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2011-05-25 第177回国会 参議院 政府開発援助等に関する特別委員会 第4号
公式Web版
会議録情報
0
平成
二十三年五月二十五日(水曜日) 午後三時開会 ─────────────
委員
の
異動
四月十五日
辞任
補欠選任
姫井由美子
君 谷
博之
君 四月十八日
辞任
補欠選任
谷
博之
君
姫井由美子
君 五月二十五日
辞任
補欠選任
神本美恵子
君
平山
誠君 ─────────────
出席者
は左のとおり。
委員長
中村
博彦
君 理 事 中谷 智司君
藤原
良信君
牧山ひろえ
君 福岡
資麿
君 松山 政司君
魚住裕一郎
君 委 員
大久保潔重
君
大島九州男
君
岡崎トミ子
君 風間 直樹君 小西 洋之君 武内 則男君
那谷屋正義
君
姫井由美子
君
平山
誠君 藤谷 光信君
藤原
正司君 赤石 清美君 有村 治子君 岩城 光英君 大家 敏志君
野上浩太郎
君 浜田
和幸
君 水落 敏栄君
竹谷とし子
君 小熊
慎司
君
事務局側
常任委員会専門
員 矢嶋 定則君
常任委員会専門
員 工藤 政行君
参考人
社団法人海外コ
ンサルティング
企業協会会長
システム科学コ
ンサルタンツ株
式会社代表取締
役社長
草野
干
夫君
社団法人海外コ
ンサルティング
企業協会
副
会長
日本工営株式会
社代表取締役社
長
廣瀬
典昭
君
社団法人海外コ
ンサルティング
企業協会専務理
事
高梨
寿君
独立行政法人国
際
協力機構理事
粗
信仁君
独立行政法人国
際
協力機構理事
佐々木弘世
君 ───────────── 本日の会議に付した
案件
○
参考人
の
出席要求
に関する件 ○
政府開発援助等
に関する
調査
(
我が国ODA
の効率的・効果的な
実施
に向け た
取組状況
に関する件) ─────────────
中村博彦
1
○
委員長
(
中村博彦
君) ただいまから
政府開発援助等
に関する
特別委員会
を開会いたします。
委員
の
異動
について御報告いたします。 本日、
神本美恵子
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
平山誠
君が選任されました。 ─────────────
中村博彦
2
○
委員長
(
中村博彦
君)
参考人
の
出席要求
に関する件についてお諮りいたします。
政府開発援助等
に関する
調査
のため、本日の
委員会
に
参考人
として
社団法人海外コンサルティング企業協会会長
・システム科学
コンサルタンツ
株式会
社代表取締役社
長
草野
干
夫君
、
社団法人海外コンサルティング企業協会
副
会長
・
日本工営株式会社代表取締役社長廣瀬典昭
君、
社団法人海外コンサルティング企業協会専務理事高梨寿
君、
独立行政法人国際協力機構理事
粗
信仁君
及び同
理事佐々木弘世
君の
出席
を求め、その
意見
を聴取することに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
中村博彦
3
○
委員長
(
中村博彦
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
中村博彦
4
○
委員長
(
中村博彦
君)
政府開発援助等
に関する
調査
のうち、
我が国ODA
の効率的・効果的な
実施
に向けた
取組状況
に関する件を議題とし、
参考人
の
方々
から御
意見
を伺います。 この際、
参考人
の
方々
に一言御挨拶を申し上げます。 本日は、御多忙のところ本
委員会
に御
出席
いただき、誠にありがとうございます。 皆様から忌憚のない御
意見
をお述べいただき、今後の
調査
の
参考
にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。 議事の
進め方
でございますが、まず、
草野参考人
及び
高梨参考人
から三十分程度御
意見
をお述べいただき、その後、
委員
からの質疑にお答え願いたいと存じます。 御
発言
の際は、その都度
委員長
の指名を受けてからお願いいたします。 なお、御
発言
は着席のままで結構でございます。 それでは、
草野参考人
からお願いいたします。
草野参考人
。
草野干夫
5
○
参考人
(
草野
干
夫君
)
海外コンサルタント企業協会
の
会長
をやっています
草野
でございます。本日、このような
機会
をいただきまして、ありがとうございます。 まず、私の方で、
イントロ
として
コンサルタンツ
の
立ち位置
の
お話
をちょっと
お話
し申し上げ、その後、
専務
から、
業務
の詳細及び
進め方
について
お話
しさせていただきたいと思います。
ECFA
の
企業
は創設から約五十年たちますが、
ECFA
の
コンサル企業
を立ち上げる前、
戦前
から
コンサルタンツ
として活躍してきた
人たち
がこの
業界
を立ち上げたわけです。
戦前
の
大陸開発
、それから戦後は賠償、その後
ODA
において、
現場
での
実戦部隊
としてその
プロフェッショナリズム
を発揮してきたというのが我々
コンサルタント企業
であります。その
実戦部隊
と申しますのは、
ODA
の四層
構造
で、第一層が
政策レベル
、第二層、第三層が
外務省
それから
JICA
さん
レベル
、第四層が
実戦部隊
ということになっています。我々
実戦部隊
がこういった
機会
で
お話
しすることは今までありませんでしたので、できるだけ具体的な話を
高梨
の方からさせていただきたいと思います。 過去、戦後、三期に分けて私
ども
の
活動
を考えられるわけですけれ
ども
、まず、OTCA、OECFという
海外援助
を
推進
した
時代
です。その
時代
では、我々
コンサルタンツ
は
エンジニアリング部門
の
コンサルタント
として
活動
していたわけです。第二期、
JICA
、
JBIC時代
ですが、そのころから少しずつ
エンジニアリング業務
とそれから
ソフト系
の
コンサルティング業務
がそこの中で始まったわけです。それで、
JJ統合
後、現在ですが、
ODA
の
成長戦略
、それからもう
一つ
は
貧困
、
平和構築
という二つの柱で
政策
が進められているわけですけれ
ども
、その
政策
のやはり
実戦部隊
として我々はハード、
ソフト両面
から
プロフェッショナリズム
を発揮しているということになります。
プロフェッショナリズム
といいますのは、ボランティアとは
基本
的に違うと。専門的な知見を生かして、
政策
で決められたことを実践していくという姿勢でおります。実際に
プロジェクト
、プログラムを
実施
する
段階
でも、
日本
のみならず、諸外国の
プロ集団
を編成して
事業化
を進めていくということをやっております。 以上が
イントロ
ですが、今から
高梨
の方から、具体的な
コンサルティング
の
進め方
、
内容
について
お話
しさせていただきたいと思います。
中村博彦
6
○
委員長
(
中村博彦
君) ありがとうございました。 次に、
高梨参考人
にお願いいたします。
高梨参考人
。
高梨寿
7
○
参考人
(
高梨寿
君) それでは、引き続き、御説明させていただきます。
資料
に沿って説明したいと思います。 私
ども海外コンサルティング業界
というので、
現状
をまず
協会
の
概要
から若干御報告いたします。 私
ども
、一九六四年三月ということで、もう五十年近くになります。所管は
経済産業省
さん、それから
国土交通省
さん。現在、正
会員
は五十五社、
賛助会員
十一社、
協力賛助
三社ということで、
会長草野
、副
会長下田
、
廣瀬
ということで私
ども
の
協会
を
構成
しております。 私
ども
の
会員
の
規模
でございます。やはり全般的に二十人以下ということで、非常に全般的には小さい
規模
の
コンサルタント
。一方、大手という百人以上の
会社
が約一割ということで、最大手は約五百人、これはあくまでも
海外部門
でございます。 現在、私
ども
も、一般的に厳しい
経営環境
にございます。
プロジェクト
の
採算性
、それから
市場規模
が必ずしも大きくならない、それから
人件費
が残念ながら一貫して低減しているということと、それから
人材構成
、これもやはり
高齢化
をしております。 現在、私
ども
の
マーケット
は大体八百億円ぐらいと言われております。これは
国内
の同じ
市場規模
からいいますと約十分の一でございまして、
国内
大体七千億から八千億と言われております。それから、
分野
的には
運輸交通等インフラ分野
を
中心
にしておりますし、地域的には
アジア
を
中心
にして、しかしながら
アフリカ
も非常に大きなシェアを占めております。 続きまして、私
ども
の
協会
の具体的な
活動
ですが、現在、
ODA研究会
を
中心
にいわゆる
ODA
の選択と集中、それから
迅速化
、そして効率的な
実施
という観点から、それぞれ三
事業
に合わせた
分科会
を設けております。そのほか、重要な
課題
としてあります最近の
契約
の
精算
、あるいは
安全管理
、それから
国際機関
、コンプライアンス、それから
広報等
をやっております。 それから、私
ども
はたまたま
アジアPPP推進協議会
という
官民
が
連携
して
海外
に打って出る
協議会
の
事務局
も併せてやらせていただいております。こちらの方は、
コンサルタント
だけではなくて、
商社
、
メーカー
、
ゼネコン等
が参加しております。 続いて、主な私
ども
の
会員企業
でございます。 副
会長会社
の
日本工営
、これは
資本金
七十四億円で、全体の人数が約千五百人ほどです。
海外部門
は四百人ぐらいということで、
水資源
、
エネルギー
、
都市
・
地域開発等
、総合的な
分野
を担当しております。そこでの
社員
は、いわゆる
技術士
、これは
技術
を
中心
にして機械、土木等々、それから一級
建築士等
の
建築士
、それから
欧米
の大学も含めましてドクターそれからマスターの
人たち
で
構成
しております。こういったメンバーで私
ども現実
に
仕事
をさせていただいています。 それでは、どういうところで私
ども
活躍しているかということで、
日本
の
ODA
、御存じのとおりと思いますが、
無償
、
技協
、それから
円借款
の有償ということで、この各
分野
につきまして私
ども
それぞれ参加しております。
無償事業
、それから
プロジェクト技術協力
、それから
円借款
と。そのほか、私
ども
、次の
マーケット
として
国際機関
に現在チャレンジしております。 それでは、もう少し詳しく私
ども
の
業務
の
流れ
を御説明をしたいと思います。 これは、私
ども
の一般的な
円借款
の
業務
の
流れ
を御紹介をしております。
通常
、
途上国
の場合は三か年
計画
あるいは五か年
計画
という
長期計画
を持っております。そこからどう具体的な
プロジェクト
を私
ども
が
協力
していくかということで、これは
日本政府
と
現地政府
の間で
協議
して決めるわけですけれ
ども
、その間の
活動
として、
プロジェクト
ファインディングの
活動
を私
ども
協力
しております。 正式には、要請の後、
通常
ですと
マスタープラン調査
ということが行われます。私
ども
はそこに
エンジニア
を出して、実際に大きな網を掛けるような形で具体的な
地域開発
ですとかセクターの振興について
協力
いたします。その中から
優良プロジェクト
あるいは
優先プロジェクト
をフィージビリティースタディー、これは
事業化可能性調査
と呼んでいますけれ
ども
、本件についてスタートできるかどうか、フィージビリティーを検討するということでございます。 ここまでは私
ども通常JICA
さんと
契約
をしております。その後、その
案件
が
円借款
に行くようになりますと、これは私
ども
は
現地政府
と
契約
をすることになります。その中で
基本設計
あるいは詳細な
設計
をしまして、いわゆる
建設工事
に入るための
入札仕様書等
を作ります。それで、最終的に
建設
が終わって完成をします。
通常
ですと、これで
日本
の
ODA
は従来ですと終了するわけですけれ
ども
、その後、運営、
維持管理
というのが今大きな話題になっております。まさに
パッケージインフラ輸出
というのはここの
部門
だろうと思います。そういう面では、この
事業権
の
確保等
、いわゆる
PPP事業
につきましても、私
ども
引き続き取り組んでおります。 具体的に私
ども調査団
の
構成
ということで、これは
JICA
さんの典型的にあります、特に最近、この
インドネシア
の
首都圏整備
という、これは大変ユニークな
案件
でございます。といいますのは、この
マスタープラン段階
で
日本政府
と
インドネシア政府
の間で
協力協定
を結んだと聞いております。これは全部で十六人の
専門家
に
構成
されて
実施
する
調査案件
です。全体の団長を
中心
にして、そのほか
都市計画
、物流・
交通
、道路、
鉄道
、
港湾
ということの各
分野
に
専門家
が投入されております。 次いで、ほかの
事業
で御説明しますと、この三つの
事業
の
流れ
を同じようにフローにしてございます。真ん中が先ほど御説明した
円借款
でございますが、上は
技術協力事業
、いわゆる
技プロ
と私
ども
称しておりますけれ
ども
、
人材養成
それから
技術移転
を
中心
にするということで、その
内容
は、
人材育成
のためのキャパシティーディベロップメント、
計画
をどう作るか、それから、必要な
技術
の
マニュアル
、
ガイドライン
、それから
現地
での
パイロット事業
、これらを全部私
ども
手掛けております。 それから、
無償事業
につきましては、先ほどの
開発ニーズ
が確認された後、これは
JICA
さんとの
契約
で
基本設計調査
という
設計
の
基本
をまずやります。それから
現地政府
に移りまして、私
ども
が
詳細設計
の
契約
を結んだ後、一方で、
工事
の業者の方が
入札
に入りまして
建設
に行くということになります。重要なことは、ここで一旦
契約
が切れるということでありまして、この
JICA
さんとの
契約
、
途上国
との
契約
、これが今
アフガニスタン
の
ケース
では大変重要な問題になってきております。 続きまして、
ODA
の四層
構造
、これは先ほど
会長
が説明したところでございます。 私
ども
は、今の
仕事
の
流れ
でお分かりのように、まさに
開発援助
の最前線で私
ども
も従事しているということでございます。 具体的には、
アフガン
ですと、これは
JICA
さん、
外務省
さんの
資料
を使用させていただいていますが、例えば
アフガン
につきましては、御
承知
のとおりこの国には今
渡航禁止
であります。NGOの方も余り行かないと聞いております。そういう中で、私
どもコンサルタント会員
が今、九社ほど、数十人が今
現地
で従事をしております。有名な
カブール
の
首都圏開発
ということで、こういった一国の
首都圏
の
開発計画
を作るというのは、これはまず
余りケース
がございません。今回はこの
カブール
の
都市圏
を、新
都市
をどうつくるのかということで私
ども
の
会員
が従事しております。 現在、この
フォロー
ということで、
JICA
さんの方では具体的な
実施
に向けて
調査
をしております。残念ながら一部
地雷原
があったり、それから御
承知
のとおり、
アフガニスタン
はセキュリティーが大変重要です。私
ども
の
会員
の
エンジニア
は
現地
では日常は
防弾車
で移動をしております。ホテルは一か所で決められておりまして、外出は
基本
的に
禁止
ということで、こういった
安全確保
については
自己責任
でやるということで私
ども
進めておりますが、
JICA
さんからは今直接いろいろな
支援
をいただいております。 次に、
ミレニアム開発目標
、有名なMDGです。こういった
貧困
それから教育、医療、これにつきましても私
ども
が具体的な
内容
を担っております。 それから、TICADⅣの
フォロー
ということで、
アフリカ支援
でございます。これは、
エネルギー分野
の
日本
の
支援
の
概要
でございますけれ
ども
、ここに
プロジェクト
のリストが出ております。これ、私
ども
の
会員
がそれぞれ担当して、具体的に、
エネルギー
の
導入
、特に太陽光の
導入等
につきましても
協力
をして、
現地
で
設計
あるいは
調査業務
に従事して
日本
の
ODA
の実現に取り組んでおります。 それから、
環境社会配慮調査
でございます。これは、新しく
環境社会配慮ガイドライン
ができました。そういうことで、
現地
の
住民
との対話を重視するということで、大変重要な
仕事
でございます。残念ながら、
現地
では
住民
の方が必ずしも
日本
のように
住民登録
、
戸籍抄本
がない中でこういった
住民集会
を開催しております。そのほか、最近は、
生物多様性
ですとかあるいは
地球温暖化
の問題もこの
調査
の中で取り組むことになっております。 そういうことで、これはポンチ絵ですけれ
ども
、私
ども
の
活動
、
現地
の
政府高官
の方と
お話
をしたり他のドナーと
協議
をしたり、それから
現地住民
の方と
ステークホルダー協議
で具体的に
お話
をし、
計画書
あるいは
設計図
を作成し、それを報告し、最終的に
報告書
や
マニュアル
を作るという一貫した作業を担当しております。 それでは、私
ども
のこういった
活動
の中で
業界
の
現状
を簡単に御説明したいと思います。 現在、私
ども
が受注しております
JICA
さんの
事業
、特に大型の
案件
は
業務実施契約
ということを言われております。その予算が幸いなことに
調査分野
は伸びておりますけれ
ども
、一方、
案件
の数が飛躍的に伸びております。
平成
二十一年度ですと、五百三十億に対して六百件以上の
案件
を発注されております。したがいまして、一部、一件当たりの
平均額
が伸びておりますが、
右下
にありますように、一億円以下の
案件
が大変増えてきているということになります。これは、
一つ
には私
ども
の
採算性
の問題、それから
人材
の効率的な活用というところで、いろいろな意味で今
JICA
さんと
意見交換
をさせていただいております。 そういった結果、どうしても、人を出して決められた期間で
仕事
を達成するということですので、現在のところ、私
ども
の
収益率
というのは必ずしも高くありません。最近、一部
国内
の方は改善しつつありますが、
海外
の方は大変まだ厳しいという中で、こういった点で効率を上げるような形で、今
JICA
さんと新しい
契約方法等
について御
支援
をいただいております。その結果、私
ども
の
業界
の
給与水準
というのは残念ながら低い
水準
にございます。 それから、
コンサルタント
を、特に
年齢構成
につきましても、現在、私
ども会員
だけで約二千五百名の
エンジニア
を用意しています。このうち五十代以上が現在八割に達しております。特にこのPMにつきましてはこういった八割の高い
水準
でありまして、
技術者
の平均的な
年齢
が五十代以上がやはり五割を占めております。そういう面では、まさに
高齢化
に対してどう
技術
を次につなぐかというところが喫緊の
課題
でございます。 そんなような
状況
から、私
ども
からいつも
お話
ししている提言というのが
幾つ
かございます。
一つ
は、これから
インフラ輸出
、新
成長戦略
をにらみながらどう
オールジャパン
で
ODA事業
をやらせていただくかというところであります。これにつきましては、異業種との交流というのが今大きな
課題
になっております。私
どもコンサルタント
だけでなく、いわゆる
メーカー
、
ゼネコン等
々と一緒に組んで
調査
をやるという垣根のない新しい
体制
。 それから、現在、こういった
採算性
の問題もあり、なかなか多くの
アクター
がこの
分野
に参加してこられません。現在、
登録数
ですと三百社ほど
コンサルタント
はおるんですが、実際に
契約
をしているのが百社前後ということで、残念ながらここ数年の間伸びてきておりません。こういった
アクター
がより参加して
オールジャパン
で
事業
ができるように、今のところ
契約
あるいは
精算
の
仕組み
を改善していただくように
意見交換
をさせていただいています。特に
直近
では、
一般競争入札
ということで価格を
導入
する
仕組み
が議論されています。そういうような
状況
から、こういったものは、是非、私
ども
、
導入
については慎重にいただきたいというふうに思っております。 それから、現在、
日本政府
の方では
危険地域
あるいは
平和構築支援
というのも非常に力を入れております。一方、我々
現場
で働く
コンサルタント
にとっては
社員
の
安全確保
をどうするのかというところが大きな
課題
でございます。
基本
的には
自己責任
という形でしても、実際に
現地
に行くということであれば、
社員
も当然家族がおります。そういう中でどう
安全確保
をしていただくかというところも
JICA
さんと今検討させていただいて、いろいろと有益な御提案をいただいております。 最後に、三
事業
の
一体化
というのが言われていますけれ
ども
、ますます、我々
現場
からしますと、
官民連携
にはいろいろなグループと、それから、まさに
円借款
だけでなくて
技協
等々の
連携
が必要になってくるというふうに思っております。 それをもう少し具体的に、新
成長戦略
の
推進
ということで、私
ども現場
から見た
幾つ
かの御
意見
を申し上げたいと思います。 最初の図は、これは世界銀行の、いわゆる
インフラ分野
について
民間
がどれほどやっているかということで、
直近
のデータでは千七百億ドル、約十五兆円ぐらい世界では
民間企業
が対応しております。 これを
地域別
に見たのが最近の
ADB
あるいは
JICA
さんの
調査
でございまして、今後、二〇年まで八兆ドルの
マーケット
が言われています、約七百兆円ぐらいと。今、
日本
の
商社
さん始め、
インフラ投資
をしております。これは電力ですとか
鉄道
、
水道
、
港湾分野
でやっておりますが、これから大きな
マーケット
に挑戦するためにはまさに
連携
をしてやっていかなきゃいけないというところでございます。 こういった
日本
の
支援
に対して
欧米
はどうかというのが次の図でございまして、
日本
だけでなくて、むしろ
欧米諸国
が積極的に
官民連携
を
推進
しております。
援助機関
だけでなくて
民間企業
とどうタイアップをして
インフラ事業
を
推進
するかというのは、
日本
より更に先行して進んでおります。 次は、代表的な
イギリス
の
援助機関DFID
の例でございます。
イギリス
の場合は、従来、こういった
インフラ輸出
あるいは
官民連携
については実は批判的な国でございましたけれ
ども
、最近は
むしろ国
を挙げて
民間
の
推進
をお手伝いするというようなことになっています。また、
イギリス
の場合は
国際機関
を非常にうまく使っておられます。こういうバイとマルチをうまく利用しながら
海外
への
インフラ輸出
というのをまさに
イギリス政府
が取り組んでおると。
現場
から見ますと、次の図でございますけれ
ども
欧州諸国
と
日本
ということで、これまで、例えば
ドイツ
、
フランス
ですと
鉄道
あるいは
水道
にまさに国益として取り組んでおられます。
在外公館
は、大使始め書記官まで
自国
の
企業
の受注ということで取り組んでおられます。
民間企業
も、そういうことで
自国
の
企業
の参画というのを応援しております。現在、
日本政府
の新
成長戦略
の下、こういったことで今
キャッチアップ
が進められていると思います。大使館には
インフラ担当官
も整備していただき、国を挙げて
支援
する
体制
が、今つくっておられると思います。これを是非ますます進めていただきたいと思っております。
現場
で我々、
競争
で会うのは次のあれです。これはたまたま
鉄道
の例でございますけれ
ども
、有名な
欧米
の
メーカー
で、アルストムとシーメンスという
フランス
と
ドイツ
の
企業
があります。こういった
企業
を支えているというところで
コンサルタント
、シストラや
DBインターナショナル
というそれぞれの
コンサルタント
がありまして、まさに国策として、それぞれの国鉄ですとか
地下鉄公団
のその
技術部門
が合併してつくったような
コンサルタント
であります。こういうような
コンサルタント
と私
ども
はまさに
国際舞台
で競合しているわけでございます。 ただ、
日本
でこういった国策
会社
をつくるべきだということではなくて、まさに
官民
が
連携
してやっていくべきだということでございます。そういうことから、各国の
コンサルタント
の対応も、そういうことで私
ども現場
からしますと、非常に恵まれているといいますか、まさに国が応援しているということが肌で感じられます。ただ、現在も
JICA
さんが非常にこの点、変わってきておりますので、私
ども
大変心強く思っております。 特に、
PPP事業
の
流れ
につきましては、まず、
事業権
の獲得という
民間企業
にとって大事なターゲットがございます。それに向けて一番大事なのは、私
ども
、一番左の
案件
の形成の
段階
だと思っております。この
段階
でいい
案件
をできるだけ発掘すると。先ほどの
ODA
の
流れ
でいいますと、まさに
JICA
さんの行うマスタープランだと思います。これをできるだけ多く掛けて、いい
案件
を発掘して、それを
日本
企業
に結び付けるというところが非常に大事かと思っております。 この
段階
につきましては、私
ども
オーナーズ
コンサルタント
として
現地政府
の
コンサルタント
もやる場合もありますし、あるいはSPCという
日本
側のグループの
コンサルタント
をやる場合もありまして、これは当然ながら同時にはできません。これはコンフリクトインタレストになる。そういうところで、ますます今後の
インフラ輸出
についても私
ども
の出番は大きいかと思います。 最後に、東
日本
大震災に向けての提言の
お話
でございます。 こういった
事業
を私
ども
進めている中で、
海外
で地震あるいは津波の震災の復興
計画
にたくさん携わってきております。
直近
では
インドネシア
の有名なアチェの津波被害でございます。
JICA
さんの委託により、私
ども
、
現場
でどうアチェの復興をしたらいいのかということで取り組んできております。そのほか、
案件
としてはパキスタンを含めモルディブ等々、こういう被災に対しての復興ということは、私
ども
、
コンサルタント
、これまでいろいろな形で取り組んでおりますし、アチェの場合ですと、百日
計画
、一年
計画
、千日
計画
というアクションプランを作っております。そういう面では、強力な司令塔がアチェの場合は
現地
にできまして、我々はそのスタッフの
支援
をしたところでございます。 二つ目の私
ども
の
意見
は、新しい町づくりであれば、これまでも、そういうことで防災
計画
、ハザードマップあるいはGISを活用した土地利用
計画
等々を取り組んできております。また、太陽光や風力という新しい
エネルギー
を活用するような、あるいは省エネを
推進
するような
計画
作りもこれまで取り組んできております。 それから三つ目に、特に平和復興等々では、やっぱり新しい産業を起こしていく、あるいは、
海外
からの外資の
導入
ということでの非常に有効な手段として経済特区を設定するのがあります。これにつきましても、
アジア
では既に私
ども
いろんな形で手掛けておりまして、SEZという経済特区を設けて、そこに、例えば関税、その他所得税、法人税を免除するような形でインセンティブを与えて、ワンストップセンターと言われる窓口を一本化して
海外
から投資を仰ぐというようなことに取り組んでおります。 それから四つ目に、被災地のコミュニティーの問題です。これは、
途上国
といえ
ども
同じやっぱり問題を抱えておりまして、どうこれまでのコミュニティーを維持しながら新しい町づくりをするかということで、コミュニティーのネットワークづくり、それからキャパシティーを増やしたり、それから、特に雇用の
機会
が震災後、多くの場合、なくなります。これは、
インドネシア
等々の例ですと、
住民
にキャッシュ・フォー・ワークということで当座の
仕事
をつくるということで、これは瓦れきの撤去のようなことを
仕事
として提供をして、それを基に働く意欲を持っていただいたということでございます。こういう形で、非常に大事な底辺からコミュニティーを維持しながらどう復興
計画
を作るかというようなことにこれまで取り組んでまいりました。 こういうような私
ども
の知見、また
JICA
さんの知見、
ODA
の知見というのをどこかの形でこの東
日本
大震災の復興にお役を立てればというふうに思っております。私
ども会員
は、当然ながら
国内
部門
を持っておりますので、
国内
の
部門
と
協力
しながら、これから今復興
計画
が徐々に出てきていると伺っております、そういうものに是非
協力
して、一日も早く復興の力になるように私
ども
の知見が活用できればというふうに思っております。 以上、簡単でございますが、御説明に代えさせていただきます。ありがとうございました。
中村博彦
8
○
委員長
(
中村博彦
君) ありがとうございました。 以上で
参考人
からの
意見
の聴取は終わりました。 これより
参考人
に対する質疑を行います。 本日の質疑は、あらかじめ質疑者を定めずに行い、午後五時をめどに終了させていただきます。 質疑を希望される方は、挙手の上、
委員長
の指名を待って、御起立いただいた上で御
発言
くださいますようお願いいたします。
参考人
の
方々
の御答弁につきましては着席のままで結構です。 また、できるだけ多くの
委員
が
発言
の
機会
を得られますよう、質疑、答弁とも簡潔に行っていただくよう御
協力
をお願いいたします。 それでは、質疑のある方は挙手を願います。
藤原
さん。
藤原良信
9
○
藤原
良信君 ありがとうございました。 一言で言いまして、皆様方は
技術者
集団ということを改めて認識を深くしたところでございます。そういう意味で、お尋ね、何点かさせていただきますので、よろしくお願いをいたします。 私
ども
は
日本
国の
成長戦略
を考えていかなければなりません。成長させていかなきゃならないんですが、それを実現する上で
ODA
の活用ということもこれは出てまいります。
日本
企業
の
海外
展開、当然その促進を促していかなきゃならないし、それから産業のいわゆる製品、これも
ODA
の活用の中で大いにこれは展開をしていかなきゃならないと思っております。 例で申し上げますけれ
ども
、実は中国に新幹線の
技術
を供与いたしました。これは取決めがあったと伺っておりますけれ
ども
、第三国にはその新幹線の
技術
は転用しないとかあるいは製品を売り込まないということがあったわけですが、私は、例で申し上げたんですが、南米のブラジルにお邪魔した折に、新幹線の
導入
で
日本
と争っておりまして、コストが中国製品は安いんですね。だから、とてもじゃないけど
競争
にならないという
現状
がございます。 今
お話
ございましたけど、太陽光発電とか風力の話がございましたけれ
ども
、太陽光ももう今中国が立派につくれるようになりまして、
日本
の
競争
相手でございます。ただ、
技術
的に、例えば太陽光の中でも薄膜の
分野
はまだ
日本
の方がこれはぬきんでていると伺ってございますけれ
ども
、こういう
分野
で先導役に、
ODA
で応援していく場合に
日本
企業
とか
日本
の製品が勝っていくような、そういう先導役の役割というのは僕は絶対持つべきだと思うんですね。 そういう意味で、
官民連携
、今
お話
ございましたけど、
官民連携
の
推進
に当たっての
ODA
ビジネスというようなとらえ方でよろしいと思うんですけれ
ども
、この
課題
というのを、
現状
はお聞きしましたけど、
課題
を端的にお示しをまずいただきたいと思うんです。これが一点でございます。まずよろしくお願いいたします。どなたでも結構でございますが。
草野干夫
10
○
参考人
(
草野
干
夫君
) やはり、
ODA
、最近の傾向として、我々
現場
でやっていると必ず中国
企業
とバッティングすることが結構あるわけですけれ
ども
、どうやって中国
企業
と対抗していくかということだと思うんですけれ
ども
、そのためには、やっぱり
日本
は
官民連携
、中国は完全に
官民連携
ですね、それで、実際、相手国政府から受注するときもタイドの方式でやっているわけです。
日本
はDACの基準に従ってアンタイド化されてしまいましたけれ
ども
、
官民連携
で実質タイドに近い形を取っていかなきゃいけないだろうと思うんです。そのためには、
計画
の上流部、
JICA
さんでいう企画
部門
になりますけれ
ども
、上流部から
民間
コンサルががっちり入っていくということが
一つ
意味があると思うんですけれ
ども
、その場合に、
民間
コンサルだけではなくて、
メーカー
それから
建設
会社
、
商社
等もその入口のところから入っていくというような
一体化
した勝負の方針を取っていかないと中国にはかなわないだろうというふうに思っています。 具体的には、ちょっと
廣瀬
副
会長
の方から何か具体的な事例で御説明できるかと思うんですが。
廣瀬典昭
11
○
参考人
(
廣瀬
典昭
君) 副
会長
の
廣瀬
でございます。 我々が
ODA
を活用して
日本
の産業の輸出ということを考えた場合には、やはり最初に
計画
の
段階
でどういう資金を使えるのか。例えば、
無償
援助という形であれば
日本
の資金で
日本
の
企業
というのはやりやすいんですけれ
ども
、
円借款
ということになれば相手国政府が選ぶ
仕組み
でございますので、やはりそこに
競争
原理がどうしても働きます。 ですから、その場合に、
一つ
は、
日本
の
企業
の
技術
力でなければできないというような
案件
、そういうものであれば
日本
の
企業
、これは
競争
力があるわけですけれ
ども
、価格
競争
だけという形にすれば当然今の
状況
では中国、韓国になかなか勝ちにくいということであれば、そこで例えばPPPのような形の、一部は公的資金で
実施
して、例えば下物といいますか公共的な
インフラ事業
は
ODA
でやって、上部
構造
の施設あるいは運用のところは
民間
がやるというような形をつくっていけば、それをセットでやるという
仕組み
をつくっていけば
日本
の
企業
が非常に参加しやすいということで、現在、ベトナムの
港湾
計画
、ラックフェン港の
計画
はそういうような形ができつつありますので、そういう最初の
段階
から、
プロジェクト
をつくる
段階
からそういう方式をある程度念頭に置いて資金の手当てあるいは
技術
の採用の仕方ということを検討していかないと、
通常
のやり方ではどうしても価格
競争
の世界に入ったときにはもう多分
日本
の
企業
は相当苦労すると思われます。 以上です。
藤原良信
12
○
藤原
良信君 今の
意見
、
参考人
の
意見
を聞いて
JICA
さんはどう思われるかということの意味合いでちょっと
JICA
さんにお尋ねしたいんですけれ
ども
──まだ待ってください。というのは、マスタープランを
JICA
さんでお作りになるという
お話
ございました。そうだと思います。これは個人からの要請では当然ないわけなので、各国から、出先機関、大使館もあるわけですし、総領事館もございます、それから
外務省
に対して直接の申出もあるでしょう。そういう中での選定をしてマスタープランを作っていくんだと思うんですね、
ODA
の
支援
でですね。 その中で、私は、今
お話
を聞いていまして、結局、そういう
調査
、立案といいますか、そういう
分野
を
コンサルタント
協会
さんがやっている実態も今聞きましたけれ
ども
、
現場
の各国にも常駐しているわけですね。そうすると、当然、その国の関係者とお会いする度数が多いと思うんです。そうすると、
現場
でこういうことを是非やってもらいたいんだといういろんな要望が出ているだろうと思うんです。そういう聞き取りはどうなっているのかということと、今の話を含めましてなんですが、それと併せて、何回も立つのも恐縮ですからお尋ねいたしますけれ
ども
、私の知識ででございますけれ
ども
、これは
コンサルタント
協会
さんだけじゃないんですけれ
ども
、
日本
の
企業
が各国に行って生産
活動
をしていますと、その国々で税を取られていますね。例えば
インドネシア
なんかは三五%の所得税と聞きます。
ODA
で行った場合、
ODA
で私
ども
が助けに行っているんですが、それでも税は取られていると思うんですが、そういうような対応策というものについては、生産
活動
とはこれは違いますよというようなことは、これは主張していくべきだと思うし、そういう交渉はしなきゃ駄目だと思うんです、
ODA
の場合は。これらの実態はどうなっているかをお尋ねをしたいと思います。 併せて一括でお尋ねいたします。
粗信仁
13
○
参考人
(粗
信仁君
) ありがとうございます。
コンサルタント
の
業界
の皆さんとはこれまでまさにパートナーとしていろいろやってきたわけですけれど、まず、
JICA
が
現地
のニーズをどう把握しているかということに関しては、恐らく
日本
で唯一、
途上国
の、特に
アジア
を
中心
に主要な官庁に
専門家
を送り込んで情報ソースを持っている団体であると思っております。 そういうものを通じて培う中で、先ほどマスタープランへの言及がございましたけど、上流部分から
途上国
の方と一緒に話をしていく。先ほど
ECFA
さんの説明の紙の八ページ目に
インドネシア
首都圏整備
計画
プロジェクト
が出ておりましたけれど、こういう大掛かりな上流の
計画
をどの国も取れるわけではございません。今までの関係の中で
日本
にだったら頼めるということでこういうマスタープランを頼んでくると。 その中で重要なのは、相手国政府の非常にいろんな投資
計画
が出てくるわけですけれど、それをどの部分が相手国が自分のお金でやり、それから他のドナーに頼む、あるいはPPPでやる、
官民連携
のような形で
仕事
を回そうと、彼ら自身の持っている動員できる資金というのを考え合わせながら
途上国
側がそういう判断をしていくわけですけれど、そういう上流から入っていくことで先ほど来
お話
がありましたような新
成長戦略
につながるPPP、
官民連携
の絵がかけていくということであろうかと思っております。今後ともこういう上流部にきちんと手当てをしながら、どういう
プロジェクト
がPPPとして可能性があるのかということを見極めていく作業というのは非常に重要だろうと認識しております。 それから、
現地
に行っている場合の税の問題ですが、これはなかなか難しい部分もございますけれど、有償資金
協力
、
無償
資金
協力
につきましては、交換公文、政府間の約束の中に極力免税とするという項目を入れてございます。それに沿って、
ODA
の
事業
を
実施
する際には税を払わないという格好になりますけれど、二つほど実際には難しい問題が出てくる場合がございます。
一つ
は、一旦税を納付してから還付してあげますというやり方を
途上国
側が取る場合、こういう場合では各
企業
に大変な御苦労をお掛けすることがございます。それからもう
一つ
は、これは国際的に世銀等が主張して相手国側が乗ってくる
ケース
が結構あるんですけれど、税を取るべきだという議論がございます。そういう議論の中で、交換公文の中に従来あった免税条項というのを残すべく一生懸命努力しているというのが
現状
でございます。
藤原良信
14
○
藤原
良信君 あと一点でやめますけれ
ども
、今
お話
を聞きまして、
参考人
の方ですけれ
ども
、中国との
競争
で負けていくということの実態の中身をお聞きしましたけど、コスト問題だけではないと思うんですよ。
現地
へ行きますと、中国等はスピードは速いと。結局、これ
JICA
さん、コミット、手続なんです。これがトップダウンで中国は行きます。ですから、そういう手続の長さが、これは
競争
力ではとんでもない差になっていると思います。この点をお聞きしますけど、これをどう改善するかですけれ
ども
。 それと、今の
JICA
さんの
お話
ですけれ
ども
、これ
無償
はもちろんですけど有償でも私
ども
は
支援
をしているわけですから、そこで一般的な
企業
の生産
活動
と違うのに税を取るというのは、これは是正しなきゃならないと思います。この点は是非含んでいっていただきたいと思います。 それから、併せてなんですが、震災対応なんですが、今御提案ございました。これ恐らく政府に対して提案しているんでしょうけれ
ども
、皆様方が例えば津波のところ、いろんな災害のところで依頼を受けて、いろんなコンサル
業務
をやってきたんだと思うんです。今、私は被災地でございます東北の岩手県でございまして、大船渡で、私のところも被災いたしました。そういう専門的な各国で経験されたことを生かしていかなきゃ駄目だと思うんですが、それは提言はされているんだと思いますけれ
ども
、どのような形を取れば、皆様方のそういう
技術
といいますか能力というものを、財産を生かせるものかどうか、端的にお示ししていただけませんか。最後に
委員長
に私はお願いをすることがそのことではございますので、どうぞお願いいたします。 この私の今の質問に対して、それぞれお答えしていただきたいと思います。
草野干夫
15
○
参考人
(
草野
干
夫君
) 我々が
ODA
の
海外
事業
の中でやっているものの中で、北スマトラ、それからスリランカ等の直接地震、津波の被害を受けたところのその後の対策ということだけではなくて、
アフガン
でもどこでもそうですけど、それからペルーでもそうなんですが、内戦その他いろいろな、様々な災害の後にいろいろな
技術移転
を行っているわけですけれ
ども
、総合的なそういう対策及び
技術
を使って何らかの形で東
日本
の復興にお役に立てないかということは考えておるわけです。
中村博彦
16
○
委員長
(
中村博彦
君) 簡潔にお願いします。
粗信仁
17
○
参考人
(粗
信仁君
) 一点、
日本
で
コンサルタント
をやる場合と
海外
でやる場合の大きな違いがございます。それは、
海外
でやる場合は企画立案、
計画
作り、これを依頼されると。
日本
の場合はそこがない発注の仕方になっております。復興の主体は自治体であると思いますので、自治体が総合的なノウハウをプランニングも含めて発注したいという形で御利用いただくというのが
一つ
の手ではないかなと思っております。 その際、どういうふうに、我々の
業界
用語で言いますと
業務
指示書という形でお願いすべき点を書くわけですけれど、そういう点のノウハウがもし必要であれば、
JICA
としても何らかの形でお手伝いができようかと思っております。
藤原良信
18
○
藤原
良信君 ありがとうございます。
中村博彦
19
○
委員長
(
中村博彦
君) 大家敏志君。
大家敏志
20
○大家敏志君 自由民主党の大家敏志と申します。 今日は
ECFA
から
会長
、副
会長
、また
専務
理事お越しいただきまして、ありがとうございます。
JICA
の皆さんもありがとうございます。 少しお聞かせをいただきたいというふうに思います。コンサルの役割と
現状
等
お話
をいただきました。本当にありがとうございます。 また、その中で、少し重複しますけれ
ども
、今日は東
日本
大震災からの復興についての緊急提言というのをいただきました。その一番の強力な司令塔の確立という御指摘がありますが、まさしく強力なリーダーシップの下で迅速な対応が必要だという指摘だというふうに思っています。我々自由民主党も、
基本
法案の中で復興再生院の設置を求めています。そしてまた、被災地域には地方復興再生事務所ということの設置を求めているんですけれ
ども
、
インドネシア
やパキスタンの経験から、その教訓の中から、復興再生院が設置された場合に注意すべき点やその役割について少し御示唆いただけたらというふうに思います。
廣瀬典昭
21
○
参考人
(
廣瀬
典昭
君) それでは、今までの経験から御説明いたしますと、この復興庁、
インドネシア
の場合のアチェの復興庁というのは大統領直属で非常に大きな権限を与えておりますので、それ以前、震災に遭った後、しばらくの間は自治体が自分たちでいろいろ
計画
を作ったり復興の
仕組み
をつくろうとしていましたけれ
ども
、その全体を調整して国の
一つ
の枠組みを示して、それの下に
実施
するというそういう調整役、それからそれを
実施
させる権力といいますか権限を全て一人の復興庁の長官が持っているという
仕組み
だったんですね。それだからできたということですので、それが
日本
でできるというふうには私は分かりませんけれ
ども
、まあ
インドネシア
の大統領制の
仕組み
の中で、しかもこの地域、アチェという非常に政治的に難しい地域でそういうことが
実施
されたという、ですから、これが
日本
でそのまま、どういう形で採用されるかというのはまた別の研究をしなきゃいけないとは思います。ただ、そういう大きなリーダーシップ、権限を持った人がまとめると早くいくと。これは非常に時間が、短い時間で復興
計画
を作ってそれが
実施
されてきましたので、そういう意味では
インドネシア
はそれなりに成功していったのではないかと思います。 以上です。
大家敏志
22
○大家敏志君 ありがとうございました。 やっぱり強力なリーダーシップに尽きるということだというふうに思います。 それから、もう一点だけお尋ねしたいと思うんですけれ
ども
、この
ODA
の予算がずっと削減されてきて、また市場も縮小してきていますよね。その中で、特にこのコンサル
業界
を目指す若い
人たち
が減っているというふうに聞いているんですけれ
ども
、その
現状
について少しお聞かせいただきたいのと、打開策といえば
ODA
予算を増やすことかと、単純でもないと思うんですけれ
ども
、その打開策について何か御
意見
があれば御教示いただきたいというふうに思います。
草野干夫
23
○
参考人
(
草野
干
夫君
) 先ほど
高梨
専務
の方から
お話
ししましたように、
案件
一件が小さくなっていっていると。さらに、我々、真水と言われる部分ですけれ
ども
、
コンサルタンツ
のフィーに落ちる金の比率が小さくなっていると。それでもう
一つ
は、非常に
仕事
の
内容
がだんだん複雑化しているということで、
契約
期間の枠を超えてやる、サービス残業と我々言いますけれ
ども
、そういうことで実質的に
給与水準
が下がってきているということは事実なんです。二つの現象がありますけれ
ども
、新たに
コンサルタンツ
を目指そうという若い人も少なくなっていると同時に、育った人間ですね、育った人間がこの安い給与でやっていくかどうかということももう
一つ
あるわけです。 健全な
コンサルタンツ
の経営と
人材育成
というのは車の両輪だというふうに考えていますので、それはコンサル自体も努力しなきゃいけませんけれ
ども
、今
JICA
さんと
契約
の方式について
意見交換
をしたり突っ込んだ議論をしております。そういう中で地道に解決していくというのが今取れる手段だというふうには思っていますけれ
ども
。
大家敏志
24
○大家敏志君 ありがとうございました。 大変難しい問題で、我々もやっぱり心して今後いろいろ考えていかなければならないと思っています。我が国の内向き化というのを近ごろ言われていますけれ
ども
、その一例としてこれは危惧している点でもありますので、今後とも関心を持っていきたいというふうに思います。 以上です。ありがとうございました。
中村博彦
25
○
委員長
(
中村博彦
君)
魚住裕一郎
君。
魚住裕一郎
26
○
魚住裕一郎
君 公明党の
魚住裕一郎
でございます。 多くの人が質問をということでございますので、まとめて質問をさせていただきたいと思います。 今日は、
コンサルティング
の
戦前
からの経験を踏まえて貴重な東
日本
大震災への対応まで含めてコメントをいただきまして、心から敬意を表したいと思っております。 今月の頭に第一次補正予算通りまして、その財源で、
ODA
予算、二割カットすると。えっと思ったわけでございますが、
中村
委員長
を先頭に当然与野党問わず反対論が多かったわけでございますが、どうして大震災になっているときに
ODA
予算を削減するのに反対するんだという声もまたいっぱい来たわけですね、私
ども
に。ですから、ああ、やっぱり一般国民になかなか
ODA
というのはしっかり理解していただいていないなというのがまた実感をしたわけでございますが。 今日は、
ODA
の効率的、効果的な
実施
に向けてという、そういうテーマでございますけれ
ども
、もう
一つ
、
ODA
の足を止めるというのは、外国政府との腐敗といいますかね、ベトナムでありましたよね、PCIですか。その後、私、ベトナムへ行ったときに、何かどよんとしているといいますか、なかなか再開を言い出せないというか、そんな
状況
がございました。本当に
現場
で
実戦部隊
で頑張っていただいている
コンサルティング
各社、この点についてどういう取組をしているのか、また
JICA
はどういうような取組を進めてきたのかということがまず一点目でございます。まとめて申し上げますね。 もう一点、よくニュースになるのは、例えば事故、事故といいますかね、例えばハノイで橋が崩落したよとかカントー橋がまた落ちたよとか、これは橋が多いわけですが、タイ、ラオス国境での
建設
現場
での事故が発生している。やっぱり相当
安全管理
の取組をしっかりしなきゃいけないなとは思っておりますが、やはり
現地
の地形とか気象条件とか合ったものにしていかなきゃいけないと思っておりますが、
コンサルティング
各社、どのような取組をしているか、御教示いただきたいと思います。 あともう一点、もう一点だけ。 先ほど、このペーパーの中で、
コンサルティング
業界
からの提言というのがございました。その中で、ここでは書いておらないんでございますが、たしかお言葉として、
一般競争入札
導入
については慎重にしていただきたいという
お話
があったと思います。こういう
案件
は、本来、業者選定といいますかね、プロポーザルでやっていくのが本来の姿なんだろうなというふうに思うわけですね。やっぱりこれ、ノウハウとかアイデアとか
技術
力というのが本当に高くというか、それがもう全てじゃないのかなと思うくらいでございますけれ
ども
、どうして今、先ほど、
一般競争入札
という言葉が出てきたのか。また、もし
競争
入札
だとしても、価格面と、もちろん効率的にやらなきゃいけないことはもちろんでございますけれ
ども
、やっぱり
技術
面をどういう比率で、対比の中でやっていくのか。一対一なのか、一対四にするのかという点について、
コンサルティング
業界
の考え方と、
JICA
はどういうふうにその点についてお考えになっているのか。
日本
の常識が世界の非常識になってはいけないなというような思いがございまして、ちょっとお聞きしたいと思っております。 まとめて三点申し上げました。
高梨寿
27
○
参考人
(
高梨寿
君) それでは、私の方から最初と最後の御質問にお答えしたいと思います。 最初のPCI問題と言われる件でございました。これは私
ども
に大変衝撃的で、私
ども
自身も大変憂慮して、当時、私
ども
の
業界
が集まって、こういうことの再発のないようにということで、まさに厳粛に受け止めた次第です。 早速私
ども
理事会でさんざんこれを議論いたしまして、やっぱり
会員
同士もう一回襟を正してということで私
ども
行動規範を改めて改定しまして、それを
会員
に徹底するということと、それから、今私
ども
も理事二十一名おりますけれ
ども
、理事、各社社長さんでございますけれ
ども
、各社社長が宣言書を書いていただきまして、こういったことは二度と起こさないということで、現在私
ども
のホームページに掲載してございますけれ
ども
、
業界
としての意思を表明した次第です。 あわせて、やっぱりこういうことが起きないようにするためにはしっかり
マニュアル
を整備しようということで、これは
社員
ベースで、
現地
、異文化のところで従事するものですから、そういうものを整備しようということで今作っているのと、それから、やっぱり国際的な
契約
約款というのを、これは当然ながら知っていることですので、ただ、最近は新しい
状況
も増えてきておりますので、そういった
海外
の約款についても併せて研究するということで、これはもう既に数回スタートをしております。そういう面では、私
ども
厳粛に受け止めて、二度と起こさないように取り組んでおります。 それから、三番目の
一般競争入札
の問題です。これは、残念ながら、
事業
仕分の際に
競争
性をもっと高めるべきだという、たしかある
委員
の
発言
の後、それについて、
JICA
さんの現在の
仕組み
は
技術
を重視して、
技術
による評価というのがまず行われています。これは、私
ども
からも是非それを守っていただきたいと。我々、
通常
のいわゆる一般の業者ではなくて、まさに
技術
で勝負する
業界
ですので、
技術
で是非評価をしていただきたいということなんですけれ
ども
、先ほど言ったような背景で
一般競争入札
と。具体的には、
国内
で行われている総合評価落札方式ということの
導入
を現在検討されております。私
ども
も是非それは慎重にお願いしたいということで、更に突っ込んでその割合の問題も含めて、あるいは他の国の例も含めて今
意見交換
をさせていただきました。
発言
の背景はそういうことでございます。
粗信仁
28
○
参考人
(粗
信仁君
) まず第一に、
ODA
に関連した腐敗防止ですけれど、これは、PCIの事件等を受けて、
業界
各社の皆さんが自社のコンプライアンスの向上ということに相当力を払われております。実際、そういう不正を行ったことによって我々も厳しい措置をとりましたし、その社がなくなってしまうという事態に今至ったわけでございますので、そういう意味では、引き続き我々も
契約
を合理化しつつ、各社のコンプライアンスというものの向上に
協力
をしていきたいと、こういうふうに思っております。 それから、二点目の事故防止でございますけど、これも執行途中の管理の在り方に問題がある
ケース
がございます。そういう意味では、
実施
促進の過程の中で、きちんとした
専門家
が
現場
に行ってきちんと
安全管理
の
体制
を確認する等の指導を行うという
体制
を強化しているところでございます。 それから、
一般競争入札
の問題ですけれど、これは、先ほど
日本
の常識、世界の常識ということがございましたが、世銀、
ADB
等を見ておりますと、大部分が価格をしんしゃくした企画
競争
でやっております。
JICA
の場合は、実は価格をしんしゃくした企画
競争
をやっているところでございます。
国際機関
では、そのほかに、もっと企画が重要な場合は完全な企画
競争
というのが一部あって、それから、非常に定型的なものについて
一般競争入札
がちょっと入っているというのが実態でございます。そういう意味では、
コンサルタント
のいわゆる企画力が必要なものに対して
一般競争入札
を
導入
するというのは、不可能ではない。ただ、どこまでできるかということについては、我々もその範囲を慎重に見極めながら
導入
をしていきたいと、こういうふうに考えております。
中村博彦
29
○
委員長
(
中村博彦
君) 質疑のある方は挙手をお願いいたします。
岡崎トミ子
君。
岡崎トミ子
30
○
岡崎トミ子
君 先ほど、
藤原
議員は被災地の岩手の議員でございますが、私は宮城の議員でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 私
ども
は、この緊急提言、東
日本
大震災復興に向けたということで、皆様方がこれまでの御経験で、この復興のために大変参入可能である、そういう意気込みをおっしゃってくださったのだというふうに思っております。 そのためには、ちょっと具体的に
お話
を伺いたいと思いますが、これまで、バンダアチェでの復興
計画
、
基本
計画
、それからパキスタンでの
基本
計画
。もし分かればですが、一方であれば一方でも構いませんけれ
ども
、予算の
規模
と、それからどのぐらいの人数が参加をし、どういう
専門家
が行った
プロジェクト
であったのかということをお聞きしたいと思います。殊に予算ということになりますと、このごろだんだん小
規模
になってきてつらいという
お話
がございましたけれ
ども
、これ余りに高ければなかなかそれは厳しいだろうなという思いもございますので、具体的にお聞きしておきたいというふうに思います。 それから、スリランカの経済特区ですけれ
ども
、これはどういうことで成功をしたのか、その成功体験についてお聞きをしたいというふうに思います。そして、東北でもしこの経済特区をやるとするとどこを想定されるか、もしそういう想定がございましたらお聞かせいただきたいと思います。そのくくりでまずお願いしたいと思います。
高梨寿
31
○
参考人
(
高梨寿
君) 復興
支援
につきましては、ありがとうございます。私
ども
、日ごろからそういうことでやっておりますので、何とかお役に立ちたいということで、急遽三月末にまとめた次第なんです。 アチェにつきましては、詳細なデータはちょっと今手持ちにないんですけれ
ども
、
通常
の
JICA
さんの開発
調査
という、
協力
準備
調査
でやりましたので、恐らく数億円の
規模
だと思います。
専門家
が、それこそ先ほどの例に示しましたように、
都市計画
を始め、それからインフラの
交通
、通信、そのほか恐らくコミュニティー
支援
というようなものを含めまして、一通りの我々の
専門家
が動員されたというふうに理解しております。 スリランカの特区の場合は、実は復興が、やっと
平和構築
が終わった
段階
で、特に、大統領が、従来彼らなりに特区のあれを持っていたんですけれ
ども
、それを是非見直したいということで、併せて特に北部の従来の内戦地域に是非外国
企業
来てほしいと。それには特段のインセンティブがない限りなかなか来ないだろうということで、そういう面では経済特区という全く新しい構想を出されて、我々が今
支援
しているところということで、これは今まさに途上でございまして、まさに経済特区の法律の整備から始まって、具体的にどういうインセンティブを与えてしたらいいのかと、一応そういう方向で非常にやっています。 東北につきましては、私
ども
の提案の中にも、
幾つ
かの
都市
で、例えば漁業に特化するとか、あるいはどうサプライチェーンの中小
企業
を
支援
するかということで、恐らくそれは個別に少しもうちょっと
調査
をすることになると思いますけれ
ども
、全体として特区という話も
一つ
あろうかと思います。そこはちょっとまだ十分私
ども
なりにまとめ切っていないところがあります。そういう面で私
ども
の知見を是非使っていただいたらと思います。 それから、予算はやっぱり五億円ぐらいということでございました。それから、人数はやっぱり三十人ぐらい
専門家
が動員されたという
お話
です。 ありがとうございました。
岡崎トミ子
32
○
岡崎トミ子
君 ありがとうございます。 今漁業ということをおっしゃってくださいましたけれ
ども
、もう私たちもいろんなところを歩いてみて、漁業の皆さんたちが復旧復興と言うときには、やっぱり自分たちもいろんなすばらしいアイデアをお持ちなんですね。そして、これまで、例えばすばらしいアイデアを持っていてもなかなかうまく
政策
に生かすことができないで、どんな困難にぶち当たったのか、それをどう克服してこられたのかをお聞きしたいことと、それから、やはりすばらしいアイデアをお持ちになっておりますけれ
ども
、彼らの場合には、ノウハウと知識という点で
専門家
のアドバイスが必要だというふうに感じました。
コンサルタント
という人がいないとなかなか自分たちの思いが具体化していかないというようなことも聞かされておりますので、こういう
現場
の知恵をどうやって皆さんたちが相談をしながらやっていっていただけるのか、アドバイスがございましたらお願いしたいと思います。
草野干夫
33
○
参考人
(
草野
干
夫君
) スリランカの津波、漁業ですけれ
ども
、そこでまず直面したのは、データが全くないというのがありますね。それから、漁民組織を再編しなきゃいけないというときに、スリランカではタミールとムスリムとそれからシンハリ、その内部対立があるわけですけれ
ども
、そういうことで組織を一本化しないで分離したりとか、いろんなことを検討してきたわけです。ただ、一番大事なのはボトムアップで、そこで
活動
する人間が意思を表明しなきゃいけないと。だから、トップダウンではうまくいかないということです。 もう
一つ
は、マイクロクレジットというのがありますけれ
ども
、相互依存の方式がやっぱりあるわけです。担保がなくなっちゃったと、相互依存しながら、まず最初は小さい金で転がしていく、それで成果が上がったらすぐ返す、また増やしていくというような、そういうステップ・バイ・ステップのアプローチというようなものが考えられたというふうに思っていますけれ
ども
。そういうきめの細かい方式をそこの主体となる人間を
中心
に組み立てていくというのが
基本
ではないかというふうに思います。
中村博彦
34
○
委員長
(
中村博彦
君) いいですか。
岡崎トミ子
35
○
岡崎トミ子
君 はい、結構です。
中村博彦
36
○
委員長
(
中村博彦
君) 水落敏栄君。
水落敏栄
37
○水落敏栄君 自民党の水落敏栄でございます。 かつて
アフリカ
を訪問する
機会
がございまして、南アと、それからアンゴラ、ナミビア、タンザニア、マダガスカルの五か国でございましたけれ
ども
、そこに参りました。各国でお聞きしたことなんですけれ
ども
、
日本
の、我が国の
ODA
は本当に有り難いと、しかしながら、もう少し援助を拡大して拡充してもらえないかと、そうした国々が口々に言っておりました。 他方、さっきも中国の話が出ましたけれ
ども
、中国の進出はすさまじいわけでございまして、例えば、大統領府や首相公邸など、中国が
無償
で造ってその国に提供しているんですね。これは、その国の鉱物資源等の採掘権を得たいばっかりにそういうことをやっているわけでございますけれ
ども
、こそくな手法なんですが、我が国はこうしたことはやりませんし、またやれません。しかし、我が国の
技術
協力
や物の質というものはナンバーワンだと、こう各国とも認めているわけなんですね。 また中国は、こうした建物を造る、あるいは道路を造る、インフラ整備をする、こうした中で、全部中国から人を連れていって、しかも中国の
技術
を使ってそこの国のインフラ整備や建物を造ると。こうしたことで
現地
の人は
一つ
も使わないんですね。こうしたことになりますと、私が訪問したある国では、長い目で見たら中国に
協力
してもらうことはもう遠慮しなくちゃいけないと、こういうことをおっしゃっているわけですね。 そこでお聞きするんですけれ
ども
、
コンサルタント企業
協会
さん、あるいは
JICA
さん、どちらでもいいんですが、我が国がインフラ整備等を受注した場合、その国の
企業
を下請に使っているのかどうか、そしてその国の
人たち
を
仕事
してもらっているのか、これが第一点。もう
一つ
は、せっかく農業機械などを提供しましても、故障した場合のパーツだとかあるいは修理
技術
がその国にないものですから、故障したらそのまんまなんです、機械が使えないんですね。したがいまして、
技術
協力
した後の
フォロー
というのはどうしているのか。その二点をちょっとお聞きしたいなと思います。よろしくお願いします。
草野干夫
38
○
参考人
(
草野
干
夫君
) 先ほど
成長戦略
のところで、新興国、中国との競合という問題をちょっと
お話
ししましたけれ
ども
、
アフリカ
、要するに
貧困
、
平和構築支援
の国々においても中国の進出は非常に激しいわけですけれ
ども
、中国と
日本
がじゃどこで
競争
するかといったときに、事例ですけれ
ども
、病院の問題をちょっと
お話
ししますと、中国はがたいの立派な病院を造るのは得意なんです、速いスピードで。ところが、その後、医療
人材
の養成あるいは医療システムの
導入
というところで全くノウハウがないわけですね。で、がらんどうになっちゃっているわけですね、建物が。ホワイトエレファントになってしまっていると。 そうすると、先ほどの、元に戻りますけれ
ども
、上流部からということなんですけれ
ども
、三つのスキーム、円借、
無償
、
技協
という三つのスキームを組み合わせた上流部の
計画
をしっかり作ることによって、建物だけではないと、必要な
人材
の養成というものが重要だというのを認識することによって、建物だけを造ろうとして入ってくる中国とは
競争
ができるというふうに思っています。 中国はいろんな形で入ってくるんですけれ
ども
、例えばコミュニティー
支援
無償
という
日本
の
無償
資金
協力
の
一つ
ですけれ
ども
、その中で、アンタイド、ローカルアンタイドなんですけれ
ども
、ある国、国を申し上げた方がいいかもしれませんけど、スーダンですね、南部スーダンの職業訓練センターというものの
入札
があったわけですけれ
ども
、ローカルが落とすんじゃなくて中国が落としたわけです。DACのいろんな基準を考えると、我々は、
日本
はDACの基準を守ってやっているわけですが、中国はそれは全く無視してやっているわけですね。地元の人間を雇用するというのは非常に重要な要素なわけですけれ
ども
、無視していると。中国の移住
政策
が背景に絡んでいると思うんですけれ
ども
、そういう問題と、そういうものと太刀打ちするためには、やっぱり上流部でしっかり組み立てるということが一番の解決策ではないかというふうに思いますけれ
ども
。
水落敏栄
39
○水落敏栄君 実際に、我が国がそうしたインフラ整備でも病院でも造った場合に、そこの国の下請
企業
をちゃんと使ってその国の
人たち
を雇用しているかということをまず第一にお聞きしたかったということ。
草野干夫
40
○
参考人
(
草野
干
夫君
) それはもう鉄則ですね。まず地元の人間を雇用すると……
中村博彦
41
○
委員長
(
中村博彦
君) ちょっと待ってください。答弁は手を挙げてお願いいたしたいと思います。
草野干夫
42
○
参考人
(
草野
干
夫君
) 済みませんでした。
中村博彦
43
○
委員長
(
中村博彦
君) 今、水落敏栄君、そして
草野参考人
、お願いいたします。
草野干夫
44
○
参考人
(
草野
干
夫君
) 我々が
無償
資金
協力
の
コンサルタント
をやって、
基本設計
をやり、
詳細設計
をやり、施工監理をやると。施工監理
段階
では相手政府と
契約
するわけですけれ
ども
、我々の
基本
精神としては、地元の労働者を雇用するというのを鉄則にしています。
水落敏栄
45
○水落敏栄君 ありがとうございました。 なお一点、
技術
協力
した場合のその
フォロー
をどうしているか、それもお答えいただきたいと思います。
中村博彦
46
○
委員長
(
中村博彦
君) 簡潔にお願いいたします。
草野干夫
47
○
参考人
(
草野
干
夫君
) 二つの形態があると思うんですけれ
ども
、
無償
資金
協力
あるいは
円借款
、両方そうですけれ
ども
、ソフト面の
維持管理
については、
フォロー
アップというスタイルで
技術移転
後の
維持管理
の指導をやっているわけですけれ
ども
、非常に短期間ですね。それで足らない場合には
技術
協力
の
仕組み
を使っていくということになりますけれ
ども
、数年掛けて
維持管理
の指導をしていくというスタイルを取ります。それはだから、スキームの統合ということで解決していくという形を取っていますが。
水落敏栄
48
○水落敏栄君 ありがとうございました。
中村博彦
49
○
委員長
(
中村博彦
君) 武内則男君。
武内則男
50
○武内則男君 民主党の武内則男です。今日は
参考人
の皆さん、ありがとうございました。 私も土木
技術
職員で、政治家になる前は二十五年自治体で発注する側にいましたものですから、少しマニアックというふうに言われるようになるかも分かりませんが、二年半前にウガンダと南部スーダンに行ってまいりました、その経験からお聞きをしたいというふうに思います。 ウガンダ、南部スーダンへ行ったときに、先ほどから中国の話出ていますが、やっぱり
日本
の
技術
力と施工能力というのは非常に高く評価をされていて、多少単価が高くても、それはほかの諸外国がやって三年もすれば路肩が落ちて舗装が剥げてもうほこりもつれになるというのではなくて、やっぱり
日本
の
技術
力と施工力というのは非常に高く評価をしていただきました。にっこり笑いながらお礼を言ったことなんですが、しかし、やっぱり首都カンパラを
中心
にその辺は非常にインフラ整備されていますが、北部のグルに行ったり、あるいは南部スーダンに行くと、とても衛生的に、人が飲んで生活をしていくという、水を飲んで生活という
状況
にないということに少し、本当に初めてそういう世界を見て唖然としたことです。 ただ、私が感じたのは、あの豊富なナイル川の水量を考えれば、ウガンダに
円借款
が再開をされたということは非常に喜ばしいことなんですが、
日本
の国の国策でしっかりとやっぱりそういう衛生面における
支援
というものを私はきちっとやっていくべきだろうということを強く感じてきました。あれだけの豊富な水があれば、
設計
、施工、そして
実施
、
維持管理
も含めて十分なことができるんだろうと。やっぱり水は命の源でございますので、そうしたことをしっかり
アフリカ
、そうした国に対する援助として国家が国としてやっぱり取り組むべきだろうというふうに思っております。 そこで、ただ
日本
の国の場合は、多くの飲料水については自治体が歴史上経営をしてきたという歴史があって、今、東京や静岡、浜松なんかも含めて、
海外
に出ていこうという動きが出ています。
フランス
は国策、国営で水ビジネスやっていますので、世界のシェアの三〇%以上はもう
フランス
が占めているという。その中にやっぱり
日本
がしっかり入っていって、
日本
の
技術
と施工監理と
維持管理
の良さというものをしっかり持ち込みながら、そうした水
貧困
国と言われるところをしっかりサポートしていく、そのことが大変重要だというふうに考えておりますが、それを
実施
していく上で最も今の国家行政にあるいは政治に何が求められるのか、何が最も必要なのか、具体的に忌憚のない御
意見
をお伺いをしたいと思います。
高梨寿
51
○
参考人
(
高梨寿
君) 貴重な
お話
、ありがとうございます。 まさにそこがPPPで日ごろ私
ども
が悩んでいるところでございます。 先生御指摘のとおり、上下
水道
になりますと料金は
現地
通貨になります。
基本
的に水というのは、やっぱり
住民
の健康管理を含めて、そう
日本
みたいに高く設定できないと。また、国家がそれを統制しているということがありまして、いつもこれはコンフリクトになるんですけれ
ども
、
民間
としては収益性を上げたいと。一番の収益金がどうしても料金収入になります。そうすると、やはりある程度の
レベル
の料金に設定したいと。ところが、
住民
の、我々ウィリングネス・ツー・ペイと言いますが、払える額というのはどうしても低いということで、このギャップが
民間
投資を非常に妨げている大きな要因です。 そういう面では、
首都圏
のような大きな
都市
で、比較的料金を高くしても買ってもらえる、あるいは
住民
がペットボトル等もう飲み水はそっちで買っているんで、ある程度の支払の意思はありますというところでは
事業化
は可能なんですが、それ以外のところはなかなか難しいと。 その対応策として、これは実はインドが取っている方式なんですけれ
ども
、バイアビリティー・ギャップ・ファンディングということで、その料金の差額を公的な
支援
でもって埋めるということで、これはインドの場合は最大四割まで、投資額の、いわゆる補助金といいますか、政府が補助をするということで、そうしますと初期投資がそれだけ下がりますので、
事業
運営で料金もそれだけ下げられるということで、実はこの
仕組み
を何とか
ODA
でできないかということで、今先ほど言ったようなPPP
協議会
の方でまさにそこで取り組んでいるんですが、
JICA
さんとも御
協力
いただきながら、
一つ
は新しく投融資の復活がありました。これは
パイロット事業
で今順次実行中ですけれ
ども
、そこで融資とそれから出資をいただけることになりました。 今もう一歩、そういった場合のギャップを埋める
仕組み
を現行のスキームの中でできないかというのを実は
協議
をしております。そこが十分できると、もっと
民間
が
海外
の特に水ビジネスの点では取り組んでいけるんだろうと思います。 以上です。
武内則男
52
○武内則男君 ありがとうございました。 いずれにしても、我々
技術者
もそうなんですが、安かろう悪かろうではこれはもう信頼はいずれは失います。ですから、国家間の中においてきちっとしたやっぱり自信作をしっかりやっていくというのは、これは
技術
屋のプライドでもあろうかというふうに思いますし、そのことがこれからの国家間における大きな信頼を勝ち得ていく、将来にわたって大きな財産になっていこうかというふうに思いますので、是非頑張っていただきますようお願いしまして、終わりたいと思います。 ありがとうございました。
中村博彦
53
○
委員長
(
中村博彦
君) 赤石清美君。
赤石清美
54
○赤石清美君 自由民主党の赤石清美と申します。 今日は、本当にお忙しい中、御
参考人
の方には貴重な
お話
をお伺いさせていただきまして、ありがとうございました。 さて、三つほど質問をしたいんですけれ
ども
、まず
草野参考人
と
廣瀬
参考人
に、
日本
の
ODA
はずっと減り続けていまして、この十四年間で約半分になっています。現在は、一位がアメリカ、二位が
イギリス
、そして三位
ドイツ
、四位
フランス
、
日本
が第五位ということになっております。その原因というのは深刻な我が国の財政難にあるわけですけれ
ども
、この財政難の
状況
においても我が国が
ODA
を実行する意義、また、我が国が実行すべき
ODA
の
水準
、これについて御
意見
をいただきたいということ、これが一点であります。 二点目、今回の東
日本
大震災の復興費などを織り込んだ第一次補正予算の財源に回すために、約五百億円の
ODA
の予算を減額しました。このことに関して、国際的に見たらこのことが正当性があるのかないのか、この辺の
意見
を聞きたいと思います。 三つ目は、
JICA
の方に、私の同僚がやっている
仕事
についてメールを送ってくれましたので、御
意見
を伺いたいと思います。 ある市の衛生研究所で、一九九〇年から二十年以上にわたりまして新生児のマススクリーニング、これは新生児というのは三歳までの子供の検査をするわけですけれ
ども
、これの低開発国の援助を行ってきたわけですけれ
ども
、今まで四十か国、百八十名が研修を終えています。そして、成果が上がっているのがよく見える国は中南米地域となっています。これを
フォロー
アップ
事業
として、実際に相手国を訪問して、問題点そして今後の展開方法などを
現地
で研修員、その関係者、関係機関と話をできたことが成果の要因だったというふうに本人は言っています。
日本
の受入れ研修では、相手国の中央政府
レベル
だけではなくて地方政府
レベル
の方との
連携
、そして、大学などの専門研究機関、教育機関との
連携
も重要であり、
JICA
のみの情報では必要な研修を準備することは難しいと考えています。どんな
事業
でもそうですが、PDCAサイクルによる検証と改善が重要ですというふうに言っております。 このPDCAサイクルについては現在どのように
フォロー
しているのか、お聞かせいただきたいと思います。 以上、三点でございます。
草野干夫
55
○
参考人
(
草野
干
夫君
) 最初の二点にお答えします。 一点目は、
ODA
の予算が大幅に減ったということで、これからどういう意義があるのか、どういう方法でやるのかということだと思うんですけれ
ども
、アメリカのUSAIDの援助の仕方が非常にはっきりしたやり方を取っているわけですけど、はっきり選択と集中、効果が上がるものに狙って集中的にその援助をしていくというアメリカ型の援助があるんですけれ
ども
、
日本
においても
アジア
の
成長戦略
と平和復興、
貧困
というような大きな
政策
テーマがありますけれ
ども
、やっぱり戦略的に選択、集中ということを考えていくことによって、少ない予算で効率的、効果的な
事業
ができるのではないかというふうに思います。 二点目は、
ODA
予算が減りましたと、五百億。実質的に
アフガン
、それから南スーダンもそうだと思いますけれ
ども
、消化できない部分があると思うんです、公約どおり執行できない部分があると。それで、特に
アフガン
については、これ
JICA
さんの考えはどうかは別として、我々の印象としては、じっくり時間を掛けて危険を回避しながらゆっくりやっていくということしかないだろうと。そうしたときに、短期間で予算を執行するということは実質的に難しくなるのではないかというふうに思います。そういう意味では、大きなそれが障害になることはないんだというふうに思っています。
廣瀬典昭
56
○
参考人
(
廣瀬
典昭
君) それでは、三番目の
お話
に、直接的ではないんですけれ
ども
、我々が
ODA
の
事業
に参加するときは
事業
全体を見なきゃいけない。つまり、最初の
計画
、企画から運営、その結果がどうなるか、それを最後まで見続ける
仕組み
がなければいけないということで、
JICA
では
プロジェクト
が終わった後の
フォロー
アップという
調査
をされております、その評価はありますけれ
ども
。それを確実にやるということと、やはり運営に対する
支援
ですとかそれの法的な制度の
支援
とか、そういうことをやって実際に援助で提供したものがきちっと使える
仕組み
。 それから、物の場合は、例えば部品がないというのは、これは
日本
の制度でなかなか出しにくいようなんですけれ
ども
、ある一定期間ごとに、そういうインフラの
維持管理
費というのを見るのか、あるいはそれは相手国政府がやることであればそれをちゃんと監視するのか、何かそういう
仕組み
は必要で、うまくいっている
プロジェクト
は必ずその
維持管理
のところにきちんとした
計画
が最初から入っている。大型の
プロジェクト
の場合は部品といいますかスペアパーツは最初からある程度の、二、三十年間分ぐらい用意して渡すとかいうこともありますので、そういう意味では、運営のある特定期間まで責任持ってやらないとそれは造っただけで終わるとかいうことになりますので、やっぱり我々が援助をやるということは、最後にそれがうまく使われて効果を上げるというところを見届けるという
仕組み
の中でやらなきゃいけないと思っております。
粗信仁
57
○
参考人
(粗
信仁君
) 先ほどの研修に関する御指摘でございますけれど、
幾つ
かの側面で効果を上げる努力を今しているところでございます。
一つ
、先ほど来、
一つ
一つ
の
協力
が小さくなっているという御指摘がありましたけれど、これ、我々は、選択と集中というか戦略的な
協力
のプログラムの中で有償、
無償
、
技術
協力
なんかを結び付けて大きな絵柄をかいてやっていきたいと、こういう動きを進めております。研修もその中の一環としてきちんと組み込んでいくと、こういうことをやっていくということを今部内で検討して進めてもらっているところでございます。 それから、
一つ
一つ
の研修のプログラムですけれど、これを何年も続けるということではなく、我々五年を一回の区切りとして考えております。その中で新しいやり方なりを見直していくと。それから、実際の研修の中では、先ほど新生児のマススクリーニングの話がございましたけれど、各国のそういう
状況
、現況がどうなっているのかということを研修員の方から報告してもらって、研修が終わったときに、自分たちはじゃ帰国してどういうことをするのかというようなことを書いてもらって、それを後々
フォロー
アップしていくというようなことで効果を高めていくというような努力をしているところでございます。
赤石清美
58
○赤石清美君 どうもありがとうございました。 いずれにしても、少ない予算で効果をしっかりと発揮することが大事だと思いますので、しっかりとその辺はお願いして、質問を終わります。 ありがとうございました。
中村博彦
59
○
委員長
(
中村博彦
君)
竹谷とし子
君。
竹谷とし子
60
○
竹谷とし子
君 公明党の
竹谷とし子
でございます。 まずは、これまでの
海外
に対する開発
協力
への御尽力、貢献に対して心から敬意を表しますとともに、本日
参考人
として
お話
を伺えたことに対して感謝申し上げます。本当にありがとうございます。 今日、これまでの
海外
での復興
支援
活動
からの教訓を踏まえてということで御提言をいただきました。非常にコンパクトにまとまっていますが、
一つ
一つ
の項目が深い御経験に基づいた御提言だというふうに思います。 今回、東北の震災からの復旧復興というこの
プロジェクト
は、まさに皆様がこれまで
海外
で行ってきた復旧復興、また人道
支援
のボランティアではなくてプロとして
仕事
を完成させてきた、その皆様にとって非常にふさわしい
仕事
なんじゃないかというふうに私は考えております。
ODA
ではなくて
国内
への開発
協力
、今はそれが必要なのではないかというふうに思っています。 なぜ私が皆様が非常に向いているかというふうに思いますと、この
資料
で今日御説明いただいた八ページのところに、
インドネシア
の
首都圏整備
計画
調査
プロジェクト
というのを御紹介いただきましたけれ
ども
、まさにこういった様々な
専門家
がチームを組んで、強力なPMの下で、
現地
との、
住民
の方との合意形成も踏まえて
計画
を作っていくということが今回必要なんだというふうに思っております。 先ほど粗理事から、皆様が今回もし震災の後の復旧復興の
プロジェクト
をやるとしたらどういったことが必要かということで、企画立案
段階
から
仕事
を発注していただけることが必要だという、まさに私もそうだというふうに思うんですけれ
ども
、まず、皆様がお
仕事
を東北で今までの御経験を生かしてやっていただく場合に、どうしたらもっと力を発揮することができるか。今、
国内
であるからこそできないことというのが、先進国であるからこそ障害となっている、
日本
だからこそなかなかやりにくいという面があるのではないかというふうに思います。その点、何か問題点の指摘があれば教えていただきたいということと、私は非常に皆様が向いているというふうに思うんですけれ
ども
、皆様から、これまでの経験を踏まえて是非とも
海外
の
技術
コンサルの
方々
が今回その力を生かすことができるという、そういう御提言があれば一言お願いしたいなというふうに思います。
草野干夫
61
○
参考人
(
草野
干
夫君
)
ODA
の意味が
海外
協力
から国際
協力
に変わってきているということは、国の壁がないというところで
日本
もターゲットになるんだろうと思うんです。さっきの研修というのもそうですけれ
ども
、アメリカはその研修で相当な資金を投入して人を育成しているわけですけれ
ども
、そういう国境のないところでやるということで意味があるんだろうというふうに思います。 それで、唯一、
日本
の状態とスリランカ、
インドネシア
の状態が違うのはどこかというふうに考えますと、
インドネシア
、スリランカも災害と同時に、災害復興と同時に、あそこは内戦状態にある部分がありますね、スリランカはシンハリとタミール、それが災害が起こった北の方で対立があるわけですけれ
ども
。それから、アチェの方も、アチェの反対運動というか現政権に対する反抗があって、政権側については都合のいい状態にあったんではないかというふうに思います。そこで早くいろいろなものが片付いたんではないかというふうに思うんですが。 もう一点は、
日本
の、先ほどの漁業のことについても、一人一人が相当なプロで相当な意識を持っていると、
日本
は。そうすると、組織で束ねてどういう方策を取るかというのは非常に難しいんだろうというふうに思いますけれ
ども
。彼らが
中心
になって、先ほどの経済特区とか医療特区とか、いろいろな特区をこちらから提示して、彼らがどれぐらいそれに
中心
となって関与していくかということが
課題
になるんじゃないかというふうに思います。非常に難しいんだろうと思いますけれ
ども
。
竹谷とし子
62
○
竹谷とし子
君 ありがとうございます。
廣瀬
参考人
、
高梨参考人
からも是非御
意見
を伺えれば。
中村博彦
63
○
委員長
(
中村博彦
君)
廣瀬
参考人
、簡潔にお願いします。
廣瀬典昭
64
○
参考人
(
廣瀬
典昭
君) 今回の復興で我々が役に立つとすれば、やはり
専門家
としての今までの経験をどうやって使えるかと。何をやったかというと、
専門家
という知識を持った上で合意形成のプロセスを回していたというのが、アチェなんかもそうなんですけど。結局、
専門家
が
専門家
の知識を持った上でいろいろな利害関係者の合意を作っていくというプロセスですが、それをやらなきゃいけないと。 ただ、今度の場合は非常に広域で対象とする市町村も非常に多いわけですから、我々が少し行っただけではとても駄目なので、やはり
日本
全体のこういう
専門家
が全部集まっても足らないぐらいかもしれません。ですから、我々は今、土木学会を
中心
に、そういう合意形成に
コンサルタント
がどうやって役に立つかというところに参加しようとして、この
海外
の知識、経験もそこに投入するということで、我々が単発で行くというよりも、やはり大きな枠組みをつくりつつ行きたいと考えております。
高梨寿
65
○
参考人
(
高梨寿
君)
国内
の話を聞いていつもぶつかるのは、やはり総合的なアプローチというのはなかなか
国内
では取りにくいということなんですね。我々、
海外
ではもう全部のセクターにわたって問題点を検証して解決案を出していくというところなので。 ただ、今
廣瀬
副
会長
から
お話
がありましたように、今回は非常に被災地が大きいと。
一つ
、我々のタスクフォースで議論しているのは、例えばその中にどこかモデル地区みたいな形を選んで、そこに当該自治体、それからコミュニティーの皆さん、それから関係者の皆さんで何か
一つ
のモデルプランみたいなものができないかと。そこに我々の
海外
の経験をうまく
導入
するようなことができないかと。 実は、神戸の震災のときも、自治体の方たちから、
海外
ではこういう復興
支援
をどうしているんですかというようなレポートなんかの問合せなんかも実はあったりしたんですね。ですから、恐らく自治体の皆さんはどういうふうに、原状復帰ではなくて新しい町づくりをどうしたらいいかというアプローチなんかで少しでもお役に立つ部分はあるかなというところで、そんなような考えを今議論しております。
竹谷とし子
66
○
竹谷とし子
君 ありがとうございました。 私は、ゴールデンウイークに、アメリカの若手議員研修プログラムで、FEMAとかカトリーナの災害の復興の
お話
をアメリカのワシントンDCで伺ってきたんですけれ
ども
、アメリカでもやはり成功したとは言えないというふうに聞いておりまして、失敗の教訓を教えようとしてくださったんです、逆に。今回の復旧復興、今度
日本
で成功させて、是非皆様の英知を結集して、
日本
の力を結集して、前よりも良くなったという、そういう復旧復興のそういった
ケース
スタディーをつくり上げることができれば本当にすばらしいなと思います。是非よろしくお願いいたします。 ありがとうございました。
中村博彦
67
○
委員長
(
中村博彦
君) 浜田
和幸
君。
浜田和幸
68
○浜田
和幸
君 ありがとうございます。自民党の浜田でございます。
幾つ
か質問をさせていただきたいんですけれ
ども
、先ほど、世銀が
海外
からのこういう
ODA
にかかわる、
協力
する
企業
に対しても税を取るべきだというような議論があるということをおっしゃいました。その根拠がどういうところにあるのかということをまず知りたいということです。 それと、二つ目は、
日本
の
ODA
の
内容
で、二国間援助だけではなく、最近は
国際機関
への出資や拠出が述べられていますよね。
国際機関
にお金を出すだけじゃなくて、
日本
人がどれくらい送り込まれているのか。そういう
人たち
が
国際機関
でいろいろと
日本
の国益につながるような、内側から
日本
をサポートするような
仕組み
ができていないと。先ほど
イギリス
の例ですとか、
海外
はそういう形でうまく連動していると思うんですよ、
官民
一体となった。
日本
はそういうところがちょっと弱いような気がするんですけれ
ども
、実態はどうなっているのか。 それとの関連で三つ目は、先ほどアメリカのUSAIDの話が出ました。
アフガニスタン
にしても、イラクとかそういう戦争、紛争地域においては、やっぱりアメリカのUSAIDというのは米軍と
一体化
した
協力
支援
体制
を組んでいますよね。米軍だけではなくて、例えば
アフガン
やイラクの場合には農業
支援
を、何とかアメリカに将来ビジネスとしてお金がちゃんと入ってくるように、当初は援助として
無償
でアメリカのモンサントなんかのF1の種を配る。しかし、そのことによって
現地
由来の穀物は一掃されてしまう。最初はただだから
現地
の
人たち
喜んでその種を使うけれ
ども
、二年たったらもう全部アメリカの種を買わなければいけない。ですから、表向きは最初は人道的な援助といいながら、最終的にはアメリカの
企業
がしっかりもうかるような
仕組み
を考えている。 そういうことを考えますと、種子だけではなくて、様々な医療の
分野
ですとか福祉の
分野
でも、そういうことがいろいろと外国の場合には国策、国益を優先するという感じで展開されている。そんな中に、例えば
民間
の財団、例えばメリンダ・アンド・ビル・ゲイツ財団、世界最大のチャリティー団体ですね、そういうところも一緒になって
海外
の援助を提供しているんですね。 だから、
日本
の場合にも、これまでの政府の
開発援助
という枠組みをもう少し取っ払って、昨日も孫正義さん来られましたけれ
ども
、そういう
民間
と
一体化
した何かそういう
海外援助
、国際
協力
の仕方というものを考える時期に来ているんじゃないかと思うんですが、そういう点についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
粗信仁
69
○
参考人
(粗
信仁君
) 先ほどの税の問題ですけれ
ども
、特に融資で行って国際
競争
入札
になるような場合は、いろいろなプレーヤーが出てきて落とします。その中で、例えば
現地
企業
が落とした、一方で
日本
企業
が落とした、
現地
企業
から税を取って
日本
企業
からなぜ税を取らないかと、こういうような話が出てくるわけでございます。そういうところが非常に議論としては難しいところであると。そこはきちんとドナーが払ってもいいんではないかという議論が
現地
で起こったりいたします。 それから、御指摘ありましたように、
国際機関
に
日本
人が入っているのは、残念ながら非常に少のうございます、具体的な数字をちょっと持って今おりませんけれ
ども
。そういう意味では、いろいろな手だてで、
日本
がお金を出して若い人を雇ってもらうJPOとかそういうことで支えておりますけれ
ども
、昨今その種の予算もちょっと減ってきておりますし、少し抜本的な手を打っていかないと難しいのかなと。
一つ
支えになるのは、国際的な
仕事
を志向する
人たち
というのはそれほど減ってはいないというふうに実感しておりますので、少しのサポートがあればそういうことも進むのではないかなと思っております。 それから、御指摘のありました
アフガニスタン
の種子の例は、申し訳ございません、ちょっと情報を持ってないんで、後刻分かりましたら御報告に参上したいと思いますけれ
ども
。 御指摘のとおり、
民間
の財団、ゲイツ財団に言及されましたけれ
ども
、こういうプレーヤーが出てきて多角化していると。それから、開発の中で、先ほど来PPPという形で出てきていますけれ
ども
、
民間
の
企業
の方が従来であれば公的な機関がやっていたところに乗り出してくるということで、プレーヤーが多様化しております。それから、先ほど来御指摘があります中国のような新興国のドナーが、中国だけではなく、ブラジルとかいろんなところが出てきておりますので、そういう新しく増えたプレーヤーとの間でどういうふうに付き合っていくのか。 今国際社会は、二〇一五年まで
ミレニアム開発目標
、MDGsというのを掲げておりますけれ
ども
、恐らく今年ぐらいからポストMDGをどうするのかという議論が始まると思います。その過程の中で、今御指摘いただいた新しいプレーヤーの位置付け、新しいプレーヤーがどういうふうに参加してくるのかということは大きなテーマの
一つ
になる、こういうふうに理解しております。
浜田和幸
70
○浜田
和幸
君 ありがとうございました。 是非、先ほどの
国際機関
での
日本
人の比率ですとか、それはもう全てのことに当てはまると思いますので教えていただきたいし、またそれを応援する
仕組み
を一緒に考えていきたいと思います。 ありがとうございました。
中村博彦
71
○
委員長
(
中村博彦
君) それでは、
国際機関
の具体的な数字、よろしくお願いいたしたいと思います。 それでは、小熊
慎司
君。
小熊慎司
72
○小熊
慎司
君 みんなの党の小熊
慎司
です。 常日ごろの皆様の御尽力に感謝を申し上げます。 昨年の十二月に、この
ODA
委員会
の派遣で大久保
委員
を団長としてメコン三か国を巡ってきました。その際に、私の友人がベトナムで政府のスタッフとして働いておりまして、ちょっと
お話
をしたんですけれ
ども
、先ほどの不正防止の問題にかかわってきますが、やっぱりベトナムでも二〇パーぐらいのそういう世界がある、隣、ラオスだと五パーだというような話も聞いてきたんですが、
日本
が、
日本
だけがこれをしっかり守ったとしても、ほかの国とかほかの国の
企業
がそういった不正な手段を使って
仕事
を取ってくるということであれば正直者がばかを見てしまう場面が出てきてしまいます。 この不正防止のための、再発防止のための検討
委員会
の中でも、他国の政府に対するアプローチ、そしてまた
企業
に対するそうした呼びかけといったものが必要になってくるというふうには言っていますが、これを具体的に進めるのはなかなか難しいと思います。今、実態どうなっていて、そのアプローチがどうなっているかという点と、ただ、そのベトナムの官僚が言ったことは、
日本
はそれやることはありませんと。それは、先ほど来
お話
が出ている、この
日本
の
技術
力に対する評価は大変高いものがありましたし、やはりプラスアルファ、これは
現場
で働いている皆さんの御尽力によりますけれ
ども
、
日本
のそうした
企業
の下で働くことによって本当にその国の
人材
が育成されるということはほかの国にはないことだというふうに言っておりました。そういう意味では
日本
は正々堂々とやっていっていいんだと。 ただ、やはり今、そのメコン三か国でもプレゼンスの上がっている中国、韓国に勝つためにはやはりスピードが大事だと、これは
日本
は非常に遅れていると、決定までのスピードが遅れている、これさえクリアできれば、その中国、韓国とは違うところでの
競争
があったとしても、これは十分に
日本
は勝っていけるというふうに言っていました。このスピード、決定までのスピードを上げるために、今
日本
の政府が足りていない部分ですね、これをどうすればいいのかという点。 あと、そのベトナムに行ったときに言われたんですけれ
ども
、やはり
日本
のブランドを上げるためにはハイスペックの
技術
を使いたいと言うんですね。ところが、ハイスペックの
技術
だとこれは一社だけしか持っていなくて
競争
性が確保されないとか、そういった問題点はあるんですが、やはり
日本
のプレゼンスを上げるためにも、また、その国がそういうものが欲しいと、そういうものでやっていきたい。ただ、
途上国
にそういうハイスペックのものが必要なのかという議論もありますけれ
ども
、やはりこれは、先ほど来出ているとおり、これはその国のためだけではなくて、
日本
がどう国際社会に貢献していくかという広い意味を考えれば、このハイスペックの
技術
をしっかりと
ODA
の
支援
国にしていくという、この取組をどう乗り越えていくか、意味付けをどうしていくかということもやっぱりしっかりやっていかなきゃいけないと思います。 不正防止の点とスピードの点とハイスペックの点、三点についてお伺いいたします。
草野干夫
73
○
参考人
(
草野
干
夫君
) まずスピードの点ですが、
日本
側の手続の問題だけではなくて相手側の手続の
実施
能力というのがあるんですけれ
ども
、それで相当時間が掛かることもあると。それに対してきっちりした指導、
支援
を
JICA
さんがしていると思うんですけれ
ども
、そちらのスピードアップするというのももう
一つ
必要になってくるんだろうというふうに思います。 ハイスペックの件については、医療について事例でちょっと
お話
ししますと、スピードとハイスペックの両方ですけれ
ども
、医療について。 まず、スピードの方ですけれ
ども
、地方病院の整備を
円借款
で進めていますと、
日本
が。第一次のモデル病院整備を三つやりましたと、それから第一次の成果を受けて次の十病院の整備をしますというところで、
日本
側が
計画
を作っているときに既に韓国が入っちゃっている、金をつぎ込んじゃっていると、そのスピードが速いんですね、本当に。それが
日本
の問題なのか相手国の政府の動かし方の問題かはちょっとはっきりしませんけれ
ども
、ともかくスピードが遅いと。そうすると、
日本
は絵をきっちりかいて
体制
を整えているけど、いつの間にか食い込まれていくということですね。 もう
一つ
は、医療でのハイスペックの問題ですけれ
ども
、
アジア
は高度成長もしています、そうすると、乳幼児・妊産婦死亡率から、非常にプリミティブなものから慢性疾患にテーマが移っていっているのは事実なんです。そういったところ、
人材養成
とか運営をどうしていくかという問題は緊急の
課題
になりつつあるわけですね。 そのときに、
日本
が絶対強い先端
技術
ってやっぱりあるんです、その医療の中で。それで、それは先ほ
ども
申し上げた上流部の
計画
のところにかかわってくるんだと思うんですけれ
ども
、本当に相手側がそのニーズがあって、そういう先端
技術
を入れたいと。そうしたら、
メーカー
は絞られてきますけれ
ども
、
日本
企業
を入れてマスタープランなり、その上流の
計画
を作るということでハイスペック問題を取り込んでいけるんじゃないかというふうに思いますけれ
ども
。
粗信仁
74
○
参考人
(粗
信仁君
) 腐敗防止についてですけれ
ども
、これは国際場裏で相当いろんな議論がございまして、OECDのDAC等を含めて、現在は、外国公務員に対する不正行為の防止条約という名前だったと記憶しますけれ
ども
、それを
日本
も批准しておりまして、外国で不正行為を行った者に対しては
国内
法で罰するということになっております。そういうことで、各国がお互いを監視している
状況
でございます。 ただ、いわゆる新興のドナーという国がこういうDACを
中心
とした動きに全部従っているかというと、そういうことじゃないわけで、そういう輪をどういうふうに広げていくのかというのが問題であろうと思っております。 それから、スピードの点についてはまさに御指摘のとおりで、これは相当いろいろな工夫をしなければならない。我々も、
円借款
等は標準処理期間を設けてかなり縮めてはきておりますけれ
ども
、それにしてももっと早いレスポンスというのが必要ではないかと。そうすると、全部検討が終わるまで何も言えないということではなく、いろいろな対応の仕方も工夫できるのではないかと。それは政府の方ともよく相談しながらやっていきたいと、こういうふうに思っております。 それから、ハイスペックの
技術
ですけれ
ども
、これも
幾つ
かの
段階
があると思います。例えば、太陽光発電の
ケース
ですと、大阪ですが、各国の政府の担当高官を呼んで研修をやっております。そうすると、同じ太陽光発電でもある
レベル
以上のものがちゃんとあるんだということで、そういうものに対するその認識が出てくる。それからもう
一つ
は、いろいろなプランニングの
段階
で一定程度の
レベル
の製品が受け入れて、向こうの政府の意思いかんですけれ
ども
、くれるようなデザインをし、それで
計画
を
実施
するという形でハイスペックのものを取り入れてもらう形というのはいろいろできるのではないかと、こういうふうに思っております。
小熊慎司
75
○小熊
慎司
君 時間がないので、これはお願いだけで返答は要りませんが、私、福島県でございまして、まだ復興に向けてははっきり言えば手を付けられない
状況
であります。二十キロ圏、三十キロ圏、またさらにこれから避難をしなければいけない町村があるわけでありますので、是非、この原発事故をどう乗り越えるかという部分についても様々な今後御提言があればいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ありがとうございます。
中村博彦
76
○
委員長
(
中村博彦
君) 小西洋之君。簡潔に、申し訳ないです。
小西洋之
77
○小西洋之君 我が国が国際
協力
事業
あるいは
平和構築
への取組を戦略的に進めていくために法的な基盤が必要じゃないかということについて伺わせていただきたいと思います。 例えば、本
委員会
の
調査
で行かせていただいたボスニア・ヘルツェゴビナの
調査
で、ユーゴ和平以降の十三年ぐらいの間に、ボスニア・ヘルツェゴビナの上に国際的な枠組みでつくったGHQのような上級代表という強力な組織があって、そこの運営資金を
日本
が十分の一を負担していると。ところが、その十三年ぐらいの間に
外務省
が送り込んでいた職員というのは、国際的な枠を
日本
は取れていたんですね、取れていた枠なんだけれ
ども
、十人の職員を、しかも課長補佐以下ぐらいの
レベル
の人をころころころころ出していただけなんですね。 私の発想から言うと、エース級の課長ぐらいの人を送り込んで、その国のまさに内戦以降の復興の柱を、
政策
をしっかりと
日本
の職員がつくり込んでいくと。そこに
JICA
さんや皆さんが
連携
していって、
日本
の、我が国の国是である平和国家としての
平和構築
の取組を、ユーゴ紛争とその復興がヨーロッパの外交の最重要な政治
課題
だった時期があったわけですから、その
時代
に
日本
の
平和構築
の取組としての金字塔を建てる、それが我が国の戦略的な外交の取組であると思いますし、先ほどいろんな先生方がおっしゃっていたような
国際機関
における
日本
の
人材
ですね、ポスト、やはり国連全体の職員のたしか一・六%ですね、
日本
は。あるいは管理職ポストだとたしか五%ぐらい。これはカナダやあるいはイタリアよりも
日本
は少ないわけですね。じゃ、それに対して
外務省
はその
平和構築
事業
の
人材育成
というのを四年前から始めて、それは一定の私、効果がある
政策
だと思いますけれ
ども
、同じような
政策
をやっているカナダのピアソン・センターという一九九六年につくったものは既に一万五千人を研修をして世界各地に送り込んでいると。 何でこれだけ体系的な、かつ、そういう
計画
的な取組が
日本
ができないのかと思った私なりの見解が、
日本
に国際平和に関する包括的な法律がないんじゃないかと。
ODA
大綱はあるんだけれ
ども
、我が国の国際平和
事業
に関する取組の
基本
理念かくあるべし……
中村博彦
78
○
委員長
(
中村博彦
君) 簡潔に。
小西洋之
79
○小西洋之君 はい。方針かくあるべしという、そういう法律の必要性というものを、是非皆さん、これは
外務省
の悪口ではなくて、国家としての国際平和
協力
事業
を展開していくためのそういう基盤について、皆さん、いかにお考えかということを、よろしくお願いします。 失礼いたしました。
中村博彦
80
○
委員長
(
中村博彦
君) 粗理事、簡潔に。
粗信仁
81
○
参考人
(粗
信仁君
) 御指摘のとおり、国際平和
協力
をめぐる法的基盤に足らざるところがあるのではないかという議論は確かにございます。ずっとそういう意味では、国際平和
協力
本部の
活動
も含めて、それから
JICA
との関係というのがどうなるのかということも含めて、議論がかつても行われていましたし、今後とも行われるであろうと理解しております。
中村博彦
82
○
委員長
(
中村博彦
君) 三人を代表して、
草野参考人
。
草野干夫
83
○
参考人
(
草野
干
夫君
) 逆に、問題認識なんですが、
アフガン
復興
支援
ですが、今
アフガニスタン
にいる
日本
人というのは、
JICA
さんを除くとコンサルなんですね、ほとんど。それで、
ODA
だけで処理できない枠の中でやっているんですね。給油の問題から、自衛隊の問題から、いろんな問題が派生していって、残ったのはコンサルだけなんですね、
JICA
さんとコンサルだけなんですけれ
ども
。
ODA
の
体制
の中で答えが出ないんじゃないかというところは今の御指摘の問題につながるんだろうと思うんですけれ
ども
。問題認識だけですけれ
ども
。
中村博彦
84
○
委員長
(
中村博彦
君) ありがとうございました。
藤原
良信君。
藤原良信
85
○
藤原
良信君 冒頭に申し上げましたけれ
ども
、
委員長
に提案をいたしたいと思います。 今回、この
委員会
で初めてお招きをしたわけですけれ
ども
、大変各
委員
から前向きな
建設
的な
意見
も出まして、
課題
も見えました。これを取りまとめて、私はしかるべき政府に、部署にこれを
委員会
としてこれは申し上げて、そして答えをもらってまた
委員会
に提示をしていただきたいと、取り計らいをお願いしたいと思います。 中身についてはたくさんございますが、例えば魚住先生からは、
入札
方式で
技術
を
一般競争入札
というのは、これは
事業
仕分で出たというんですけれ
ども
、これがなじむのかと。なじまないということはないのかもしれませんけれ
ども
、こういうこと等、実態をきちっと分からなきゃ駄目だと思います。 それからあとはスピードの問題、これは手続上の問題です。税もそうなんです。これは、
無償
提供、
無償
で使用しているのに税を掛けるということ自体が私はこれは言うべきことだと思います。 そういうようなこと、
課題
が出ました。是非、
委員長
、取りまとめて、そして政府に対して
委員会
として、国会に設置されている当
委員会
でございますから、正式に申入れをしていただきますよう取り計らいをお願いをしたいと思います。
中村博彦
86
○
委員長
(
中村博彦
君) ただいま
藤原
良信
委員
の御提案につきましては、この
委員会
で取り上げをさせていただいて政府に物を申していく、これでよろしゅうございますか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
中村博彦
87
○
委員長
(
中村博彦
君) 全員
異議
なしでございました。ありがとうございました。それじゃ、そのようなお取り計らいでまいりたいと思います。 予定の時間が参りましたので、他に御
発言
もなければ、以上で
参考人
に対する質疑を終了いたします。
参考人
の
方々
に一言御挨拶を申し上げます。 本日は、貴重な御
意見
をいただきまして、誠にありがとうございました。本
委員会
を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。 本日の
調査
はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後五時五分散会