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柿澤委員 私は、みんなの党を代表して、ただいま議題となりました
政府提出の
平成二十三年度
補正予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について、その
趣旨を
説明いたします。
今回の東日本
大震災は、多数の人命が失われ、極めて広い範囲で深刻な被害が生じた未曾有の大
災害であります。地震と津波、
福島第一
原発の事故によって多くの人が
生活の基盤を失っており、まず急がねばならないのは、
生活の基盤を失った
被災者に対する迅速かつ効果的な
生活支援策であります。
しかし、
震災後一カ月以上経過した後に
政府が提出した
平成二十三年度の
補正予算は、四兆円の小規模なもので、
被災者支援には全くの力不足の予算であります。
菅総理があれほど
被災地を視察しているのに、
被災地の実情とはかけ離れています。金を惜しんではいけない時期なのに、
被災者支援策が小さいと言うほかありません。
政府がこうした大胆な提案をできないのは、いまだに、埋蔵金を使わない、国債発行は増税とセットという
財源論にとらわれ、単なる経理屋の発想で予算案を作成するからです。
みんなの党は、さきに発表した大復興アジェンダと東日本緊急
応援アジェンダで、あるべき復興の進め方と
被災した個人、農家、漁業者、企業、金融機関に対する救済策を提示しています。
政府は、直ちに、大復興アジェンダ及び東日本緊急
応援アジェンダに基づき、
補正予算案を改めるべきであります。
予算を組み替えるべき理由の第一は、
政府案が規模、内容ともに
被災者支援に不十分なことです。
大震災によって、多くの個人、農家、漁業者、企業が苦しんでいます。この
被災者たちに対し、幅広く債務の免除などを行い、
生活再建を支援すべきであります。
理由の第二は、
政府案の財源捻出が不十分なことです。
子
ども手当などのばらまき政策は、一部の見直しではなく全面中止すべきです。人件費の削減も甘く、特別会計の埋蔵金の捻出も不十分です。
理由の第三は、財政至上主義、霞が関主導の予算編成であることです。
政府の
補正予算編成に当たっては、国債の追加発行をしないという財政当局の意向が大前提とされました。
被災者支援、東日本復興のために何を行うべきかという観点から
補正予算の内容を考えるべきであるのに、財源面での制約によって
政府案の規模が四兆円規模に制約をされ、
被災者支援策としては小規模なものになっています。
政府の
復興構想会議においても、
財源論そして増税論が先行しています。経済を無視し、財政のことを第一に考える財政至上主義は復興の妨げとなるものです。
被災者支援、東日本復興を実現するためには、財政当局の論理を排除した、真の政治主導による予算編成が必要です。
以上の理由により、みんなの党は、
平成二十三年度
補正予算三案を撤回し編成替えを行うことを求めるものです。
次に、編成替えの概要について申し上げます。
財政措置については、
生活救済や
被災企業、農水業者への支援、
仮設住宅建設など二十兆円超の緊急
生活支援を行います。廃棄物処理には〇・三兆円を計上します。インフラ整備については、学校や福祉施設の応急対処は別として、やみくもに
復旧に手をつけるのではなく、復興計画を立てた上で行うこととして、五兆円程度の公共事業、施設
復旧を行います。
原発被災者のために五兆円以上を計上し、エコシティーを
建設します。そのほかに、地方交付税交付金、
自衛隊活動費等で一兆円を計上します。これらの措置で、歳出の規模は三十兆円超となります。
また、税制面での措置として、地方主導の復興を実現するため、消費税二%分を地方に移換し、地方の基幹財源といたします。また、義援金税額控除の拡大も行います。
財源については、国
会議員歳費カット、国家公務員人件費二割カットで一兆円を削減します。労働保険特別会計や国債整理基金特別会計から十五兆円以上の埋蔵金を捻出します。子
ども手当などのばらまきストップで三兆円程度の財源を
確保します。以上の財源捻出で、三十兆円超の財政需要分に不足する分は、日銀引き受けを含めた国債発行で
対応することとします。
以上が、みんなの党の組み替え案の概要であります。
なお、仮に組み替え動議が否決された場合でも、極めて不十分ながらも、早急な
震災対応の予算的手当てが必要な状況にかんがみ、
政府提出の原案にも賛成させていただくことを申し添えます。
以上でございます。(拍手)