運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2011-05-18 第177回国会 参議院 政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十三年五月十八日(水曜日)    午前十一時七分開会     ─────────────    委員異動  三月十八日     辞任         補欠選任         外山  斎君     舟山 康江君      青木 一彦君     愛知 治郎君      若林 健太君     岩井 茂樹君  五月十七日     辞任         補欠選任         藤末 健三君     石橋 通宏君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         田中 直紀君     理 事                 足立 信也君                 松野 信夫君                 吉川 沙織君                 岡田  広君                 西田 昌司君                 丸山 和也君                 荒木 清寛君     委 員                 石橋 通宏君                 植松恵美子君                 大河原雅子君                 小見山幸治君                 辻  泰弘君                 中村 哲治君                 長浜 博行君                 藤本 祐司君                 舟山 康江君                 松井 孝治君                 松浦 大悟君                 柳田  稔君                 愛知 治郎君                 石井 準一君                 磯崎 仁彦君                 岩井 茂樹君                 岡田 直樹君                 佐藤ゆかり君                 藤川 政人君                 宮沢 洋一君                 吉田 博美君                 長沢 広明君                 西田 実仁君                 小野 次郎君                 桜内 文城君                 井上 哲士君                 藤井 孝男君    国務大臣        総務大臣     片山 善博君    副大臣        総務大臣    鈴木 克昌君    大臣政務官        総務大臣政務官  逢坂 誠二君    事務局側        常任委員会専門        員        塩見 政幸君        常任委員会専門        員        田村 公伸君    政府参考人        総務省自治行政        局選挙部長    田口 尚文君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○平成二十三年東北地方太平洋沖地震に伴う地方  公共団体議会議員及び長の選挙期日等の臨  時特例に関する法律の一部を改正する法律案(  内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 田中直紀

    委員長田中直紀君) ただいまから政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、外山斎君、藤末健三君、青木一彦君及び若林健太君が委員辞任され、その補欠として舟山康江君、石橋通宏君、愛知治郎君及び岩井茂樹君が選任されました。     ─────────────
  3. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  平成二十三年東北地方太平洋沖地震に伴う地方公共団体議会議員及び長の選挙期日等臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、必要に応じ政府参考人出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     ─────────────
  5. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 平成二十三年東北地方太平洋沖地震に伴う地方公共団体議会議員及び長の選挙期日等臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。片山総務大臣
  6. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 平成二十三年東北地方太平洋沖地震に伴う地方公共団体議会議員及び長の選挙期日等臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  この法律案は、東日本大震災により著しい被害を受けた地域地方公共団体について、公職選挙法規定による選挙期日延期する等の措置を講ずるものであります。  次に、法律案内容について、その概要を御説明申し上げます。  第一に、法律題名等に用いている「平成二十三年東北地方太平洋沖地震」を「東日本大震災」に改めることとしております。  第二に、統一地方選対象外団体についても選挙期日延期対象とすることとし、延期後の選挙期日は、現行法の施行の日から二月を超え六月を超えない範囲内において政令で定める日としております。なお、対象団体指定及び選挙期日を定める政令の立案に当たっては、総務大臣県選挙管理委員会意見を、県選挙管理委員会市町村選挙管理委員会意見をそれぞれ聴き、その意見を尊重するものとしております。  以上がこの法律案提案理由及び内容概要であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。
  7. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 吉川沙織

    吉川沙織君 民主党の吉川沙織です。どうぞよろしくお願いいたします。  前回特例法に引き続き、今後被災地で予定される地方選挙についても、九月二十二日を期限としてその選挙延期をされることになります。もちろん、本来定められている任期選挙を行うことは、大臣も何度も御答弁されておりますとおり、民主主義基盤として重要なことであり、延期される指定地域においても、その選挙をできるだけ早く、できるだけ多くの地域で行われることが望ましいと考えます。  ただ、五月十日の閣議延期された指定地域のうち十六地域選挙日を定める政令が決定される一方、被害が甚大である自治体を中心に選挙が難しい地域も残されることになります。一旦法で定めた期限の直前まで実施できるか否か見極めることが必要であることは理解した上で質問させていただきます。  今回の特例法は全て地方選挙対象としているものであり、国政選挙日程に関しては影響を及ぼすものではないという認識で合うかどうか、確認をさせていただきたいと思います。なぜなら、一部から、国政選挙、特に総選挙に今回の被災地選挙延期影響するのではないかという声が聞こえてくるからでございますが、憲法上の観点から明確に答弁をしていただきたいと考えますが、大臣いかがでしょうか。
  9. 片山善博

    国務大臣片山善博君) さきに成立をいたしました法律、まあ現行法でありますが、それから今回それを改正しようとする法律案、いずれも自治体選挙任期特例、それから選挙期日特例でありまして、国政選挙には一切関係がありません。  ちなみに、国会議員選挙、特に衆議院選挙でいいますと、任期については憲法で定められておりますし、それについての特例法を作ることはできないと考えております。それから、解散につきましても、解散事由、それから解散が行われたときのその後の選挙執行につきましても憲法に定められているところでありますので、その憲法に従って粛々と行うことになると思います。
  10. 吉川沙織

    吉川沙織君 昨日の閣議後の記者会見でも、記者の方から同じような質問疑問点、いろんな与野党の一部からこういう声が出ているけれども、明確に憲法上の観点から国政選挙についてはその影響がないという御答弁をいただきました。  先日の衆議院の同じ委員会での質疑において、今回の延期期限である九月二十二日までに選挙を行うことが困難な自治体の数について、大臣から十三ないし十四と御答弁がございました。この質疑の際においても、そしてまた昨日の十七日の閣議後の記者会見においても、具体的な市町村名については大臣から言及ございませんでした。  しかし、昨晩と今朝、十三市町村名が具体的に報道されています。この十三市町村の中に岩手県の市町村が含まれている以上、十三の数にカウントされていないものの、岩手県知事選挙も困難であると考えてよろしいでしょうか。
  11. 片山善博

    国務大臣片山善博君) これは、結論から申しますと、岩手県の選挙管理委員会意見をよく伺ってみたいと思います。岩手県知事選挙延期されておりまして、これを現行法でありますと九月の二十二日までの間で行うということになっております。これにつきましては、この岩手県の知事選挙のみならずほかの自治体選挙もそうでありますけれども、その都度といいますか随時御意見実情を伺いまして、その上で政令でどう指定するかは判断していきたいと思います。
  12. 吉川沙織

    吉川沙織君 なぜ岩手県知事選挙について伺ったかと申しますと、これは告示から投票日までが十七日間と、今延期されている選挙の中で一番準備期間が掛かると考えるからです。再延長をしない限り、投票日をどんなに先に設定をしても恐らく九月十八日の日曜日になると考えられます。延長しない場合の準備期間考え方、また再延長する場合、その法律方針がいつごろまでに考え方が示されている、若しくは成立している必要があると考えるか、総務省の見解をお伺いいたします。
  13. 田口尚文

    政府参考人田口尚文君) お答え申し上げます。  知事選挙の、一般論で申し上げますと、ただいま議員から御指摘あったとおり、通常投票日は日曜日でございますので、九月二十二日の選挙延期期限考えますと直近日曜日は九月十八日、三連休の中日でございます。十七日前の九月一日には選挙告示を行いまして、立候補の受付を開始することになるところでございます。  また、その告示の前におきましては、選挙実施に向けまして、事前にポスター掲示場作成準備、あるいは投票用紙投票所入場券の印刷、交付準備などの選挙執行のための準備を行う必要がございます。  そのために必要な期間としては、各地域ごとにそれぞれ事情が異なる点がございますので一概には申し上げられませんが、最短でも二、三週間程度を要するものというふうに考えられますので、仮に知事選挙を行うというふうに仮定した場合には、少なくとも八月前半にはその準備に入ることが一般的には考えられるところでございます。  そうした被災地選挙管理機関事情候補者等事情も考慮の上で、被災地支障がないようなタイミングで少なくとも、法律が成立しているかどうかは別にしまして、事実上の方針が固まっていることが望ましいものと考えられるところでございます。
  14. 吉川沙織

    吉川沙織君 選挙部長から延長しない場合の選挙日程とその準備についてお伺いいたしましたが、今御答弁の中にありませんでしたけれども、これらに加えて立候補予定者説明会等日程も考慮していかなければならないと考えます。  例えば直近県知事選挙、来月六月五日に青森県知事選挙が予定されていますが、この青森県知事選挙立候補予定者説明会告示の約一か月前弱に当たる四月二十六日に開催されています。これに照らせば、法改正するにせよしないにせよ、被災地、その当該自治体に迷惑掛けないためにも八月上旬にはある程度の方針が示されている必要があると言えると思います。  復旧に向けて懸命な取組を進める被災地域に過大な負担を掛けないこと、選挙人でもある被災者方々へも十分配慮することなど、我々立法府の責任として関係自治体の声もお伺いしながら対応していく必要があることを申し上げまして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  15. 西田昌司

    西田昌司君 自民党の西田昌司でございます。  まずお聞きさせていただきたいのは、被災地では選挙事務等いろんなことが支障となってこの選挙自身実施できないということなんですけれども、具体的にどういうことが実施できない実情となっているのかということをまず説明いただきたいと思います。
  16. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 幾つか困難な事由というのはありますが、例えば一つは、役場庁舎が大打撃を受けて流失をしたという、そういうところについては、選挙人名簿が逸失してしまったと、その回復に努めなければいけないというような事由もあります。それから、今多くの避難者皆さん生活支援その他復旧がありまして、職員がそういう復旧、それから避難者皆さん支援に余念がなくて、選挙の方までなかなか手が回らないという事情もあります。それから、物理的な問題としては、投票所開票所が必要になりますけれども、幾つかの自治体ではその投票所開票所を見付けることが、確保することが困難である、そんな事情を伺っております。
  17. 西田昌司

    西田昌司君 なかなか具体的に、物理的にできない状況にあるということなんですね。  それで、しかしその一方で、先ほどの吉川委員質問に答えられて、国政選挙はこれとは別にこの制限を受けないんだとおっしゃいましたね。ということは、国政の場合、選挙をやる場合、そういう状態があるけれども実際には選挙事務しなければならないということになりますね。では、そのときどういうふうに大臣はお考えでしょう、それは。
  18. 片山善博

    国務大臣片山善博君) ここは国会議員皆さんにもよく考えていただきたい事情が、実は今非常に重要な問題の提起があったわけでありますけれども、国会国政選挙については特例が入る余地がありません。したがって、厳密に言いますと、何が何でも選挙をしなければいけないということであります、日本国全体として。  その際に、一部の地域、これ一般論で言いますと、一部の地域が何らかの事情で大変大きなダメージを受けて実際の選挙事務ができないという事情は、これはこれまでもあり得たわけです。実際はそういうことが出現しませんでしたけれども、理論的にはあり得たわけであります。そういう事情を抱える地域が一部あっても、それでも国政選挙はしなければいけないという、これが憲法が想定していることだと思います。  そういう場合にどうなるかというのは、例えば一部の地域だけは本当に未実施になったので、そこだけが有権者の権利が奪われたということになります。そうなりますと例えば選挙の効力を争う争訟が起きる可能性もあるとか、選挙区丸ごと例えば大きな被害を受けていて一つ衆議院選挙区全体ができないとき、そのときには候補者が決まりませんからそのときには再選挙をするとか、いろんなアフターケアが考えられます。  しかし、いずれにしても、日本国全体としては国政選挙憲法規定に従ってやらなければいけないという、そういうことだと思います。
  19. 西田昌司

    西田昌司君 私が聞きましたのは、まさにそういうことだと思うんですね。しかし、その中でも、できるだけその被災地方々においても実際のその権利行使ができるように措置をしていかなければならないと思うんですよ。  そう考えますと、今、国政の場合は実施できると、しかし地方選挙の場合は期間延長するということなんですけれども、この期間延長するその具体的な障害が、例えば投票所が流されて、ない、またそれから選挙人名簿が確定できないとかいろいろありましたね。そうすると、それを全部、例えばですよ、全部選挙人名簿を確定してやらなければ実施できないんだということになってしまうと、逆に言うと、六か月で、じゃできるんですかと、そういう疑問が湧いてくるんですよ。六か月以内でこれ全部、一〇〇%できるということになりますでしょうか。
  20. 片山善博

    国務大臣片山善博君) これは、もうできる限り万難を排して早くやっていただくというのが基本であります。是非それは心掛けていただきたいと思いますが、それでもどうしてもできない事情というのはやっぱりあり得ると思います。その場合にはやはりもうやむを得ませんので、九月二十二日までにできないという事情があって、それが明らかに客観的に見てそういうふうに判断できる、そういう自治体がありましたら、それはやはり何らかの法的措置を更に講じなければいけないと考えております。
  21. 西田昌司

    西田昌司君 そこがやっぱり一番大事な問題でして、一般的には、今被災地大変ですから延長しましょうというのは、これはまあ六か月は取りあえず我々も賛成することになると思うんですよね。しかし、いつまでもどんどん延ばしていっていいと。しかも、できない条件が、具体的にそういう選挙人名簿が確定しない、確かにそうなんでしょうけれども、そもそもそういうことが、今、もう三月十一日の時点からずっと分かっているわけですからね。そうすると、国としては延ばすだけじゃなくて具体的にどういう支援をするか、これやっぱり考えておくべきだと思うんです。  例えば選挙事務の話ですと、これ、自治体でできないのなら国の方から、また周辺のそうでない自治体から職員派遣させて事務をさせるとか、選挙人名簿についてはそれを補完する何か違う措置があるとか、何かそういう代替的なことを考えておかないと、これはどんどんどんどん先延ばししてしまうことになってしまいます。その辺はいかがお考えでしょうか。
  22. 片山善博

    国務大臣片山善博君) それはそのとおりでありまして、例えば選挙人名簿が逸失した、流失したというところについてはそれをできるだけ早く回復しなきゃいけない。住民基本台帳も流失しているところもありますので、併せてその回復をしなきゃいけない。  そのときに、例えば人手が足らない、専門的な職員が足らないという、そういうところもありますので、それは全国自治体支援を受けまして派遣システムというものをつくっておりますので、それを十分活用していただきたいと思っております。あわせて、それから選挙をやるときの職員が足らないということを補足する、これを周辺自治体職員応援とか該当の県の職員応援などでできる限り実施できるようにするということ。  それから、そもそも、先ほど申しませんでしたけれども、住民の多くがまだ所在が分からないという自治体も実はあるわけであります。これは原発関連ですけれども、住民の、ついこの間の調査によりますと、三割ぐらいがまだ所在が分からないというところがありまして、そういうところについては、今、全国避難者情報システムというのを総務省で構築をしまして、鋭意所在確認に努めております。そういう確認ができたところには今度は不在者投票という、これは現行の仕組みもありますので、そういうふうなことを通じて、できるだけ一旦延ばした半年の間にできるようにという、それを慫慂していきたいと思っております。  現状がどうなっているのかということが、これが一番問題でありますので、近々から職員該当のところに派遣をいたしまして、実情を見て、アドバイスもして、その上で判断をしたいと思います。
  23. 西田昌司

    西田昌司君 行方が分からない方と、所在が分からない方とおっしゃいましたけれども、それは避難所に逃げておられる方もおられるでしょうし、いわゆる行方不明者ですね、生死、安否を含め本当に分からないという方が何万人もおられるわけですからね。このいわゆる行方不明者のことをおっしゃっているんでしょうか。その行方不明者じゃなくて、避難所に行っている方の話でおっしゃっているんですかね。その辺をもう少し説明いただきたいんです。  特に、いわゆる本当に行方不明者ですね、恐らくは残念ながらお亡くなりになっているというケースになろうかと思うんですけれども、法律上は、例えば一年間とか期間を置いて、それから失踪宣言という形にならないと、死亡したという形になって選挙人名簿から外すということはできなくなります、できないと思うんですけれども、だからその辺の法的措置はどういう形になってくるのか、教えていただきたいと思います。
  24. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 私が先ほど所在が不明な方と申しましたのは、いわゆる行方不明者というカテゴリーではないわけです。今いろんな日々調査が出ておりますけれども、残念ながら死亡が確認された方、それから行方不明の方、これは警察に届出のあって捜索依頼が出ている方です。それが出ていない、いないでなおかつ所在が分からない方。これは、域内であっても域外であっても避難所におられる方は所在確認できております。そうではなくて、避難所におられないでどこに行ったか分からない。これはもう全国いろんなところに行かれていますので、原発関連地域は、これはすわ大変だということでもう本当に着のみ着のままで逃げられましたので、いろんなところに行っておられまして、例えば鳥取県なんかでも七十人ぐらい行っておられるんですけれども、所在確認できた方が。そういう方の中でまだ所在確認できない方が、ある町になりますと三割近くいるとか、ある市になりますと一万に近い数がまだ行方が分からないというようなことがありまして、実はそこが問題であります。  最後におっしゃった、いわゆる行方不明の方でその失踪宣告とか、そういう手続は、この度特例法を作られるんだと思いますけれども、それはそれでそちらの方面で措置をするということ。もし、それまでの間に選挙が行われるということになりますと、事実上選挙人名簿に残りますので、そうすると入場券が発送されて、ですけれども御本人がおられなければ事実上投票が行われないという、こういうことになるんだろうと思います。
  25. 西田昌司

    西田昌司君 今全国でまだ行方が、所在が分からない方がおられるということなんですけれども、そうすると、私が申し上げたいのは、要するに、半年これ期間延長をしますが、その後延ばすことをやっぱり避けなきゃならないと思うんですよ。今言ったような形の方がおられるんでしたら、マスコミもあるわけですし、行政機関もあるわけですから、全国に、この選挙を六か月以内に実施しますと、だからそのために、要するにこの法律が通りましても六か月以内に実施、それ以上は延長してないわけですから、実施するという前提でその選挙人名簿を確定する作業を現実に動かしていかなきゃならないと思うんですよ。そして、そのことによってある程度のこの所在不明の方も捕捉できるようになってきて、選挙ができるという環境を一日も早くつくらないと、何か、選挙が、この災害が原因となっていることはもう事実なんですけれども、自治体によってはいわゆる災害復旧が第一で、この選挙事務というのはまあ言わば第二、第三のような仕事なんだと思っているところがあるんじゃないかなという気さえするんです。  しかし、私はそれはそうじゃないと思います。これはまさに災害復旧復興をするためにも自治体の長なり議員なりを選ぶ、まさにそれは国民として、住民としての主権発動そのものなんですよ。それが制限されてどうやって復旧できるか、復興できるかという話で、これは被災者方々にいわゆる仮設住宅や住まいを提供したり、生活がちゃんと元に戻るように様々な政策をやっていくのと同じというか、むしろもっと一番根本的に大事な権利行使ですからね。  だから、そう思うと、この六か月の間に具体的にそういうことをやっていくというやっぱり大臣の覚悟と申しましょうか、具体的なそういう指示が必要だと思うんですけれども、いかがお考えでしょう。
  26. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 今、西田議員がおっしゃったことに私も違和感ありません。かねて前回の、現行法国会にお願いしたときに、選挙民主主義基盤をつくる基礎でありますから、これは本来何はさておいてもやっていただきたい事務でありますということを申し上げました。その考え方は今も変わっておりません。  特に、いろんな困難がありますけれども、今、例えばどういう復興のプログラムを組むのか、それから被災者皆さん支援をどういう形でどういうレベルでやっていくのか、いろんなことが自治体の課題として今浮上しているわけで、日々処理をしなければいけないわけですけれども、そういうときであればこそ、住民皆さんの信任を得た正当な代表として仕事をこなしていくということは、私は民主主義観点からいうと非常に大切なことだろうと思います。ですから、いろんな困難な事情はあると思いますけれども、是非それを克服をして万難を排してやっていただきたいという気持ちであります。  先ほど申しましたけれども、実は、現在十三の自治体について九月の二十二日までの選挙実施は現時点でなかなか見込めないと、確信が持てないという、そういう報告を受けております。いろんな事情がおありなんだろうと思います。そこについては、総務省の方で本当にお伺いをして、それで実際に現地を見て、当事者の皆さんのお話を伺って、克服できる課題があれば、是非、国と県と中心になりまして、また全国自治体にも呼びかけてその課題を克服できるように支援をしたいと思います。その上で、本当にどうかという、そういう判断をさせていただきたいということであります。
  27. 西田昌司

    西田昌司君 今大臣からそういう覚悟をお聞かせいただきました。まさに現場の方は本当に日々の生活、それを支えていく仕事がまず第一という形でなってくるんですけれども、今大臣おっしゃったように、復興計画、復旧していくためにも住民の声を聴かなきゃならないんですよ。この選挙人名簿を確定させて全国におられる方を捜し出していくということ自体がまさに声を聴く行為そのものになってくるわけですよね。ですから、これは、いろんな自治体事情があるのは私は分かりますが、それだから、それではまた再延長もあり得ますよというような話にしてはならないと。もうこれは、今度のこの六か月延長したら必ずその中でできるように、これは総務省を挙げて必ずそういう選挙実施をしていただけるというふうに私は期待したいと思いますが、もう一度その覚悟をお聞かせいただきたいと思います。
  28. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 先ほどもお話し申し上げましたけれども、できる限り本当に現行法の枠内、期限内で選挙実施していただきたいと私も思いますので、そのために必要な支援を国、県でやっていくということです。実態を見て、その上でどうしてもということが、私どもにもどうしてもそれはちょっと無理があるんではないかということがありましたら、それはやはり国会の方に法的な措置をしていただくようお願いをせざるを得ない、そういうこともあろうかと思います。
  29. 西田昌司

    西田昌司君 いろんな具体的なケースがありますから、一概にそう断定私もすることは避けたいと思います。しかし、それでもやはり原理原則として、国民の意見住民の声を、それを基に復興計画をやっていくわけですし、その執行される方の議員とか、その地域の行政体の長を決める、その選挙が制限されるというのは、そもそもそれ自体が、復興自体ができないということと同じことになるんですから、やはりそれは通常の復興活動と同じというよりもそれ以上に大事なんだという認識でこの選挙事務がきっちりできますことを大臣に要望いたしまして、私の質問を終わります。
  30. 長沢広明

    ○長沢広明君 公明党の長沢広明でございます。  引き続き、この改正案について議論させていただきますが、今回の改正案で、改正部分で、第一条の第八項が改正されております。現行には、当該市町村選挙管理委の意見を聴くものとするとなっていたのが、今回の改正で、選挙期日について決める場合、特例選挙を決める場合、総務大臣に県の選管が意見を述べるに当たっては、あらかじめ当該市町村選挙管理委員会意見を聴き、その意見を尊重しなければならないと、今回こういうふうに改正をしていただいておりますが、現行法では意見を聴くというところから、今回、意見を聴き、その意見を尊重しなければならないと、こういうふうに改めた理由について伺います。
  31. 片山善博

    国務大臣片山善博君) これは、県の選挙管理委員会市町村選挙管理委員会はそれぞれ別の当事者でありますので、意見、見解が異なることはあり得るわけであります。  その際にどうするかということでありますが、総務大臣の方にはもちろん都道府県の選挙管理委員会から意見を出していただくわけですけれども、実際に選挙事務を管理執行しますのは市町村選挙管理委員会になるものですから、やはりその市町村意見というのは非常に重要だと思います。そこで、現行法でも意見を聴くということになっておりますけれども、より丁寧に意見を聴いていただきたい。市町村の実態、実情、よく県の選挙管理委員会の方で把握をした上でという、そういう気持ちでありまして、是非丁寧に聴いた上で、その上で県の選挙管理委員会としての判断をいただきたいという、そういう趣旨であります。
  32. 長沢広明

    ○長沢広明君 これは具体的に言いますと、実際そういう事案がこの間起きたわけですね。千葉県の浦安市ですね。浦安市はなかなか選挙執行が難しいと思っていたけれども、県としては県議選全体を統一地方選でできると。最終的に、浦安市はいわゆるこの特例選挙指定を受けられなかったということによって、県議選全体は執行されたけれども、浦安市選挙区においてはその選挙事務を浦安市が行わなかったということが起きたわけでございます。  それがやり直しで今実は行われておりますのでいいんですけれども、今回、市町村意見を聴いてそれを尊重すると、こういうふうにしていただいたということは、一番先端で選挙事務を担う市町村意見を大事にしていただくという意味で、私はこの改正は大変有り難い改正だったというふうに思います。  ただ、やっぱり県の選管の意見市町村の選管の意見が違ったというこの浦安市の事例でいいますと、今回の改正で、市町村意見を県選管が尊重し、県選管の意見総務大臣は尊重すると、こういうやり方になりますね。  ちょっと浦安の話に戻りますけど、昨日、ちなみにこの委員会ではありませんが、参議院の国土交通委員会で浦安市の液状化被害調査に行かせていただきました。この委員会にも一緒に行っていただいた委員皆さん、たくさんいらっしゃいます。現実に浦安市の液状化の当時の被害をこの目で見てきました。関係の役所の方々、それは特に液状化被害の対策をした下水道とかの復旧に走り回った方々の話もちょっと、歩きながらですけれども伺いました。やっぱり発災直後の八千世帯に及ぶ浦安市の液状化の被害というのは非常に甚大なものがありまして、やはり住民生活の非常に最低限の生活のレベルを守る上下水道が使えないという、そういうところをとにかく復旧するという作業に最初は大変な労力をやっぱり割いたと言いました。やはり現場を見て回ると、確かに恐らくあの状態では投票所の安全を確保するということもなかなか難しかったと思いますし、それ以前に、住民のまず生活環境を整備すると、毎日の生活をきちんとレールに乗せるということ自体に恐らく行政は大変な労力を割いたと思います。その意味では、統一地方選挙の前半部分に当たる県会議員選挙選挙事務準備に当たることは非常にもしかしたら難しかったかもしれないなということを回って、現地に行って確かに痛感をしました。  そういう意味では、市町村の、県選管の意見を尊重してくださるということは大変有り難いことで、しかし市町村意見を県選管が尊重し、この第七項でも、県選管の意見総務大臣は尊重しなければならないと、こういうことになるわけですね。そうすると今度は、県の選管の意見、判断というのはこれ全く必要ないということになってしまうのかと。市町村意見を県選管は尊重しなければいけない、総務大臣は県選管の意見を尊重しなければいけないということになれば、県選管の独自の判断というか意見というものが逆に反映されなくなってしまうのではないかというふうに思いますが、この辺はどういうふうに考えられますか。
  33. 片山善博

    国務大臣片山善博君) これは用語の、言葉の解釈の問題になると思いますけど、尊重しなければいけないという表現は、従わなければいけないという表現とは異なるわけであります。  したがって、丁寧に聴いてよく理解をしていただいた上で、それでその上で県の選挙管理委員会として最終的にはどう判断をするのかということになりますので、一般論でいいますと、やはり市町村選挙管理委員会意見を聴いて尊重しても、なおかつそれとは異なる判断をするということはあり得るんだろうと思います。  といいますのは、この度の千葉県の県議会議員選挙がそうだったんですけれども、千葉県の県会議員選挙の管理執行は千葉県選挙管理委員会になります。浦安市が当然投開票の事務はやるわけですけれども、浦安市選挙区だけを管轄するわけであります。そうなりますと、あの場合に浦安市が指定されますと千葉県の県会議員選挙が全部が止まってしまうという、こういうことになるわけでありまして、特定の選挙区だけを選挙しない、ないし延期をするという規定が今ないものですから、そういう矛盾が生じてしまうわけです。  そうしますと、それらを大局的に考えて、県議選を所管します県の選挙管理委員会としてどう判断するのかというのは、市の選挙管理委員会と違うという、そういう局面はやはりあるんだろうと思います。ここは今回私、この震災後のその千葉県の事例に接しまして、現在の公職選挙法規定の言わば空隙といいますか、そういうところを痛感したものであります。  今回、実は現行法では県の選挙管理委員会は市の選挙管理委員会意見を聴くものとするということで尊重規定は入っていなかったんですけれども、しかし明らかに市の選挙管理委員会と県の選挙管理委員会の見解が異なったものですから、そこは丁寧に総務省としても対応したつもりであります。鈴木総務大臣を千葉県の方に行っていただきまして、実際に県の選挙管理委員会意見交換をしまして、本当に浦安市は大丈夫かとか、県の方の協力の体制はどうなのかということまで確認した上で実は指定をしなかったという事情がありますので、そういうことはしてきたんですけれども、これからもいろんなことがあるかもしれませんので、あえて尊重規定を入れました。入れましたけれども、県と市の見解が異なるということはあり得るだろうと思っております。
  34. 長沢広明

    ○長沢広明君 かなりケースに合わせてよく見て判断しなければいけないということに恐らくなるんだというふうに思います。  それは本当に、今回の浦安の問題についても、総務省も大変御苦労されて最終的にああいう判断になったというのは理解をしているつもりですけれども、やはり選挙事務を具体的に執行する市町村の声をきちんとよく聴いていただいて調整をしていただければというふうに思います。  もう一つ、最長六か月と、要するに九月二十二日ということについては動かさなかったわけでございますね。この今回の改正案を議論するに当たって、最大来年五月ぐらいまで延ばしたらどうかと、こういう意見というか考え方もあったやに伺っております。しかし、最終的に六か月というところにしたその判断というか、理由をお聞かせいただきたいと思います。
  35. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 当初、当初といいますか、この今回の改正法案を検討するに当たりまして、当初は来年の五月までその延期指定ができるようにという考え方を持っておりましたのは事実であります。それは被災地選挙管理委員会皆さんに伺いますと、九月の二十二日までにはできない、現時点では実施できるという確証を得られないというところがある程度ありまして、それを個別に聴いていきますと、ある団体は来年の五月ぐらいまで延期していただかなきゃいけないという、そういう声もありました。  そこで、最大限可能性としてあり得るんであればそこまでカバーできるようにしておいて、その範囲内で、先ほど西田議員との間で申し上げましたけれども、できるだけ早く、早く選挙実施できるようにする。しかし、念のため、何回も法律改正をしていただくというのは気が引けるということもありましたので、念のため総務大臣指定は来年の五月まではなし得るという可能性を置いておこうという、こういう判断がありました。  ただ、この法案をお出しするに際しまして、各党各会派にお話をしまして意見を伺いましたとき、そこまでやはり、そんなに長くまでそういう指定可能性を持っておくということはやはりそれは民主主義との関連でよくないだろうという意見もありまして、その上で今回のような現行法の九月二十二日までの範囲にとどめておくという、そういう判断をしたものであります。
  36. 長沢広明

    ○長沢広明君 確かに余り延ばしてそれで本当に何がプラスになるかということもあると思いますし、半年間の中でどこまでできるか最大限努力するということが大事だと思います。  震災の被害によって現実に選挙事務執行できない、要するに選挙自体行える状況にないということもあってこういう延長をするわけですけれども、逆に言えば、選挙執行するということを通じて被災した行政機能の回復をより確かなものにしていくという、そういう努力も行政側にとっては大事なわけでございまして、この選挙執行を通して行政機能の回復を確かなものにするために全力を挙げて選挙ができるように取り組んでいくということが必要だと思います。  ただ、現実的には、市町村では、避難者の把握とか、先ほど来の議論でも出ているような選挙人名簿確認とか、あるいは投票所の具体的確保とか、様々な課題を抱えております。そういう自治体に対して九月二十二日までに選挙実施できるようにということについては、これは国が積極的に支援をすべきだと思いますが、現時点で現行法での指定団体の四十九分の三十三団体はいまだに選挙期日を決められない状況にあります。  この決められない状況の、先ほど来の議論の中からも出ていますけれども、理由をどう認識しているのかと。なぜ決められないのか。それは震災の復興で大変だからという、ざっくり言ってしまえばそういうことなんですけど、具体的にこれから何を支援していくか、国として何を支援していくかということはそれぞれ地域によって違いますが、地域によって一体何が障害となって選挙期日が決められないでいるのか、そこをきちんと具体的に把握しないと具体的な支援の手が伸ばせない、こういうふうに思いますので、その辺の認識をお願いしたいと思います。
  37. 片山善博

    国務大臣片山善博君) これは、地域によってやはり事情は異なります、自治体によって異なります。  福島県の双葉郡などは、先ほど申しましたように、幾つかの自治体は、住民の、かなりの数の住民皆さんの動向がつかめないということで、それを障害の一つとして挙げられております。もちろん、双葉郡は八か町村全てもう既に原発関係で移転を余儀なくされて区域内が警戒区域になっておりますので、もう区域外でその役場事務を行わざるを得ないという、そういう当面の大変な御苦労もあります。それも選挙がなかなか実施できないという、そういう一つの理由であります。  あと、津波災害に見舞われた自治体では、選挙人名簿が流失して、まだその復活といいますか、再調製に努めている段階であるという事情もありますし、それから、職員の多くが被災をしてしまって、管理職の職員がかなりの数生命を失ったという自治体もありまして、そういうところではなかなか、役場機能の復活を今しているところであって、選挙までなかなか手が回らないという、そういう自治体もあります。  それから、投票所開票所が従来使っていたところがもう使えなくなってしまったという、そういう事情もあります。  それぞれに応じて、自治体ごとの事情に応じてどういう支援をすればそれが克服できるかということ、これを早急にやらなければいけない。そのために職員派遣して実態を伺って、実態を調査して当事者の皆さん意見を伺いたいと考えているところであります。
  38. 長沢広明

    ○長沢広明君 避難者の把握あるいは選挙人名簿、それから人員、人手の不足、それから投票所の具体的な施設の確保と、もう課題は具体的になっておりますので、地域のニーズをよく酌み上げて国からの支援をしっかり進めていただきたいということ。  それから、もう時間なくなりました。一つだけ、私、郵便投票を最終的に、不在者投票、避難先から取り寄せるという形になります。ですので、選挙情報をできるだけ早く有権者に届ける、届けると同時に不在者投票の申請書を一緒に付けて送って、投票する人が避難先から不在者投票をする際の手続をできるだけ簡単にするように、その辺は工夫をするように自治体に対して指導していただきたいということを最後申し上げて、質問を終わります。  ありがとうございました。
  39. 小野次郎

    ○小野次郎君 みんなの党の小野次郎です。  選挙の管理執行というのは本来公正中立な立場の選管が行うべきだということは私も十分承知しています。しかし、先日の千葉県議会議員選挙の浦安市選挙区における経緯を見ても、選挙は選管だけじゃできないということは明らかだと思うんですね。言うことを聞かない地方選管の問題だといって割り切って済まされる問題でもなくて、やはり政令なりで定めてやっているわけですから、そういった政府とかあるいは大臣自身の見通しの悪さというのはやはり問われるんだろうと私は思います。  今般の大災害による被災地において、多くの困難はもうあるんですよ。困難を押してでも、克服してでも選挙をやるというためには、私は当該自治体を挙げて、自治体から盛り上がってくるその政治的な意思、選挙をやるんだということが前提になるんだと思うんで、その意味で私は、選挙期日を定める政令を制定する際には、総務大臣は選管から技術的な意見を聴くだけじゃなくて、私は知事とか市町村長からも総合的な情勢判断についての意見を聴くべきだと思いますけれども、これは法体系の中で今そうなっていないことは知っていますよ。だけど、こんなに、二度も法改正を二か月後にやる事態になって、やるという意思はやっぱり自治体自体の総合的な意見を聴くべきじゃないかと私は思いますが、いかがでしょうか。
  40. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 気持ちはよく分かります。私も同感できる部分がないわけではありませんが、わざわざその選挙管理委員会というものを全ての自治体につくっておりますのは、選挙の公正中立ということを、これを大切にするからであります。  確かに、市町村長さん、首長というのは、市政なら市政全般について理解をして、市民の皆さんの、多くの市民の皆さんの信頼を得て、そういう何か町を挙げての活動をするときの一つの機動力になると思いますけれども、しかし一方では、その首長さんというのは当事者であります。選挙で選ばれた人でありまして、その選挙管理委員会執行する選挙で生み出された産物であります。相撲で言うと回しを着けているわけでありまして、その回しを着けている一方当事者から選挙についての意見を伺うというのは、やはり客観的に見ると公正中立さを疑われる可能性がないわけではないと思います。  むしろ、私は今、もう正直に言いまして、選挙管理委員会というのは非力なところが多いというのが現状でありますけれども、むしろ、この選挙管理委員会が市政全般について、市の情勢全般についても把握をして、それが堂々と対外的にも物が言えるような力量を付けていただくという、そちらの方が賢明なのではないかと思います。
  41. 小野次郎

    ○小野次郎君 そんな一般論を私言っているんじゃなくて、例えば知事とか市町村長だったら、避難所に使われている体育館をいつまでに使えるようにできるかとか、そういう全体の行政の中で段取りを、もしそれが付かないんだったら付けてでもやろうということを決められるのはむしろ首長の方であって、選管に幾ら聴いたって、できますかと聴いたって答えは出てこなかったんじゃないんですか。その結果が私は今回の経緯だと思うんですよ。  それともう一つ、今この行政改革のときに、選管を担当している市町村課とか名前ありますが、そんなところのスタッフを増強するなんという話を私しているわけでは全くありませんから、大臣、誤解のないように。というのは、国だって、そんなこと言ったら解散して総選挙やるというときに、それは中央選管はあるけど総務省とか内閣総理大臣が自分でやっぱり判断しているじゃないですか。全く選挙は政治と別だなんということは国のレベルでもないわけですよ、そんなことは。ちょっとそのことを申し上げておきます。  問い二になりますけれども、今回の法案を提出するに当たって、政府被災地の意向を踏まえて、五月三十一日までの、来年の、選挙期日延期の範囲を延長することを考えていたわけですね。ところが、最終的には法案から削除されているわけでございます。いかなる事情があったにせよ、再度の法改正の審議に当たって、同僚議員質問質疑を聞いていても、改正後の法が遵守されない事態を既に前提としているような議論がなされていること自体、極めて私は国民に説明が付かない事態だろうと思います。  法改正後、もし、今九月二十二日までに日程が入らないという言い方をされていますけど、入らないのか、二十二日までにできないという意味が多分に含まれているわけですから、そうだとすれば、この多くの該当自治体で改めて延長期間内に選挙実施できない事態になれば、法律自体がずるずるずると後退していくだけなわけでございまして、そういった事態については総務大臣の総合的な情勢判断が極めて甘いという批判を免れないと私は思いますけれども、御認識を伺いたいと思います。
  42. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 私がこんなことを申し上げるのはもう釈迦に説法かもしれませんが、政治というのは、私も政治学を志している者の一人だったものですから申し上げますと、政治というのはやはり妥協というのは一つの重要な要素だと思います。唯一絶対というものがぶつかり合いますとお互いの存在を否定するということになりますから、共存する中ではやはり妥協しながら、最善でなくても次善の策を講じていくというのがそれは政治の一つ基本的な原理だろうと思います。  率直に申し上げますと、先ほど西田議員の御質問にもお答えしましたけれども、総務大臣にフリーハンドをいただいていて、来年の五月なら五月までの間で指定期間を授権していただくと。その中で、できるだけ早く、早く早く指定していくということをしていただくと総務大臣にとっては一番有り難いことでありますけれども、それはそれでしかし、先ほど来の議論がありますように、民主主義というのはやはりきちっとけじめをできるだけ早く付けなきゃいけないという原理があって、それにもとることになりますので、そういう意見も出て今回のようなこういう法案になったわけでありまして、これを妥協と言うとお叱りを受けるかもしれませんけれども、私にとりましては次善の策だと思いますし、むしろ九月二十二日という現行法のしりが決まっておりますので、そこに向けてもう最大限努力をして協力をすることで、できるだけ多く、もうできれば全部、できるだけ多くの自治体選挙事務を終えるような、そういう一つの動機にもなりますので、それはそれで一つのいい選択だろうと思います。
  43. 小野次郎

    ○小野次郎君 政治は妥協という話をぽろっと言われちゃうと、私はむしろお返ししたいのは、政治はやっぱり形成していく作用なんですよ。だから、各会派に対する十分な説得なり根回しも必要だし、それからさっき申し上げた問一の方になりますけれども、市町村とか県に対してテクニカルな意見法律上聴いているんだじゃなくて、実際段取りを付けてください、付けられますかということを、政治的意思を統一していくということが大事だし、もしそれが総務省自体ではできない、国土交通省とか様々な、防災とかにまたがることであれば、そこにも大臣なんだから働きかけて、この九月二十二日までに何とかやるんだよということをやっていくのが政治なんじゃないですか。  それを最初から妥協だと言うことは、言葉を換えて言えば、また妥協して、今度は期日の方も妥協してまた後ろへ下げますからと言っていたんじゃ、何か政治についても大臣から恐縮だけど講義を私は受けたくはないなと、そういうことについては。むしろやるんだということを決めなければ政治じゃないんじゃないかということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
  44. 井上哲士

    ○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  東日本大震災で甚大な被害を受けた被災地において統一地方選挙以降の地方選の期日延期することは、被害の実態を見れば当然のことだと思います。一方、被災地によって様々でありますけれども、救援に全力を挙げる状況から復旧復興ということにも重点が来ておるわけですね。  この被災地の復興プランというのは、何か政府が上から青写真を押し付けるのではなくて、住民の合意が基本にならなくてはなりませんし、またプランを実施するに当たっては市町村や県、国が連携をして行うこと、さらに、財政的にも国がその大半を持つということが基本にならなくてはならないと考えます。この復興プランの作成に当たっても、住民の信託を受けた首長やそして地方議員が重要な役割を担うわけですね。  そういう点からいいますと、今後の復興プランを住民合意の下に策定をするということからいえば、やはりできるだけ早くこういう住民の意思が反映される首長選挙地方選挙をできるようにするべきだと、こう考えますけれども、この点、まず大臣の御意見をお伺いしたいと思います。
  45. 片山善博

    国務大臣片山善博君) そのとおりだと思います。  復興プランをどういうふうにするのかというのはこれからの町の百年の計でありますから、その百年の計を策定するに当たっては、やはり正当な手続を経て住民皆さんの信任を得た代表がその任に当たるということが最もふさわしいと思います。それを基本にしながら、その現状、その被害の実態、回復の実態をにらみながら、どこで選挙を行えるかということを判断していくことだと思います。  せっかくの機会ですから申し上げておきますと、大きな被害を受けたところで町長さんが命を失われたところがあります。そこでは管理職の多くも命を失っておられるんですけれども、したがって、町長さんが欠けたということで、職務代理者である副町長さんが今陣頭指揮を執っておられるんですけれども、その副町長さんの任期も近く、近々来るということになっておりまして、そうなりますと今度は次順位の、その次の職務代理者ということになるんですけれども、そうなりますと、もうだんだんと理屈でいいますと民主主義から遠ざかってくるわけでありまして、そういうところこそ実はできるだけ早く真の代表を選ばなければいけないという要素、要請があります。しかし、そういうところが一番ダメージを受けていて選挙事務執行がしにくいということがありまして、こういう悩ましい事態の中でこれをどう処理するかということであります。  しかし、今申し上げたのは、要するに、そういうことを考えても、できるだけもう万難を排して選挙事務執行していただければと思っておりますので、そういう働きかけとか、それから協力をしてまいりたいと思っているところであります。
  46. 井上哲士

    ○井上哲士君 そういう働きかけ、支援をする上でも、どういう実態にあるかということなわけですが、やはり選挙人名簿の基になる住民基本台帳が非常に大事だと思うんですが、この保存等がある市町村の役場もいろんな被害を受けております。  総務省自治行政局からお聞きしますと、岩手、宮城、福島の三県三十三市町村、それから茨城県でいいますと六市町村、合計四県三十九市町村が従前の庁舎以外のところでの業務あるいは従前の庁舎の一部を使っての業務ということで、役場自身も大変な被害を受けているわけでありますが、特にこの今回の法改正案及び三月の法改正の対象になっている自治体の中で、この住民基本台帳そのものが損壊をしていると、こういう自治体はどれだけあるんでしょうか。
  47. 逢坂誠二

    大臣政務官(逢坂誠二君) お尋ねの選挙期日延期された団体のうち、今回の大震災により住民基本台帳が損壊した団体、三団体ございます。一つ岩手県陸前高田市、岩手県大槌町、それと宮城県の女川町でございます。
  48. 井上哲士

    ○井上哲士君 バックアップが今後されていくというふうにはお聞きをしているんですが、台帳があっても、一方で選挙人の実態がよく分からないというところもあるわけですね。基本権利である選挙権を保障する上でその把握は非常に重要なわけでありますが、先ほど答弁にもありました全国避難者情報システムでその実態を把握されているというふうにお聞きしているんですが、今このシステムに登録されている人数を岩手、宮城、福島の三県ごとに明らかにしていただけますでしょうか。
  49. 逢坂誠二

    大臣政務官(逢坂誠二君) 全国避難者情報システムでございますけれども、現在、全国の千七百四十一の自治体において情報提供の受付を行っているところです。  それで、これまでに福島県で約二万四千二百件情報が寄せられた、これ五月十三日現在です。それから、宮城県分で約三千五百件、これも五月十三日現在です。それから、岩手県におきましては、五月十一日現在のデータですが、千六百件の情報提供がされたと報告を受けております。
  50. 井上哲士

    ○井上哲士君 政府やそして県の避難者数の統計を見ますと、これ県内外入り交じってはおりますけれども、岩手でいいますと三万六千四百九十四人ですから今の登録者数は四・四%、宮城県が三万二千八百四十九人ですから登録率が一〇・五%、福島県が九万九千四百七十二人で登録率は二四・三%ということになります。  今回、避難を余儀なくされているこの数のうち、今回の対象になるものは相当あると思われるんですね。ですから、この住民基本台帳が損傷しているところの復活、それから台帳を基とした選挙人名簿、そして名簿に基づいて入場券等を発送する、それから選挙告示をする、それから投票所投票箱の確保などなど、選挙を実際に執行する上にこれから様々な予算と労力が必要になってまいります。しかも、これらの業務は限られた人員の中で復旧復興をやりながらやらなくちゃいけないということになりますので、相当の支援市町村を尊重しつつやる必要があると思うんですが、そういう選挙ができるようになるための台帳などの復旧支援、そして選挙そのものの実務の支援、人的にもそして財政的にもすることが必要だと思いますが、この点、どのように総務省はお考えでしょうか。
  51. 片山善博

    国務大臣片山善博君) 人的支援と財政的支援とが二つの大きな支援の項目になると思いますが、人的支援は、総務省全国市長会、全国町村会と相談をいたしまして、被災市町村選挙を含めたいろんな事務について、同一の自治体で同じ仕事についての知識、経験を有する職員派遣するシステムをつくっております。被災自治体から、こういう職種の人をいつからいつまで何人欲しいというのを要望いただきまして、それを全国に、自治体に呼びかけましたら数倍の応募がありまして、その中で一番ふさわしい人を選んでいただくというマッチングをやっておりまして、現在およそ八百数十人の派遣が既に決まっております。そういうシステムを通じまして、この選挙についても円滑な執行ができるような協力体制をつくっていきたいと考えております。  それから、財政面では既に、選挙というのはもう四年に一回とかあるものですから、普通交付税の中で毎年標準的に措置されておりますので、一応財政的には十分な対応ができることになっておりますけれども、今回、いろんな事情がありまして、役場が移転を余儀なくされるとか、そういう事情によって通常の選挙よりも余計に経費が掛かるということは当然予想されますので、それについては特別交付税を通じて措置をしていきたいと考えております。
  52. 井上哲士

    ○井上哲士君 住民総意の下で復旧復興をしていく、その土台となるわけでありますから、是非できるだけ早くできるようなしっかりとした支援を改めて求めまして、質問を終わります。
  53. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  平成二十三年東北地方太平洋沖地震に伴う地方公共団体議会議員及び長の選挙期日等臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕
  54. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、岡田君から発言を求められておりますので、これを許します。岡田広君。
  55. 岡田広

    岡田広君 私は、ただいま可決されました平成二十三年東北地方太平洋沖地震に伴う地方公共団体議会議員及び長の選挙期日等臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会、自由民主党、公明党、みんなの党、日本共産党及びたちあがれ日本・新党改革の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     平成二十三年東北地方太平洋沖地震に伴う地方公共団体議会議員及び長の選挙期日等臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)  一、選挙期日等延期は、被災地域の実状を考慮したやむを得ない臨時措置であることから、関係地方公共団体においてできる限り早期に選挙執行できるよう、政府は十分な支援を行うこと。  二、被災地域復旧・復興の状況を考慮しつつ、選挙期日等延期期限までに選挙を行うことが困難な場合には、関係地方公共団体意見を十分踏まえ、適切な措置を講ずるものとする。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  56. 田中直紀

    委員長田中直紀君) ただいま岡田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕
  57. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 全会一致と認めます。よって、岡田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、片山総務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。片山総務大臣
  58. 片山善博

    国務大臣片山善博君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
  59. 田中直紀

    委員長田中直紀君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  60. 田中直紀

    委員長田中直紀君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時十一分散会