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2011-07-28 第177回国会 参議院 環境委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十三年七月二十八日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  七月二十八日     辞任         補欠選任      松野 信夫君     姫井由美子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長        北川イッセイ君     理 事                 轟木 利治君                 山根 隆治君                 有村 治子君     委 員                 大石 尚子君             ツルネン マルテイ君                 白  眞勲君                 姫井由美子君                 前田 武志君                 松野 信夫君                 柳田  稔君                 小坂 憲次君                 鈴木 政二君                 谷川 秀善君                 中川 雅治君                 加藤 修一君                 水野 賢一君                 市田 忠義君                 亀井亜紀子君    国務大臣        環境大臣     江田 五月君    副大臣        経済産業大臣  松下 忠洋君        環境大臣    近藤 昭一君    大臣政務官        経済産業大臣政        務官       中山 義活君        環境大臣政務官  樋高  剛君    事務局側        常任委員会専門        員        山下 孝久君    政府参考人        文部科学省科学        技術学術政策        局次長      渡辺  格君        資源エネルギー        庁省エネルギー        ・新エネルギー        部長       安井 正也君        資源エネルギー        庁電力ガス事        業部長      横尾 英博君        資源エネルギー        庁原子力安全・        保安院長     寺坂 信昭君        国土交通省水管        理・国土保全局        下水道部長    松井 正樹君        環境大臣官房廃        棄物・リサイク        ル対策部長    伊藤 哲夫君        環境省総合環境        政策局長     白石 順一君        環境省総合環境        政策局環境保健        部長       佐藤 敏信君        環境省地球環境        局長       鈴木 正規君        環境省水・大気        環境局長     鷺坂 長美君        環境省自然環境        局長       渡邉 綱男君     ─────────────   本日の会議に付した案件政府参考人出席要求に関する件 ○環境及び公害問題に関する調査  (災害廃棄物処理における国の支援体制に関す  る件)  (再生可能エネルギー拡大総合エネルギー  政策の在り方に関する件)  (政府による原発に依存しない電気の調達の必  要性に関する件)  (放射性物質に汚染された災害廃棄物処理責  任に関する件)  (再生可能エネルギー拡大に向けた環境省の役  割に関する件)     ─────────────
  2. 北川イッセイ

    委員長北川イッセイ君) ただいまから環境委員会を開会いたします。  政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  環境及び公害問題に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、文部科学省科学技術学術政策局次長渡辺格君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 北川イッセイ

    委員長北川イッセイ君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 北川イッセイ

    委員長北川イッセイ君) 環境及び公害問題に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  5. 中川雅治

    中川雅治君 江田大臣法務大臣環境大臣兼務されることになりました。法務大臣環境大臣も大変重要な閣僚でありまして、この二つのポストを兼務されるということは大変お忙しいことと思います。聞くところによりますと、月、火、木は法務大臣室に、水、金は環境大臣室に出勤されておられるというようなことでございます。私は環境省局長事務次官を務めましたが、大臣が常時役所におられないということになりますと、何か決めるにしてもなかなか大変だと思います。大臣の時間がなかなか取れないということになりますと、大臣に判断を仰ぐ案件を絞らざるを得ないというようなことも起こりかねないと思います。  一方、閣僚の数は内閣法で十七人以内と決まっておりますので、復興担当大臣原発担当大臣を置きますと既存の大臣兼務しないと無理になるという事情があることは分かりますが、法務大臣環境大臣をお一人の大臣でこなすのは果たして適当なのかどうか。江田大臣はいつまでおやりになるのかは分かりませんが、今後とも災害廃棄物処理など震災関係の重要な仕事も続きますし、COP17などの国際会議もあるでしょうから、法務大臣との兼務というのはどうなのか。松本環境大臣防災大臣兼務していて、当委員会におきまして川口順子委員よりそれは問題であると指摘したところでございますが、今回また法務大臣との兼務ということで、菅総理環境省仕事を軽く見ているのではないかという気もいたします。  この点について江田大臣の率直な見解をお伺いしたいと思います。
  6. 江田五月

    国務大臣江田五月君) 御心配をいただいて大変恐縮に思います。  菅総理大臣環境行政を軽く見ているのではないかという御質問ですが、菅総理大臣環境行政を軽く見ているということはないと思っております。  月、火、木が法務大臣室、水、金が環境大臣室というように今お話しいただきましたが、そんなことはありません。現に今日は木曜日ですが、私、環境大臣室にまず朝八時過ぎに入りまして、そこへ法務省事務方も来て法務省仕事を済ますとか、逆に法務大臣室にいて環境省職員が来てその仕事をするとか、かなり御心配のとおりなかなか多忙でふらふらになっておりますが、それでも両方精いっぱいやっているつもりでございますし、また、副大臣大臣政務官、大変有能なお二人もいますし、環境省職員も精いっぱい支えてくれていますし、また衆参の委員会皆さん方の御指導、御鞭撻もいただいて、全力を尽くして職務に当たる覚悟でございます。  菅さんについては、今御指摘のように、十七人という国務大臣の制約の中でやっていかなきゃいけないと。しかも、三月十一日以来、未曽有大震災原発事故、津波、こうしたものがあって、専任復興あるいは専任原発対応、こういう大臣が必要な中で、どこかに兼務をしなきゃしようがないというそういう事態の中で、どの大臣がどうというんじゃありませんが、環境をどこかと兼務をさせなきゃいけないというところへ行ったんでしょう。そして、そのどこかというので私を重要な仕事に当たれというように選択をしてくれたので、これは菅総理も重要視して私を充てたと自負をしているところでございます。
  7. 中川雅治

    中川雅治君 この問題は人事の話ですのでこれで終わりますけれども、大臣も今おっしゃったように、法務大臣室環境省職員が行って説明するというのも何となく違和感がありますし、御自身でふらふらになっておられるという、そういうような兼務というのはどうなのかなということを再度申し上げたいと思いますが。  次の質問に移ります。  私は四月の初めに仙台市若林区と石巻市に行ってまいりました。また、七月の初めに釜石市、大槌町、宮古市に行ってまいりました。瓦れき状況をこの目で見て、そしてまた県や市の担当の方から国への要望というものを率直に伺わせていただきました。  被災市町村災害廃棄物処理進捗状況を伺いますと、現在、一〇〇%になっている自治体もございますけれども、例えば石巻市では二〇%、多賀城市で二三%、それから釜石市で二八%と、進捗の遅いところもございます。もっとも、石巻市では瓦れき推計量は六百十六万トンに及んでおりまして、搬入済割合は二〇%であるというふうにいいましても搬入済量で申し上げれば百二十万トンにもなっておりまして、大変な量を既に処理しているわけで、本当に大変な作業が毎日続いております。  しかしながら、全般的に申し上げまして、いつまでにどのような処理が終わり、最終的に全ての処理が終わるのはいつなのかといっためどを住民皆様方にはっきりさせることが極めて重要だと思います。災害廃棄物処理の今後のスケジュール、計画について簡潔にお答えいただきたいと思います。
  8. 伊藤哲夫

    政府参考人伊藤哲夫君) 今回の震災では災害廃棄物発生量が非常に多く、また行方不明者捜索など困難な状況の中で撤去が行われてきましたことから、地域によって進捗状況に差はございますが、市町村努力により仮置場への搬入が進んできており、既に四割以上の災害廃棄物が撤去され、仮置場搬入されております。  環境省は、五月十六日に公表した災害廃棄物処理方針、いわゆるマスタープランでは、現在、住民が生活している場所の近くにある災害廃棄物を本年八月末までを目途に仮置場へおおむね移動することとしており、これはほとんどの市町村で達成できる見込みでございます。また、その他の災害廃棄物につきましては平成二十四年三月末までを目途に仮置場へ移動を完了させることとしております。さらに、中間処理最終処分につきましては、再生利用を予定しているコンクリートくずなどを除き、平成二十六年三月末までを目途に完了させることとしているところでございます。  被災地自治体においてこれらの目標が達成できるよう、環境省としても最大限支援をしてまいりたいというふうに考えております。
  9. 中川雅治

    中川雅治君 私が被災市の担当者から伺ったところによりますと、瓦れき処理がなかなか進まない理由の一つとして、市町村機能震災で著しく低下し、膨大な作業に追われる中で人手が足りず、一次、二次の仮置場を探す作業瓦れき処理に当たっての様々な契約を結んでいく仕事が追い付かないということがあるように思います。  環境省職員を各県に派遣し、市町村事務について応援をしておられるというように伺っておりますが、もっと応援が必要ならば環境省以外の省庁や他県の自治体の方を含めて更なる応援体制の充実を図っていくべきだと思いますが、いかがお考えでしょうか。
  10. 樋高剛

    大臣政務官樋高剛君) この災害廃棄物の円滑かつ迅速な処理を進めるために、今先生がおっしゃいましたけれども、環境省職員被災三県におきまして合計十二名の職員派遣をさせて常駐させていただいているということでございますが、同時に、先生がおっしゃった問題意識でありますけれども、民間のコンサルタントも今合計八名常駐をさせていただいているところでございます。  それと同時に、実は十名弱でチームを組みまして沿岸市町村をそれぞれの役場に訪ねていきまして、様々な地域のニーズあるいはお困りのことなどに的確にその場でダイレクトにアドバイスをさせていただくということで、巡回訪問を六月から行わさせていただいて、六月、七月と二回行ったところでございます。そして、来月もまた各市町村全部、人手を賄うために、あるいはその部分を補うために来月も回り、またその後は三か月に一度回る今計画をしているところでございます。  また、実は、もう釈迦に説法の話でありますけれども、この災害のみならず廃棄物処理そのものに精通をしていらっしゃるのは市町村職員の方々でございまして、その人的支援といたしまして、岩手宮城福島市町村から二十六名の支援要請を、こちらの方から伺って何人必要だろうかということを直接聴取をさせていただいて、これに対しまして被災地以外の自治体から三十名を超えます職員派遣申出を有り難く全国からいただいているところでございまして、現在、十一の自治体に対しまして二十一名の派遣が決定をしておりまして、そのほかにつきましても環境省中心となって今調整をし、市町村機能のお手伝いをさせていただいているところでございます。  また、それに加えまして、今、各省連携、極めていい形で行わさせていただいておりまして、常に連絡を取り合いながら、緊密に連携を取りながら実を上げてきているということでございます。  それと、あと申し上げさせていただきたいのは、実は人手がどうしてもそれでも足りないということを補うために何をやっているかということをちょっと披露させていただきますと、例えば概算交付に当たりまして、手続簡素化迅速化というのを今までにない例で行わさせていただいております。  例えば災害報告書につきましては、通常でありましたら県あるいは地方環境事務所を経由して提出を普通はしなければならないんですけれども、市町村から直接ダイレクトに本省に提出をしてもらうということにもいたしました。また、災害報告書の、普通はやらないんですけれども、作成例をむしろこちらで作ってお示しをさせていただいて、現地派遣している職員を通じて市町村にその周知も実施をさせていただいているところでございます。  また、この概算交付につきましては、普通、調査につきましては、通常でございましたらば、先生財務省出身でもいらっしゃいますのでもう御案内のとおりでありますが、現地におきまして実地調査を行わなければならないわけでありますけれども、これも書類調査のみで概算交付ができるように簡素化をさせていただいております。  また、補助率算出の基準となります二十三年度標準税収入が示されるまで、概算交付において二分の一の補助率を適用するのではなく、二十二年度標準税収入を暫定的に適用させていただいて、柔軟に適用させていただいて補助率算出をすると。また、災害報告書提出から支払まで、従来実績ベースでは約二か月掛かっておりましたところを半分にしようということで、今約一か月で財務省さんと協力をしてこれらの措置を講じているところでございます。  いずれにいたしましても、この人手不足を補うためにもこうした事務簡略化も通じまして、とにかく被災地災害廃棄物を一刻も早く取り除き、被災地の生活、そしてふるさとを取り戻すべくこれからも全力を傾注してまいりたいと思っています。
  11. 中川雅治

    中川雅治君 今のその概算払の話ですけれども、実際に現場市町村担当の方は、とにかく早くお金が欲しいけれども、なかなか環境省からお金が来ないと、こういうことを言っておられます。実際に、一次補正予算瓦れき処理費用として三千五百十九億円が計上されておりますが、現在のところ、いわゆる概算払という形で交付決定されたお金は二百八億円にすぎないというふうに聞いております。  今、政務官、この概算払を迅速に行うためにいろいろ応援をしたり簡略化したりしてもうとにかく早くやるんだと、こういう決意を述べられまして、それは大変結構なことだと思いますので是非そうしていただきたいんですが、現場ではこの災害報告書などについても、実際に提出すると、こういうふうに直すんだということでまた戻されるというようなことがあって、もう本当に人手がなくてもう力が落ちている、そういう市町村に対してなかなか面倒な手続を課しているというふうに現場市町村は認識をしているようでございます。  ですから、実際には、市町村の中には道路災害復旧事業費を使って取りあえず瓦れき処理を進めているんだと、もうお金がいつ来るか分からないので、取りあえず道路災害復旧事業費の方が使い勝手がいいんでこれでしのいでいるんですというようなことを言っておられた方もございまして、なかなか概算払がうまく機能しているとは言えない状況だと思います。今政務官のお話を伺って、これから進むんだということを期待をいたします。  ところで、政府より提案されております東日本大震災により生じた廃棄物処理特例に関する法律案では、環境大臣は、市町村長から要請があり、かつ、必要があると認めるときは、市町村の区域内における災害廃棄物収集運搬処分に係る事務当該市町村に代わって自ら行うことができるものとするとされておりますが、私が思いますのに、岩手県や宮城県の被災市町村におきましては、環境省が自ら瓦れき収集運搬を行うといいましても、市町村を差しおいて代行してもなかなかうまくいかないと思います。  むしろ、国がやるべきことは焼却場最終処分場確保だと思います。焼却場最終処分場確保することは一市町村だけでは到底無理ですから、広域的な対応をしなくてはなりません。そうした焼却場最終処分場確保は国が積極的に代行していくべき分野だと考えますが、焼却場最終処分場確保というのはすぐにできるものではありませんので、今からしっかりと準備して進めていかなければならないと考えます。環境省対応状況を伺います。
  12. 伊藤哲夫

    政府参考人伊藤哲夫君) 災害廃棄物処理につきましては、これまで行方不明者捜索など困難な状況の中で自治体努力により既に約四割の災害廃棄物が撤去されており、今後、仮置場以降の処理が非常に重要な課題となってきているということでございます。国が代行することで災害廃棄物処理の一層の効率化が期待されるのは、今先生も御指摘のとおり、まさにこの仮置場以降の処理であるというふうに考えております。そういったことから、今般、この特例法案を国会に提出したところでございます。  環境省におきましては、これまでも廃棄物行政を所管する立場から、被災県に契約面技術面での支援ができるよう環境省職員十二名及びコンサルタント八名を常駐させるとともに、市町村巡回訪問を行うなど、今まで環境省と県、市町村が一体となって災害廃棄物処理を進めてきたと、こういう状況でございます。市町村から要請を受けて国が災害廃棄物処理を代行すると、こういったことになった場合におきましても、まさに先生指摘のとおり、全国自治体協力を得つつ、広域処理を進めるなど迅速かつ円滑に災害廃棄物処理が進みますよう努力してまいりたいと、こういうふうに考えている次第でございます。
  13. 中川雅治

    中川雅治君 瓦れき処理に当たって、収集運搬作業は極力地元建設会社などに発注し、地元の方の雇用を確保することは当然のことだと思います。しかしながら、焼却場最終処分場につきましては、もちろん当該市町村当該県の中だけで探すことは不可能でしょう。  そこで広域的な処理が必要となるわけですが、東北地方からかなり離れた、例えば九州などの産廃業者からも、自分のところの処分場が余っているから使ってほしいという声が出ていると伺っております。そのためには船で東北被災地から例えば九州まで最終処分すべき廃棄物運搬する必要がありますが、そうしたことを考慮しても、コスト的に新規の最終処分場を造るよりは安く済む場合もあるでしょう。そうした申出被災地最終処分場を求める要請とどのようにマッチングさせるかが大事なところでございます。  これはまさに環境省出番だと思いますので、こうした役割についてどのようにお考えか、環境省にお伺いいたします。
  14. 樋高剛

    大臣政務官樋高剛君) お答えさせていただきたいと思います。  中川先生今おっしゃった、まさしく広域処理、これはもう本当に重要なことであると受け止めをさせていただきたいというふうに思っております。  今、日本全国から、いわゆる被災地域以外、また沖縄県以外の四十二の都道府県に協力を依頼をさせていただきまして、五百七十二の自治体から年間四百八十八万トン、埋立て、破砕、焼却合わせまして、一年間で受け入れる能力が約五百万トンもの申出をいただいているところでございます。  環境省といたしまして、船舶、特に被災地域沿岸域が多うございます。しかし、大変な努力で港も大分復旧をしてきております。また、鉄道貨物も利用いたしまして、搬送効率なども高くいわゆる受入れ容量が大きい首都圏やあるいは関西圏中心に今具体化を鋭意進め、広域処理調整を進めているところでございます。  また、今回は何としても災害廃棄物ごみにするのではなくてむしろ有効な資源にしたいと、リサイクル率を高めることによってむしろその災害廃棄物ごみではなくてむしろ国の宝にしたいという思いを持って、例えば木材質が七割と今言われておりますけれども、それらをチップ化して例えば首都圏に持ってくる、その中でごみ発電所で混焼する、混ぜて燃やすことによって燃料にする、そしてそれと同時に発電をして首都圏電力を供給をしていきたい、こういうしっかりした循環をすると。かつて川口大臣がおっしゃっておりました環の国を目指すということを今まさしく具現化したいと、このように考えているところでございます。  しかし、その中で一点だけ考えなくてはいけない点があります。東京電力福島第一原子力発電所事故の影響を考えていかなくてはいけないと思っておりまして、例えば岩手宮城県内災害廃棄物放射性物質による汚染を危惧する意見も今現実に寄せられておりまして、慎重な対応もしなくてはいけないというふうに思っております。  先ほど申しましたとおり、自治体間の協力による広域処理を進めるということに当たりまして、やはり災害廃棄物を受け入れていただく自治体の側の住民皆様方の理解が欠かせないわけでございます。そのために、いわゆる被災地側では放射性物質濃度測定を行っていただいておりますし、また受入れをしようと申出をいただいている自治体皆様方も、被災地職員現実派遣をなさっていただいて、放射性物質濃度測定に立ち会っていただいて安全をその場で確認していただくと。まさしく安全第一、安心第一をまず担保することも一方で重要なことだというふうに思っているわけでございます。  この安全性が確認をされて一日も早く広域処理が開始できるように、しっかりとリーダーシップを発揮をし、そして環境省が、先生おっしゃいましたようにまさしく私は出番だというふうに思っております。全力で頑張ってまいりたいと思っています。
  15. 中川雅治

    中川雅治君 広域処理というのは、今政務官がおっしゃったように、言葉で言うほど簡単ではないと思うんですね。本当にいろいろな問題を一つ一つクリアしながら、まさに環境省リーダーシップを発揮していかなければならない問題だと思いますので、是非そこはしっかりとお願いをしたいと思います。  次に、私がやはり被災市の担当者から直接伺った話でございますが、国も県も一次仮置場から二次仮置場に持っていく段階で可燃物、木くず、不燃物金属くずコンクリートくずなどに分別して、さらに、破砕すべきものは破砕して、セメント焼成に回すもの、発電に回すもの、そして最終的に焼却するもの、さらには金属くずのように再生利用するもの、コンクリートくずのように建設資材に回すものなど、かなり細かく分別して計画を立てております。  今政務官がおっしゃいましたように、災害廃棄物を単にごみにするのではなく国の宝にしたいと、循環をする環の国を目指す、そういう御発言がございました。それはそれで大変結構なのですが、そういった細かな計画を全て完結させた上で瓦れき処理の一連の流れをスタートさせたいと、その被災市の担当者はですね、県も、そして国が背後にいるんだろうと、こういうことで言っておりましたが、そういう細かな計画を全て完結させてその全体像をつくった上でスタートさせたいと考える傾向があると、こういう発言があったわけであります。  しかしながら、被災市町村にしてみれば、細かな計画の策定は今の段階ではなかなか難しいし、その策定を待ってから進めるのでは遅くなってしまうという危惧を抱いている方がおられるのも事実でございます。一次仮置場への搬入が済んだ市町村、あるいはかなり進んでいる市町村はとにかく次のステップに行きたいと考えているわけですが、その先の最後までの計画ができていないからといって何かブレーキが掛かるようなことがあってはならないと思います。進ませながら次を考えると、こういう姿勢でよいのではないかと考えますが、この点についての環境省の見解を伺いたいと思います。
  16. 伊藤哲夫

    政府参考人伊藤哲夫君) 東日本大震災により発生した膨大な量の災害廃棄物は、津波により様々なものが混在している状況でございますけれども、可能な限り分別を行い、極力再生利用を図ることで処分量や処理コストを削減することが重要であるというふうに我々は考えております。  このため、環境省が策定した東日本大震災に係る災害廃棄物処理指針、マスタープランでは、発生現場で可能な限り粗分別を行った後で仮置場搬入し、仮置場において更に選別設備等で選別を行い、可燃物不燃物資源物、危険物などに分け、それぞれの特性に応じた適切な処理を行うことが望ましいと、こういうふうにしているわけでございます。  こうした考え方に立って、環境省では市町村あるいは県へ様々な格好で支援をしているわけでございます。もちろん地域ごとにいろんな実情があると思いますし、先生指摘のとおり走りながら考えるということも重要な点だと思いますが、こういったきちっとした分別を行っていくという処理は、結果として多くの場合、処理全体を早め、円滑な処理につながるものと、こういうふうに我々は考えている次第でございます。  いずれにしましても、このような処理指針の考え方を踏まえつつ、地域の実情にも応じた的確な災害廃棄物処理、これが迅速に行われるよう支援をしてまいりたいというふうに考えております。
  17. 中川雅治

    中川雅治君 もちろんきちんと計画を立てることは必要でありますが、まさに今部長が言われたとおり、それぞれの地域の実情に応じて柔軟に対応していくということも必要だと思います。  それからまた、これは私が伺った話ですけれども、各自治体担当者は、最終的に瓦れき処理をするときに、塩分を含んだものが多いため、脱塩あるいは除塩の技術が極めて重要になる、そしてこういう技術は国においてしっかりと開発してもらわないと困るということを口をそろえて言っておりました。通常の焼却炉であれば、塩分を多量に含んだものを燃やすと炉がかなり傷みます。そのために、塩分を含んだものを処理する特別な焼却炉を造る必要があるのではないかというふうに思います。また、塩分を多量に含んだヘドロの処理も問題になると思います。脱塩、除塩の技術開発、そして焼却炉の整備などについての環境省対応状況をお聞きいたします。
  18. 伊藤哲夫

    政府参考人伊藤哲夫君) 先生指摘のとおり、今回の震災では塩分を含んだ災害廃棄物が大量に発生をしているということでございます。これを一方で迅速に処理をしていかなきゃならないということで、まずは既存の技術処理体制を活用してどこまでできるのかと、こういったことをきちっと把握して進めていく必要があると思います。  このため、環境省から自治体に対し様々なまずは技術情報について通知をしているところでございます。具体的には、例えば、塩分を含んだ廃木材であっても、一定程度の塩分濃度であれば建材や家具の材料となるパーティックボード等の原料として活用することが可能であるとか、あるいは塩分を含む災害廃棄物を焼却炉で燃やすことは可能ではあるけれども、高濃度の塩分を含む場合には先生指摘のとおり炉の損傷につながるおそれがございます。このため、降雨にさらすことで塩分濃度を下げるとか、あるいは焼却の際に他の廃棄物と混合することで塩分濃度を下げると、こういった対応で炉の損傷を防ぐことが可能であると。あるいは、現場に専門家を派遣しましていろいろな相談に応じるということもやっています。  また、先生指摘のとおり、技術開発ということも非常に重要な課題であるというふうに我々は考えております。廃棄物に係る諸問題の解決に資する研究事業及び技術開発事業等を推進するための補助制度というのも環境省は設けております。こういった制度も活用しながら、災害廃棄物処理の迅速、円滑な処理を目指した技術開発を積極的に支援してまいりたいと、こういうふうに考えております。
  19. 中川雅治

    中川雅治君 技術開発、今からやるといってもこれはもう間に合わないと思いますので、とにかくそういう研究を早急に進めて間に合わせるということが大事だというふうに思います。  それから、瓦れき処理に当たって、アスベストやPCBの扱いについて私自身も以前から大変気にしているところであります。ボランティアの方がマスクもしないで一生懸命粉じんの舞う中、瓦れき処理を手伝っておられる姿などを拝見しまして、大変気になっているところでもございます。  環境省は、この点について指針を出して、かつアスベストの飛散状況については常時モニタリングを行っていると聞いておりますが、本当に多くの地点でしかも常時モニタリングをしているんでしょうか。そして、現在のところ問題のある事例は出ていないのかどうか。また、今後とも慎重に対応していかなければならないと思いますが、環境省考えをお聞きいたします。
  20. 伊藤哲夫

    政府参考人伊藤哲夫君) 環境省では、三月十九日に、震災で発生した災害廃棄物中のPCBあるいはアスベストの取扱いに関する留意事項というのを早急に取りまとめまして関係都道府県等へ周知徹底を図っているところでございます。  PCBに関する周知内容といたしましては、PCBを使用したトランス等が瓦れきの中に発見された場合は他の廃棄物と一緒に取り扱わず分別すること、あるいは機器に破損、漏えいがあった場合には、閉じられた容器、密封性のある容器に収納して保管すると、こういったことを通知しているわけでございます。また、PCBにつきましては、見分けるため、判別するための資料、これを実務担当者用と一般の方用と二種類作って都道府県に通知してそういったことの活用も求めているところでございます。  一方、アスベストに関する周知内容といたしましては、被災場所や一時保管場所において散水等により十分な湿潤化を行いアスベストの飛散を防止するとともに、焼却施設や埋立処分場において適正に処分すること、またアスベストが混入した疑いがあるものについてはリサイクルしないこと、こういったことの周知を図っているところでございます。また、アスベストの暴露防止対策としましては、防じんマスク等を被災地住民等へ無料配布をしていると、こういったこともやっております。  それから、被災地ではPCBやアスベストについての環境モニタリングを実施しているところでございます。現在までのところ通常環境状況と大きな変化はないと、こういうふうなことを確認しているところでございます。これは引き続きしっかりやってまいりたいというふうに思っております。  これらに加えまして、PCBやアスベストを含む災害廃棄物処理技術に係る相談窓口の開設、あるいは専門家を現地派遣する等の取組を進めているということでございます。  今後とも、被災地域における災害廃棄物中のPCBやアスベストが適切に扱われるよう関係者に周知し、PCBやアスベスト廃棄物による生活環境への影響を防ぐよう努めてまいりたいというふうに考えております。
  21. 中川雅治

    中川雅治君 このアスベストのモニタリングというのは、どういう地点で、常時というけれども、本当に常時やっているんですか。そこをちょっとお聞きしたいんですけれども。
  22. 伊藤哲夫

    政府参考人伊藤哲夫君) これは私どもの水・大気環境局の方の予算でやっているわけでございますけれども、常時ずっとどこかでやっているというわけではなくて、必要な場所において必要な時点で観測していると、こういうことでございます。
  23. 中川雅治

    中川雅治君 ここのところはもう本当にしっかりお願いしたいと思います。アスベストというのは今は分からないわけで、影響は相当後に出るわけなので、あのときもっときちっとやっておけばよかったということに絶対にならないようにお願いしたいと思います。大臣、しっかりお願いしたいと思います。  それで、現行の廃棄物及び清掃に関する法律、廃掃法では、廃棄物の定義において放射性物質及びこれによって汚染されたものを除くとされておりまして、福島県の各市町村放射性物質による汚染廃棄物処理について所管がはっきりしないという状態が続いておりました。当委員会でも、法的に環境省の所管であることを明確にするために、この放射性物質及びこれによって汚染されたものを除くという部分を削除すべきではないかという指摘が何度もなされたところでございます。  今回政府が提案している東日本大震災により生じた廃棄物処理特例に関する法律案においては、環境大臣市町村に代わって廃棄物収集運搬処分を自ら行うことができるものとされているわけですから、こうした放射性物質による汚染廃棄物処理こそまさに環境省が自ら代行すべき分野だと思います。また、福島県の各市町村の期待も大きいものと思います。  おとといの江田環境大臣の所信にも、「福島第一原子力発電所事故に伴って放出された放射性物質により汚染されたおそれのある」、おそれのあると、こう付いているんですが、「おそれのある福島県内の災害廃棄物については、六月二十三日に処理の方針を示したところです。」とございますし、また、「避難区域及び計画的避難区域においても災害廃棄物に関する調査を実施し、現状を把握した上で、できるだけ早く処理方策を確立したいと考えています。」とございましたが、これは松本環境大臣のときと比べてかなり前向きな姿勢に転換していると私は評価しております。  環境省は、法律改正はしないけれども、放射性物質によって汚染されたものという場合のこの汚染を厳格に解釈して、実際には、汚染ではなく汚染されたおそれのある災害廃棄物であるとして、実際には幅広く放射性物質による汚染廃棄物処理環境省がやるんだと、こういう覚悟を決めたというように理解してよろしいのでしょうか。江田大臣にお伺いいたします。
  24. 江田五月

    国務大臣江田五月君) 御指摘のとおり、現在の法体系では、原子力発電所の施設外に放射性物質が飛び散って、そして環境やあるいは廃棄物がその放射性物質によって汚染されるという、そういう事態を想定していないと。これは、もう我が国の法体系、ずっとこういう法体系になっております。つまり、そういうサイトあるいはアイソトープなどがある研究所、そういうところの中でこの放射性物質というのは完全に管理されるという前提に立っているので、今回の事態というのは、これはこういう言葉を言うといけないわけですが、想定していなかったというのはこれもう事実上そういうことでございまして、しかしながら現実に起きているわけですから、これは、いや法律が見ていないから現実にも見えないんだというようなわけにはいかない、現にそこにあるわけですから。これをどうするかというのは、これはもう政治上あるいは行政上逃げることはできない課題だと思っております。  そこで、やや技術的な嫌いがあるかもしれませんが、放射性物質により汚染されたおそれのある災害廃棄物と、こういう見方をして、おそれはあるけれども災害廃棄物であるからこれは処理をしなきゃいけないと、現実処理をした結果汚染されていたということになれば、それはそのときにまた検討しなきゃいけないということで、取りあえず迅速に処理を進めていく必要があることから、環境省として当面廃棄物処理法の体系によって処理を進めるという、そういうことにしたわけでございまして、今委員指摘のとおり、今回政府が国会に提出した東日本大震災により生じた廃棄物処理特例に関する法律案においても、おそれのある廃棄物と、これを対象としているということにしております。  しかし、委員指摘のとおり、そうはいっても、おそれのあると言ったって、現に汚染されているのは事実じゃないかという、この事実を覆い隠すわけにはいかないわけでありまして、今後、災害廃棄物処理を進めていく上で放射性物質による汚染と廃棄物処理法との関係について改めて法的な整理を行う必要があると、これはそう考えておりまして、環境省としては立法措置を含めた検討を行っていきたいと、こう思っております。
  25. 中川雅治

    中川雅治君 これは有村理事が松本大臣のときに随分追及された問題でございますけれども、江田大臣の答弁は大分前向きになってきたというふうに思います。この放射性物質によって汚染されたおそれのあるということももちろん含めて、この放射性物質により汚染された廃棄物処理こそ国が市町村に代わって代行すべき分野でありますので、しっかりと責任を果たしていただきたいと思います。  その場合に、当然、予算そして人、これを付けなきゃいけないと思うんですね。予算は、これから第三次の補正予算もありますし来年度の予算もありますので、しっかり要求して獲得してもらいたいと思いますし、環境省に原子力の専門家がいないということも有村理事の質問で明らかになったことでございまして、これもやっぱり省庁全体の中で出向というようなこともできるわけですから、人の手当てもして、まさに環境省こそしっかりとこの分野で責任を果たしていただきたいというふうに思います。  それから、ちょっと時間もないのでこれは答弁結構ですが、仮設住宅においてシックハウス症候群の疑いがある方が現れたという報道がございましたですね。仮設住宅に入ってシックハウス症候群になったんでは、これはもう大変な話でありまして、環境省においても、当然これは所管事項であると思いますので、それを防ぐための方策を考えていただきたい、関係省庁としっかりと協議してやっていただきたいと思います。これは要望しておきまして。  次に、最近、菅総理閣僚の間でばらばらな発言が目立っています。エネルギー政策の分野におきましても、菅総理のG8での一千万戸に太陽光発電という発言やストレステストをめぐる発言、脱原発をめぐる発言は、いずれも閣内での十分な議論や調整を経ないまま菅総理が公の場で発言し、関係閣僚が聞いていないとか鴻毛より軽いと言ったり、官房長官が首相は遠い将来の希望を語ったのだと言ったり、菅総理も後であれは個人の考えだと言ったり、もうめちゃくちゃな状況になっております。  江田環境大臣としては、当然御関心のエネルギー政策の分野でのこうした菅総理と関係閣僚のちぐはぐな発言をどう見ておられるのか、率直なところをお伺いしたいと思います。
  26. 江田五月

    国務大臣江田五月君) エネルギーに関しましては、これは原子力発電というものを今後どう位置付けていくのかと、これがテーマだと思います。  菅総理大臣が、将来原子力発電に依存しない、依存の程度をだんだん少なくしていって依存しない、そういう社会を目指していきたいというようなことを記者会見で言われた。そしてもう一つが、今委員指摘の、いわゆる玄海原子力発電所の定期点検後の再稼働について、ストレステストの導入ということについて閣内でさざめきがあったというようなことでございますが、菅総理大臣が自ら申し上げているとおり、手順において若干の不手際があったということは私も否めないことだと思っております。  ただ、しかし、原子力発電というものにどれだけこれから依存できるかということについては、今回の福島第一原子力発電所事故というものはこれは大きな本当に歴史的な意味を持つ出来事であると思います。今の段階ではこれは大変なダメージという意味で歴史的な意味を持っているわけですが、これを乗り越えていくことによってどういう方向が見えてくるか、そこで私は、やはりこれは歴史的に意味のあった出来事、こう必ずしていかなきゃいけないと思っております。  そういう意味でいえば、今国民の中に原子力発電というものにどれだけ頼れるのかということについて大きな懸念が湧いている、疑問が湧いている、これは事実でございまして、そういう国民の懸念や疑問を真正面から受け止めて、そして将来こうした巨大技術というものが持つ脆弱性というものを乗り越えていく、そういう私たちの在り方をつくっていかなければいけないので、私は菅総理大臣のこの意味における原子力発電についての認識と方向性というものは意見を同じくしております。これは、ただ、今急にできるとかいうものではもちろんありません。経済の動向もあります。国民の意識もあります。やはり国民的な議論をこれからしっかりと積み重ねていかなければいけないものだと思っております。
  27. 中川雅治

    中川雅治君 ちょっと時間もだんだん迫ってまいりましたので、次にお聞きしたいのは地球温暖化対策に関してでございます。  おとといの環境大臣の所信の中に温室効果ガス二五%削減については全く触れられていませんでした。二五%削減については元々かなり難しいと考えられておりましたが、原発事故を受けて原子力発電の行く末が大きく変わりましたので、もはや二五%削減を国際的に約束していくことは無謀と言ってもよい状況になったと思います。江田大臣は温室効果ガス二五%は取り下げたと考えてよろしいのでしょうか。
  28. 江田五月

    国務大臣江田五月君) そういうことではありません。地球環境を守っていく、温暖化ガスの排出は抑制していく、低炭素社会を実現をする、これは私ども日本というこの国が人類のために、まさに真の地球益のために果たしていかなきゃならぬ課題でありまして、こういう課題に取り組むために、全ての主要国が参加する公平かつ実効性のある国際的枠組みの構築とそして意欲的な目標の合意、これを前提として我が国が二五%削減という目標を掲げているものでありまして、これは、何かこういうふうに数字をずっと積み上げてこうするといって二五%にたどり着いたのではなくて、まさに主要先進国が二五から四〇の間の削減をこれからやっていかなきゃいけないと、そういう大きな国際目標の中で日本が二五%というものを掲げたということでございまして、これからもこの目標をどうやったら実現できるかと。  今確かに、事故があり、原子力発電というものがその中でカウントできる度合いというのが下がってきておりますが、それでもなお、例えば省エネルギー、再生エネルギーに対する国民の熱意というものが今燃え上がってきているところでもあり、そうした機運を生かしながら二五%に向けてどれだけ私たち努力できるかをぎりぎりまでやっていかなければいけないものだと思っております。
  29. 中川雅治

    中川雅治君 年末のCOP17で二五%削減というのをもう一度主張するのかどうかということをお聞きしたいと思ったんですが、江田大臣が行かれる可能性はどのくらいあるのか分からないし、別の方が行かれるときにここで答弁されたことが縛られても困りますので、聞くのはやめます。  それともう一つ、環境大臣の所信の中に、地球温暖化対策のための税の速やかな導入が必要であると考えていますとありまして、環境税の導入については触れていますが、排出量取引については触れておりません。私は排出量取引については極めて問題が多い制度であると考えておりまして、排出量取引について触れていないことはそれはそれで結構なことだと思いますが、江田大臣は排出量取引については諦めたと解釈してよろしいんでしょうか。
  30. 江田五月

    国務大臣江田五月君) 大変申し訳ありませんが、これもそういうことではございません。排出量取引、これも地球温暖化対策の柱であるということは変わりはありません。  昨年末に取りまとめた「地球温暖化対策の主要三施策について」という政府方針において認識を示して、産業に対する負担等も見極めながら慎重に検討するということにしておりまして、与野党の御意見を真摯に受け止めて、この地球温暖化対策基本法の成立に向け誠実、柔軟に対応していき、引き続きそうした排出量取引のことについても取り組んでまいりたいと思っております。
  31. 中川雅治

    中川雅治君 地球温暖化対策税についてだけ触れて、排出量取引については触れていない。これは、地球温暖化対策基本法案の中に両方入っているわけですね。で、片っ方は触れていませんし。  何よりも、二五%削減という極めて重要な民主党政権の政策を、これについて触れていないので、何か環境税、地球温暖化対策税だけ触れているということにそれなりの意味があるというふうに当然受け取ると思いますが、これからCOP17に向けて、これはもう本当に日本国としてどういう対応方針で臨むのかという非常に重要なことを検討しなきゃいけない時期が迫っていますので、そういうことも全て含めてもう一度しっかりと対応方針を出さなきゃいけないと思います。もちろん温室効果ガスの削減の目標をどうするのかということと、やはりこの原発事故を受けて日本に対して世界の各国が皆注目しているわけですので、時間軸をはっきりさせた具体的なエネルギー総合戦略を持ってCOP17に臨まなきゃいけないと思います。  その対応方針についてお聞きしたいと思いますが、同時に、ちょっと時間もございませんので、エネルギーの基本的な政策をこれから検討するに際しての環境省のスタンスをお聞きしておきたいと思うんです。  と申しますのは、最近、脱原発とか縮原発とか超原発とかいろんな言葉が出ておりますが、私は言葉によって人を色分けするようなことはすべきではないと思うんですね。要するに、もうみんなでとにかく我が国のエネルギーの在り方をしっかり議論していくことこそ必要なときだというふうに考えます。  実際問題として原子力発電については新設を推進することはなかなか難しい状況になっておりますので、いずれにしても、現在のエネルギー基本計画における二〇三〇年における五三%という目標は見直さなければならないというふうに思います。一方、直ちに全ての原発を止めるということは、これまた電力の安定供給に支障を来すことになるということも現実問題としてあるわけであります。  おととい、政府の国家戦略室は、定期点検中の原発を再稼働せず、国内の原発五十四基が全て停止した場合、来年の夏のピーク時で最大千六百五十六万キロワット、需要全体の九・二%分が不足するとの試算を出したというふうに報道されています。要は、時間軸と数値目標を明確にした総合エネルギー戦略を打ち立てることがまず必要なことであります。そういうことがないと、COP17にも行けないというふうに思います。  環境省再生可能エネルギーを推進する立場にあると思いますが、再生可能エネルギーといっても、太陽光、小水力、風力、地熱、バイオなどそれぞれ一長一短、光と影の部分がありまして、どれもそう簡単に一挙に伸ばすことは難しいと思います。しかしながら、再生可能エネルギーを推進していくことはこれからの時代においてどうしても必要なことであることも間違いありません。  そういうことで、環境省エネルギー政策の中、特に再生可能エネルギーについて、どれを重点にどのようにどこまで伸ばしていくのかということも含めて、時間が余りないので簡潔にお答えいただきたいと思いますけれども、エネルギー戦略といいますか、そういうものについてのお答えをお願いしたいと思います。
  32. 江田五月

    国務大臣江田五月君) これは今、まさに三・一一の事態を受けて、政府全体でエネルギー環境会議であるとか国家戦略室であるとか様々なところで議論を始めているところでございます。  そうした議論の中で環境省としても役割を果たしていきたいと思っておりますが、ただ、委員指摘のとおり、環境省としてやはり真の地球益のために日本がどう行動すべきかということを考えますと、やはり環境省としては、一つは国民の省エネルギーの機運、これを本当に大切に定着をさせていかなければいけません。そのため、なかなか大変ではありますが、環境省の建物の電力消費を二八%抑えるというかなり大胆な目標を立てまして、スーパークールビズというもうアロハもオーケーというそういうことにしたりしております。何とかそういう機運を強めていきたい。  さらに、今委員も御指摘再生可能エネルギー、これも様々なものがあって、いずれも一長一短、長所短所それぞれあるし、また本当に導入するにはそれは時間も必要だと。  しかしながら、私どももとどまるわけにいかないので、しかも今見ていますと、これまでは再生可能エネルギー、自然エネルギー、新エネルギー、まあなかなか、言うけど大したことはできないよというのが風潮だった。しかし、これはあくまで過去のことであって、今世界全体を見ると、例えば中国は、例えばどこはと、こうやって見ますと、もっともっといろんな可能性があるじゃないかということにだんだん世論も沸き上がってきているわけで、こうしたことを真剣に受け止めながら、環境省として全力を尽くしていきたいと思っております。
  33. 中川雅治

    中川雅治君 まさにこれからの日本の将来のエネルギー政策、これは極めて重要でありまして、再生可能エネルギーの推進ということに環境省は以前から力を入れていたわけでありまして、今こそ環境省出番だと言っても過言ではない状況になっておりますので、是非政府の中でリーダーシップを持って進めていっていただきたいと思います。  しかし、同時に、ごく短期的に考えますと、今申し上げましたまさに政府の国家戦略室が来年夏のピーク時で需要全体の九・二%分の電力が不足すると、こういう試算を出したということでありまして、試算を出してそれでほっておくわけにはもちろんいかないわけであります。停止された原発安全性を十分確保した上で再稼働するということも含めて、様々な方策を政府を挙げて取り組まなければならないというふうに思います。  環境省エネルギー対策特別会計の一部を担っているんですね。ですから、ここは案外知られていないことなんですけれども、エネルギー対策特別会計はもちろん経産省の所管ですが、環境省も一部所管しているということでお金ももらっているわけなんですね。ですから、もちろん来年のピークのときの電力不足、これはもちろん節電とか省エネルギーも大事ですけれども、万が一、停電ということになって、いろんな面で混乱が起きないように、経済にも支障が来さないようにするということも、これは環境省としても考えなければいけないわけなんですね。ですから、そういう意味で、環境省もしっかり知恵を出して協力していかなければならないと思います。  環境省は、私もおりまして、いろいろ知恵者が多いので、是非その知恵を出して対策を考えていただきたいと思いますが、何か今考えておられるんでしょうか。
  34. 近藤昭一

    ○副大臣(近藤昭一君) 大変に重要な御指摘をいただきました。  今お話をいただいたエネルギー特別会計でありますけれども、中川委員がずっとお話をされているところでありますと、やはりこれからの日本という社会の中できっちりと経済を成長させていく、しかしそういう中で今まで以上に環境に対する配慮が必要だと、こういうことだと私は理解をしております。そういう観点から、経済産業省と一緒に特別会計を持ってこうした対策をしているというところであります。そういう中では、家庭・事業者向けエコリース促進事業を始めと、こうしたことを取り組まさせていただいております。  そして、今御指摘がありましたけれども、三月の十一日、東日本大震災が起き、福島第一原発が止まった。そういう中で、より電力が逼迫をしてきているところであります。こうしたことの中で、エネルギー特別会計をしっかりと経済産業省と共管で活用する中でこうした問題に取り組んでまいりたいと思っております。
  35. 中川雅治

    中川雅治君 是非いろいろ知恵を出して環境省からも提案していただきたいと思いますし、また、再生可能エネルギー買取り法案の審議が今衆議院で始まっておりますけれども、この法案について、肝心の買取り価格やサーチャージの決め方が明確にされておりません。やはりこの審議と同時に、この買取り価格やサーチャージの決め方というものをはっきりと提示すべきだと思います。  もう時間がないので答弁は結構でございますけれども、この決め方、経済産業大臣が告示で決めるというようになっているわけでございますけれども、この点についていろいろもう既に衆議院の段階で意見が出ておりますが、政府の中でも、やはり環境省もこういった点について、経済産業大臣の告示だということで任せることなく、しっかりと注文を出してもらいたいというふうに思います。  環境省出番ですので頑張っていただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わります。
  36. 加藤修一

    ○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。  まず最初に大臣にお尋ねしたいわけですけれども、今日、二十一世紀環境立国戦略、これ配付をさせていただいておりまして、平成十九年の六月一日に閣議決定した内容であります。二〇〇七年六月に発行したということで、この中身は私は非常に重要な中身がたくさん入っているなと思っておりまして、三つの危機、いわゆる地球温暖化の危機、資源浪費による危機、あるいは生態系の危機、それに対応した形で、先ほど大臣もお話ししたように低炭素社会、これをつくる、あるいは循環型社会をつくる、さらに自然共生社会、最終的に持続可能な社会をつくり上げていくというのが基本になっている内容だと思います。  四ページの長期戦略の中にあります、今非常に議論が深まっている話でありますけれども、原子力発電の平和利用推進、これについて私はネガティブでありますけれども、いわゆる全体として、これ大臣、目を通していただいて、どのようにお考えか。政権が替わっておりますので、これ今の政権の前の政権の内容でありますので改めて確認をしたいと思います。よろしくお願いします。
  37. 江田五月

    国務大臣江田五月君) 二十一世紀環境立国戦略でございますが、今委員指摘のとおり、低炭素社会、循環型社会、そして自然共生社会、この三つの側面を統合して取り組む。そして、持続可能な社会の日本モデルを構築して、アジアそして世界へと発信する。こうしたことが打ち出されておりまして、委員も御指摘の原子力エネルギーというのをどう扱うかというのは、これはまさに歴史的な事態を踏まえて考え直す必要がある部分かと思いますけれども、全体にはこうした目標というのは誠に積極的に評価ができる内容だと思っておりまして、環境省としても引き続き、これは確かに政権交代から二年ということでありますが、引き続き二十一世紀環境立国戦略で打ち出された方向にのっとって施策を推進していきたいと思っております。
  38. 加藤修一

    ○加藤修一君 先ほど同僚の委員質問した中で、答弁として、原子力については脆弱性を乗り越えなければいけないと、そういう答弁があったわけでありますけれども、原子力を考える場合には、やはり放射性物質、高レベルな廃棄物の関係、そういういわゆる処理がなかなか難しいと。処理処分、とりわけ処分という観点では、フィンランドは十万年後を考えてやっているということでありまして、十万年の間に言語が変わると、言語が変わってしまうと危険ですよといったことも分からないかもしれないと。そこまで真剣に議論を深めてやっている、結論を出したという話なわけでありまして。  我が党も今この関係については議論を深めている最中でありますけれども、こういうなかなか乗り越えることができない、私は、人類はこういった面については現在の知恵ではなかなか制御し切れないというふうに考えているわけでありまして、これは環境保全上も極めて重要な点だと私は思っておりますけれども、大臣のこの環境保全という立場から考えた場合、これをどう扱うか。もうどんどんこれ使用済燃料も増えてまいりますし、あるいは再処理のことを考えたら相当の量が出てくるわけでありますから、この狭い国土の中でどう処理処分をするかというのは極めて厳しいと私は考えております。  いずれにいたしても、厄介な問題であることは言うまでもないという私の判断でありますけれども、大臣はどのようにお考えですか。
  39. 江田五月

    国務大臣江田五月君) 放射性物質、放射能というものは、地球は免れることのできない宇宙から飛んでくる放射能はあるわけでありますが、これに加えて人為的な形で放射性物質環境中に放出されるということは極力避けなければいけないことだと思っております。やはりこれは人の健康や環境に影響を与えるおそれがあるため、環境中に放出される放射性物質の量は少ない方が望ましい、これは言うまでもない大前提だと思っております。  実は私は、今回の原子力発電所事故については、これは本当に人ごとではない、誰にとっても人ごとではないわけでありますが、しかし、私ども、旧政権も、これも私どもの政権であることは間違いない。その旧政権がこれまで進めてきたこと、これは私たちはしっかり引き受けなければいけないことだと思っております。  それだけではなくて、実は私は、一九九三年に細川内閣ができたときに科学技術庁長官で、これは通産省ともかかわりありますが、科学技術庁として原子力発電というものにかかわっていたわけでありまして、あのときのあの状態で私がこれをやめろと言ったって、それはやまるような状態ではなかったことは確かでありますが、やはり私個人としても責任重大だと思っております。  その科学技術庁長官をやっている当時に聞いたことなんですが、二十世紀に入るか入らないかのころに、イギリスにある物理学者がいました。サー・オリバー・ロッジというんですが、この人が論文を書いてサイエンティフィック・アメリカンに発表をした。その論文だとどういうことを書いてあるかというと、水素の原子の質量は、これは理論上は一、しかし、理論上は一ですが、実際に測定をしてみると一・〇〇何かという端数があるというんですね。そのロッジ氏は、この端数を将来人類はこの水素の原子から取り出すことができるかもしれないと。これは核分裂ではなくてむしろ核融合の話ではありますが。そのとき、つまりこの原子が持っているエネルギーを人類が手にしたときに、それが人類の禍福のいずれであるのか、ブレッシングであるのかイーブルであるのか、それはそのときのその人類の文明の程度によるんだと、こういうことを書いてあるわけでありまして、私は、なかなかその文明の程度に私たちが達するのは容易なことではないと思っております。
  40. 加藤修一

    ○加藤修一君 イギリスの話が出ましたから、イギリスの歴史学者にアーノルド・トインビーという方がおりますけれども、歴史の研究等を含めて文明の挑戦、応戦という話ですね。その中で何を言っているかというと、核エネルギーの関係については人類は制御できないと。制御できるというのはどういうケースの場合かというと、秀吉のような物すごい権力を持っている、あるいは秦の始皇帝ですか、あのぐらいの巨大な権力を持っていて、それでしっかりとやっていけるならばともかく、そういうことはなかなかできないだろうと。恐らく世界政府ができるまではなかなかそういった面についての制御はできないという話もしているわけなんですね。恐らく私は、恐らくというよりは、こういったことについてはまだまだ人類はその域に達していないというふうに断言せざるを得ないわけであります。  それで、先ほど、再生可能エネルギーについてはもう時期は熟したと。確かに、半世紀前に原子力基本法ですか、これができたときには今のようなエネルギーを開発するような技術はほとんどなかった。しかし、今、足下には再生可能エネルギーにかかわる資源というのは眠っているわけで、その技術をもってもっともっと開発普及をしていくというチャンスに私は来ていると思うんです。  環境省は導入ポテンシャルを発表して、非常に評価できる内容だと私は思っております。例えば北海道の風力発電、これは洋上のあれを含めて二千万キロワットあると。稼働率を二〇%だと考えると三百五十億キロワットアワーは使えるという話でありますが、それが、先ほど固定価格買取り制度の話がありましたが、仮に十二円、一キロワットアワー十二円とすると四千億円以上年間入るという話なんですね。まあ捕らぬタヌキの皮算用なわけでありますけれども、こういうことは非常に地域にとっては大変大きなメリットになる、雇用の増進にもつながると。  私は、北海道と本州の間に今直流のケーブル、六十万キロワットのがありますけれども、北電は九十万キロワットに拡大するという言い方をしているようでありますけれども、私は三百万キロワットぐらいにすべきであると、青函トンネルを利用するということも考えていいと、北海道から鹿児島まで直流の幹線を引くということも考えるべきでないかなと思っておりますけれども、こういう導入ポテンシャルをせっかく環境省が評価したわけでありますので、そういった思い切ったこともビジョンとして環境省としてはやるべきだと私は思っておりますけれども、こういった点についてのお考えはどうでしょうか。
  41. 江田五月

    国務大臣江田五月君) この北海道の再生可能エネルギー、中でも風力発電の導入ポテンシャルは特に大きく、数値上で言うと北海道電力の販売電力量を上回り得るポテンシャルがあると、こういう試算が出てまいりました。  現実にはもちろん、発電出力の安定性等の課題から、なかなかその計算上、数値上だけというわけにはいかない困難はありますが、しかし、いずれにしても北海道に大きな導入ポテンシャルがあることは事実で、これをいかに活用するかというのは重要な課題だと思っております。  委員のおっしゃるこの科学技術というものの持つ、どう言いますか、夢というか、これを大切にしていかなきゃならぬというのはそのとおりで、私は、本当に大きな夢を描かないとそこへ向かって進むということはないのでありまして、私ども人類一番最初に火を手にしたときに今のようなこういう状況を誰が想像したか。しかし、その火を手にした後にその火を活用しながらいろんな困難もあった、やけどもする、火事も起きる、だけど乗り越え乗り越えしてきた、そして今この状態になってきている。  しかし、私ども、さっきもちょっと申し上げた、人類の持っているその英知というのも無限というわけじゃないんで、どこかでやっぱり止まらなきゃならぬところがある。その辺りの見極めを上手に付けながら前へ進んでいく必要があるので、とりわけ再生可能エネルギーについては、これはもうポテンシャルは非常に大きいと思っておりまして、委員の御指導もいただきながら、大きな夢を描いて追いかけていきたいと思っております。
  42. 加藤修一

    ○加藤修一君 今回の原子力の大事故があって私も改めていろいろと調べてみましたけれども、結論は時代遅れの技術だなと、この原子力発電についてですよ、そういうふうに判断せざるを得ないと。  それで、今回、輪番停電あるいは計画停電があって社会が大混乱したわけでありますけれども、今、更に計画停電とか節電一五%という話になっておりますが、先ほど九・二%の不足になるという話がありました。それに水を差す話じゃないわけでありますけれども、配付資料を見ていただきたいんですけれども、こういう議論があるということについても私は知っていただきたいと思うんですね。こういうことも含めて幅広の議論を進めていくことが非常に大事であると。  発電施設の設備容量と最大電力の推移ということで、これを見ると、普通はベース電源として原子力を下に置いていますけれども、これは火力を置いて、その上に水力を乗せて、更に原子力を乗せている。最大電力考えてまいりますと、水力の下の方に来ているということですね。だから、これは、このまま判断すると、原子力なしでも停電しないことが分かるというふうに書いてありますけれども、こういう議論も実はあるという。  問題は、この資料それ自体は、エネルギー・経済統計要覧、これ、財団法人の省エネルギーセンターで出されている、これを基にしているという数値なわけですね。ですから、これはどういうふうに考えていいのかと。  経済産業省にお聞きいたしますけれども、私は、この数字と、今言われている、先ほど話がありましたけど、九・二%の不足の関係等々を含めて、これは何がこうなっているのかという、問題はデータだと思うんですね、データ。情報開示をしっかりしなければいけない。事業者から来ているデータをそのままうのみにするようなことがあってはいけないと私は思っておりますので、情報開示をもっと進めるべきであって、民民の契約等々を含めて言っているようでありますけれども、東電が本当に反省しているならば、そんなことを言っている話じゃないでしょう、大きな役割をしっかり話することじゃないですかと。  皆さん、この資料は行っていないでしょうか。この資料を見ていただきたいんですけれども、そういうことでありますけれども、関係省、答弁をお願いします。
  43. 横尾英博

    政府参考人(横尾英博君) 加藤委員指摘発電設備能力、それから発電電力量の数値につきましては公表をされてございます。  それで、今委員指摘発電設備容量どおりに発電ができるかどうかという点でございますが、まず、まさに委員指摘のとおり、ベース電源としては運転コストが安い原子力、石炭、それから一般の水力というのを使います。通常、日本の需要は昼間に上がるものですから、朝から昼にかけてはLNG火力、石油火力を使っていくということでございます。  通常、昼間にこの最大電力という需要がピークになる時点が参ります。このときの設備容量と実際に発電できる量との関係でございますが、例えば水力につきましては、水の流量に規定をされますので、設備容量の大体六割ぐらいの発電能力になります。それから、火力につきましては、この設備容量全体に対して、例えば長期で停止をしている火力、あるいはそのときに定期検査を行っている火力発電、さらには夏の場合には気温が上昇する関係で空気の密度が低くなるものですから、その分、発電能力が大体一〇%程度低下をするといったような問題がございます。したがいまして、発電容量そのままを発電をするというのは実際には不可能であるというのが現状でございます。
  44. 加藤修一

    ○加藤修一君 じゃ、火力発電は、例えば、私は二〇〇八年のデータを、実績を示しますと、水力は約二〇%弱の稼働率ですね。今六〇%という話がありましたから、四〇%の差はあると。あるいは、火力は、二〇〇八年の実績は五〇%程度、もっとこれは行く話でありますし、コンバインドサイクルを使うと、これは五九%、そういう話もある、LNGの関係でありますけれども。そういうことをいろいろ考えていくと、必ずしも不足という話ではないような議論についてはやはり注目すべきではないかなと、そういうふうに思います。  時間の関係がありますのでこの程度にしておきますけれども、こういうことと同時に、やはり私は、放射性物質、日常的に百万キロワットの原子力からは九百兆ベクレルの放射性物質が排出していいというふうになっている、管理目標数値である。あるいは、再生処理工場からは三十三京ベクレルですね、三十三京ベクレルというと今回の福島の約半分ですよ、それが毎年毎年出されている。半減期があるとはいえ、これは蓄積性については無視することはできない。現に、クリプトン85ということについてはもう物すごい勢いで地球空間上の中で増えているわけでありますので、こういう蓄積性については、気候変動がCO2の蓄積性で何百年か後に影響があるというふうに言われていると同じように、放射性物質の関係の蓄積性についても私は注目すべきではないか、このように考えております。  SAICMの方は、有害な化学物質については二〇二〇年に最小化しようという話になっておりますので、こういう件についても、いかに最小化するかというふうに非常に私は大事だと思っておりますけれども、この辺について、大臣、どうですか。
  45. 江田五月

    国務大臣江田五月君) これは、放射性物質環境中に放出されると、先ほども申し上げましたが、人の健康や環境に影響を与えるおそれがある、したがって環境中に放出される放射性物質の量は少ない方が望ましい、これはもう疑いのないことだと思っております。  そこに注目をして、様々な化学物質あるいは温暖化ガス、そうしたものと同様に放射性物質についてもしっかりと注意を配れと、こういうことでございますが、環境省では関係省庁との役割分担の中で環境中の放射性物質等のモニタリング等を実施しているところでございまして、引き続きモニタリングの充実を図るとともに、また、とにかく今は、現在、現にこの東日本大震災によって発生している放射性物質による汚染の影響を低減するため必要な最大限の努力をしていきたいというのが本日ただいまのところでございますが、これから先、そうした放射性物質についてもしっかりとアンテナを高く掲げていきたいと思っております。
  46. 加藤修一

    ○加藤修一君 その点に関しては、強く対応するように要請をしておきたいと思います。  それで、今日の読売新聞でありますけれども、福島第一の被曝五十ミリシーベルトを超えているのが一千六百人と、そういう報道がなされておりまして、保安院来ていると思っておりますが、その中身については情報公開手続中で答えられないとかそういうふうに言っておりますけれども、これ説明を求めますけれども、一体全体どうなっているんでしょうね。
  47. 寺坂信昭

    政府参考人(寺坂信昭君) お答え申し上げます。  ただいまの委員の御質問の件でございますけれども、本件は、三月下旬辺りから厚生労働省さんと私どもの間で意見交換、あるいは懸念を伝えたり、あるいは要望をしたりした、その経緯に当たるものでございます。  これは、当時、事故収束に当たっております東京電力あるいは協力会社の方々から、収束に向けました工程が進捗するに伴いまして、特に福島第一原子力発電所作業に当たる作業員の被曝についての増加の懸念があったわけでございます。  それに関しましては、臨時的な緊急時においての被曝線量限度、これの引上げはあったわけでございますけれども、一方で、緊急時の場合とそれから平常時の場合と、両方の線量限度の管理がございます、そのような規定がございます。  そういったことでございますので、福島の第一原子力発電所作業に当たっている方々の被曝量が増加してまいりますと、結果的に、その方々が仮にほかの原子力発電所での安全のための作業、そういったことに従事する必要がある場合も当然あるわけでございまして、そういったことができなくなってしまう。それから、ひいては、福島第一原子力発電所での作業員の確保、そういったところに障害が生じるおそれがあるといったようなことで、様々関係省庁とお話をしてきたわけでございますけれども、そのような過程で、当時、三月下旬でございますけれども、どの程度被曝線量が拡大をしていくのかといったような、そういう非常に粗い試算、当時の状況も十分把握できていない部分がございましたけれども、非常に粗い試算といたしまして、五十ミリシーベルトを超える方々につきましては、五十から百ミリシーベルト未満の、関係会社部分でございますけれども、約千六百人に上る可能性が否定できないということで、そのような試算を厚生労働省さんにお伝えをしたと、そういう経緯のものでございます。
  48. 加藤修一

    ○加藤修一君 もう時間が来ておりますので質問はやめたいと思いますが、東電の調査によると、七月十三日現在で五十ミリシーベルト以上が四百二十二人ということで、情報公開手続中で答えられないという、そんなひ弱な政府なんですか。これは、こんな大事な事態に至っているわけですから、政府がしっかりそれはコントロールしなければいけない話で、事業者の言いなりになっているような印象を国民に与えるというのは良くないですよ。反省してくださいよ。その点だけ答えてください。
  49. 寺坂信昭

    政府参考人(寺坂信昭君) 経緯は先ほど申し上げましたとおりでございますけれども、御指摘の点は十分踏まえまして、個別企業の情報部分があるという点はございますけれども、御指摘の点は十分に踏まえて対応してまいりたいと考えてございます。
  50. 加藤修一

    ○加藤修一君 終わります。
  51. 水野賢一

    ○水野賢一君 みんなの党の水野賢一です。  世の中に出回る製品が環境にいいものが多くなるのは望ましいのは当然のことなんですけれども、とりわけ政府とか国会など国の機関が率先してそういう環境にいいような製品を購入しましょうということで、十年ちょっと前にグリーン購入法という法律ができたわけですよね。  この法律に基づいて閣議決定された基本方針を見ると、例えば、こういう国の機関が購入する封筒の場合だと古紙パルプ配合率は四〇%以上とか、自動車だったら燃費はどれだけ、排ガス性能はどのぐらいとか、果ては、掃除をするときのモップまでリサイクル繊維の重さの割合は何%以上とかと事細かに規定されているんですが、そこで伺いますけれども、グリーン購入法の対象となっている物品、今幾つかそういうモップだとか文房具みたいなことを言いましたけれども、これは何品目ぐらいあるんですか。
  52. 白石順一

    政府参考人(白石順一君) お尋ねのグリーン購入法によりまして国などの機関において調達を義務付けております環境配慮製品、今幾つか例示もございましたが、コピー用紙、文具類、ファイル、オフィス家具など、全部で十九分野二百六十一品目でございます。
  53. 水野賢一

    ○水野賢一君 文房具だとか照明とか自動車とか、こういうようなものが対象となる、これは当然だというふうに思いますけれども、電気、これは政府も当然、国の機関も電気も使用するわけですけれども、電気の調達、これ対象でしょうか。
  54. 白石順一

    政府参考人(白石順一君) 電気の供給につきましては、このグリーン購入法の対象とはしておりません。
  55. 水野賢一

    ○水野賢一君 電気も、環境にいいということでいえば再生可能エネルギー発電した電気を率先して国の機関が購入するということは十分あり得るというふうに思いますが、これはなぜ対象じゃないんでしょうか。
  56. 樋高剛

    大臣政務官樋高剛君) お答えさせていただきたいと思います。  先生指摘のグリーン購入法の対象となる特定調達品目に定める基本方針につきましては、基本方針に基づく調達が義務付けられた国及び独立行政法人が購入すべき物品につきましてなんですけれども、最低限の環境性能を全国一律のものとして定めをさせていただいているところでございます。  電気につきましてでありますけれども、それぞれの地域ごとに電力供給者の数あるいは電源構成が大きく異なってございます。先ほど申しました全国一律ということでの目安や基準の設定が困難であるため対象としていないと、こういうことでございます。
  57. 水野賢一

    ○水野賢一君 グリーン購入法の代わりに、電気については環境配慮契約法で、まさに名前どおり、環境に配慮して契約をするというような仕組みにはなっているということは私も承知していますけれども、その環境配慮契約法については後でまたちょっと議論したいと思いますが、政府などによる電気の調達の実態についてまず伺いたいと思いますが、国の機関、これは霞が関の官庁もあれば地方支分部局などもあるでしょうけれども、こうした国の機関が調達する電気の量というのは全国でどのぐらいになりますか。
  58. 白石順一

    政府参考人(白石順一君) お尋ねの全国ベースでまとまった数字が、平成二十一年度が直近でございますけれども、国及び独立行政法人が調達した総電力量は約八十一億キロワットアワーでございます。
  59. 水野賢一

    ○水野賢一君 全国で年間に消費される全部の電力消費量というのが大体一兆キロワットアワー弱というふうに言われていますから、それでいうと、今おっしゃられた八十一億キロワットアワーというのは単純に計算すれば〇・八%ぐらいだろうなと、そのぐらいが国が関係する、独立行政法人などを含めて国が関係するところが使っている電気の量ということでしょうけれども。  じゃ、もっとちょっと具体的なケースを聞きますけれども、例えば環境省が入っているビル、中央合同庁舎五号館ですよね、これ二十六階建てのオフィスビルですけど、ここが、当然電気使うわけですけれども、使っている電気というのはどのぐらいの量で、どこの会社から買って、幾らぐらいで買っているんですか。
  60. 白石順一

    政府参考人(白石順一君) これはもう一年直近の平成二十二年度の実績がございますので、それでお答えいたしますけれども、御案内のように、環境省が入居しております中央合同庁舎第五号館は環境省のほかに防災の部分の内閣府とそれから厚生労働省で構成されておりますけれども、ここの全体での使用量は一千八百十六万五百六十キロワットアワーでございまして、調達金額は税込みで約二億七千万円でございます。  なお、調達の際の契約をさせていただいております供給会社は、株式会社エネットというところでございます。
  61. 水野賢一

    ○水野賢一君 今、この二十六階建てのビルで二億七千万円の契約をしているというような話ですけれども、政府全体とか独立行政法人等々を含めたもっと多くのお金が当然、当たり前ですけれども、電力会社に払っているんでしょうけれども。  ところが、ちょっとこれはもう大臣に伺いたいんですけれども、今、菅総理原発に依存しない社会を目指すというようなことを言い出されましたよね、個人的見解なのかどうか、そこら辺いろいろ議論あるんでしょうけれども。ともあれ、総理がそういうことを言い出されているわけですから、それならば、まず政府が率先して、政府が購入する電力については原発に依存しない電力を率先して購入するという、そういう考え環境大臣としてありませんか。
  62. 江田五月

    国務大臣江田五月君) 原子力発電を全体のエネルギー供給の中でどう位置付けていくかというのは、菅総理大臣が一つの個人としての方向性を示されたわけですが、これは私はそういう方向性は正しいと思っておりますが、もちろん政府の中でもあるいは国会の中でも、あるいは国民みんなでこれから議論して取り組んでいかなきゃならぬ課題で、やはり段取りというものも当然ございます。  どういうプロセスを取っていくのがいいのかというところで、今、東日本大震災福島第一原子力発電所事故を踏まえて政府として現在、原子力発電を含む環境エネルギー戦略を見直しを行っているところでございます。菅総理大臣がこう言ったからすぐにこうだということにはなかなか、なればそれはいいのかもしれませんが、先ほどのお話の世界政府でもできればということでありまして、そうはなかなかいきません。  政府調達における電気の取扱いについても、こうした政府全体としてのエネルギー政策全体の見直しを踏まえて検討を進めていく必要があると思っております。
  63. 水野賢一

    ○水野賢一君 要は、国内の電気を、全て直ちに全部の原発を止めるというようなことというのは、それは現実になかなか難しいでしょうから、それは段階的にいろいろな議論はあるんでしょうけれども、さっきの話にあったように、政府並びに独法などを含めてもその割合というのは全国の〇・八%ぐらいなんですから、これを、つまり全国の全ての民間企業なんかも使っているものも原発やめろというのは今すぐということはできなくても、政府に関してということであればそんなに多い量じゃないわけですから、これは率先垂範して、脱原発と言うならばそういう電力に脱原発の電気を使うとかということは、大臣、どうなんですか、考えられませんか。
  64. 江田五月

    国務大臣江田五月君) ですから、政府全体としてどういう方向でこれからのエネルギー考えていくかというのは議論を今これからしているところでありまして、まだその結論に至っているわけではございません。  ただ、電力の購入については、これは今のグリーン購入法とかあるいは契約法とかの関係ではありませんが、しかし、どこの会社から買うかということについては適切な入札をして、そして調達をしておりまして、現にこれは、電力は全体として供給されていますから原発に依存していないという話ではありませんが、しかし、原子力発電を使って発電をしている会社から少なくとも環境省は購入しているわけではありません。
  65. 水野賢一

    ○水野賢一君 それは、環境省が購入していないのは、別に購入の道を排除しているわけじゃなくて、入札の結果としてエネットが取ったというだけなわけですから。  それで、それは原発を考慮した上で、じゃ大臣原発を考慮した上でそれをやったんですか。
  66. 江田五月

    国務大臣江田五月君) ですから、私は先ほど原子力発電から来ているかどうかということではありませんがと申し上げたわけです。
  67. 水野賢一

    ○水野賢一君 現行法でも、これ例えばグリーン購入法があるわけで、二百何品目を対象にしているわけですけれども、これを電気も対象にして、例えば原発に依存しない電気を購入するというようなことを盛り込むことは、現行法でも、つまり法改正なんかしなくても、現行法でも、やるかやらないかは別として、法理論上はできるんじゃないですか。
  68. 白石順一

    政府参考人(白石順一君) 法律のことでございますけれども、ちょっと二点申し上げさせていただきたいのですけれども、まずグリーン購入法でございますが、そちらの方で対象となるためには、御案内のように環境への負荷の低減に資する原材料、部品、製品又は役務であるというふうなことであるんですけれども、電気あるいはガス、水道といったものが実際これの条文上どれに当たるかということは実はちょっと難しい問題がありましてすぐにはお答えができかねる部分があることと、それから、実際の問題といたしましては、グリーン購入法の対象となる特定調達品目を定める基本方針におきましては、最低限の環境性能が全国一律で定めるということでございまして、電気の場合はそれぞれの地域ごとに電力供給者の数とか電源構成とかが違っているものでございますので、ちょっとこのグリーン購入法の対象としては実態としては想定をされていないということでございます。  もう一方の話で、環境配慮契約法のことでございますけれども、これも契約の段階におきまして、環境負荷の低減に配慮することにより、温室効果ガス等の削減を図るためということで基本的な考え方を定めておりまして、こういったことによって各地域の事情に応じた調達を実施することができるということになっておりますが、結論からいえば、効果的な温室ガス等の削減を図るということで今法律が運用されているということでございます。
  69. 水野賢一

    ○水野賢一君 グリーン購入法でこれを原発に依存しない電気を積極的に調達するということができるかどうかはまた技術的にもいろいろ今後詰めていきたいと、議論させてもらえればと思いますが。  今話に出た環境配慮契約法というのは、名前が、正式な名称というのは、国等における温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進に関する法律という名称ですけれども、その名前が示すとおり、つまり温室効果ガス、要は二酸化炭素の排出を念頭に置いているわけですよね。それは、背景にあったのは、安いけれどもCO2を大量に排出するような石炭火力がどんどんどんどん増えるとこれは余りよろしくないとかという、そういうようなことが背景にはあったんでしょうけれども、この法律は私も賛成はしていますけれども、懸念すべき点もあるというのは、要は、なるべく二酸化炭素を排出しない電気を買いましょうということというのは、裏を返せば、原発とか水力発電の多いそういう事業者の電気を買いましょうということにつながってくるわけであって、運用次第によってはですね。そうすると、運用次第では東京電力などに非常に有利なものになりかねない。現行そうなっているとまでは言いませんよ。現行はそれは確かに大臣さっき言ったようにエネットの電気を買ったりしているわけだから、現行必ずしもそうなっているわけじゃないけれども、これ運用次第ではそういうことになりかねないという懸念はあると思いますし、これ環境配慮というのならば、現行法はCO2のことを念頭に置いているけれども、例えば放射性廃棄物だとか放射性物質を出す可能性の、出す可能性というか、廃棄物は必ず出すんですけれども、こういうような環境負荷がある原発などは勘案されていないというこの現行のままでいいと思いますか。
  70. 白石順一

    政府参考人(白石順一君) 御指摘のように、環境配慮契約法におきましては、電気はいわゆる裾切りの方式を取っておりますので、結果として安いところ、一定の基準は当然クリアしていますけれども、安いところにということになる。そうなっていきますと、例えば原子力発電所を所有して発電の一部が原子力に負っているというところがなる可能性がゼロかどうかということについては、実態の判断になってまいりますけれども、今今現在のことでいえば大手、大手という言い方は変ですね、要するに原子力発電もやっておられる電力会社でないところの方が安く価格を入れてきておるので、実態としてそういう、例えばこの霞が関であれば東京電力が落札をするということにはなってないケースが多いというふうに認識をしております。  また、その後で、じゃ、そうはいっても今後の見直しはどうかということにもなってくるわけでございますけれども、おっしゃるとおり、今御指摘のあった略称環境配慮契約法の附則におきましても、政府はその電気の価格とそれから温室効果ガス等の排出の程度による、いわゆる係数ですね、排出係数を総合的に評価して落札者を決定するような方式については、ちょっと条文を読みますと、「温室効果ガス等の排出の削減等のための技術開発及び電源構成の変更に相当の期間を要すること等を勘案しつつ検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。」という規定がございますので、全く今のまま、不磨の大典というふうなことではございませんけれども、今すぐに直ちにこの裾切り方式を変えるという判断には至ってないということもまた現状でございます。
  71. 水野賢一

    ○水野賢一君 要は、運用次第で事実上東電に非常に有利になるという可能性があるので、そういうようなことに対しては懸念を表明させていただきたいというふうに思いますが。  経済産業省に伺いますけれども、参考人で結構ですが、電力の消費量が国内で一番多い事業所というのはどこで、どれだけの電力を使っていますか。
  72. 安井正也

    政府参考人(安井正也君) お答えを申し上げます。  私どもが所管をしておる省エネルギー法という法律がございまして、これで平成二十年度に定期報告書で出していただいた企業の中で、今情報公開請求の関係があるものですけれども、この開示決定をさせていただいている企業さんの中で一番大きい、その事業所単位で申し上げると、電力使用量として最も報告された量が多いのは大王製紙株式会社の三島工場さんでございまして、年間の電気使用量は約三十一億六千万キロワットアワーと報告されてございます。
  73. 水野賢一

    ○水野賢一君 三十一億キロワットアワーというのは確かに多くて、さっきの二十六階建ての環境省のビルの五十倍とかそのぐらいは使っているわけでしょうから、一事業所で。  ただ、これ本当に日本一なんですか。要するに、今おっしゃられたように開示してないところもあるわけでしょう。その不開示があるということは認められたけど、不開示があるならどのぐらいの企業数、数でいうとどのぐらいが不開示にしているんですか。
  74. 安井正也

    政府参考人(安井正也君) お答え申し上げます。  省エネ法に基づいて提出されました平成二十年度の定期報告書のうち、一部あるいは全部の不開示といたしました事業所の数は五百一か所でございます。
  75. 水野賢一

    ○水野賢一君 これ、何でこのことを聞くかというと、今、再生可能エネルギーの買取り法案が衆議院で審議されていますけれども、その中で、報道ベースで見る限り、電力の大口需要家についてはこの新制度による、つまり価格が上がることによる負担を大口需要家に関しては軽減してあげようというような、そういう修正を模索している向きもあるそうですよね、この報道ベースによると。  これは民主党内でも、先日、轟木先生も参議院の予算委員会などで電炉業界などこういう大量電気使用者の業界の負担に懸念を示していらっしゃいましたけれども、私はそれに反論するわけじゃないけれども、そもそも今どれだけ使っているかという基礎データを不開示にしているその中で、こういう基本データさえ示さないままこういう業界に恩恵を与えるということが果たしていいのかということを私は思っていますし、もしそうした修正をするのであれば、私はそもそもその修正に反対ですが、修正するのであれば、せめて現在どのぐらい消費電力を使っているかというデータを開示するのは当然じゃないですか。政務官、どうですか。
  76. 中山義活

    大臣政務官(中山義活君) 私も水野委員と全く一緒で、やはりサーチャージは広く国民に負担をしてもらうということが原則でございます。  同時に、今お話がありましたような業界は大変競争も激しく、これは世界的にも激しいわけで、日本の国内でも激しいと。こういうことで、事業者の権利を守ったりいろんな競争のそういう力を守ってあげるためにも開示ができないと、こういうことでございます。
  77. 水野賢一

    ○水野賢一君 ちょっと答えになっていないと思うんですけれども。  要するに、修正をするときには、もしここに軽減するなら公開すべきじゃないですかというのが質問です。
  78. 中山義活

    大臣政務官(中山義活君) 公開はしません。それがまず答えでございます。  それと同時に、軽減もいたしません。ですから、軽減をして、それで開示をするというようなことはないということを言っているわけでございます。
  79. 水野賢一

    ○水野賢一君 論理としてそれならば分かりますけれども、修正協議に関して言えば、どこかの政党と修正協議をするとどうも骨抜き、後ろ向きの修正になりかねないですから、私たちみんなの党は電力地域独占打破とか発送電分離という前向きの修正を提示をしておりますので、これ、それでも成立する可能性がありますから、そういうようなことに耳を傾けた方がいいんじゃないかというふうに思いますけれども。  これは、さっきから省エネ法の定期報告の話がありますけれども、エネルギーの多量に使う事業者というのは、電気とか石炭とか重油とかの使用量というのを国に毎年報告することになっていますよね、省エネ法に基づいて。だから国はそのデータを持っているわけですけれども、二〇〇二年に、当時ある衆議院議員がそのデータを、持っているデータなんだから出せというふうに言って、なかなか出さないって押し問答になったんですけれども、これは参考人で結構ですけれども、それ、誰が請求したか分かりますか。本人は名前出すことは構わないと言っていますから。
  80. 安井正也

    政府参考人(安井正也君) 大変あれでございますけれども、水野賢一先生でございます。
  81. 水野賢一

    ○水野賢一君 要するに私なんですけれども。  ところが、出せと言ったけれども、経済産業省はその一部の、要するにこれ、出せと言ったけれども出さなかったから、私は情報公開請求したわけですよ。当時、私、自民党ですからね。与党の議員が出せと言っていたにもかかわらずそれを出さないというのもどうかと思いますが。  それで、情報公開請求をしたら、要するに一部事業者の電気使用量とかエネルギー使用量は不開示、つまり黒塗りで出してきたんですよね。これ企業秘密で、企業秘密だから不開示情報だということを言いたいんでしょうけれども、そもそもこれ企業秘密なのか、電気の使用量がというふうに思いますが、百歩譲ってそうだとしても、情報公開法七条では、公益性があるものに関しては不開示情報であったって出していいというふうに情報公開法に書いてありますけれども、これ公益性ないんですか。
  82. 安井正也

    政府参考人(安井正也君) 公益性の程度と、何と申しましょうか、個々の企業さんの言わば競争上の利益とどちらが優先するかということに最後は相なろうかと思います。
  83. 水野賢一

    ○水野賢一君 これ、総理が、新聞でも報道されていますけれども、経済産業省に対しては電力需給の状況を理解するために必要な情報は全て開示するようにという、文書で総理の方から経済産業省にあったというふうに報じられてもいますけれども、正しくはどうも国家戦略室ですか、そちらからなんでしょうけれども。こういうふうに総理も言っているんだけれども、電力をどこの会社が使っているというのは一番バイタルな、基本的な情報です。それでも開示しないんですか。
  84. 安井正也

    政府参考人(安井正也君) 本件、省エネルギー法に基づいて出されている報告書につきまして、平成十四年以来、数次の情報公開請求がなされておることも事実でございますし、これに対して一部若しくは全部の不開示になっているものがあることも事実でございます。  情報公開法によりますと、その法人の利益や競争上の地位その他の正当な利益を害するおそれがある情報がある場合には公開から除外することができるということにもなってございます。  それで、私どもといたしましては、この定期報告書の中には燃料種別のエネルギー使用量が書かれております。これを使えばその事業所でどのぐらいのエネルギーコストが掛かっているかということが推計をできる可能性があると思ってございます。したがいまして、この情報が外に出ることによって先ほどのような推計ができますので、海外企業との国際競争、その他の場でビジネス上の困難な立場に立たされることもあり得るわけでございまして、当該企業の意見も踏まえて私どもとしては一部を不開示とさせていただいております。また一方、当該企業が公表していいと言えば公表しております。
  85. 水野賢一

    ○水野賢一君 意見を聞いてじゃなくて、当該企業の言いなりなんでしょう、結局のところ。実態としてそうだ。私はずっとかかわっているんだから知っているんだよ、そんなことは。  大臣に最後伺いますけれども、この問題、実は裁判にもなっているんですよ。裁判になっているのは別に私が裁判を起こしたわけじゃなくて、情報開示請求というのは何人たりともできるから、私がやったのとほぼ同じような請求を数年後に、気候ネットワークという代表的な地球温暖化にかかわっているNPOですけど、そこが同じ開示請求をしたら同じように黒塗りで出してきたんですよね、経済産業省は。それで、この気候ネットワークは、これを不開示にしたのは不当だということで訴訟を起こしたと。  訴訟の結果は、一審は、名古屋地裁、大阪地裁、東京地裁、全部国は敗訴しているんですよ。二審は、名古屋高裁、東京高裁が国が敗訴、唯一、大阪高裁だけが国は勝ったんだけど、国から見りゃ一勝五敗ですよ。今、だから最高裁で争っていますけど。こんなものは争う必要がないことで、開示すればいいんですから、こんなデータは。電気をどこの事業者がどれだけ使っているなんということは。この議論をする一番基本的なデータを。  江田大臣に伺いますけれども、大臣法務大臣でもいらっしゃいますから。こういう国がかかわる訴訟というのは最終的には法務大臣の名前でもやっているわけですし、これ、こんな連戦連敗して負けるべくして負けているようなものに対しては、大臣、これをまさに取り下げて開示をするという方向で裁判を終息させる、そういう考えはありませんか。
  86. 江田五月

    国務大臣江田五月君) 今伺っておりまして、委員は重要な問題提起をされているものと思います。ただ、私は法務大臣でもございますが、ここは環境委員会で、私は今ここに答弁者として立っているのは環境大臣として立っているので、法務大臣としてお答えする立場にいないんでございますが。  しかし、名古屋、大阪、東京、それぞれ訴訟があり、一審では全て国が負けていると。高裁で、名古屋高裁、東京高裁でも国が負け、唯一、大阪高裁では原告が敗訴になっているという状況の中で、三つの判決、高裁判決ともそれぞれの上訴で今最高裁に係属しているというところでございまして、最高裁で審理中である事件について、仮に法務大臣として答える立場にあったとしても、やはり最高裁の判断を今は待たなければいけないということになろうかと思っております。
  87. 北川イッセイ

    委員長北川イッセイ君) もう時間が来ておりますので。
  88. 水野賢一

    ○水野賢一君 時間ですので終わりますけれども、少なくとも民主党政権は、私に黒塗りで出してきたのは自民党政権時代のときでしたけれども、民主党政権は情報公開、情報開示ということをうたい文句にしていながらこういうような基本データさえ出さないという、このことに対して強く抗議をして、質問を終わります。     ─────────────
  89. 北川イッセイ

    委員長北川イッセイ君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、松野信夫君が委員を辞任され、その補欠として姫井由美子君が選任されました。     ─────────────
  90. 市田忠義

    ○市田忠義君 今日は、福島原発事故による放射性物質に汚染された災害廃棄物対策についてお聞きをいたします。  まず、最新の福島県内の沿岸市町村災害廃棄物処理進捗状況ですが、瓦れき推計量、仮置場設置数、搬入済量瓦れき推計量に対する搬入済量の割合、パーセントはどうなっていますか。
  91. 伊藤哲夫

    政府参考人伊藤哲夫君) 福島県内の沿岸十市町における災害廃棄物推計量は約二百二十八万トンでございます。このうち、楢葉町、富岡町、大熊町、双葉町及び浪江町につきましては警戒区域に該当し、これらの地域では関係者以外の立入りが制限されているところでございます。これら沿岸五町を除く五市町の災害廃棄物推計量は約百九十三万トン、仮置場の設置数は三十六か所、仮置場への搬入済量は約六十八万トン、及び仮置場への搬入割合は三五・一%でございます。
  92. 市田忠義

    ○市田忠義君 じゃ、仮置場確保の問題ですが、仮置場を増設する必要がありますが、瓦れきとともに放射性物質を持ち込まれては困ると周辺住民の批判が大変強く、新たな設置が困難になっています。環境省は、八月末までには住民が生活している地域廃棄物は仮置場搬入を終わらせると、そう言っていますが、広野町の場合、めどが立っているんでしょうか。
  93. 伊藤哲夫

    政府参考人伊藤哲夫君) 先生指摘のとおり、環境省が定めた東日本大震災に係る災害廃棄物処理指針において示されたように、住民が生活している場所の近くの災害廃棄物については平成二十三年八月末までを目途に、その他については平成二十四年三月末までを目途に仮置場へおおむね移動することとしているところでございます。  広野町の災害廃棄物推計量は約二・五万トンであり、このうち仮置場への搬入済量は約一千四百トン、搬入割合は六%でございます。  なお、……
  94. 市田忠義

    ○市田忠義君 結構です。いいです。質問時間が短いので、めどが立っているかどうかと聞いたら、めどが立っているとか立っていない、六%、それでいいんです。  次、聞きます。  焼却施設の問題ですが、地方自治体の焼却施設だけで果たして処理できるのかと。焼却施設の処理量という量の問題だけではなくて、自治体が焼却すること自体に批判の声が上がっていると。福島県内の沿岸部の焼却施設でバグフィルターや電気集じん機を設置した焼却施設、箇所数と年間処理量がどうなっているか。これも箇所数と年間処理量だけ答えてください。
  95. 伊藤哲夫

    政府参考人伊藤哲夫君) 焼却施設の箇所数でございます。十九施設ございまして、これらは全てバグフィルター又は電気集じん機を有する施設でございます。  また、これら十九施設の年間処理量は、実績で、平成二十一年度一般廃棄物処理実態調査結果によれば、年間約五十四万トンとなってございます。
  96. 市田忠義

    ○市田忠義君 年間処理量は災害廃棄物推計量の二割に満たないという状況であります。域内処理では五年掛かる処理量となっています。  それでは、最終処分場確保はどうかと。これは大臣にお聞きしたいんですが、環境省の南川秀樹次官が、六月、福島県内での処理要請した際に、県内での最終処分はあり得ないと、そう福島県から反発をされました。福島原発事故で大変な災害を受けた福島県に放射性物質で汚染された災害廃棄物最終処分を押し付ける、このことへの反発は県民感情から考えても私は当然だと思うんです。  そして、こういう姿勢の大本に何があるか。環境省が六月二十三日に通知した福島県内の災害廃棄物処理方針、これが大本にある。この方針は、放射能汚染が国が国策として推進してきた原発事故によるものであること、安全神話にしがみついて原発敷地外での放射能汚染対策を放棄してきたことなど、言わば国の責任と不作為を棚上げにして処理福島県に押し付けようとすると。  これ、私、福島県や福島県民が批判し反発するのは当然だと思うんですが、大臣の認識はいかがでしょう。
  97. 江田五月

    国務大臣江田五月君) 私も先日、福島へも行ってまいりました。県庁で佐藤雄平知事にお会いもいたしました。  御承知のとおり、佐藤雄平さんはかつて私どもの同僚議員でございまして、私も彼の知事選の応援にも行ったようなこともあり、大変困難な中を大変な御苦労をしておるというのを見ておりながら、本当に懐かしさの余り、つい最初にお会いしたときに握手を求めたら、彼は拒否をして福島県民の気持ちを私に示されました。私としては、その佐藤知事が示しておられる福島県民の気持ちというのはしっかり受け止めなければいけないと思っております。
  98. 市田忠義

    ○市田忠義君 私も先日、福島県当局から事情をお聞きしましたが、福島県は、福島原発事故による汚染された災害廃棄物処分を押し付けられることに反発しているだけであって、安全な焼却、そして焼却灰や飛灰などの保管を全く否定しているわけではないんです。問題は、内閣提出法律案が、汚染原因者たる東電と国策として推進してきた歴代政権、国の責任を明確にして、国が直轄処理するものになっていないと。しかも、廃棄物処理法では放射性物質が適用除外されているにもかかわらず、福島県内で汚染されたものを処理することにしようとしていると、その点に怒っておられると。  法案のように、廃棄物処理法を拡大解釈をしてなし崩し的に国が代行するんではなくて、処理は東電と国に責任があるということを明確にして取り組むことが私は福島県民や当局の理解を得られることになるのではないかと、そう思いますが、この点については、大臣、いかがでしょう。
  99. 江田五月

    国務大臣江田五月君) これは、もう経緯は委員御承知のとおりで、原子力施設から施設外に放出、飛散した放射性物質あるいはそれによって汚染されたおそれのある廃棄物、こういうものについての処理というのが非常に法制上穴があるというのは事実でございます。  放射性物質あるいはそれによって汚染された廃棄物、これを処理する法制度というものはないので、したがって私ども今、しかしこれは現実に目の前にある課題ですから、私ども、やはりこれと闘わなければいけないということで、おそれのあるという概念で環境省努力をしようとしているところでございまして、今委員指摘のとおり、一時保管まではこれは是非お願いをいたしますと。その後のことについてはこれから検討していくということにしておりまして、鋭意、福島県民の皆さんのお気持ちも大事にし、また被災現場におられる皆さん方のところへしっかり寄り添いながら、しかしこれは処理をしなければいけないので、しっかりと検討していきたいと思っております。
  100. 市田忠義

    ○市田忠義君 問題はそこだと思うんですよ。最終処分の方法はまだ検討課題になっているんですよね。やっぱり放射性物質で汚染された廃棄物をどこでどのように処分するのかと。具体的な最終処分方法を示さないまま、収集運搬処分を国自らが行うということになれば、結局は福島県内の最終処分場処分が押し付けられるんではないかと、福島県民から批判が高まるのは私は当然だと。  国自らが安全に焼却、一時保管する、これは放射性物質を国民生活から隔離して人の健康と生活環境を守るということにつながるわけで、これはいいことだと思うんです。しかし、そのためには、やっぱり鍵になるのは最終処分方法を明確に示すことだと思うんです。私が大臣に決断を求めたいのは、やっぱり早急に最終処分方法を示して、それらの処理費用は当面全額国庫負担に踏み切る、この点で大臣の決断をお聞きしたいと。
  101. 江田五月

    国務大臣江田五月君) これは、もう委員が問題の所在はしっかりと把握をしておられるとおりでございます。最終的な処理についてどうするかということはまさにもう今検討の最中で、この検討についてはいずれこれは結果を出していかなければならないこともよく分かっております。  そのときに一番大切なのは、やはり原子力発電というのは国が国策としてやってきたこと、しかし同時に、廃棄物という側面も持っているわけで、そこのところの兼ね合いをどうするかということでございまして、そして同時にまた、これも委員御承知のとおり、今それぞれの市町村でやる力があるところとそこまでなかなかいかないところもあるので、国が取りあえず代行して広域処理をすると。それだけでも進まないので今環境省としても法案の検討もしておりますが、同時に各党でのお話合いも進んでいるところだと思っておりまして、そうした推移をしっかりと見守りながら積極的に対応を検討してまいりたいと思っております。
  102. 市田忠義

    ○市田忠義君 くどいようなんですが、一般廃棄物処理責任が自治体にあるということは私も百も承知なんです。問題は、福島県内の放射性物質に汚染された災害廃棄物は現行廃棄物処理法の延長線上では処理できない異質な事態だということをやっぱり深く認識することが私は大事だと思うんです。  福島原発事故による放射能汚染は福島県民には何の責任もない。東電と安全神話に乗っかって必要な対策を取らずに、過酷事故は起こり得ないと、だから敷地外に放射性物質が出るなんてことは想定外だったわけだから、そういう法体系もなかったわけです。これは福島県民には何の責任もないと。  やっぱり汚染者負担の原則、この立場に立って、何ら責任のない地方自治体に負担を押し付けるのじゃなくて、当面国が全額国庫負担をして、それは当然、汚染者である東電に相応の負担を私は求めるべきものだと思うんですけれども。  言いたいのは、やっぱりここは国が当面全額国庫負担に踏み切ることが、福島県内の災害廃棄物処理について県民からも理解が得られて処理が進むことになるんじゃないか。改めて再度、これ、国が当面全額国庫負担に踏み切る、そういう大臣の決断を求めたいと思いますが、いかがですか。
  103. 江田五月

    国務大臣江田五月君) これは実は災害廃棄物だけではなくて一般廃棄物についても同じ問題がありまして、福島県内だけじゃなくて福島県の外にも同じ問題があるものでございまして、問題としては本当に深刻な課題であるということです。  そして、押し付けるということはできませんが、しかし、いろんな御理解もいただかなければいけないという課題でもあるわけでございます。福島県内の災害廃棄物だからといって、汚染の程度はいろいろありまして、しっかりとモニタリングをすれば、これは汚染というものはない、一般の廃棄物だと言って処理できるものもありますし、その辺のモニタリングをしっかりやるということもまた大切なことで、あと経費の問題でございますが、これは廃棄物であるという側面もあるので、国がかさ上げをしたり、あるいは市町村負担分になるところを国が交付税措置をしたりということで、今、代行法案を出しております。  しかし、交付税措置をする努力ということだけでは不安だという地域の皆さんの声、気持ちもよく分かりますので、今新たに、先日、七月の二十二日でしたか、法案を閣議決定をして国会に提出をしているところでございまして、そういうことによって地方の負担というものがないということについて地方の皆さんがしっかり安心していただけるように、国としては頑張ってまいりたいと思っております。
  104. 市田忠義

    ○市田忠義君 菅総理も、十九日の予算委員会だったと思いますが、自治体が一時的に負担することで処理が進んでいないなら本来の姿ではない、自治体に仮払いさせない形も含めて相談したいと、当初から国が全額負担できないか検討するという考えを表明しておられるわけですから、やっぱり環境大臣はそういう立場に私は立つべきだと思うんです。  提案なんですが、やはり国が責任を持って二次仮置場確保に当たること、それから国直轄の仮設焼却施設を設置すること、それから福島原発の敷地内あるいは原発周辺で国が保管・管理する場を確保する、そして福島県も国に強く今要望しておられるように、最終処分場については国が責任を持って確保する、国直轄の具体的な処分計画を急いで検討すべきだと思いますが、いかがでしょう。
  105. 江田五月

    国務大臣江田五月君) これは、委員、今御提案いただきましたが、全体に放射性物質により汚染されたそういう廃棄物をどうするかということも含めて私ども法案を検討しなければいけないと思って検討しているところですが、なかなか率直に言ってもう様々なところに影響がございまして、特例法的なものでどこまでできるかとか、いろいろ議論をしております。  一方で、御承知のとおり、国会レベルで各党で今議論をしていただいているところで、その議論もしっかり踏まえ、いずれにせよ、そうした放射性物質によって汚染された廃棄物については、その最終処分場を国が責任放棄をすることはできないと思っております。また、費用の負担についても国会での議論をしっかりと受け止めていきたいと思っております。
  106. 市田忠義

    ○市田忠義君 国が責任を持って、財政的な負担も国が責任を持つ方向で前向きに検討していただきたいと。  福島県の復興ビジョンを私読みまして、大変感動しました。「原子力への依存から脱却し、再生可能エネルギーの飛躍的な推進を図る」と、基本理念の中に明確にこのことがうたわれて、「安全・安心で持続的に発展可能な社会づくり」ということが書かれています。  ですから、国直轄の焼却施設の設置や、一時保管・管理場を設置する地域では再生可能エネルギーの飛躍的な推進のための研究機関とか、原子力災害の克服のための研究医療施設などの整備も併せて進める、これが私は重要だと思うんですが、これは大臣、オーケーだと思うんですが、いかがでしょう。
  107. 江田五月

    国務大臣江田五月君) 福島県の皆さんが大変な御苦労の中で出されているビジョンですから、しっかりと受け止めていきたいと思います。
  108. 市田忠義

    ○市田忠義君 是非そうしていただきたいと思うんです。  法律案では、放射性物質で汚染されたおそれのある災害廃棄物処理を国が代行できることになっていますが、どうしても廃棄物処分のイメージがあって、県民要望としても再生可能エネルギーなどの施設と併せて整備する必要があると、この声にこたえる必要があると思います。  二次仮置場確保、国直轄の仮設焼却施設の設置や保管・管理場の確保などに当たっては、放射性物質による汚染状況、焼却に伴う放射性物質の適正な除去と安全管理、それから拡散、飛散などによる周辺の生活環境への影響等々、適切な情報の開示が私は不可欠だと思うんです。また、確実な安全性確保した下での関係自治体、周辺住民の十分な協議と合意に基づくということが私は必要だと思うんです。  ですから、国が代行する場合もこういう適切な情報の開示と住民の合意を重視すると、これが不可欠だと思いますが、大臣、いかがですか。
  109. 江田五月

    国務大臣江田五月君) 国が代行するということになったら、後はもう国の独断で、国がそこのけそこのけでやっていくというようなことは、これは到底我が国でできることではありません。やはり、国が責任を持ちますが、同時にこういう事態というのは、もちろん福島県の皆さんに大変な御迷惑を掛けておるわけではありますが、同時にオールジャパン、福島県民含め全ての国民がこういう原子力発電というものについて私は無関係だということが言えない、そういう状況ですので、精いっぱい誠意を持って協議をお願いをしながら前へ進めていきたいと思います。
  110. 市田忠義

    ○市田忠義君 さらに、原発事故による放射性物質に汚染されたのは何も災害廃棄物だけではありません。下水汚泥、道路、住居などの側溝汚泥もあります。学校校庭や住宅地などの土壌など、様々なところで福島原発による放射能汚染の影響が出ています。  私、福島市の下水道管理センターの状況調査してきましたが、このセンターでは、五月二日に下水汚泥を調査したところ三十二万六千ベクレル、五月四日には四十四万六千ベクレルの放射性物質セシウムが検出をされました。この汚泥は産廃業者からも引取りが断られて、高濃度に汚染された下水汚泥は沈殿池や消化槽などに約二百三十トンが保管されています。私、現地で要望されたんですが、国が早く最終処分方法を示してほしいと強く要求されました。  これは国交省だと思いますが、質問時間ももう短くなっていますから、いつまでに、いつまでをめどに、放射能物質に汚染された下水汚泥、この最終処分方法を示すのか、その処分は私は国の責任でやるべきではないかと思いますが、国交省、いかがでしょう。
  111. 松井正樹

    政府参考人(松井正樹君) 先生今御指摘されましたのは、六月十六日に原子力災害対策本部が出されました上下水処理等副次産物の当面の取扱いに関する考え方を御引用されていることだと思います。それによりますと、十万ベクレルを超える下水汚泥等、浄水土も入りますけれども、そういう汚泥等について、取りあえず保管をきちんとやってください、ただ具体的な処分の方法については今後の検討課題というふうになってございます。  今、関係省庁、原子力災害対策本部も含めて検討しているところでございますので、早い段階で結論が出るように努力してまいりたいと思います。
  112. 市田忠義

    ○市田忠義君 文字どおり、言葉どおり早い段階でと。検討中、検討中を繰り返されるとやっぱり現地大変困るわけですから、是非そういう方向でやっていただきたいというふうに思います。  最後に、他の委員からも質問がありましたけれども、放射性物質に汚染された災害廃棄物だけではなくて、下水汚泥、側溝汚泥、あるいは汚染土壌、そのままに放置しておくことは人の健康と生活環境を脅かし、住民の不安を強めることになります。正確な情報公開と住民の合意の下で安全な焼却、濃縮と一時保管、これは国民生活から放射能汚染隔離して人の健康と生活環境を守ることにもなります。  私は、一日も早く放射能汚染を除去してほしいと、これが県民の共通した願いになっているわけですから、この共通した願いを一日でも早く進めるために、国自らの責任と役割を明確にして、適用除外規定の見直し含めて、もう環境基本法を始め廃棄物処理法など環境規制は、最初から原子力には公害がないとして放射性物質は適用除外になっています。我々、原発からの撤退を求めていますが、当面、今すぐになくなるわけではありませんから、そういう災害から被害を最小限に食い止めるということは非常に大事なことで、この適用除外規定の見直しを含めて、放射能汚染に対応できる新たな法制度が必要ではないかと。  先ほど同僚委員質問にそういうことも含めた検討はやりたいというふうなことをおっしゃいましたが、是非そういう方向に踏み出すべきじゃないかということを質問して最後の質問にしますが、大臣、いかがですか。
  113. 江田五月

    国務大臣江田五月君) これは委員指摘のとおりだと思います。  ただ、括弧書きで適用除外というのがかなりの数になって、政府としてということになりますと大仕事になることも事実です。そのことを私ども覚悟しており、また検討してまいりますが、同時に、今のこの事態に対処するということについては各党で今議論していただいていると思いますので、しっかり連携してまいりたいと思います。
  114. 市田忠義

    ○市田忠義君 終わります。
  115. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 国民新党、亀井でございます。  江田大臣の所信に対する質問ですので、環境省の役割という大きな質問から入りたいと思います。  環境省は、予算が少ない一方で、地球温暖化、再生可能エネルギーなど守備範囲は広がる一方で、また環境保全分野でも今は放射性物質への対応まで求められています。  私は事業仕分のときに国土交通省と環境省の仕分をいたしまして、その予算規模の大きさにかなり、ほかの仕分人も一緒ですけれども、驚いた覚えがあります。ですので、あのときに、ただでさえ少ない環境省の予算からばさばさ切ったら何もできませんというような雰囲気がありまして、要求どおりの判定が多かったと記憶をしております。  それから、今度、特別会計の事業仕分のときに、エネルギー対策特別会計担当いたしまして、これはこれで経済産業省の財布というイメージで、そこに二酸化炭素排出削減を担当している環境省が入ってきて、ちょっと使わせてあげていますというような雰囲気がございまして、環境省の何となく他の省庁に遠慮している雰囲気というのを感じてまいりました。  それで、以前この委員会において、経産省は原発の推進もしてきたわけですし、再生可能エネルギーに関してはもっと環境省が前面に出てやりますと、もし、まず予算が少ないわけですから、予算や権限を増やしてもらえればもっとやりますというような、そういう姿勢で取り組んではどうかという質問をしたんですけれども、そうしましたら、いや、本来の業務ではございませんと、環境省がやらなくても本当はいいことなんですけれどもという消極的な答えが返ってきて、ちょっと力が抜けてしまったんですね。  環境省は、ですから、やはり保全に取り組むべきだと、そこが本来業務だということだったんですが、それで放射性物質になると今度は文科省でございますとなるので、一体環境省は何をする役所ですかという根本的な質問をまずしたいと思います。
  116. 江田五月

    国務大臣江田五月君) 環境省は何をするところかという、なかなか底の深い御質問でございまして、どう答えたらいいかと迷っておりますが、政府部内で国土交通省、経済産業省あるいは環境省、おまえのところへ押し付けるとか、おまえのところから取ってくるとか、おまえのところ多過ぎるじゃないかとか、そういう政府部内での、それは政府の中で水面下でいろんなことを、机の上では握手しながら下で大いにけ飛ばすなんということはそれはあることではございますが、やはりけんかをするという話ではないだろうと思っております。政府全体として、環境も大事であるし、国民の健康も大事だし、あるいは国土を発展させていくことも大事だし、しかし今環境問題というのが非常に重要な、これは国民にとっても、あるいは各市町村、都道府県にとっても、同時に地球全体にとっても非常に重要な課題になっているのはもう事実でございます。  私は、所信の際にも申し上げたかと思いますが、昭和三十年代から四十年代に移るころに大学の勉強を終えて社会に入って、その当時ちょうど水俣病あるいは四日市公害などといういわゆる公害問題がもう燃え上がっていた時代なんです。そのころに外国で生活するような経験もして、これは、経済の発展とエネルギーの排出と、それがもうどうしても切っても切れない関係で進むという時代はいずれ終わりになる、やはりどこかで環境というものを大切にしながら経済発展考えなきゃいけないと。環境の制約要因があれば、それは経済成長はそこで立ち止まらなきゃいけない。しかし、環境を保全していく中で経済の活動分野を広げていくという発想もあるというようなことを考えてまいりました。  今回、図らずも環境大臣ということを承ることになりまして、年来のこうした思いを大切にしながら、環境行政こそが人類の未来、国民の未来を切り開いていく分野だと、こういう気持ちで頑張っていきたいと。それは我が省の所管ではありませんからと言わなきゃならぬ部分もあるかもしれませんが、幸か不幸か今の放射性物質により汚染されたおそれのある災害廃棄物、どこも手を挙げてくれないと言うと語弊はありますが、環境省としては真っ先に手を挙げて、率先垂範、ここで環境省頑張ると、環境省の活躍の場を広げていく、こういう思いで頑張っていきたいと思っております。
  117. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 環境保全について積極的な御答弁、ありがとうございます。  再生可能エネルギーについてお伺いいたします。  再生可能エネルギー促進法案の成立を前提として国庫補助の多くが廃止されたと所信の中にもありました。民主党政権は再生可能エネルギーに消極的ではないかというような攻撃が時々野党からされることがあって、それはやはり事業仕分が関係しているんだろうと思います。  あのとき私もかかわっていたので申し上げますけれども、やはり環境省再生可能エネルギー関連の事業というのは規模が小さ過ぎて、果たしてどの程度の効果があるのかというところでなかなか弱かったんです。特に民間仕分人から、やはり効果が薄いのではないか。例えば、業務用の冷蔵庫があって、フロンガスを出すものがある、それに対して補助を出しましょうと。小さな額なわけですね。ですので、それ自体はいいことなのかもしれませんけれども、やはりもっと大胆にやるべきではないか、単に業者を助けているだけではないかというような批判がやはりどうしても仕分人の中から出てしまって、経済産業省が大きな部分は持っていって、残りの環境省の規模でできる、予算内で何か見付けますというような感じだったので切られてしまったという背景があります。  ですので、先ほどの質問にも関係しているんですけれども、もしこの法案が成立し、再生可能エネルギーの買取りが始まりという環境になったときに、環境省はもっと今よりも前面に出て普及促進に努めていくという、そういう姿勢があるのでしょうか。  また、例えば、スペインなどで買取りを始めて再生可能エネルギーが少し広まった、その買取り価格を下げたらばそこでストップしてしまったというような報告もされているんですけれども、そういった海外の事例を見て、今どのように対策を考えておられますか。
  118. 鈴木正規

    政府参考人鈴木正規君) 再生可能エネルギーというのは、地球環境温暖化対策の面もありますし、エネルギーセキュリティーの向上ということもございます。また、地域の経済の活性化とか、あるいは新たな雇用の創出という多面的な効果を持っているというふうに思っております。  そういう意味で、今回、東日本大震災からの復興ということが課題になっているわけですけれども、今先生の御指摘にありましたように、具体的な成果が望める具体的な施策を大臣、政務三役とも御相談してしっかりとして検討していきたいというふうに思っております。  それから、価格の問題でございますが、元々、全量買取り制度というのも再生可能エネルギーを導入するために今回も導入するという制度でございます。したがいまして、それぞれの事業者の方が投資意欲の湧く価格、買取り期間というのの設定が大変重要だということだと思っております。  多くの方が参入できるような価格、買取り期間が徹底されるということが何より重要なわけですけれども、今回御提案されている法案の中に、経産大臣は、環境大臣と緊密に連絡し、協力を行うこととするという規定も入っておりますので、しっかりと環境省としても協力してまいりたいというふうに考えております。
  119. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 温暖化対策税がどういう形になっていくのか分かりませんけれども、石油石炭税に上乗せしてというような考えがあるようですし、そこでエネルギー対策特会のお金が増えていく場合にはやはりそれは再生可能エネルギーにどんどん回していくべきじゃないかと思いますので、そんなことも念頭に入れて質問いたしました。積極的な関与をお願いしたいと思います。  二酸化炭素の削減目標についてお伺いいたします。  国連総会での鳩山前総理の演説から現在に至るまで、かなり野心的な目標を日本は国際社会に対して発していると思います。  大臣所信の中で、樋高政務官が最近、今月ですか、ベルリンにいらしたと、国際会議に参加されたとありますけれども、この原発事故の後の会議ですから、各国の反応ですとか、教えていただきたいと思います。日本は何を伝え、そしてどのようなことを言われてきたのでしょうか。
  120. 樋高剛

    大臣政務官樋高剛君) お答えをさせていただきたいと思います。  鳩山前総理が国連の総会におきまして演説をさせていただきました。その後、COPなど様々な国際会議、あるいはバイ会談、二国間の会談がございまして、真の地球益の実現のために、全ての主要国が参加する公平かつ実効性のある国際的枠組みによって地球規模での取組が必要であるという日本の方針をその都度その都度説明をさせていただいて、各国の理解を求めてきたというところでございます。  そして、今月の初めでありますけれども、ドイツのベルリンにおきまして非公式な閣僚級の気候変動に関する会合がございました。大臣の命によりまして、行って日本の立場を主張してきたところでございます。  私の方からは、今申し上げました国際的な枠組み、新たな国際的な枠組みの構築が必要であるということを申し上げたのと同時に、あともう一つ大きなポイントは、京都議定書の第二約束期間の設定についてでありますけれども、これは一部の先進国のみがいわゆる温室効果ガスの削減義務を負うということが固定化してしまいかねない、地球規模の排出削減につながらないということで、日本の立場としては第二約束期間の設定には賛同できないという旨を改めて表明をさせていただいたところでございます。  それに対しまして、一方で、途上国の国々からが多かったんですけれども、この第二約束期間への合意が不可欠という主張も繰り返しあったのも正直な事実でございまして、二〇一三年以降の国際枠組みについて依然様々な意見があるという状況でございます。  また、その会議に参加をしまして私自身が一番感じましたのは、こういう国際交渉、日本は確かに震災があって大変だねと同情をいただき、そしてお見舞いの言葉も各国からいただきましたけれども、それはそれ、一方で地球温暖化対策はこれはこれで国際的にしっかりと取り組んでいかなくてはいけないという、一部で厳しさを私自身は肌で感じてきたところでございます。  そんな中でやはりやらなくてはいけないのは、日本国内において国内対策をしっかりと形にしていくことだろうというふうに思うわけでございます。まずは国内対策にしっかりと取り組む姿勢を国際社会にはっきりと示すことによってこそ、初めてこの国際交渉において私どもの主張が認められていく、また御理解をいただいてそれが広まっていくというふうに思うわけでございまして、そういった意味におきまして、これから環境分野、大変大きな役割を担っていかなくてはいけないという思いでございまして、先ほど先生から話ありました、消極的な環境省ではなく積極的な環境省として頑張ってまいりたいと思っています。
  121. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 積極的な環境省を目指して、よろしくお願いいたします。  次に、被災地瓦れき処理についてお伺いしたいと思います。  震災発生後、まず瓦れき処理を初めにしなければ、人命救助の後、瓦れき処理が始まらないと何も復興につながらないわけでして、例えば流されてきた車をどう処理するのか、それは価値があるものなのかないものなのか、その有価物、無価物の判断等について、江田法務大臣との間で調整が行われて環境省の指針が三月の下旬に発表された、これが瓦れき処理のスタート地点だったと記憶しております。それから、五月十六日、六月二十三日と災害廃棄物に関する指針が重ねて示されて、今も瓦れき処理が進められてきております。  けれども、やはり報道などでも繰り返し伝えられているとおり、やはり現地から遅い遅いという声が聞こえてまいります。この問題が一体どこにあるのかということについて、環境省はどのような認識でしょうか。  また、次の質問を続けますけれども、瓦れき処理のための特別立法、七月八日に閣議決定をされて国会に提出されました。これは当初から提出をしようと環境省の中で作られてきたものなのか、それともやはり現状を見てこれは必要であるということで今回特別立法を出されたのか、それもお答えいただきたいと思います。  また、なぜ遅いのかということで、一方では地元に任せていたら地元の業者を優先して仕事の囲い込みのようなことが起きてなかなか作業が遅々として進まないという話もありますし、一方で、被災地外のところに実際に仕事の依頼は来たけれども採算が合わなくて行きたがらないみたいなことも聞こえてくるんですね。ですから、どれが本当なのか分かりませんし、どれも一部本当なのかもしれませんけれども、この現状をどのように環境省は把握しておられますか。
  122. 樋高剛

    大臣政務官樋高剛君) お答えをさせていただきたいと思います。  まず、なかなか遅いではないかという御指摘をいただいていることは重々承知をしているところでございます。  私自身、発災以来今まで十一回被災地に入ってまいりました。特に初期の段階にこそ実は集中的に入りまして、初期対応こそ重要であろうという認識の下で、私自身の目で現場を見てきたところでございます。そのときに比べますと、私自身も、つい先日も、そしてまた来週も行ってまいりますが、あくまで私自身は同じ現場を見ておりますので、大変な地元の皆さんの御努力によって、私は、御批判があるのは承知しておりますけれども、着実に進んでいるというのが私の実感でございます。  例えばでありますけれども、最新の数字で九百七十五万トン、今、推計量では二千二百万トンでございますけれども、約一千万トン近くの瓦れきがまず一次仮置場に実は搬入をされているところでございます。つまり、これ、例えば具体的に想定しますと、一千万トンって想像付かないんですけれども、仮にその瓦れきを仮置場に四トントラックで一千万トン運ぼうと思いましたら、四で割ればいいわけですから、二百五十万往復していると、仮に四トントラックだった場合、あくまで機械的な計算であります。しかも、瓦れきというのは御案内のとおりかさばるものですから、四トントラックに四トン載せられるものでもないということでもありますし。  また、地域によってはどうしても行方不明者捜索を優先をしてしまう、あるいは、先生御案内のとおり、地盤の沈下が今なおあり、潮がまだ入ってきている地域がたくさんございますなど、様々なそれぞれの地域によって遅れている理由があるわけでございまして、これらのニーズをしっかりと環境省が的確に把握をして、それぞれの技術的なアドバイス、あるいはお困りのことにきちっと御用聞きをさせていただいて、懇切丁寧に対応させていただいているところでありますが、いずれにいたしましても、批判につきましてもしっかりと正面から受け止めさせていただいて、丁寧に丁寧に、とにかくスピードアップをより図ってまいりたいと、このように考えているところでございます。  それと、お尋ねの点でありますけれども、特別立法についてでありますが、いつからその検討を始めたのかということにつきまして、私自身は、政務としては早い段階で私は必要性は痛感をしてきたところでございます。しかし、それだけでは法律がすぐでき上がるわけではございません。法律といっても恒久法の改正から、特措法でやる場合もあります、あるいは省庁間の連携もあります、あるいは被災地先生方の党派を超えた、私自身も私なりにはいろんなヒアリングをさせていただいた中で構想を練ってきて、そして環境省の中でもずっと温めてきた今までの知見などを踏まえて、今回特措法、いわゆる国直轄の瓦れき処理法案を提出をさせていただき、いよいよ今日の午後から衆議院の本会議場におきまして趣旨説明、質疑が行われるというわけでありまして、被災地のために一刻も早く、各党間で本当に意義のある話合いがなされた上でいいものが被災地のために一刻も早くできることを切に願う、そして希望するわけでございます。  それとあと、先生具体的におっしゃいました、仕事を囲い込んでいるから遅いというお尋ねについてでありますけれども、こういう御指摘があることも承知をしております。  この点につきましても、私ももう早い段階で気が付きまして、五月の二十日、もう二か月前でございますけれども、円滑かつ迅速な処理の実施が県内の事業者や処理施設のみでは困難な場合には、つまりもうキャパシティーをオーバーしていると、処理能力をオーバーしているという場合には県外の事業者あるいは処理施設の活用を図ることということを各県あるいは市町村に周知、依頼をもう二か月前にさせていただき、繰り返しそのことも今再度徹底をさせていただいているところでございます。  それと、もう一点でありますけれども、お金にならないので業者が集まらないという点、このことも私自身は声として伺っているわけでありますが、市町村が事業者に対して災害廃棄物処理費用を円滑にとにかく支払うことができるという状況をつくらなくてはいけないということで、国から市町村への災害廃棄物処理事業費補助についてはいわゆる概算払手続を鋭意進めさせていただいているところでございます。もう今週中、つまり今月中におっしゃっていただければ、遅くとも来月中には、先ほどもちょっと答弁させていただきましたけれども、通常では二か月あるのを、そんな悠長なことを言うなと事務方に指示をさせていただいて半分の一か月以内にということを、今努力をさせていただいているところであります。  いずれにいたしましても、この災害廃棄物処理というのはもう被災地の復旧復興の一丁目一番地、党派を超えた、そして様々な有識者の皆さん、そして民間の皆様方のお知恵、そして様々なボランティアの皆様方の力を結集してオールジャパンで、江田大臣が申しておりますオールジャパンでこの国難をしっかりと乗り越えて被災地の生活を取り戻してまいりたいと、このように考えております。
  123. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 瓦れき処理に関する特別立法に関しては、これ当初からやはり国が前面に出るべきだという声が強くありましたので、必要な法案だと思いますし、早い成立を私も望んでおります。  それでは、最後の質問にいたしますが、子供に対する放射性物質の影響調査についてお伺いしたいと思います。  環境省はエコチル調査というものを持っておりますけれども、今原発事故が起きて、それこそ長期にわたる大規模な子供に対する放射性物質の影響調査が必要なのではないかと思いますけれども、そのような調査について検討されておりますでしょうか、お答えください。
  124. 佐藤敏信

    政府参考人(佐藤敏信君) 放射性物質による長期的な健康影響につきましては、福島県が主体となり、政府の財政的支援の下で、子供を含めました全県民を対象とした県民健康管理調査を行うこととしており、一部は既にスタートしたと聞いております。  環境省はこの調査そのものには関与しておりませんけれども、御質問のように、昨年度より子どもの健康と環境に関する全国調査、いわゆるエコチル調査を開始したところでありますし、しかもこの調査の対象地区の中には被災地域の一部も含まれております。したがいまして、今御質問放射性物質が子供の健康に与える影響の解明においてどのような形で貢献できるのか、さきの県民健康管理調査との関連とか連携とか、そういったことも含めて検討してまいりたいと考えております。
  125. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 それでは、時間が参りましたので、ここで終わりたいと思います。ありがとうございました。
  126. 北川イッセイ

    委員長北川イッセイ君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後零時四十九分散会