○又市
征治君 社民党の又市です。
この
法案は、今年度の
税制改正で
政府が提案していたもののうち主要三党で合意できた部分を選んで提案をされているというわけですね。これを審議するに際して、私たち社民党としては、今回審議から外された部分の
税制についても若干
意見を冒頭申し上げておかなきゃならぬと思います。
つまり、
政府の当初案のうち、我々が強く反対をしてきた国税、
所得税及び地方
住民税における
法人減税及び
成年扶養控除の縮減というのは、別の
法案として存続をして継続審議までうたわれているということはもう極めて残念だ、こう言わざるを得ません。また逆に、中小企業の
法人税の軽減税率の引下げ、一八から一五%へというのも棚上げになっているということについても、これはもう極めて遺憾だと言わざるを得ません。
そこで、この
法案の題名が、
現下の厳しい経済及び雇用と、こう掲げている以上、この不況の上に重なった大震災や
津波及び原発災害、汚染によって、広範かつ長期にわたって人命の喪失であるとかあるいは雇用の破壊、農林水産業や製造業の生産やサービスの低下、物流や流通網の障害が起きている、そして復旧と復興のためには格段の財政支出の力を借りなきゃならぬというのがこの
委員会でも随分と論議してきたところであります。
じゃ、それはどこに求めていくのか、こういうことが大きな問題だと思うんですけれ
ども、振り返りますと、一九八九年に消費税が導入をされた。以来、二十二年間に国民が納めた消費税総額は二百二十四兆円にも上る。一方で、この間の、二十二年間の
法人税減税は二百八兆円にも上る。
国税庁の調べではそういう格好ですね。消費税は、当初言われた、福祉目的と言ったけれ
ども、むしろ
法人税減税に回ってしまったというのがこの実態ですね。
ですから、一九八八年、つまり消費税導入の前の年の税収構造、そのときは
法人税が三五・三%、消費
課税が一八・九%でしたけれ
ども、昨年、二〇一〇年には逆転をして、
法人税は半分ぐらいの一八・四%、消費税の方は、何と二・三倍、四三・九%にまでこの税収構造になってきている。その結果、
社会保障
制度による弱者救済の仕組みは大きく後退をさせられたし、低
所得者あるいは高齢者、障害者、
子供などのためのセーフティーネットというのは機能を損なってきたという面もあるということだと思う。
こう見ますと、今日、
財源は専らやっぱり格差是正型の
法人課税や高額
所得者の所得
課税あるいは金融資産
課税などに求めるべきであって、
法人減税であるとか
成年扶養控除の縮減などというのは全く逆であって、これは行うべきではないというのが私たちの基本的な
考え方です。
また、この後、せんだってから
片山大臣、一生懸命頑張っていただいているようですけれ
ども、税と
社会保障の一体改革と称して、もう既に言われているように、消費税五%引上げ、二〇一五年と、こう言っているわけですが、これは全く所得再配分に逆行するわけで、私
どもはこれにはもう断固反対だということを申し上げておかなきゃならぬと思います。
以上、我が党の基本的な主張を申し上げた上で、ただいま提案されているこの
改正案については、雇用促進
税制であるとか
NPOに対する
寄附の
税制優遇
措置の拡大であるとか、あるいは心身障害者雇用事業所の
課税軽減などの前進面がございますから、そういうものを酌んでこれは賛成はしたいと思います。ただし、J—REITであるとかSPCに係る
課税の優遇など、資産
課税優遇というのはこれは問題があるということも併せて申し上げておきたいと思います。
そこで、初めに、
被災市町村の税収で
一つだけお聞きをしておきたいと思うんですが、
二つか。
自治税務局は四月中旬の時点で、二〇〇九年度の実績額として、三県の沿岸部市町村の税の全額、それに県税の一部で二〇〇九年度ベースでは四千五百億円だというふうに公表されたと思っておりますが、その後、試算すべき市町村の
範囲が広がったわけですね、原発で内陸部まで市町村が広がりましたから。そういう点で、これが増えたわけですから、この概算額は変更するのかどうか、この点、ひとつ明確にしておいてほしい。
それから、福島県の場合には、市町村税の、さっきから出ておりますけれ
ども、
減収について
政府が万全の
措置をとると、
片山大臣、一生懸命しっかりと言っていただいた。これはいいことなんですが、もう一度改めて、やっぱり私は、東電の原発事故によってこういうことが起こったわけですから、しっかりとこれは東電に賠償を求めていくという立場はやっぱり堅持してもらいたい、こう思うので、もう一度改めてこの点は御
説明をいただきたいと思います。
以上、二点。