○小里
委員 自民党政権時代の政策を
評価していただいて、それを新しい政策に反映させていく、これは我々も賛同するところであります。
しかしながら、例えば、その看板だけつけかえて、特に、
戸別所得補償制度という名のもとに、何もかんも入れ込んで体裁を取り繕うということはまさにまやかしであって、これは我々はなかなか納得できないなと思うところでございます。
そして、そうやって自民党政権時代の政策をいろいろ集めて全体の体系をつくっておられるわけであります。この中で、あえて申し上げれば、
民主党のオリジナリティーというものは米の
所得補償交付金だけでありまして、その他はすべて今までの政策を踏襲した。あるいは、自民党政権時代に先駆的な
制度があったわけでありますが、いずれにしましても、その全体像をせめて理解をいただかぬと、どういった政策を自分たちが展開しようとしているのか、自民党政権時代の政策にこういうことを学んだ、これを入れ込んだということぐらいは理解をいただかないと、先ほどからの答弁でも、なかなか、その個別の政策を聞いても、措置を聞いても、どういう
制度か、どういう
制度が入っているのかすら理解されておられない。これは極めて残念に思うということを申し上げたいわけであります。
それと、
所得補償交付金そのものは、我々も複雑な思いはございます。しかしながら、この米の
所得補償交付金は、米価への影響の問題、あるいは地域のきずなの問題、そしてまた堕農政策につながるんじゃないかというようなこと等、いろいろな懸念があるところでございます。
したがって、私どもは、真に
農業、農村のためになる
制度ということで、担い手新法、そして多面的機能
支払い新法というものを既に提出をしておるわけでありまして、別の角度から、真に地域の
農業、農村を育成する、そしてまた担い手を育成していく、そのための
議論をまた今後重ねてまいりたいなと思うところでございます。
それでは、本題の
TPPに入りたいと思います。
午前中の
議論におきまして、いろいろな御意見が出され、また新たな確認もなされたところでございます。
まずお伺いしたいのは、
TPPに
参加しないと世界の
自由貿易圏から取り残されるというふれ込みが
政府側から盛んに当初から伝わってきたところでございます。
TPPの
参加国を考えてみますと、今のところ、
参加予定九カ国であります。御案内のとおり、そのうち六カ国とは既に
自由貿易協定、FTA、EPAを結んでいる、あるいは結びつつあります。豪州とは、
農業、農村をしっかり考慮していく、その前提で今
交渉を進めているところであります。ニュージーランドとは、今後のバイの
交渉を進めていくべきであろうと思いますが、要するに、残るところ、米国との
関係、GDPから
計算しても、要は
TPPというのは
日本と米国との
関係であるということは論をまたないところであります。そして、もちろんそこには韓国も入らない、
中国も入らない、EUも入らないのであります。
そして、米国との
関係におきましては、米国における
関税、
工業品の
関税は平均二%だったでしょうか、極めて低いものでありまして、為替変動リスクの方が大きいという
状況であります。対して、農産品の方は、
日本における大変な対応を迫られているわけでありまして、さらに、
アメリカにおける
工業品の現地生産が進んでいるというようなことも考え合わせますと、要するに、
TPPは、日米
関係であるが、
日本にとっての
メリットはほとんどないということが言えるわけであります。
また、この
TPPをやらないと、これが今後アジアにおける
自由貿易圏づくりの
一つの核になっていくんだからというような御意見もありますが、ではアジアではどうなっているかと考えますと、アジアでは、ASEANが
一つの連携をしております。そのASEAN諸国、東南アジア諸国とは
日本は既にEPAを結んでいるわけでありまして、その中の
中心となっておるタイやインドネシアにしましても、まずはASEANの中で、アジアの中でしっかりと連携を図っていこう、そして米国に対して対抗していこう、そういうスタンスにあるわけでありまして、決して、
TPPに
参加しないと世界の
自由貿易圏から
日本が取り残されるわけではない。それよりもむしろ、まずは、東南アジアを
中心とする地域における、
日本が
中心的、先導的役割を果たしていくためにも、そういった地域を
中心にしてしっかり対応を図っていく必要があろうと思いますが、そういった観点から
大臣のお考えをお伺いしたいと思います。