○
大西(健)
委員 おはようございます。
民主党の
大西健介でございます。
さて、忘れもしません
平成二十二年の六月二日、私は、本
委員会におきまして、この
労働者派遣法に対して当時の
鳩山総理に
質問させていただく予定になっておりました。しかし、まさにその日、
民主党の両院議員総会におきまして総理が辞意を表明されて、私の
質問は幻に終わってしまいました。
本日、それから一年半たちまして、再びこの
法案について
質問の
機会をいただきましたことに、
理事を初め皆様に感謝を申し上げたいと思います。私に与えられた時間は限られておりますので、早速
質問に入らせていただきたいと思います。
私は、きょう、
政府案を中心に
質問させていただきたいと思います。
さて、その
鳩山総理、
平成二十二年の一月二十九日の本
会議、施政方針演説の中でこのように述べられました。「働く人々の命を守り、人間を孤立させない」「労働をコストや効率で、あるいは生産過程の歯車としかとらえず、日本の高い技術力の伝承をも損ないかねない
派遣労働を抜本的に見直し、いわゆる
登録型派遣や
製造業への
派遣を
原則禁止します。」こういうふうに述べられました。
労働者派遣については、行き過ぎた
規制緩和が行われた結果、
派遣切り、雇いどめ、こういったことが行われて、多くの
労働者が仕事と住まいを失って、大きな社会問題になりました。本
改正案は、まさにこうした流れを百八十度転換するという
意味において、私は、画期的な
法案だったというふうに思います。
他方、あの年越し
派遣村からもうすぐ三年目の年末を迎えようとしております。そういう中で、会期末も目の前に迫っております。本
法案は、これまで、言葉は悪いですけれども、たなざらしになってきたというふうに思っております。
私は、苦渋の決断ではありますけれども、大幅な歩み寄りをしてでもこの
法案を半歩でも前に進めるときが来ているんではないかなというふうに思います。そして、私は、この
法案の見直しに当たっては、やはり当事者の意見というのをしっかりと聞いていく必要があるんではないかというふうに思っております。
私の地元、愛知県の西三河地域、自動車産業を初めとする
製造業が盛んな地域であります。本年は、三月十一日の東日本の大震災の発生によるサプライチェーンの寸断、それからタイでの洪水、生産の一時中断とその後の挽回のために、生産計画の見通しが極めて立ちにくいという
状況が続いております。
一方では、超円高により国内産業の
空洞化が加速をしています。超円高、電力不足、それから自由貿易協定のおくれ、高い法人税率、厳しい環境
規制等、我が国の
製造業が置かれた厳しい
状況を表現する言葉として、自動車産業においては、六重苦という表現が用いられています。
残念なことですけれども、この
労働者派遣法も、実はその六重苦の
一つに数えられております。このまま産業
空洞化が進んで国内の
雇用が失われては元も子もないというふうに私は思っております。私は、こうした産業界を取り巻く
状況というのもしっかりと配慮していく必要があるのではないかと考えております。
ただし、産業界は、柔軟性のある
雇用制度とかあるいは弾力的な
雇用条件を求めるというのは、考えてみれば当たり前のことであります。ただ、それはあくまで使う側の理屈であって、問題は、やはり使われる側、つまり、
派遣労働者自身がどう考えているかということをしっかりと見ていく必要があると思っております。
そこで、お
手元に配付いたしました
資料をごらんください。
資料一の一番上の円グラフ、
派遣労働者の約半分は、
登録型派遣という
制度自体を肯定的にとらえております。
制度に反対という人は一五%しかおりません。
また、一番下の表をごらんください。
登録型派遣で働いている人のうち
登録型派遣の
原則禁止に反対だという人は、賛成の人を大きく上回っています。さらに、
登録型派遣を続けたいという人は、全体では三割、
日雇い派遣に限って言えば五割に達しています。さらには、
常用型に転換したいと逆に考えている人というのは一割強にとどまっています。そして、四割もの人が、政策転換による
失業の不安というのを訴えております。
次に、
製造業派遣について、
資料二というのをごらんいただきたいと思います。左上の円グラフを見ると、
派遣労働者のうち
製造業派遣の
禁止に賛成という人は全体の一割、対して、六七%もの人が
禁止に反対と答えています。
次に、
資料三、これは
日雇い派遣についてでありますけれども、二カ月以内の短期就業において
派遣会社が介在する
仕組みを、とてもよい
仕組み、よい
仕組みと答えた人が五割を超えています。反対に、悪い
仕組み、とても悪い
仕組みと答えた人は、合わせても四%弱にすぎません。
また、就業の実態を見ますと、短期
派遣専業という人は全体の一一%。
日雇い・短期
派遣で働く一番の理由というのを見てみても、すぐに収入が必要だから、都合のよいときだけ働けるからといった、
日雇い派遣という
制度を自分の都合に合わせて利用している、そういう理由が上位に挙がっております。
少し長くなりましたけれども、今私が
資料でお示しをしたような
登録型派遣、
製造業派遣、
日雇い派遣のそれぞれについて、当事者のこういう声があることを、それから就業の実態を、
大臣はどのように感想を持たれたのか。また、すべてではありませんが、こういう声もあるということを踏まえた上での検討というのも必要ではないかというふうに私は考えますが、
大臣のお考えをお聞かせください。