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2011-03-31 第177回国会 参議院 外交防衛委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十三年三月三十一日(木曜日)    午前十時六分開会     ─────────────    委員異動  三月三十日     辞任         補欠選任         宇都 隆史君     中西 祐介君      山本 一太君     上野 通子君      山口那津男君     竹谷とし子君  三月三十一日     辞任         補欠選任         石井  一君     金子 洋一君      北澤 俊美君     平山 幸司君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         佐藤 公治君     理 事                 榛葉賀津也君                 谷岡 郁子君                 岸  信夫君                 佐藤 正久君                 山本 香苗君     委 員                 石井  一君                 小川 勝也君                 大野 元裕君                 金子 洋一君                 徳永 久志君                 平山 幸司君                 広田  一君                 猪口 邦子君                 上野 通子君                 島尻安伊子君                 中西 祐介君                 浜田 和幸君                 竹谷とし子君                 小熊 慎司君                 舛添 要一君                 山内 徳信君    国務大臣        外務大臣     松本 剛明君        防衛大臣     北澤 俊美君    副大臣        外務大臣    高橋 千秋君        経済産業大臣  松下 忠洋君        防衛大臣    小川 勝也君    大臣政務官        外務大臣政務官  徳永 久志君        経済産業大臣政        務官       田嶋  要君        防衛大臣政務官  広田  一君    事務局側        常任委員会専門        員        矢嶋 定則君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       山内 正和君        文部科学大臣官        房審議官     伊藤 洋一君        厚生労働省労働        基準局長     金子 順一君        防衛大臣官房審        議官       添田 慎二君        防衛省防衛政策        局長       高見澤將林君        防衛省防衛政策        局次長      黒江 哲郎君        防衛省地方協力        局長       井上 源三君        防衛省地方協力        局次長      廣田 恭一君     ─────────────   本日の会議に付した案件政府参考人出席要求に関する件 ○原子力平和的利用における協力のための日本  国政府ヨルダンハシェミット王国政府との  間の協定締結について承認を求めるの件(内  閣提出) ○所得に対する租税に関する二重課税回避のた  めの日本国スイスとの間の条約を改正する議  定書締結について承認を求めるの件(内閣提  出) ○所得に対する租税に関する二重課税回避及び  脱税防止のための日本国オランダ王国との  間の条約締結について承認を求めるの件(内  閣提出) ○日本国自衛隊オーストラリア国防軍との間  における物品又は役務相互提供に関する日  本国政府オーストラリア政府との間の協定の  締結について承認を求めるの件(内閣提出) ○日本国アメリカ合衆国との間の相互協力及び  安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並び  に日本国における合衆国軍隊の地位に関する協  定第二十四条についての新たな特別の措置に関  する日本国アメリカ合衆国との間の協定の締  結について承認を求めるの件(内閣提出、衆議  院送付)     ─────────────
  2. 佐藤公治

    委員長佐藤公治君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日、宇都隆史君、山本一太君及び山口那津男君が委員辞任され、その補欠として中西祐介君、上野通子君及び竹谷とし子君が選任されました。     ─────────────
  3. 佐藤公治

    委員長佐藤公治君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  原子力平和的利用における協力のための日本国政府ヨルダンハシェミット王国政府との間の協定締結について承認を求めるの件外三件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として防衛大臣官房審議官添田慎二君外二名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 佐藤公治

    委員長佐藤公治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 佐藤公治

    委員長佐藤公治君) 原子力平和的利用における協力のための日本国政府ヨルダンハシェミット王国政府との間の協定締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税回避のための日本国スイスとの間の条約を改正する議定書締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税回避及び脱税防止のための日本国オランダ王国との間の条約締結について承認を求めるの件及び日本国自衛隊オーストラリア国防軍との間における物品又は役務相互提供に関する日本国政府オーストラリア政府との間の協定締結について承認を求めるの件、以上四件を一括して議題といたします。  四件の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  6. 岸信夫

    岸信夫君 自民党の岸信夫でございます。今日は四条約質疑でありますけれども、私どもはこの四条約については承認賛成の立場でございます。  ただ、審議に入る前に、別件で一点確認をさせていただきたいと思います。  先般より問題となっておりました十一月十日付けのいわゆる防衛省事務次官通達に関しまして、昨日の委員会に先立つ理事会において防衛大臣より御説明があったところでございますけれども、引き続いて行われました委員会における山本香苗委員質問に対する大臣からの答弁について、我々が副大臣から聴取しました説明によって我々が得ました認識と異なるようなニュアンスがあったという感じがしております。一度確認のために、もう一度副大臣より、この委員会の場において昨日の理事会でなされた御説明の内容について確認をいただきたいと思います。
  7. 小川勝也

    ○副大臣小川勝也君) お尋ねのございました防衛省事務次官通達に係る防衛省対応について御説明を申し上げます。  昨年十一月十日付けで発出いたしました防衛省事務次官通達隊員政治的中立性確保について」に関し、防衛省として防衛事務次官通達を新たに発出することといたしましたことについて御答弁申し上げます。  現在の事務次官通達については、国会場等において、民間人言論、思想、信条の自由を侵害するものであり、憲法違反であるなどの趣旨指摘がなされ、その撤回が強く求められてきたところであります。防衛省としては、この通達民間人言論を統制するものでなく、また、通達という性質上、一般の国民の行為を規制する効力を有さないものであり、憲法に定める言論自由等との関係で問題となるものではないことなどを累次説明してまいりました。  その後、参議院予算委員会でのやり取り与野党関係者の間での御協議を踏まえ、現行通達撤回という手続ではなく、通達を新たにかつ早急に発出することとし、今後は新たな通達により措置することとなります。すなわち、現行通達では隊員部外団体に対する具体的な対応について規定しておりましたが、与野党関係者の御協議などを踏まえ、新たに発出する通達では、隊員政治的行為の制限に違反しているとのいささかの疑いも生じさせることがないよう、適切に対応するとし、部外団体に対する具体的な対応について指示しないこととしたところです。今後、隊員はこれに従い、政治的中立性確保について適切に対応することとなります。  なお、昨年十一月十日付けで発出した大臣官房文書課長事務連絡各種行事における部外団体を代表して参加された方の御挨拶の概要の提出について(依頼)」については、その必要性は終了したとの判断から、新たな通達の発出に際し、これを廃止することを併せて御答弁申し上げます。
  8. 岸信夫

    岸信夫君 今副大臣より御答弁ありましたとおり、新たな通達が発出された際には、この通達によるということの周知を徹底していただきたいと思っております。  それでは、質問に入らせていただきます。  まず、ヨルダンとの原子力協定に関することでございますが、今般の福島第一原発事故については、現在その一刻も早い事態の封じ込め、鎮静化のために、関係者の皆様、まさに命懸けの作業が続いておるところでございます。このことに対し心より敬意を表するとともに、引き続きの御尽力をお願いしたいところでございます。  一方で、この事故は、我が国原子力政策、特に安全面での、安全政策での、安全対策の面での抜かりがあったのではないかとこれは言わざるを得ない事態であると思います。  近年、我が国を襲う集中豪雨やそれに伴う水害など、まさにこれまでの想定を超越する様々な天災により、毎年のように被害が起こっております。そのたびに想定外という言葉が言い訳のように繰り返されておるわけでございます。大自然というまさに想定の線引きをすることのできないリスクに対してこれをマネージしていくという、たとえ想像を絶する天災が発生しても、事故につながったとしても、それが危機的状況につながらないようなリスクマネジメントが今回できていなかったのではないか。福島原発状況が落ち着かないうちにその先の見通しを立てることはなかなか難しいというふうには思いますけれども我が国原子力政策について、もちろん安全性の面ではまず事故検証はしっかり行われなければなりませんけれども、今後の我が国原子力政策についてどのように考えているのか、見通しについて伺いたいと思います。  我が国は、一方で、原発建設について持っている先端的なノウハウを生かして海外への売り込みをしてまいりましたけれども、こうした海外展開についてもどのような見通しを持っておられるのか、経産省から御意見をいただきたいと思います。
  9. 田嶋要

    大臣政務官田嶋要君) 今委員の方から大変本質的かつ大きなテーマで御質問を賜りました。  見通し変更、これから変更可能性も含めて当然しっかりと検討をしていかなければならないわけでございますが、現時点では、何よりも重要なことといたしましては、まだ現在進行中の福島第一原発事故をいかに収束させるかということ、これにまず専念をしていかなければならないと考えてございます。この緊急事態に全力を集中いたしまして事故を収束させ、そしてその上で、この事故原因地震津波状況事故原因についての徹底的な検証ということが必要だというふうに思っております。  おっしゃっていただきましたとおり、特に津波に関しては想定外という言葉が飛び交っておりますけれども、しっかりとそういうところも含めまして検証を行い、そして、常に安全第一と言われてきました原子力政策でございますので、その安全の基準等に関しても、見直しが必要であればそれはしっかりとやっていかなければいけないというふうに考えております。  また、世界に向かって原子力インフラ輸出ということも大きな成長戦略の柱の一つには掲げてございましたが、この点に関しましても、今回の事故検証をまずしっかりやって、そしてどういうところが、もし足りなかったのなら何が足りなかったと、そういうことをしっかりと補強していくことが必要であろうというふうに思っております。  大変な痛手であることは間違いないと思いますけれども世界の信頼をしっかりとつくっていくために今後とも頑張っていきたいと考えております。
  10. 岸信夫

    岸信夫君 今回議題となっておりますヨルダンとの協定でございますけれども、我々、ヨルダン入札商談が近々控えているということで、これについては急いでやらなきゃいけないと、こういう認識でおったわけですけれども、今のその入札見通しスケジュール、お分かりになれば教えてください。
  11. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 既に署名は行われた協定でありますので国会にお諮りをしているところでありますが、引き続き、ヨルダン政府とは私どもも緊密に連絡を取り合っている状況でありまして、私ども承知をしている限り、現段階ではヨルダン国政府としては現在の計画は着々と進めていく御意向であるというふうに承知をいたしておりますし、また日本とのこの協定についても、先方意向も、先方の方は手続が終わっておりますので進めてもらいたいというふうな御意向だと考えて今お諮りをしているというふうに御理解をいただけたらと思っております。
  12. 岸信夫

    岸信夫君 この協定スケジュールももちろんそうなんですけれども、実際の具体的な商談入札の予定、こうした面があると思うんですね。そこを今分かる範囲で教えていただきたいと思います。
  13. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 選定の時期は春から夏というふうに伝えられておりますけれども、まだ確定的な時期が決まっている状況ではないというふうに承知をいたしております。
  14. 岸信夫

    岸信夫君 私の聞いております範囲では、当初三月ごろを予定されていたものが先方中東情勢等によって六月ごろに延ばされるのではないかと、こういう話だったと思います。  ただ一方で、我が国のこの福島の問題、そうたやすい、見やすい問題ではないと思いますし、その後の事故原因の究明とか新たな安全対策、そうしたものを考えますと、この商談に対する影響というものも大変懸念されるような状況じゃないかなというふうに思います。  ほかの国に対してもいろいろ進んでいる案件があると思います。ベトナム始め、これまで我が国が受注してきた原発建設について、見直し等の話が来ているんでしょうか。
  15. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 現段階で、政府間の間で少なくともそのような直接の話を伺っているという情報には接しておりません。
  16. 岸信夫

    岸信夫君 どこの国も今のこの福島状況というのはもう本当に固唾をのんで見ていると、こう言っていいんだと思います。その中で、我が国がきっちりこのリスクをマネージできているのかどうか、それからもう一つやはり肝心なこととして、我が国原発原子力政策が今後どうなっていくのか、そういったことを大変注視しているんではないかなと思っております。国自体原子力政策が例えば後ろ向きになってしまうのであるとすれば、それを海外に売り込んでいくというのはまさにおかしな話になってしまいますし、とてもそういう国から買うことはできないんだろうというふうに思っておるわけであります。原発というのは、発電所、プラントの建設ということだけではなくて、まさにその運転、それからリスク管理、そうしたトータルのシステムを売り込んでいくと、こういうことになると思うんですね。  今回のヨルダンにしても、福島とは立地の状況が違うから、じゃ地震はどうなんだ、津波はどうなんだと、一つ一つ言えば状況は違うと思います。かといって、だから大丈夫なんだと、こう言えるものではないんだろうと。あちらにはあちらのまた別のリスクがある。例えば、テロのリスクにしてもそうかもしれません。  そうしたものに対して、きっちりとした安全対策に対する、一つ一つ対策がどうこうというよりも、我が国リスクをマネージするというトータル考え方が問われてくるんではないかなというふうに思うわけでございます。いわゆる安全性に対する、安全対策に対する哲学といいますか、そうしたところがあるかどうか、こういうことにつながってくるんじゃないかなというふうに思うんですね。  今後、なかなか時間的にこのヨルダン商談がいつになるのかまだはっきりしないということでありますけれども是非国として、これはまさに国家のプロジェクトでもあるわけですから、国として相手政府に対してきっちりこの事故状況説明誤解を受けないようにすること、そして我が国原子力政策について、方向性等についてきっちり説明をして誤解の持たれないようにしてお願いしたいというふうに思っています。まさにオールジャパンとしてのバーゲニングパワーが問われている案件だというふうに思っております。よろしくお願いします。  では、日豪ACSAについてお尋ねを申し上げます。  豪州とは、安全保障協力に関する日豪共同宣言を経て安全保障分野での交流が幅広く推進されているところだと思います。二国間の軍事演習も進んでいると思っておりますけれども、この度の災害においても豪州からは大きな支援をいただいておるところです。豪州は、民主主義あるいは法の支配、我が国と根本的な価値観を共有している国でもございますし、日豪関係日米関係ともちろん比較できないとしても、東アジア、東南アジアに広がるこのエリアでの安全保障環境の安定の維持確保に対しては重要な意味を持つというふうに了解をしています。  そうした国との安全保障上のパートナーシップの関係を強めていくことは大変重要である、そういう観点から、ACSA締結というものは日豪間の軍事協力関係を円滑ならしめる上で大変重要だと思いますので承認賛成をしておるわけでございますけれども、一方で、この安全保障環境というのは大変厳しいわけであります。今の日米同盟に加えて、日豪、さらに隣国の韓国、あるいは更に目を広げて世界最大民主主義国家でもありますインド、こういった国との間でバイあるいはマルチを問わず安全保障強化仕組みをつくっていくことが、まさに我が国周辺そして東アジアの安定を確固たるものにしていくために大変重要だと思います。  こうした仕組みの構築について、外務大臣の御所見をいただきたいと思います。
  17. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 委員からお話がありましたとおり、日豪重要性についてはまさに御指摘のとおりだろうと、このように思っております。私どもとしては、今回のACSAという意味では、安全保障上もでありますけれども安全保障経済も含めて幅広い意味でのパートナーとしての豪州との連携強化ということは大変重要であると思っておりますし、その一環として、米国に続いてこのように二国間でACSA締結されるということは我が国にとっても大変重要なことであると、このように考えているところでございます。  実際に、日米豪の三か国であるとか日豪で様々な国際的な場面、援助であるとかPKOであるとかで共同で活動していることは既に委員案内のとおりだと思いますので、詳細に申し述べることは差し控えさせていただきたいと思っております。  その上で、広い意味アジア太平洋地域において、韓国さらにはインドについても言及がございました。米国豪州韓国との間での安保協力というのも、今、日米韓というのは外交的な面でも緊密に連携を取って行っているところでありますけれども米国同盟国であって、我が国と基本的な価値と利益を共有をする韓国オーストラリアと同様に韓国というのも海上交通安全確保や共通の利害を有するということで大変重要な関係だと思いますし、インドとの関係も今お話ししたような観点から安全保障協力は重要であるというふうに考えております。  日本インドの間では、既に先生案内のとおり、米国豪州に次いで日印間で安保共同宣言行動計画を策定をしているところでありまして、日印の外相間の戦略対話とか次官級の2プラス2を始めとする政策対話を実施しているところでございます。また、日米印の三か国海上共同訓練といった防衛協力も実施しているところでありまして、インドの関与を得たこのような安全保障協力を一層強化をしてまいりたいというふうな方向で考えているところでございます。
  18. 岸信夫

    岸信夫君 ありがとうございました。  先日の議論の中で一つARFのいわゆる枠組みということについて議論をさせていただいたところでございますけれども、更に言えば、あのときもちょっと私からは申し上げたんですけれどもARF枠組みで考えても台湾が抜けておるわけです。地域の安定、まず軍事面だけでなく災害対処という意味も含めれば、この穴が空いているというのは決していいことではないと思いますし、我が国にとっても本当に近い地域になるわけであります。  これは特に申し上げてはなかったんですけれども、もし台湾の、バイであればなかなか外交上の関係がないということもあって難しいところもあるかもしれませんけれども、こうした大きな枠組みの中で穴がないような形で進めていかなければいけないという考え方について、いかがでしょうか。
  19. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 先般の委員会でも岸先生からそのような御指摘があったことは私も受け止めさせていただきました。  その上で、もう先生もよく御案内のとおり、国・地域という形での協力ができるところは様々な国際的な枠組みの中で協力が進んでいるというふうに思いますし、様々な国際的なルールそして条件の中で、我々としてもできる限りのことをしっかりと安全保障確保するべく進めていく。また、その意味で、先生がおっしゃったように、穴があることは良くないという言葉は受け止めて拝聴させていただいたというふうに御理解をいただけたらと思っておりますが。
  20. 岸信夫

    岸信夫君 是非よろしくお願いします。いろいろ知恵を使っていただきたいと思います。  今、我が国、非常に厳しい状況にございます。そもそも、いわゆる周辺安全保障環境は厳しかった。更に加えて、この災害対処に十万人以上の自衛隊員が当たらなければいけないという状況が発生しておるわけでございます。  その中で、先般からもこの委員会でも何度か話がありましたけれどもロシア機によります戦闘機電子戦機を飛ばして領空接近をしてきた。領空侵犯をしていないから抗議には至っていないということでございますけれども我が国がまさに国難に瀕している、直面しているときにこうしたことを仕掛けてくる相手に対しては、ある意味ではきちんと言っていかなければいけない。抗議なり、せめて不快感を示すなり、そうした対応があってしかるべきではないか、こういうふうにも思っております。この点についてはいかがですか。
  21. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 何度か本委員会でもやり取りをさせていただいた部分でございますので、既に私の真意はお伝えをすることができているかというふうに思っておりますが、かかるような状況であるということをしっかり認識をした上で、であればこそ、自衛隊の皆さんにも大変御苦労をいただいて、通常どおりの言わば安全を担保できるような活動をしていただき、実際に今御指摘のあったロシア機に対しても適切に御対応をいただくことができているわけで、私どもとしても、かかる時期であるからこそ、しっかりと粛々とこれまでどおりのしかるべき対応をしっかりとやっていきたいと、このように考えているところでございます。
  22. 岸信夫

    岸信夫君 これは、今年、スクランブルの回数もかなり増えてきているように聞いております。まさに非常に活発化していると言わざるを得ないわけですけれども。  防衛省にちょっとお聞きしたいんですけれども、今、領空接近に対する対処をしておられます。近づいてくる飛行機に対して警告をするということですけれども、さらに、もし進路を変えずに領空に入ってきた場合、どのような対処をするんでしょう。
  23. 添田慎二

    政府参考人添田慎二君) 自衛隊法八十四条に基づきます対領空侵犯措置を実施している要撃機が、領空侵犯機に対して強制着陸又は領空外退去のための誘導に従うよう無線や視覚信号による警告を行った上で、なお従わない場合にはより明確に我が国の意図を伝えるために信号射撃を行うことがあるというのは今議員からおっしゃられたとおりでございます。  また、要撃機は、自衛隊法八十四条に規定する必要な措置として、正当防衛又は緊急避難の要件に該当する場合のみ武器の使用が許されるというのが従来からの政府考え方でございますので、この正当防衛又は緊急避難に該当する場合については、例えば領空侵犯機が実力をもって抵抗してくるような場合、領空侵犯機により国民の生命及び財産に対して大きな侵害が加えられる危険が間近に切迫しており、これを排除するために武器の使用を行うほかない場合はそれに該当するため、こういった場合には対応に支障が生じるということは考えておりません。
  24. 岸信夫

    岸信夫君 すなわち、相手が攻撃の意思を持っていない場合は当然ながらこちらから攻撃ができないと、こういう状況になると了解していいんだと思うんです。  ただ、じゃ、それでもなおかつこちらからの警告あるいは警告射撃にもかかわらずそのまま入ってきた場合、意図が分からない場合というのはどういうことになるんですか。
  25. 添田慎二

    政府参考人添田慎二君) 一般的には、スクランブルを掛けることによって、領空に接近した場合にまず日本から遠ざかる方に出ていただくというのが基本でございます。  ただ、理論的には先生のおっしゃるように、そういった警告に従わないあるいはスクランブルが間に合わないといったことがもしあったとしますと、それが先ほど申し上げましたような正当防衛、緊急避難に当たるかどうか。もし、例えば間違えて入ってきてしまったような航空機があった場合に直ちにそれに武器等を使用することが適当かどうかという問題もございますので、これはケース・バイ・ケースで判断させていただきたいというふうに考えております。
  26. 岸信夫

    岸信夫君 すなわち、もちろん警告をした後にそれでもなおかつ入ってきた場合の話をしているわけですけれども。  日本はそのように対処をしている、では他国の場合、例えばロシアに、我が国が行くことはないかもしれませんけれども、ある国が領空侵犯をしていった場合も同じような対応になるのでしょうか。すなわち、最初警告をする、それでも聞かない場合は射撃をすると、しかし攻撃はしないということなんでしょうか。
  27. 添田慎二

    政府参考人添田慎二君) 必ずしも外国の事情について手元に詳細に承知はしておりませんが、必ずしも、日本と同じではないかと思います。
  28. 岸信夫

    岸信夫君 場合によっては撃墜をされる可能性だってあるんだろうと思います、それは領空侵犯をしているんだから。日本に入ってきた飛行機に対しても、本来であれば国際法的にはそういう権利があってもおかしくはないんではないかと思いますが。  これは領空侵犯の話ではありませんけれども、昨年、メドベージェフ大統領が北方領土を訪問するという話があった際に、事前にいろいろな懸念が出ておりました。それに対して外務省からは、その兆候がないとして対応策を取らなかったわけですけれども、結果として大統領の北方領土訪問を許してしまったわけですね。これもロシア側からある意味ではいろいろなサインが出ていたのではないかと思いますけれども、そこに対して何も対応しなかった結果がこういうことになったんだろうと思います。  領空侵犯についても同様じゃないか。すなわち、しっかり相手の意思に対してこちらも対応していくということが外交上も必要なんじゃないか。一歩でも入ってきたら撃ち落とすぞというぐらいの脅しが言えるんであればいいかもしれませんけれども、そういうウオーニングができないのであれば、逆に言うと入ってくる前にきっちりと対応していく、単にスクランブルを掛けるだけではなくて外交上も対応していくということが必要ではないかな、こういうふうに思っているんですけれども、いかが考えていますか。
  29. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) メドベージェフ大統領の国後島訪問については、御案内のとおり、北方四島がロシアに法的根拠なく事実上占拠された状況の下で、遺憾ながらそういう状況の下で行われました。  私どもとしては、日本の立場とは相入れないということを累次にわたって申し入れてきたところではありますけれども、結果として御指摘のような事態に、訪問が行われたということは大変遺憾だというふうに思っております。  その上で、我々としても、今お話がありましたように、我々の立場と相入れないような事態、また今お話がありましたような我が国にとって望ましくない事態が起こらないようにいかにするかというのが外交努力であるということはまさに御指摘のとおりでありまして、今の件も含めて、私としても、遺憾ながらと申し上げざるを得ない事態になってしまったことが繰り返されないようにこれからも全力を挙げたいというふうに申し上げたいと思います。
  30. 岸信夫

    岸信夫君 ロシアの軍用機が北側から回り込んできて北方領土の上空を通過をして太平洋側に出て、南下をしてまた戻っていったというケースがあったと思います。この場合は、北方領土の上空を通過したということに関して我が国はどういう立場を取っているんでしょう。
  31. 添田慎二

    政府参考人添田慎二君) 北方領土に関しましては我が国固有の領土でございますけれども、現在ロシアにより法的根拠のない形で占拠されているわけでございまして、ただ、この問題は日ロ間の懸案としてあくまで平和的に解決すべきものと考えております。  航空自衛隊におきましては、我が国の領空を侵犯するおそれのある航空機を発見した場合には緊急発進を行っているわけでございますが、北方領土に関しましては現在管轄権を事実上行使できない状況にございまして、この問題はまた外交交渉により解決していくべきという立場でございますので、現在、北方領土上空における緊急発進は実施しておりません。
  32. 岸信夫

    岸信夫君 時間が来ましたので最後にしますけれども、これはまさに我が国の立場からすれば北方領土は我が国の固有の領土であります。その領土の上空は領空であります。その領空をロシアの飛行機が通過すれば、これは領空侵犯というのが我が国の立場であるというわけですね、本来であれば。なかなかスクランブルが掛けられない状況というのはそれはそれであるかもしれませんけれども外交上はきちんと言っておく必要があるんではないかと思っております。是非、先ほどのロシアの大統領の件もそうなんですけれども、これ以上既成事実をつくられないような決意を持って外務大臣には対処していただきたいと思います。  もし何かあれば。
  33. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) しっかりと御指摘を受け止めてまいりたいと思います。
  34. 小熊慎司

    ○小熊慎司君 四条約についてお伺いをいたします。  租税条約に関してでありますけれども、今進展する世界経済の中で、この中で日本経済がしっかりと活性化をしていくという意味においては、これは健全な投資活動、また技術移転等が必要でありまして、そのインフラ整備の一つとして租税条約があるわけでありますけれども、二重課税を排除したり調整、そしてまた脱税租税回避を抑止していくということでこの租税条約が結ばれていて、現在では、私の確認するところであれば四十八の条約で五十九か国と締結をしているところでもありますけれども、今回、この二つの締結の中で、これやはり、こうした経済の持続性、日本の発展を考えれば、こうした租税条約のネットワークが更に拡大をしていくことが望まれているところでありますけれども、現在のこの課題と取組についてお伺いをいたします。
  35. 高橋千秋

    ○副大臣(高橋千秋君) 御答弁させていただきます。  小熊委員におかれましても、地元の企業等が海外へ進出されているところが多いというふうに聞いておりますけれども、この経済のグローバル化というのは更に進んでいくでしょうし、我々としても進めていかなければならないことだろうというふうに思います。  そういう意味で、国際的な投資交流を促進することが大変重要だということで、我が国との経済関係が深い国・地域を重視して、投資所得に対する源泉地国課税を減免すること等を目的として租税条約締結や既存の租税条約の改正を進めております。  一方で、やっぱり脱税という問題がございまして、近年、脱税及び租税回避行為防止するということについても国際的な協力の機運が高まってきております。租税条約については、国際標準、これはOECDでございますけれども、に沿った情報交換に関する規定等を盛り込むことを基本としております。  御指摘のあったように、今回のスイス、オランダを含め四十八の租税条約締結し、五十九か国・地域に適用をしておるわけでありますけれども、この国会で香港それからサウジアラビアとの新たな条約についても既に提出をさせていただいております。また、アラブ首長国連邦との間で新規締結交渉を今行っている最中でございます。  それから、租税に関する情報交換というものが大変重要だということで、今国会でタックスヘイブンとされている英領ケイマン、それからバハマとの間で新たな条約を既に提出をしておりまして、そのほかにもガーンジー、それからジャージーなどの間で類似の協定の交渉を今行っている最中でございます。
  36. 小熊慎司

    ○小熊慎司君 これ、租税条約ではちょっと網羅し切れない部分があるんですけれども、この経済交流を活発化させていくという目的のために、ODAの委員会の派遣でメコン三か国に行って、ベトナムに行った折でしたけれども、御当地の日本人商工会の方々とお話ししたときに、狙い撃ちされるんですね、所得税掛けられて。まあ、向こうの国の税制ですからそれはしようがないんですけれども、五千万吹っかけられて、調整して二、三千万になったんですけど、これは大手商社の方ですから会社が払ってくれたんですが、中小企業であれば個人負担になっちゃって、そういう国だと逆にもう行けないよという、そんなことになってくるんですね。  ですから、これ、租税条約というのは、直接ではないんですが、これがもう魔法のつえではなくて、やはりその周辺部分も含めて、これは目的が経済投資、また交流が活発化していくために法的なインフラ整備としてやっているということでもございますので、今後はこの更なる拡大、締結国を増やしていくということではなくて、これまで締結した国ももう一度見直して、必要な改正とか、また租税条約で網羅し切れないこうした経済活動を阻害するような問題点というのはきちっと注視をして、そして、これは相手国の税制があって内政干渉になることは避けなければなりませんが、そういった状況も踏まえながら、目的が達成するようにこれは対応していくべきだというふうに思いますが、御見解を。
  37. 高橋千秋

    ○副大臣(高橋千秋君) 委員指摘のとおり、国によっては、特に途上国等では急に制度が変わったりして、そういう税金の問題であったり、様々な規制であったり、もうそういう条約とか、そういうこととは関係なしの部分があるのも事実だろうというふうに思います。  その意味で、在外公館等の常日ごろの情報交換、相手政府との情報交換も大変重要ですし、経産省管轄のジェトロ等でも様々な情報を収集しながら、経産省も含めて、我が国の進出企業の不利益にならないような交渉をずっと続けていくというのは大変重要なことだろうと思っておりますし、委員の御指摘のとおりだろうというふうに思います。
  38. 小熊慎司

    ○小熊慎司君 是非、見直しも、見直しというか、深化させるという意味での見直しも含めて取り組んでいただきたいというふうに思います。  次に、ヨルダンとの条約についてでありますけれども、先ほど岸委員からもありましたとおり、日本原発事故の背景が、今年に入ってから、ヨルダンにおいてはデモが多発をしているようでもありますし、先週二十五日にも、首都アンマンでもまた警官隊とデモ隊とが衝突をして死傷者も出ているということであります。また、国内においては、これまでも議論してきましたが、原発事故ということも日本においてはありました。  様々な要因、背景が変わっている中で、この条約はしっかりとしていかなければならないところでありますけれども、こうした状況の変化に対しての対応というものがどういうふうにちょっと変化をしているのか、お伺いいたします。
  39. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 先ほど岸委員との御議論で経産省の方からも御回答があったところでありますが、今般の事故は現段階でも深刻な状況であるということは私どももしっかり受け止めなければいかぬ。その上で、政府全体で全力を挙げて事態鎮静化に取り組んでいるという状況であることは先生も御案内のとおりでありますし、当面の課題として、また、国内各地の原子力発電所安全性についての検証も行うようにしたところでありますが、できるだけ早くそういう状況をつくり出して、この事故に対する検証もしっかり行い、そして、我が国原子力安全対策全体の在り方についてしっかりとした検証、検討が行われなければいけないと思っております。  これは、一義的には我が国原子力の安全を確保するためでありますけれども、結果としては、このしっかりとした検証、検討が行われる、そして、その内容をまた広くお伝えをすることが今後の原子力の国際協力の場面にも同様に効果があるというか、必要なことになってくるというふうに考えておりまして、外務省としても、原子力安全面での取組、国際協力を含めて、これから一層強化をしなければいけないと、このように考えているところでございます。  ヨルダン原子力の導入についての状況は、先ほど岸委員との質疑の中で一端をお話をさせていただいたとおりでございますけれども、改めて申し上げれば、この原子力協定そのものは、我が国相手国との間で、原子力関連の資機材の移転を含む幅広い協力、民生用の原子力協力を進めるに当たって原子力平和的利用確保するということが主たる目的であって、その法的な枠組みを定めるものであると、こういうふうに考えているところであります。実際の具体的協力を進めるに当たっては、原子力安全面での取組を一層強化をしていかなければいけないと、このように考えているところでございます。  なお、ヨルダンについては、個別にはいろんな状況があると思います。今おっしゃったように、ヨルダンに昨今の中東情勢というのも、当然政治でありますから様々な影響を与えるだろうと思いますし、また他方で、ヨルダンのエネルギー事情というものも状況によっていろんな形で影響が出てくると思いますので、そういったものも判断をされてヨルダン国政府の方の御判断も進んでいかれるんではないかと、このように思っておりますが、現段階での協定に対する立場というのはヨルダン国政府も変化があるとは承知をしておりませんので、国会においては皆様の御承認をいただけたらということでお諮りをしていると御理解をいただけたら幸いでございます。
  40. 小熊慎司

    ○小熊慎司君 ヨルダンがどうなるのか、実際政変が起きて革命が起きるのかは分かりませんが、注視はしていかなきゃいけないなというふうには思っていますし、今ほど大臣がおっしゃったとおり原子力行政そのものの在り方が、これからまた三月十一日以前のように大手を振って原子力開発競争に日本が邁進するのか、またちょっと違ったスタンスを取るのかということも含めて、今後やっぱり議論をしていかなければならないところでありますので、そうした方向性についてもしっかりととらえて取り組んでいただきたいということを御指摘を申し上げ、質問を終わります。     ─────────────
  41. 佐藤公治

    委員長佐藤公治君) 委員異動について御報告いたします。  本日、石井一君が委員辞任され、その補欠として金子洋一君が選任されました。     ─────────────
  42. 山内徳信

    山内徳信君 私は、四つの協定条約が提案されておりますが、その中の一つヨルダンとの原子力協定に関して質問をしたいと思います。  今回の未曽有の国難を機に、その反省と教訓を生かすべきであると思っております。脱原発、自然エネルギー政策への転換をしていく、そういう政治の方向付けが必要だろうと思っております。昨日、社民党は、党首を先頭にいたしまして、菅総理大臣にそのことを強く申し入れてまいりました。  そこで、脱原発、自然エネルギー政策への転換について外務大臣としてどういう御認識でいらっしゃいますか、お伺いいたします。
  43. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 昨日だったでしょうか、党首から総理あてに、脱原子力と自然エネルギーへの政策転換を求める申入れと、御党の緊急提案ということでちょうだいをいたしまして、内容は私も拝見をさせていただいたところでございます。  現在の原子力発電所に関する状況については、先ほどお話をさせていただいたとおり、まずは現在の状況に対する対応、そして同時に、他の原子力発電所安全性検証ということを今取り組んでいるところでございまして、その後、そのような状況をできるだけ早くつくり出して今般の事故検証をしなければいけない、同時に、原子力安全政策全体の検証と検討ということが必要であるということを申し上げてまいりました。  これを踏まえて、今お話がありましたように、原子力安全の取組というものについては国際協力も含めて強化をしなければいけないということは現在申し上げられると、このように思っておりますが、確定的なことを申し上げられる段階ではないというふうに思っております。  他方、自然エネルギーなど再生可能エネルギー、そして省エネへの取組ということでは、私ども政府としても積極的に取り組んできておると、このように考えております。  米国との間でも日米クリーンエネルギー技術の協力というのを進めておりますし、また、来週であったかと思いますが、アブダビでマルチの国際会議として国際再生可能エネルギー機関第一回の総会ということが予定をされておりますが、我が国はこれに積極的に参加、取り組んできていると、このように自負をしておりまして、お話がありましたような再生可能エネルギー、省エネの取組というのは、これまでも取り組んできたところでありますが、しっかりと進めてまいりたいと、このように考えているところでございます。
  44. 山内徳信

    山内徳信君 今回の福島第一原発事故を受けまして、ヨルダン政府としても日本国会審議には深い関心を持っていらっしゃると思います。したがいまして、当然固唾をのんでヨルダン政府関係者日本のこの原発問題については見ておると思います。  そういうこともありまして、当然、相手国から外務省辺りに、この今回の協定審議とか協定締結について何らかの意向があるべきじゃないのかと、あるだろうと、こういうふうに私は想像するわけでありますが、外務省に何か相手国からメッセージは届いておりませんか。
  45. 高橋千秋

    ○副大臣(高橋千秋君) 御指摘の件に関しましては、事故発生後、アンマンの日本大使館からヨルダン政府に対して、それから外務省からは在京のヨルダン大使館に対して常に情報提供をさせていただいておりまして、向こうからも謝意が示されておりますけれども、発生後、ヨルダン政府から、この協定について引き続き我が国との間で締結をしたいという意向が示されております。  昨日なんですけれども、在アンマンの大使館の方がヨルダン原子力委員会の方に確認をさせていただきました。先方からの回答で、ヨルダンのエネルギー鉱物資源大臣ヨルダン原子力委員長の方から、東北地方太平洋沖地震後もヨルダン原子力発電所建設計画は着実に進められており、同計画推進の方針に揺らぎはないと。それから、国際局長の方からは、ヨルダン日本において日・ヨルダン原子力協力協定発効に向けた国内手続が早期に完了することを望んでいるというのが報告されております。
  46. 山内徳信

    山内徳信君 相手国からのメッセージは今の説明で分かりました。  ところが、この原子力の平和利用についての署名は昨年の九月十日にアンマンで終了したと、こういうふうに報告を受けております。ところが、今回の震災発生に伴いまして福島第一原発事故が発生して、今どうなっていくのかと。関係者が昼夜を問わずその収束のために全力を尽くして頑張っておる状況でございます。したがいまして、昨年の九月十日というあの時点と、現在国会審議が今進んでおるわけですね、この状況というのはもう全然違うわけであります。そういう不安を抱えながら今、国会審議は進められております。  したがいまして、日本政府として、そういう協力をしていく側として、あるいは技術をお互いに提供していく側として、やはり今回のこの原発問題について一定の見通しが立つ、あるいは問題が解決されたという、そういう見通しもないままにこの協定締結をしていくということは、少し慎重さが欠けていないかどうかということを私は考えるわけでございます。  そういうことで、この問題については、やはり提供していく側として、協力していく側としての日本の平和国家としての立場から、やはり今度は向こうの方にメッセージを出していくべきじゃないだろうかと、こういうふうに思うわけでございますが、外務大臣、いかがでございますか。
  47. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 委員がお話をいただきましたように、今般の福島の第一原子力発電所事故につきましては、現状も含めて大変深刻なものというふうに受け止めております。したがいまして、先ほどもお話しさせていただきましたように、現状への対応、そして他の原子力発電所検証は今の課題でありますけれども、その後の検証、そして原子力安全政策全体の検証と検討ということはしっかりと行わなければいけないと、このように思っております。  他方で、この二国間の原子力協定につきましては、先ほどもお話をさせていただきましたけれども、民生用原子力を進めるに当たって原子力平和的利用確保するということが目的の法的な枠組みでありまして、ここに核の防護であるとか安全であるとか、そして核のセキュリティーなどについてもこういった協定趣旨にかかわってくるわけでありますが、その法的枠組みを定めるものとしてあると、このような理解でございます。  そのような意味で、今先生からもヨルダン国政府自身に対する現在の状況はどうなんだということについては、先ほど高橋副大臣から御回答させていただいたとおりでありまして、この協定先方意向も含めてしっかり進めるべきものと考えております。  なお、協定を受けての実際の具体的な協力を進めるに当たっては、原子力安全面での取組を一層強化をするということが必要だという認識をいただいたというふうに今私も理解をいたしているところでございます。
  48. 山内徳信

    山内徳信君 私は、ずっと外務大臣のお話あるいは答弁を聞いておりますと、やはりこれだけの原発問題が起こっておるのに、政治家として、あるいは政府としての認識が全く従来と変わっていないということに気付いておるんです。  どういうことかといいますと、この原発問題については、やはり安全だということが強調されたわけですね、安全神話。そして、夢のエネルギーということが強調されてきたわけです。安全でありますならば、なぜ大量消費をする東京の近くに造らぬで、なぜ福島なんですか。なぜ原発が人口の集中しておるところではなくして地方の方にずっと建設をされてきたんでしょうか。  そういうことで、私がここでどうのこうのということを申し上げたいのではございません、それは過去の政治家やあるいは東電辺りが進めてきたことでございますから。今直面しておる菅総理を始め、外務大臣を始め後ろに控えている役人たちも含めて意識が変わっていかなければ、やはり安全だ安全だといって、私は、二回前でしたか、小熊さんの話を聞いていまして、福島原発の問題については理解を示してきたとかおっしゃっていました。ところが今、十字架を背負わされておる思いでありますと、こういうふうにおっしゃっていたわけです。  ですから、その地に住んでおられた方々はもう意識を変えていらっしゃる。やはり安全だ安全だといってもそうではなかったということがはっきりと提起をされておるわけでございます。  そういう意味で、私は、日本の政治全体、日本の国民全体として、今後再びそういうことが起こらないようにするためには、やはり自然エネルギーへの政策転換をしていくという意識変革なくして日本国民の生命と安全と財産を守ることにはつながらないということを提起をいたしまして、今日の質問終わります。  何かございましたら、おっしゃってください。
  49. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 自然エネルギーを含む再生可能エネルギー、省エネが大切だということは先ほど申し上げたとおりであります。また、今般の事故は、決して忘れることはできませんし、忘れてはいけない深刻な事故だということもおっしゃるとおりであります。  加えて、想定外云々という言葉もこの委員会でも多少議論になったと思いますが、結果として備えを超える事態であったことは今の結果から申し上げざるを得ないことでありまして、まさに山内先生がおっしゃったような安全神話とかいったような言葉がありますけれども、どのように安全を考えるのか。これは、恐らく岸委員が先ほど安全に対する哲学という意味でおっしゃったのもそういう趣旨ではないかと思いますが、そういうことも含めて原子力安全政策検証、検討の対象だというふうに考えているところでございます。
  50. 佐藤公治

    委員長佐藤公治君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  51. 山内徳信

    山内徳信君 私は、今審議されてまいりました四つの件のうち、今質疑を交わしてまいりましたヨルダンとの原子力平和利用についての協定締結については、質問を通して問題点を明らかにしたつもりでございます。したがいまして、この協定には反対を表明をいたします。  それから、四つのうち、討論は全部ここで終わりますか。午後もありますか。
  52. 佐藤公治

    委員長佐藤公治君) はい、ちょっと時間がないですから。
  53. 山内徳信

    山内徳信君 それじゃ、項目の四点目。日本国自衛隊オーストラリア国防軍との物品又は役務相互提供に関するこの協定についても、私は社民党としてもというよりも、私個人は、昨日も若干申し上げましたが、やはり日本自衛隊憲法九条の精神もありますし、前文の精神も私たちは政治の中に生かしていくべきだと、こういうふうに思っております。  北澤防衛大臣は昨日も専守防衛に徹すると、こういうふうにおっしゃっておりました。私は元々自衛隊にも反対でありました。憲法九条をきちっと守っていくべきだという、それが私の信条でございます。そういう立場からいたしまして、今回、日本自衛隊オーストラリアの国防軍と一緒になって物品の供与あるいは演習等々も一緒にやっていく状況が早晩具体化してくるだろうと思います。自衛隊憲法の枠を超えて今日までどんどんどんどん外に出ていくようになってきましたが、やはりいつの日か戦争の中に巻き込まれていく、そういう不安があるわけでございます。  そういう意味で、今回のオーストラリアとの協定についても反対の意思表示をしておきたいと思っております。  以上です。
  54. 佐藤公治

    委員長佐藤公治君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  まず、原子力平和的利用における協力のための日本国政府ヨルダンハシェミット王国政府との間の協定締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  55. 佐藤公治

    委員長佐藤公治君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、所得に対する租税に関する二重課税回避のための日本国スイスとの間の条約を改正する議定書締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  56. 佐藤公治

    委員長佐藤公治君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、所得に対する租税に関する二重課税回避及び脱税防止のための日本国オランダ王国との間の条約締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  57. 佐藤公治

    委員長佐藤公治君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、日本国自衛隊オーストラリア国防軍との間における物品又は役務相互提供に関する日本国政府オーストラリア政府との間の協定締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  58. 佐藤公治

    委員長佐藤公治君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。  なお、四件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  59. 佐藤公治

    委員長佐藤公治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  60. 佐藤公治

    委員長佐藤公治君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  日本国アメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並び日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国アメリカ合衆国との間の協定締結について承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官山内正和君外四名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  61. 佐藤公治

    委員長佐藤公治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  62. 佐藤公治

    委員長佐藤公治君) 日本国アメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並び日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国アメリカ合衆国との間の協定締結について承認を求めるの件を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。松本外務大臣
  63. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) ただいま議題となりました日本国アメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並び日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別な措置に関する日本国アメリカ合衆国との間の協定締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明申し上げます。  政府は、日本国合衆国軍隊を維持することに伴う経費の日本側による負担を図り、日本国にある合衆国軍隊の効果的な活動を確保するためこの協定締結することにつき、アメリカ合衆国政府協議しつつ、検討を行ってきました。  その結果、最終的合意に達しましたので、平成二十三年一月二十一日に東京で、前原前外務大臣と駐日米国大使との間でこの協定に署名を行うに至った次第であります。  この協定は、日本国が、日本国に雇用されて合衆国軍隊等のために労務に服する労働者に対する一定の給与の支払及び合衆国軍隊が公用のため調達する電気等の支払に要する経費を負担することを規定しています。また、日本国政府の要請に基づき、アメリカ合衆国合衆国軍隊の行う訓練を他の施設及び区域又はアメリカ合衆国の施政の下にある訓練の場所を使用するよう変更する場合には、その変更に伴って追加的に必要となる経費を負担することを規定しています。さらに、アメリカ合衆国がこれらの経費の節約に一層努めること等を規定しております。  この協定は、二〇一六年三月三十一日まで効力を有するものとされております。  また、この協定は、現行協定が本年三月三十一日まで効力を有することとなっておりますので、四月一日に発効させる必要があります。  この協定締結は、日米安保条約の目的達成のため日本国に維持されている合衆国軍隊の効果的な活動に資するものであり、ひいては日米関係全般並びに我が国を含むアジア太平洋地域の平和及び安定に重要な意義を有するものと考えられます。  よって、ここに、この協定締結につき御承認を求める次第であります。何とぞ、御審議の上、本件速やかに御承認いただきますようお願いいたします。
  64. 佐藤公治

    委員長佐藤公治君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  65. 山本香苗

    山本香苗君 公明党の山本香苗です。  松本大臣、昨日は、委員会の中で申し上げましたハーグの件、すぐ手を打っていただきまして、ありがとうございます。  ただいま議題となりました在日米軍駐留経費負担特別協定について質問させていただきますが、まず具体的な質問に入る前に、三年前の総括をきちっとさせていただきたいと思います。是非、誠実な御答弁をお願いいたします。  二〇〇八年、当時野党だった民主党が反対されたので、一九七八年以来、初めて特別協定が三月末で期限切れの事態に陥りました。当時反対した理由につきまして、二〇〇八年七月版の民主党・沖縄ビジョンでは次のように書いてありました。読み上げます。  思いやり予算については、民主党は、二〇〇六年改定時には、米軍再編協議の動向や基地移転経費等の在り方、米軍の更なる節減努力等を厳しく検証していくことを条件に賛成した。しかし二〇〇八年改定においても、負担の在り方に関する十分な検証がないまま、形ばかりの経費節減を盛り込んで妥結を急ぎ、納税者が納得できる説明がなかったため反対した。  要するに、二〇〇六年は検証をしていくことを条件に賛成したけれども、二〇〇八年の協定改定においては十分な検証がなされなかった、だから反対した、そういうことですか。
  66. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 少しお時間をいただいてもよろしいでしょうか。  二〇〇六年時点は、私自身が民主党の政調会長をしておりまして、政策のある意味では最終的な責任者でございました。二〇〇七年の九月に交代をいたしましたが、引き続き私も民主党の議員として、当然その後の行動についても責任があるという御指摘はそのとおりだろうというふうに思っております。  その上で、今御指摘がありましたように、二〇〇六年には、まさに申し上げたようなことを申し上げつつ賛成をいたしました。そして二〇〇八年は反対という態度を取らせていただいたのは御指摘のとおりでございます。  私ども野党の場合にも、政調会長をさせていただいたときの経験からも申し上げると、最終的に反対をするか賛成をするかといった場合に、全く方向性が違う内容であれば簡単に反対ということで話がまとまるわけでありますけれども、一定の内容としては認められるけれども、まさに先ほど御指摘があったように、例えば、それに伴う税金の使い方などについて申し上げなければいけないことがあるというふうに野党として判断をした場合に、これを申し上げて賛成をするという形を取るか、申し上げて、そういった理由によって反対をするという形の態度を取るかということは、最終的には様々な判断が率直に申し上げてこの間野党の間にもあったというふうに思っております。  そして、結果として、今お話がありましたように、二〇〇六年は賛成、二〇〇八年は反対という形を取らせていただきました。今回も、二〇〇六年、二〇〇八年に申し上げてきたことにこたえられるようにということで、交渉で努力をし、その内容についてはもう一々お話をさせていただきませんけれども、交渉の結果として、今私どもとして国会にお諮りをすることができる、ベストを尽くしたものとして今お諮りをさせていただいているわけであります。  私どもも、その際にも、二〇〇六年、私が政策責任者であったときも含めて、民主党として日米同盟日本外交及び日本安全保障にとっての基軸であるということは申し上げ続けてきたと。少なくとも、党として申し上げる文章にはきちっとそのことは書かせていただいてきたというふうに認識をしております。その上で、政権を担って、一層厳しくなっている我が国の取り巻く安全保障環境を直視をした結果、改めて日米同盟重要性について思いを深めるに至ったところであります。  三年前、反対をするという対応の結果として、民主党の日米同盟そしてHNSに対する姿勢について疑義が呈されることになったということは遺憾に感じており、重く受け止めなければいけないことと、このように考えておるところでございます。
  67. 山本香苗

    山本香苗君 大臣、大変長い御答弁をいただいて、一生懸命お答えされているような姿勢は評価いたしますけれども、答えていらっしゃらないんですね。検証がなされたかなされていないかということを一つの基準として、二〇〇八年のときに反対されていらっしゃるわけです。じゃ、新協定締結に当たって、党内で十分な検証というのはなされたんでしょうか。
  68. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) やはり、HNSの協定を結ぶことによって国民の税金が使われることになる、これが納得のいく形で、また御理解をいただけるようにしなければいけない、そういう思いで三年前、五年前も議論をして、賛否の態度は違う態度になったわけでありますけど、そのことを議論をしてきたということについては、私自身もかかわってきた者としては変わりがないと思っております。  今回、その意味で、労務費、光熱費などについて米国側と交渉をした結果として、一定の内容の新たな内容にさせていただくことによって、今、国会にお諮りができるベストのものをお願いをさせていただいているというふうに私自身は理解をしているところでございます。
  69. 山本香苗

    山本香苗君 ちょっとお話を伺っている限り、何かこう、二〇〇八年の話をしているわけで、今回の話をしているわけじゃありませんので、ちょっと話がずれてきているかなと思うんですが。  二〇〇八年に特別協定に反対したことにつきまして、伴野副大臣が、報道されているように、当時の判断にじくじたる思いを持っているということを語ったと言われておりますが、じくじたる思いということは、要するに、当時の判断、つまり反対したということは間違いだったと率直にお認めになられた発言だと思うんですが、松本外務大臣も伴野副大臣と同じ見解をお持ちだということでよろしいですね。
  70. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 日本人はお互いに黙っていても思いを察していただける国民性だというふうに理解をしております。  その上で、その上であえて申し上げれば、先ほども申し上げたように、前回も二〇〇六年も、(発言する者あり)よろしいでしょうか、二〇〇六年も八年も党内では大きく賛否は議論がありました。ありましたが、結果として、先ほど申し上げたように八年は反対をいたしました。私どもも、党内の議論として結論が出た議論には従ってまいりました。しかし、その上で、国会ではもちろんHNS協定は御指摘のように時間が掛かりましたが成立をいたしました。私自身としても、手続をしっかり経て、議論を経て成立をしたものは受け入れたいと、このように思っているところでございます。
  71. 山本香苗

    山本香苗君 まだ私は松本大臣とそこまで、言葉を交わさなくても意思の疎通ができるような関係があるとは思っていないんですが、国会の場でしっかりと大臣としての発言としてお述べいただきたいと思うんです。  私、別にこのことについて批判するために、その批判をすることを目的として質問しているわけではないんです。率直にお認めになる、そのことによって初めて、今まさにこの厳しい現下の安全保障情勢の中で、我が国の国益は何なんだと、それに基づいて安全保障論議はどういうことをしなきゃいけないのか、こういうことを胸襟開いて議論する環境が整うわけですよ。だから、松本大臣に率直にお認めいただいて、そこからやりましょうという形を取りたいと思って質問しているわけであって、決してためにする質問しているわけじゃないんです。そのことはきちっと御認識をいただきたいと思うんです。  その上で、我が党は野党でありますけれども、もうとにかくこの新協定が期限切れにならないように、年度内に成立できるようにと、極めて異例な形で今日この審議に臨んでいるわけなんです。これは決して政権に協力しようということではなくて、この経費負担がアメリカに対する思いやりではなくて我が国安全保障に必要な経費なんだと。現下の安全保障の下で日米同盟重要性というものが一段と増していて、そうした中で在日米軍をサポートし続けるというところに重要性を痛感しているからこそ、このように協力をしているわけであります。  三年前のことは本当に思い出すともういろいろ言いたくなるわけですが、約一か月間の空白が生じました。これは先ほど申し上げたとおり、一九七八年以来初めてのことでありました。このことをしっかりと総括をしていただきたいと。そして、後々になって、あのときは与党になっていたから賛成せざるを得なかっただけなんということを後から言うようなことが絶対ないようにしていただきたいと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
  72. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 誤解を招いたとしたら申し訳ありません。山本理事とそういう関係だという意味で申し上げたわけではなくて、日本人としてということで、まあ何というんでしょうか、これ以上言うとまた話がややこしくなるのでこれ以上は申し上げませんけれども。  その上で、今、山本先生がおっしゃったことはしっかり受け止めたいというふうに思っております。すなわち、三年前、先ほど私は、野党としてチェック機能を果たすべきだという議論の中で、結果としてそういう結論になった、しかし、それが現在、政権をお預かりする立場で今お諮りをさせていただいて、HNS、日米同盟ということについてどのように受け止められるかということは、考えれば遺憾に思うし、重く受け止めなければいけないということを申し上げさせていただいたわけであります。  当時は、野党のチェック機能ということでけんけんがくがくな議論をし、そしてまた、それでも賛成をすべきだという声もありました。結果が出た話ですので、そのときの私自身の立場について今から申し上げるつもりはありませんけれども、今回、その上で、政権をお預かりをする立場になって、このことを提出をさせていただいて御承認をいただく必要があるという認識に民主党としては一度立ちました。  私どもとしては、今後も、国民の御理解をいただいて政権をお預かりをする立場を目指し続けるわけでありますけれども、どのような立場になっていこうと、民主党として一度このような立場を経験をさせていただいたことはきちっと残るものだというふうに考えております。
  73. 山本香苗

    山本香苗君 じゃ、具体的な内容について伺ってまいりたいと思いますが、新協定の有効期間が二〇一一年四月一日から二〇一六年三月三十一日まで五年間。他方、二〇一四年までに普天間基地移設を含めて基地負担の軽減が日米間で約束されていると。このとおり二〇一四年までに普天間移設を含め基地負担の軽減が図られるというのであれば、当然のことながら在日米軍駐留に係る経費全体が減る、よって日本側の負担も減ると。二〇一四年まであと三年、にもかかわらず、何で新協定の有効期間が五年となっているのかと。ここがどうしても腑に落ちないわけなんですが、大臣、納得できる御説明をお願いします。    〔委員長退席、理事榛葉賀津也君着席〕
  74. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 五年間という期間を取りましたのは、これまでもHNS協定は、前回、前々回を除くと五年を区切りに推移をしてきたわけでありますけれども、今お話がありましたように、我が国を取り巻く安全保障環境などを考えますと、やはり五年という期間を、安定的な在日米軍のプレゼンスという意味でも適当であると判断をして五年という協定を結ばさせていただいたところでございます。  その上で、今、在日米軍の再編の関連との御指摘がございました。率直に申し上げて、在日米軍再編というのはかなり大きな事業ということになっておりまして、様々な調整を行った上でこの再編の最終的な結果が出てくるものと、こう考えておりまして、これがどのぐらい、どのような形でこの経費負担に影響を与えるかというのは、具体的に今の段階見通しを立てるということは大変難しいところがございます。  その上で、現段階では、申し訳ありません、一般論という答え方になってしまいますけれども、将来的に大規模な提供施設・区域の返還が実現をした場合には、在日米軍に関連をする経費全体が削減、実現をして削減が見込まれるということになりましたら、当然、駐留経費負担について調整を行う可能性というのはあるというふうに承知をしております。
  75. 山本香苗

    山本香苗君 いや、ですから、五年単位でやってきたと。その後、前回、前々回、二年、三年としたのは、その影響がどこまでどうなるかということが分からないからこそ五年を区切ってきたわけなんですね。  先ほど大臣がおっしゃったように、我が国をめぐるこの厳しい国際情勢の中で、安定的に在日米軍駐留経費を確保していくというのが重要なのはよく分かっていますが、片方で二〇一四年の完成目標というのは堅持しますと言っていて、片方で五年間縛りますというのがあって、この整合性をどう取るのかということを伺いたいんです。
  76. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 今回も、今、山本先生がおっしゃったように、与野党、各先生方の御理解で今日このような御審議の機会をいただいているというふうに理解をしております。それは、やはりこのHNS協定締結ということそのものの持つメッセージ、日米同盟に対するメッセージというものをお諮りをいただいたところもあるのではないかと、このように考えております。  私どもが五年とさせていただきましたのも、そういった趣旨も含めてというふうに御理解をいただけたらと。それが先ほど申し上げた安定的な在日米軍のプレゼンスというものを表すということでお話をさせていただきました。  他方で、在日米軍再編との関係については、もう同じことは御答弁繰り返し申し上げませんが、削減が見込まれる場合には調整を行う可能性はあるというふうに御理解をいただいたらと、このように思っております。
  77. 山本香苗

    山本香苗君 ちょっとよく分からない答弁なんですけど、時間刻々と過ぎていきますので。  要するに、新協定の期間五年というふうに縛ってしまうと、衆議院でも議論になっていましたけど、沖縄の負担、基地の軽減、この間なされないんじゃないかというような見方もなされてしまうわけですね。  この点について懸念は払拭できるとお考えなんですか。
  78. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) これについては、先ほど申し上げたように、こちらで決めたのでそちらの方が動かないというようなことをするつもりは全くありません。引き続き基地負担の軽減についても努力をしてまいりたいと、このように思っておりますし、繰り返しになりますけど、その結果として経費全体の削減が見込まれる場合には調整の可能性があるという趣旨だというふうに私ども理解しております。    〔理事榛葉賀津也君退席、委員長着席〕
  79. 山本香苗

    山本香苗君 新協定とともに外務大臣とルース大使との間で交わされた往復書簡におきまして、日本側の上限労働者数、二万三千五十五人から二万二千六百二十五人に段階的に削減することとなっておりますけど、これつまり四百三十人段階的に減らすということでございますが、この四百三十人の積算根拠というのは一体何なのでしょうか。
  80. 小川勝也

    ○副大臣小川勝也君) お尋ねにお答えをさせていただきたいというふうに思います。  この四百三十人の削減というのは、先ほど外務大臣から御答弁のございました、娯楽性の高い施設に勤務する駐留軍等の労働者の労務費について日本側が負担を行う必要があるのかという指摘議論に基づいて算出をした結果でございます。  具体的に申し上げますと、駐留軍労働者の雇用の安定というのが大事なわけでありますけれども、このことに十分に配慮をしながら米側と協議をさせていただきまして、最終的に先ほど申し上げました関係の労務費について、現行上限労働者数から四百三十人削減した二万二千六百二十五人を新たな上限労働者数としたものでございます。  また、削減の額につきましては、現時点で最終確定した数字を申し上げることはできませんけれども、平成二十二年度をベースに算出をいたしますと五年間で約二十五億円ぐらいが見込めるというのが今の推計でございます。
  81. 山本香苗

    山本香苗君 まだ削減額質問していなかったんですが、先にお答えいただいたのでなんですけど、今の御答弁聞いていますと、四百三十人というのは、いわゆる国民になかなか理解が得られないような職種の方々の分をという話でありましたけど、たしか民主党の皆さん方は六千人とかそれぐらいの削減というようなことを言われていたことを記憶しているんですが、それとの大きな乖離を感じるんですけれども、四百三十で収まったというのはどういうことなんでしょうか。
  82. 小川勝也

    ○副大臣小川勝也君) その数字は多分政権を担当する前の数字だったろうというふうに思いますけれども、民主党内の議論も踏まえまして、相手のあることでございますので、米軍側ときっちり協議をさせていただいて今回はこの数字に交渉が落ち着いたというふうに御理解をいただければと思います。
  83. 山本香苗

    山本香苗君 理解できませんが、同様の往復書簡におきまして、光熱水料等について二百四十九億百九十万八千円と、各年度の日本側負担の上限として、現在の七六%から七二%へと段階的に削減するとのことですが、この上限額の根拠及び削減額も一緒にお答えください。
  84. 小川勝也

    ○副大臣小川勝也君) この二百四十九億円を上限としたということは、平成二十二年度の負担額を基準にさせていただきました。そして、段階的に七六%から七二%に削減をしていくことにしておりますけれども、これは毎年一%ずつ下げていくということで協議を調えたということでございます。  協議の詳細をここで申し上げるつもりもございませんし、私が詳細を把握しているわけではありませんけれども、我々も一定程度の考え方に基づいて米側と交渉をしてこの数字になったというふうに理解をさせていただいておるところでございます。
  85. 山本香苗

    山本香苗君 削減額は。
  86. 小川勝也

    ○副大臣小川勝也君) これも先ほどと同じようにフィックスした金額を申し上げるわけにはまいりませんけれども、同じ平成二十二年度をベースとして考えまして、この削減率に掛け合わせますと五年間で二十七億円という推計が出ているところであります。
  87. 山本香苗

    山本香苗君 労務費並びに光熱水料等で削減したものについてはいわゆる二十五億円、二十七億円、足して五十二億円ぐらいですか、これが提供施設整備費への増額分に充当し、環境に配慮した施設整備に努めるということになっておりますけれども、何でこの点を特別協定の枠外としたんでしょうか。
  88. 井上源三

    政府参考人(井上源三君) 施設整備費でございますけれども、これは従前から現在の地位協定に基づいて日本側が負担しているものでございまして、特別協定の枠外としてこれまでも取り扱ってきているわけでございます。  今回、労務費そして光熱水費につきまして削減をし、それを、いわゆるFIPと呼んでおりますけれども提供施設費に充てていくということでございますけれども、これまでも提供施設費は地位協定範囲の中で対応でございますので、同様の考え方に立って対応したものでございます。
  89. 山本香苗

    山本香苗君 局長、それ分かっているんですよ。分かった上で聞いているのはなぜかといいますと、民主党は以前、こうした別枠化することに反対していたはずなんですよ。何でお認めになったのかということを私はお伺いしたいんです。いや、それは、局長が答弁するお話じゃないです。
  90. 小川勝也

    ○副大臣小川勝也君) 私ども、いわゆる日本側の考え方は、いろいろな考え方がありましたし、主張もさせていただきました。そして、その交渉の中身全てをここでお示しするわけにはまいりませんけれども相手のある話であるということも御承知おき願いたいというふうに思います。  いろいろな経費の負担の考え方枠組みがあるわけでありますけれども、絶えず私どもが考える枠組みや結果になるよう、アメリカ側にも外務省とともに交渉をさせていただきたいというふうにも思っておるところであります。
  91. 山本香苗

    山本香苗君 いや、そういうことを聞いているわけじゃなくて、何で変わったかということを聞いているんですけれども、まあちょっと時間がなくなってきますのでまたにしたいと思いますが。  訓練移転費について、今回、国内移転に加えて、米国内への移転に伴う追加的に必要となる経費も負担対象になることになったわけですね。何で今回これ新たに加えたんですか。
  92. 井上源三

    政府参考人(井上源三君) 今回、グアム等への訓練移転につきましても今回の特別協定の対象とさせていただいたとおりでございます。  それはなぜかということでございますけれども、昨年の五月二十八日の2プラス2におきまして、沖縄の負担軽減を図る観点から訓練移転の拡充を行うという方針が定められたところでございまして、その上で、グアム等日本国外への訓練の移転を検討することを決意したというふうになっていたわけでございます。これを受けまして日米両政府で検討いたしました結果、グアム等への訓練移転を今回、日米間で行う、そしてそれを特別協定の対象にするということといたしたところでございますので、その旨、特別協定に書かさせていただいたというものでございます。
  93. 山本香苗

    山本香苗君 理由を聞いているのであって、事実を聞いているわけではありません。  具体的に想定する米国内の訓練移転として、グアムへの訓練移転のほか何があるんですか。
  94. 小川勝也

    ○副大臣小川勝也君) 本年一月に、今局長から答弁をさせていただきましたように、基本的な内容について日米間で合意をさせていただいておりますけれども、訓練計画などの詳細については日米間で調整中でございまして、現時点でまだその中身を詳細にここで答弁することはできない状態でございます。
  95. 山本香苗

    山本香苗君 詳細何にも話せないということは、掛かる経費も幾らか、我が国の負担分がどれぐらいになるか、そういうことも全く話せないということですか。
  96. 井上源三

    政府参考人(井上源三君) 日米合同委員会の合意をもちまして、グアムへの訓練移転につきましては行うこととしたところでございます。  この具体的な実施内容につきましては、戦闘機以外につきましても、輸送機等も含める、そして機種、機数、日数につきましても、現在国内で訓練移転を行っておりますけれども、それよりも拡充するという基本的な方針は日米間で決めさせていただいたところでございます。  ただ、具体的に回数等をどのように行っていくかというのは、これはアメリカのオペレーションとの関係もございますので、更に日米間で詰めていくという形にさせていただいているところでございまして、それを受けて今後具体化をさせていきたいというふうに考えているものでございます。
  97. 山本香苗

    山本香苗君 今後っていつですか。
  98. 井上源三

    政府参考人(井上源三君) でき得るならば二十三年度中にも実施をしたいというふうに考えておるところでございます。
  99. 山本香苗

    山本香苗君 二十三年度予算では一切それ計上していませんか。
  100. 井上源三

    政府参考人(井上源三君) 今回の方針につきましては、一月に決定をいたしました。それで、予算につきましては、昨年の十二月に政府原案を取りまとめているわけでございます。  今後、仮に二十三年度に行うとした場合には、現在、訓練移転費、国内の訓練移転費ございますけれども、その中で対応させていただければというふうに考えているところでございます。
  101. 山本香苗

    山本香苗君 二十三年度予算において、訓練の移転に伴い追加的に必要となる経費として三億八千万円計上しているというような資料があるんですが、それは間違いですか。
  102. 井上源三

    政府参考人(井上源三君) 実は、訓練移転の中にもいろいろ種類がございます。今御指摘の三億八千万は、これは、NLPと呼んでおりますけれども、厚木にある空母艦載機の硫黄島への移転の経費でございます。  先ほど私が申し上げました戦闘機等の訓練移転でございますけれども、これは八億七千万、予算を計上させていただいているものでございます。
  103. 山本香苗

    山本香苗君 あともう少ししかございませんので。今回、とにかくそういったところが詳細になっていないということ自体ゆゆしきことだと思うんですね。早くきちっとまとめるならまとめて国会にもしっかり報告をしていただきたいと思うわけですが。  前任の前原外務大臣が一月二十一日の記者会見で、日米同盟は、日本安全保障のみならず、この地域の安定のための公共財として極めて重要であるという観点から、厳しい財政状況ではありますが、総額を五年間維持するとの決定をいたしましたと発言しておられます。しかし、新協定のどこにも総額維持ということは明記されていないんです。そもそも、総額を縛る合意というのは過去なされて、書かれているわけではないわけです。どう総額維持を担保されるんですか。
  104. 高橋千秋

    ○副大臣(高橋千秋君) 御指摘の件につきましては、新たな特別協定を冠する日米協議において、HNSの在り方を効率的、効果的なものにするということで、我が国を取り巻く現下の安全保障環境も踏まえて五年間にわたりHNS全体の水準を維持するということで米側と一致をしております。  これは昨年十二月十四日にその結果として報告がされておりますけれども、ここで、本協定においては、労務費、光熱水料、訓練移転費を我が国が負担することを規定している一方で、提供施設整備費については本協定の枠外の予算で、この意味でHNS全体の総額の維持をこの協定で担保しているわけではございません。  ただ、HNS全体の水準、すなわち本協定に基づく負担項目と提供施設整備を合わせた総額維持については、この協定の内容を含めてHNSの在り方の包括的見直しを行った結果として昨年十二月十四日に日米両政府の間で一致を見たもので、同日、その旨を発表したものでございます。
  105. 山本香苗

    山本香苗君 いや、ですから、もう時間が参りましたので。  今回の震災において本当に在日米軍が強力な支援を行ってくれております。昨日、石巻の県立高校で米軍と一緒に生徒たちが瓦れきの撤去をしたというようなことが報じられておりましたけれども、この国家的危機を乗り越えていくに当たって、アメリカは本当にかけがえのない、また頼りがいのあるパートナーだということは国民の間でも深く認識をされているんだと思います。  これと経費の話をごっちゃにするつもりはございませんが、もちろんその内容について国民にきちっと納得できるような内容にしていく努力というのは必要で、しっかりとその点についてやっていただきたいと申し上げまして、質問を終わります。
  106. 佐藤公治

    委員長佐藤公治君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩といたします。    午前十一時四十五分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  107. 佐藤公治

    委員長佐藤公治君) ただいまから外交防衛委員会を再開いたします。  委員異動について御報告いたします。  本日、北澤俊美君が委員辞任され、その補欠として平山幸司君が選任されました。     ─────────────
  108. 佐藤公治

    委員長佐藤公治君) 休憩前に引き続き、日本国アメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並び日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国アメリカ合衆国との間の協定締結について承認を求めるの件を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  109. 佐藤正久

    佐藤正久君 自民党の佐藤正久です。  今回の震災に際しまして、防衛大臣外務大臣自衛隊、警察、消防、海上保安庁を始め、対応に当たっていただいている政府関係の方々に心より御礼申し上げます。特に、防衛大臣におかれましては、部隊を指揮していただき、本当に今一生懸命対応に当たっていただいていると、本当に御礼申し上げます。  今日、ホスト・ネーション・サポートの審議ですけれども、その前に何点か確認をさせていただきたいと思います。  まず一点目は、民間人言論封殺とも取れる事務次官通達について防衛省確認いたします。今回新たな通達を出すということですけれども、この新たな通達現行通達、その関係についてお伺いします。
  110. 小川勝也

    ○副大臣小川勝也君) お答えをいたします。  今回の発出することを決めました新しい通達は、現行通達撤回するのではなく、新しく発出する通達でございます。
  111. 佐藤正久

    佐藤正久君 ということは、今後はこの通達によって部隊等は対応するということでよろしいですか。
  112. 小川勝也

    ○副大臣小川勝也君) 委員のおっしゃるとおりでございます。
  113. 佐藤正久

    佐藤正久君 もう現通達は、部隊長だけではなく、防衛省の命令で部隊長や協力諸団体の長の方にもいろいろ説明しております。今回の新しい通達についても、各部隊長そして関係諸団体の長の方にも説明するという必要があると思いますけれども防衛省の見解をお願いします。
  114. 小川勝也

    ○副大臣小川勝也君) 防衛省の見解は、前回、十一月十日に発出された通達も、これから発出予定の通達も、まさに国家公務員、そして自衛隊員に発出されるものと考えてございますが、委員の御懸念に沿いまして全力で対処をしてまいりたいと存じます。このことで何とぞ御理解をいただきたいと思います。
  115. 佐藤正久

    佐藤正久君 是非とも現場の、私も部隊長をやりましたので、現場の方が混乱が起きないよう周知徹底をお願いしたいと思います。  次に、竹島問題について説明いたします。  昨日、文科省は中学校の教科書検定結果を報告し、多くの中学校の学習指導要領の解説書におきまして竹島は日本固有の領土と記述し、中には韓国が不法に占拠しているというふうに書いた教科書もあるようです。外務省のホームページにも国際法上何ら根拠がないまま行われている不法占拠と書いております。  外務大臣、竹島は不法に占拠されているという認識でよろしいですか。
  116. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 竹島は法的根拠のない形で支配をされていると認識をしております。
  117. 佐藤正久

    佐藤正久君 大臣、せっかく文部科学省の方が、教科書に竹島は日本の固有の領土でありという部分を今までよりも踏み込んでくださった。中には不法占拠ということまで言っている。にもかかわらず、外務大臣外務省のホームページと違う答弁をされると。  それでは伺います。法的根拠のない形で支配というものと不法占拠、この違いは何でしょうか。
  118. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 竹島が置かれた状況についての我が国政府の法的評価について変更はないというふうに考えております。
  119. 佐藤正久

    佐藤正久君 答えになってないんですよ。どうしても分かりにくいですよ、国民にとって。片や不法占拠という言葉を使いながら、肝心要の大臣はそれとは違う表現を使う。なぜ不法占拠と言えないんでしょうか。
  120. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 竹島が我が国固有の領土であるという我が国政府の立場は一貫をしたものというふうに理解をしておりますし、私自身もそのことを申し上げておりますし、これからもしっかり申し上げてまいりたいというふうに思っております。  今、竹島は法的根拠のない形で支配されていると認識をしていると、このように申し上げさせていただきました。また、竹島が置かれた状況についての日本政府の法的評価に変わりはないということも申し上げさせていただいたところでございます。
  121. 佐藤正久

    佐藤正久君 質問に真っすぐ答えてください。不法占拠と法的根拠のない形での支配、これは一緒なんですか、違うんですか。
  122. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 竹島が置かれた状況についての法的評価には変わりがないと、このように申し上げさせていただいたところでございます。
  123. 佐藤正久

    佐藤正久君 ということは、大臣はホームページで使っているような不法占拠という言葉を使わないということでいいですか。
  124. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) どのようなときにどのような場でどのような表現を使うかということは、その時々の政権の判断であるというふうに考えておりますが、私が承知をしている限り、一貫して法的根拠のない形で支配をされていると認識をしているという表現を現在私どもは取らせていただいていると理解をしております。
  125. 佐藤正久

    佐藤正久君 大臣、それではホームページの方を大臣が今言われた外務省の立場というものに変えるべきじゃないですか、そうしたら。
  126. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 政府の法的評価については変わりがないということで、その点についてお話を申し上げたというつもりでございます。
  127. 佐藤正久

    佐藤正久君 それでは、政府の法的評価と外務大臣の法的評価が違うということですか。
  128. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 法的評価には変わりがないというふうに申し上げたと御理解をいただけたらと思います。
  129. 佐藤正久

    佐藤正久君 極めて分かりにくい。もう今日は時間がないのでまたやりますけれども、この点については政府は統一した方がいいですよ。政府の立場と外務省の立場、使い分けているようにしかどうしても聞こえないんですよ。ホームページでは今までの前政権から同じ立場の不法占拠と。ただ、政権が替わったら、今の現政権としては不法占拠を使わずに法的根拠のない形の支配と。なかなか分からないですよ。  では、それでは聞きます。外務大臣、竹島に某国から意図を持ってミサイル攻撃がなされた、これは日本領土に攻撃がなされたという認識でいいですか。
  130. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 竹島が我が国の固有の領土であるということはただいま申し上げたとおりでありますが、同時に、現在は法的根拠なく支配をされており、我が国が事実上管轄権を行使をすることができない状況にあるというふうにも残念ながら認識をしております。
  131. 佐藤正久

    佐藤正久君 認識を聞いているんですよ。  竹島にミサイル攻撃がなされた場合、日本領土に攻撃がなされたという認識でいいですかと言っているんですよ。
  132. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 竹島は我が国固有の領土でありますから、我が国の領土というふうにして扱われるべきだというふうに考えております。
  133. 佐藤正久

    佐藤正久君 明確な答弁ありがとうございました。ということは、日本の領土にミサイル攻撃がなされたと、これは今まで政府が言う武力攻撃事態あるいは緊急対処事態というふうに認識してよろしいでしょうか。
  134. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 一般的に、我が国の領土に対して今委員が御指摘のような武力攻撃事態対処に該当する場合に当たればそのように考えられるということ、それから竹島は我が国固有の領土であるということを申し上げてまいったと理解をしております。
  135. 佐藤正久

    佐藤正久君 大臣から、攻撃があった場合はこれは我が国領土に対する攻撃であり、武力攻撃対処事態と、あるいは緊急対処事態に認定される可能性があるという答弁をいただきました。  それでは、外務大臣、その場合、これは日米安保の五条事態でしょうか。
  136. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 日米安全保障条約の第五条は、我が国の施政権下にあるものに対するものと理解をいたしております。
  137. 佐藤正久

    佐藤正久君 それでは外務大臣は、日米安保の五条事態には当たらないというふうな答弁だと思います。  では、これは六条事態に当たる事態でしょうか。
  138. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 六条は極東の平和と安定という状況でありますから、判断をすべきというふうに考えます。
  139. 佐藤正久

    佐藤正久君 判断をすべきってどういうことですか。五条事態ではないと言われましたよね。じゃ六条事態ですかという質問に対して、判断しないといけないってどういうことでしょうか。
  140. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 五条は、今御指摘がありましたように施政権下にある場合ということであります。極東条項に、極東の平和と安定という状況に、六条に当てはまるかどうかを個別具体的な事案に即して判断をされるべきだというふうに申し上げたという意味で、判断というふうに申し上げました。
  141. 佐藤正久

    佐藤正久君 ある某国から意図を持ってミサイル攻撃が竹島になされたという個別な事態ですよ。これについては、じゃ六条事態ですかと聞いているんです。
  142. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 六条に、これはこのようなお答えで申し訳ありませんけれども、六条に該当すると判断をされるべきであればそのようになるということであります。
  143. 佐藤正久

    佐藤正久君 なぜこういう質問をするかというと、午前中の委員会でも質疑があったように、想定外という言葉はもう聞きたくないんですよ、国民は。今回の震災対処がある。岸委員からも北方領土の話があったように、いろんなことを考えておかないと危機管理に対応する役所としてやっぱり不十分だと思うんです。今、非常に、答弁を聞いても十分そこが詰まっていないというふうにしか取れません。この辺り、もっと詰めていただきたいと思います。でも、かなり今の大臣の答弁で今までよりは少しはクリアになったという感じがいたします。  次に、原発事故対処、これについて防衛大臣にお伺いします。  東電の会長は、冷却には、今後数週間で終わるというものではないというふうに会見で述べられ、原子力安全委員会委員も年単位というふうな発言もされています。ポンプも故障し、発注だけで数か月掛かるんだということも言われています。とすると、自衛隊原子力災害派遣、これも短期ではなかなか終わらない、終わりにくいと思いますけれども大臣認識をお伺いします。
  144. 小川勝也

    ○副大臣小川勝也君) 御指摘のとおり、東電の会長の会見のみならず、様々な状態を想定をし、様々計画を立てているところでございます。  今、委員から御指摘がございましたように大変緊張状態が続いておりますし、一刻も早く安定状態になってほしいという思いのほかに、もっと長い期間が掛かるのではないかという予測もあります。冷静に状況を分析をして、原子力災害派遣のニーズに応じてもしっかり対処できるように様々な観点から計画を立てているところでございます。
  145. 佐藤正久

    佐藤正久君 枝野官房長官も会見の方でそんな簡単には終わらないという趣旨のことも述べられております。となると、やはり自衛隊災害派遣、自衛隊が頼りだと多くの国民は思っております。  私も元化学科隊員で、防衛省にいたときに放射線の取扱主任者一種も取らせていただきました。ただ、化学科隊員は非常に数が少なくて、とりわけ放射線関係をやっている人間はまた少ない。特にこれから、場合によっては地上モニタリング、今も一部支援していますけれども、地上モニタリングというのはやっぱり経験が物を言うところもあります。  今回、国家的な危機ということで、場合によっては長期戦にもなるということを考えた場合、資格と経験のある化学科隊員のOB、こういう者を国として採用する、あるいはその希望者を募るということも今後必要だと思いますけれども防衛省の見解をお伺いします。
  146. 小川勝也

    ○副大臣小川勝也君) まさに化学防護隊に所属しておられた委員の御意見でございますので、しっかり参考にさせていただきたいと思います。
  147. 佐藤正久

    佐藤正久君 どうしても地上モニタリングになると、やっぱり経験とか知識がないとなかなか難しい。それが、もしも間違ったデータを出してしまうと、住民の安全あるいはほかの作業員の安全にもかかわりますので、ここは慎重にしっかりと対応していただきたいと思います。  今の予備自衛官制度だと、一等陸佐はなれないんですよ、一等陸佐以上は。でも、そういう資格を持っている人間は一等陸佐以上に結構多くて、若い方もいますので、いろんな面で検討していただきたいと思います。  また、官房長官が、避難者の一時帰宅を検討ということも会見で述べられています。その際、大事になるのは、十キロ圏内、二十キロ圏内の地上のモニタリングということになると思います。これは現在、十キロ、二十キロのモニタリング、これはどこがやっているんでしょうか、文科省でしょうか、経済産業省でしょうか。
  148. 伊藤洋一

    政府参考人(伊藤洋一君) 福島原発周辺のモニタリングについての御質問でございます。  文部科学省におきましては、福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の飛散とか拡散の状況を把握し、政府の適切な対応に資するため、様々な形で総合的な放射線モニタリングを実施しております。  具体的に申し上げますと、福島第一原子力発電所、現在二十キロ圏内は避難エリアでございますが、その外側の二十キロから四十キロ、こういった地域を中心に、県とか防衛省も含めまして関係機関と連携いたしながら、モニタリングカーを巡回させまして、空間の放射線の線量率のモニタリングを定期的に実施しているところでございます。またさらに、線量率の高い地域におきましては、空気中のダストとか土壌、こういったもののサンプル調査を行いながら、放射性の沃素とかセシウムとかいった核種分析も行ってございます。さらに、この地域におきましては、三月の二十三日以降は積算放射線量の測定も開始しているところでございます。  二十キロ圏以内の話につきましては、今申し上げましたように避難エリアでございますので、現在のところは計測は発電所周辺を除きまして行われていないところでございますが、今後、一時帰宅というような話もございますので、政府原子力災害対策本部あるいは安全委員会におけます御要請、御指示を踏まえて適切に対応してまいりたいというふうに考えてございます。
  149. 佐藤正久

    佐藤正久君 今答弁があったように、二十キロ圏内はやっていないんですよ。私も、レクを受けたときに、話だと、文部科学省も経済産業省もやっていないと、二十キロ圏内は。ただ、原発地域は、それは当然東電等がやっているということなんです。  今、二十キロから三十キロ圏内もモニタリングカーでやっていると。モニタリングカーでは一時帰宅は無理なんですよね。その家の道路から玄関までの間の距離、そこはどうしても地上でモニタリングしないと分からない。車では無理なんですよ。それはどうしても人が要る。場合によっては化学科隊員でしょうし、あるいは文部科学省の専門という場合もあると思いますけれども、文部科学省において地上モニタリング、人的にできる能力あるいは可能性はございますか。
  150. 伊藤洋一

    政府参考人(伊藤洋一君) 二十キロ圏内のモニタリングにつきましてちょっと補足させていただきますと、昨日から二十キロ圏内におきまして関係機関と連携いたしましてモニタリングに着手したところでございます。ところが、昨日は雨天で計測を一時中断してございますので、本日以降も引き続き実施しているというふうに状況を聞いてございます。  なお、二十キロ圏以遠につきましても、委員の御指摘等も踏まえながら、今後更に充実させていくこととしたいと存じます。
  151. 佐藤正久

    佐藤正久君 今のモニタリングは非常に粗いんですよ。例えば飯舘村、ここがIAEAの検査でも通常の退避の基準の二倍を超えるといっても一か所でしかやっていませんから。地元の要望も、あのぐらい広い村ですから、もっと細かくやっていただかないと、あたかも全部が危険地域のように、汚染地のように見られてしまうというふうに言われています。  今後、どうしても一時帰宅ということを考えると、もっと細かくやらないといけない。ただ、場合によっては、汚染したものを持って帰ってもらっても非常に困ると。県の方はもう避難区域と警戒区域にしてほしいというぐらいの要望もあるぐらいですから、その辺り、しっかりやっていただきたいと思います。  では、経産省にお伺いします。  前回のこの委員会質問で、原発サイト、これにはたった保安院二名しかいないということが説明ありました。経産省の答弁としては、二名という数字が適当かどうか、全体の安全確保考え方から検討すると答弁ありました。誰が考えても二名というのは、サイト二名と、少ないと思いますけれども、これは強化方向、どういう検討結果になったのか、経産省にお伺いします。
  152. 松下忠洋

    ○副大臣(松下忠洋君) つい三日前まで現地の対策本部長をしておりまして、今回また新たに原子力による被災者の生活支援を本部を立ち上げるということで、そのチームの事務局長ということでこれからもしっかり取り組んでいきたいと、そう考えています。  その上で、先ほどのモニタリングの件ですけれども……
  153. 佐藤正久

    佐藤正久君 そんなこと今聞いていない。
  154. 松下忠洋

    ○副大臣(松下忠洋君) いえ、二十キロから以内のことについて、自衛隊の皆さん方の大変な力をいただきまして、必要な防護装置を付けた上で海岸線沿い、それから中のモニタリングカーによる測定を実行しておりますので、これは大変感謝しております。東京電力の方でもやっていますので、二十キロ以内が全く何もないということではございませんので、そのことをまずお伝えしたいと思っています。  それから、現地の保安院の活動状況でございますけれども、現地のオフサイトセンターが機能ができなくなったことから県庁に引き揚げた後、二名を派遣して、そして後は福島県庁でまたオフサイトセンターを再起動いたしまして対応に当たっているということでございます。  以上でございます。
  155. 佐藤正久

    佐藤正久君 それは前回確認しているんですよ、一度確認していただきたいと。その後、それでは足らないというんですよ。今四百名を超える方が、東電、メーカーあるいは協力会社の方がサイトにおられる。それから二交代でやっているんですよ。保安院の方二名、二交代じゃないんですよ。それはどうやって安全管理を確保できるかと、無理ですよ。通常二十四時間体制でやろうと思ったら三交代ですよ、上番、下番、待機と。上番、下番、上番、下番の二交代ではかなりきついですよ。そういうことを考えて、この前も体制を考えてくださいと。安全管理をしっかりしないと、この前のようなずさんな安全管理によって被曝が起きてしまうんだ、作業員に。そこは保安院の仕事なんですよ。作業員だけが二交代で保安院が寝ているというのは、やっぱりこれはおかしいんですよ。  副大臣、現場の体制強化、これをしっかりお願いしたいと思います。お願いします。
  156. 松下忠洋

    ○副大臣(松下忠洋君) しっかり検証して取り組んでまいります。現地の作業員の人たちと同じサイトの管理棟で寝泊まりしておりますので、やっぱりその中に人数の限りもありますけれども、できるだけ充実するようにしていきたいと、そう考えています。
  157. 佐藤正久

    佐藤正久君 いつまでも検討って、もう三週間になるんですよ。ある時期は一週間いなかったんですよ、現場に保安院の方が。誰がその安全管理をチェックし、誰が東電のデータを正しいと評価するのか。機能を果たしていない、任務を果たしていないということになってしまいます。そこは大臣、政治家ですから、政治主導でやれと言わないと、なかなかやれませんよ。お願いします。  じゃ次に、ホスト・ネーション・サポートについて質問をいたします。  民主党は三年前、現行協定に反対いたしました。外務防衛大臣も反対票を投じました。結果、特別協定が失効し、約一か月間の空白期間が生ずるという事態が生じ、同盟という観点からすると望ましくないという事態が生起したと思っています。防衛大臣は当時、参議院の外交防衛委員長という要職にありました。  防衛大臣、一か月間、特別協定に穴が空くと、この意味、影響と、現在の防衛大臣という立場に立ってどのような今の御感想をお持ちでしょうか。
  158. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 好ましくないということは確かでありますが、しかし、そのことによって日米の間に特段の亀裂が生じたというふうには承知をいたしておりません。
  159. 佐藤正久

    佐藤正久君 好ましくないと。好ましくないんですよ。特段の亀裂が生じないようにみんな頑張ったんですよ。今、大臣という立場だとやっぱり好ましくない。先ほど松本大臣は、遺憾でじくじたる思いだという表現までされました。(発言する者あり)副大臣松本大臣ですよね、副大臣。その当時、北澤大臣もいろいろな理由を挙げて反対をしていました。  であれば、やっぱり今回これを賛成という立場になるのであれば、自分が防衛大臣になり、こういうふうに改善をしたから新しい協定を作ったんだ、賛成だということを説明しないと、やっぱり国民はなかなか理解し難いというふうに思います。  それでは伺います。防衛大臣、今回の在日米軍の再編、これによって二〇一四年ぐらいまでにどのぐらいの兵士とその家族が日本から去るということになっていますか。
  160. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) ロードマップに基づいて海兵隊の隊員が八千人、そしてその家族が九千人と承知しております。
  161. 佐藤正久

    佐藤正久君 それは沖縄からだけであって、あとは岩国とかほかからも動くんですよ。  実際、今、在日米軍、大体どのぐらいおられると承知していますか。防衛大臣に。
  162. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 通告はいただいておりますが、今の件については通告をいただいておりませんので、違った通告でありましたから正確な数字は申し上げられませんが、ほぼ三万人というふうに承知をしております。  こういう数字を挙げて答弁せざるを得ないものについては、しっかりと通告をしていただくのが大変有り難いと。我々も職員は全部徹夜でこの答弁対応をしておりますので、是非そういう実りのある質疑のためには御協力をいただければ大変有り難いと思います。
  163. 佐藤正久

    佐藤正久君 大臣、これはホスト・ネーション・サポートで、これは基礎中の基礎でしょう。そこで在日米軍の数がどのぐらいいて、それでどういう影響が出るかと。午前中の質疑でも山本委員からもありましたよ。今三万人と言われました。三万人のうち八千人いなくなる。であれば、これは約三割弱の方がいなくなる可能性があるという前提で光熱費あるいはその労務費、これに影響が出ないというのはなかなか分かりにくい。  国民が分かりにくいのは、米軍が減るのになぜ今回の特別協定が二十一年度とほぼ同じ額で、それが五年間。やっぱり分かりにくいんですよ。民主党の主張とも違う。防衛大臣、この辺り国民に分かりやすく説明していただきたいと思います。防衛大臣
  164. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 先ほど申し上げた八千人、九千人というのは、ロードマップに基づいて実行していくわけでありますが、この今の時点でそれを前提にして予算を組んでいく、協定を結んでいくということは、なかなか日米の関係協議の中では難しいことでありまして、それを補完するために日米の往復書簡というものがありますから、そういう事態が発生したときにはその往復書簡に基づいて対応をすると、こういうことになっております。
  165. 佐藤正久

    佐藤正久君 今回その辺りを分かりやすく説明しないと、先ほど松本大臣は、それが状況によっては途中で見直すということまで言われたんですよ、この協定自体の金額をですね。やっぱりその辺りを全体で言わないと、特に沖縄県民は分からないですよ。二〇一四年までに片や撤退すると言い、約三割の人間が減るのに金額が同じで、しかも五年。これは分かりにくい。  そこは明確に、これから広報するときに、途中でそういうものの削減があったら見直しますということまで言わないと、それは分かりにくいですよ。やっぱり国民の税金であれほど無駄を削れと言ってきた北澤当時の委員長ですから、そこはしっかりしていただきたいと思います。  また、当時、いろんなことを言われた中で、北澤大臣も含めて、自分たちの、自民党含めて公明党、しっかりと今回どのぐらい米軍が節約努力をしたのかと、いろんなものを検証しないから反対なんだということも言われました。  今回、防衛大臣は、鳩山政権、菅政権、ずっと防衛大臣をなされています。防衛大臣として、これ、今までの間、どのような形で米軍の節約努力というものを検証し、実際どういうものを具体的に成果として今回盛り込んだのか、これをお伺いしたいと思います。
  166. 広田一

    大臣政務官広田一君) 御答弁申し上げます。  先ほど佐藤理事の方から御指摘をされましたように、今回見直しをするに当たりまして、検証といったところについても米軍の方からも御報告をちょうだいしているところでございます。  具体的に申し上げますと、節約努力に係る取組でございますが、光熱水料等の節約について申し上げます。  米側におきまして一層努めることが特別協定の第四条に規定されているところでございますが、米側からはこれまで、平成十九年度から二十一年度の取組ということで、エネルギー効率の良い暖房、換気、空調設備への交換であるとか、人で感知をするセンサー、これは今の議員会館にもありますけれども、そういったセンサーの設置であるとか、独身の宿舎にカードキーのシステムを導入する、また太陽光発電のパネルの設置、冷暖房の運用期間の短縮、設定温度見直し、こういったことや光熱水料等の節約の取組について行ったというふうな報告を受けているところでございます。  また、こういった事柄について、より一層具体化する取組がより一層重要であるというふうに認識をしているところでございます。
  167. 佐藤正久

    佐藤正久君 そういうものを言わば検証したという説明がありましたけれども、そのほかにも当時、民主党あるいは防衛大臣含めて、米軍の宿舎が広過ぎる、平米数も調べて委員会提出してくれということもあって、調べて提出したこともございました。  今回の中で、提供施設整備費、これも今回増えるというような枠組みになっています。これは今までの主張からすると、今後建てる米軍施設も民主党の主張どおり狭くして建てるということを前提に今回組んでいるんでしょうか。
  168. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 私が委員長をしていた当時、委員長が平米数が広いだとか、そんなことを言った覚えは全くないので、委員長がまたそんなことを言うはずもないわけでありまして、しかし議論の中でそういう議論が盛んに闘わされたことは十分承知をいたしております。そのとき一生懸命で、一番先頭に立っていた浅尾議員はみんなの党へ行ってしまいましたけれども。  私は、現地を視察する中で、アメリカ軍として海兵隊の住居について考えておる考え方というのは十分承知をいたしておりますので、私は改めて、平米数の少ないとかあるいは建設単価が高いとかというのは、これは気象条件とか立地条件とかによって変わるという新しいものを私なりに認識をいたしております。
  169. 佐藤正久

    佐藤正久君 その話は、ずっと我々自民、公明党も言っていたんですよ、気象条件の話とか。だけど、結果的に変わっていないんですよ。  それは、今大臣が言われたように、現地を見て認識を新たにしたという発言でしたけれども、やはり本当に日本を守り、あるいは場合によってはアジア太平洋のところで平和と安定を守るために汗をかく米軍の方ですから、それは彼らの基準なりに、今までと同じようなとおりで平米数確保するのは当然と私は思っています。  でも、こういう細かいことをずっと言われていた。それはそれで国民の税金を大事にするという考えは分かります。でも、今回、大臣もいろんな形で学ばれたということで、今、現地を見てそういういろんなことが分かったということであれば一歩前進かなと思います。やっぱり大事なことは、大きな大事なことは、当然節約も大事ですけれども、在日米軍の方々にしっかりと結果を出してもらう。これがもっと大事なことであって、そのための今回のホスト・ネーション・サポートという認識を持って、我々も前回から賛成という立場で討論をしてまいりました。  こういうことを考えると、やっぱり今までのずっと民主党の言われたことを一度総括した方が本当はいい。伴野副大臣も自民党の部会の方に来られていろいろ言われています。やっぱり前は情報が余りなくてちょっと間違ったところもあったかもしれないみたいな発言もされていました。そういう面で、やっぱり一度総括をすると。何か民主党は今回こういう理由で変わったんですよということを総括しないとなかなか分かりにくい。防衛大臣、いかがでしょうか。
  170. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 今、佐藤委員のお話を聞いておりまして、私もいろいろ気付くところがありました。  現地へ行って私が承知をしたときにしみじみ思ったのは、ああ、前政権もこの委員会でこういうようなことを、説得力のあることを答弁していればあんなにもめなかったんだろうなという思いを強くいたしました。  今、佐藤委員は、いかにもそういうことを全部織り込みの上で説明をしてきたと、こう言いますが、あの当時の答弁を私も全て忘れるほどまだもうろくしておりませんので、ある程度のことはしっかり覚えておりますが、今、佐藤委員が言われたような、明快な、立地条件であるとか気象条件とか、そういうことの答弁はなくて、ただ一方的に平米数が多いとか少ないとかという議論に終始していたように私は記憶をいたしております。
  171. 佐藤正久

    佐藤正久君 大臣、調べてください、議事録。言っていますよ。グアムの場合は、あるいは沖縄の場合、やっぱり台風もある、地震のこともある、よって二階建てはなかなか造りにくい、よって地下を造らないといけない。グアムのあのアプラ港を見たって、ひび割れているじゃないですか。いろんなことを言っていますよ。もう一度確認してください。今の発言はかなり認識が違う。もう一度、震災対応で忙しいかもしれませんけれども、落ち着いたときに過去の委員会の議事録見てください。  また、当時、委員長、当時の石破大臣に対しまして、委員の要求を受けていろんな要求もされていたと。これも議事録を見てください、書いてありますから。  また、当時、民主党が反対した理由として、地位協定の改定も挙げていました。防衛大臣、覚えていると思いますけれども、運用改善では駄目だと、地位協定そのものを変えないと駄目だということも当時の民主党の方は主張されていました。今回、政権が変わってから、運用改善ではなくて地位協定の改定について、どのような御努力あるいは調整をされたんでしょうか。
  172. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 外交の話でありますので、私の方から御答弁をさせていただきたいと思います。  今お話がありましたが、HNS協定審議の際に地位協定の改正も議論になったというふうに承知をいたしております。同時に、私ども民主党は、直近の二〇〇九年、一〇年のマニフェストにおいても、地位協定の改定を提起をするということをマニフェストに記載をさせていただいたというふうに承知をいたしております。  地位協定につきましては、現在までのところ、問題として、私どもがそれを一つの課題と考えていることは米側には伝わっているという意味で、問題提起を諸問題を申し上げる中ではさせていただいているのではないかというふうに考えておりますが、地位協定の改正交渉という形で申入れをするというところにまではいまだ至っていないというのが率直に御報告をせざるを得ないところだろうというふうに思います。  今後とも、日米同盟を更に深化させて努めていく中で、普天間飛行場の移設問題など他の喫緊の課題の進展を踏まえつつ対応を検討してまいりたいと、このように考えております。
  173. 佐藤正久

    佐藤正久君 ということは、地位協定については民主党政権としては改正を今後とも求めていくと、まだ現時点ではそこまで至っていないけれども前の主張とは変えてはいないという理解でよろしいでしょうか。
  174. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 国民の皆様に改正を提起するとお約束をさせていただいたことの責任は、私も民主党の議員としてあるというふうに考えております。
  175. 佐藤正久

    佐藤正久君 そうすると、また今回思いやり予算というものを元気な日本の復活特別枠というものに計上したと。これはいろんな理由でやむを得ないというところもあるんでしょうけれども、そもそも、やっぱりこういう思いやり予算というもの、あるいは防衛費というものをこういう特別枠で入れて、しかもコンテストをするというものとは、私は次元が違うと思います。幾らやっぱりここは民主党政権でも、今回の在日米軍の果たす役割やその意義、効果というものを考えた場合、あるいは同盟という観点から考えた場合、やっぱりこれは望ましくないと私は思います。  恐らく防衛大臣も同じ思いだと思いますけれども防衛大臣の所見をお伺いします。
  176. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 昨年の概算要求においては、極めて厳しい財政状況の中で既存経費の一割削減という内閣全体の方針がまず大前提にあったということを御理解をいただきたいと思います。  そこで、防衛省とすれば、皆さんも御存じのとおり、防衛省の予算構造というのは極めて硬直的であります。一方で膨大な人件費、そしてまた装備調達の資金、それと運用上の燃料、そういうものからすると、ここの枠の中で議論するのはどういうものかということで省内で極めて真剣な議論をいたしました。そういう中から、本経費が極めて重要であると認識をいたしておりますからこそ、広く国民にも御議論をいただいた上で所要量を確保するという防衛省としての大きな試みをもってこれに、特別枠に計上をしたわけでありまして、政策コンテストにおいては、パブリックコメントを通じて幅広く国民からも御意見をちょうだいし、それを踏まえて評価会議において御議論をいただいた結果、最終的にA評価をいただいたわけでありまして、こういう議論の中でこの経費が国民の皆さん方にもしっかり認識をいただき、さらに、高い評価を得たということであります。  また、このことについては米側も非常な懸念を持って、ルース大使とも私はお話を申し上げました。その際、これは必ず国民が理解をして計上できるような形になるので御心配には及びませんと少し踏み込んだことを申し上げましたが、その後、民主党政権の中でこれがただいま申し上げたようにA評価ということになったことで米側との信頼関係も更に深くなったというふうに認識をいたしております。
  177. 佐藤正久

    佐藤正久君 そもそもこれは載っけること自体が本当はおかしなわけで、それが結果オーライだからいいというものでは私はないと。当時の防衛大臣の発言とも今の答弁はちょっと違うと。非常に、当時はそもそもこういうものになじまないということまで言われていたと私も記憶していますし、今後、こういう同盟国の予算というものをやっぱりコンテストに掛けるというものはこれは筋違いなので、二度とこういうことがないように、また防衛大臣からも首相の方にも意見具申していただきたいというふうに思います。  また、当時、反対の理由として我が国の駐留経費負担の額が他国と比べて高いということも言われていました。菅首相は、我が国とNATO諸国との安全保障環境の違いというのを述べられていましたけれども、これそういう、安全保障環境が違いがあるから今までの主張を取り下げてもう現状維持と、減額ではなく現状維持というふうに変わったというふうに理解していいんですか。
  178. 広田一

    大臣政務官広田一君) 御答弁申し上げます。  近年の日本周辺安全保障環境につきましては、いみじくも北澤大臣の方が、昨年の一文字は一体何なのかという問いに対しまして島というふうに答えました。これは、その意味するところは、尖閣諸島の事案であるとか、北朝鮮による韓国の延坪島に対する砲撃事件であるとか、さらにはメドベージェフ大統領の北方領土・国後島への訪問であるとか、昨年は島にかかわる事案等々を通しまして、多くの国民の皆さんが我が国防衛安全保障について大きな関心を持たれましたし、それはこの日本周辺安全保障といったものが大変複雑化、多様化しているということを意味しているというふうに認識をしているところでございます。そういった考え方を持って防衛大綱等々も策定をされたところでございます。  一方、NATOを取り巻く状況につきましても、確かに大量破壊兵器の拡散でございますとか、テロに対する対応等と、そういう共通の課題はありますけれども、やはり根本的に違うのは、NATOという広域の安全保障の枠というものがこのアジア地域にはございません。そういった意味でNATO諸国と我が国の環境とは異なっている、そういった認識でございます。そのことを受けて、このホスト・ネーション・サポートの位置付ける役割の大きさといったところも考えていかなければならないというふうに思っております。
  179. 佐藤正久

    佐藤正久君 今言われたのは三年前と同じなんですよ、NATOとの比較という点においては。だから、前、民主党さんは、日本の負担が高過ぎることをいろいろ言われていたんですよ。今回変えた理由の一つとして首相が安全保障の環境の変化を言われたと、それは私は詭弁だと思いますよ。その一つの理由にNATOとの比較を挙げた。これは、NATOとの比較は前から同じですから。そもそも以前でもやはり北朝鮮のミサイルとかいろいろあったわけで、在日米軍の果たす役割、非常に高いものがあって、それが機能していたからこそ抑制できたという部分もやっぱりあるんですよ。そういう面においては、その辺の情勢認識というものを更にしっかり見ていかないといけないと。  私は、情勢の変化を今回のホスト・ネーション・サポートの金額を維持するというものの理由にするというのはおかしいということを最後に指摘しまして、私の質問を終わります。  防衛大臣、大変でしょうけれども災害対処、頑張っていただきたいと思います。  終わります。
  180. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 自由民主党、島尻安伊子でございます。  先日、私も被災地の宮城県に入らせていただきました。私事ではありますけれども、生まれ故郷の変わり果てた姿を見て、もう本当に言葉が出ませんでした。石巻から塩竈、そして多賀城というふうに南下をさせていただきましたけれども、そのときに被災地での自衛隊の皆様方が本当に頑張っておられる姿に胸を打たれました。石巻では御遺体を一時埋葬するという場面に出くわしまして、自衛隊の皆様がこの遺体に敬意を払って、多分そのときだけだと思うんですが、新しい白い手袋に付け替えてお仕事をなさっているお姿に本当に涙が流れました。  改めて自衛隊の皆様方に敬意を表するとともに、同じく頑張っていらっしゃる消防、警察、そして世界各国からの御支援にいらっしゃっている皆様方、そして特に米軍の馬力のある援助というものに心から感謝をしたいというふうに思っております。  さて、私も、引き続きホスト・ネーション・サポートを中心に質問に移らせていただきたいというふうに思っております。  我が国を取り巻く国際環境は依然として不透明である、そのような中で在日米軍の抑止力が我が国の、あるいはアジア全体の平和と安定のために重要な役割を果たしているということから、本協定が絶対的に確保されなければならないということはもう十分に理解するものであります。  しかしながら、もう先ほどからずっと話があるように、民主党の皆様方が前回反対していたものが、なぜいとも簡単に賛成になったのかということが明らかでないということ、昨日の衆議院でもございましたし、もうそれこそ今日のこの本委員会においても各委員から指摘をされているところでございます。「過ちて改めざる、是を過ちと謂う」という論語がございますが、先ほど佐藤委員からもありましたように、やはりこの際、きちんとした総括をするべきではないかというふうに思います。その方が国民に対しての説明責任といいますか、分かりやすいものだというふうに思いますし、その上で我が国をどのような道筋でもって進めたらいいかということをきちんと議論できる、その素地が初めてできるのではないかというふうに思うものでございます。  まず、お聞きをいたしますけれども、先ほど午前中に山本委員からもございましたけれども、なぜこの度の協定が五年間になったのかという質問であります。先ほど松本外務大臣から、今後の米軍再編いかんによって調整の可能性があるというお話でありましたけれども米国側とどういう話合いがなされたのかということを御説明いただきたいと思います。
  181. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 調整についてということでしょうか。
  182. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 そうです、はい。
  183. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 先ほど御答弁を申し上げたところとできるだけ重複しないようにお話をしたいと思いますが、先ほども北澤大臣への御質問にもありましたように、米軍再編ロードマップにつきましては私どもも推進をすべく、また、基地負担の軽減を図るべく努力をしてまいる所存でありますけれども、具体的に、いつ、どのぐらいの、どのような規模の再編、若しくは駐留経費全体の削減が進んでくるのかということは、現段階ではまだ様々な調整を経てからということで確定をしておりませんので、今回の協定につきましては、現在の状況を前提としているというのが日米双方の認識であるというふうに理解をいたしております。  したがいまして、先ほども申し上げたように、駐留経費全体が削減をされるといったような場合になりましたら、この負担につきましても調整をされる可能性があるというふうに御答弁をさせていただいたというふうに理解をしております。
  184. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 ということは、そのことはもう米国側も織り込み済みだという認識でよろしいんでしょうか。
  185. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 米国とは現在のこの状況を、何というんでしょうか、基準というか前提にしてこのホスト・ネーション・サポートの話を進めさせていただいているということは双方の前提であるというふうに私は理解をしております。  他方で、再編、そしてロードマップの進捗については課題がまだ山積をしておりますし、行わなければいけない調整が多々あるということは島尻先生もよく御存じのとおりでありますけれども、推進をしていくということについては双方の認識、一致をしておるというふうに理解をしております。
  186. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 済みません、繰り返しになりますけれども、今回、これまでは小刻みだったわけですよね、二年とか三年とか。今回は五年間の協定だということで、先ほど、午前中、山本委員質問に御答弁されたときに、この米軍再編いかんによって調整の可能性があるということ、これは米国側も織り込み済み、米国側もそれで承知をされているということでよろしいんですね。
  187. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 五年については、私の言葉が不足で意を尽くしていなかったのかもしれませんけれども、このホスト・ネーション・サポート協定については、前回三年、前々回が二年ということでありますが、その前は五年を何度か積み重ねていったというふうに理解をいたしております。  今回、私ども皆様の御理解をいただいて今日こういう審議の機会もいただいているわけですが、ホスト・ネーション・サポートの協定を早めに締結をするということ、そして五年間という期間で締結をするということ、また総額について維持をするということ、そのものが在日米軍の安定的なプレゼンスを伝えるものとして我が国安全保障環境上大変大切なメッセージであると、こういう理解でお願いをさせていただいております。  その上で、今お話がありましたように、再編については先ほど双方で努力をするということでありますし、これは駐留経費負担でありますので、一般論で申し上げれば、全体として経費全体が変わるのであれば、当然負担についても議論される可能性があるということを申し上げたと御理解をいただけたらと思います。
  188. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 ということは、この五年の協定の中で、外務大臣はその調整の可能性があるというふうにおっしゃいましたけれども、ただ単に、こちらの日本としての立場というか、あるいは外務大臣の、だったらいいなという、その認識での御答弁だったということですね。
  189. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 日米との関係の中で十分にそれは御理解をいただけるものではないかというふうに思っておりますが。
  190. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 いただけるものではないかとの今のお言葉で全てが分かったというふうに思っております。  先ほども相手があることということでのお話でありましたけれども相手があるからこそ、やっぱりこういうことはきちんと詰めていかなければならないものだというふうに思いますし、結局、今の御答弁でなぜ五年間だったのかということは、またちょっと不透明さが増したかなというふうに思っております。  協定の内容について御質問いたします。  本協定の主な論点は、この労務費負担の削減でございます。四百三十人の労務員に影響があるとの御説明を受けました。この点について、菅総理が一月の本会議において、娯楽性の高い施設に勤務する駐留軍等労働者の給与負担を取りやめるということを明言をなさっております。  改めてお聞きいたしますけれども、娯楽性の高い施設に勤務する労働者の職種とは一体何を指すのでしょうか。これは防衛省にお伺いしたいと思います。
  191. 広田一

    大臣政務官広田一君) 御答弁申し上げます。  先ほど島尻委員の方から御指摘がございましたように、今回、非常に娯楽性の高い施設に勤務する労働者について日本側が負担を行わないと、そういった考え方を示して、御指摘のとおり、四百三十人を削減するというふうなことでございました。  その一方で、やはり米軍の施設におきましてもこういった娯楽施設も含めて厚生関係というのが大変重要でございます。そういった観点に立って、こういった職種について娯楽性が高いというふうなことで削減するのではなくて、施設にむしろ着目して今回は削減について日米間で協議をして結論に至ったということを御理解を賜ればというふうに思います。
  192. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 ということは、娯楽性の高い施設というものの、何というんでしょうか、すり合わせということをやったということですね。
  193. 広田一

    大臣政務官広田一君) 御答弁申し上げます。  私事で恐縮なんですけれども、私自身もこの政治の世界に入る前はいわゆるサービス業に勤務をしておりました。リゾート関係の会社にいたわけでございます。そういった意味からも、娯楽性の高いというふうな職種なり施設といったものが何かほかの仕事と優劣があるのではないか、こういったことについては疑問を持つところでございます。  ただ一方で、三年前の議論等において、こういった娯楽性の高いものについて国民の税金を使うものはいかがなものかというふうなことについて国民の皆さんの方からも一定の共感があったということは事実だろうというふうに思います。  そういったところを含めて、菅総理も御答弁したような事柄で、その労務費の一部について削減をするというふうなことでございまして、三年前、具体例として掲げられた事柄については念頭に置いて日米間で協議をしたものというふうに承知をいたしております。
  194. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 政務官の方から、その娯楽性の高いという表現に疑問を持つというお話でございまして、であれば、じゃ、なぜ今回この娯楽性の高い施設に勤務する労働者の給与負担を取りやめるということを総理がおっしゃったのか。それをあえて言葉にするような、原稿をどなたがお書きになったのか分かりませんけれども、そこに至ったことに関してちょっと疑問を持つわけでございますけれども。    〔委員長退席、理事榛葉賀津也君着席〕  そういたしますと、娯楽性の高い施設での勤務という職種を数えていったら今回のその四百三十人になったのか、先に四百三十人の労務費負担の削減ありきで重ねていかれたのか、これどちらなんでしょうか。
  195. 広田一

    大臣政務官広田一君) 御答弁申し上げます。  今回のこの四百三十人というふうな数字につきましては、様々な協議といったものが日米間で行われたというふうに承知をいたしております。よって、積み上げて云々というよりは、それぞれがそれぞれの考え方を示し合いながら、結果としてこの数字になったというふうに承知をしているところでございます。
  196. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 そうすると、結果として四百三十人。そうすると、この四百三十人の労務費というのは総額幾らになるんでしょうか。先ほどとちょっとかぶるかもしれませんけれども、改めてお聞きいたします。
  197. 広田一

    大臣政務官広田一君) 御答弁申し上げます。  給与水準につきましては変動をするものである、こういった前提でお答えをさせていただければ、先ほど副大臣の方からも御答弁申し上げましたとおり、現在の水準等で試算をいたしますと、五年間の総額というものは約二十五億円というふうに見込まれるところでございます。
  198. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 ちょっと順番があれですけれども、この娯楽性の高い施設で勤務している人というのは、ずばり何人いらっしゃるんでしょうか。
  199. 広田一

    大臣政務官広田一君) 娯楽性の高い施設に勤められている方々の数字というふうなことでございますけれども、この点につきましては、先ほども私自身の思いも含めて御答弁させてもらったんですけれども、どういったものが娯楽性の高い施設だというふうなことを、その詳細といったものを明らかにしますと、何か駐留軍等で働いていらっしゃる方々の業務内容に優劣を付けてしまうんじゃないか、そういった思いをしておりますので、この場でのお答えについては差し控えさせていただければなというふうに思います。
  200. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 いや、そのとおりだと思うんです。優劣を付けることなんですよ、この表現は。  ではあるんですけれども、これを総理がおっしゃっているわけですね、娯楽性の高い施設に勤務する駐留軍等労働者の給与負担を取りやめると。この表現を総理が使っているということは、じゃ、それを、その整合性をどう取られるおつもりですか。
  201. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 総理が言われておるのは、国会での議論の中で中心的な議題になったのはこの娯楽性の高い分野での労働者の数と、こういうことであったわけでありますが、これがしかし、一つには日米での間の文化の違いというものも一つあります。それからまた、例えばゴルフというものがどういう市民生活、国民生活の中で位置付けされておるか、日本の場合とアメリカの場合とはかなり違っておるというふうに私認識しております。  ゴルフのことを一つ例に取りましたけれども、それから先に入り込むと、今まさに広田務官が答弁されましたように職種の貴賤を議論するということになりますので、その辺については是非、沖縄御出身で、たくさんの駐留軍労働者がおいでの、島尻委員でありますから御理解がいただけるというふうに思いますが、日米の文化の違いと、それから職種の貴賤を議論するということを避けるという意味で、是非御理解をいただきたいと思います。
  202. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 いや、ですから私、沖縄選出ということだからこそお聞きをしなければいけないわけです、この駐留軍等労働者の数が沖縄は一番多いわけでありまして。  それでは質問いたしますけれども、この娯楽性の高い施設で勤務している人の中で沖縄には何人いるんでしょうか。
  203. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 交渉の内容を全て今日この場でお話をすることはまだ今の段階ではできないわけでありますけれども、先ほどからも議論がありましたように、娯楽性が高いということは、当時の議論でもそうであったかと思いますが、職そのものに貴賤はないと私も考えておりますけれども、他方で、北澤大臣からも少し申し上げたように、この部分を日本国民の税金で負担をするのかということが納税者の皆さんから理解をされやすいかどうかという部分について、必ずしもこの部分まで負担をするのだろうかということが理解を得にくい部分が幾つかの部分についてはあるんではなかろうかということの議論があったという理解の下に、今回、納税者の理解の得にくい部分については私どもとしても負担をできないということは米側にお話をさせていただきました。  他方で、全体としてどの人数の、労務者の人数の方々の負担を私どもがさせていただくのかということは、日米間での協議、そして在日米軍の貢献をどのように私どもは考えて応じていくのかという中で評価をさせていただいたわけでありまして、今の段階で、広田務官からもお話しさせていただいたように、何人がどこにどれだけのどういう職種でいるということは特定をすることそのものが適当でもないと思いますので、その点については御答弁を差し控えさせていただくことを御容赦いただきたいと思います。
  204. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 いや、了承できない、しかねます。  その納税者の立場というのはよく分かります。しかし、じゃ今働いている人の立場はどうなるんでしょうか。それから、今の段階で言えない、これ、じゃいつの段階で出せるものなんでしょうか。そして、四百三十人というふうなこと、それから労務費としての総額も出ているということは、その根拠があってしかるべきだというふうに思うんですけれども、今の御答弁では到底納得しかねます。もう一度御答弁お願いします。
  205. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 公開については、民主党政権になりましてからは、三十年というのを原則に外交交渉の結果を公表させていただくということにさせていただいておるところでございます。
  206. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 全く意味が分かりません。  であるならば、この娯楽性の高い施設に勤務する駐留軍等労働者の給与負担を取りやめるということ、これはもう菅総理が、何度も言いますけれども本会議でおっしゃっているわけでありまして、このくくりは誰がいつどこで決めたんですか、この表現を。
  207. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) これは国会議論でも十分に御承知おきをいただいておるというふうに思います。  それと、この四百三十人、娯楽性の高い分野の給料を、首を切るとか給料を出さぬとかということではなくて、日米での持分の切替えにするということでありますので、駐留軍労働者全体のくくりの中で、二万六千人という中では変わっていないということであります。今、島尻委員は十分御存じだと思いますが、御議論を聞いておりますと、何か切り捨てるようなお話でありますが、切り捨てるんではなくて、日本が持つのか米国が持つのかということだというふうに御理解をいただきたいと思っております。
  208. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 いや、私がお聞きしたいのは、この娯楽性の高い施設に勤務する駐留軍等労働者の給与負担を取りやめるという、この娯楽性の高い施設に勤務するという、この表現はいつどこで誰がお決めになったんですかという質問です。
  209. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 総理の答弁の起案までは私には分かりません。
  210. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 大変無責任だとはお感じになりませんか。防衛大臣
  211. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 突然無責任と言われても困るんでありますが、総理が委員会で発言をした、その言葉を誰が作ったのかというふうな問いかけでありますから、そういう答弁を申し上げたわけです。
  212. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 ということは、その件に関して防衛大臣は知らなかったということですね。
  213. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 島尻委員も、最初は野党でおられたけれども途中から与党になって、総理答弁であるとか大臣答弁であるというようなことがどういうふうに組み立てられていくかということは十分御存じのはずだというふうに思います。  総理答弁というのは、内閣の一番の中枢のところで作って、例えば防衛関係関係がある、外務関係があるというようなことについては問合せがありますが、私どもの方からただいま申し上げたようなことを起案したということではありません。
  214. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 これはまさに防衛大臣の所管じゃないですか。駐留軍労働者の費用ですよ、労務費ですよ。    〔理事榛葉賀津也君退席、委員長着席〕  今の御答弁でよろしいんですか。防衛大臣、もう一度お願いします。
  215. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 日米の協定については主管は外務省でありますから、防衛省ではないということは御存じだと思いますけれども
  216. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 先ほど北澤大臣がお話をさせていただいたところでありますけれども、今回の協定を結ぶに当たって、納税者の理解を得にくい娯楽性の高い施設に勤務をする労働者については米側が負担をするということで、これは日米間で合意をいたしているということでございます。そのことを総理がお話をさせていただいたというふうに私どもは考えておるところでございます。
  217. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 というのであれば、この対象となる労務者の負担、米側が持つということでありますけれども、どこに担保されているんでしょうか。
  218. 広田一

    大臣政務官広田一君) 御答弁申し上げます。  担保につきましては、特別協定における労働者の雇用の維持に係る規定がその担保になるのではないかなというふうに思っております。すなわち、日米両国は、合衆国軍隊又は地位協定第十五条1の(a)に定める諸機関のために労務に服する労働者で日本国が雇用するものの安定的な雇用を維持することを前提として本協定締結した旨規定をしております。この考え方の下で、日米両国は労務費の負担割合を定めたところでございますし、あわせて、御懸念の雇用の安定につきましては、安定的な確保に万全を期すように努力をしてまいりたいというふうに思っております。
  219. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 万全を期すというのであれば、きちんと協定内で担保されるべきだというふうにも思っております。単なる申合せではこれはいけないんだというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
  220. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 十分御存じだと思いますが、二万六千人というのは日米の協議の中で日本政府がこれを雇用するということになっておりまして、その中で二万二千、今ちょっと正確ではありませんが、部分は、二万三千五十五人は日本側がこれを給与を払う。さらに、その中で四百三十人を五年間にわたって低減をしていくと、そういう仕組みになっております。
  221. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 その四百三十人を減らしていくということですよね、だんだん。
  222. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 日本側の負担を減らしていくということでございます。
  223. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 いや、ですから、担保をきちんと取っていかないといけないんだということなんです。結局、じゃお聞きしますけれども、その対象になる方に何というふうにお話をなさるんでしょうか。
  224. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) いや、ちょっと趣旨がよく分かりませんが、四百三十人を首を切るということではなくて、今まで日本側が給与を払っていた分を米側がそれを替わって払うということになっておりまして、身分については変わりはないし、元々二万六千人の従業員というのは日本政府が責任を持って雇用しているということであります。
  225. 広田一

    大臣政務官広田一君) 補足をさせていただきたいというふうに思いますが、今回の四百三十というふうな数字でございますけれども、これは先ほども御答弁申し上げましたとおり、Aさん、Bさん、Cさんというふうに、この方、この方、この方というふうに積み上げて出てきた数字ではございません。あくまでも四百三十人分ということで、その四百三十人分の日本側の負担というものを削減していくというふうなことでございますので、この点について御理解をしていただきますとともに、先ほど御紹介しました協定において雇用の安定確保については担保されているというふうに認識しておりますし、また委員の御指摘の問題意識については、本当に私たちも機に触れ折に触れ確認して、雇用の安定に努めていきたいというふうに思っております。
  226. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 ですから、今回その対象になっている労務者に対してどのように通告というか、なさるんでしょうか。それは何も言わないんですか、その方には、雇用主が替わりますということを。
  227. 小川勝也

    ○副大臣小川勝也君) 今事務方からアドバイスをいただきまして、正式に整理をしておきましたけれども、基本的に二万六千数百人いる雇用者の中で、日本側が全て給料をお支払いをし、何人分という形でまとめて米国からそのお金をいただくということでございます。すなわち、雇用形態あるいはその雇用の維持という面のリスクはイコールでございまして、今回、先ほど来議論させていただいておりますとおり、国民に向けてこういうものも負担するのかという疑念を少しでも少なくするために日米で交渉して、四百三十人分は今回アメリカ側から御負担をいただくということにしたわけでございます。  ですから、四百三十人の方々の身分が変わるわけでもありませんし、その方々が雇用の不安定さの方向性に行くというものではないということも御確認をいただければと思います。
  228. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 そうすると、この娯楽性の高い施設に勤務している駐留軍等労働者には何の告知もされないということですね。これまでとずっと同じで、何の告知もされないということですね。
  229. 小川勝也

    ○副大臣小川勝也君) そのように御理解をいただければと思います。
  230. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 その辺きちんと、労務員に対して情報の提供というものはきちんとやっていただきたいと思っております。もうどれだけ、この四百三十人の数が出てきて、それにもしかしたら自分は該当するかもしれないということで不安に感じている方が多いわけでありまして、そのことはきちんとやっていただきたいというふうに思っております。  質問を続けていきたいというふうに思っております。  先ほどのほかの委員からも質問がございまして、削減した労務費に関して協定外のFIPに回すということでございます。これまで民主党さんはこのFIPについても削減しろというふうにおっしゃっていたわけでありますけれども、今回増額することに関して、その整合性云々に関してはいろいろと言い訳をお聞きをしているわけでありますけれども、この増額をするもの、このFIP、具体的にどんな使い方があるのかということ、具体的な計画を教えていただければと思います。
  231. 広田一

    大臣政務官広田一君) 御答弁申し上げます。  御指摘のFIPにつきましては、労務費及び光熱水料等の減額分を充当するとしたところでございます。充当分を含む全体といたしましては、これまでのような施設整備に加えまして、緑の同盟の考え方の下、再生可能エネルギー技術の導入のほか、例えば屋根、外壁、窓の高断熱化、空調、照明の高効率化など環境に配慮いたしました施設整備にも努める予定でございます。更に詳細に申し上げますと、LEDの照明でございますとか照明センサー、太陽光発電、断熱ガラス、そういったものに充当をする予定でございます。  この結果、長い目で見れば、そういった光熱水料等の削減にも寄与するのではないかな、このように考えているところでございます。
  232. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 この緑の同盟ということでございますけれども、いろいろとクリーンエネルギーあるいは再生可能エネルギー等々、この点については、私もその推進については応援をさせていただきたいというふうに思っているものでありますけれども、この辺、きちんとまた目に見える形でのことをやっていただければというふうに思います。  それでは、訓練移転について質問をさせていただきます。  訓練移転については、嘉手納基地のF15がグアムへ訓練移転するということを昨年、北澤防衛大臣が表明をされております。このことは今回の協定に盛り込まれているんでしょうか。
  233. 小川勝也

    ○副大臣小川勝也君) グアムへの訓練移転は、本年の一月、その基本的な内容で日米間で合意をさせていただいております。  訓練計画などの詳細については現在日米間で調整中でございまして、現時点で所要額を見積もることが困難でございます。そのために、平成二十三年度予算案にはその経費を盛り込んでおりません。もし、これから日米間で調整が整った場合、その所要額を見積もって、平成二十三年度予算に計上しております現行の航空機訓練移転に係る日米再編経費の中から支出することになると考えているところでございます。また、訓練移転費につきましては、訓練の性格別に経費を区分しておりまして、SACO関係経費と米軍再編関係経費については、御指摘の在日米軍駐留経費負担とは別扱いとして整理しているものでございます。  なお、グアムへの訓練移転費につきましては、新たな特別協定第三条に基づきまして日本側が負担し得ることになりますが、その経費区分といたしましては、現行の航空機訓練移転と同様、米軍再編関係経費として整理されるものと考えております。
  234. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 このグアム移転、大枠のみ確定をしていると。詳細はこれからだということでございますけれども、午前中、山本委員からもございましたけれども、沖縄の立場で、選出として言わせていただければ、やはり今回の普天間の件でももう本当に混乱をしているわけでありまして、その中でやはりこのグアムへの訓練移転ということは大変注目をしているところでございますので、詳細についてもきちんと早めに見える形でお示しをいただきたいと思いますけれども、その辺のことをもう少し詳しくお話しいただけますでしょうか。
  235. 佐藤公治

    委員長佐藤公治君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  236. 佐藤公治

    委員長佐藤公治君) 速記を起こしてください。
  237. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 期限的には二十三年度中にきちんと実行したいというふうに思っておりまして、なおその場合、三沢基地、それから岩国、さらには嘉手納から訓練にグアムへ行くという大枠のところで日米で合意をいたしております。
  238. 佐藤公治

    委員長佐藤公治君) もう一度、じゃ、島尻君。
  239. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 ですから、大枠では決定をしている、確定をしていると。だけれども詳細はこれからということ、これは承知をしているんですけれども、やはりこの詳細については、私も嘉手納を抱える沖縄県選出としてもっとやはり詳しくその詳細については県民に知らせていただきたいと。この立場から、もう少し詳しい御説明をいただけませんかという質問でございます。
  240. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) これは我々の政権として初めてこの日米合意を得たわけでありまして、これについては沖縄県知事を含む政府との会議の中でお示しをしてありまして、なお、その詳細については米軍との間で今調整をしておりますから、まだ正確なことを申し上げる段階には至っておりません。  ただ、そうはいっても、約束しただけでいつできるのか分からぬという話ではまずいので、年度を切って先ほど申し上げたように実現をしていくということで御承知おきをいただきたいと思います。
  241. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 是非、その辺、詳細をきちんと詰めていただいて、大枠で決まっているけれども詳細については分かりませんということでは納得のいかないことでありますので、くれぐれもよろしくお願いしたいというふうに思っております。  ちょっと最後の質問に移りたいと思います。  今回の震災で、被災者のための仮設住宅の建設というものがもう早急に必要とされることでございますけれども、その仮設住宅の建設地として今、在沖米軍基地、それも返還予定の在沖米軍基地内への建設はどうかなというふうに思っております。もう既にフラットな土地でありますし、時間が問題だという中で即刻できるのではないかというふうに思っておりますけれども、両大臣のお考えをいただければというふうに思います。
  242. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 御指摘の件は、是非一つの御提案ということで受け止めたいと、このように思っております。  その上で、当委員会でも何度かお話をさせていただきましたが、阪神・淡路大震災のときも、被災された方々が長年住み慣れたところのすぐ近くに例えば避難をされている場合に、どこの仮設に移るのかということは、やはりそれぞれの方々のお気持ちをおもんぱかってどういうふうにするのかというのは大変難しいある意味では行政の作業であったというふうに思っております。  そういう意味では、十分に被災者そして被災地の自治体の方々の意見を聞きながら、そして委員指摘の、被災地の、沖縄の施設・区域を仮設住宅の建設用地として活用するという案ももう一つの案として、被災地により近い本州の米軍の施設や区域、また米軍とは関係ないものも含めて何が被災者のために一番いいのかと。これは場所もそうですし、いつできるのかとか、様々なことが全て総合的にということであろうと思いますけれども、そういったものを政府全体の中で検討をしていく中でということになろうかというふうに思っております。
  243. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 今のにお答えする前に、グアムへの移転については早く知らせろというお気持ちはよく分かるんですが、御案内のとおり、米軍の運用上の問題になりますので、米軍も相当子細な計画を立てなければなりませんので一定の期間は掛かるということを是非御理解いただきたいと思います。  それから、仮設住宅について大変ユニークな御提案をいただいたわけでありますけれども、是非これははっきりしておいた方がいいと思いますので申し上げておきたいと思いますが、米軍施設に一般の人々が立ち入ることについては、米軍のセキュリティーの問題から極めて困難な問題であるということを御理解をいただきたいと思います。したがって、我々とすれば、国内の我が国の用地の中でまず第一義的にはこれを建設していくということに努力を傾注したいと、こういうふうに思っています。
  244. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 いや、返還予定の米軍基地だったらどうかなというふうに思ったわけでありますけれども、その米軍基地内が無理でも、例えば沖縄の読谷の旧軍飛行場とか、結構もう本当に、それこそ千五百メートルの滑走路が昔あったところですごくフラットなところで、これから、山内委員もおられますけれども、時間的にはすぐ着手できるのかなという観点。それから、先ほど緑の同盟というお話がありましたけれども、その米軍と日本の再生可能エネルギー、新しいエネルギー政策のインフラ整備も含めて、そういった仮設住宅ならぬ仮設町づくりといいますか、そういったものができるのではないかと思っております。  沖縄県、原発を抱えていない唯一の、電力のインフラでありますけれども、そういった中から、何か日米の、何というかシンボリックなそういったものができないかというふうに思いました。  最後、もう一度御答弁をいただいて、私の質問を終わりたいというふうに思います。
  245. 佐藤公治

    委員長佐藤公治君) 北澤防衛大臣でよろしいんですか。
  246. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 はい。
  247. 北澤俊美

    国務大臣北澤俊美君) 今、島尻委員から読谷という具体的な御提言がありましたので、その辺については少し調査をしてみたいというふうに思っております。  ただ、これは各都道府県、市町村から、うちへ来てくれ、うちは受け入れますよというような発信がないとなかなか対応ができないんでありまして、実際の問題とすれば、地元の方からそういう発信をしていただけると検討はしやすくなります。
  248. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 済みません、もうやめますけれども、いや、その発信はやっているわけでありまして、その具体的なところ、その場所は今初めてお話をするわけでありますけれども、県として、例えばもう万人規模での受入れをする、そのファーストステップとして三千人は受入れをするという手は挙げておりますので、それだけは申し添えておきたいと思います。  ありがとうございました。
  249. 小熊慎司

    ○小熊慎司君 在日米軍駐留経費特別負担協定についてお伺いをいたします。  現時点では、百年後、二百年後という話であれば別ですけれども、現時点では日米同盟というのはこれは堅持をされなければなりませんし、そういった下においてのこの堅持の協定というものは非常に重要なものであるということは私も認識をしているところであります。  午前中からもう何回も出ているわけでありますけれども、これ、負担も国民の皆さんの税金でありますから、やはり、とはいえ、しっかりとした説明責任が果たされなければなりませんし、三年前、私は国会議員ではありませんでしたけれども、やっぱり当時、民主党が反対をされたということに国民の幾ばくかの割合の方はそれに賛意を示していた方々もいたというふうに思います。  そして、この政権を担ってから賛成ということに関しては、やはりそこに透明性とか合理性とか効率性がどう図られたからこう変わったんだという国民の皆さんの理解が得られる説明がなければいけないというふうに思うわけでありますが、午前中からずっと議論されていますけれども、あえて反対から賛成に変わったということのもう一度説明をお伺いいたします。
  250. 小川勝也

    ○副大臣小川勝也君) 答弁の機会をありがとうございます。  小熊委員が席を外しておられるときに、北澤大臣の答弁の中で、浅尾慶一郎当時の同士と一緒に取り組んできたというお話もございました。そんな同士を持つ小熊委員だから御理解をいただけるかと思います。  私どもは、松本外務大臣から再三御答弁がありましたように、このこと自体に反対ということを考えた時期は一度もなかったというふうに断言をさせていただきたいと存じます。それともう一点、私も野党の議員を十四年務めさせていただきましたけれども、情報がないというふうに、当時は今よりももっとエキセントリックに非常にひがみっぽくずっと思っていました。そのことを含めて、もっと政府は情報を開示すべきだし、そしてアメリカにももっともっといろんなことを言うべきだというふうに考えておりました。  二〇〇七年にねじれ国会が出現をいたしまして、いわゆるところの参議院での勢力の逆転によって情報を共有しやすくなりました。そのことは、私どもは国民に選ばれて国会に来ておりますので、国民の皆さんに情報をお伝えするのが役割だというふうに情熱を持って接してきたわけでございます。  その結果、大変な議論の中、最終的に、基軸としては賛成方向だけれども、これだけ疑念を持つ案件があるということで、苦渋の選択をして反対に結論としてなったんだろうというふうに思っておるところでございます。  ですから、そのことを踏まえて、あるいは伴野副大臣がじくじたる思いを持った、そのことも全て踏まえまして、当時の自公政権の皆さんの思いも受けて、私たちは国民の皆さんにもその責めを負っておりますので、大変つらい作業をしていただいた方もおられますし、つらい立場になった人たちもたくさんいますけれども、誠実に今回の協定政府全体で締結にこぎ着けることができたんだろうというふうに思っているところであります。  すなわち、また外的要因でいうと、周辺安全保障環境を直視した場合、今このホスト・ネーション・サポート、いわゆる削るとか減額というその結論が出た場合、どういうメッセージを送ってしまうのか、あるいは国民の税金を負担していただくわけでありますので、より透明性を確保したり御理解をいただける度合いを高めたりする内容に工夫をしたい、そんなことも含めて、可能な限り、前線に立っていただいた方含めて政府全体で取り組んできたところでございます。  まだ不十分というふうな御指摘もあるかもしれません、あるいは大して変わらないじゃないかという御指摘もあるかもしれませんけれども政府全体で何とか今回のこれを松本外務大臣を先頭にまとめていただきました。私たちも、今の時点では最善の提案でございますので、何とぞ御理解をいただければというふうに思っているところでございます。  私たちも、つらいその御指摘を心から真摯に受け止めて、賛成をしていただきたいというふうにお願いをさせていただく次第でございます。
  251. 小熊慎司

    ○小熊慎司君 ひがみという言葉もありました、副大臣のじくじたる思いというのもありましたけれども、先ほど午前中にも松本大臣、察してくれというのがありましたが、いやいや、聞いているんじゃなくて、結局は、情報がなかったというのは私は検証はしていませんが、情報はちゃんと開示をされていたと思いますし、まだ私、国会議員となって一年もたっていませんが、国会議員の権限として様々種々調べられることを考えれば十分その判断はできたと思うんですね。  済みません、少数政党で私もまだ駆け出しでありながら、僣越ながら申させていただきますと、私、地方議員を十年やりましたが、先輩議員がよく言っていました、異議なしと異議ありだけじゃないんだと、やむなしもあるという話をしていまして、やむなしも賛成に近いやむなしと反対に近いやむなしといろいろあるというふうに言っておられました。当時の民主党は多分やむなしだったのに反対をしてしまったというふうに私は推測をするものでありますし、これ、じゃ、察してくださいという大臣言葉を邪推をするのかもしれませんが、結局はやっぱり政局絡みだったのかなというふうに思います。やはり外交防衛というものは、これはそういったものに絡めてはいけないというふうに思いますし、やむなしであればこれはやっぱり賛成して、やりながら改善をしていくというのがやっぱり大人の対応なのかなと。  民主党さんも政権与党になって学習をして大人になったというふうに思います。今後、政権からまた下野をして野党に戻った際も、午前中の山本委員の意見にもありましたけれども、そこでまたひがみ根性を出してはいけないと思うんですね。これ、大いなる学習の機会だったというふうに思います。野党になっても、どこの党が与党になるか、渡辺喜美代表が総理になるのか佐藤委員長が総理になるのか分かりませんが、また政界再編ということもありますし、これはやはり、済みません、駆け出しの議員が言うのもあれですけれども与野党共に、この外交防衛という問題は、やっぱりそういった政局に絡めずに冷静にしっかりとこれやっていかなきゃいけないという一つの大きな学習のきっかけだったというふうに思います。  そういう意味においては、今副大臣がひがみという、逆に正直な気持ちを言っていただいたというのは大変有り難いんですけれども、間違っていなかったということを証明するために言葉を重ねるとまた苦しくなるんですね。役所の無謬性の問題もありますけれども、これは政党も無謬性の神話にとらわれちゃいけないということを考えれば、はっきり言えば、素直にあの判断は間違っていましたと言う方が多分楽になるんですよね。ただ前向きにこれからやっていきましょう、取り組んでいきますと言う方が本当はいい議論が構築できるというふうに思っております。  僣越ながらそういった指摘をさせていただいておりますが、今後、ホスト・ネーション・サポートは比較的緩やかに減っていく傾向もあったりしますけれども、駐留、再編の経費とかが増えて米軍関係経費の平準化とかも目指していかなきゃいけないという中、また、さらには日本の財政状況の中でどう取り組んでいくか。  また、いろんな場面でもお伝えしておりますけれども、震災に対する莫大な経費がこれから財政に重くのしかかってくるということを考えれば、これまたいろんな全ての政策において言えるんですけれども、これ背景が変わりました。米軍との関係維持はもちろんやっていかなきゃいけないんですけれども、背景が変わって更に厳しい状況の中で、今後、このホスト・ネーション・サポートの在り方というものをもう一度見直して、しっかりと、より一層透明性、効率性、合理性といったものを高めていかなければいけないと思うんですね、今まで以上に。そのことについて御見解を求めます。
  252. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 率直に申し上げて、今日お願いをしている立場から申し上げれば、委員も御理解をいただいているのではないかと思いますが、やはり大変な震災の中でのまず救援、復旧復興というのは最優先課題でありますが、主権国家日本としての安全保障をしっかりと維持していくためには、ただいま現在、日米の関係日米同盟を堅持するということも国としてはまず第一義的にゆるがせにすることのできない課題であるということで、このような状況の中ではありますが、変わりなく、ある意味では変わりなくこれを引き続きお願いをさせていただいているというふうに理解をしております。  しかし、おっしゃったように、財政全体としてはまさに、総理も予算委員会の答弁で申し上げさせていただきましたが、優先順位をもちろん付けていく中で最優先順位の救援、復旧復興ということが出てきたということは揺るぎない事実だろうというふうに思いますし、財政全体を見ていく中では、おっしゃったように透明性、効率性、合理性というものが当然あらゆる意味では全て検証された上で、最優先に続く事項については、じゃどれをどのぐらいやるのかということに今後の予算を編成するに当たってはなってくるだろうというのはもう御指摘のとおりだろうというふうに思います。
  253. 小熊慎司

    ○小熊慎司君 あと一点、全体経費の中で平準化を求めていかなきゃいけないという部分もありますから、この再編の経費とかも含めて、その点についてはどうお考えですか。
  254. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 御指摘のとおり、たしかに再編の経費というのはやはり、何というんでしょうか、経常的な経費ではありませんので、おっしゃったような問題というのは出てくるし、これが我が国の財政に与える部分というのをどうするかということ。  他方で、しかし、負担軽減ということにどういう効果を生むのかということを考えたときには、もちろんおっしゃったような財政的には平準化のニーズというのがあると思いますが、その政策経費によってもたらされる若しくは期待される政策効果というものを考えた場合には、その平準化に伴う負担というのをどちらがどういう形で、日米であればどういう形で負担をするのが適切なのか。日本側が、あえて申し上げれば、平準化に係るコストを負担をしてでもこの政策は強力に早く推進をすることが必要であるということが判断されれば、当然、予算ですから国会にもお諮りをしてということになると思いますけれども、お諮りをすることもあると。  ただ、おっしゃったような平準化という観点が必要だということには、私どももまた心していきたいと思っております。
  255. 小熊慎司

    ○小熊慎司君 最後に、大臣は伊藤博文さんのゆかりの方であります。私は会津でありますけれども、その会津人が大臣を察したわけでございます。今後、もし与野党という立場が変わっても、これはやはり政局ではなくて、政策、国益、世界平和のために政治家がどうあるべきかということは決してゆめゆめ忘れないように、今回のことを轍として、是非、ひがみとかじくじたる思いということを言わなくてもいいようにしっかりとこの国を担っていっていただきたいということをお願いを申し上げまして、質問とさせていただきます。
  256. 山内徳信

    山内徳信君 私は、北澤防衛大臣がずっといらっしゃるものと思って質問要旨を昨日遅くまで時間掛けて作りましたが、お疲れだということでしたからそれはもうよろしゅうございますと申し上げてありますが、小川大臣へ是非、職員が書いた原稿を読み上げるのじゃなくして、簡潔明瞭にあなたの知見でお答えをいただきたいと思います。  それでは最初に、鳩山政権時代に普天間基地の移設先を鹿児島県大島郡徳之島を内定して官邸が接触を始めましたが、成功しませんでした。なぜ成功しなかったか、簡単におっしゃってください。
  257. 小川勝也

    ○副大臣小川勝也君) 御指摘のように、徳之島に移転をしようと接触をしたことがあるというふうに聞いております。最終的に、全てを把握しているわけではありませんけれども、米軍の利用上のいわゆる物理的な理由、すなわちヘリと戦闘部隊との距離、すなわちキャンプ・シュワブから百八十キロの距離、これが最終的に支障を来すというふうに検討結果となり、移設先として問題が多いというふうになったと把握をさせていただいております。
  258. 山内徳信

    山内徳信君 二番目に、橋本総理とモンデール駐日大使が、一九九六年の四月十二日、普天間飛行場は五年ないし七年以内に全面返還をいたしますと。沖縄の人は大変喜びました。私はテレビを見ながら跳び上がって喜びました。あれから十五年たっておりますが、全く返還は実現されておりません。十五年たっても実現しなかった理由をおっしゃってください。原稿を読み上げぬで、是非副大臣の生の声でおっしゃってください。
  259. 小川勝也

    ○副大臣小川勝也君) たくさんの必要な要件があったということ、そして、日本の政治、アメリカ、沖縄の人たち、全ての皆さんの思いを満足させることがこの十五年間かなわなかった、これが原因だろうというふうに考えております。
  260. 山内徳信

    山内徳信君 私は、昨日の松本外務大臣北澤防衛大臣の所信表明を伺いました。そして、外務大臣は、普天間飛行場の移設問題については、昨年五月の日米合意を着実に実施していく方針であり、沖縄の皆様方の理解を求めることに誠心誠意取り組んでまいりますと表明されました。防衛大臣もほぼ同じ表現でありました。  沖縄県民の理解は得られると思っていらっしゃるのかどうか、外務大臣のお気持ちを伺っておきたいと思います。
  261. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 率直に申し上げて、大変厳しく簡単な状況ではないというふうに認識をしておりますし、また、理解をしていただくのは沖縄の皆様の御判断でございますので、私としては、しかし先ほど、所信でも申し上げたように、昨年五月の日米合意を着実に実施をしていくことが最も良いことであると考えて御理解をいただくように努力をしていきたいということを申し上げたつもりでございます。
  262. 山内徳信

    山内徳信君 外務大臣が沖縄の皆様方の理解を求めることに誠心誠意取り組んでまいりますとおっしゃいました。しかし、もはや遅いと私は考えております。  なぜならば、抑止力は方便であったと鳩山前総理は言われました。方便とは何ぞやといって、私は知っておるつもりでしたが字引を引きました。方便、うそも方便と書かれていました。さらに、米国務省前日本部長ケビン・メアの、いわゆる沖縄はごまかしとゆすりの名人、あえて申し上げますが、これは暴言であります。暴言で罵られたわけであります。うそでだまされ侮辱の言葉を投げ付けられた沖縄県民に対し、新しい基地を押し付けようとする政治感覚が沖縄県民にとっては許せないのであります。  辺野古新基地建設計画、高江ヘリパッド建設計画は、このような状況の中で自ら崩壊し、自滅の道を転がり落ちております。  沖縄県民の尊厳と沖縄県民の誇りを傷つけた言動は、もはや取り返すことはできません。ことわざに、覆水盆に返らずという言葉があります。この問いに対して、外務大臣はどういうお答えがいただけるか、防衛大臣のお気持ちもきちっと承っておきたいと思います。どうぞ。
  263. 松本剛明

    国務大臣松本剛明君) 私が就任を命ぜられた日が三月の九日の夕刻でありました。昨日、当委員会でも猪口先生からの御質問にお答えをさせていただいたところですが、三月十日の朝、言わば最初にお会いをした方が、キャンベル米国国務次官補であり、グレッグソン国防次官補であり、ルース大使でありました。そして、一番最初に私からお話を申し上げなければいけなかったのが、報道されたメア氏の言葉は、沖縄のみならず、日本としてこれは大変傷つけられる言葉であり、看過できないということを申し上げ、先方からはその際に、ある意味では初めて正式にメア氏の人事が伝えられたというような状況でありました。  その話の直後の会見、記者さんとのぶら下がりだったか会見か正確に覚えていませんが、でも申し上げさしていただきました。まさに先生がおっしゃったように、一度出た言葉は戻らないと、このように思います。そして、たしかそのときも、これで沖縄の皆さんの御理解が得られると思いますかというような質問を記者さんからもいただいたような記憶がありますが、それは率直に申し上げて今申し上げたような趣旨のことをお話をいたした記憶があります、簡単ではない、そして一度出た言葉は戻らないと。  しかし、その上で、先ほども、私も大変その状況は率直に受け止めながら、今外交の責任をお預かりをする者としては今できるベストのことを、考え抜いた結論を改めて沖縄の皆様にお話しする機会をいただければお話をして御理解をいただくように努めていくのが私の職責だと、こう考えているということでございます。
  264. 小川勝也

    ○副大臣小川勝也君) 私もあのメア氏の発言については、大変許し難い発言だと認識をいたしております。また、米軍の抑止力については、政府の一員としても、個人としても、沖縄にあることによって抑止力があると私自身考えております。  また、十数年の悲願、計画であります普天間の移設問題、これは外交安全保障の継続という言葉もありますけれども、長年いろんな先人たちが知恵を絞ってつくり上げてきた一つのレールでございます。今は苦しくとも、やはりルールにのっとって一つ一つのもつれた糸を解きほぐしていくしか沖縄から普天間基地の移設問題は実現しないというふうに思っているところでございます。
  265. 山内徳信

    山内徳信君 私はここで副大臣と討論をしてみたいと思っておりますが、それは抑止論ということでありますが、時間ありませんから、これはまたの機会に譲っておいて、質問を進めたいと思います。  チュニジア、エジプトは、三十年前後の独裁政権に対してアラブの民衆はついに決起をいたしました。そして、独裁政権を倒して、民主主義の政権を目指して今頑張っております。  私は、この三十年という言葉を聞いたときに、私の頭に浮かんだのは、六十六年の沖縄の米軍統治から今日の米軍基地の実態が頭にすぐ浮かびました。  沖縄県民は、三十年ではなく六十六年にわたる日米安保の負担を押し付けられ、米軍基地の七五%を理不尽に押し付けられてきました。その犠牲は日本政府には分かっていただけません。分かろうとしていないところがあるんです。沖縄にも県民、大衆による革命が起こっているのです。県知事も市町村長も県議会も地方議会も、県民、大衆とスクラムを組んで、沖縄の陸にも海にも米軍基地は造らせないという、これが沖縄県民の今の思いであります。  これこそが、沖縄県民の革命であります。革命とは、命令を新たにすると私は教わりました。そして、前の政権から命令者が民主党政権に替わって、鳩山総理、菅総理が誕生しても命令は一つも変わりませんでした。そういう実態を見たときに、これはそう簡単に、私が尊敬している北澤大臣あるいは松本大臣が所信表明で御理解をいただいて進めるとおっしゃっても、そうはいかぬのです。そのことをこの場で私は明確に表明をして、私は、外務省、防衛省が押し付けてくるならば、県民とともに県民の隊列の中に立ってこれを拒否していきたいと、こういうふうに覚悟を決めております。  少なくとも、大きな事業を進めるというならば、日米両政府だけで決めて、決めてあるから聞けと、こういう発想は、エジプトの独裁政治あるいは戦前の日本のそういう軍国主義の政治ならばいざ知らず、今はそういう時代じゃないわけです。したがって、同意を得るのが三か所あったわけです。地元の同意とアメリカの同意を取って、三者がやはりやろうやと言ったときにしかスタートできぬことをよく知っておりながら県民の意向を後回しにしたというのは、これこそ沖縄差別であり、沖縄県民を愚弄するものではありませんか。そういうことを明確にお伝えいたしまして、その御返事は時間ですからいただきません。  終わります。
  266. 佐藤公治

    委員長佐藤公治君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  267. 山内徳信

    山内徳信君 私は、社民党・護憲連合を代表して、在日米軍駐留経費負担特別協定、いわゆる思いやり予算に対しましては反対の討論を行います。  日米地位協定第二十四条は、日本は施設・区域の提供のみと規定されており、基地の維持経費等は米国が負担することになっております。  そもそも、この思いやり予算は、一九七八年当時、米国の財政危機とドル安による物価高騰の折、金丸防衛長官が、思いやりがあってもいいと発言したことから始まっております。一九八七年六月以降、本予算の措置は、日米間で協定締結し、暫定的、特別的、限定的という当初の趣旨に反して改定を繰り返し、そして固定化し増額されてまいりました。  しかし、その実態は、他の同盟国、NATO諸国の総額を上回る巨費を日本一国で負担しており、これは米国の軍事的植民地と言っても過言ではございません。何でもはい、何でもはいといって聞いてきた対米従属の象徴的な姿であります。経済的にも余裕があるときならばいざ知らず、今は事業仕分をする時代です。  三月十一日に発生いたしました東日本大震災による未曽有の生活破壊、経済破壊、社会基盤の破綻、財政破綻という国難に直面しております。総額十兆円とも、あるいはそれ以上書いておる新聞もございますが、本当に、被災者救済あるいは復旧復興の財源を確保するということは極めて重要であると同時に深刻な問題であります。既に菅首相は与党のマニフェストの見直しにも言及され、不要不急の予算は全て被災者救援、復旧復興に充てるべきです。  今回の協定で、私は以下の問題について指摘をして、反対の意思を表明したいと思います。  その一つは、今回の協定では、今まで三年の有効期限を何ゆえに五年に延ばすのかということが腑に落ちません。政府は今、沖縄の基地負担の軽減を強調され、米軍再編を進めておられます。そういうときに思いやり予算を五年間に延ばしていくというこの動きは、まさに基地負担の軽減の動きにも反するものであると思います。  二つ目は、無駄遣いとの批判の多いその基地の村あるいは基地の沖縄に住んでおりまして、いかに無駄遣いが多いかということを、時間がありませんから申し上げませんが、外務省と防衛省の職員は一度私の事務所においでいただきたいと思います。詳しく説明を申し上げます。こういうことならば、私が仮にアメリカの軍人であってもアメリカ本国には帰りたくないと、こういうことを言うだろうと思います。そういうふうなやはり恵まれた生活環境にあるわけであります。それは日本の常識からすると、やはりとても理解できません。  さて、無駄遣いの批判の多い労務費や光熱水費は減額するとしながらも、減額分を特別協定の枠外に加算し、全体としては現行水準を維持するというごまかしをしていること、枠外加算分の使途もよく明確になっておりません。  三つ目は、今協定海外への訓練移転費用をも日本が負担するとしている点です。訓練を県外に移転しても、外来機がやってきて基地の負担は全く減りません、沖縄の嘉手納、普天間飛行場は。  これまで米軍は、飛行経路や爆音に関する、騒音に関する協定を守った試しはありません。また、日本各地の在日米軍基地での爆音訴訟で原告勝利、国側敗訴、敗訴いたしますと、損害賠償の支払の義務が生じてまいります。その額は私の計算では二百二十億であります。これは、爆音をまき散らしておりますのはアメリカ軍でございますから、その負担の七五%はアメリカ側が負担し、日本側が負担するのは二五%と地位協定十八条五項には書かれておるわけでございますが、アメリカはこの負担分を一回も日本側に払ったことがございません。したがって、アメリカ分も日本の納税者が納めた税金で支払いされておるという、この状態でございます。  そして、思いやり予算の執行現場を、先ほども申し上げましたが、私は十分、沖縄でございますから知っておるつもりでございます。そういう実態を日本政府も余り知らな過ぎておると、こういうふうに思います。米軍は米軍で、そのことをいいことに甘え切っております。やりたい放題のところがあります。  したがいまして、日米関係を健全な方向に持っていくためにも、思いやり予算に私は反対の意思を表明してアメリカ側に反省をさせていく、そういう機会にもしたいと思っておりまして、反対いたします。  以上であります。
  268. 佐藤正久

    佐藤正久君 私は、自由民主党の佐藤正久です。  自由民主党を代表して、議題となっております在日米軍駐留経費負担に係る新たな特別協定について、賛成の立場から討論を行うものであります。  まず、東日本巨大地震津波災害によってお亡くなりになった方々、そして被災された皆様に対しまして、心から御冥福をお祈りし、またお見舞いを申し上げます。  また、自衛隊、消防、警察、海上保安庁ほか、被災者支援に当たってくださっている方々、米国を始めとする各国の支援に心から感謝いたします。特に米軍に関しては、トモダチ作戦と名付けたオペレーションを展開しており、改めて感謝を申し上げます。  さて、我が国周辺安全保障環境に目を向けた場合、普天間基地移設をめぐる前総理の不見識な言動により揺らぎを見せた日米関係の間隙を突くように、中国による尖閣諸島周辺海域への侵出、ロシア大統領の北方領土上陸、また北朝鮮の核開発問題、韓国による竹島不法占拠の強化などなど、多様かつ不確定な要素が顕在化していることは明らかであります。  このような状況下において、自衛隊による防衛力と日米安保条約を基盤とする日米両国の緊密な連携に基づいた安全保障環境の構築が、我が国そしてこの地域における安定的かつ繁栄した情勢を維持するための基礎であると改めて確信するものであります。そして、その中核たる在日米軍による効果的かつ円滑な活動を確保するための本特別協定は、同盟国として我が国が果たすべき責務としてのホスト・ネーション・サポートそのものであります。したがって、本特別協定締結することは、日米安保条約に基づく同盟関係を維持していく上で非常に重要な施策と考えております。  しかし、現在政権中枢にある民主党は、三年前、本協定に反対されました。この度賛成に回られた理由は何でありましょうか。委員会採決に至っても、納得できる理由が明らかにされておりません。  かつて民主党が反対された理由は、我が国の負担の割合が七五%と諸外国より突出していること、また、在日米軍による不祥事を指摘し、日米地位協定の抜本的見直しを求めるとのことでありました。  民主党は、政権の座に着かれてから地位協定改定に向け話合いをされましたか。菅政権は、鳩山前総理の普天間基地移設問題における失策の後始末で精いっぱいであり、日米地位協定改定について口に出すこともできなかったのではないでしょうか。それとも、問題視していたことも忘れてしまったのでしょうか。  また、理解し難いのは、平成二十三年度概算要求において防衛省が在日米軍駐留経費負担を元気な日本復活特別枠に計上したことであります。結果的にA判定とされましたが、重要かつ二国間の約束にかかわる経費がこのようなコンテストの対象とされること自体ゆゆしき問題であり、このようなやり方は、日米同盟の深化に結び付くどころか、かえって傷つけるものではないかと思わざるを得ません。  また、三年前反対したもう一つの理由、総額の抑制、無駄の排除は達成されたのでしょうか。本協定は、労務費を今後五年間で二万三千五十五人から二万二千六百二十五人へ四百三十人分削減するとしていますが、その分を米国が担保する保証、この点についても明らかにされておりません。  総額については、労務費及び光熱水料の減額分は提供施設整備費、つまり本協定の枠外に加算され、今後五年間、在日米軍駐留経費負担の全体を現在の水準で維持するとされます。これでは、いわゆるホスト・ネーション・サポートの総額は変わりません。さらに驚くべきは、前回三年で更新したこの協定を、この度は五年にしていることです。  外務防衛大臣が、せめて、野党時代は情報が十分でなく分からなかった、認識が甘かったと国会で総括すべきではないでしょうか。その総括も謝罪もないこのような態度は、納税者たる国民に対して無責任極まりないものではないでしょうか。このような無責任政権に日本外交を任せることはできません。  以上、申し上げまして、私の賛成討論を終わります。
  269. 佐藤公治

    委員長佐藤公治君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  日本国アメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並び日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国アメリカ合衆国との間の協定締結について承認を求めるの件に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  270. 佐藤公治

    委員長佐藤公治君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  271. 佐藤公治

    委員長佐藤公治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時十一分散会