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参考人(
星正治君) どうも御紹介ありがとうございます。
水問題ということではありましたけれども、一般的なことも含めて、それでよろしいということでしたので、
福島の今回のことについて、私の
専門であります
放射能測定、その広がりがどうだったかということについてお話ししたいと思います。(
資料映写)
まず、タイトルにありますが、ここに、今急いでやらなければならないこととして
二つほど
最初に指摘しておきます、後で少しその説明もいたしますけれども。
セシウムと
沃素が今主に飛んできているわけですけれども、
セシウムは
半減期が長いですが、
沃素は八日です。それで、一か月たてば十分の一になります。今後、
健康調査をする上でも
沃素の
調査というのは非常に急がれるということで、
地表に沈着した
沃素の
測定、これは
文科省にも働きかけて今進めておりまして、そろそろスタートできるかなというところまで来たとは思いますけれども、それから
あと、
住民の
被曝線量調査ということです。
それで、どういう
放射能が広がったり飛んできたかということでして、これはいろいろ
データを見てみたんですけど、結局いつも
外国からということで、初期のころはこういう
データしか
余り手に入りませんでした。これはニューヨーク・タイムズです。
それで、これは
原子力発電所の玄関、
原子炉から二キロぐらいだと聞いております。そこで測った
放射能の
測定値ですけど、このようにぴっぴっと立っております。これは日付ですね。ここから四月になります。一号機、二号機、三号機とありますけど、一、三が
最初に爆発しまして、二号機が出ました。この
辺りの
ピークについては、ここ四号機ともあります、二とも四とも言われていますけど。この後ベントしたとかありますけど、私調べた
範囲では、よくどの部分か分かりません。このように、爆発した瞬間に大量の
放射能が飛び出したと、そのほかはじわじわと少しずつ飛び出していると、そういう
状況です。
それで、この一と三についてはテレビでその瞬間を見ておりましたけど、
原子炉を遠くから見ておりますと塔が建っています。塔の
向こう側、それを非常に気にしていました。手前に来たら
内陸側ですね。で、
向こう側は左、つまり
北側に行きました。だから、それが女川まで出たと言われていますので、行ったと考えられます。だから、こちら側には余り来ていなかったと。それから、その次の三号機の場合、右側に、やはり塔の
向こう側へ行きました。これが
海岸線を通って
東京まで行ったと思われます。
ただ、その後、十五日、この
二つの
ピークが主に
内陸側に来ました。これは朝だったんですけど、それで
飯舘村、西北ですね、北西の
方向に行きまして、で、たまたま雨が降ったと。もし雨が降らなかったらそのまま通過して元どおり戻ります、ほとんど付きません。だけど、雨が降ったらその雨と一緒に
ガスとか
ちりが落ち沈着するわけで、それで
飯舘村に行ったり、それから
福島の方に流れていったとなります。後は少しずつ収まっていって、これは最終的には
沃素、
半減期八日でまず落ちてきます。で、
最後セシウムの三十年になりますが、ほとんどこうじわじわと落ちていく形になります。
最初の一か月で十分の一にほぼなっていきます。
これも、この
汚染地図ですけど、やはりこれはネイチャーでした。ちょうど
測定したのは十五日の主な
放出がありまして、十七、十九にあったわけですけど、ここが明らかにくっきりと出ておりまして、これもなぜか当初
外国の
情報しか出てこないと、こういう状態でした。ここが
飯舘村に
当たります。
同じような
測定結果はたくさん出てきますけれども、これは一か月と十日後の
文科省が最近発表した
測定の
データです。やはり同様に、これはより詳しい、
飛行機で両方とも測りました。
米軍のDOEと、
文科省は民間のヘリをチャーターしたと書いてありましたけど、で、測るとやはりここがこう出ております。で、
汚染地図、これ
セシウムですけれども、こういうマップになっております。こちら側にも少しあるということになっています。
これはSPEEDIで
計算した結果で、これもなかなか出てこなかったんですが、後になって出てきて、この
最初の分ですけれども、これ少し違うのは、こちら側については同じですけど、こちら側が形が流れていると。ただ、これは
沃素ですので、
セシウムと
沃素は飛んできたところが違うわけです。先ほどのに戻りますと、
文科省のこの
データもこれ
セシウムなんですね。
沃素は出しておられません。実際は測っているはずです。ほかでそう知りましたけど、
沃素を実は発表していただきたいと。
ほかでも、
チェルノブイリもそうですけれども、
沃素と、飛んできたところが
セシウムとかなり違っていると。で、後で話しますが
チェルノブイリではほとんど飛んできていないところで
甲状腺の
がんが見付かって、それが
沃素の原因だったということもありますので、
沃素のこういう発表も是非お願いしたいと思います。
これは既に発表されているというか、ネットなんかで取れる
土壌の
調査の結果です。
中心付近はありませんが、これがちょうど
飯舘村に
当たります。このように、
飛行機で撮ったらかなり広い
範囲が全体的には見渡せますけれども、
土壌調査しても非常に細かく分かります。だから、最終的には
土壌調査を密にすべきであると。私たちが言っているのは二キロ掛ける二キロのメッシュで、少なくとも
福島県の、こちらです、半分とかですね、隣接県を
調査して、これをもって今後の
除染なり
土地改良とかいろいろあると思いますけれども、それから
避難についても一番正確な
情報が得られると思います。
このように、ここは
福島市ですけど、こちら向きに流れています。ちょうど
放出された
ガスとか
ちりが漂ってきてちょうどそこで雨が降ったと。ここは山になっていまして、特に山のところの、高いという傾向があるように思われますけど、これも確かではありません。ここの
谷筋も、ちょうど流れたときに雨が降ったとか、ないしは雪ですけれども。
最初の
東京のケースは
一過性でした。三時間ほど通過してそのまま元どおり戻りました。だから、雨が降らなければそのときだけということになります。
また同じような図が出ますけど、
ホットスポットについてですね。多分三号機だと思いますけれどもこう漂ってきて、ここで多分雨が降ったんでしょう、柏とか
松戸にも
ホットスポットがあると。レベル的には〇・五マイクロシーベルトから二の間ということです。それほど心配する値ではありませんけど、こういうときに
野菜の
汚染が見付かったり
水道水に入ったりということになったと思います。
次に、これは、また同じような図で済みません、こういう図は
最後ですけれども、
チェルノブイリで
避難地域になったのはどういうレベルかと。先ほどの図に、五十五万が
チェルノブイリの例です。だから、緑が最終的な
避難地域に
チェルノブイリはなっていると。このように広い
地域が、緑を含むこの中がなっていると考えられます。
これは、もちろん
セシウム134も入っていまして、7が主なんですけれども、
最後まで残るので、これは二年の
半減期ですので、これは三十年です、こちらのこの図ですけど。この
辺りをどうするかということも実はありますけれども、結構広い
範囲が
チェルノブイリでは
避難対象になっていました。
やはり
日本の場合は、最終的には
避難というわけにはいかないと思いますから、元に戻るためにはどうするかということをしっかり、まあ私は
土壌の
データが一番正しいと思いますけれども、それをもって検討すべきだと、こう思います。
ちょっと
専門的になりますけれども、今現在飛んできている
放射能ですね、
チェルノブイリの場合は
原子炉の
中身が飛び出したわけです。今回は
中身は余り、ほとんど出ていません。蒸発する
揮発性のものが主に飛んできています。
これが
沃素とか
セシウム、まあクリプトンとか
ガスなんですが、この
沃素、
セシウムが主でして、こちらの図は
沸点とか
融点とかでして、
チェルノブイリではこちらの
沸点、
融点が高い、これ高いですね、高いところまでも飛んできている、
中身が飛んできているわけですから。ただ、今回は、ここの
セシウム、
沃素の
揮発性のものだけしかまだ飛んできていないと。
土の今ある
データをよく見てみましたけれども、やはりストロンチウムとかプルトニウムとか、そういうものは、近くにはありますけれども、二十キロ、三十キロの
方向には飛んできていないと思いますので、
チェルノブイリと比べて
中身が飛び出しているという
状況ではまだなっていないということ、まだちょっと救われるかなとは思います。
ポンチ絵でありますけれども、山とか平地とか、こういうところに降ってくるわけです。
野菜とか、こういう
葉物にはよく付きます。だから、それを牛が食べて、そしてそれが
ミルクになって、
ヨードが
ミルクに入って
子供が飲んだ、これが
チェルノブイリの図式ですけれども、
日本の場合はそういうことがありませんでした。そして、私が知っている
甲状腺の検診の結果も見せていただきましたけれども、数十人から百人
程度ですけれども、大きな値というのはありませんでした。旧ソ連では、これが自分のところの畑で食べているので、そういうことがよくあったと。
それで、
あと野菜の
中身、中に根から入るというのが、今年はまだ
セシウムも
移動性の高い
セシウムがあるらしくて、最終的には
セシウムは土に物すごくしっかりくっつきます、来年以降はです、そうすると根から吸い上がるというのはほとんどありません。百分の一
程度とかになりますので、
汚染は強くても
食物には入ってこない。
また、
地下水というのは、途中、
セシウムというのは
地表、
表層五センチ以内で止まってしまっています。今までも、そうですね、一センチで五割以上止まっています。
沃素も一センチで五割以上。二センチになるともうかなりですね、七割、八割です。実際最近調べました。五センチだったらもうほとんど一〇〇%です。だから、一〇〇%剥がせばいいし、葉っぱによく付くので、今現在、例えば猫が外へ出て、帰ってくるといっぱい付けて帰ったという例も聞いたことがあります。今年はその辺は気を付けるべきです。来年は、一旦枯れてしまうともっともっと土に返りますから。
こういう、池に落ちたり、河川に入ると、そしてこれが
浄水場に行くわけですね。で、
浄水場でほとんど
セシウムは止まります。
セシウムが水に入って
限度値を超えたという話はなかったと思います。
ヨードだけ、
ヨードは止まりますけれども、
セシウムに比べて通過しやすいと。化学的な性質だそうです。
もっと書きますと、こういう
ガス状のものが通過していく。たまたま雨が降った、そのときが一番問題であると。もちろん、雨が降らなくても通過したその数時間というのが体に入る条件は整いますけれども、地面にくっつくと後の処理が大変なわけです。
飲料水に入ってきたり、農作物から体に入ってきたりと。それから、海に落ちますと、これはもちろん海の
表層からだんだん混ざっていくわけです。それから、
汚染水の
放出もありました。これが海を汚して、重金属と同じように海藻とかプランクトンに
最初に取り込まれて、小さい魚がそれを食べて、大きな魚にだんだん濃縮していくと、こういう
食物連鎖があるのではないかと、こう言われております。
被曝の方は、外にある
放射能から
被曝した場合は
外部被曝といって、それが肺とかそれから食べ物から入っていった場合これは
内部被曝といいます。肺の中に沈着してしまうとそこでずっと
被曝を受けるということになりますけれども、今回はそういう、例えばアルファ線を出すような問題のある核種はなかったと思っています。
セシウムは
全身に、筋肉と言われていますけど、散らばるといいますか、
沃素は
甲状腺に行きます。だから、肺に沈着するという心配は現在のところないのではないかと思います。
これは
規制値ですけれども、御存じのこととは思いますけれども、特に
飲料水は三百
ベクレル、一キログラム
当たりとなりまして、それはEUとか米国、大体同じような値となっておりまして、
あとは
牛乳・
乳製品、
野菜、それから、これは
沃素ですけれども、
セシウムについても同様な
規制値があります。
規制値についてはここにちょっと書いておりますが、また次にお話しします。
この
計算方法ですけれども、
専門的なことにもなりますけれども、基本的には、
沃素についてお話ししますけれども、年間五十ミリというのを
念頭に置いて、もうこれを超えないということを
念頭に置きまして、三分の二というのは、三分の一はほかにいろんな
食物もあるだろうからということらしいんですけれども、三分の二についてこの
飲料水、
牛乳・
乳製品、
野菜、三カテゴリーに分けまして、それぞれ食べますから、それぞれ足し合わせになるという感じですね。それを三分の一に分けると。そして、それぞれの
計算から先ほどの三百
ベクレルというのが出たということです。
セシウムについても同様だと。元々五ミリから
セシウムはくるのだと、分類は五つに分けているということだそうです。
ほかの
外国の例ですけれども、これは
チェルノブイリの例です。先ほど五十五万
ベクレル、一平方メートル
当たりという値を言いましたけれども、この特に赤の強いところですね、これが実際
避難地域になっています。それはほとんど森なんですけれども、そこには入れないようになっています。そして、ここでちょっと特筆すべきことは、三十キロというのはこの小さい円でして、百、二百、三百、四百、遠くまで行っているということです。
だから、
日本の場合も
松戸とか行っていますけれども、それはあり得る話であって、幸いなことに大体西風、西から東の風、偏西風ですね。だから
海側に行っているんですね。もし逆にあったらもうかなり違っていたと、
汚染はかなりまだひどかったんじゃないかと私は予想しておりますけれども、このように、遠くまで行ってそこで雨が降ったと。
そして、雨の降り方は、
チェルノブイリの場合に非常に、私、驚いたんですが、
スポットで降ります。
スポットもいろいろありまして、あるうちに行くと高いんですけど、隣のうちはもうどんと低いと。例えば、
村単位ではもう本当にまだらになっていまして、
地域全体の
スポットもあります。基本的には雨というのは
スポットで降るから、数十メートル
単位というか、もし
汚染が強ければ綿密に測る必要があるということは言えると思います。
セミパラチンスク、これは
核実験場がありまして、ここで
核実験が四百回以上行われました。今はカザフスタンという国になっていますが、ここの大きさは、広さは四国ぐらいの非常に広い広大な
地域です。主に三か所で行われまして、一発目、これが長崎と同じ、
最初の爆弾です。これが、書いてあるのは百キロです。だから、百キロ、二百キロ、三百キロぐらいは行っているわけです。ここの特徴は、風が非常に強くて、時速四十キロぐらいでばっと行ったんですね。そうすると、幅が、広がりながら行くんですけれども、広がる暇がないというか、十キロぐらいの幅です。
ここでちょっと驚いたのは、六十レントゲン、これは
ミリシーベルトに直すと六百
ミリシーベルトです。実際私が行って測りました。
外部被曝、れんがで測りましたら四百でしたから、この値はそんなに違っておりません。結構この
核実験というのは、爆破してすぐというのはホットな
放射能がたくさんありまして、
チェルノブイリとか今回の
福島とかと違って
被曝線量は非常に高くなると。
福島の場合は、ホットな非常に短い、一時間とか数分という
半減期のは飛んできませんので、その点では低くなるということになります。
最後ですけど、これは
ベラルーシです。
汚染地図があります。ここに
チェルノブイリの
原子力発電所がありまして、今は
ウクライナ側ですが、ちょうど
国境付近です。ゴメリ州のこの
辺りとか、この
北側の
辺り、それからこちら、
ロシアに含まれますが、この
辺りが注目されていたわけです。
甲状腺の
がんは、
がんは
甲状腺がんだけ見付かったわけですけれども、ところが、この
専門の
デェメチック先生のこの
データ、二〇〇〇年までの
データを見せていただいたんですけど、これは
がんの
患者数ですが、当時のここ、この
辺りは
セシウムの
汚染が強いんですけれども、ここも出ているわけですね。これは何かというと、
セシウムは飛んでないけど、
沃素が飛んできたと。だから
沃素についてはなくならないうちに測っておくと。だから、
最初に強調しました。これは、当時ここで担当した方と
共同研究をずっとやっているんですけど、ステパネンコさんという方に聞きましたら、そのときの反省を込めて早くやれと、三か月以内にやってくれ、三か月で千分の一になりますから。これを当時は三年後に測ったものですから、このことが分からなかったと。
ここで、この
被曝線量を
向こうの人と
共同研究で
計算しまして見せますと、
甲状腺です、六百
ミリシーベルト以上ありまして、これで
ベラルーシの
先生方がびっくりして、これで謎が解けたと、みたいなことも言われましたので、ここが、
最初から強調しておりますが、大事なことだと思います。
原則ですけれども、これはICRPのどこでもありますが、不必要な
被曝は避けると。それから、なるべく
被曝する
線量を下げたり、数をできるだけ少なくすると。それから、個人の
線量の
限度を守るということになります。
一番というのが、これはいつも思いますけれども、
住民と、
原子力発電所で働いている人は大変なことをされているわけで、違うと。
原子力発電所の方は、例えば千とか二百五十と決めて、そこまで来たら、そうしたら場所を変わって
放射線を扱わない仕事に入ってもらうわけですけれども、
住民はこれはできるだけ下げないといけないと、分かっていたら。例えば
飯舘村のような場合は、十六日には、私見たときに、これはもういけないと思いましたけれどもね。一か月以上たってから
避難でしょう。なぜそのとき手を打たなかったかというのはいつも思います。もう分かっていたら不必要な
被曝は避けるべきです。それが安全かという議論の以前だと、私はこう思います。この大
原則の一、これだと思っています。
これは、先ほどの
地表の
表面汚染調査と
住民の
被曝線量。これは
住民といったら体全体を測る、
セシウムがありますから。それから喉の
甲状腺を測るということですね。それを今提唱していまして、特に
土壌の
サンプリングについては綿密な
サンプリングが必要であろうと。
あと食品もあります。当然、
牛乳とか、こういう
食品の
測定もしておいて、これは現在これが危険かどうかだけということもありますけれども、それ以上に、こういう
データを残して、今後の対策とか将来こういうことがあったということの役立つための記録というのが大切なことだと思っています。
同じことです、
ヨード131というのは
半減期八日なので、十
半減期以内に、つまり三か月以内に
測定してくれというのは
ロシアの担当した学者から私の方に忠告されたことです。それは六月十五日までに行ってくださいということでした。
住民については、今現在、
文科省とか
福島県が測っております。
子供の喉の
甲状腺に
測定器を付けまして、そして測っております。そういう
データは非常に今緊急にやるべきことだと思います。それから、時間はたってもいいんですけれども、年内ぐらいには
全身の
セシウム量、こういうのを
測定すべきではないかと。
それからもう一つは、
データベースをちゃんと作って、これも
専門家によって作ってもらって公開すると、出すと、それは。やっぱり安全という場合はいいですけど、危険な場合でも出して、そしてそれで一緒に考えるということをしないと、いつも何か裏にあるのではないかという、そういうことを思わせるという、逆にいえば非常にもう信頼性自身が減りますので、これが大事なことであると、もう一つの大切なことだと思います。
こういう
データを基に、復興に向けてかなりの
地域が私は元に戻れると思いますので、こういう対策というのはもう現在からすべきであると、そう思っております。
あと、
放射線についてちょっとお示しします。
これは、アルファ線の、何というか写真でして、しゅんしゅんと、こう出ていますね。これはアルファ線です。アルファ線は、空気中三センチしか飛びません。だから外にあったら安全ですが、もし体に入ると、その場でずっと沈着して、そこの小さい細胞だけ何回も繰り返し照射するということになります。だから、取り込まれたら良くないけれども、外にあると安心であるというのがアルファ線ですね。これは何かというと、キャンプで使うランプのしんのマントルというトリウムが入っています。
次、ベータ線です。ベータ線、ここに何かぐじゃぐじゃぐじゃとなっていますね。電子なので、ぶつかるとすぐ曲がるわけです。余り重たくないのでぐじゃぐじゃぐじゃと広がっている。これは蛍光灯のグローランプです。ベータ線を出すものが塗ってあります。
それから、何もない、そのままにしますと宇宙線が時々入ってきます、こうやってですね。宇宙線というのは空から、星とか太陽から来るもの、ミュー中間子とかいろんなのがありますね。
この方法は、これは私の大学の学生にスーパーに五百円で買いにいってもらって作って、後ろに、ドライアイスが下に要りますけれども、ドライアイスを用意しておけば、霧箱といいます、そして、
放射線が飛んだときに、飛んだ後が
飛行機雲みたいに水滴ができて、そして、それがこう見えると。ウィルソンという方が発明されて、これはもう随分昔にノーベル賞が出た仕事です。今はもう五百円ぐらいでできて、非常に目で見れますのでね。磁石置くと曲がるの分かりますしね、勉強のために使っております。
以上です。