○
委員長(
鶴保庸介君)
平成二十年度
決算外二件を
議題といたします。
質疑は既に終局しておりますので、これより討論に入ります。
各会派の討論に先立ち、この際、御報告いたします。
平成二十年度
決算についての
内閣に対する警告及び
平成二十年度
決算審査措置要求決議案については、理事会において
協議の結果、お手元に配付いたしましたような案文とすることに
意見が一致いたしました。
それでは、警告の案文を朗読いたします。
内閣に対し、次のとおり警告する。
内閣は、適切な措置を講じ、その結果を本院に報告すべきである。
1
平成二十年度
決算検査報告において、指摘
金額が二千三百六十四億五千万円と二年連続で過去最悪となっていることや、不当事項等の指摘件数も過去二番目に多い七百八件に上っていることなど、不適正経理や無駄遣い等の指摘が後を絶たないことは、遺憾である。
政府は、歳出全般にわたって無駄の排除を厳しく求められている中、本院の度重なる警告等にもかかわらず不適正な公費支出が繰り返されている
事態を重く受け止め、
予算執行の適正化に向けた抜本的な再発防止策を講ずるべきである。
2 国等から多額の公費が支出されている公益法人について、内部留保率が三十パーセントを超える法人が国費等交付先法人全体の三分の一程度に達していること、所管府省OBが多数天下り、かつOBの在籍人数が多い法人ほど所管府省からの支出額が多くなる傾向があることなど、様々な問題が指摘されていることは、看過できない。
政府は、公益法人に対する国等からの公費支出について、その必要性を絶えず検証するとともに、所管府省OBが在籍する公益法人への支出については、特に透明性の確保に努め、その妥当性に関して
説明責任を十分果たすべきである。
3 独立行政法人の締結する契約について、随意契約が依然として半分程度を占め、競争契約での一者応札の件数割合が四割以上となっているほか、落札率が九十九パーセント以上の契約が過半となっているなど、実質的な競争性が確保されにくい状況となっていることが指摘されるとともに、業務
運営及び役員人事等についても、
国家公務員OBが役員に多数天下りしており、また、関連法人と不透明な契約関係にある法人も見受けられるなど、様々な問題が明らかになったことは、遺憾である。
政府は、独立行政法人に対して、
運営費交付金等の多額の財政支出がなされていることにかんがみ、契約の競争性の確保及び役員人事を始めとする適正な業務
運営を徹底させるべきである。
4 消防庁が、
平成二十一年九月に高度救命処置シミュレーターを大量調達した契約は、一般競争の体裁を取りながら、仕様、入札参加条件、予定価格等の決定及び
審査等において、透明性や公平性を欠いていた上、販売者の複数応札があった入札も実態は同一製造者からの調達であるなど、契約の競争性向上や
予算節減に対する配慮を著しく怠っており、国民の多大な不信を招いたことは、遺憾である。
政府は、
予算の効率的
使用を徹底するため、調達に係る
審査方法及び
審査基準を一層明確化するなどして手続の透明性等の向上を図り、契約の競争性が実質的に確保されるよう努めるべきである。
5
平成二十年度
決算検査報告において、
内閣府を始めとする一府四省の物品購入等に当たり不適正な経理処理が行われ、さらに、農林水産省及び国土交通省所管の国庫補助事業に係る事務費等に関しても、
会計検査が行われた地方自治体のすべてにおいて、虚偽の書類を
作成するなどして需用費等が支払われていた
事態が明らかになったことは、極めて遺憾である。
政府は、全府省を対象に
会計法令等の遵守を徹底するなどして内部統制機能を確保するとともに、地方自治体に対しても、国庫補助事業に係る経理の適正化に向けて指導・助言を積極的に行い、公金の
使用に対する国民の信頼回復に努めるべきである。
6 独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構は、
決算検査報告において
平成十八年度から三年連続で委託費等に関して不当事項として指摘され、また、同機構が二十一年度に発注した地方委託事業に関して、委託先の十二道県の雇用開発協会等において契約に違反する
経費や飲食費に支出する等の不適切な経理処理が明らかになったことは、極めて遺憾である。
政府は、同機構の業務
運営の適正化に向けて、役員人事の刷新や、これまで実施されてきた業務委託の妥当性の検証に取り組むとともに、二十三年度以降、同機構が自ら担うこととした現行の地方委託事業について、円滑かつ効率的な実施を徹底させるべきである。
7 航空自衛隊が発注したオフィス家具等の調達に関して、航空自衛隊第一補給処の職員がOBの天下り先であるメーカーに対し、それぞれの受注目標を事前に設定するなど、
平成十七年度から二十年度までの四年間に結んだ三百十一件の契約において、官製談合が行われていたことは、極めて遺憾である。
政府は、
平成十六年度
決算に関する本院の警告において、防衛施設庁の官製談合を指摘されたにもかかわらず、再び官製談合が引き起こされた
事態を重く受け止め、再発防止に万全を期すべきである。
8 独立行政法人駐留軍等労働者労務
管理機構は、主たる事務所を
東京都に置くことが
法律で定められているにもかかわらず、本部の実質的機能を他県へ移転し、そのため独立行政法人通則法において毎年度
大臣の承認を受けることとされている
財務諸表も、
平成十九年度以降承認されていない不正常な状況が継続していることは、看過できない。
政府は、同機構に対し、法令違反の疑義ある状態を早急に是正し、業務の効率化を図るよう、指導を徹底すべきである。
以上であります。
なお、
議決案はお手元に配付のとおりでございます。
それでは、御
意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。