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国務大臣(
玄葉光一郎君) ただいまの安井
委員の御質問は、言わば事実上のTPPは日米FTAなんだから二国間のハイレベルのEPAを進めていけばよいじゃないかと、こういう御議論だというふうに思います。それは一つの私は考え方だとは思うんです。
じゃ、TPPの意義って何なんだということなんですけれども、一つは、米国は今、日米FTAには余り関心を示していません。それが一つであります。つまりは、何だかんだ言ったって米国との関係は極めて重要だということが一つあります。
それともう一つは、現在TPPについては九か国、
日本が仮に交渉に入るということになれば十か国になるわけですけれども、じゃ、十か国で終わるのかといったら、最終的には、FTAAPというAPEC参加国二十一の国と地域のアジア太平洋における共通のルールを定めたいという思いの中から出てくるというふうに考えれば、その十か国にはとどまらない
可能性が極めて高いのではないかということがあります。
それともう一つは、共通のルールをアジア太平洋の中で作ろうというふうに考えたときに、先ほど二国間EPAの再交渉という話がありました。非常に鋭い質問だというふうに思いますけれども、残念ながら、例えば
日本とベトナム、EPAを既に結んでおります、結んでいるのにもかかわらず、これ分かりやすい例なので時々申し上げるんですけれども、ベトナムに行くとバイクに皆さん乗っているわけですね、だけど、そのバイクに何と九〇%の関税が掛かっていると、これが現状です。
日本のEPAの現状です。したがって、じゃ、それを、再交渉を二国間だけででき得るかといったときに、さて本当にそれは可能かと。つまりは、マルチで交渉して初めて実は得られるものというのがたくさんあるのではないか。
もっと言えば、ある国に行けば突然規制が変更される、こういうことがありますね。あるいは、ある国に行けばロイヤリティーの上限が定められているなんということがありますね。また、ある国に行けば、
日本が本当は開示したくないブラックボックス、技術のブラックボックスを合弁をつくるんだったらばもう開示しろと、こういうふうに要求される
ケースもあるわけですよね。もちろん、攻めと守りと我々あるんですけれども、やっぱりそういったところで
日本の経済とか
日本の社会に資するようなルールをつくることができれば、やはりこの
日本の、これから、本格的にやってきたこの少子高齢化社会の中で一定の成長を保つためには、やはりこのTPPというのは有力な、少なくともハイレベル経済連携は有力な成長の一手段になり得るんだろうなというふうに思います。ただ、損得あります、それは。ですから、守るべきは守り、攻めるべきは攻める。
ただ、どういうルール設定をするかということが、まさにそれぞれ国々は
自分たちで本来は決めれる話なんですけれども、ただ、他の国々と協力して、例えばEUなんかは一つのまさにルール設定をしているわけですけれども、共通の。どういうルールをつくるかで世界の英知が集まり、人も集まり、企業も集まると。劣ったルールしかつくれなければ人も企業も逃げていくと。そこの一番いい解は何なのかと、これからの
日本において。そういうことをまさにこのTPPにおいてはしっかりと考えていくということが大切だというふうに思います。