○小西洋之君 ありがとうございました。
私といたしましては、やはり医師の公的な使命、我々の税金や保険料でお給料をいただいている、あるいは医師として育成されるまで一億円ぐらいのお金が掛かるというようなことが言われておりますので、やっぱり医師としての公的使命を
考えたときは、やはり
地域医療の担い手というのは
地域枠の学生さんだけではなくて、やはり我が国のお医者さん自ら、
皆さんが何らかの形で
地域医療の
運営に参画していただくと、それがあるべき姿であると思っております。それの先導役として、
地域医療機能
センターが
地域枠の学生さん
たちと一緒に機能強化してほかのお医者さん
たちを巻き込んでいく、そうした形がこれからの医療政策のあるべき姿ではないかと思いますので、そうした
意味で
厚労省と文科省に頑張っていただきたい、そのように
お願いをいたします。
ここで、その
地域医療
支援センターがちゃんと機能するかについてもう少し分析的に見させていただきたいんですけれども、今まで申し上げた
地域枠、実は制度上は
二つございまして、
平成二十二年度から始まっています新しい
地域枠と、実はその
平成二十二年度以前に各
地域、各大学でオリジナルの
地域枠というのを始めていたところでございます。それぞれを足した数が
平成二十二年度で千百七十一人、
日本全国で
地域枠と言われる学生さんが、
地域枠等ですね、千百七十一人いて、これは全体の医学部の学生さんがこの年は八千五百人ぐらいですから、大体八分の一ぐらいが
地域枠の学生さんとして
平成二十二年度入学しているというところでございます。
その千百七十一人を、
平成二十二年度以降の医療計画、
地域医療再生計画にこれは基づいた数になるのでございますけれども、
平成二十二年度以降の新しい
地域枠の方が三百十三人、それ以前に各
地域、大学で取り組まれていた方が八百五十八人おりまして、簡単に申し上げますと大体一対四ぐらいの割合なんです。新しい
地域枠の方が一、それ以前の方が四でございます。かつてから各大学行っていたオリジナルの
地域枠でございますけれども、新しい
地域枠と同じように奨学金によるオブリゲーションを課しているというようなところもあれば、奨学金はなくて単なる誓約書で
地域医療に貢献してくださいというだけのものもあります。
私がここで危惧しているのは、これはちょっと
厚労省と文科省の役人とも
議論して、櫻井
先生のような御専門家から見るとそんなことはないよとおっしゃるかもしれないんですが、ちょっと役人もはっきり言えませんでしたので
国会で
質問させていただくんですけれども、将来、この
地域の中で医師の人材調整をする
機関が、その
地域医療
支援センターと、あと大学の医局、その
二つが
存在するのではないかということでございます。
今申し上げました
平成二十二年度以降の
地域枠の学生さんは、制度上も明確に、医療法に基づく医療計画の実現のために頑張っていただくということが
手続上もそうなっているんですけれども、それ以外の学生さんは一体どうなっているのか。ちょっとなかなか各大学の募集要項なんかを見ても判然としない。もう端的に申し上げますと、結局かつてのような大学の医局が
地域の医療の人事権を大きく振るっていく、そんな形が何かひょっとしたらできてしまうのかなというのが私の危惧でございます。
実際、
平成二十二年度以降の各
地域で、各大学で
地域枠を増やしていったその経緯は、皆様御承知のとおり、初任研修の制度を導入して、大学の医局に学生が残らなくなって医局の経営が成り立たなくなって
地域の病院から医師を引き揚げて、結局、結果、医療崩壊と言われるような事態が起こったと。それが起こったのが、初任研修が始まったのが
平成十六年、各
地域でやっていたそのオリジナルの
地域枠が増えてきたのがまさにその年でございます。
平成十六年はたった七大学、四十九人だったオリジナルの
地域枠が、
平成二十一年では四十七大学、七百十四人まで増えていったというような経緯がある。
あと、私も個別に各大学の募集要項を見させていただいたんですけれども、従前から各大学、各
地域でやっていたオリジナルの
地域枠の募集要項の部分を見ていると、大学の医局病院で、大学病院で勤務をしていただくということが明示されているものが非常に散見されると、そういうのが現状でございます。
ですので、先ほど申し上げました私の危惧、各
地域の医師の人材調整に当たって、大学の医局人事と
地域医療
支援センターによる人事というものがきちんとうまく調整されるような仕組みができていかなければいけないと。そうしないと、学生さんから見て
地域医療
支援センターの人事というのは魅力がなくなるものになってしまって、結果的にそちらの方に参加する学生さんあるいは医師が少なくなって、結果的にその
地域医療
支援センターの機能発揮というのが悪循環、衰えていくと、そんなこともあり得るんじゃないかなというのが私の問題でございます。
こうした危惧を払拭する
一つの方法として
考えられるのが、今文科省の方で、
平成二十二年度以降のいわゆる
地域医療計画、大学の医局だけではなくて、大学の医局も含んだ
地域医療全体の発展のためにあなたは将来この県のために働いてくださいという、その
平成二十二年度以降からの新しい
地域枠、その新しい
地域枠の増員できるかできないかというのを文科省の告示で規律しているところでございます。
私がここで確認させていただきたいことは、今は、現状はさっき申し上げたように、新しい
地域枠の学生さんが一とすると従前の人が四なわけです。今の告示のままでいくとずっとこの比率が変えられないんですね。だから私が、まあこれ政策として正しいかどうかはあれなんですけれども、この一と四ではなくて、大学の医局だけではなくて、大学も医局も含んだ
地域医療全体のためにあなたは働いていただくんですよということが、何といいますか、
契約上もはっきりしている学生さんを一から四から二から二にする、場合によっては三から一にしていくと、そういうことも政策としてはあり得るし、冒頭申し上げた私の持っている危惧からすると、そういうことが必要な局面というのが出てくるんではないかと思う次第であります。
地域医療再生計画、
平成二十五年までですけれども、機能が発揮されないんだったら毎年見直していく必要があると思いますし、あるいは、医療法の医療計画も
平成二十五年に大きな改正を予定しているということでございますけれども、そうしたときにも、その
地域のいい
意味での実情に応じて柔軟な医師の育成が行われるような仕組みをつくっていくということが必要であろうかと思います。
ここで、失礼しました、文科省に
質問なんですけれども、今申し上げた文科省の告示ですね、学校等の
設置等に係る認可の基準というのが、今申し上げましたように、告示の言葉を引用すると、収容の定員増をする場合に限り文科省として認可を行えるというふうになっているんですけれども、この仕組みというのは、その告示の基の制度であります学校教育法という法律がありますけれども、学校教育法という法律の条文四条二項と、施行令に当該収容定員の総数の増加という言葉がありますけれども、当該収容定員の総数の増加を伴うときには認可で、伴わないときには届出でいいというのが学校教育法の
整理でございますけれども、私が今申し上げましたように、
地域で新しい医療計画の下に参画して
地域全体のために働いてくれるお医者さんの枠を増やしていく。
例えば具体例で申し上げますと、医学部で例えば百二十人今学生さんがいるとします。そのうち十人が
平成二十二年以前からのオリジナルの
地域枠だったとします。百二十人が全体で、オリジナルの
地域枠。これを
平成二十二年以降の、
地域の全体のために働いていただくというふうに
契約上も明確になるお医者さんを五人増やすとする。つまり、現在百二十人なので、次の年からは百二十五人にすると。百二十五人、五人増やしたいと。ただ、今の告示の制度では、その五人を増やすときに、従前持っているオリジナルのその枠は十ですね、十のうちの五人を削って新しい人を五人増やすと同時に、旧来のその十人のうちの五人を増やして結果的に新しい人を十人増やすと、そうしたことが例えばできないですとかいうようないろんなことが起きるんですけれども、そうした縛りというものは、端的なお答えで結構なんですけれども、学校教育法上の、先ほど申し上げた当該収容定員の総数の増加という言葉で縛られているものではなくて、単に政策
判断によって告示を変えれば変えられる事項であるとかということを、文科省、
お願いいたします。