○松あきら君 公明党の松あきらでございます。どうぞよろしく
お願いいたします。
NHKで先日、原発
事故の特集を放映いたしておりました。「シリーズ原発危機 第一回
事故はなぜ深刻化したのか」。先ほどまで
班目委員長が
出席をされておられました、今いらっしゃいませんが。
原子力安全委員会の
班目委員長、番組の当初の方で、これは天災ではなく人災です、そして、番組の終わりの方で、三月十一日以降のことが全部取り消せるんだったら、私は何を捨てても構いません、三月十一日以降のことを全部なしにしていただきたい、本当にもう、三月十一日以降のことが何もなければなと、それに尽きます。
私も、実はこれを見ておりました。この
言葉は大変に重い
意味があると
思います。すなわち、
政府、
東電の
初動対応は間違っていたということを言外におっしゃっているわけであります。我が国の原発に関して重要な役職にある
原子力安全委員会委員長の悲痛な叫びであると私は
思います。
初動態勢の遅れや混乱については種々の
指摘があるところでございます。また、
原子炉冷却のための海水
注入の中断については、細野発言が引き金になりました。
政府と関係機関は混乱し、国民に不信感を増大をさせました。不用意な発言をした責任は重大であります。さらに、
事故から二か月もたって、
メルトダウンをしていたとの
東電の報告は、この国が原子力発電を行う能力がないのではないかとさえ思われる、あるいは思わせる、こういう状況であります。
そして、
政府は何よりも
情報開示が大事と、こうおっしゃっておりますが、今なお本当にきちんと
情報開示が行われているのか、甚だ疑問であります。国民は疑いの
気持ちが晴れないというのが私は本当のところではないかと
思います。
それでは
質問に入らせていただきます。
これまで、
福島第一原発の
事故は想定外の津波により電源がトラブルを起こしたためであると
政府も
東電も発言をしてまいりました。私も実はそう信じておりました。地震ではなく、地震によって起こった津波である、これが原因である、そう言われ、そう信じてきましたし、私も当
委員会でもそういうふうに発言もしておりました。
しかし、四月七日に起こった大きな余震、これ女川では震度六強であります。東北電力管内の女川原発、これは宮城県、や東通原発、これは青森県、でも電気系統のトラブルにより一時的にせよ
燃料プールの
冷却機能が停止する
事態に至っておりました。女川原発では、五系統ある外部電源のうち三系統が使用不能になって、一系統は定期点検中で、残り一系統で
冷却を続けたそうです。東通原発でも、三台ある非常用発電機のうち二台が点検中で、残る一台もオイル漏れで止まったと報じられているんです。さらに、女川原発では、
燃料プールなど八か所で水漏れが見付かり、地震動と、地震の動きですね、プールの水が共振、共に揺れて、揺れが拡大されるスロッシング現象が起きたとされているわけであります。
当時、プールの
冷却機能が停止した時間は、女川一号機が五十三分、二号機は一時間二十一分、三号機が五十九分、東通一号機は二十六分。その後は復旧をいたしました。このことを全体的に考えますと、やはり原発
施設の構造的問題があるのではないかとの懸念が浮かび上がってくるわけでございます。
まず、津波でなくても、地震被害による電気系統に容易にトラブルが起こり得るということ、次に、縦揺れの激しい地震によるスロッシング現象のような
事態で
燃料プールが
損傷するということ、また、原発の非常用ディーゼル発電機は
運転時は二台、停止中と
燃料交換中は一台だけ動けばよいとされていた甘い考えのルール、全国の原発
施設が常に危険につながる要因を抱えているのではないかと
思います。女川や東通だけではなく、全国の原発
施設の在り方に対する根本的な見直しが私は必要ではないか。
私も
経済産業省にお役をいただいていたときにいろいろ言いました。けれ
ども、言われました。松先生、地震では大丈夫なんです、まあそれは一〇〇%ということは人間
世界ではあり得ないけれど、本当にそれに近い、もう大丈夫です、地震で何か起こり得るということはないんです、こうずっと言われてまいりました。
ドイツのメルケル首相は、科学上起こり得ないことが日本では起きてしまっていると発言して、ドイツでは脱原発へ再びかじを切りました。これは余分なことですが、ドイツやイタリアは実は、脱原発宣言しましたが、一七%もフランスから電気買っているわけでございます。これは余分なことですけどね。これは事実としてちょっと私は心の中で思っているわけでございますけれど。
けれ
ども、フランスは、これでもか、五重、六重、七重に安全対策、もう古いものは本当に順次新しいものに切り替えてこういう対策をしているし、もしも今回みたいに、仮に天から隕石がおっこってきて、原発の上にですよ、そういう、まあそんなことは起こり得ないにしても、あちらは地続きですから、テロだって、どういうことが起こるか分からないわけですから、そういうことが起きて、今回の例えばこういうあり得ない、起こり得ないと思っても、日本では起こり得ないと思っていたことが起こり得たとしたら、そのときの対策も全部考えているというのが、これはちなみにフランスはそういう対策も全部考えているそうであります。まあこれはおいておきます。
要するに、原発は絶対安全ではなく、もしかしたら
事故は起こり得る、こういうことを土台にして、本当にしっかりとした、安全基準という問題も出ましたけれ
ども、津波も地震もあるいは全てにおいてこういう対策を考えて改善する必要がある。これに対して、
大臣、お考えをお聞かせいただきたいと
思います。