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江田国務大臣 このテーマは、もし話し出せばこれは永遠に話せる課題でありまして、しかし、限られた時間の中ですから簡潔に言わなきゃならぬかと
思いますが、
日本の二院制が、おっしゃるような経過でできて、十分練られた
制度設計になっていない部分がある、これは確かに認めざるを得ないところがあると
思います。
ただ、私どもは、この憲法で国政を動かしなさいよ、こういう負託も受けているわけですから、今のこの憲法を生かしていく、この憲法を上手に使い尽くしていく、その努力をやはりしていかなきゃいけないんだと思うんですね。
御
承知のように、衆議院の優越が幾つかの場面でありますが、基本的には衆参が同じ権限を持っている憲法の立て方で、ですから、例えば議院
内閣制も、
日本の場合には衆議院
内閣制ではありません、衆議院、参議院両方の
内閣制で、衆議院でも参議院でも総理
大臣の
指名選挙を行います。違った場合には両院協議会の相談を経て衆議院が優越することになっているが、これは国会がこういう議決をしたということで、したがって、衆議院の議長と参議院の議長が一緒に天皇陛下のところへその報告に伺うわけです。ですから、参議院は総理
大臣の
指名にかかわっていないというわけではないので、その参議院が
内閣総理
大臣なり、あるいは閣僚の一人なりに問責決議をしたときには、やはり両院
内閣制という
意味における一院がそういう意思決定をしたということで、これは大変重い
意味がある、これは私もそう思っております。
ただ、衆議院で
内閣不信任決議をした場合の効果というものは憲法で法定されているわけです。しかし、参議院の問責決議というのはそういう
法律上の効果の規定というのはありません。したがって、こうしなきゃならぬということはないので、そこはもう政治的な効果で、そのときの政治的な重みというものをその
大臣であるとか
内閣であるとかがしっかりと受けとめて、そして適切な行動をとればいい、それが適切でない場合には、その後にいろいろな政治的な動きの中で参議院の問責の効果があらわれてくる、政治的にですよ、そういうものだと理解をしております。
それはそれで、両院がそういうことでねじれが常態化していくという
お話が今ございました。確かに私もそう
思います。常態化したねじれが国会の機能麻痺につながっていいのかといいますと、それはそんなことはないので、
国民がつくったねじれというものをみんなで上手に生かさなきゃならぬ。国会というのは答えを出さなきゃならぬ
機関ですから、したがって、ねじれているときに、対立だけではなくて、やはり
政府・与党もそこは柔軟に、しかし、野党も答えを出すために協議をして何とか合意をつくる、そういう努力をするのが野党の
国民に対する大きな責任。
国民がそういう、参議院の方で衆議院とは違った数の力を持ったということは、その数の力を持って合意形成に参加をして、大いに合意のために努力をしろ、汗をかけ、それが
国民の意思だというふうに思っておりまして、今の
状況については、私は、これは大変議長経験者としても心配をしております。
ただ、私が
議長時代に、ではすべてうまくいったかというと、これは必ずしもそうでもない場面があったので、反省をしながら今の状態を心配しているというところでございます。