○市村
委員 民主党の市村でございます。ありがとうございます。
大臣は、この
委員会のあいさつの中で、
日米同盟は
安全保障のみならず、経済、また文化・人的交流、三本柱で進めるんだ、そして
日米同盟を深化、発展させていくということを述べられました。
そんな中で、それを受けまして、私として、東
日本大震災へのアメリカの
支援ということに対しても、返礼となるような御提案を一点させていただきたい、このように思っています。
これも
大臣は御存じかもしれませんが、ワシントンDCのポトマック川の河畔にタイダル・ベイスンという場所がありまして、三月の終わりから四月、その周りに桜が咲き誇ります。桜祭りも行われます。私も二十年前、ワシントンDCに一年半ほど住んでおりましたので、二回ほど、このタイダル・ベイスンの桜を楽しみに見に行きました。
日本と違ってお酒が飲めませんので、桜の木の下で酒盛りをするということはできなかったんですが、しかしながら、非常に多くの
方々が桜並木の下を通りながら、咲き誇る桜を見ながら、本当に楽しんでいる姿を見てまいった次第であります。
実は、その桜、贈られてから、来年二〇一二年が百年ということになります。今、お手元に資料をお配りしております。これは伊丹市がつくった資料でありまして、後ほどまた御
説明申し上げますが、この中にも、読んでいただければ書いてあるんですけれども、これは、アメリカの方から求められて、ぜひとも
日本の桜をワシントンのタイダル・ベイスンにということで、当時のタフト大統領の御夫人とかがかかわったということであります。また、
日本人では高峰譲吉博士が大変御尽力いただいたということで、
日本の桜がワシントンに渡ったということでございます。
この資料にもありますけれども、最初に渡った桜は、残念ながら虫害で、虫がつきまして、結局、アメリカ大陸に揚げようとしたところで、残念ながら焼却処分になりました。そして、再チャレンジということで、ここは高峰譲吉博士が資金を全部出して、もう一回再チャレンジということで、しかし、そのときには、次は枯らしちゃならないということで大変工夫を凝らしたということであります。
その工夫の中に、実は桜というのは、接ぎ木、もともと何か、どうも野生ではなかった植物らしいんですが、桜というのは、もともと野生ではなくて、接ぎ木で、いわゆる人工的な改良が加えられた上でできたという木らしいんですけれども、その接ぎ木をした際の土台となった桜の木は、何と私の
地元である兵庫県伊丹市の、東野村の桜の台木でありました。そこに東京の荒川の堤の桜を接ぎ木して、そして虫に強い桜を
日本でまず育てた上でアメリカに贈ったということがあります。
それで
大臣、私は、この三月十一日に発生しました東
日本大震災の
現地対策本部長代行として、発災の日から一カ月、宮城県庁を中心として
現地にずっとおりました。そのときに、何にまた
一つ感動したかといいますと、やはりアメリカ軍が大変大きな力を出していただいたということであります。
特に仙台空港は、実は九月の終わりに復旧、もとどおりになっているわけであります。仙台空港は、アクセス鉄道も復旧し、ターミナルも開設され、国際線もまた飛んでいるということで、最初は、一年間はもう使えないと発災直後は言われていましたが、既にもう一カ月と二日で国内線は飛び、そして九月の終わりにはすべてがもとどおり、もしくは便数もふえているという
状況になりました。
そのときに、実はアメリカの皆さんが、特に米軍の皆さんが、本当に大きな力をかしていただきました。暖房なんかありません、本当に寒い中、ターミナルの二階に寝泊まりしながら、そして重機をみずから持ち込み、二百台以上の車を片づけ、そして道路もきれいにしてくれるということで、もちろん自衛隊も頑張りましたし、
日本の建設会社も頑張ったわけでありますが、米軍の力なくしてはというのも事実だと思います。
そうした中で、これは一般的にはトモダチ作戦の一環と言われていますが、私はぜひとも、このお礼ということではないんですが、ちょうど来年、桜が咲くのが三月の終わりであります。震災から一年が三月十一日でありまして、三月十一日前後には、
日本ではまた慰霊のさまざまなことが行われるんだと思います。そして、そのときには、やはりアメリカだけじゃありません、もちろん諸外国、いろいろな国が、
日本の東
日本大震災の復旧復興方につきまして大きな大きなお力をかしていただいております。中でもアメリカに対しては、私はぜひとも、このワシントンDCの桜百周年という中で、いま一度、
日本からお礼の
意味の桜を贈れないか、こういう思いを持っております。
そういう思いで、きょうはこの資料もお渡しし、御提案をさせていただきたいと思っておりますが、まず
大臣の方から、この提案に対して、
大臣はどうお受けとめになられるか、お聞かせいただけますでしょうか。