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2011-03-31 第177回国会 参議院 国土交通委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十三年三月三十一日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         小泉 昭男君     理 事                 藤本 祐司君                 室井 邦彦君                 佐藤 信秋君                 吉田 博美君                 長沢 広明君     委 員                 池口 修次君                 川崎  稔君                 小見山幸治君                 輿石  東君                 羽田雄一郎君                 平山 幸司君                 藤原 良信君                 安井美沙子君                 米長 晴信君                 岩井 茂樹君                 岡田 直樹君                 伊達 忠一君                 中原 八一君                 脇  雅史君                 渡辺 猛之君                 白浜 一良君                 上野ひろし君                 藤井 孝男君                 吉田 忠智君    国務大臣        国土交通大臣   大畠 章宏君    副大臣        国土交通大臣  三井 辨雄君        国土交通大臣  池口 修次君    大臣政務官        国土交通大臣政        務官       市村浩一郎君    事務局側        常任委員会専門        員        櫟原 利明君    政府参考人        厚生労働省職業        安定局高齢・障        害者雇用対策部        長        中沖  剛君        国土交通省河川        局長       関  克己君        国土交通省住宅        局長       川本正一郎君        国土交通省港湾        局長       林田  博君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○港湾法及び特定外貿埠頭管理運営に関する法  律の一部を改正する法律案内閣提出、衆議院  送付)     ─────────────
  2. 小泉昭男

    委員長小泉昭男君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。  政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  港湾法及び特定外貿埠頭管理運営に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会厚生労働省職業安定局高齢障害者雇用対策部長中沖剛君、国土交通省河川局長関克己君、国土交通省住宅局長川本正一郎君及び国土交通省港湾局長林田博君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 小泉昭男

    委員長小泉昭男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 小泉昭男

    委員長小泉昭男君) 港湾法及び特定外貿埠頭管理運営に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  5. 中原八一

    中原八一君 おはようございます。自由民主党の中原八一でございます。  大臣並びに政務三役、国交省皆さんにおかれましては、災害対策そして国会と、連日大変御苦労さまでございます。港湾法及び特定外貿埠頭管理運営に関する法律の一部を改正する法律案について、そして関連しまして今回の大地震による港湾被害について質問させていただきます。  まず、港湾法改正についてでございますが、今回の法律改正の主な大きな柱は、現行の特定重要港湾二十三港を国際戦略港湾国際拠点港湾港格を見直しをいたしまして、我が国の大きな港湾民営化して、そのことをもって我が国港湾国際競争力強化しようということにあるわけでありますけれども、まず世界の主要な港湾そして我が国港湾運営現状を、どのようになっているか、まずお伺いをしたいと思います。
  6. 林田博

    政府参考人林田博君) お答え申し上げます。  韓国釜山、シンガポール、ロッテルダムなどの世界の主要な港湾におきましては、港湾開発のマスタープランの作成あるいは水域の管理、さらにまた入出港届の受理などの港湾管理は、国又は地方公共団体が実施をしております。  一方、これらの港湾におきましては、コンテナターミナル運営貨物を集めるためのポートセールスなどは株式会社によって行われております。例えば、韓国釜山港におきましては、株式会社であります釜山ポートオーソリティーコンテナ埠頭を一元的に運営をしておりまして、積極的かつ戦略的なポートセールスを行うなど、民間会社としての利点を最大限に活用した港湾運営を展開しております。  他方、我が国港湾におきましては、一部埠頭公社コンテナターミナル等運営を行っているほかは、地方公共団体である港湾管理者港湾管理運営業務を一元的に実施しております。
  7. 中原八一

    中原八一君 今お話を承りますと、日本以外の世界の各国の港湾においては、民が積極的に参入をしてコンテナターミナル運営ポートセールス、こういうものを戦略的に担っていると、こういうお話でありました。  かつては、世界の中で神戸港や横浜港など、日本の港のコンテナ取扱数世界でもトップクラスであったと聞いておりますけれども、それが今日、上海港あるいは釜山港のコンテナ取扱量、こういうものがそうしたところに太刀打ちできないほどになっておりまして、我が国港湾国際競争力が非常に厳しい状況に置かれております。それを回復するために国もこれまで御努力をされてきたと思いますが、現状をどのように認識し、また、これまでの我が国の取組についてどのように総括をされているのか、伺いたいと思います。
  8. 林田博

    政府参考人林田博君) お答え申し上げます。  委員指摘のとおり、例えば二〇〇九年の世界港湾コンテナ取扱個数の順位を見ますと、上位二十港に日本の港は入っておりません。東京港が二十六位、横浜港が三十六位、その他の港はそれ以下となってございます。また、日本貨物海外港湾で積み替えられるというような海外トランシップ比率も、推計値ではありますが、全体の約二割程度というふうになってございます。  そういった状況の中で、我が国の主要な港湾におきましては、平成二十二年度までに港湾コストの約三割低減、船が入港をして貨物を引き取るまでの時間でありますリードタイムを一日程度まで短縮を図る目標でございまして、こういった目標について、港湾コストにつきましては平成二十年度までに約二割低減リードタイム短縮につきましてはほぼ実現しつつあるという状況でございます。  しかしながら、近年の船舶大型化の進展、二十四時間フルオープンやITを活用しました港湾手続シングルウインドー化必要性、さらには釜山新港などアジア主要港強化を踏まえますと、基幹航路維持拡大のためには更なる抜本的な競争力強化策が必要と考えております。特に、基幹航路に就航いたします大型コンテナ船は大量のコンテナを輸送しておりますので、広域的な貨物集荷体制の構築が不可欠でございまして、インフラ整備における大胆な選択集中の下、民の視点による港湾運営を戦略的に推進することが必要と考えてございます。こういった点を踏まえまして、今後、更なる選択集中及び港湾運営民営化を大きな柱として政策を推進していきたいと考えてございます。
  9. 中原八一

    中原八一君 民の視点を取り入れる、あるいは選択集中、もちろん大事なことだというふうに思っているんですけれども、今回の法律改正によって民の皆さんが積極的に参入をしてくれること、このことは望ましいことなのかなと思いますが、私も地元港湾関連会社に今回の民営化についてお聞きをしてみました。ところが、この民営化に対する関心が極めて低いように思いました。もちろん不況による物流の減少などで民間にとっては厳しい状況でありますので、もっともな部分もありますけれども、やはり民間利益を上げることが使命であり、民間参入するためには利益を上げる前提条件を明確な形で整備することが必要ではないかと思います。  そのためには、出資比率の問題、施設整備の問題、民間利益を上げるために港湾運営会社に対してどのような支援策を講じようとお考えになっているのか、お伺いしたいと思います。
  10. 林田博

    政府参考人林田博君) お答え申し上げます。  港湾運営会社、今回の民営化会社ではございますが、こういった会社におきましては安定的かつ戦略的な経営が可能となるよう総合的な支援策を講じてまいります。  具体的には、国や港湾管理者の有する岸壁等行政財産でありますが、こういったものを港湾運営会社に貸し付けることによりまして港湾運営会社の長期かつ安定的な経営を可能としてまいります。また、港湾運営会社が行う荷役機械などの整備にかかわる費用の一部に対しまして無利子資金の貸付けを行うことにより、ターミナル機能強化支援してまいります。さらに、港湾運営会社の取得する荷役機械などにかかわる固定資産税あるいは都市計画税減税措置など、税制面におきましても港湾運営会社支援していきたいと考えております。
  11. 中原八一

    中原八一君 今御答弁いただいたような内容をやはり民間皆さんにはっきりした形でお伝えをするということが大事だと思います。本当に今、今回の法律改正によって、これだけ民間企業が苦しんでいる中で民間企業の側にとってはこれは一つ参入のチャンスだというふうにとらえていただけるような形で、これからも積極的な御支援をひとつよろしくお願いしたいと思います。  今回の法律改正によって、民を参入させて民間の知恵そして創意工夫が十分に生かされ、港湾サービスが向上し国際競争力が高まらないのであれば、港湾法改正を行う意義も問われるというふうに私は考えているんですけれども、民の視点を取り込んで目標を立ててこの施策を推進していくという、大臣のひとつ決意をお聞かせ願いたいと思います。
  12. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) 中原議員の御質問お答えを申し上げたいと思います。  ただいま現状について、そしてどう行うのかという詳細については港湾局長の方から御答弁をさせていただきましたが、私なりにこの港湾法改正に当たって様々な視点からいろいろ調べさせていただきました。  私も驚くところでありましたが、かつての日本国アジアにおける海洋国として大変物流拠点でございました。大型船がヨーロッパ、アメリカから入ってきては日本の港で荷を降ろして、そこで小分けをしてアジアの港に運ぶという流れがございました。しかし今日は、先ほどからお話がありましたように、中国あるいは韓国の港に大型船が入って、そこで荷分けをして日本に運び込むという、そのような状況にもなっていたことに私も驚いたわけであります。  そこで、これからどうするかでありますが、その背景は何だったのかということでありますが、まずはコストが高いということと、それから港に船を入れてから荷を降ろすまでの時間といいますか、このリードタイムというものが日本の場合には大変韓国中国に比べて長くなっていると、こういうことから直接中国韓国の港に運び込むという背景がございました。そこで、今御指摘がありましたように、民の視点を入れてこの運営を効率化させて韓国中国の港に肩を並べる、あるいはそれを上回るような形のサービス体制を取ることが必要だろうと、そう考えているところであります。  そういうことから今回この港湾法改正を提示させていただきましたが、私としては、その後背地のもちろん中国韓国経済力というものも背景にあると思いますが、何とかこの日本の未曽有の危機を脱するためにもこの港湾法を通していただいて、港の運営というものを効率化させて、是非とも一つの大きな基盤を築きたいと考えております。  特に目標としては、二〇二〇年ぐらいまでには国際トランシップ貨物、いわゆる日本に持ち込んでアジア小分けをするという、そのような選択をされる港になるように全力を挙げて強化を目指してまいりたいと考えているところであります。
  13. 中原八一

    中原八一君 それから、今回の港湾運営がこれまでの官から民になったときに国益を損なうことがないのか、また社会的な使命を果たせるのかどうか、こうした危惧をする声があります。私もそのようなことがありはしないのかと思って疑問に思っているわけですけれども。  私の身近な例として、かつて新潟西港に北朝鮮の万景峰号入港したときに全国から右翼の街宣車新潟西港に押しかけてまいりました。そのとき港湾管理者である県職員、警察官、港湾管理区域内で入港阻止運動をする人たちを整理、誘導してくれて、あるいは柵も作ってくれて、混乱の防止、抑止に働いて動いてくれました。これは、県が万景峰号入港に反対し、港湾管理者が県だったから私は協力してくれたのだと思います。しかし、これが果たして港湾管理者民間だったらこういうケースの場合どうなるのか、こうした協力をしてくれるのかという疑問が湧いてまいります。  また、民になって今回のような大きな地震が発生したとき、港湾を優先的に利用させて、そして緊急物資をスムーズに運搬できるのかと、こういう疑問も生ずるところでありますが、こうした例から、港湾運営が官から民になって国益を損じてしまう、あるいは社会的な使命を果たせないようなことが起きないのか、伺いたいと思います。
  14. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) ただいま、民間になって先ほどの事例のような形のときに国が支援をするのかということでありますが、港というものの運営民営化民間にお願いするわけでありますが、しかし港の機能というのは大変大事なものでありまして、今回の大震災においても日本海側の港が大変有益な形でバックアップをしていただきました。そういう意味で、今御指摘のような状況になりました場合には、当然公益というものを考えて同じように国が支援をするという姿勢は全く変わらないと考えております。
  15. 中原八一

    中原八一君 今大臣の力強い御答弁を聞きまして少し安心もしたわけでありますけれども、やはり公共的な社会資本である港湾民間運営会社運営を行うようになったとしても、国益を損なうことがないよう、また社会的な使命が果たせるということは極めて大事でありますので、しっかりと対応もしていただき、また今後、国民の皆さんにもこうしたことをしっかりと御説明もするべきだと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  今、日本海側の港というお話がありました。少し地元の話で恐縮なんですが、新潟港北陸地方産業を支える核として大きな役割を担っているわけですけれども、その港湾運営民営化地域独自性を踏まえて進めていく必要があると考えますが、お考え伺いたいと思います。
  16. 三井辨雄

    ○副大臣三井辨雄君) おはようございます。  もちろん先生の御地元でございますし、また先生は特に海に関心をお持ちということもお聞きしております。  今の質問でございますけれども、特に新潟港は、もう先生御存じのとおり背後にはエネルギー基地ですとかあるいは製紙、化学工場飼料工場等もございますし、こういう多様な産業がまさに立地したところでもございますし、北陸地方の住民の生活を支える大事な基盤となっている、役割を支えているということでございます。  いずれにしましても、新潟港港湾運営民営化につきましては、港湾管理者であります、今大臣からも御答弁ございましたけれども、新潟県が中心となって積極的に検討いただいていると聞いております。その中で地域におけます産業、また経済の実情や独自性を踏まえた港湾運営会社の設立が必要かと考えております。
  17. 中原八一

    中原八一君 次に、今回の大地震による港湾被害状況復旧についてお伺いをしたいんですけれども、改めて今回の大地震による港湾被害状況と現在の復旧状況、そして今後の復旧の見通しについて伺いたいと思います。
  18. 林田博

    政府参考人林田博君) お答えを申し上げます。  今回の地震によりまして、例えば宮城県仙台塩釜港におきましてはコンテナターミナル埠頭用地が一メートル以上沈下するとともに、地下に空洞が発生をしたりしております。また、地震に伴う津波によりまして岩手県大船渡港、釜石港の津波防波堤が全壊あるいは大部分が崩壊するなど、青森県から茨城県に至る地域重要港湾十五港のうち青森港を除く十四港において甚大な被害を受け、港湾機能が停止をいたしました。さらに、岩手県から茨城県までの地方港湾十八港につきましても同様に大きな被害を受けております。  現在、これらの重要港湾十五港につきましては一部の岸壁が利用可能となるよう復旧をしております。全体として約三割の岸壁が、入港船舶喫水制限岸壁に載せられる荷重の制限などはありますが、緊急物資などの搬入に利用できる状態となってございます。  被害が甚大かつ広範囲にわたっておりますことから、まだ被害の全容は把握できてございません。現在も被災調査を継続してございます。全面復旧には時間を要すると見込まれますが、被災者生活支援被災地産業復旧復興を推進するため、できるだけ早期港湾施設復旧に努めてまいりたいと考えております。
  19. 中原八一

    中原八一君 非常に被災状況が深刻ということで、まだ調査の方も十分進んでいないようでありますが、被災した港湾施設復旧させていくに当たり、今後の課題、いろいろあると思うんですけれども、そうした課題についてどのように考えているのか、御認識伺いたいと思います。
  20. 林田博

    政府参考人林田博君) お答え申し上げます。  今後の港湾復旧に向けての課題といたしましては、一つは、被災地生活産業早期復旧復興を目指す上で、貨物の需要に応じて、荷主の方々といったような産業界との連携を図りつつ、航路泊地啓開を行った上で、これは航路泊地障害物を取り除くということでございますが、そういったことを行った上で、どの岸壁から本格復旧を進めるかといった問題がございます。  第二に、岸壁の利用に当たりまして、港内静穏度港内が波で荷役ができないような、こういった状態になってはいけませんので、こういった静穏度を確保するために必要不可欠な防波堤などの外郭施設応急復旧をどのように進めるか。  三番目に、台風時期が迫っております。そういった台風に向けた浸水被害防止のために、真に緊急に必要な防潮堤などの応急復旧をいかに迅速に進めるかなどの課題があると認識をしております。  このほかにも、港湾復旧には様々な課題が想定されるところでございます。これらの解決に向けて関係省庁関係業界関係地方公共団体、さらには有識者方々の御意見を幅広く聞きながら検討を進めていきたいと考えております。
  21. 中原八一

    中原八一君 まずは、港湾にある瓦れきの処理を始め、幾つか深刻な課題があるというふうにお答えをいただきました。私もそうした状況を見れば復旧というのは生易しいことではないというふうに認識をいたしておりますが、しかしまた、一日も早く被災した港湾復旧し、港湾機能を回復させ、被災地域皆さんに不足していると言われます軽油やガソリン、食料を始めとする生活関連物資、こういうものを運搬する体制を早く整えていかなければならないと思いますが、今後の復旧に当たり、ひとつ大臣の力強い決意被災地皆さんに届けていただきたいと思うんですけれども、大臣の御決意のほどをひとつお聞かせ願いたいと思います。
  22. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) ただいまいろいろな、広範な観点から御質問を賜りましたが、この港湾役割というのは大変大事であるということを今回の大震災の中でも強く認識を新たにしたところであります。  特に、毎日委員皆さんのところにも情報を提供させていただいておりますけれども、現在、関係各位の御努力によりまして、主に被害を受けた十五の港のうち十五、一〇〇%、岸壁全てではありませんけれども、使用することができるようになったわけであります。テレビ等でも、私の記憶では八戸港だったと思いますが、タンカーが入って資材関係も荷降ろしされたということで、非常に厳しい、苦しい状況でありましたが、明るい話題としてニュース等でも出されました。  したがって、この港をこれからどういう形で対応していくかでありますが、やはり津波に強い港というものを建設すること、これも大変大事だろうと思います。特に防波堤というのがいろいろ、防波堤を越えて津波が押し寄せたわけでありますが、防波堤も一定の役割を私は果たしていたと思いますし、そういう意味では、今回の大震災を受けて地震あるいは津波に強い港を造ると、そしてやはり地域における経済やあるいは人々の暮らしを支える大きな役割を果たすことができるような港として、新たな観点からこの港の復旧復興に向けて努力をしてまいりたいと考えているところであります。
  23. 中原八一

    中原八一君 大臣から御答弁いただきましたように、これからの本格的復旧に当たりましては、津波に強い、地震に強いと、こういう観点でこれから復旧に当たっていかれると思うんですけれども、今後港湾復旧するとき、この被災した港湾をこれまでと同じ強度で、あるいは同じ規模で造るのか、それとも今回と同じ規模巨大地震が来ても防御できるような港湾防波堤を造るのか、大変な議論が必要になってくると思います。また、莫大な財源が必要であることから、財源がネックになってそうしたものを造りたくても議論がぐるぐる回って結論が出ないと、こういうことも十分に考えられるというふうに思います。  そういう意味で、できるだけ早く本格的な復旧作業を行い、復旧を果たしていくというためには、港湾防波堤など、どういう内容と手順で復旧するのか、どういう優先度復旧整備をするのか、町の産業とどう関連させるかなどの、そういうものを盛り込んだ港湾復興ビジョンのようなものが私は必要ではないのかな、こういうふうに考えています。  先ほど御答弁ありましたように、これから有識者皆さんとじっくり御検討されてということになっていくんでしょうし、また、国土交通省皆さんはそれぞれ一つ一つ、仮復旧応急復旧、そして本格的なという地道な活動をされていくんだと思いますけれども、やはり被災地皆さんにとりましては一つのそうしたビジョンを提示して、そうしたことに向かって進んでいくんだ、こういうことを示してあげるべきではないかな、こういうふうに思っていますけれども、こうしたビジョンのようなものを策定するという考え方についてどのように考えられるか、お考えをお聞かせ願いたいと思います。
  24. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) これは非常に大事な視点だと思います。政府の方でも、これから、今までは人命救助を第一にしておりまして、それから二点目には地域方々生活支援という視点、そしてこれから復旧復興という話になってまいりますが、これだけの被害を受けたわけでありますから、単に今委員からの御指摘のように元に戻すという、復旧という観点だけでは不十分であることは明白であります。  したがいまして、これから三井大臣そして池口大臣等々、私ども国土交通省としてもどのような形で復旧するのか、あるいは復興するのか、そういうことを検討してまいりますが、当然ながら町の復旧復興と同時にこの港の復旧復興というのも大変大事であります。したがいまして、今回の大震災の大変厳しい試練といいますか、被害を受けたわけでありますから、これをしっかりと踏まえて、同じような震災に見舞われたとしてもこれだけの大規模被害を出さなくて済むような形での復興策というものを検討していかなければならないと考えております。  これについては、与党、野党というものを問わず各議員の皆さんのお持ちになる見識というのも是非とも踏まえさせていただきまして、より良いものができるように私は努めるべきと考えております。
  25. 中原八一

    中原八一君 時間になりましたので最後になりますけれども、今回の大地震で東北太平洋側の港が被災航路が途絶えました。そのために太平洋側の港に代わって秋田港、新潟港、酒田港など日本海側の港が被災地の燃料や食料の集積基地になりまして、私の地元である新潟港も緊急輸送量の約四割を担いました。  今回の大地震を教訓に、太平洋側が被災したときには今度は日本海側がフォローし、そして日本海側被災した際には太平洋側がそうした役割をフォローするような、被災を受けていない地域が、どこかが我が国物流機能を麻痺させてしまわないようなバックアップ機能、こういうことが必要だと思いますが、お考えをお伺いさせてもらって、質問を終わりたいと思います。
  26. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) 確かに御指摘のように、今回の大震災では新潟港、酒田港、秋田港、大変大きな役割を果たしていただきました。この三つの港を活用させていただき生活物資等を陸揚げしまして、陸路、大変な関係者の皆さんの御尽力で被災地にお届けすることができたわけであります。  そういう意味では日本海側の港というものも大変大事でありまして、この大震災がなければ三月の中旬ぐらいにでも日本海側港湾選択集中といいますか、そういうことを行おうということでこの公募の手続に入ろうとしていたわけでありますが、こういう状況のために公募の手続は延期をさせていただきました。しかし、この状況がおおよそ落ち着きました段階で改めて日本海側拠点港の選定についての検討を進めさせていただきたいと思います。  なお、この震災のときにいわゆる家畜用の飼料というものが、先ほどお話ありましたように、日本海側の港から大変陸揚げすることができまして、東北地方のあるいは日本全体の様々な形での家畜の飼料として有効に利用させていただきました。大変関係者の皆さんには感謝を申し上げます。  以上です。
  27. 中原八一

    中原八一君 ありがとうございました。
  28. 白浜一良

    ○白浜一良君 公明党の白浜一良でございます。  まず、法案に関連いたしまして何点か御質問をしたいと思いますが、先ほどの質疑でもございましたが、日本の主要港取扱量がどんどんランキングが下がっているわけで、もっと集中させなきゃならないということで、例えば、二〇〇四年ですか、スーパー中枢港湾構想がございまして、このときにいわゆるコストを三割下げようという目標がございました。これは二割ぐらいまでできたと一応なっているわけでございます。また、リードタイムも一日でということで、ほぼ実現したというふうに総括を聞いています。聞いていますが、しかしながら、依然として釜山とか上海とか、もういわゆる集中して日本の港に余り来ないと、こういう実態が続いているわけで、それで今回の法改正もあるんでしょうが、なぜ駄目なんですか。どういうふうに総括されているんですか。
  29. 林田博

    政府参考人林田博君) ただいまの委員の御指摘のとおり、スーパー中枢港湾政策ということで、港湾コスト低減あるいはリードタイム短縮ということを実行してまいりました。これは今委員も御指摘のとおり、一定程度の成果は出てございます。  ところが、一方では、例えば韓国におきましては釜山新港というような新たな港を開発をいたしまして、こういった港では更なるコスト低減あるいはリードタイム短縮といったことを行っております。また、大型のコンテナ船が基幹航路、これは北米、欧州の航路でございますが、こういうところに就航してくるということで、これは一つの船で大量の貨物を扱うということがございまして、そういった環境の変化ということもございます。  こういった状況を踏まえまして、国際戦略港湾におきましては、十六メートル以上の水深を有するいわゆる高規格コンテナターミナルといったものの整備に加えまして、広域からの貨物の集荷体制強化あるいは二十四時間ゲートオープンなどのサービス向上等、ハード、ソフト両面の総合的な施策を実施していくことが重要と考えております。  特に基幹航路に就航いたします大型コンテナ船は、先ほど申し上げましたとおり、一度の寄港で大量のコンテナの積卸しを行うことになります。こういったことから、広域的な集荷体制、この体制そのものの構築が不可欠でございまして、内航海運でありますとか鉄道といったような貨物のフィーダー機能、これは貨物を集め、あるいはまた配るといった機能でございますが、こういった機能強化のための支援事業、あるいは港湾運営会社という今回の法律で想定をしております民間運営会社による国内の荷主の方々に対する広域的なポートセールスといった、こういった施策を強力に進めていきたいと考えております。
  30. 白浜一良

    ○白浜一良君 今局長答弁されたけれども、それは大事な視点があるんですよ。  今までどちらかといいますと、港湾局はバースを造ることに主眼を置かれていて、局長今述べましたようにソフト面も含めた改善しないと、やっぱり流通コストを下げるためには、だんだん大型になって、それでもう拠点港に着けて、そこから分散して小さな船で運ぶという、そういうシステムになってきているわけですね。そういう面でいうと、日本のトランシップ率、海外の見たら、どんどん日本比率は増えているわけですよ。釜山へ降ろして、そこから小口に分けて日本の地方の港へ持ってきた方がコストが安いと。ここをどう改善するかということが大事なんですから。  そういう意味で、今までバース造りに重点を置かれたことを発想を変えるべきだということに関しまして、二つだけ御意見を申し上げたいと思う。  一つは、先ほど局長がおっしゃったように、やっぱり二十四時間使えると。世界はもう朝のところもあれば夜のところもある、世界中動いているわけでございますから、これはやっぱりやっていかなきゃならないということで、まあいろんなネックはあるでしょう。  私聞きましたら、これ大臣、御存じかどうか知りませんけれども、入港して、荷役して、検疫して、税関して、ゲートから出ていって荷主に行くと、こういう流れがあるわけですね。私がいただいた資料でいいますと、入港から荷役までは二十四時間は可能だと。ところが検疫で、これはもう時間制限されて検疫通れない。それから、税関も二十四時間行けるけれども、ゲートが閉まってしまって出れない。このいわゆる検疫とゲートがネックになっているんですね、これ、二十四時間。  しょっちゅう二十四時間開けているのはそれは大変でしょう。世界の港を見ましても、二十四時間フルオープンというのは確かにそれは少ない。だけれども、ニーズがあれば開けますよという、そういう港が多いんですよ。少なくともそこまでやるべきじゃないですか、これ。だから所管の農水省とか厚労省とか、そういうところと大臣、掛け合うべきじゃないですか。こんなもの世界で競争負けますよ、こんなことじゃ、ということをまず申し上げたい。
  31. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) ただいま白浜議員から、非常に日本の港のウイークポイントというものを明確に御指摘いただいたと思います。  私も、十五年ほど前シンガポールに行きまして、もうシンガポールの港に来る十五キロ圏ぐらいでしょうか、もう船は全部コンピューターでつかまえておりまして、どの船が何時に入る、そしてそれをどういう形で荷揚げする、そしてそれをどういう形でシンガポールの市内に運ぶと、これは全部システム化されていまして、もちろん無人化されているわけでありまして、二十四時間でございました。これがおおよそ十五年前であります。日本の港はどうかといったら、今御指摘のように、二十四時間化というのは当然これから考えていかなければなりませんが、ソフトのところ、荷揚げしてから手続等が非常に煩雑だろうと思います。  したがいまして、これからの港の考え方は、巨大船、巨大タンカーといいますか、それにまだ追い付いていないのも実態でありまして、その巨大な船をどう着けるか、そしてそれをどう荷揚げするか、そしてそれをどういう形で検疫をして荷主の方にお渡しするかと、そこまで含めた形で抜本的にハードとソフトの両方を見直さなければいけないと、そう考えております。
  32. 白浜一良

    ○白浜一良君 いや、だから農水大臣とか厚労大臣と掛け合ったらどうですかということを私は言っているんですよ。
  33. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) これについては、是非とも関係大臣と話をさせていただきたいと思います。
  34. 白浜一良

    ○白浜一良君 もう一つの御提案したい点は、どうしても港湾局は港だけですね、整備されるわけでございますが。先ほども、これも局長言っていましたが、そこから先のネットワークが大事なんですね、物流関係。だから道路で運ぶという、そういうネットワークも必要でしょう。それから、日本拠点港から小さな船で分けて国内航路のラインをつくることもあるでしょう。  そういう全体の整備しないと、何ぼ、一つ造ったってそういうネットワークがなければここに来ませんよ、そこからの荷さばきが大事なわけで、そういうことが大事じゃないかということを申し上げたいわけで。これも国交省だけでできないかも分かりませんけれども、主としてこれは国交省の所管なので、道路にしても内航ラインにしても、これは一体、今回、国際戦略港を指定されたら一体した整備をするというふうに考えていいですか。
  35. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) 今回、港湾法改正させていただく提案をさせていただいていますが、当然ながら、港湾、港だけをすればいいというのじゃなくて、全体的に広範な範囲で総見直しをして、白浜議員からの御指摘にこたえるような形での体制をつくるように努力をしたいと思います。
  36. 白浜一良

    ○白浜一良君 今日は二十分しか時間ないので、あと、想像を絶する大震災、大惨事が起こったわけで、少し復旧復興の、関連したちょっと質問をしたいと思いますが。  港湾局長来ていただいているので、これ通告しているかどうか分かりませんが、今朝の新聞で、素案でしょうが、いわゆる復旧復興考え方というのが新聞報道されておりますが、いわゆる地方の持っている、公社が持っている港も、要するにこれも国が補助をするというような考えが示されていましたけれども、これは当然前向きに考えられるんでしょうね。
  37. 林田博

    政府参考人林田博君) お答え申し上げます。  委員指摘のとおり、実は阪神・淡路の震災のときに、神戸港の埠頭公社が保有をし運営をしておりました岸壁被災をいたしました。このときにも、国あるいは神戸市さんも一部負担はされておりますけれども、しっかりとそういった公共の主体が積極的に関与をし、具体的には財政支援を行ったわけですけれども、復旧復興を行っております。  今回の震災でも、そういった施設が、様々な主体が保有をする岸壁ですとか荷役機械ですとか、そういったものが被災をしております。そういった被災をした施設を早急に復旧復興するということが地域生活あるいは産業そのもの、そういったものを復旧復興する、再建するということにつながるというふうに考えております。  具体的にどういった施設をどういう形で支援をしていくのか、復旧復興支援をしていくのかということについては、これも早急に内容を詰めまして、具体的な措置を図っていくということを考えたいというふうに思っております。
  38. 白浜一良

    ○白浜一良君 もう長々と説明してくれぬでも結論だけ言ってくれたらいいんですわ。要するに、この公社の持っている港も国が補助すると、そういう結論だけ言ってくれたらいいんですよ。大臣、どうですか、これ。
  39. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) 基本的にはそのような考え方で臨むということで私はやっていきたいと考えております。
  40. 白浜一良

    ○白浜一良君 それでいいわけでございます。  それで、これちょっと港湾関係なくて、今日は住宅局長が来ていただいていますので、ちょっと住宅に関連して伺いたいと思いますが。  これ、阪神・淡路のときも仮設住宅、今各県から三万余りの要望出ていますが、七か月掛かったんですね。これ、今回の場合はどのぐらいのめどを持っていらっしゃいますか。
  41. 川本正一郎

    政府参考人川本正一郎君) 御指摘のとおり、今被災各県からの要請戸数が三万三千戸余りでございます。これに対する供給ということで、国土交通大臣の方から二か月でおおむね三万戸ということで業界の方に要請をしましてスタートしておりますけれども、最終的に必要な戸数は恐らく阪神・淡路大震災のときを超えるんだと思っております。  阪神・淡路大震災のときには被災箇所が比較的限られていたこともあって、避難民なんかに対するアンケート調査なんかも割とスムーズにいきまして、ある程度の戸数というのも早めにはじけたんですが、今回の場合は被災地も非常に広くて現地自体もまだ混乱が続いているということもあって、必ずしも全体の戸数ははっきりしておりません。  ただ、今の様子で申しますと、阪神・淡路を超えるということであれば、おおむね二か月の三万戸という現在の供給のペースというものをその後も続けて、阪神・淡路四万八千戸造りましたからそれを上回る戸数の供給が必要になると思っておりまして、そういう準備を今進めているところでございます。
  42. 白浜一良

    ○白浜一良君 早いにこしたことはないわけで、督促していただきたいと思いますが。  それで、大臣、これは所管じゃないと思いますけれども、阪神・淡路の反省点があるんですね。要するに、抽せんで決めて順番に決めていったからコミュニティーが壊れているんですね。孤独死という問題、特に高齢者の方が何の人脈もないところでぽつっと入って孤独死が多かったとも言われているわけで、今回の場合はそういうコミュニティーを大事にしながら入居すべきだと、これは総務大臣の所管かどうか分かりませんけれども。これは地方自治体がそういうやっぱり基準にするようにというような申入れを私、された方がいいと思うんです。一番、仮設住宅造った経験としてこういう事例があるわけでございますから、まずそういうふうな申入れしていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  43. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) 私が津波地震等で被災して避難所に入るということを考えた場合に、どういう形で生活の再建を図るかというと、やっぱりコミュニティーの中で生活の再建を図りたいというのは当然でありますから、今御指摘のように、阪神・淡路のときの反省を踏まえて、そのような形で総務大臣の方にきちっと話をしたいと思います。
  44. 白浜一良

    ○白浜一良君 よろしくお願いしたいと思います。  それから、その次が住宅をどうするかということで、財力があって自分の力でおうちを建てられる方はいいんですけれども、そうでない方はやっぱり補助する以外ないわけでございまして、阪神・淡路の場合は、まあいわゆる復興住宅ですね、公営住宅を建てられた。これは当然考えていらっしゃるんでしょうね。
  45. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) まずは、今仮設住宅のところを一生懸命手当てをしているところですが、その次の段階にはそのようなことを当然ながら考えなければいけないと思います。
  46. 白浜一良

    ○白浜一良君 これも今日の新聞、朝刊見ていまして書かれていたんですが、いわゆるマンションなんかの共同住宅の場合、これは要件を緩和して、みんなで再建しやすいようにするという、そういうことも考えていらっしゃるというふうに新聞に書かれていたんですが、そういうことなんですかね。
  47. 川本正一郎

    政府参考人川本正一郎君) 住宅の自立再建を促進する、促すということで、検討すべきテーマの一つであるというふうに認識しております。
  48. 白浜一良

    ○白浜一良君 今日はこのぐらいしか言えないんでしょうけれども、大臣、どんどんこの復興復旧の中身を詰めていっていただきたいと思うわけでございます。  それで、私、大阪なんですけれども、もう建材がないんですよ、建築資材が、大阪でも。当然、いわゆる避難民の方はたくさんいらっしゃいますから、仮設住宅も急いで造らなあきません。資材が被災地集中するというのはいいんですが、それ以上のことがあるのかも分かりません。  ですから、その辺の建築資材のどうなっているかという目配りというか、足らない場合は緊急でも輸入するというぐらいの先手先手を打っていただかないと、今の市場は少し非常にひずんでいますよ。特に、小口のいわゆる住宅建設会社の場合は、もう順繰り順繰り売って資金を回しているわけですから、もう建つのが遅くなってしまうと、もうそれだけで大阪なんかでもやっぱり厳しい、そういう業者の方もいらっしゃるわけでございますから。その辺、この建築資材のいわゆる、どうなっているかということもきちっと管理していただいて、適切に資材が回るようにしていただきたい、このように思いますが、いかがですか。
  49. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) 御指摘の点は、いろいろとその話も来ております。したがいまして、状況をよく調査すると同時に、売り惜しみとかそういうことを考えている、もしも、人がいるとすれば、私はとても許せないものでありますから、きちっと対応したいと思いますし、それから、今不足すれば海外から輸入すればいいんじゃないかという御指摘がありました。私どももそれは考えておりまして、アメリカ等々も含めて、その資材の不足分があるから仮設住宅の建設が遅れるということがないように対処してまいりたいと思います。
  50. 白浜一良

    ○白浜一良君 もう時間がございませんので、最後に。  これは、今回の場合はもう本当に大きな津波で、もう住宅を建てるとか商売を始めるとかいうんじゃなしに、もう町づくり全体でやらなきゃならないという、大きないわゆる支援のプログラムが要ると思うんですが、そういう面でいいますと、今までは例えば七メーターぐらいまでの津波を前提としたいわゆる防潮堤というんですかね、防波堤いうんですかね、そういうものを造ったけれども、それを絶するそういう津波が来たわけでございますね。  ですから、いわゆる防波堤をもっと強化するという考え方もあるでしょうけれども、しかし逆に、もうやっぱりそういう津波に遭いやすいところは公園か何かにして、町そのものを違うところに造ってしまうという、こういうことも考えられると思うわけでございまして、そういう意味で最後に、津波災害防止法と、いわゆる土砂災害防止法というのがあるわけでございますが、津波災害防止法というようなもっと幅広の法律をお考えになってはどうかということを御提案申し上げて、御意見を伺って質問を終わりたいと思います。
  51. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) ただいまの御指摘でありますが、確かに土砂災害防止法というものがございます。これは山といいますか、山崩れとかそういうものに対するものでありますが、津波に対してどうするかということの視点はありませんので、当然御指摘を踏まえて、そのような考え方も検討することが必要だと思います。
  52. 白浜一良

    ○白浜一良君 終わります。
  53. 上野ひろし

    上野ひろし君 上野ひろしでございます。  まず、港湾法及び特定外貿埠頭管理運営に関する法律の一部を改正する法律案について何点かお伺いをしたいと思います。  まず、近年、先ほど来御指摘がありますけれども、例えばコンテナ取扱貨物量の推移などを見ると、我が国港湾の位置付けというのはだんだん低下をしてきているということでございました。特に、アジアの中でも、例えば釜山、高雄、シンガポールといったところに比べて、日本の港、東京ですとか横浜、神戸、そういったところの取扱量が近年少なくなってきているということでございます。  これは、数字のとらえ方というのはいろいろあると思います。先ほどもお話ありましたけれども、例えば日本経済力中国経済力、その国の経済力の推移によって随分取扱量というのは左右をされる面もあると思います。一方で、日本の港の国際競争力というのがだんだんに下がってきているというのも、これもまた事実ではないかと思います。  今回の法律改正で、例えば港湾運営民営化する、また港湾工事に対する資金的な手当てを行われるということでありますけれども、こういう内容が実施をされることで、先ほど挙げたような東アジアの主要港との関係で本当に日本の主要な港湾が競争力を回復できるのかといった点について、認識をお伺いをしたいと思います。
  54. 三井辨雄

    ○副大臣三井辨雄君) お答えさせていただきます。  先ほど来、御意見賜っているところでございますけれども、いずれにしましても、選択集中、それから港湾運営の、民営化することによって国家戦略として国際競争力強化を進めてまいりたいということを私たちは申し上げたいところでございます。  具体的には、国際戦略港湾におきます水深十六メートル以上の大型のコンテナターミナルの係留施設、あるいは直轄港湾工事の国費の負担率を引き上げるとともに、附帯するコンテナヤードを直轄港湾工事の対象に追加してまいりたいと思っております。また、国際戦略港湾国際拠点港湾におきまして、港湾運営を一体化に担う港湾運営会社制度を導入して、運営の効率化を図ることといたしたいと思っております。  いずれにしましても、先ほどからお話出ておりますように、総合的な港湾国際競争力に打って勝つようなことを図っていきたいと、こういうように考えております。
  55. 上野ひろし

    上野ひろし君 ありがとうございます。  今、改正内容、施策の内容を御説明いただきました。重要なのは、それを踏まえて最終的に、結果として日本港湾国際競争力が上がるということだと思います。きちんと国土交通省としても把握をされて、適切に対応いただきたいと思います。  次に、港湾国際競争力強化というのは我が国経済にとって本当に大事なことであると、先ほど来議論があるとおりでございます。今話がありましたように、今回の法律改正港湾自体の競争力を高めるという施策を実施される、それによって外国から多くの貨物が集まるような港にしていくということでございますけれども、重要なのはそこから先なのではないかと思います。  先ほど白浜委員からも御指摘がありました。例えば東京、横浜、神戸といった港に貨物が集まった後に、この港からその先に連なっていく内航海運に対する対応、また港湾と道路の接続、そしてその先の道路のネットワークといった点に配慮して日本物流全体を良くしていく、港に来た貨物がスムーズに、例えば工業生産拠点、それから消費地に届けられるようにするということが大事なのではないかと思います。  さらに、そういった日本全体として物流の効率化、物流が円滑に回っていくというふうにすることが港自体の国際競争力をまた上げていくということになるんだと思います。  こういった取組の必要性について大臣認識をお伺いするとともに、今後、具体的にどういうことをやっていくのかということを併せてお伺いしたいと思います。
  56. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) 上野議員の御質問お答えを申し上げたいと思います。  先ほど白浜議員にも申し上げたところでありますが、一言で言いますと、いつの間にか日本の港の魅力というのが国際的に低下してしまった、これは決して日本の港が劣化したわけではないんですが、相対的に低下してしまったと。私たちは、改めて世界経済の流れ、あるいは造船技術が進んだために巨大な船を造るという状況になったという事実関係をしっかりと踏まえて対応しなければならないという環境を認識したところであります。  そういう意味で、特に御指摘の点につきましては、単なる港だけのソフト、ハードだけでなく、その周辺、そのつながるところの対応についても含めて今回検討をして対処しなければならないということを認識しながら頑張っていきたいと思います。
  57. 上野ひろし

    上野ひろし君 ありがとうございます。  港自体、それから内航海運についても、鉄道、道路についても国土交通省の所管であります。全体として日本物流が強くなるように、そして、またその結果として日本の港の国際競争力も高まる、そういう方向で是非努力をしていただきたいと思います。  続いて、今回の震災の関係で何点かお伺いをしたいと思います。  今回の震災では、従来と違った津波による被害というのが随分大きく取り上げられているということかと思います。一方で、宮城県の北部だと思いますけれども、最大震度七ということで、地震自体によって住宅が倒壊をしたりするというケースも随分多かったのではないかと思います。前回申し上げましたけれども、全壊、半壊が二万戸以上という本当に大変な状況でございます。  加えて、現在そういった状況、全壊、半壊といったところにまで陥っていない住宅や建築物であっても、地震の影響で非常に危険な状態にあるものというのは実はたくさんあるのではないかと思っています。これは特に被害が大きかった岩手、宮城、福島の三県に限らず、例えば茨城それから栃木、千葉、群馬などについては、それぞれ各県の中で一万戸以上の建築物の一部破損というのが生じているという状況でございます。  是非、建物の危険度判定というのを綿密に行っていただきたい。そういう必要があると思いますし、たまたま倒壊という状況に至っていないものであっても、本当に危険なものというのはたくさんあると思います。そういうところには当然住めないわけですから、きちんと建て替えであったり、補修・改修といったところを国の方で支援をしていくという考え方が必要なのではないかと思うんですけれども、御見解をお伺いいたします。
  58. 池口修次

    ○副大臣池口修次君) お答えをしたいと思います。  まず、危険度判定の件ですが、危険度判定というのは、余震などが続いておりますので、一部危険な家にいますと余震で二次災害が起きるということが懸念がされますので、地震発生直後からこの判定はやっております。  現段階、三月三十日の段階でいいますと、十都県百二十三市町村において計七万一千五百八十一件の危険度判定を実施をしました。その中で、判定の内容を言いますと危険とみなされるものが八千五百三十八件ですから、一割強でございます。要注意というのが一万五千九百五十一件ということですから、二割弱。合わせると三割程度が危険若しくは要注意ということになっております。これは津波で流失した家は当然のことながら入っておりませんので、家屋ということでいえば相当数、これの二倍、三倍の家が対象になってくるというふうに思っております。  次に、国としての支援でございますけれども、まず、補修に関する無料診断・相談というのを、本日から順次無料で相談をすると。まず、電話でやりながらとか、現地でやりながらということをやり始めております。  その上で、どういう支援があるかということですけれども、一つには住宅金融支援機構における災害復興住宅融資というのがあります。これは金利でいうとちなみに一・七八%でございます。それの次に、被災者生活再建支援法という、これは内閣府が持っている法律でございますけれども、この支援制度で、上限三百万という支援制度があります。それと、災害救助法という法律がありまして、これは厚労省が持っている法律ですけれども、これで応急修理をするという場合に最大五十二万円という支援の方法があります。  様々な支援をしながら、これから住宅を再建をしていく人に対して国交省としても最大限の支援をしていきたいというふうに思っております。
  59. 上野ひろし

    上野ひろし君 是非、住宅の安全の確保、大変重要な問題であります。また、これから建て替え、補修・改修、大変なニーズがあると思いますので、きちんとした支援をお願いしたいと思います。  次に、復旧それから復興の在り方ということで一点お伺いしたいと思います。  震災後、私も実際に被災地に行ってまいりました。具体的には福島県、特に相馬市、南相馬市でありますけれども、海岸沿いを見て歩くと本当に大変な被害状況でありまして、これまで住宅があったところ、例えば千八百戸あったところがもう全部流されてしまっている。安否確認ができたのは五百人だけだというところもございました。特にそういうところについて言いますと、もう地形も変わってしまっている。住宅がずっとあったところが地盤沈下をしてしまっていて、全く海になってしまっているというところもございます。また、表面が津波に完全にさらわれてしまっていて、どこからどこまでが誰の所有なのかというのが全く分からなくなっているというところもございます。また、残念ながら亡くなられた方がたくさんいらっしゃいますし、まだ、今、現時点でも行方不明の方はたくさんいらっしゃる。土地の所有の関係というのが本当に複雑な状況になっているということではないかと思います。  現地はこういう様子でありますので、今回の震災の復旧それから復興に当たっては、単純に家が倒れた、そこに新しい家を建て直すというような簡単な状況ではないのではないかと思っています。まず、町自体をどういうふうに再建するのかというプラン、市街地の再生ビジョンのようなものというのをまず策定した上で、そういう計画に従って計画的に復旧・復興を図っていくということが特に今回のような災害の場合には必要なのではないかと思っています。  是非大臣の見解をお伺いしたいということと、また、こういう町の再建、復旧・復興に当たってどういう視点が必要なのかといったことに関する大臣の御認識、お考えを併せて伺いたいと思います。
  60. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) これまで、先ほどから申し上げてまいりましたが、人命救助、要するに人の命を守るという視点で一生懸命対処してまいりました。それから、生活を支えるという意味で水、食料の供給、生活支援の物資の供給というものに力を注いでまいりました。今御指摘のようにこれからどのような形で復旧復興を行うのかという段階に入りました。  私は、ニュースといいますか、現地の避難所の子供さんが小学校を卒業した、あるいは幼稚園を卒業した、将来何になりたいですか、お医者さんになってみんなの健康を守っていきたいというようなお話も聞きましたが、そういう地域方々がこれからの自分の生きる道筋というものをしっかりと見出すことができるような形の復興を遂げなければならないと考えております。  そういう意味では、先ほどからいろいろと御論議を賜りましたけれども、災害、いわゆる地震あるいは津波に強い町づくりというものを、私たち国だけでなく、地域の人々が自らの手でこういう町をつくろう、そういう機運をしっかりと私たちが受け止めて、それをどうバックアップできるのか。当然、国としての大きな道筋を示すことが必要でありますが、その地域方々あるいは自治体の首長さんや議会のお話伺いながら、それを国が全面的にバックアップしていく、そういう姿勢でこの復興というものを遂げなければならないと考えております。  国土交通省としても、三井大臣池口大臣を始めとして、みんなで力を合わせてそのような復興の道筋ができるように取り組んでまいりたいと考えております。
  61. 上野ひろし

    上野ひろし君 ありがとうございます。  先ほど申し上げました、もう現地では自分が元々持っていた土地も海の中に沈んでいるという状態でもあります。元に戻す、復旧ということがなかなか難しいというのが今回の大災害の状況なのではないかと思います。是非、新しい町づくりをしていくという観点で復興していただきたい、きちんとした理念の下に計画的な町づくり、町の再生を図っていただきたいと思います。  以上で私の質問を終わります。
  62. 藤井孝男

    ○藤井孝男君 今日は港湾法改正ということでありますからいろいろお聞きしたかったんですが、もう既に各党から、私が質問しようとしたことをもう既に質問されていることもありますので、ちょっと角度を変えて質問するかもしれませんが、お許しいただきたいと思います。  先ほど大臣答弁の中に、自民党さんからの質問の中で、特に日本海側拠点づくりについてということで、特に検討委員会をずっと設立して、本来であれば五月ぐらいには公募を始めて七月ぐらいには拠点港をどうするか、日本海側の、こういう話でしたね。  私、それは非常に大事なことだと思うんですよ。今回、震災が起きたから日本海側の港が非常に活躍した、それは大変有り難かったことだと思いますけれども、この法律の中心というのは要するに海外との競争力アップということですから、これは今回、京浜地区と阪神地区だけですよね。そうすると、やっぱり日本海側拠点、特に大陸とのいろんな貿易、交易、そして特に新潟とすればそこからの高速道路ネットワーク、新幹線、鉄道網というのが充実しているという、そういったことを考えて、やはりただバランスを取れということじゃなくて、日本の全体的な、海洋国家ですから、そういう意味では私は日本海側の国際拠点港というものをしっかり充実させていただきたいと、こう思いますけれども、その点について御意見があればお願いいたしたいと思います。
  63. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) 太平洋岸は太平洋岸としながらも、日本海側の港のいわゆる選択集中というものをどう扱うのかと、こういうことでありますが、御指摘のように検討委員会というものを立ち上げて、先生から五月云々というお話がありましたが、実は三月中旬ぐらいに公募の予定でございましたけれども、これがこういう状況ですから一時凍結をして延期をしておりますけれども、いずれにしても、日本海側選択集中という形で国際競争下における魅力ある港を造るということを念頭に置きながら取り組んでいきたいと考えているところであります。
  64. 藤井孝男

    ○藤井孝男君 そこで、先ほど白浜委員からも指摘がありましたけれども、なぜ競争力がなくなったのか、相対的に日本の港の評価の低下といいますか、そういうふうになってきたのかといろいろ御指摘がありました。確かに二十四時間操業の問題、あるいはコストの問題、リードタイムの問題とか、あとはコンテナの問題、それから喫水ですね、やっぱりもう世界のこうした拠点港というのは喫水が十六メーター以上といいますか、日本は十六メーター以上の喫水のある、接舷できるバースというのが非常に遅れているということもあり、いろんな要素が絡まって日本の競争力が国際競争力を失ったということはあると思います。  それからもう一つは、これはある面では我々政治の方の責任もあると思うんですよ。結局、日本は戦後、欧米に追い付け、追い越せということで頑張ってきました。そういう意味では鉄鋼、製鉄所なんかは、アメリカなんかは内陸部にあるのを日本はいち早くそれはコストダウンを図るために港に製鉄所を造って、それが功を奏して、あるいは造船もそうです。技術の高さももちろんありますけれども、そういったことを中心に港が充実し、整備され、そして輸出がどんどん伸びる、そういうことで繁栄してきたんですね。ところが、それが総花的になってしまって、結局中心的に、世の中の仕組みが変わってきて、そういったところに気が付かずにわあっとして広く薄く何か予算配分をしていったために全体的に何か沈んでいってしまったという。そういう意味では、我々政治のやってきたこと、予算配分について良かったのかといえば、我々にも責任があるんじゃないかなとは思います。  そこで、今回はこうした大変な災害ということが起きまして、さらにそういう意味では今度の国際拠点港というのは非常に大事になると思っております。先ほど来お話がありましたように、私、昨日も質問いたしましたけれども、やっぱり復旧というのは単なる町を復旧する、復興するというんじゃなくて、全体的な大きなスケールメリットは何であるかということを考えながら復旧復興をやっていかないと、ただ単に人が戻ってきてまたふるさとに住めるようになったということではなくて、やはり天災はもちろんでありますけれども、それに加えて、日本のせっかく復旧復興をするならば、これが日本の東北の、あるいは日本全体の国際競争力、そういったことに向けての観点からのやはりプランというものを是非つくっていただきたいと思いますが、その点について大臣、また御意見があればお聞きいたしたいと思います。
  65. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) 御指摘の点でございますが、大変残念なことに関東、東北地域が大変な被害を受けたわけであります。御指摘のように、ただ単に元に戻せばいいということではないと。逆に言いますと、これから大変な予算を投入しまして復旧復興をするわけでありますから、これからの時代において東北、この被災を受けた地域がまさに基盤強化して新たな町づくり、あるいは新たな拠点づくり、そういう意味で国際的にも魅力ある経済都市というものをつくることが必要だと思います。  そういうことから、様々な形で今復旧復興にはどう臨むのかと、こういう御議論をいただいているわけでありますが、当委員会におきましても、これはまさに国づくりでありますから、国土交通委員会としても是非先生の御見識等を踏まえさせていただいて、そのような未来に通ずる復興を遂げる、そういう道筋をつくるように私は努力していきたいと考えております。
  66. 藤井孝男

    ○藤井孝男君 是非頑張っていただきたいと思います。  そこで、港湾局長、ちょっとお伺いしますが、今度の法案、国際競争力を付ける、そして民間の力を借りる、あるいは知恵を借りるということで民営化を進めていくということですが、私はかつて郵政民営化に反対してきた一人なんですけれども、民営化ということについて私はこの今回の法案については賛成であります。  ところが、ある面では、これを民営化すれば何か競争力が付いて港の運営がうまくいくということではなく、やっぱりこれまでのいわゆるこの業務に携わってきた方々との調整、ここはやはりよく配慮していきませんと、ただ単なるあつれきだけ生んで、結果的にはお互いに壁だけができて、結果的には運営がうまくいかなくなるという危険性もありますから、その点についてどういうふうに配慮されているか、局長の御意見をいただきたいと思います。
  67. 林田博

    政府参考人林田博君) お答え申し上げます。  委員指摘のとおり、今回の法案に盛り込ませていただきました港湾運営会社の具体的な業務の在り方ということにつきましては、実は法案作成段階から地元港湾管理者あるいは船会社さん、あるいはまた港湾運送の荷役をやっていらっしゃる方々、こういった方々とも様々なレベルで意見交換を行っております。  委員指摘のとおり、今回の港湾運営会社といいますのは、公設民営と私ども呼んでおりますけれども、国あるいは港湾管理者が持っております岸壁、埠頭といったものを貸付けをさせていただいて、そういった岸壁埠頭用地の上で言わば運営を行っていただくということを考えております。  そういう意味では、国、地方公共団体たる港湾管理者との連携もこれまで以上に緊密に行っていく必要がございますし、船会社あるいは荷主の方々とも外国の港との競争に打ち勝っていくという観点から効率化を図っていく、あるいは貨物取扱いの品質といったものもしっかり確保していくということが必要だというふうに思っております。これは運営会社ができ上がりましても、それぞれの港で今申し上げましたような関係方々に集まっていただいて、港湾国際競争力強化するのにどうすればいいかということをこれまで以上に緊密に協力をしていきたいというふうに考えております。
  68. 藤井孝男

    ○藤井孝男君 どうかお互いの、今まで主体的に地方自治体がこの管理者として中心で動いておる、それと国との関係。それから、今度新しい運営会社ができるわけですから、そうすると、それまで従事した労働者の皆さん方もあるいは経営する側もそういった点十分、今局長、丁寧に答えていただきましたけれども、是非その点を配意しながら頑張っていただきたいと思います。  最後になりますけれども、震災がありました。大臣、非常に、先ほど報告と申しましょうか状況について答弁ありましたけれども、これ、十五港のうち全て使えるというわけじゃなくても、一部でもこうした物資を被災地に運ぶように努力されたというのは、大変私はこの点については敬意を表しております。  ただ、お話ありましたように、例えばタンカーが着いて、要するに燃料は運んだけれども、そこから荷揚げがうまくいかなかったとかという話もちょっと聞くものですから、その点について、やはりせっかくタンカーがガソリンなりあるいは軽油なり灯油なり、そういったものを港へ着けたのに、そこからの荷揚げとか、そこから被災地への物流、物資の輸送とかということについてどのような状況、どんなふうになっているのか、その点についてお伺いできればと思っております。
  69. 林田博

    政府参考人林田博君) お答え申し上げます。  委員指摘のとおり、十五の港、元々青森港は使える状態にあったわけでございますけれども、それ以外の十四港で一部の岸壁が使えるような状態になりました。  ただ、今御指摘がありましたとおり、喫水制限という水深の制限が残っていたり、あるいは陸上部も埠頭用地が沈下をしていて重いものは載せられないというようなこともあったり、様々な実は障害が残っております。陸上との接続の部分、これはかなり実際に使える状態になってきておりますけれども、まだまだ細部というか部分部分は障害が残っているところがございます。  こういった海から陸につなぐ全てのチャンネルといいましょうか、ルート、これは一体的に早期復旧するということが必要だと思っておりまして、それぞれの港におきましても、一部使えるような状態になった岸壁以外の岸壁についても、早く使える状態にしてくれというような御要請、御要望もいただいております。  そういう意味で、私どもこういった緊急物資に加えて、従来、生活産業を支えているようなそういう物資がしっかりと輸送できるような、そういうような復旧復興というものを進めていきたいというふうに考えております。
  70. 藤井孝男

    ○藤井孝男君 ここに私、手元に今の写真を入手したんですけれども、まさに各港、大変な災害になっておりますね。  そして、この港湾法は今、先ほどずっと皆さん方からも質問ありましたように、何とか国際競争力ということでありますけれども、一方ではこれは農水省あるいは水産庁、ここの港、ほとんど漁港との共有といいますか、漁港もやっぱり大変な被害を受けて、いかに漁業をどうやって再生させるかという問題もありますから、そういう意味においても、それは農水省、水産庁の管轄だということではなくて、やはり国土交通省もまさにそれも逆にイニシアチブを取って協力して、各港がいわゆる物資の、あるいは国際競争力としての自立と同時に、やっぱり沿岸のすばらしい漁業がまた再生できるように是非努力していただくことを期待いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  71. 吉田忠智

    吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智でございます。  港湾関係で働く労働者は、法改正による港湾経営民営化や規制緩和により、コスト削減、価格競争が進み、港湾関係の労働者の賃下げや、長時間労働による安全衛生水準の低下など、自らの労働条件の劣悪化につながるのではないかと大変懸念をされておられます。法案ではこうした懸念にどのように配慮されるのか、まずお伺いをいたします。
  72. 三井辨雄

    ○副大臣三井辨雄君) お答えさせていただきます。  厚労省の調査によりますと、規制緩和以降も特に港湾労働者の現金給付額、これは全職種から見ましても上回っていると聞いておりますし、また港湾労働者の労災の発生率も減っていると。また、規制緩和によりまして、そういう意味から申し上げますと港湾労働者への悪影響は生じていないと考えているところでございます。  また、今回の港湾運営民営化によりまして、我が国港湾は更に国際競争力強化して、我が国港湾での貨物量を増大していく、それによりましてまさに労働者の雇用にもつながると考えておるところでございます。  また、今先生から御指摘ありましたように、港湾労働者の安全と安心が大変重要でございますし、そういうことを考えてまいりますと、御指摘の点につきましては国土交通省といたしましても更に指導監督を深めていきたいと、こういう具合に思っております。
  73. 吉田忠智

    吉田忠智君 昨年十月に私が馬淵大臣にしたときの答弁とほとんど変わらないんですよね、今の三井大臣答弁は。  この間の規制緩和によって、例えば、そうはいいましても港湾労働者の賃金は他の技術系労働者の基準内賃金に比べて月額十万円低いんですね。それから、総実労働時間も、これ月間百九十八時間。それに対して全産業平均がそれよりも四十九時間も少ない。だから、四十九時間長いんですね、総実労働条件。国土交通省として、規制緩和の労働者への悪影響を直視をして、是非取り組んでいただきたい、強く要望をしておきます。  それから、港湾運営会社によるコンテナ埠頭群の一元的な管理により、労働対策としても二十四時間稼働に対応した交代制の導入、共同作業の推進などが考えられるわけでありますが、このような雇用就労対策、福利厚生対策について、厚生労働省にお伺いをしますけれども、どのように取り組んでいかれますか。
  74. 中沖剛

    政府参考人中沖剛君) お答えを申し上げます。  港湾労働者の労働環境の問題でございますが、関係労使の協議に基づきまして適切に設定されることが望ましいこと、これはやはり基本でございます。  御指摘の点でございますが、先生も御承知のとおり、港湾労働法に基づきまして厚生労働大臣が策定をいたします港湾雇用安定等計画、これは平成二十一年から五年間のものでございます。この中において、我が国港湾における国際競争力を確保する観点から、人的資源の有効活用が図られるよう、港湾労働者の福利厚生の在り方について検討を行うとされております。この指摘を踏まえまして、今年度、私どもの委託事業といたしまして、港湾労働者をめぐります新たな労働環境について先進的なロッテルダムあるいはシンガポールといった海外港の状況調査する、また国内港についても状況調査を行ったところでございます。  厚生労働省といたしましては、こうした先進的な調査結果がまとまり次第、関係者でございます関係労使はもとより、国土交通省を含めた関係機関にもそういった成果を御提供申し上げまして、それぞれの役割に応じた取組を促す、あるいは協力をお願いするということをやってまいりたいと考えております。
  75. 吉田忠智

    吉田忠智君 今答弁のありました検討会が是非実を結ぶようにしていただきたいと思いますが、当事者としての国土交通省としてどのように取り組んでいかれますか。
  76. 林田博

    政府参考人林田博君) お答え申し上げます。  今厚生労働省さんの方から御答弁ございましたとおり、実は従来から私ども国土交通省と厚生労働省さんでは密接に連携を取りまして、この港湾労働者の方々の問題に取り組んでおります。これは、今回の港湾法改正をしていただきますと、その中に港湾運営会社という制度、これを創設をいたしております。具体的に港湾運営会社ができましても、各港湾それぞれの港におきまして、関係方々にも入っていただいてそういう議論を深めていくということ、これは従来どおりでございます。その議論の中で、港湾運営会社が設立されました港湾におきましても、港湾労働者の方々の問題、これはこれまで以上にしっかりと議論をしていき、そしてまた具体的な施策を実行していきたいというふうに考えてございます。
  77. 吉田忠智

    吉田忠智君 港湾法上、福利厚生施設の整備を担うのは港湾運送事業者であり、港湾管理者であります。規制緩和を推進する国土交通省としましても、弊害への手当てを厚生労働省に丸投げするというようなことではどうにもなりませんので、是非きちんと対処をしていただきたい、そのように思います。答弁いいです。  港湾会社の指定に当たって、国又は港湾管理者港湾運営会社の貸付契約が締結されることになると思いますが、契約に当たっては、民を圧迫しない適正な料金設定、港湾労働者の雇用確保・創出、職域の拡大、福利厚生の増進など、港湾労働の安定を図る措置などを義務付けるようにする契約基準を作るべきではないかと思いますが、見解を求めます。
  78. 林田博

    政府参考人林田博君) お答えを申し上げます。  港湾運営会社に対する国又は港湾管理者が保有いたしております港湾施設の貸付けに当たりまして、そういった施設の維持修繕に必要な費用に基づいた適正な料金で貸し付けていきたいというふうに思っております。こういった貸付けに当たりましては、港湾運営会社と国又は港湾管理者との合意に基づいて貸付契約を締結して行うこととしております。  港湾におきましては、港湾労働者の方々の安全、安心がしっかりと確保されるということが大変重要なことだと考えております。このため、御指摘の点につきましては、港湾労働の安定を図りつつ、港湾運営が適切に行われますよう、港湾運営会社を指導監督していきたいというふうに考えております。
  79. 吉田忠智

    吉田忠智君 港湾の労働者がきちんとした労働条件を保障されるよう、国土交通省としてもチェックをしていただきたいと思います。  さて、現在、被災地では数社が共同して救援物資の荷役をしています。今後、貨物量が少なくなると予測される中、地方港でも港湾運送事業者が労働者を相互に派遣をして雇用対策ができるようにする必要があります。また、選択集中から外れた港湾では、貨物量の減少、港の機能分担、集約化などが懸念をされます。各県においても一県一港に整理する動きがあります。  そのような中で、港湾労働対策を進めるに当たりまして、港湾労働法を全国適用し港湾労働者の雇用安定と福祉増進を図るとともに、各都道府県の地方労働政策審議会職業安定分科会に港湾労働部会を設置をして港湾労使の意見を聞きながら港湾労働対策を行う必要があると考えますが、いかがでしょうか。
  80. 中沖剛

    政府参考人中沖剛君) 御指摘港湾労働法の適用港湾でございますが、これにつきましては、国民経済上に占めますその港湾の重要性、あるいは港湾運送に必要な労働力の確保その他雇用の安定に関し、特別の措置を実施する必要が高いかどうかという点、こうしたものを総合的に勘案して決定すべきものと考えておりますが、ただ、やはりその大前提といたしましては、関係労使の合意が得られること、関係労使が合意に達していることがまずもって不可欠でございます。  私どもの労働政策審議会の下部組織でございます港湾労働専門委員会、ここには港湾労使にも御参加いただいておるわけでございますが、この委員会において平成二十一年にまとめられた報告書におきましても、この適用港湾につきましては、当面、現行どおりとし、港湾労働を取り巻く情勢の動向、関係労使の合意形成の進展を見極めつつ、引き続き検討していくことが適当であるとされております。  私どもといたしましては、こうした労使にもお入りいただいた専門委員会での報告書の趣旨を踏まえまして、現状ではなおやはり関係労使の合意が得られていない状況にあることから、引き続き鋭意検討してまいりたいというふうに考えております。  なお、各地で港湾労使の意見を聞く場でございますが、港湾労働法の適用港湾のある地方労働局には地方労働審議会の中に独立して港湾の労働問題だけを扱う部会でございます港湾労働部会が設置されておりまして、関係労使の意見を十分聞いた上で港湾労働対策に取り組んでいるところでございますので、御理解を賜りたいと思います。
  81. 吉田忠智

    吉田忠智君 港湾労使の合意が前提というような今答弁でございましたが、国交省としてやっぱり使用者側を説得する私は責任があると思うんですが、その点はいかがですか。
  82. 林田博

    政府参考人林田博君) お答え申し上げます。  私どもは、従来から国土交通省港湾局におきまして港湾労働者の代表の方々でいらっしゃいます組合の方々とも直接にかなり頻繁に意見交換を行っております。昨年一年間で見ましても、多い月には四回、五回というふうに場を設けて、どのような御要請、御要望があるかということをお聞きをしてございます。これは今回の法改正を経ましても同様でございまして、それぞれの港でどういった問題を抱えておられるか、こういったことにつきまして、私どもは直接港湾労働者の方々の御意見を賜って、具体的な港湾の政策にしっかりと生かしていくということを考えたいというふうに思っております。
  83. 吉田忠智

    吉田忠智君 労働者の皆さんの意見を聞くことに加えて、是非使用者側に対しても適切な助言をしていただきたい、そのことを要望しておきます。  最後に、大臣にお伺いします。  日米地位協定の第五条では、米国の船舶等が日本港湾を利用できると定めています。一方、神戸市は神戸港において非核神戸方式により外国軍の艦船に核兵器を搭載していないことの証明を求めており、自治体独自の方針で寄港制限を行っています。改正により、港湾運営会社の寄港許可、あるいは国からの命令で米軍艦船の寄港を認めるような事態になり、地域住民や自治体の意思がないがしろにされるのではないかと懸念をされておりますが、もう確認で結構であります、これまでどおりということで、大臣、確認してよろしいですね。
  84. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) 吉田議員の御質問でありますが、衆議院のときにも国土交通委員会でこの御質問をいただきました。  基本的に、私もいろいろと調べさせていただきましたが、海というものは基本的にオープンであると、こういう国際的な考え方があって、したがいましてこの港湾法の第十三条に、何人に対しても施設の利用その他港湾管理運営に関し、不平等な扱いをしてはならないと、こういうことになっているわけでありますが、しかしその港湾管理は基本的に地方公共団体が現在港湾管理しているところであります。それぞれの港にはそれぞれの歴史がございます。そういうものを踏まえて、民営化されたこの港湾運営会社も同じような形で運営がされるものと考えております。
  85. 吉田忠智

    吉田忠智君 地域主権を掲げる政権でもございますし、非核神戸方式には影響は及ばないと、そのように理解をいたします。  以上、終わります。
  86. 小泉昭男

    委員長小泉昭男君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  87. 吉田忠智

    吉田忠智君 引き続きで恐縮です。  私は、社会民主党・護憲連合を代表して、港湾法及び特定外貿埠頭管理運営に関する法律の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。  本法案は、選択集中をうたい、国際戦略港湾となる京浜、阪神両港に政策資源を集中し、港湾経営民間会社に委ねることを解禁するものです。  しかし、東日本大震災によって港湾をめぐる状況は大きく変化をしました。国土交通大臣被災した港湾復旧が最優先と御答弁されておられますように、今取り組むべきは、被災した港湾復旧港湾と共に生きてきた人々の暮らしの再建です。  港湾労働者で組織する全国港湾労働組合連合会と全日本港湾運輸労働組合同盟は、業界団体である日本港運協会と共同で救援物資に係る港湾荷役作業に全力を挙げておられます。こうした中で港湾法改正は強行すべきではありません。厳しい財政制約の中で、港湾法改正に係る五千五百億円にも上る事業費は震災復興に振り向けるべきです。  第二に、港湾運営会社制度の導入は、港湾運営民間経営手法を導入し、独自の資金調達や岸壁使用料の設定、ポートセールスを可能にするといいますが、利益最優先の船社、荷主、外資を含む投資家による港湾支配や、国有財産である港湾を投機の対象とみなすことになる懸念があります。  また、民営化と規制緩和による効率一辺倒の港湾運営港湾労働者を犠牲にしないための配慮がなく、適正な岸壁使用料による公正な労賃の維持、雇用の安定、職域の拡大、福利厚生の増進等の良好な労働条件の確保は担保されておりません。  第三に、国際戦略港湾等に支援集中することは、支援から外れていく国際拠点港湾重要港湾、とりわけ地方港の切捨てへとつながり、これらに一層困難な港湾運営を強制する懸念があります。  第四に、港湾管理者である自治体への国の監督権限を強化する改正法は港湾の民主化に逆行し、地域主権の流れにも反するものです。  戦前、戦中、港湾は戦地と銃後を結ぶ拠点となりました。戦後、その総括と反省に立って、平和憲法に基づき、港湾管理行政は地方行政の一つとして行う、旧軍港市を平和産業港湾都市に転換し、平和日本実現の理想達成を目指すとの考え港湾の民主化が行われてきました。現在も非核神戸方式などの米軍艦船への入港規制が取り組まれています。改正法は、こうした地域住民や自治体の意思を踏みにじるものではないかと懸念されております。  以上、反対の理由を申し上げ、私の討論を終わります。
  88. 小泉昭男

    委員長小泉昭男君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  港湾法及び特定外貿埠頭管理運営に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  89. 小泉昭男

    委員長小泉昭男君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、岩井茂樹君から発言を求められておりますので、これを許します。岩井茂樹君。
  90. 岩井茂樹

    ○岩井茂樹君 私は、ただいま可決されました港湾法及び特定外貿埠頭管理運営に関する法律の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会、自由民主党、公明党、みんなの党、たちあがれ日本・新党改革及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     港湾法及び特定外貿埠頭管理運営に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺憾なきを期すべきである。  一 東北地方太平洋沖地震被害港湾において甚大であることに鑑み、被災した港湾施設早期復旧を図るとともに、緊急支援物資、復旧復興資機材等の輸送体制早期に確保し、被災者への支援に万全を期すこと。  二 東北地方太平洋沖地震による被害に関し、特に津波による被害の発生実態を調査・分析し、今後の防災のための措置に万全を期すこと。  三 今回の大震災に鑑み、港湾運営会社が重要な社会基盤である港湾運営主体となることを踏まえ、国民の生命と生活の安定に貢献するという観点で災害時の対応に万全を期すこと。  四 港湾国際競争力強化我が国産業活動及び国民生活を支える重要な課題であることに鑑み、国際戦略港湾に関する施策については、これを国家戦略として効率的かつ集中的に実施すること。  五 港湾地域経済の活性化や産業再生などの重要な役割を担っていることに鑑み、国際戦略港湾以外の港湾についても、引き続きその機能強化に努めること。  六 港湾の効率的な運営を確立するため、港湾運営会社の設立に当たっては民の視点が十分確保されるよう、適切な指導を行うこと。また、港湾運営会社が埠頭群の運営を行うに当たり、港湾の一元的な運営を円滑に遂行できるよう、適切な指導を行うこと。  七 港湾運営会社が公共財である港湾の一元的な運営主体となることに鑑み、特に公共性が確保されるよう必要な措置を講ずること。  八 港湾運営会社に対する指導に当たっては、港湾管理者港湾運営会社との連携が十分図られるよう努めること。  九 港湾運営会社の設立が港湾の秩序の確立に混乱を生じさせないよう港湾運営会社の指導に努めるとともに、問題が生じた場合には、関係者の意見を十分聴いた上、必要に応じ、適切に対応すること。また、港湾労働者にしわ寄せが及ばないよう配慮し、適正な料金設定、雇用の安定、職域の確保、福利厚生の増進等を図り、良好な労働条件が確保されるよう努めること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
  91. 小泉昭男

    委員長小泉昭男君) ただいま岩井君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  92. 小泉昭男

    委員長小泉昭男君) 全会一致と認めます。よって、岩井君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、大畠国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。大畠国土交通大臣
  93. 大畠章宏

    国務大臣大畠章宏君) 港湾法及び特定外貿埠頭管理運営に関する法律の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして真剣かつ熱心な御討議をいただき、ただいま可決されましたことに深く感謝を申し上げます。  今後、審議中における委員各位の御質疑内容や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。  ここに、委員長を始め理事の皆様、また委員の皆様の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表します。  大変ありがとうございました。
  94. 小泉昭男

    委員長小泉昭男君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  95. 小泉昭男

    委員長小泉昭男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時四十九分散会