○遠山
委員 今の
お話だと、私がこれからする提案というのはなかなかのめないと
思いますが、
先ほどの覆水盆に返らずというのは、
沖縄県民にとっては間違いなくそうなんです。私も外務省にいましたので、この問題が非常に苦しいのは、米国
政府から見ると、水はまだお盆に載っかっている、ここが問題なんです。
つまり、二〇〇六年、自公政権のときに日米で
合意したロードマップ、これは今でも外交的に有効なんですね。民主党政権は、それを無効にする作業はしていないんです。ただ、国内向けに県外、県外と言った。だけれども、日米
交渉の中で、二〇〇六年の日米
合意をほごにするということはしていなかったわけです、鳩山政権
時代も。その結果、
沖縄の人にとっては覆水盆に返らずになったけれども、アメリカ
政府にとっては、いやいや、二〇〇六年のときに
合意したもの、水がまだ盆に載っかっているよ。アメリカ
政府はその
立場に立って、
日本政府に今も、きょうも、早くこの水を飲みなさい、こう言っているわけです。比喩的な話で恐縮ですが、ここが、この問題が難しい、非常に本質的な性格なんですね。そうでしょう。
それで、ではどうすればいいかということなんですが、普天間基地あるいはその移設先と現行案で言われている辺野古を持っている肝心の
沖縄の
皆さんが、もう水がないと感じている
状況ですから、新しい水をくみ上げなきゃいけない。
そのために、私の提案は、まずは米国
政府それから米国連邦議会に、
外務大臣でもいいんですが、できれば総理
大臣、野田総理がみずから行って、そして民主党政権になってからの、もう皆様方十分御承知で反省もされているこの経緯というものをアメリカの
国民にしっかり
説明して、覆水盆に返らずになってしまった、よって、一定の期間をいただいて、きちんとゼロベースでもう一度
沖縄と協議をさせてもらいたいと。そして、私は個人的には、その協議をする協議体というのは政治からなるべく独立した第三者
委員会的なものにして、入るとすれば総理とそれから
沖縄県知事、それ以外は政界の外から人を集めて、そしてこの普天間移設の問題について議論をする。
その議論の中では、実は自公政権の議論の中でしてこなかったことが
一つあるんです。それは抑止力の問題なんです。
沖縄へ行きますと、今
沖縄県民の中に浸透してきているもう
一つの御
意見というのは、実は海兵隊の抑止力というのは
政府が
説明してきたほどないんじゃないかという説が浸透しております。私も、いや、まだあるという説も
東京で聞きますし、それが
沖縄へ行くと、いや、もうない、理由はこれこれだとかなり専門的に言っていますよ。
オスプレーになれば、航続距離もスピードも今の普天間のヘリコプターより倍になりますから、実はグアムに海兵隊の輸送部隊を置いても、台湾とか、大体、
沖縄にいるアメリカの海兵隊というのは、いろいろな有事に
対応できるようになっていますけれども、基本的には、もともとは朝鮮半島有事と台湾有事のときのオペレーションプラン、略してOPLANというアメリカの有事の際の計画に全部組み込まれているんですね。そうすると、
沖縄から海兵隊を、特に実力部隊を外してしまうと、OPLANそのものを変えなきゃいけないので、米軍再編以上の根本的な作戦変更になるわけです。それを嫌って、日米ロードマップのときも、司令部だけグアムに移して実力部隊は
沖縄に残す、こういう判断をしたというふうに専門家の本には書かれているわけです。
ただ、私は、
沖縄ではそのこと自体に疑念が呈されているということもあるから、この新しい協議体をつくったときには、その抑止力のことについても、専門的な知見を入れて、しっかり議論して結論を出す。その作業は、残念ながら、自公
時代も避けていた。それは私は率直に認めます。だから、そのことも含めて、やる。ですから、一定の期間と、それから新しい協議をする協議体をきちんと
日本の中でつくって、その結論が出るまでアメリカ
政府に待ってくれと。
これは、今来ている国防長官も含めて、猛反発すると
思いますよ。しかし、玄葉
大臣、
考えてみてください。私がアメリカのホワイトハウスに乗り込んでいって、二〇〇二年、二〇〇三年あたり、民主党の細野
大臣とか渡辺周さんとか、みんな一緒にいましたよ。ホワイトハウスに乗り込んでいって、日米地位協定を変えてくれと物すごい議論をしました。そのときに、ホワイトハウスの高官から私は何を言われたか。いやいや、私
たちホワイトハウスはある程度遠山さん
たちの議論を
理解しますよ、でも、米国連邦議会がそう簡単に納得しませんと言われた。私が日米地位協定を変えろと言ったときに、アメリカ
政府がそれはできないと言った理由は、連邦議会で通りません、これでしたよ。だから、この普天間基地の移設問題も、辺野古、辺野古と
政府は今おっしゃるけれども、国会を通らない議論だったら、アメリカ
政府は待つしかないんじゃないですか。
野田総理が、政治生命をかけてこの問題を
解決したいと
予算委員会でうちの政調会長の
質問にお答えになりました。私は、政治生命をかけてやるというのは、それぐらい根本的な次元でその問題に総理や
外務大臣が取り組むことだと思っておりますが、この提案について、いかがでしょうか。