかというところの理由は、御
説明
はよく分かりませんでした。もう一回、この三要件、しっかりと踏まえた派遣なんだというところを御
説明
していただけますか。
一川保夫
151
○
国務大臣
(
一川保夫
君) 今現在、
先ほど
言いましたように、原子力発電所に対するいろんな派遣の、そういう
自衛隊
に対する指示はもう既に三月十一日時点で出ておりますけれども、ただしかし、私たちは、
先ほど
言いましたような災害の現場に出ていろんな活動をする場合の三原則といったものが従来から言われておりますから、そういう面でチェックをさせていただくということで、緊急性というところからすると、一月からスタートする
環境
省の
除染
事業の前にしっかりと対応をするという緊急性は私はあるというふうに思っております。 それから、公共性ということからすると、全てどこでもやるということじゃなくて、やはり場所を限定して、本格的な
除染
事業に大きくやはり
プラス
になる、そういう役割の担えるところでないと駄目だというふうに思っておりました。それが、今の役場のその敷地であり建物を、当時三か所ぐらいということでございました、今、一か所増えるかもしれませんけれども。そういうような
議論
でございました。 それから、非代替性ということがありますけれども、これも緊急性なり公共性と非常に重なってくるとは思いますけれども、私はやはり
自衛隊
というその組織が集中的に短期間で物事を処理していくという能力はやはりずば抜けているというふうに思いますので、やはりほかの民間の業者に対応するという面では、私は
自衛隊
の方が優れた能力を持っているであろうというふうに思っております。
先ほど
もちょっと
議論
に出ました、一方でモデル事業がなされているという話がございました。その内閣府がやっているモデル事業というのは、ある
地域
で、これも限定していると思いますが、実際に
除染
のやり方をどういうふうにすればどういう効果があるかということを純技術的にいろいろと検証実験しているというふうに聞いております。 ですから、もし場所的に我々がやろうとするところとダブるようなことがあれば、そこは調整したいというふうには思いますけれども、基本的にはそういう
考え
方でございます。
山本香苗
152
○
山本
香苗君 今の答弁を聞いて更に分からなくなるんですが。 じゃ、民間ではできないことというのは一体何なんですか。
自衛隊
にしかできないことというのは何なんですか。それが非代替性ですよ、
大臣
。
一川保夫
153
○
国務大臣
(
一川保夫
君) ですから、一月から民間の力を使って
環境
省が直轄事業なりいろんな補助事業を
展開
するわけです、
除染
事業。その前に、
先ほど
言いましたような拠点的な場所をしっかりと用意しておきたいと、そのことが本格的な
除染
事業に
プラス
になるということで、場所を限定して急いで対応した方がいいという中で
自衛隊
の派遣ということが検討されたということでございます。
山本香苗
154
○
山本
香苗君
プラス
にならないとは言いませんが、
自衛隊
でしかできないというふうなものではないはずなんですよ。 じゃ、
大臣
、ちょっと角度を変えて聞きますが、
自衛隊
が
除染
することによる効果はどの
程度
だと見込んでいらっしゃるのか。民間が行う
除染
と
自衛隊
が行う
除染
は効果が違うんですか。
一川保夫
155
○
国務大臣
(
一川保夫
君) まあ、効果そのものは違うということは余りないとは私は思いますけれども、ただしかし、実際に限られた期間内に集中的にやるということからすると、私は
自衛隊
の能力というのはやはり優れているというふうに思っております。
山本香苗
156
○
山本
香苗君 いや、
先ほど
来、思っておりますとか、だろうとかいう話で決めちゃ駄目なんですよ、
大臣
。 実際、民間が行う
除染
と差があるのかどうかもよく分からない、よく御
認識
されていない。実際、事前に聞いたときには、今からやるんですから、今までやったことないんですから分かりませんよという話だったんですよ。みんなそういうふうにおっしゃっているんですね。もうとにかく
自衛隊
は早くできるだろう、統率能力もあってすばらしい活躍をやってくれたんだからと、そういう何かこう期待値みたいなものでやるって私はいかがなものかなと思うんです。
大臣
の意向表明に至るまでの派遣についての
議論
についても、十分検討したような形跡は、申し訳ないんですが、いろいろ調べていて余りないんですね。実際、効果が本当にあるかどうか分からないと。福島の再生のために
除染
が重要なことはよく分かっています。そして、国の責任の下でしっかり進めなくちゃいけないこともよく理解しています。だけど、何でもかんでも
自衛隊
というのはいかがなものかなと思うんです。 横で渡辺副
大臣
うなずいておられますけれども、
報道
にも、何か
大臣
はあっさり派遣を了解したけれども渡辺副
大臣
は派遣に不満を漏らしたというふうに
報道
されておりましたが、どうですか。
渡辺周
157
○副
大臣
(渡辺周君)
先ほど
の話の中で、十一日にそのような
お話
があってから、実は連日、事務方が私の部屋に来まして、忙しい
大臣
に代わっていろいろ検討状況を踏まえて話をしました。 ちょっとその
報道
が一部違うのは、私のところでもんで、
大臣
が決めてから私が反論したんじゃなくて、私は、そもそも事務方が持ってきたことも、ちょっと恥をさらすようですが、七月のデータを持ってきたんですよ。現場へ行くに当たってどうして七月のデータなんだと、最新のデータはどこにあるんだと言って慌てて持ってこさせたりして、そういう
意味
での不満は随分漏らしました。今おっしゃったような、なぜ
自衛隊
なのかということについても申し上げました。ですから、
先ほど
から出ている委員の御指摘というのは、実は私
自身
も半分肯定しているようなところもございますが。 ただ、それは、やはり今、三月から実は
自衛隊
の派遣がまだ発出中であると。実際、そこで百人の方が待機をしていると。このオペレーションの延長上で、この発令の上でやるんだと。そして、何よりも、やはり自己完結型の
自衛隊
が行くことによって、その拠点となるところに対して、まあそこは
自衛隊
が、国民の期待あるいは福島県からの強い期待もあって、それはやはりそこはやらなければいけないのかな。ただ、行く方々の派遣される作業
環境
についてはしっかりと把握をしておかなければいけないので、私があした現地へ参りまして、東北方面の方々と一緒に、現地の今要請を受けているところが果たしてどういうところなのか、どんな
除染
をするのかとかいうことについて最終的に判断をしてまいります。 ただ、今
お話
があるように、民間でもできるではないかということについては、私は実は事務方にもその
環境
省のやり取りについてどういうことでこうなったのかといって、まさにどういう
議論
があったのかということについては、問題意識、私も同じような思いで事務方にちゃんと指摘をいたしました。
山本香苗
158
○
山本
香苗君 副
大臣
、率直な御答弁であるんですが、私は本当に、現場ですよね、やっぱり大事なのは。陸上
自衛隊
の幹部は、
報道
ベースでありますから真偽のほどは定かでありませんが、自衛官は行けと言われれば行くと、だが私たちは便利屋ではないと嘆いたと、そのような
報道
がなされておりました。 モデル事業というのは、これはもう早い段階でやるって決まっていましたよね。それなのに、このもう十一月十八日から言ってみたら大熊の方でスタートをしているわけですよね。一月までにやらなきゃいけない、それは緊急性とかいろいろいろいろ
大臣
はおっしゃいましたけれども、やっぱり現場の
皆さん方
がきちんと志高く任務が遂行できるような
環境
を整えてから派遣してください。元々ずっとあの事故からやっていて、災害派遣で出していたからその延長線上だみたいな形じゃなくて、やっぱりきちんとできる能力を持っている、だから
自衛隊
はこういう形で派遣するんだ、国民の皆様方にきちんと、任務を遂行して、しっかりとそういうところを、期待値という話ではなくて、実際きちっとやっていくんだという
環境
をつくってあげるのが
大臣
の役割であると思いますし、副
大臣
あした行かれるということでありますけれども、しっかりと、もう
大臣
が言ったからとかいう話じゃなくて、問題意識を持って、今日
お話
ししていただいた問題意識を持って、もう一回再検討、是非
防衛省
内で真剣にやってください。是非よろしくお願いします。
渡辺周
159
○副
大臣
(渡辺周君)
先ほど
の発言で誤解があったらいけませんけれども、私が問題意識を持ったのは、
先ほど
のような三つの要件について
一つ
一つ
どうなんだということで問い詰めて
議論
をしたんですね。ですから、今日質問されたような思いは私も聞いて、今回の手続を踏むまでの間に、問題意識はありながら、指摘をしてまいりました。 そして、やはり
一つ
には、活動拠点となるそれぞれの役所をやるということが
除染
作業で復興の象徴になると。そして、そこで拠点が始まるということにおいて、短期間に装備力と知見を持ってできるのは
自衛隊
しかいないということで期待をされているわけですから、ただ、その作業
環境
がいかがなものであるかということについては、私
自身
が派遣を決定する三役の一人としてあした行って、自分
自身
で納得をした形で最終的な判断を
大臣
にいただけるような私はあした現地視察をしてきたいということを
先ほど
は申し上げたわけでございます。
山本香苗
160
○
山本
香苗君 今副
大臣
からこのような答弁がありましたけれども、
大臣
、副
大臣
行かれた後に報告を受けられて、十八日に意向表明されたことを覆されることもあり得るということですか。
一川保夫
161
○
国務大臣
(
一川保夫
君) 私も当然、
先ほど
冒頭ちょっと言いましたように、この問題が出たときには、やはり
自衛隊
の
皆さん方
がそういう場所に入って作業する以上はそういう
環境
がしっかりと整っているということが大前提でございますし、また、むやみにいろんなところから要請があって
自衛隊
に来てほしいということにならないようにしっかりと場所を特定して行くということで検討が始まっておりました。 そういう面で、明日、副
大臣
に行っていただいて、最終的にどういう場所でどういう
内容
の作業をするかということをしっかりとチェックをした上で、
自衛隊
の派遣の最終的な判断をしたいというふうに思っております。
山本香苗
162
○
山本
香苗君 やはり意向表明とそういった
調査
との順序が逆だったと思います。きちんとした手順を踏んでやっていただきたいと思います。 玄葉
大臣
にお伺いしたいと思いますが、今月の十日に、あの十月のトルコで発生した地震によりまして緊急物資の支援など被災地の支援活動に当たっておられた難民を助ける会の宮崎さん、また近内さんがホテルの倒壊に巻き込まれて、近内さんはどうにか救出されたんですが、宮崎さんが志半ばでお亡くなりになられました。本当に心からお悔やみを申し上げたいと思いますし、あわせて、近内さんには心から一日も早く回復を願っております。 トルコ国内においては、本当に今、政府を挙げてこの
哀悼
の意というのを全土で示しておりますし、また、今トルコの友人なんかもたくさん、お二人の献身的な活動は決して忘れませんと、そのようなメールがたくさん来ております。 そういう中で、
大臣
の基本中の基本の御
認識
を伺いたいんですが、こういった海外で活躍される国際NGO、この役割について玄葉
大臣
はどういった御
認識
を持っておられるんでしょうか。また、国際NGOとの
連携
、また支援の在り方というものについて、玄葉
大臣
の間に何かこういうことをやりたいとか、そういうような具体的なお
考え
はありますでしょうか。
玄葉光一郎
163
○
国務大臣
(
玄葉光一郎
君) まず、国際NGOの活躍そのものが非常に
日本
人の顔が見える援助になるという
意味
とかあるいは効果とかというのは、私は、こういう言い方もなんですが、費用対効果という面で私は非常に高いというふうに思いますし、その大前提として、そういう崇高な気持ち
自身
が非常に大切なことだ、また
日本
人のある
意味
存在感を示すものだ、そういうふうに
考え
ておりますので。 私のときに何をやるかと、こういう問いでございますけれども、現状を率直に申し上げて、私の間にこのことまで、国際NGOとの
連携
を強めるとかということを具体的に今体系立ててまとめているわけではございませんけれども、私のときに何がやれるかということを、せっかくこういう問いをいただきましたので、私としてもしっかり
考え
てみたい。そして、
考え
るだけではなくて、せっかくのこういう
委員会
の場での問いでありますから、やはり何がどこまでできるのかということについてまとめた上で
実現
できるように頑張ってみたいと、そう思っています。
山本香苗
164
○
山本
香苗君 次の質問に続けたいと思うので、今度また質問しますので、よく、今の答弁、言っただけで終わらないようにしていただきたいと思いますが。 本当に今回のように、まさしく
日本
の顔が見える支援をしていただいたわけであります。国際NGOの方々は、海外だけじゃなくて今回のまさに
東日本大震災
でも大活躍をしていただきました。それで、昨日成立いたしました第三次補正予算の中に、まさにこの被災地で活躍する国際協力NGOへの支援というのが入っております。 その具体的な
内容
というのは、ジャパン・プラットフォームの方に活動資金を供与するという形になっているわけなんですけれども、ジャパン・プラットフォームは、そこに傘下に三十五団体あって、今回本当にジャパン・プラットフォームがもう緊急支援で頑張っていただいたことはよく存じ上げているんですが、ジャパン・プラットフォームの傘下にいない、被災地で頑張っているNGOもいっぱいいるわけなんですね。そのジャパン・プラットフォーム以外のNGOに対してもひとしく支援の手が届くような形をお願いしたいんです。いわゆるジャパン・プラットフォームにぽおんとお金を丸投げしただけで、審査もジャパン・プラットフォームがやるわけなんですよ。そういう形になっちゃっているんですね。
外務省
として十分ここをフォローしていただきたいと思うんです。いかがでしょうか。
玄葉光一郎
165
○
国務大臣
(
玄葉光一郎
君)
山本
委員御存じかもしれませんけれども、私も、実は国家
戦略
担当をしていたときに新しい公共の担当をしておりました。そのときに、まさに自分のときに必ずやるぞと思ったのがいわゆる寄附税制の問題でありまして、特に認定団体が余りに寄附の税制の恩恵を受ける団体が少ないということで、そこは私は
一つ
乗り越えることができたというふうに思っています。 今回、
先ほど
、せっかくの問いですから、きちっとまとめて、言うだけじゃないようにしたいと思いますけれども、おっしゃるとおり、結局このNGO支援というのは、
外務省
の場合は大きく分けると二つあって、
一つ
は
日本
NGO
連携
無償資金協力という支援と、今御指摘のあったジャパン・プラットフォームなんですね。このジャパン・プラットフォームだけでいいのかというのが今のいわゆる問いの
内容
だと思うんです。 これについては、いわゆる私も新しい公共をやっていたときにそうだったんですけど、内閣府は内閣府で、国内で活動するNGOなどに対してはたしか百万から一千万くらい、一件当たりについて支援をしているんですね。ですから、そことよくやはり
連携
を取っていくということがまず大事だと思います。その上で、
外務省
としてもう少しフォローアップができないのかということを
考え
ていくということなのかなというふうに今
考え
ております。
山本香苗
166
○
山本
香苗君
大臣
、一生懸命御答弁いただいたんですけど、ちょっと違うんですね。 要するに、事務方から事前にお伺いしている話では、ジャパン・プラットフォームに出すんだけれども、そのファンドはジャパン・プラットフォーム傘下のところだけに行くんじゃなくて、ほかのところにも、アプライしてきたところには一応お金が行くような「共に生きる」ファンドという形をやっていてという話なんですね。ですけど、要するにいつもいつもなんです、ジャパン・プラットフォーム経由でという話でやっちゃっているので、ちょっとここの仕組みはよく
考え
た方がいいと思うんですね。 ジャパン・プラットフォームは、もちろん経験もありますし、素早いですし、優れたところでありますけれども、やっぱりまだちっちゃいいろんな形のNGOもありますし、そういうところがジャパン・プラットフォームが言っているような対象にきちんとなれるかどうかとか、そういうものも難しいところもあるわけですよ。 ですから、そういうところをきめ細やかに見ていただくためには、ここだけで終わるというのはいかがなものかなと思っておりますので、十分、そういうところがあるんですよという形でフォローしていただきながらやっていただきたいと思います。 本当はこの後にハーグ条約を厳しく質問したかったために、法務省から、また
外務省
の宮島さんにも来ていただいたんですけど、済みません、もう時間がなくなってしまいまして、引き続き必ず質問させていただきますので、今日はここで終わりにさせていただきます。
小熊慎司
167
○小熊
慎司
君 来る十二月九日は国連
腐敗防止
デーという日になっております。 過日のこの
委員会
の中でも、ODAの在り方について、
認識
について
大臣
とやり取りをさせていただきました。これからもちろん
日本
が復興していくためには、この東
日本
の被災地をどうしていくかということもありながら、やはり世界を見渡せば、今、TPPの問題もありますけれども、国際社会の中で
日本
がどう役割を果たしていかなければならないのかということはますます大きな課題になっているというふうに
認識
をしているところであります。 そういったさなか、NGOのトランスペアレンシー・インターナショナルというのが、御承知のとおり腐敗の指数を出していまして、とりわけ、
日本
はいい結果を出しておりますけれども、
中国
、ロシアが腐敗、賄賂の海外投資に対して多いと。オランダやスウェーデンというのは世界有数の、そういったところでは比較的使っていない国だというふうになっております。 昨年、ODAの特別
委員会
の派遣でメコン三か国を回ったときに、やはりいろんな海外投資、またODAを受けておられましたけれども、とりわけ、やはり
アジア
ということで
日本
と韓国と
中国
との対比がよくされておりました。韓国はもう民間投資の方が率先をしていて、ODAの場合は、
中国
はOECDのルールにのっとってやっていませんのでかなり強引なやり方でやっておりました。
日本
のODAも非常に評価はあったところでありますけれども、別に
中国
、韓国と競争するというわけではありませんが、やはり被ドナー国の適正な発展のためにも、間違った支援の受け方をしてもらうということはその国にとっても
アジア
の国にとっても良くないことだというふうに思っています。しかしながら、ある国の役人とちょっと知り合いで、夜
お話
をしたら、その国は二〇%賄賂が当たり前で、隣の国は五パーで安いんですよなんという話を聞いて、じゃ、
日本
はどうすればいいんだ、それは払った方がいいのかと言ったら、
日本
はやらなくていい、すばらしい国だ、技術もしっかりしていると。
先ほど
のトルコの話でもそうですし、この間来られたブータンにおいても、西岡さんという方がまさに農業の父というふうに言われている。まさに
日本
人としての生き方の
部分
が評価されていますから、かえってそういう汚い競争には交ざらない方がいいというのは当たり前のことではあるんですけれども、やはり、ある
意味
アンダーグラウンドの
部分
で逆にやられてしまうという状況もあるわけであります。
日本
が真面目にやっていて、ほかの国はルールを無視した違法な形で
プレゼンス
を上げているということは非常に良くない。 そういう
意味
では、被ドナー国に対して
外務省
として、もちろん
日本
のODAはちゃんとしているというのは当たり前のことで、他国のそういう間違ったやり口とどう対応してお互いに切磋琢磨していくのかという点をまずお聞きいたします。
玄葉光一郎
168
○
国務大臣
(
玄葉光一郎
君) 私の方から、じゃ一言。
先ほど
トランスペアレンシー・インターナショナルという小熊委員から御紹介のあったNGOの、いわゆる腐敗度指数のようなものをそれぞれ出していまして、せっかくなので分かりやすいから申し上げると、贈賄傾向が少ない企業というのは、
我が国
企業はドイツと並び第四位であるということのようでございます。そして、
アメリカ
は十位、
中国
が二十七位、ロシアが二十八位でこれが最下位ということのようであります。 もう
一つ
、手元にございますので御紹介いたしますと、各国の官僚や政治家の腐敗傾向という
意味
では、
我が国
の順位はここ数年、十七位から二十位、二〇一〇年のトップはデンマークとニュージーランド、カナダが六位、ドイツが十五位、
イギリス
が二十位、
アメリカ
が二十二位、フランスが二十五位、イタリアが六十七位と、これはたくさんの国々を比較しているんだというふうに思います。 それで、どうするんだという話でありますが、実はこの間のAPECの閣僚
会合
でもこの問題というのはやはり共通の課題であるというふうに
認識
されていまして、私の方からも、この腐敗対策を含めてオープンガバナンスを推進をしようではないかと、自由で開かれた
経済
環境
というものをつくっていこうではないかということを発言をいたしました。 実際にAPECの
政策
対話の文書の中にも、より開かれた効率的なガバナンスを促進する取組の継続、倫理的なビジネス慣行の促進、
腐敗防止
、透明性
政策
の実施状況の報告ということで、今、小熊委員が言われたように、各国が努力するということだけではなくて、多数国間で、APECという場であるとか、あるいはG20であるとか、様々な場でこういう問題をしっかりと取り上げていくということがやはり大事なことの
一つ
なんだろうというふうに
考え
ております。
小熊慎司
169
○小熊
慎司
君 国際的な条約もあって、多国間とのしっかりそういうガバナンス力を上げていくというのは重要なことだと思います。 ただ、BツーB、民間ビジネス間の
部分
でも、結構やっぱり
東南アジア
、あとアフリカもそうですけれども、
日本
企業がきれいな分、逆にやられちゃっているというところもありますので、一度
日本
がODAで不祥事を起こしたときのその反省としても、被ドナー国への法的な支援ということもたしか
外務省
では打ち立てたはずなんですね。そういう
意味
では、今後のODA、ハードの
部分
、人材教育という
部分
もありながら、そうした被ドナー国での法的整備の支援をしっかりしていくということが、ひいては
日本
、
日本
だけではなくて、まさに世界の利益に資するというふうに思います。 ODA、今年は本当削られたことは遺憾であるんですが、もう来年度はまた更に、特に発展の著しい
東アジア
地域
でありますので、そうしたODAにおけるそれぞれの国においてのこうした
腐敗防止
、またその国の発展という
意味
でも法的整備の支援を更に私は拡充していく必要があるというふうに思います。そういった点について、
大臣
の所見をお伺いいたします。
山根隆治
170
○副
大臣
(
山根
隆治
君) 確かに今、小熊委員も御指摘のように、被ドナー国に対する法的整備の支援ということについては非常に大事だろうというふうに思っているところでございまして、例えば今
開発
途上にある、私たちがODAで積極的に支援しようとしているアフガンであるとか、そういった、紛争が一段落している、あるいは紛争まだくすぶっているとか、そういうところについての支援についても、まずそうした法的な整備をしっかりしていって、御
認識
をいただいて、その法的な整備された後でそれがまた守られるようにということが非常に大事だろうというふうに思っております。 私も現職に就く前に、やはり小熊委員、
先ほど
お話
ありましたように、途上国においてやはり賄賂というのは常識なんだと、それがないから
日本
は駄目なんだというような極端なことも言う人もいて、本当かなというふうに思っておりましたけれども、今トランスペアレンシー・インターナショナルの資料等を見させていただくと、やはり如実にそうした傾向がはっきり出ているなということを感じておりまして、その意を強くするんでありますけれども、しかし、一番
最初
の御質問ありましたように、中長期で見ますと、世界各国のいろいろな要人の方々からいろんな
お話
を聞かせていただく
機会
も私もありますけれども、中長期で見ると、やっぱり
日本
の真面目な姿勢というものがこれは評価されてきて、最後はやはり
日本
が評価されて、その
経済
的な恩恵というか、ウイン・ウインの
関係
というのが必ず築けるんだというふうに思っておりますけれども、ただ時間との闘いでありますから、なるべく早くそういうような状況をつくるために、今
お話
ありましたように、法的整備の支援についても積極的に取り組む必要があろうというふうに
考え
ております。
小熊慎司
171
○小熊
慎司
君 今副
大臣
の方からも、スピード感という
意味
では我が党はちょっと違う意見がありましたけれども、JBICも再分離して民間投資してやっていくんだと、国際
戦略
だと言っているわけですから、これは民間の人たちも困っているような話でありますし、今ほど言われたとおり、
日本
はそこはやらないんだけど、やらないことの方が評価を受けているし、やらなくていいよと私も直接
アジア
の国の官僚から言われていますから、ある
意味
ではこれは
日本
の武器なんですよね。そういう
意味
では、被ドナー国、被支援国に対しての支援もありながら、逆にそういう賄賂をやって、世界の
経済
のルールを無視して、あとは支援の、無視している、そういう国へのやっぱり働きかけというか、ことも必要になってくるというふうに思います。 とりわけ、これはODAとは
関係
ありませんが、この今の貿易体制、ASEAN
プラス
3なのかTPPなのかという
議論
もありますけれども、そういった
交渉
事の中でもこれは
一つ
の武器というか材料にして、そういうステージにおいても是正していくという努力が必要だというふうに
考え
ます。 ODA以外のそういった貿易
交渉
の中でも、こうした視点を指摘しながら他国との
話合い
を進めていくという点についてはいかがですか。
玄葉光一郎
172
○
国務大臣
(
玄葉光一郎
君)
先ほど
山根
副
大臣
から
お話
がございましたけれども、まず相手国に対する方策としては、御指摘いただいたように、公共調達、そして不正
腐敗防止
に関する法制度整備支援というものを、既に実は実施はしているんですけれども、やはり今の小熊委員の
お話
はもっとしっかりやれということなんだろうというふうに受け止めております。 そして同時に、他の国のことなんですけれども、他の国というのはつまりは、何というのか、グローバルにどういうふうにしていくのかと。
先ほど
G20とAPECの話をいたしましたけれども、国連にもそういう条約等があったかというふうに思いますけれども、そういった枠組みに参画をしてもらうようにしていく、働きかけていく、それがおっしゃったようにカードということなんだろうというふうに思います。 G20の腐敗対策行動計画というのがあって、OECD外国公務員贈賄防止条約に係る取組というのを各国に要請をしています。その結果として、OECD非加盟のロシアがこの同条約の参加を決定したということもございますので、こうやって
一つ
一つ
、やはりプレッシャーというかカードにしながら働きかけていくということが大切だというふうに思います。
小熊慎司
173
○小熊
慎司
君 ありがとうございます。 そういうしっかりと、それは
日本
のまさに武器ではあるわけでありますから、これを
外交
上しっかり使っていくということと、また来年度に向けてのODAの在り方についてもしっかりと取り組んでいただきたいということをお願いを申し上げます。 また、この場をお借りしまして、
外務省
の支援を受けまして、宮城、岩手は県の主催ですが、福島県においては、私もメンバーでありますけれども、商工
会議
所の青年部が、この十二月にニューヨークで風評被害対策ということで福島の物産展を
開催
するところであります。ニューヨーク、なぜ福島県がニューヨークかといえば、野口英世博士がロックフェラー研究所で活躍をされたところであるということと、あと九月十一日、九・一一と三・一一、これはものは違いますけど、同じ歴史的な悲劇を背負ったということであります。 九・一一のときも晴天だったので青空の色を
一つ
のテーマにしているようでありますけれども、福島県も智恵子抄に歌われた本当の空というのがありますので、同じそのすばらしい空を取り戻すんだということでニューヨークを選ばさせていただいて、とりわけ
外務省
の北米二課、
地域
連携
室においては特段の御配慮を賜ったことをこの場をお借りして御礼申し上げますとともに、この風評被害、またこの原発事故災害というのは、これは風化をさせてはいけないということでありますので、これっきりの御支援ではなくて今後ますますの御支援をお願いしますとともに、
委員長
始め皆様におかれましても、福島県の物産の支援を今後ともよろしくお願い申し上げまして、質問を終了させていただきます。 ありがとうございました。静岡のお茶もよろしくお願いします。
山内徳信
174
○山内
徳信
君
最初
にお伺いいたしますのは、通告はしてございません。昨日の延長線上のものでございますから、簡単にお答えいただきたいと思います。 昨日の参議院予算
委員会
で、普天間飛行場の移設問題について、強権的に進めるべきではない、
地域
の理解を得ていくことが大事であると総理は述べておられます。地元の理解が得られない場合は県内移設を強行しないという、そういう
考え
方を示した見解だと思っております。 両
大臣
におかれましては、野田内閣の一員でございますから、当然、野田総理の強権的に進めるべきではないとのこの見解を共通の
認識
であるというふうに受け止めておきたいわけでございますが、私の尊敬しております
一川
大臣
から
最初
に簡単にお答えをいただきます。
一川保夫
175
○
国務大臣
(
一川保夫
君) 私は今、
野田総理大臣
が
お話
しのように、強権的にこの案件については進めるべきではないというふうに思っております。
玄葉光一郎
176
○
国務大臣
(
玄葉光一郎
君) 強権的に進めるべきではないというふうに思っています。
山内徳信
177
○山内
徳信
君 ありがとうございました。 さて、これも昨日も質問申し上げましたが、県議会は十四日に、普天間飛行場の辺野古移設に反対し、
環境
影響
評価書の提出断念を求める意見書を全会一致で採択をしております。十八日に
外務省
、
防衛省
等々への要請も終わっております。両
大臣
におかれましてはこの意見書を重く受け止めるべきであると思っておりますが、重く受け止められますかどうか、簡単にお答えをお願いいたします。
一川保夫
178
○
国務大臣
(
一川保夫
君) 沖縄県議会のこの意見書を十一月十四日に採択されたというふうに聞いて、そしてその結果を我々のところにも申入れがございました。このことについては、県議会の意見書の採択ということであれば大変重いものだというふうな
認識
を持っております。 また一方では、私たちは、県知事さんの
環境
影響
評価準備書に対する意見というのが約二年前に出されております。それを受けて、なおかつ、今年の六月の日米
合意
の中で、代替飛行場のその位置とか形状が
合意
されたということを受けての評価書の作業に今入っているということでございますので、県の方にも、
関係
する市町村又は地元の方にも、いろんな
機会
にしっかりとまた
説明
を行って理解を求めてまいりたいというふうに思っております。
玄葉光一郎
179
○
国務大臣
(
玄葉光一郎
君) 県議会の意見書というのは大変厳しいものであり、当然、県民の代表で、県議会の議員の皆様はそれぞれ票を得て県議会に入っておられるわけでございますから、それらの方々の意見というものはそれは重いものであるというふうに
考え
ておりますが、同時に、何とかこの間の厳しい安保
環境
を踏まえた上での全体としての沖縄の負担軽減策も含めて、この
基地
の問題について御理解をいただくように引き続いて私は努力をしていくつもりでございますし、同時に、負担軽減、あるいは事件・事故、
環境
、騒音、そういった問題について、やっぱり少しでも沖縄県民の
立場
に当然立った中でどこまでやれるかということを精いっぱい私としては追求したいという思いでいるところでございます。
山内徳信
180
○山内
徳信
君 野田政権になって、閣僚からも沖縄県民の理解を得てという言葉がずっと強調されております。沖縄の実態をもう少し御理解いただいた方がいいんじゃないかと思うんです。 私は、今日午前十時から、官邸に県出身の国
会議
員そろって、この県議会の決議であります評価書の提出断念を要請に行ってきました。そして、帰ってまいりましたときに、
佐藤
先生の沖縄戦のときの普天間飛行場一帯の
お話
がございました。まさに、あの川は血が流れていたと、こういうふうに言われておるところでございまして、そういうふうにいっぱい歴史を、苦しい歴史を背負い続けておるわけでございます。 そこで申し上げますが、沖縄県民の世論は、辺野古移設はもう結構ですと、丁寧な言葉を使えば、反対だと、こういうふうに言っておるわけであります。沖縄県知事も県議会も名護市長も名護市議会も、そして四十一の沖縄県内には市町村がありますが、その全ての議会で辺野古移設反対の決議が上がっておるという事実も是非
認識
をしていただきたいと思います。 この事実をもってしても、沖縄の理解を得たい、得たいとおっしゃっておりますが、沖縄の理解が得られていないことは明々白々であります。したがいまして、十五年たってもできないものを、なお新政権と言われた民主党政権が辺野古、辺野古と言っておるのは、これは政治的な判断を出さない、そういう政治の怠慢だと沖縄県民は見ておるんです。 したがいまして、向かうべき方向は、沖縄を説得に行く、沖縄の理解を求めに行かれるんじゃなくして、
アメリカ
に向かって、やはり日米
合意
したあの辺野古は厳しいと、そして改めて見直しをしていこうと、こういうふうに沖縄の人は
考え
ておるわけです。私もそう思っておるんです。 したがいまして、皆さんが、週末も
外務大臣
、沖縄に行かれるというように新聞は書かれておりますが、理解を求めたい、理解を求めたいと言って沖縄を訪問されることは、沖縄側から見ると、沖縄県民を何と心得ておるのか、それほどばかにするのかと。これは、いろんな偉い人々が沖縄に野田政権になってからも行っておりますよ。それは不評を買っております。決して沖縄県民の世論にこたえるようなものではございません。そのことは現職の両
大臣
は心得ておられた方がいいと思います。 時間も余り残っていませんから。そして、
防衛大臣
のお仕事の
立場
上、手続だ、手続だと言って評価書を年内に出せるような準備をしておこうということをずっとおっしゃっておるわけです。皆さんが沖縄県知事の前に行って、評価書を出しますからよろしくと、こういうふうにお願いをする、理解を得ようとするということはどういうことかというと、申し上げますと、沖縄県知事は公約を破れと言っておるんです。知事選挙のときに、もう辺野古じゃなくて県外に私は政府に要求していきますというのが知事の公約であるわけです。政治の
立場
にあるお互いが、その公約を破れとは言えぬのです。そして、言葉を換えて言えば、公約違反をしろと、公約違反をしろということを強要しておるようなものです。更に続けて申し上げますならば、仲井眞知事、沖縄県民を裏切れと、沖縄県民の世論を裏切れと、こういうふうに迫ることになるわけであります。 したがいまして、そういうふうな政府の
立場
、上からだけ見るんじゃなくて、沖縄の人々の
立場
、そして戦後六十六年間の
立場
も見ながらいろんなお仕事をなさっていただきますようにと。だから私は、玄葉
大臣
が
外務大臣
になられたときに、やはりあなたが
最初
に出会って
話合い
をするのはここにおる沖縄出身の国
会議
員と
話合い
をした方が一番いいですよと申し上げたんです。 そういうふうなことでございますから、本当に沖縄県民の理解を得たいということが
実現
すると思っていらっしゃるのかどうか、
一川
大臣
から先にお願いいたします。
一川保夫
181
○
国務大臣
(
一川保夫
君) 今、先生の方からいろんな
お話
を聞いておりまして、沖縄県民の
皆さん方
のこの普天間飛行場の移転問題については大変厳しい御意見があるということは我々も十分承知いたしております。そういう中で、
先ほど
もちょっと触れましたように、普天間飛行場のいろんな危険性を除去する、あるいは騒音を軽減させるというような、今日の普天間飛行場の周辺
地域
の住民の
皆さん方
の状況、
考え
方を見ましても、それを軽減するにはやはりどうすればいいかというところをしっかりと問題意識を持って対応しなきゃならないというふうに思っております。 そういう面では、日米
合意
の中の飛行場の移転という問題は、私はトータルとして沖縄の負担を軽減するという面では間違いないというふうには思いますが、また一方では、長年いろんな負担を掛けてきたことについて少しでも当面できることは着実に負担軽減を図ってまいりましょうということでの日米間の
合意
事項もございます。そういう問題についても着実に実行していくということについては最大限努力する中で、沖縄の県民の
皆さん方
の御理解が得られるように、今、評価書の準備の作業を進めており、先日もその作業状況をチェックしてまいりました。 作業としては順調に進んでいるわけでございますけれども、具体的にこれからそれに対してどういう沖縄県の評価が下されるかという面では全然予測はし難いわけでございますが、我々は最大限、沖縄県民の
皆さん方
の御理解を得られるように努力をしてまいりたいというふうに
考え
ております。
山内徳信
182
○山内
徳信
君 やはり沖縄県民の理解をなかなか政府側として得られていない、それは一体何だろうということを是非今後も深く検討していただきたいと私は思っておるわけです。 時間もありませんから、
一川
大臣
にお伺いいたします。
一川
大臣
も行政経験が豊富であります。私も行政経験のある一人の人間でございます。お互いに、農林省所管の土地改良事業とか、あるいは建設省所管でありました区画整
理事
業等々を進めるときに必ず地権者の同意を得る、
合意形成
なくしてはその事業は進まないわけであります。したがいまして、この二つの事業をどのぐらいの、何分の何以上の同意がなければいかないという農林省の基準があるわけですね。そこら辺を私と
大臣
、共通の
認識
として持っておくことが必要だと思うんです。 こういうふうな普通の事案でさえ
合意形成
、必死に
合意形成
を各市町村、農林省も建設省もやってきたわけです。どうしてこの普天間の移設先の辺野古についてはそういうものが全く無視されて、日米
合意
だけで進めようということは、これはとても
実現
性のない不可能なことでございますから、あっさり両
大臣
の
時代
にこれはできないということを決断を政治として出すべきであると思っております。 どうぞ、何分の何かだけで結構です。
一川保夫
183
○
国務大臣
(
一川保夫
君) 先生今御指摘の土地改良事業なり土地区画整
理事
業というのは、権利調整を前提としたそういう面的な事業をやる場合の手続だと思いますが、基本的に法律上はそれぞれ皆三分の二以上の同意がないと進まないというルールでございますし、実質はもう一〇〇%に近い方々の同意がないとそういう事業は進まないという手続になっております。 今回の普天間飛行場の代替の施設というのは、埋立事業を前提にしているようなところがありますからこういった事業と若干中身はちょっと異なりますけれども、ただ、地元自治体なり住民の理解を求めるというのはどの事業であっても大前提だというふうに私は思っております。
山内徳信
184
○山内
徳信
君 ありがとうございました。 終わります。
福山哲郎
185
○
委員長
(
福山哲郎
君) 本日の
質疑
はこの
程度
にとどめます。 ─────────────
福山哲郎
186
○
委員長
(
福山哲郎
君) 次に、
経済
上の
連携
に関する
日本国
と
ペルー共和国
との間の
協定
の
締結
について
承認
を求めるの件及び
経済
上の
連携
の
強化
に関する
日本国
とメキシコ合衆国との間の
協定
を改正する
議定書
の
締結
について
承認
を求めるの件の両件を一括して
議題
といたします。 政府から順次趣旨
説明
を聴取いたします。玄葉
外務大臣
。
玄葉光一郎
187
○
国務大臣
(
玄葉光一郎
君) ただいま
議題
となりました
経済
上の
連携
に関する
日本国
と
ペルー共和国
との間の
協定
の
締結
について
承認
を求めるの件につきまして、提案理由を御
説明
いたします。 政府は、平成二十一年五月以来、ペルーとの間で
協定
の
締結
交渉
を行いました。その結果、本年五月三十一日に東京において、我が方
外務大臣
と先方通商観光
大臣
との間でこの
協定
の署名が行われた次第であります。 この
協定
は、
両国
間において物品及び国境を越えるサービスの貿易の自由化及び円滑化を進め、自然人の移動、競争、知的財産等の幅広い分野での枠組みを構築するものであります。 この
協定
の
締結
により、幅広い分野において
両国
間における
経済
上の
連携
が
強化
され、そのことを通じ
両国
経済
が一段と活性化し、また
両国
関係
が一層緊密化することが期待されます。 よって、ここに、この
協定
の
締結
について御
承認
を求める次第であります。 次に、
経済
上の
連携
の
強化
に関する
日本国
とメキシコ合衆国との間の
協定
を改正する
議定書
の
締結
について
承認
を求めるの件につきまして、提案理由を御
説明
いたします。 政府は、平成二十年九月以来、メキシコとの間で改正
議定書
の
締結
交渉
を行いました。その結果、本年九月二十二日にメキシコ市において、我が方在メキシコ大使と先方
経済
大臣
との間でこの改正
議定書
の署名が行われた次第であります。 この改正
議定書
は、
両国
間において物品の貿易を更に自由化及び円滑化するものであります。 この改正
議定書
の
締結
により、
両国
間における
経済
上の
連携
が一層
強化
され、そのことを通じ
両国
経済
が一段と活性化し、また
両国
関係
が一層緊密化することが期待されます。 よって、ここに、この改正
議定書
の
締結
について御
承認
を求める次第であります。 以上二件につき、何とぞ御審議の上、速やかに御
承認
いただきますようお願いいたします。
福山哲郎
188
○
委員長
(
福山哲郎
君) 以上で趣旨
説明
の聴取は終わりました。 両件に対する
質疑
は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時四分散会