○石川
博崇君 公明党の石川
博崇でございます。
私は、公明党を代表して、ただいま議題になりました
平成二十三年
補正予算三案に対し、賛成の
立場から討論を行います。
震災から五十三日目の今日になってようやく第一次
補正予算案が成立する見込みとなったわけですが、
政府の被災者支援や原発の放射能汚染の情報提供を始め、ありとあらゆる対応が余りにも遅く、場当たり的でスピード感が全く感じられません。義援金や
原発事故、賠償一時金もいまだに被災者の手に届いておりません。避難所暮らしを余儀なくされている約十三万人の方々の避難所生活はもう限界にあります。
政府は、総力を挙げて仮設住宅の早期建設に全力を尽くすべきです。また、農業、水産業、鉱工業、またさらに被災自治体への被害も大きく、復旧のめどは立たないままです。
本
補正予算案には、その
意味で、仮設住宅の建設、中小企業や農業、漁業への災害関連融資の拡充など、公明党が要求してきた緊急性のある施策が盛り込まれており、歳出面では
評価できます。これが本
補正予算三案に賛成する主な理由です。
しかし、歳入面では大きな問題を抱えていることを指摘せざるを得ません。本来であれば、子ども手当など不要不急な民主党マニフェストを抜本的に転換すれば一層の財源確保が可能になるにもかかわらず、いまだにこれに固執していることは全く理解できません。また、今回の
震災以降、世界各国から支援の協力を得たにもかかわらず、その恩をあだで返すかのようなODA予算の削減は国際社会における
日本の信頼を失墜させる暴挙であります。さらに、基礎年金の国庫負担分として確保した二兆五千億円を今回の
補正予算の財源に回すことは、年金制度の安定性、信頼性を揺るがせるものであり、看過できません。
これだけの大規模
震災の復旧復興に国債の発行がやむを得ないことは明白です。にもかかわらず、あえてこれを避けて国債を発行せず、逆に狙い撃ちするかのように年金財源に穴を空けることは、明らかに今後の税制抜本改革を推し進めるための踏み絵としたいという意図ではないですか。
こうした被災者への支援よりも、そして年金制度の安定性の確保よりも政権運営を優先させるこそくな対応は、今回の大
震災に乗じた火事場泥棒と言えるものであり、甚だ遺憾です。猛省を促すとともに、二十三年度分の年金財源は、いつ実施されるかも分からない税制抜本改革を待つことなくきちんと確保すべきであると強く求めておきます。
なお、今回の
補正予算が成立しても、被災者の方々に支援策が届かなければ
意味がありません。
政府においては迅速な執行に全力を尽くしていただきたい。また同時に、今後の復興に向けた第二次
補正予算案も今国会中の提出も視野にすることを
政府に要望しておきたいと
思います。
政治の最大の責務は、国民の生命と財産、生活を守ることであり、そのためには
リーダーシップと迅速な対処が求められます。しかし、これまでの菅
内閣の
震災対応は、原発の初動対応を誤ったばかりか、数多くの
対策本部を乱立させ、意思決定が遅くなり、さらに政権の延命策や野党
対策にかまけ、被災者救済、復旧復興に十分な力を発揮しているとは到底
評価できません。これはさきの統一地方選挙でも示された国民の民意でもあります。
震災対策への
リーダーシップもなく、党内すらまとめることのできない菅
総理そして菅
内閣には今後の復興を主導することはできません。
日本の復興のためには、一刻も早く退陣を決断していただくことが望ましいと最後に申し上げたいと
思います。
以上、被災者の生活支援と復旧復興に公明党は今後とも全力を尽くすことをお誓いし、私の賛成討論といたします。(拍手)