○阿部
委員 確かに、新政権では、前政権のとっておられた年少の扶養控除、小さいお子さんを育てている親御さんの扶養控除を外して現金
給付に変えましたので、今
総理のおっしゃったような三歳前は、逆に、恐らく年収六百万から八百万世帯では手取りが少なくなってしまうということも再来年には随分起こってくるように思いますが、逆に、もしそれを踏まえたとしても、やはり多くのお母さん、子育て中の声は、先に同じ
財源があるなら保育園をもっとスピードアップして充実してほしい、これは都市部ですね。あるいは、田舎等々では、孤立して育児していることを何とか地域で支えるような、地域の体制にかけるお金にしてほしいという声の方が圧倒的に多いと思います。
私は、本当に、この政権が始まって、どこまでそういうフィードバックをなさったのか、前政権とのつじつま合わせの兼ね合わせだけで政策を打つのはやはり本当の新政権らしさがないと思います。私
どもは……(
発言する者あり)そうです。今おっしゃったように、
マニフェストの到達のみにこだわるとこういうことになる。本当の子供政策を超党派で話し合ったらいいんです。子供は
社会の宝、国の宝だからです。この点をぜひ
菅総理にはお願いしたい。
次に、社民党からの
提案です。
社民党は、この間、一万三千円の試算根拠は、お示しいたしましたように、ゼロから十五歳の子供に実際かかっている食費と被服費の平均値が月額一万三千円。
説明する時間がないので見ていただきたいですが、よく衣食足りて礼節を知ると言います。この衣と食、着るものと食べ物の
部分の平均額が一万三千円です。ほかに、教育費として下に書いてございますものを含めると、二万五千円とか六千円になってまいりますが、これは現物
給付で、保育やさまざまなサービスとして出していく、特に困った人に手厚く出していく。私は、
国民への
説明が足りないんだと思います。何を
合意点にするかが足りないんだと思います。
社民党は、先ほど新システムの中でどうなるのというのに
総理はお答えにならなかったけれ
ども、新システムが発足しようと何しようと、一万三千円の現金
給付は、全額国の
財源でやるのであればやるべしという、いつまでも地方
財源を当てにしたり、なぜなら、地方で充実させるべき保育がおくれてくるからであります。
時間の制約で、もし次の
質問と一緒に答えていただければありがたいですが、
総理は、タイガーマスク現象あるいは運動と呼ばれるものをどう受けとめておられるか。私は、もし
総理から、この国の大事な子供
たちを、
自分がみずから、
総理大臣菅直人が守り抜くぞとメッセージすれば、伊達直人は菅直人であったというくらいに思っています。
なぜなら、日本の
国民の多くが、先ほど、モースが明治の初めに見た日本の光景、子供を大事にしたい、
社会で守ってあげたいという根っこは持っているんだと思います。その根っこを持っている日本の国の
国民の気持ちをどこに向けていくのか、ここがやはり圧倒的にメッセージ力が不足しておられる。その結果、逆に言えば、子
ども手当が何であり、何から充実すべきかが飛んでしまっています。
そして今、火急にやっていただきたいことがあります。実は、消えた子供
たちというのがあります。住民票を御
自分の住んでいるところに残したまま所在不明となる子供
たちです。あの大阪の虐待事件の楓ちゃんや桜子ちゃん、あの二人がそうでありました。大阪に住民票は残ったまま、発見された場所は違う場所でありました。
今、こういう子供
たちが、毎日新聞の調査だけでも、少なくても三百五十五人、全国に広げれば一千七百人いるのではないか。あるいは、小中学校で一年以上学校に来ていなくて、その安否が
確認されない子もまた同じように数百人、三百三十三人でしょうか、これも調査は不十分です。
まず、政権としては、最もSOSを出したくて出せない子供
たちのところに私は手を差し伸べるべきだと思うし、そのために、消えた子供
たちの実態調査、これは市町村にお願いするしかないわけですが、これをやっていただきたい。そして、子供一人一人の台帳をつくっていただきたい。子供は、生まれてすぐ出生届を出して住民票に入る、だけれ
ども、その後、三、四カ月健診で来ない、予防接種のときもどうなったかわからない、何か御病気に遭って医療機関かもしれない、情報がばらばらに管理されています。一人の子の情報をパーソナルサポートするための子供台帳、後ろで消えた高齢者と言っていただいていますが、御高齢者の問題と同様に、ある
意味では守っていかねばならない。そして、子供
たちがSOSを出せないということを本当に強く受けとめて、消えた子供
たちの実態調査、やればできます、やっていただきたいが、いかがでしょう、
菅総理。