○森まさこ君 私、ずっと震災直後から避難所を回っておりますけれども、避難所に多くいるそういった東電の関連会社の方々、これは、お呼びが来たらいつでも行くんだということをおっしゃっていて、体育館の布団の上で言っていて、そしてその横で奥様が泣いていると、どうか行かないでくださいと言っているその中で、いや、でもこの原発の事故を収束させるために技術を持っている私たちが行かないといけないんだからと、そういう覚悟で行っているということを
是非肝に銘じて、作業員の環境の改善に努めていただきたいと思います。
次の
質問に行きますけれども、SPEEDIのデータの隠蔽と一号機のメルトダウンについてお伺いをしたいと思います。
政府は、昭和六十年度からこのSPEEDI、正式名称は緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム、これを開発、運用しており、
平成二十一年度はこの経費が四億九千七百万円、約五億円支出されております。六十年度からの合計では、このシステムに費やされた総額は
決算額ベースで百十六億円に上っております。このシステムは、大気中に放出された放射性物質の拡散状況等を予測し、避難計画を策定するなどの資料を提出するもので、まさに今回それを直ちに活用して情報を開示したり、避難区域の決定を行うべきでありました。
しかし、百十六億円という巨額の費用を掛けて開発してきたにもかかわらず、SPEEDIによる予測結果が全て公表されたのは五月三日です。それまで、三月二十三日に一枚、四月十一日に一枚示されただけでありました。震災から一か月半余りこのシステムを活用した予測結果が公表されなかったことになります。しかし、四月二十二日には計画的避難区域が発表され、昨日から飯舘村、川俣町などの避難が開始されました。
私は、五月十四日、一昨日、両町村に行ってきましたけれども、住民の本当に苦しい心のうちを改めて伺ってまいりました。このSPEEDIの情報システムが早くから示されていたなら、この避難区域の中の川俣町の山木屋地区の
皆さんは、最初に政府が発表した三十キロの同心円内の方が大勢避難してきております。川俣町の人口の三分の一以上の避難者を受け入れているんです。今もなお町の中にその避難者の方々がいるから、川俣町の山木屋地区の皆様は同じ川俣町の中に避難できない方がいるんです。仕事や
子供の学校や地域のつながりで同じ川俣町の中に移動したいというふうに望んでも、できません。
皆様は
御存じかどうか分かりませんが、福島県の原発地域の被災者にはいまだこの支援金や義援金などの現金は来ておりません。一昨日行ったときにも、まだ東電からの百万円も来ていない。日赤からの三十五万円も来ていない。県からも町からも来ていない。そういう中で避難を命令されて、泣く泣く移動しなければならない、行き先もまだはっきり決まっていない方々もいます。そういう中での避難であるということを申し上げて、そして住民の方々がおっしゃるのは、もう政府は信用できない、政府のことはもう当てにしていない、だけど、せめて情報だけはくれと、そうしたら自分たちで判断するから正しい情報を正確に迅速に示してほしいと。県民たちの願いは、自分たちにかかわる、自分たちの命と健康にかかわる情報を示してほしいと、そういうことでございます。
その中で、今月三日にようやくSPEEDIのデータが全面公開をされました。SPEEDIによる試算約五千件はこれまで未公表であり、その理由について、細野豪志首相補佐官は二日の会見で国民がパニックになることを懸念したというふうに
説明をしましたけれども、危険な情報を示されたらパニックになるおそれはあると思いますけれども、危険な情報ほど知る権利があるんです。自分たちの命と健康にかかわる情報ほど知らされていなければならないんです。試算結果を迅速に公表することは、国民の知る権利、これに資することであるというふうに私は思います。
このSPEEDIは、先ほど
説明したとおり、大変すばらしい、気象庁のアメダスと連動して風向や風速、気温などから全て放射性物質の拡散を
計算して図形化し、最大七十九時間後までの飛散を予測する
能力を持ちます。この所管は
文部科学省、傘下の財団法人
原子力安全技術センターが運用しているんですが、そこから専用回路で政府の
原子力安全
委員会、そして
関係省庁、都道府県の端末にリアルタイムで情報が送られることになっています。それを基に関係自治体が住民に放射線警報を出すというシステムに既になっているんです。これは原子力災害危機管理
関係省庁会議が作成した原子力災害対策マニュアルに載っているんです。
そして、
文部科学省は、震災当日、三月十一日の十五時四十二分にこの電源喪失を報告する通報を出している。そうしますと、その後、マニュアルどおりにSPEEDIは緊急モードで動き始めて、十一日の当時の十七時に、通達が出されてから一時間ごとに都道府県にも送られていたんですね。
では、それがなぜ住民のところに行かないで遮断されてしまったのか。福島県の災害対策本部の端末まで行っていたのに誰が止めたのか。福島県の災害対策本部は、
原子力安全
委員会が公表するかどうか判断するので県が勝手に公表してはならないとくぎを刺されましたと、そういうふうに言っていると報道されています。
内閣府に伺います。
原子力安全
委員会がこの情報をストップさせたのですか。