○
谷岡郁子君 その
外国から
日本が十分に
情報を出していないと言われることの一端の中には、恐らく
国内に対しても、例えば私
たち国会議員に対してもその
情報が十分でないということがその
一つにあり、また同時に、一体どこに問い合わせていいか分からないと。そういう
組織であるという、また
組織図がまだいまだに、この間、
委員会でも
佐藤委員からも御指摘がありまして要求ありましたけれ
ども、それがいまだ出てこないというような形で、その窓口すら明らかにならないよというような
状況があると思います。
最初の、この
大震災、これが本当に千年に一度と言われるほどのものであれば、当初の
混乱というものは
理解ができます。しかし、もう一か月以上たっているということであれば、はっきりどこに何を問い合わせることができるのか、どういう
組織の図になっているのかということが分かるぐらいの、その
程度のやはり
情報というものは明らかにしていただきたいと。
国内のことがしっかりしていなければ、国外へはそういう雰囲気というものが伝わってしまうということをよくお
考えになっていただきたいというふうに思っております。
それで、今回の中で、この
委員会でも取り上げられておりますが、
汚染水が、まあどちらかというと低
濃度というふうに言われておりますけれ
ども、大量にまかれたということについて、この問題が丁寧に事前に大使館を始めとする、あるいは
各国政府に伝わっていなかったということが大きな問題というふうになっておりました。私も全く同じことを感じております。
資料を今日お配りさせていただいたものは、私が稚拙に作ったものでございます。「
原発事故とその
類型」となっておりますが、
原発事故とその
影響範囲とその
類型ということで御
理解をいただきたいと思いますけれ
ども、
原発事故というものは何も、直接避難をしなければいけない人が出てきた、あるいは
日本の
国内でどれだけの人が
風評被害等で
影響を受けるというだけにとどまりません。
ここで御覧になればお分かりになるように、自然の
被害、
人間の
被害、両方ございますし、これは
経済被害であり、またメンタルな
被害であり、健康の実際的な
被害であると同時にリスクでもございます。そして、同時にこれは自然の
被害でもあって、鳥や
花たちが、何も
選挙権を持ってそして陳情するわけではございませんが、実際に彼らもまたその
影響を受けている。
とりわけ
人間の健康、何
シーベルトまでがオーケーなんだということばかりが言われておりますけれ
ども、この
日本におきまして先年開かれたCOP10、
生物多様性会議でも明らかなように、より単細胞の
生物ほど大きな
放射能の
影響を突然変異という形で受けます。そして、それが私
たちの
生態系の、そして
食物連鎖の基盤になっているものでもあると。非常に長期にわたって絶大な
被害を自然に及ぼしたということがこの大気中の
放射能、また海洋への
放射能ということによってもたらされる
可能性があるということだろうと思います。
ある
意味で
地球社会に対して大きな罪を
日本はなしてしまったと。
最初のその爆発ということがどれだけとどめられたものなのか、不可抗力であったものか、それはもちろん
議論の余地があると思いますし、また高
濃度の
汚染水を垂れ流すわけにいかない中で万やむを得ないという御
判断については私
どもも
理解しておりますけれ
ども、それでもきちっとした通告、また説得なしに、了解なしにこれをやってしまったということは、
日本は何をやるか分からない国であると、そのような
信用の欠損というものを引き起こしてしまっているということがあり得るというふうに私は思っております。
この
科学技術立国としての不断の
努力によって六十数年間で
先輩たちが築いてきたその
科学技術立国性というものが、
一つにはこの
日本ブランドが信認を失ったこと、もう
一つは何をやるか分からない、国際的な
規範意識というものに欠けるかもしれないと思わせてしまったということは、本当に重大な私
たちの罪であり、そして負っていかなければならない
信用の破壊であるというふうに感じておりますが、それについては
大臣はどのようにお
考えになっているんでしょうか。