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藤谷光信君 どうぞよろしくお願いいたします。
戦争は、終戦以来六十五年たっているわけでございますが、大変悲惨なものでございます。
私は山口県岩国市の出身でございまして、岩国市というのは山口の一番東側にございまして、広島市から約四十キロのところに私は住んでおります。いわゆる原爆の爆心地から四十キロでございますが、小
学校三年生に私はその岩国におりました。あの原爆の爆発した光、そして一瞬のうちにカメラのフラッシュが一遍に百ぐらいたいたぐらい、四十キロも離れておるんですよ、そこでも私は分かりました。真っ白になったというかピンク色になったというか、今でも如実に覚えておりますが、それから二、三分か五分ぐらいたった後でしょうか、ゴオーという地震のような地鳴りのようなものが伝わってまいりまして、何だろうか何だろうかということでございましたが、昼ごろには東の方の空に大きなキノコ雲を見ました。
ここに今二百人ぐらいの先生方が、記者の方も含めて
議員の先生方もたくさんいらっしゃいますが、多分原爆のこの光あるいはその爆風というのを実際に経験された方は私一人ではないかと思っております。地元にいますときは一々そういうことを申し上げたことはございませんが、
国会議員にならせていただきましてじっと
考えてみますと、やはりこれは、私がその立場におる限りはこれを
皆さんに伝えていかなければいけないと、私の使命だと思っております。
そして、十二月に、それから四か月たって十二月に私、父親と一緒に広島に行きまして、その焼け野原を見ました。バラックも建っておりました。広島銀行の前には、原爆の光、爆風で御影石の前に人の形が残っておるのも私、頭の中によく覚えております。そして、いろんな厳しいことがあったわけでございますが、そういうことは別といたしましても、何とかそういう悲惨なことがないようにこれからも頑張っていきたいと思っておりますが。
終戦を迎えましてもう六十五年もたっていますけれども、御
承知のように、日本には米駐留軍が駐留しております。岩国には米軍の基地がございまして、日米条約の下に日本が米国に提供している基地がございます。在日米軍がいますので、この米軍の再編問題で米空母艦載機五十九機が岩国に今度配備になるということで、その準備工事が行われているところでございます。
戦争に反対する思い、あるいは日米友好をしっかりやらなければいけないということと、あるいは国防の問題、あるいはいろんな
考え方の人、そうしたこと、いろんなことがありますけれども、
皆さん方、山口県の、広島から岩国の瀬戸内海沿いに、来られて御存じの方よく御存じと思いますが、コンビナートがございまして、大変たくさんの石油とかパルプとかあるいは繊維関係とかたくさんございますが、そういう、基地が存在することによって
地域の振興や経済
発展にマイナスになっていると
考えておる地元の
人たちもたくさんいられます。これ以上負担が増えるんではないかとか、あるいは基地が存在するための不安を思う気持ちもたくさんあります。その基地が、そういう不安を解消するために
政府はいろんな地元
対策をしているわけでございますが、そして理解をしてほしい、協力してほしいということからされております。
また、つい三月二日には岡山県で米軍のジェット戦闘機が訓練中に低空飛行したというので家が倒れたというのもありまして、そういうふうなことがつい如実に起きますと、いろんなことが起きてまいります。
いろんな
政府の方では基地周辺の整備として地元要請に基づいて防音工事とか道路とか港湾とかの整備をされているわけでございますが、そういう
箱物とかいうのでなくて、あるいは要望があったからというのではなくて、もっと住民生活そのもののいわゆるソフト面にももっと配慮した基地問題に取り組んでいただきたいと思うわけでございます。
沖縄の問題もそうでしょう。岩国の問題も私は同じだと思っております。例えば岩国市では、つい先年までNHK第一放送が聴けなかったんです、山口第一放送が。仕方がないので海を隔てた松山のNHK第一放送を聴いていました。それはなぜかというと、電波の割当てがもうないんだと。ところが、米軍基地には千五百七十五キロヘルツというAFRS、FENの放送があります、今もありますが。米軍のその放送は隊内の兵士に聴かす放送ですから、FM放送でもいいんじゃないかと。だから、中波の放送を私がもらったらどうかということをしましたら、NHKの方がなるほどということで一生懸命運動してもらいまして、新しい五百八十五キロヘルツというのができました。これも、まず先に米軍の方に電波の割当てがあったわけです。
また、岩国ではシンフォニア岩国という県立の大きな音楽堂があります。千三百人の、大変立派な、百億円も掛けて造ったホールでございますが、そこは基地の使用電波と競合するのでワイヤレスマイクが使えないんです。何本かは使えます。だけど、例えば劇団四季が来ましたら、俳優が全部、三十人が全部ピンマイクを使ってやります。そのマイクは使えぬのです。それはなぜかというと、米軍の中に電波の割当てがもう行っているからですが、そういう問題も、先日来いろんなことでその話が出ていますので、そういうことの解決なども、ただ
箱物を造るというのでなくて、大切なことじゃないかと私は思っております。
住民の
皆さんが安心、安全に暮らせるように、引き続き地元要望というものに対しても耳を傾けていただきたいと思っております。
北澤
防衛大臣も、就任以来、
政権交代しましてちょうど一年ぐらいになりますが、岩国に来ていただきまして、私と地元選出の平岡現
総務副
大臣と一緒に基地と米軍再編ということでフォーラムを開きました。そのときに自ら来られまして、市民の方々に直接
防衛大臣がお話をされました。これは過去になかったことですので、
大臣のその積極的な姿勢、人々と、
国民と、一人一人と話そうという姿勢を高く私は
評価しておるわけでございますが、概して今まではあめとむちという
考え方で基地周辺
対策が行われていた懸念があります。副
大臣の方も度々来ていただきまして、岩国の
人たちに語りかけております。それはやっぱり前
政権時代にはなかったことで、その辺のところしっかり取り組んでいただきたいと思っております。
そしてまた、基地の整備と同時に岩国の空港が、岩国の飛行場が今度再編されます。昔はあったんですが、中止になっておりましたのが今度再編されます。そして、山口県では、今度
平成二十七年に、国際親善と青少年の健全育成ということで、世界の百六十か国以上の国が参加する世界ボーイスカウトジャンボリーが行われます。そういうことなど、岩国に、基地にはもう既に五千人のアメリカ兵がいます。そしてそういう人がどんどんやってまいります。一般の
人たちも、米人、アメリカ人と、将兵と日本人の
人たちが一緒に日ごろは交流がたくさん行われておりますので、基地
対策とインフラ整備ばかりでなくて、そういうものも含めて、そういうことも含めて、日米親善、日米基軸をしっかり大事にしながら、そして地元の方に本当に納得してもらえるような基地
対策が私は大切だと思います。
地元からは、今回の再編で、野球場を造ってほしいとか、あるいはコミュニティーセンター造ってほしいとか、航空博物館を造ってくれというのもあります。そして、友好親善もしっかりしたいとか、そして米軍の住居の、柵で囲ってありますが、そういうものでなくて、柵で囲まずにできるような対応が必要じゃないかという意見もたくさんあるわけですが、そういうことに対して、この電波の問題とかあるいはインフラ整備の問題につきまして、
防衛大臣からお
考えを聞きたいと思っております。