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参考人(
安里繁信君) 御紹介いただきました
財団法人沖縄観光コンベンションビューローで
会長を務めております
安里繁信と申します。
沖縄の
経済の
成長戦略を描く上で
観光というものを
基軸に据えていこうという県の具体的なミッションを受けるに当たって、当
財団が果たしていくべき役割というものが一ページ目に
記載をさせていただいております。
新しい公、
公共を描いていこうということを前提に、
観光を
経済の
基軸に据えて
行政の
縦割りというものの弊害をなくしていこうということで、企画に属している
公共政策、はたまた土木での
環境美化等々も含めて、農水、商工との
連携も併せて、
観光というコンテンツの中で我々はこの
沖縄の
経済を何とか
自立させていきたいというふうな思いで今日まで取り組んでまいりました。その中に、新しい
公共というわけですから、より民間の声をしっかりとらえていくということと、マーケットの
ニーズをしっかりとらえた上できっちりとした
地域の
戦略として
観光商品を造成していこうというふうな
取組をこれまでずっと積み上げてまいりました。
その結果、幸い、国の御
理解もいただきながら、様々な
支援をしていただいた中で、昭和四十七年から今日までの
グラフが二ページ目に
記載をさせていただいていますけれ
ども、これ御
確認をいただければと思います。これぐらいの
勢いでずっと
成長をし続けてきたその背景には、
節目節目で、サミットがあったり、そして九・一一での
落ち込みがあって
単価が落ちてというふうな逆境を経験させていただいたり、様々な
再編がありながらも、何とか
市場からの
ニーズを先取りする形で今日まで積み上げてきた記録がここに
記載させていただいています。
先ほど
知事から
説明がありましたとおり、今
沖縄県全体の約二〇%近くが
観光の
経済というものを
基軸に直接的な
経済効果をもたらして、
県民のいわゆる雇用とかそういうものにまで直結しているという数字が三ページ目に
記載をさせていただいています。
続いて、四ページ目でありますけれ
ども、その中において、
他府県との比較であります。元来、
観光というものしか今
沖縄の軸がないと言われるぐらい
観光がこれだけ
成長してきた中で、結果、
付加価値の高い、いわゆる域内の総生産の九・一%というと、
他府県と比べても物すごい比率で
観光というものが重要視されているということがこの
グラフを見ていただければお分かりいただけるものだと思います。
続いて、五ページ目。しかしながら、これだけ
円高と、今
国内の
市場に頼ってきた
沖縄でありますから、どちらかというと全体の九〇%は今
国内市場で保っているんですね。その
円高のあおりも受けつつも、この
観光のいわゆる
単価が毎年毎年厳しい
状況であるので、なかなか平均の宿泊していただく数そのものがちょっと目減りをしてきているものを何とか今是正をしようというふうなことで
取組をさせていただいています。
続いて、六ページ目は、これは
観光客の一人
当たりの
消費額をここに
記載をさせていただいていますので、御
確認をいただければと思います。
今、
沖縄観光というのは、次の七ページ目に
記載させていただいていますけれ
ども、リピーターで保っていると言われているんですね。一度
沖縄に来ていただいたら必ず帰ってきていただけるというふうなことで、修学旅行に対する
取組も含めて、まずは一度
沖縄に来てもらおうという
戦略を、きっちり
行政と
連携を取りながら、今
商品化も更に加速をさせて取り組んでおるんですけれ
ども、この一度来ていただくきっかけをどんどん創出していくに当たって、特に今回の三・一一以降、四、五、六の
落ち込みは、
他府県同様、
沖縄もすごい打撃を受けました。
しかしながら、七月から
中国をターゲットにしたいわゆる
数次ビザ、
マルチビザというものが開設をされたのと同時に、これまで
日本を売っていた各近隣の国々のエージェントの
皆さん方が、
日本の
商品が売れないというふうなことで、急に
九州、
沖縄にどんどん
商品化をするよう造成の依頼を受けて、何とか七月以降の
マルチを使った
商品、プラスアルファで対前年比、比べても約一五〇パー近い
伸びを、今、
中国のみならず、韓国、そして
台湾、香港というふうな
都市からかなり流れてくるぐらいの
勢いになっております。
今
沖縄県で掲げておるのが
ビジットおきなわ
計画ということで、ビジット・ジャパンの中でのこの
沖縄の、もう
一つの
日本、こういう
日本があるんだということを世界中に発信をしていこうということで、県と
連携を取りながら今
取組をしている中で、
海外に向けてより一層打っていかないといかぬというふうなことで
取組をしているんですけれ
ども、実は、この
計画を進めていけばいくほど、我々も、
海外に行って報じられる報道というのは、どちらかというと
沖縄イコール
基地問題みたいなのがやたら多いんですね。これを払拭するために、いや、そんなことない、
沖縄というのはこんな癒しの空間を提供できるんですよというプロモーション、一生懸命掛けているんです、片方で。掛けていくに当たって、幸い、
航空会社さんの乗り入れが、
台湾と我が国の
オープンスカイの影響もあって、どんどんどんどん来ているんです。来ているんですけれ
ども、今の
滑走路がもう枠いっぱいいっぱいなんですよね。
ですから、
安倍政権のころから我々はずっと
お願いをしてきました、是非とも一日も早く
滑走路をもう一本造っていただきたいと。これをもう一本増やさないことには、その
計画の未達どころか、実際、我々が人を流す、物を流す、
情報を流していく、全ての流れはこの
空港を基点に
整備されてきていますので、
島嶼県ですから、この
インフラが、仮に過去にあった、航空機が
滑走路の上で炎上して立ち往生してしまったら、全部それで
経済が止まるんですよ。せめて、そういう
災害とか事故とかいうことの
リスクを考えていく上で、最低限ほかの
他府県の
地方空港の位置付けとは違う明確な国家の
ビジョンをそこに描いていただいて、早急に
沖縄に
滑走路をもう一本造ると。これは、何があってもこの
インフラは造り上げないことには、この
地域を拠点とした四十の島々には百四十万人の暮らしがあるわけですから、そこの
ハブ機能が全くもって機能しなくなってしまったら大変な局面に追い込まれると思うんです。
ですから、台風も最近ようやく
災害というふうな認定をされつつある世の中ですから、いま一度そういう
リスク管理という
観点から、そして
経済成長を描く
観点からも、この
空港の
整備についても何とぞ御
理解をいただきたいというふうなことをこの場で
発言をさせていただきたいと思います。
加えて、流通を考えていく上では、空だけではなくて、やはりシー・アンド・エアの
整備というものも物すごく急ピッチに取り組んでいただきたい
要望であります。実際今、クルーズ船というものも物すごい
勢いで
伸びてきているんです。今
円高の影響で製造業そのものがこれだけ厳しい
状況に置かれている中で、この国の
経済を立て直す柱の一本として、いま一度この
観光というものを国家の
戦略、
経済成長戦略にきっちり描いていただいて、その国益をリードする
地域として是非とも
沖縄を御活用いただけないかというふうな
お願いもこの場でさせていただきたいと考えております。
今、ここ、クルーズ船の数字ですけれ
ども、
平成二十一年度では、大型船、千人以上の客船ですけれ
ども、その乗り入れが九十五回、約十八万人
沖縄に来ていただきました。それが今年は百回、来年オファーいただいているので百二十六回ということで、毎年毎年、一度
沖縄に寄港していただいたらそのクルーズの客が喜んでくれますから、また来たいといってどんどんどんどん増えていくわけですよ。しかし、
公共の
インフラの
整備がこれに全く追い付かないんです。これをクリアしていかないと、この国の
経済が
成長しないどころか、
沖縄の
経済を安定させるのがこの国のある意味で総体的な安定につながっていくというふうな我々自負心も持っているものですから、このシー・アンド・エアの両方の
整備を何とぞ急ピッチに
お願いをしていきたいと思っております。
今、港湾の
整備の
状況においては、一階建ての小さな何かハト小屋みたいなものを造るという
計画になっているんですね。しかし、相手さんの
ニーズというものが先にあって、その
ニーズに対応できる
地域しかこれから生き残っていけないわけですよ。これまでの政策の延長線ではなくて、これが
戦略をしっかりかぶせた上での是非そういう投資を、僕はこの
沖縄というものを是非この国の
経済を伸ばしていく上での拠点として御活用いただきたいということをこの場で
先生方には
お願いを申し上げたいと思っております。
いずれにしても、この
経済の
自立というものは、
沖縄の
自立なしにこの国の
自立はないと、我々はそう言い切っても過言じゃないぐらいの
勢いで、この
観光を
一つのコンテンツとして、第六次産業化を含めて、様々なオール
沖縄の、株式会社
沖縄の営業本部的な機能を今後も果たしていく前提で、是非ともこの二つの
整備については
皆さん方にも御
理解をいただいて、もし疑問の点がありましたら何でも御質問をいただければというふうに思います。
そういう
沖縄の
一つのモデルが、今回の
マルチビザもそうですけれ
ども、一度
沖縄でテスト的にやってみて、あっ、これはいけるなと思ったらどんどん
全国で展開すればいいと思うんです。そういうパイロットエリアとしても
沖縄の活用方法というものはあると私は信じているんです。
ですから、そういう
観点から、是非とも
皆様方が来たときにはきっちり
説明する環境もつくってまいりたいと思いますし、これをすることによって必ずや
アジアの中で、単に軍事だけのいわゆる地理的優位性という表現で、そこしか使われていませんから、これまでのどちらかというと離島振興と
地域振興の、瀬戸内の離島と同じような位置付けの政策でしかなかった
沖縄のこの四十余りの島々の振興策も含めて、この
沖縄、
那覇の拠点をまずハブに、全体が最適に描けていけるような是非とも道筋をつくっていただきたい、そんな
お願いを今日させていただきたいと思っております。どうぞよろしく
お願いいたします。
ありがとうございます。