○富田
委員 公明党の富田茂之です。ありがとうございます。
私は九三年初当選なんですが、
国土交通委員会に所属させていただくのは今回が初めてであります。一度だけ、
平成十六年に羽田の再拡張
事業の
法案が審議されたときに、千葉県の浦安市上空がそもそもの飛行ルートになっておりまして、浦安の住民の皆さんから、とんでもないということで、その声を受けて、一度だけこの
国土交通委員会で質疑をさせていただきました。
当時も、飛行ルートを
平成十六年の二月九日に
国交省の方で
地元に提示していただいたんですが、それまでの
地元への説明とかが必ずしも十分ではなかった。
地元、当時は千葉県と十四の市町村が一緒に協議会をつくっておりましたが、全地から反対の声が起きますし、千葉県議会でも、とんでもないというような声が起きました。成田の二の舞になるのではないか。ずっと成田闘争が続いてきた
地域でありますので、ぜひ
地元の声を聞いてもらいたい、
地元に対する説明をきちんとしてもらいたい、また、騒音の算定等についても、
地元の皆さんが理解できるような形できちんと御説明いただきたいということをお願いしまして、それはそのとおりやっていただきました。
その上で、余りにも浦安市の上空を低空で飛行するルートだったものですから、浦安の皆さんが署名を集めまして、当時の石川航空局長のところに私も一緒に伺いました。そうしましたら、石川さんは生まれが千葉県木更津でして、私も気になったので、浦安市の航空ルートの下の道をずっと自分で歩いてみた、さすがにこれは、このマンションに住んでいて、この上を六百フィートとかで来られたらたまらぬなということで、真剣に
検討しますというふうに約束してくださいました。私は衆議院の
予算委員会で三月二日に、そしてこの
国土交通委員会で三月十六日に同じ
質問をしたんですが、五月二十四日にルート変更を
国交省の方で決断してくださって、
地元、県、市町村に提示していただきました。
本当によかったなという思いでずっと見ていたんですが、今回、千葉市の住民の皆さんから、昨年の十月にD滑走路が供用開始したら、今までこんな騒音はなかったのに、いつもうちの上だけで騒音が起きる、南風のときにそういうルートになるということで、特にこの春から大変だったと。節電の影響もあって、夜クーラー等をつけられないから窓をあけていて音がうるさいとか、そういったこともあったんじゃないかというふうに千葉市の職員の皆さんは言っておりましたけれども、ちょっと余りにもひどい。千葉県内で、十カ月で五百二十件も苦情が来たというような数字も出ております。そのうち二百件以上が千葉市だったということで、その問題をまず取り上げたいというふうに思うんですね。
大臣は、航空行政に関する
部分の所信で、「航空分野では、安全運航の確保を大前提としつつ、首都圏空港の抜本的な機能強化、戦略的なオープンスカイ、関空・伊丹の経営統合等の空港経営改革等の
施策を推進します。」というふうに述べられております。
首都圏空港の抜本的な機能強化、戦略的なオープンスカイというのは大事だと思いますので、このとおり進めていただきたいと思うんですが、それが千葉県の住民を犠牲にしてなるような形は、きょうはこの
委員会、民主党の
先生たちも千葉県選出の
先生が多いので、ぜひバックアップしていただきたいと思うんですが、そこはやはり、当時この
委員会で議論になったのは、できるだけ騒音は東京湾内に閉じ込める、千葉県に影響を与えないように。羽田なんだから、本来千葉は直接の恩恵を受けませんので、そういったことも議論していましたので、そういう
方向でやっていただいているんだなと思っていましたら、残念ながら、そうなりませんでした。
その後の経過を、資料を見てみますと、
平成十七年の九月二日に羽田再拡張後の飛行ルートに関する
確認書というのが協議会と
国交省との間で交わされています。その
確認書の中に、「将来の管制技術等の進展に合わせ
検討する事項」という項目が七項目ございました。
七項目の一番目にこういう記載があります。「南風好天時の千葉・市原方面からの着陸ルートに関し、以下の例を含め専門的立場から技術的
検討を行い、千葉市上空への集中を避けることについて」ということで、三つポツがありまして、
一つ目として、「LDA進入ルートの位置をずらすことにより、着陸ルートの千葉市上空以外への分散を図ること。」「LDA進入方式の運用を見直し、通過機の陸上における狭い範囲への集中を回避すること。」そして最後に、「海岸線に沿って飛行する視認進入方式を導入し、市街地上空の通過を回避すること。」この三点が明確に書かれていました。
この十七年の
確認を受けて、もう一度、二十二年の三月十九日に同じように
確認書が交わされて、その中ではこのような記載がありました。「将来の管制技術等の進展に合わせ
検討する事項について」というところに、「
国土交通省は、飛行ルートが集中する千葉市や木更津市などにおける飛行ルートの分散化、千葉県内の着陸ルートの更なる高度引き上げ、海上を通過するルートへの移行などのため、管制技術等の進展を図るために必要な
予算確保に努めるとともに、航空機機材の技術革新にあわせ、
平成十七年
確認書及び本
確認書で
確認した「将来の管制技術等の進展に合わせ
検討する事項」を着実に進展させること。」
こういう合意があるにもかかわらず、実際にD滑走路の供用が始まりましたら、お手元に資料を配らせていただきましたけれども、この資料一の1と一の2は千葉市のホームページから引っ張り出しました。ちょっと見にくいんですが、一の1に飛行ルートが赤い線で二つかいてあります。この赤い線の周りにちょっとピンクがかった
地域があるんですが、実際は、この赤い線二つの上を飛行機が全部飛んできてしまう。本当はもう少し幅を持って、一点に集中しないようにということで合意をして、そのとおりやってきたはずなんだけれども、余りにも技術が正確過ぎて、ここに赤い線がちょうど重なる点がありますが、ここがやはり騒音に対する苦情が一番多くなってしまっている。
これは、今までの、千葉県そして二十五市町村と
国交省がずっと協議してきたところからやはり外れてしまうんじゃないかということで、資料一の2を見ていただきますと、「市民意見への
対応」というのが出ております。「市民の方から航空機の騒音について苦情が寄せられています。」ということで、二月十六日、関係市とともに、この
状況を解消することを含め
国土交通省に以下の申し入れをしたところですということで、分散化を図ること、そして深夜早朝は海上でやってもらいたい、管制技術の進展を図り、騒音影響の軽減等の
検討を進めること、こういう申し入れをしたというふうに千葉市の方からも説明を受けました。
これに対して、
国交省の方で六月六日に回答されたようですが、千葉市あるいは木更津市の皆さんから見ると、まだ満足のいく回答になっていません。ちょっとぼやけている
部分があります。
その点について、
大臣はどういう御認識で、今後どういうふうにされていこうとしているんでしょうか。ぜひ御意見をいただきたいと思います。