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高市委員 総理が、今急いでなすべきこと、それからこれからしたいこと、そういった分け方で
お話をくださいました。
ただ、
総理が今すべきだと思っていらっしゃることも、したいと思っていらっしゃることも、残念ながら、まだ国民に浸透していないのが実態だと思います。これは毎週地元に帰って私が感じることです。
その原因は三つあると思うんですね。ここまでの
予算委員会の審議、また御答弁などを伺っていまして感じたことなんです。
一つは、国家観がばらばらな閣僚の
方々による言動の不一致ですね。
二つ目の問題点というのは、何か先送りのイメージが強くなっているということなんです。
総理御自身も、ことし十月号のボイスで、「政治の
最大の問題とは、いったい何であったか。私は、決断すべきときに決断をせず、大事な問題を先送りばかりしてきたことだと思う。」こう書いていらっしゃいますし、九月の所信表明でも、「政治が指導力を発揮せず物事を先送りすることを、
日本化すると表現して、やゆする海外の論調があります。」こういうふうにおっしゃいました。松下幸之助塾主も、「一部の反対を理由に、なすべきことの実行を怠ったり、国としての方針をなかなか明らかにしなかったり、その場限りの問題の
処理に追われて国家の未来のための歩みを忘れている政治は真の国家経営とは言えぬ」、こう
指摘されております。
このところ、
総理の御発言ですとか、
委員会での審議の
状況の中で、例えば、国家公務員宿舎の建設を五年間凍結するとか、それから八ツ場ダムをつくるのかつくらないのか、これもまだはっきりしてこない。こういう先送りをすることによって発生する無駄というのは、私は、より深刻なものだと思っております。
また、年金、医療につきましては、我が党の加藤
委員、それからまた棚橋
委員が
質問をいたしましたけれども、どうも社会福祉の全体像も見えてこない。
例えば、民主党のマニフェストの中に、後期高齢者医療制度を廃止しますと書いてあったんですけれども、小宮山
大臣の答弁を聞いておりますと、来年度、保険料が上がることが見込まれるものとして、後期高齢者医療ということが出てきまして、ちょっとこれもびっくりいたしました。
最低保障年金、これも、消費税を
財源にして七万円ということでやりますとマニフェストに書いてあったんですけれども、その制度設計も、
平成二十五年度ですか、そういった答弁ですと、なかなかこれは、四年の間にマニフェストを実行するという
総理の姿勢からしても、実行には至らない。それから、それ以前に消費税を上げるということになりますと、では、その最低保障年金の
財源はどうするんだ、こういう疑問も出てきます。
総理は、とにかくTPPで恐らく外需をふやしていこうというようなお
考えなんじゃないかと想像いたしますけれども、むしろ、年金や医療保険料などそういったものへの不安による内需の冷え込み、この方が私には心配です。
総理の思いが伝わらない三つ目の原因は、やはり
総理がおっしゃるスローガンとそれから民主党の政策の整合性について、なかなか理解がしにくいということがあると思います。
これから詳しく
説明をしていかれることだろうと思うんですけれども、例えば、
総理は所信表明演説で未来への責任ということを理念としておっしゃいました。私自身のおととしの衆議院選挙のポスターのキャッチコピーも未来への責任だったんですね。全く同じです。ところが、私は、国への過剰な依存心をあおるようなばらまき政策を排して、むしろ自立と勤勉の倫理を取り戻す、その方向こそが未来への責任だと感じておりましたので、今の民主党の政策には多少違和感を感じております。
以上三点、大変失礼かと思いましたが、
総理の国家理念がうまく伝わっていないことの原因だと私が感じることでございます。
少し、外交方針など基本的な事柄について伺いたいんです。
野田総理は、
平成二十年四月二十三日の衆議院外務
委員会で、当時は野党議員としてですが、日中外相会談について取り上げられました。当時の高村
外務大臣に
質問をされまして、当時の中国の外交部長がチベット問題は中国の内政問題だとしたことにつきまして、
野田総理は、「私は、少なくともそうではない、国民感情はそうではないと思う」「人権という
観点からすると、」「これはもう間違いなく国際的な問題で、国際社会が注視しているということを、これは何度も何度もお伝えをしなければいけないのではないか。」と発言されました。
野田総理に続けてお答えをいただきたいのですが、チベット問題は、中国の内政問題ではなく、国際的問題であり、人権問題だという
考えに変わりがないかどうか。
それから、
総理は、何度も何度もそれを中国側に伝えなきゃいけないという
指摘をされたんですけれども、G20では中国首脳とも御一緒だったと思うんですけれども、野党時代からの御自身の問題意識を伝えるよい機会だったと思いますが、お伝えになったのかどうか。
三点目には、もしもそのチャンスがなかったとしたら、これからお伝えになる予定があるのかどうか。
四点目には、実は、先月来日されましたダライ・ラマ十四世に、私も、安倍元
総理や渡辺周防衛副
大臣、それからまた長島首相補佐官などとともに
意見交換の場に参加をしてきたんですけれども、どうも官房長官から長島さんはおしかりを受けたやに聞いておるんですけれども、それが事実なのか。事実だったら、なぜなのか。
以上四点、恐縮ですが、お願いいたします。