○
福井分科員 おはようございます。
昨日も野党にいじめられてお疲れのところ恐縮でございますけれども、我が尊敬する高知県出身の人徳の塊、
細川大
大臣にぜひ質問させていただきたいということで御来臨を賜りました。
まず、キャリアコンサルタントということで、きのう役所に伺いましたら、まだ
大臣には詳しくはレクしていなかったということで、実は、定点観測で毎年一回はこのキャリアコンサルタントのことについて質問させていただいているんです。
予算本
委員会でも質問させていただいたことがございまして、このキャリアコンサルタントということについて
予算委員会で質問した人は後にも先にも私一人ということで、非常に悲しい思いをしておりますので、ぜひ
大臣に、この
分野は大事だということをきょう思っていただいて、人員、組織、そして中身について御
指導いただきたいということです。
ちょっと打ち明け話といいましょうか、なぜかということで
お話をさせていただきますと、二〇〇〇年が初当選というか、初の選挙だったんです。出自がありますから、当然、町づくりをしましょうとか、道路の
予算を持ってきますとか、そうやって活動し始めたんですけれども、さすが高知県ですね、そんな金は要らぬと。
そういう反骨、反権力の土地なんだから、歯を食いしばって貧しくとも生きていくんだということで、考えに考え抜いて、心の自由民権、人生主義というんですけれども、当時、オランダ・モデルというのが日本でも紹介され始めて、オランダ・モデルというのは、日本でいうと、国と経団連みたいな組織が協定を結びまして、いつからでも、どこからでも、何回でもやり直せる人生を国も
社会も経済界も
支援しましょうということで、例えば、
子育てで一年、二年休む、そのときの手当ももちろんだけれども、その会社に必ず復帰させなければならないということを国と経団連が協定を結んだわけです。
休んでもいいけれども、必ず復帰させなければならないと。だから、なおかつですね。そしてなおかつ、ずっと働いていた人と休んでいた人に給料の差をつくってはいけない。すごいモデルをオランダは当時、今でもやっていますけれども、やっていました。
そういうことをヒントに、人生、波があるんだから、いつからでも、どこからでも、何回でもやり直せる人生を
社会全体が
支援するような、そんな
社会をつくりましょうということで、それでやっと当選したということで、自来四回ありました。
それで、当時はなかったんですね。アメリカにキャリアカウンセラーという
制度がありまして、巷間、五十万人いるんだということで、キンダーガーテンから十八歳まで、とにかく職業
教育をアメリカはしているんだということ。そして、公民館とかいろいろな
社会の装置の中にそのキャリアカウンセラーがいて、キャリアカウンセラーというのは臨床心理士で、とにかく大学院まで出て、まさに臨床心理を実地も、そして理論的にも非常にプロフェッショナルとしてわかっている人が、私は何になったらいいのか、私は職業をどういうふうに選んだらいいのかということについて助けてあげるということですね。
ですから、心のカウンセラー、悩み、死にたいとかそういう心のカウンセラーもいるし、そして、数学や理科がわからない、アカデミックカウンセラーもいるし、そしてもう
一つ、キャリアカウンセラーがいるということで、特にカリフォルニアを中心に、高校では本当に完璧な
制度があるということが二〇〇〇年の状態でした。
そこで、選挙が終わりまして、労働省を呼んで、職業
教育は大事だと。職業
教育、それは厚生省ですねと労働省に言われ、そして厚生省を呼んだら、いや、そんな、私たちのスコープ・オブ・ワークに入っていませんと言われ、全くけんもほろろの状態だったのが二〇〇〇年。たった十一年前なんですね。
それで、小泉構造改革で、五年で五万人つくりましょうということで、本当に小さく小さく始まった。キャリア形成室も、
厚生労働省の中もまだ本当に数人で、専門官はつくっていただきましたけれども、今、人数も減っている状態。ですけれども、各ハローワークにも、そして職業
教育をする各県の実験的な高校にも、日本でいうとキャリアコンサルタントがいるということで、やっと卵を割って世の中に広まってきたということなんです。
そういう時代
認識をまず持っていただいて、それで、この政権は
雇用、
雇用、
雇用ということで、ブレアは
教育、
教育。鳩山、菅両プライムミニスターは、
雇用、
雇用ということの割には、まだミスマッチがずっと続いている。
ちょうど自民党が与党のときの最後のときも、やはりミスマッチをどうしようかということで、いや、そんなのは農業と介護でぱくっとマーケットが口をあけて待っているじゃないかというんですけれども、それは理論はそうかもしれないけれども、では、農業で一生土をいじり、そして農産物価格と格闘するということを今から一生の仕事として選ぶというのも、これはかなりの心理的なインピーダンスがあるんですね。これはなかなか難しい。
ましてや、介護ヘルパー、これも本当に回転が激しいです。二、三カ月しかもたないというのが、今、平均的な介護ヘルパーの状態ですね。それはどうしてか。それは、とにかく人間の汚物の中で暮らすということなんですよね、早い話が、簡単に言うと。その汚物のにおいだったり、そのものだったり、そこでお昼の弁当を食べられるかどうかということなんですね。
そういう
現場の
実態を見ると、では農業に行こうと思うときに、もちろん畑で、田んぼでやる時間、そういう面もあるでしょう。しかし、たまには自分たち、あるいはその
地域の農業会社の販売と営業の担当になって、そしてネクタイを締めて、まさにホワイトカラーとしてインド、中国を飛び回って売りに行くんだ、農作物の輸出を担当するんだ。また、たまには自分の田んぼと畑に戻ってきて、そして自然と一体となってその人生を享受する。また営業に行く。そういうキャリアパス、農家というか農業を自分の生業としたときのキャリアパス、二十代、三十代、四十代、五十代、死ぬまで農業をするときのキャリアパスをつくるというところまでまだいっていないんですよ。
キャリアカウンセラーというのは、今ある職場の、幾らの給料で、どうやったら手に職がつくかというアドバイスはできるけれども、新しい生き方というのをつくるところまではまだいっていないんですね。その辺がまだ解けていない今後の課題だと思います。
それから介護も、ヘルパーからもちろん始めるんだけれども、介護の仕事はいろいろな
資格があります。そして、最後は有料老人ホームの
施設長になり、お金を借りて自分で特養をつくっていく、そういう階段を描けるようなところまでまだいっていないんですね。それは大塚さんが得意なところでしょうけれども。
何かイノベーションがあって、生産性が高まって、GDPが突然上がっていくという歴史を資本主義
社会でずっと繰り返してきた。今は、この数十年間、日本の生産活動、物をつくる
現場において、飛躍的なイノベーションがないのですね。日本経済を引っ張るようなイノベーションがないので、今困っている。だけれども、一方で
サービス産業の生産性という課題がある。
だから、解き方が違うと思うんですよ。つまり、人生の段階、段階において、キャリアパスにおいて新しい
雇用の形態を生み出すイノベーションというのが今必要で、それをつくるのがこのキャリアコンサルタントということで、今、こんな
一つの小さな部屋でやっているような場合やないというのが青年の私の主張なわけですね。なので、毎年毎年一回は
分科会でも
予算委員会でも質問させていただいているということです。
ちょっと前置きが長くなりましたが、
細川大臣にあられましては、三号問題で疲れているところ大変恐縮ですけれども、キャリアコンサルタントについて今どういう現状把握をされているか、ちょっと御紹介いただきたいと思います。