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森まさこ君 自由民主党の
森まさこでございます。
今回の相続の熟慮期間の延長でございますけれども、自民党としては従前より政府に申入れをしていたところでございますが、なかなか御対応いただけなかったものですから、
国会では初めて私が六月七日のこの
委員会で
指摘をさせていただきまして、強く
大臣の方に要請をいたしましたが、そのときには
大臣からは否定的なお答えをいただきましたところでございますが、本日、議員立法で
法案を出していただきまして本当に良かったと、被災地の議員として感謝をしております。
法案の質問に入る前に、別件で
法務大臣に一言苦言を申し上げたいことがございます。これは被災地の治安についてでございます。
三月二十四日以降、何回か
大臣の方に質問をさせていただいている被災地の治安でございますけれども、私、先日土曜日、六月十一日に大熊町に許可を得て入ってまいりまして、原発から一キロ以内まで立入調査をしてまいりましたが、その際、大熊町の一時帰宅の方々も入られておられました。バスに乗って入られておられましたけれども、お話を伺いましたら、盗難が非常に多いと。一時帰宅をしたときにそれを発見するということで、それについては随時
被害届を出しているということでございましたので、私の方で
警察庁に統計を求めましたところ、三月一日から五月三十一日までの統計しかまだないんですけれども、双葉署、南相馬署、田村署という、この原発の二十キロ以内に掛かっている
警察署の三署の合計で、窃盗犯の発生
件数が三百五十二件報告をされております。今全く人が住んでいない地域で既にもう三百五十二件の窃盗が報告をされているということでございます。
私も
震災後、二週間後の三月二十四日に
大臣にこの点を
指摘させていただきました。と申しますのも、私もいわき市に帰りました折、小名浜というところに、ら・ら・ミュウという魚市場があるんですけれども、津波に遭って壊滅いたしましたけれども、私、そこの
状況を見に行きましたら、シャッターが壊れていたんですが、そのシャッターの壊れているすき間から人が出てきたので、私はてっきりこの魚市場の経営者の方が
自分の店の被災
状況を見に来たのかと思って、あの、お店は大丈夫でしたかと駆け寄ったら、手に持っていた缶詰を戻して逃げていったということがありました。中にはレジ等もあったと思いますので、私はすぐ
警察の方に届けましたけれども、なかなかこれが人数が少なくて警備もできませんというような、以後気を付けますというようなお答えをいただいていたんですが、三月二十四日の
法務委員会で、そのとき
警察庁とそれから
法務大臣にこの件について御意見をいただいて、そのとき
法務大臣は、「被災地域であっても
犯罪が起きないように、治安が守られるように、これは大変大切なことでございますので、責任を持って
対処していきたいと思います。」とお答えをいただきました。
ところが、その後の報道で、福島地検の管内で被疑者を三十一人も処分保留のまま釈放したことが判明したんです。その釈放された容疑者の中には、暴力団組員も含まれていたことが発覚しました。釈放されたのは三月十一日から十六日の間であり、私の質問は三月二十四日ですから、質問をしたときにはもう既にその三十一人が処分保留のまま釈放されていた。そのときに、
法務大臣が先ほどのような頑張りますという
答弁をいただいていて、地元での不安感を思うと地検の対応について私は大変疑問を感じますし、こういった盗難が先ほどのような
件数が報告をされているということを考えますと、
犯罪者に誤ったメッセージを与えたのではないかというふうに大変危惧をしております。
三月二十四日の質問の後、三月三十一日には検察の在り方検討会議からの提言が出され、検察の信頼回復に向けて取組を始めようということが報告をされました。ただ、このような福島地検の対応を考えますと、検察改革を進めていけるのか、大変疑問に感じます。
この検察の在り方検討会議は千葉景子元
大臣が座長でありまして、村木厚子さんの冤罪事件の検察特捜検事によるフロッピーディスク改ざん事件、これを契機につくられた在り方検討会議ではありますけれども、これについて、やはりこの冤罪事件のもととなったフロッピーディスクの改ざん、これを特捜の部長が証拠隠滅した当時の
大臣が座長であるということで、人選が大変疑問であるということも私から柳田当時の
法務大臣に意見を申し上げていたところではございます。そのような三十一日の報告書がなされても、福島県においては被疑者釈放がなされていたということで、本当に検察が改革をしていけるのか。これについては、
警察の方がこの釈放について、逮捕した
警察の方に十分な相談がなかったというふうに、この検察幹部の
自分の判断が間違っていないか批判的に見詰める真摯な姿勢、これがないということは、この村木厚子さんの事件と同じ問題を
組織的に抱えているんではないかということを
指摘をしています。
福島県内で釈放された三十一件の中には窃盗が十三件含まれておりまして、それ以外に強制わいせつ犯の釈放もありました。これは独り
暮らしの女性の寝込みを襲って手錠で羽交い締めにしてわいせつ行為を続けた計画犯でございますけれども、こういった被疑者に対して、留置場等が大変混乱しているというような、そういう理由で簡単に釈放してしまったということで、
被害の女性は再び
被害に遭うのではという恐怖で大変おびえたという報道がされております。また、釈放されたうちの一人はその後また再犯をすぐに起こしたということも報告されております。すぐにコンビニの事務室に侵入し、建造物侵入容疑で再び捕まったということでございます。
法務省は
中村福島地検検事正を五月十六日に交代をさせるということを、更迭をしたようでございますが、トップを変えただけでこのような
組織内の体質が改善されるのかどうか、大変疑問でございます。それどころか、福島地検のいわき支部はこの問題が行われた後、何と三月十六日以降、庁舎を閉鎖し、福島地検郡山支部で業務をしておりました。その理由は
関係者を呼び出して取り調べるのが困難となったというふうに言っておりますけれども、
警察の方は動いております。
警察、いわきの中央署では原発地域の双葉地方で逮捕された被疑者もそちらの方で引き取って
捜査を続けておりましたけれども、地検の方はいわき支部を閉鎖して郡山で業務をし、さらにその後、四月になりましたら、検察官五人は転出して、残る検察官は支部長と副検事の二人のみとしたということで、四月からはずっと二人しか検察官がいわき管内にいませんでした。
いわき市というのは二十キロよりも外でございまして、特に避難区域ではありません。普通に住民が住んでおります。さらに双葉地域の被疑者がいわき市内に勾留されていると、そういう
状況の中で検察が数を減らすということで大変治安と住民に与えた不安というのは大きかったというふうに思います。
五月九日になって、やっと検事一名、副検事二名の三名が補充になりまして、現在五名
体制ですけれども、従前の七名
体制よりもまだ少ない
体制が取られております。通常であれば被災地は増員しなければならないような
状況の中で、なぜこのように人員を減らすのか。私は、三月二十四日に治安について責任を持って取り組みますと
法務大臣がおっしゃったことに逆行するようなことが行われているのではないかというふうに思いますけれども、
法務大臣の御見解をお聞かせください。