○上野通子君 自由
民主党の上野通子でございます。今日は初めて
菅総理に御
質問させていただきます。
時間がありませんので、まず最初に、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム、SPEEDIについて
質問をさせていただきます。
このSPEEDIについては、先週、森まさこ
議員がかなり激しく、厳しく
質問をされておりましたが、私も実はずっとこのSPEEDIの情報がなかなか公開されなかったことについて疑問を抱いておりました。なぜなら、
震災でまさにSPEEDIが力を発揮すべきときであったにもかかわらず、そして、仮定値による計算は
震災当日から行われていたのに、その試算結果が福島県の原発周辺の
皆さんに何も生かされなかった、避難に何も生かされなかったからです。だから、本日は
総理にお聞きしたいと思います。
先日、私もSPEEDIのシステムを実際に運用しております原子力安全技術センターに二度ほどお伺いし、数土理事長から、
震災後、センターからSPEEDIの予測図を用いての試算図を保安院、
文科省、そして安全
委員会の方へ送っていたとの事実も確認しました。そして、そのSPEEDIの仮定値で示した拡散予想図は、
震災からしばらくたった後に飛行機で実測したものとほとんど同じ、ほとんど変わらない図形を示していたことも分かりました。つまり、SPEEDIのデータは信頼できる予想図であって、十分に避難に利用できたんです。
総理、なのに、なぜSPEEDIの予測図を公表しなかったのですか。どうして福島県の人が避難するのに教えなかったのですか。
今まで私は、ずっと文教科学
委員会の方で文科
大臣に何度もお尋ねしました。しかしながら、文科
大臣ははっきりした御
答弁を一度もしてくださいませんでした。細野
総理補佐官が、国民がパニックになるから正しい情報を伝えなかったとおっしゃいましたが、それは間違っています。
先週の森まさこ
議員の
指摘のように、原子力
災害対策基本法により定められた国の防災基本計画の指針には、事故発生直後の初期
段階においては
現地の放出源情報を把握することは困難であるため、単位放出量又はあらかじめ設定した値による計算を行うと
規定されているんです。ですから、法治国家です、ここは、日本は。日本で定められている法令や指針に従わないということは、それを国が従わないということは、
法律違反をしているということは、これは重大な責任問題だと私は思います。
政治は結果責任だと思います。
総理、このことについて、予測情報を公表しなかったこと、
法律に違反していること、多くの
方々を被曝させてしまったことに対し、この
震災の最高責任者として、また日本のトップリーダーとして、被曝させてしまった多くの
方々にまずきちんと謝罪をしていただきたいと思います。
そして、既に被曝してしまった
方々に対しての健康
被害へのチェックを一日でも早く早急に実行してください。また、今もまだ収束していない、依然として危険な状態と言える原発からの放射性物質の拡散におびえながら日々の生活を送っている地元の
皆さんが、これ以上
被害を受けることのないように素早い対応を
お願いします。特に、放射能の影響を受けやすいという子供
たちの命を守るために、国として一日も早い対応を
お願いします。ただ考えているだけでは困るんです。すぐに実行に移すと約束してください。例えば、他県への国内留学や学校ごとの集団移動などで、でき得る限りのことをすぐに行動に移してほしいと思うんですが、いかがでしょうか。
そして、もう
一つ答弁いただきたいことがございます。先週、森まさこ
議員が御
指摘された原子力安全に関するIAEA閣僚
会議に対する日本国
政府の
報告書の中で、事実と違った部分の文面の訂正を要望した件です。
早速、経産省が事実に基づいた文面に正しく訂正した
報告書を作成されたようです。訂正内容の文書をこちらにいただいております。修正内容の文書をこちらにいただいておりますので、ちょっと読んでみます。
SPEEDIにより放射性物質の拡散傾向等を推測し、避難行動の参考として本来活用すべきであったがという文章に続けて、現に行われた試算結果は活用されなかったという一文が加わっております。
そこで、
総理にお尋ねしますが、IAEAという舞台で国際社会に向けて、日本
政府のこの内容で、自らの失敗を告白するということでよろしいのですね。失敗をお認めになったのなら、まず、原発周辺で余計な被曝をすることになってしまった福島の
皆さんに謝罪をしてください。よろしく
お願いします。限られた時間ですので、
答弁は簡潔に
お願いいたします。
総理に
お願いいたします。
総理に
お願いいたします。