○石井準一君 自由民主党、石井準一です。
私は、自由民主党を代表して、
国民生活等の
混乱を
回避するための
平成二十二年度における
子ども手当の支給に関する
法律の一部を
改正する
法律案に対して、
反対の立場から
討論を行います。
まず、今回の東日本巨大地震・津波
災害によってお亡くなりになられた方々の御冥福を心からお祈りし、被災された皆様方に対し衷心からお見舞いを申し上げます。
さらに、被災地で救援活動に献身的な努力をされている
自衛隊、警察、消防、海外の救助隊を始め、救助関係団体並びにボランティアの皆様方の御尽力に心から敬意を表し、厚く御礼を申し上げるものであります。
昨日、三十日現在で、死者は一万一千三百六十二人、行方不明者は一万六千二百九十人に及ぶ未曽有の大
災害であります。現在も被災地での救出、救護、そして福島
原子力発電所の被災事故処理と二次
災害防止策に向けて懸命の活動が続けられております。
我が党は、東日本巨大地震・津波
災害に対して、「がんばろう日本」の掛け声の下、国民運動的な
取組を積極的に行っております。地震発生直後には、政府に先駆け東日本巨大地震・津波緊急
災害対策本部を立ち上げ、これまでの数々の震災対応の経験を生かして総力で
対策を実行をしております。
このほど、緊急に取り組むべき
対策を第一次緊急提言としてまとめ上げ、政府に対し申し入れ、野党という立場ではありますが、全力で対応しております。このほか、募金や緊急援助物資の
提供を国民の皆様方にお願いをし、被災地への救援・復興支援運動を全党を挙げて展開しているところであります。
我が党は、今後とも全力を挙げて復興支援に取り組み、国民の皆様方とともに歩んでいくことをお誓いをいたします。
さて、法案に関して我が党の
意見を申し上げます。
この法案は、民主党提出の議員立法であり、二十二年度に
実施された
子ども手当、一律月額一万三千円の
制度をそのまま今年九月までの六か月間延長するという内容であります。
子ども手当の廃止を訴える我が党からすれば、既に政府案として三歳未満の子供にも増額して月額二万円を支給するという
平成二十三年度における
子ども手当の支給に関する
法律案が
衆議院に提出されていて、同じ国会に政府と与党で異なる内容の
法律が出されたということが過去に例のない大きな問題であります。
遅まきながら、政府・与党は自分の矛盾に気が付き、
衆議院でこの法案が
採決された後、政府提出法案を撤回したようでありますが、自分たちのマニフェストの目玉政策である
子ども手当でさえぶれる政府が、現在の国難と言える状況に対応できるはずがありません。
自民党は、
子ども手当に係る
予算は全て今回の東日本巨大地震・津波
災害の復興財源として振り向けるべきであると考えており、延長であろうと拡充であろうと、
子ども手当には
反対であると明確に申し上げます。
被災地では、幾多の尊い命が失われ、住まい、職場、道路、ライフライン、何もかもが壊滅的な被害を受けているのであります。これからの長い将来にわたり、莫大な復興財源が必要になることは間違いありません。
子ども手当の
予算額は、二十三年度で二・二兆円もが計上されており、このつなぎ法案が通れば、その約半分が半年の間に支出をされることになります。本当に子供たちのことを考えているならば、これらのお金は子供たちのための学校、図書館、病院、そして住居への復興財源にすべきであります。
今や
子ども手当は、社会で子育てを支援するという所期の目的から全く懸け離れた
制度になっております。当初から予測はされていたことでありますが、その多くが貯蓄に回り、あるいは
生活費として消費されていたり、ひどい場合には親の遊興費に使われたりして、まともに子供のために使われていないのではありませんか。昨年秋に政府が行ったアンケート調査でも、子育てとは関係のない、子供の将来のための貯蓄、保険料に充てたとの答えが圧倒的で、四割以上を占めているのであります。
この非常事態のときに、
子ども手当に代表される効果のない多額の
予算を継続することは、百害あって一利なしであります。この法案そのものに
反対であるばかりでなく、
子ども手当自体、即刻撤廃すべきであります。
また、この法案が成立してしまうと、従来より我々が国会審議の中で指摘してきた問題点が解決、改善されないまま放置されることになります。
例えば、対象となる子供の国内居住要件が設けられていないため、海外にいる外国人の子供にも支給される状態が続く一方、児童養護
施設などに入所している子供たちへの支給は引き続き行われない状態のままです。被災地の
施設にいる子供たちのことを思うと胸が引き裂かれる思いであります。
さらに、世帯収入が十分あるにもかかわらず、親の身勝手な都合で未納となっている学校給食費について、
子ども手当から天引きできる
制度が盛り込まれておりません。
以上のように、この法案は現状の問題の何ら改善につながらない欠陥法案だとさえ断言できます。
最後になりますが、東日本巨大地震・津波
災害がもたらした危機的な状況から日本復興を図っていくため、与野党はもちろん、国民総力を挙げて取り組む必要があります。
我々は、今後の補正
予算の編成などを含め、政府に全面的に
協力していく姿勢を打ち出しています。しかしながら、この法案は、以上述べたように、何ら評価できる点はなく、ばらまき四K政策の最大の金額が掛かる
子ども手当の延命を図るだけのものであり、国民
生活の向上につながることもないと断ぜざるを得ません。
我々は責任ある野党として、これからも谷垣総裁を先頭に、全党員、党友が一丸となって、震災からの復興、国民
生活の安定のため全力を尽くしてまいります。
政府・与党をいたずらに
混乱させることはしませんが、この
子ども手当つなぎ法案のような政策については、毅然と
反対をしていきます。
被災者の皆様方及び国民一人一人が、震災前よりも将来にしっかりと展望と明るい希望を抱くことができる国づくりに邁進することをここに強くお誓いを申し上げ、私の
討論といたします。(
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