○池坊
委員 次に、高校生に対する給付型奨学金についてお伺いしたいと思います。
私は、高校生は給付にするべきというふうに
考えております。なぜならば、高校生の段階でもう既に社会に、国に借金を負っていかなければいけないというのは余りにも私はかわいそうじゃないかと。ですから、みんなが平等に学べるようにというふうに
考えております。
この高校生に対する給付型奨学金に対しての経緯をちょっとお話ししたいと思うんですが、
平成二十一年七月三日に「
教育安心社会の実現に関する懇談会
報告」というのがございました。これは自公政権下ではございましたけれども、この懇談会というものそのものは、政権にかかわりなく、未来ある
子供たちにどのような
教育環境を与えたらいいのかという真摯な懇談会です。
その中に、年収おおむね三百五十万円以下の低所得者世帯の高校生を対象に、入学金や教材費など必要不可欠な
教育費の負担を軽減するための新たな修学支援方策を検討し、可能なものから速やかに実行、二点目は、私立
学校に通う生徒に対する手厚い負担軽減策を講じるとございました。
これを受けまして、
平成二十二年度概算要求、これは自公政権下における八月の要求でございましたが、四百五十五億だったんですね。対象者は収入三百五十万以下の世帯の生徒
たち、そして対象も、入学料、
施設整備費、これは私立の場合です、それから
教科書費、学用品、制服費、通学用品、それから修学旅行費でした。支給額は、国公立は、一年生で十一万、二年生で十二万、三年生で四万円、私立は、一年生四十八万、二年で十五万、三年生で四万円でした。
ところが、十月、選挙によって
民主党政権下になりましたとき、
平成二十二年度概算要求は、何と百二十三億円に下がっちゃったんですね。これはどうして下がったのか。やはり財務省の力があって、何か政権与党がそれにふんふんとうなずかれたのではないかと私はすごくがっかりしておりますけれども、対象者は収入三百五十万円以下の世帯の生徒、これは変わらないんですけれども、対象が、入学料、まだこのときは入学金は認めてあげようという気持ちがおありになったようです、これは私学ですけれども。公立は安いです、何千円ですから払う必要はないけれども、私立というのは入学金が高いんですね。ですから、このころはまだ配慮があった。それで、
教科書費となっております。
平成二十三年度概算要求は百二十二億になりまして、
平成二十四年度概算要求は百二億。私がすごく残念に思いますのは、対象者が三百五十万以下から二百五十万以下の世帯となりましたこと、それから、対象の、使うべきものが、
教科書代一万八千三百円なんですね。一万八千三百円とは、月に千五百円なんですよ。つまりこれは、高校の授業料を
無償化するからいいのではないかというお
考えのもとだと思うんですが、私立というのは入学金が高いんですね。それから、修学旅行に行く、部活に行く、いろいろな費用がかかります。月に千五百円というのは余りにも少ないのではないか。私は、
教科書代相当、一万八千三百円、これは低過ぎますということを申し上げたいのです。
もう
一つには、支給の対象者の収入の上限額、二百五十万、私はこれは極めて低いと思います。こういう
子供たちは、高校の授業料というのは既に
無償になっている人が多いんですね。ですから、
無償になったからといって、では喜んでいるかというと、そんなことはないんです。家計が楽になっているかというと、そんなことはないというふうに私は思います。
これをぜひ上げていただきたいということと、これはやはり、不登校の
子供とか働いていない
子供というのは対象になっていないんですね。
学校に行っている
子供が対象です。
それから、二百五十万の
子供たち、これは、扶養控除の見直しによって扶養控除がなくなると親
たちが大変だから、これをどうにかしなければいけない。これは本当にそうなんだと思いますけれども、これを入れましたがために、いびつな形の奨学金になっているんですね。
例えば、二百五十万、課税最低限未満の人
たちというのは、公立通信制、十八歳以下ですと一万八千三百円です。それから、特別支援
学校、これはもともと入学金とか授業料がなかった、一万八千三百円なんですけれども、二百五十万以上、例えば二百六十万の人
たちは、公立通信制に行っているのは三万八百円、返すつもりなんだと思いますが、特別支援
学校の人は三万七千円というふうになっているんですね。
ですから、本当に困っているのに減ったんだというのが現実であるということと、私立がすごく今負担が公立よりもかかるにもかかわらず、一律でこういうふうになっておりますので、これをどうにかしていただきたいというふうに思います。
経済にはすごくたけていらっしゃる
大臣ですけれども、
子供の視点に立って、ここをどうにか、もうちょっと、せめて年収三百五十万、それからこの一万八千三百円を変えていただけたらというふうに思います。