○江藤
委員 私もいろいろな方と意見交換をしましたが、ある人は私にこう言いましたよ。補助金漬けで、
農家は過去数十年にわたって全く努力をしていない、漫然と同じものを作付けて、だらだらとやってきた結果がこれだと。とんでもない意見ですよ。胸ぐらをつかんでやろうかなというぐらい腹が立ちました。
みんな努力していますよ、一生懸命。新しい作物に挑戦したり、土壌の改良をしたり、急峻な
地域であっても作業効率を高める努力をしたり、集落営農に取り組んだり、一生懸命やってきました。別に、
TPP参加交渉をしたからといって、新しい意識づけになるというのは、
大臣、それはちょっと違うんじゃないですかね。私は、そこら辺はちょっと
大臣とは意見を異にします。
早速、アメリカ産の輸入牛肉の
条件緩和、三十カ月なんですか。もう決まりなんですか。食品安全
委員会、二十カ月月齢のときに私は一年生議員でしたけれども、
最後は、科学的知見に基づいているものだから、政治が介入すべき問題ではないと言われて押し切られたんですよ。二十カ月でも私は不満だった、正直なところ。ところが、食品安全
委員会も飛び越えて、何だか知らないけれども、政治決断ですか、これが。それから郵政、自動車、やってきましたね。
そもそも、昨年の九月に前原外務
大臣は、クリントン国務
長官と会ったときに自分の方から、頼まれてもいないのに、月齢制限緩和を
一つの可能性として検討し、できるだけ早く方向性を示したいと、一年以上前にもう言っちゃっていますものね。そう言えば、アメリカが、ああ、やってくれるんだなといって要求するのは当たり前の話ですよ。墓穴を掘ったということだろうと私は思います。
本当はこの後、
大臣、副
大臣、政務官にそれぞれ、
TPP参加についてどのような御見識をお持ちかお聞きしようと思いましたけれども、もうやめます。先ほど武部
委員も下げましたので。何となく顔で伝わってきますから、もうやめます。やめますが、このことだけは
委員の
方々にも知っておいていただきたい。
野田総理は、千葉県議会時代の一九八七年、牛肉・オレンジ輸入自由化反対決議というのが県議会であったわけですね。このときに、私たった一人が反対しましたと。つまり、賛成ということですね。そのことを、経済界との懇談会の場で胸を張って言うような人ですよ。
農業に関することに関して、輸入自由化原理主義者なんじゃないかと私は思う。
民主党の
委員の先生方も、野田さんの本音のところ、本当のところ、どうしたいのかということをぜひ見きわめていただきたい。これは与野党の垣根を越えて闘わなければいけない問題ですから、ぜひよろしくお願いをしたいと思います。
それから、国会の批准についていろいろ言いますね。別に、合意したって、
最後は国会の批准があるんだから、そこで
最後の勝負をかければいいんだと。甘いですよ、甘い。そんなことを言っているようじゃ大変なことになりますよ。
この間、十二月六日に全会一致で決議をしました。先ほどありました。すばらしいことだと思いますよ。そして、日豪のEPAについても、全会一致でかつて決議をなされております。決議は守らなければなりません。国会決議、
委員会決議、大切なことですよ。だけれども、細川内閣は、三つの決議があったにもかかわらず、それを全部無視して、米の輸入、部分自由化をやっちゃったんですからね。国会決議が無力だ、
委員会決議が無力だと言っているんじゃありませんよ。
そして、案の定、政権は早々と倒れ、自民党に政権が戻ってまいりました。自民、さきがけ、社民ですか、非常に変わった形の内閣になったわけでありますけれども。その中で、前政権がやったことなんだから、こんなものは無視すればいいんだと、私はその当時秘書でしたけれども、大変な大激論が自民党の中で巻き起こりましたよ。
だけれども、
現実問題、政治はリアリズムですからね。ナポリ・サミットで、平成七年一月には発効を目指すというところまで決まっちゃっていた、前政権のもとで。じゃ、どうするんだ、
国内対策をやるしかないじゃないかということで、大蔵省の抵抗が物すごくありましたけれども、平成七年から六年間で六兆百億円のラウンド
対策費を講じたわけであります。
しかし、そのうちの二〇%、一兆二千五十億円が
農業構造改善
事業等の
事業の中で、よく批判されます温泉施設とか、
農業の体質強化につながらないことに使われたということについては、自民党政権は深く反省せねばならないというふうに思います。しかし、全体の五二・八%の三兆一千七百五十億円はきちっと目的に沿った形で使われたことも御理解をいただきたい。
私は何を言いたいかというと、さきの政権が受け入れたこととはいえ、
民主党でいえば、野田さんが決めたことだから、新しい総理のもとじゃ
関係ない、そう簡単な話じゃないんですよ。
過去に三回の国会決議があるとさっき言いました。衆議院法制局との当時のやりとり。国会決議は、ある時点での国会の意思表明であり、政府が
状況の変化に応じて行う政策判断に枠をはめることはできないという衆議院法制局の見解、非常に苦しいですよね、言いわけとして。この苦しい言いわけをもって、三党連立政権で受け入れてしまったんです。非常に残念なことだと思います。
私は、批准しろなんて絶対言っているんじゃありませんよ、批准しろなんて。合意に至ってしまったら、その時点で、かなり日本国は厳しいところにもう既に追い込まれる。国会批准のときに勝負をかければそれで済むんだという認識を、もし議員の先生方、
委員の先生方がお持ちだとすれば、それは私は大きな間違いだということです。
TPPは、URとは全然スケールが違いますよ、すべてかかるわけですから、二十一分野、農産物だけじゃなくて。そのことを私は申し上げたい。
ですから、
大臣、ちょっと長い話になってしまいましたけれども、合意をしてしまって、そして国会で批准にかかわるというところで勝負をかければいいんだというような
考え方について、
大臣はどのような御認識をお持ちですか。私的見解で結構ですから、御
答弁願います。