○小西洋之君 民主党・新緑風会の小西洋之でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
私からは、
我が国の国際平和協力の取組について、国際平和協力といいましても、概念的には自衛隊
派遣の伴うPKOからあるいは個々の
ODAを実行される開発援助のフィールド
事業まで、非常に幅広いものを含む概念と言われているそうでございますけれ
ども、私の質問では、この国際平和協力という言葉を行政機構、例えば教育
制度ですとかあるいは司法
制度、そうしたものなどをつくるいわゆる国づくり、政治的、経済的、社会的
制度づくり、紛争で大きな被害を被って復興を進めなければいけない国における国づくりの
事業に限定をして、その現状と課題について確認し、またその取組の基盤となる法
制度の必要性について見解を
伺いたいと思います。
初めに、この
平成二十一年度の
決算検査報告でございますけれ
ども、
政府の開発援助につきまして、
外務省や
JICAという実施母体だけではなくて、実際に援助を受けた十三か国から合計百八十二の
事業、
事業総額で六千億円規模の検査を会計検査院が行っております。その結果、無償資金協力で五
事業、円借款で一
事業、合計の
事業総額規模で六百一億円規模のものについて援助の効果が十分に発現していない
状況にあるとして報告書に掲記されているところであります。
こうした会計検査院の
海外にまでわたるようなその積極的な検査姿勢は引き続き維持すべきであると思いますし、そうした
指摘を受けた
外務省等にありましては、その結果を真摯に受け止めて再発防止又は
業務改善について取り組んでいただきたい、そのようにお願い申し上げる次第でございます。
他方、私は
ODAの特別
委員会に
所属しております
立場から、昨年十二月、民主党の
大久保勉団長と、あと自民党の北川イッセイ環境
委員長、この御指導をいただきながら、また
外務省の在外公館を始めとする
方々、あるいは
JICAの
方々、あるいは
国会の調査室、
皆さんのサポートの下、オーストリア共和国、またセルビア共和国、またボスニア・ヘルツェゴビナ国に
ODAの調査
派遣団として参ってまいりました。その間、約十余りの
ODA事業の実態について調査してきましたんですけれ
ども、その
内容についてはこちら、参議院の報告書として取りまとめられているところでございます。
こうした訪問先のうち、ボスニア・ヘルツェゴビナでございますけれ
ども、御案内のとおり、この国は一九九二年から三年半にわたるヨーロッパ戦後最大の紛争でありましたユーゴ紛争によりまして死者二十万人以上、また難民、避難民等二百万人以上の大惨禍を被って、そこからの国の復興が始まったという国でございます。
その復興の枠組みとしまして、平和維持の治安面ではヨーロッパの、EUの連合部隊がいるんですけれ
ども、その民生面、いわゆる冒頭申し上げた国づくりの面につきましては上級代表という
機関をつくりまして、この上級代表はどういう
機関かといいますと、ドイツの地名にちなみましてボン・パワーと言われているそうなんですけれ
ども、法律の改廃あるいは閣僚の罷免権までを有する非常に強力な権限を持った上位の統治機構でございます。まあある
意味、理解しやすい比較のために申し上げると、戦後の
我が国のGHQのような組織をボスニア・ヘルツェゴビナの国の
政府の上につくって民生面での復興を進めていると、そうした枠組みになっております。
そうした上級代表のさらに上位
機関、国際
機関のメンバーから成る和平履行協議会というところがあるんですけれ
ども、
我が国はその和平履行協議会を運営するコアメンバーの運営
委員会の
委員として、メンバーとして、当初からこの和平履行推進に積極的に取り組んできたというところでございます。具体的には、その上級代表の事務所の運営費の一〇%を設立当時から一貫して負担しまして、また、近年までこの上級代表の事務局に
外務省から
人材を送り込んできたということでございます。
私
ども、この上級代表の代表者のインツコさんという、オーストリアの元外交官でございますけれ
ども、意見交換をいたしました。彼などの
説明によりますと、御案内のとおり、このバルカン半島でございますけれ
ども、古くからヨーロッパの火薬庫と言われまして、特にこの地域はイスラム系、セルビア系、クロアチア系という三民族から成る民族紛争の傷跡を抱えながら復興を進めている国であります。
こうした国における
日本の存在
意義でございますけれ
ども、民族紛争という文脈での歴史的な面、あるいは遠くヨーロッパの地であるというそういう地政的な面、そうした歴史的あるいは地政的な面で
日本という国は中立的な
立場で動くことができると。EUの関係諸国であれば、歴史的な経緯があって、どうしても地政的な問題が出てくる。しかし、
日本という国は、平和理念を背負った国であるという国際的な認知、また今申し上げたような特殊な、ここにおける特殊な条件にありまして、この地域の国際平和協力、すなわち国づくりについて、非常に動きやすい、非常にある
意味いい
立場にあると、そのようなことをおっしゃっていただき、また、
日本が取り組んできた取組について一定の評価をいただいたところでございます。
私としても、この間、
日本政府が取り組んできたこの地域の復興に対する取組については、一定の評価はしながらも、視察団での調査を通じまして、そうした取組がもっと強力あるいは継続的なものとすることができたんじゃないかと、そのような疑問を持っている次第でございます。
ここで質問でございますけれ
ども、今申し上げましたボスニア・ヘルツェゴビナにおけるGHQのような
機関でございますけれ
ども、その上級
機関に
日本政府は、
外務省は
人材を送ることができていたわけですけれ
ども、今までどれぐらいの長さにわたって、何年から何年まで、あと何人の人を、また具体的に本省のランクに照らしてどれぐらいの職位の方を送り込んできたか、お答えいただけますでしょうか。